JP2661745B2 - 工業用殺菌剤及び殺菌方法 - Google Patents

工業用殺菌剤及び殺菌方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、工業用殺菌剤に関する。さらに詳しく
は、紙パルプ工業の抄紙工程水、各種工業用の冷却水、
などの水系における微生物障害を防止するために有用な
製剤に関する。
(ロ)従来の技術 従来から紙パルプ工業における抄紙工程水や各種工業
における冷却水中に、細菌や真菌によるスライムが発生
し、生産品の品質低下や生産効率の低下などの損失を与
えることが知られている。
これらの微生物による障害を防止するため、多くの殺
菌剤が使用されてきた。古くは、エチルリン酸水銀や酢
酸フェニル水銀等の有機水銀化合物、ペンタクロロフェ
ノールやトリクロロフェノール等の塩素化フェノール化
合物などが使用されていた。しかしこれらの薬剤は人体
や魚介類に対する毒性が強く、環境汚染をひき起こすた
め使用が規制されるようになり、最近では比較的低毒性
の塩素化イソシアヌール酸、次亜塩素酸ナトリウム、メ
チレンビスチオシアネート、5−クロロ−2−メチル−
4−イソチアゾリン−3−オン、2−ブロモ−2−ニト
ロプロパン−1,3−ジオール等が工業用殺菌剤として汎
用されている。
そして、同様な目的のために、ごく最近、マレイン酸
またはその無水物を殺菌剤として用いる提案がなされて
いる(特開昭64−50803号公報)。
(ハ)発明が解決しようとする課題 上記特開昭64−50803号公報は、マレイン酸や無水マ
レイン酸を、直接添加する態様並びにこれらを、適宜界
面活性剤やアルコール等を用いて、10〜50%程度の水溶
液剤や乳剤とした製剤を開示している。
また、この公報においては、マイレン酸と無水マイレ
ン酸との殺菌効果は同等であることが示されている。
しかしながら、上記公報に開示された態様や製剤によ
る殺菌効果は充分満足できるものではなかった。
この発明はかかる状況下なされたものである。
(ニ)課題を解決するための手段 かくしてこの発明によれば、実質的に無水の非プロト
ン性親水性有機溶媒中に無水マレイン酸を溶解調製して
なる工業用殺菌剤が提供される。
この発明の工業用殺菌剤は、それ自体、製剤として著
しく安定なものであって長期間保存、貯蔵(例えば1
年)した後においても安定な殺菌効果を示すものであ
る。そして、さらに、この殺菌剤は、直接水系に添加す
ることにより、無水マイレン酸粉末の直接添加や前記公
報に開示された水性製剤の直接添加時に比して著しく優
れた殺菌効果を奏するものである。
ことにかかる優れた殺菌効果は、マイレン酸使用時に
おいては発揮されず無水マイレン酸固有の効果であり、
従来技術からして意外な効果といえるものである。
かかる効果が発揮される理由は明らかではないが、
上記特定の有機溶媒が、従来の製剤に比して無水マイレ
ン酸を加水分解することなく安定に溶解保持すると共
に、水系への添加時に水と無水マイレン酸との直接接
触を抑制しつつ水系内へ効率良く分散させるよう作用す
るため無水マイレン酸がその加水分解が抑制された状態
で水系中の微生物と接触し、それにより、直接添加時や
従来製剤に比して優れた殺菌効果が奏されていると考え
られる。
この発明に用いる非プロトン性親水性有機溶媒として
は、下式(I)〜(III)から選ばれる有機溶媒を用い
るのが適している。
R1−(X)−R2−(Y)−R3 ……(I) (式中、R1及びR3は各々、C1-4のアルキル基,R2はC1-6
のアルキレン基;X及びYは各々、基−O−,−COO−又
は−O−R2−O−)、 (式中、R1,R3は前記定義と同一、R4は水素原子又はC
1-4のアルキル基;但し、R4はR1又はR3と結合してラク
タム環を構成してもよい)、及び (式中、R4は前記定義と同一、ZはC1-4のアルキレン基
又は基−O−) 上記式(I)で示される有機溶媒としては、例えば、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレング
リコールジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、
2−エトキシエチルアセテート、1,2−ジエトキシエタ
ン、2−メトキシエチルアセテート、3−メトキシブチ
ルアセテート、2−メトキシプロピルアセテート、2−
エトキシプロピルアセテート、3−エトキシブチルアセ
テート、ジアセトキシメタン、1,2−ジアセトキシエタ
ン、1,3−ジアセトキシプロパン、1,4−ジアセトキシブ
タン、1,5−ジアセトキシペンタン、1,6−ジアセトキシ
ヘキサン、エチレングリコールジプロピオン酸エステル
等が挙げられる。
上記式(II)で示される有機溶媒としては、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N−メチル−N−エチルホルムア
ミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−
2−ピロリドン等が挙げられる。
また、上記式(III)で示される有機溶媒としては、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−
ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。
上記式(I)−(III)で示される有機溶媒は、各々
混合して用いられても良い。
これらの有機溶媒のうち、製剤安定性の点で特に、3
−メトキシブチルアセテート、エチレンカーボネート、
プロピレンカーボネート及びγ−ブチロラクトンを用い
るのが好ましい。
この発明においてかかる有機溶媒としては、実質的に
無水のものが用いられる。ここで実質的に無水とは、上
記有機溶剤の市販品中に不可避的に含まれる微量の水分
や製剤時に大気中から不可避的に混入しうる微量の水分
等の存在を許容するが、意図的に水が添加されていない
ことを意味する。ここで、水が有意に添加された有機溶
媒を用いると、製剤安定性が低下し、実使用上の殺菌効
果の低下を招くため適さない。
この発明の工業殺菌剤は、無水マレイン酸を上記有機
溶媒に直接添加混合して溶解させることにより調製する
ことができる。従って有機溶媒の使用量は無水マレイン
酸を溶解するに足る量とされ、通常、製剤中の無水マレ
イン酸の濃度が約5〜50重量%、好ましくは10〜40重量
%となるように調整される。この量が多すぎると、長時
間保存時に無水マレイン酸が固体として折出するおそれ
があり、製剤安定性上好ましくない。
このようにして得られるこの発明の殺菌剤は、それ自
体、製剤安定性が優れた有用なものであるが、前述のご
とくこれを微生物が繁殖した水系に直接添加することに
より、従来の無水マレイン酸製剤使用時に比して、著し
く高い殺菌効果を発現する。従って、この発明は、上記
工業用殺菌剤を水系に直接添加することからなる工業用
殺菌方法をも提供するものである。
この際の適切な添加量は、対象系の微生物の繁殖状
況、水質、温度等によっても異なるが、通常、対象系中
に対し、1〜200ppm(無水マレイン酸量)とするのが適
している。この際、上記製剤自体の水分散性が優れてい
るので流通系においては連続少量添加で濃度調整を行っ
ても衝撃添加で行ってもよい。
なお、この発明の製剤において、その効果を阻害しな
い他の有機溶媒や他の殺菌剤等の第三成分が少量混合さ
れていてもよい。
(ホ)実施例 実施例1 無水マレイン酸(日本触媒化学製)を各溶媒に溶解し
て無水マレイン酸溶液を調製した。ついで、これらを50
℃の恒温槽内に静置し、経日的に無水マレイン酸(MA)
の残存率(W%)をHPLCで定量した。組成及び結果を表
−1に示す。
表−1に示されるように、水及び種々の親水性有機溶
媒で調製した無水マレイン酸製剤のうち、特定の親水性
有機溶媒を用いたこの発明の製剤においては、30日後に
おいても無水マレイン酸が94%以上残存していることが
分かる。ここで50℃で30日放置は、実用環境下における
約1年程度の放置条件に相当するため、上記高い残存率
はこの発明の製剤の著しく優れた製剤安定性を示すもの
である。中でも、DBE、エチレンカーボネート、プロピ
レンカーボネート及びγ−ブチロラクトン使用時には、
30日後においても無水マレイン酸の減少が全く認められ
ず、とくに優れていることが分かる。
なお、比較例に示す各製剤のほとんどは、1日以内に
無水マレイン酸成分が消去して無水マレイン酸としての
効果を全く期待できず、また最も安定性の高いトリプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル(比較例No.4)に
おいても30日後において無水マレイン酸がほとんど残存
していないことが判る。
実施例2 実施例と同様にして、表2及び表3に示す組成の無水
マレイン酸製剤(実施例A1〜A10、比較例B1〜B7)を作
製した。
上記各製剤を用いて、殺菌試験を行った。
(試験方法)某製紙工場の新聞紙抄造機より採取した生
菌数3.5×106/mlを含む白水(pH4.8,シュードモナス属
アルカリゲネス属菌主体)をビーカーに500mlとり30℃
の恒温槽内で撹拌する。ここへ、表2−3の製剤物を約
2cm角のテフロンシートに所定量(活性成分当り10〜100
ppm)化学天秤で精秤したものを直接投入する。
投入後、経時的に菌数を測定した結果を表−4に示
す。
なお、これらの供試薬剤は調製7日後(室温)に供試
した。
(考察) 表−4から明らかな様に、本願発明の製剤品が優れた
殺菌効力を示したのに対し、水・アルコール・グリコー
ル類で製剤したものやマレイン酸では、本願発明品の5
〜10倍の濃度においても充分な効力は得られなかった。
さらに無水マレイン酸をそのまま添加した場合と比較し
ても本願発明品は低濃度で有効である。これは、溶媒効
果によって無水マレイン酸の水添加時に加水分解が抑制
されつつ迅速に系中に分散されることや、菌に対する浸
透力が向上した為と考えられる。
なお、A−1〜A−10の各製剤品を50℃で1ケ月静置
後、同様に試験したところ、ほぼ同等の殺菌効果が得ら
れた。
(比較試験例) 供試薬剤の1%水溶液を調製したものを約30分後に供
試する以外は全て試験例−2と同ように行った。
(考察)表−5から明らかな様に、いずれの薬剤も原液
添加をした場合に比較して著しく効力は低下し、マレイ
ン酸と同程度の効力しか得られなかった。1%水溶液調
製後無水マレイン酸が加水分解してマレイン酸になって
から供試されたものと考えられる。
(へ)発明の効果 この発明の殺菌剤によれば、無水マイレン酸直接添加
時や従来の無水マレイン酸製剤添加時に比して、著しく
高い殺菌効果が発現され、しかもその効果は製剤の長期
間放置後においても同様に発現される。従ってその実用
的価値は著しく高いものである。
また、かかる殺菌剤においては、対象水系中に亜硫酸
イオンのごとき還元性イオンが含有されている場合、通
常の汎用性工業用殺菌剤ではその殺菌効果が低減されて
しまうのに対し、このような低減が生じず安定な前記殺
菌効果が発現されることも見出されているため、上記効
果とも相俟ってその有用性は極めて大なるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−221302(JP,A) 特開 昭64−50803(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に無水の非プロトン性親水性有機溶
    媒中に無水マレイン酸を溶解調製してなる工業用殺菌
    剤。
  2. 【請求項2】非プロトン性親水性有機溶媒が、下式
    (I)〜(III)から選ばれる有機溶媒: R1−(X)−R2−(Y)−R3 ……(I) (式中、R1及びR3は各々、C1-4のアルキル基,R2はC1-6
    のアルキレン基;X及びYは各々、基−O−,−COO−又
    は−O−R2−O−)、 (式中、R1,R3は前記定義と同一、R4は水素原子又はC
    1-4のアルキル基;但し、R4はR1又はR3と結合してラク
    タム環を構成してもよい)、及び (式中、R4は前記定義と同一、ZはC1-4のアルキレン基
    又は基−O−) である請求項1記載の工業用殺菌剤。
  3. 【請求項3】請求項1の工業用殺菌剤を、水系に直接添
    加して該水系中に存在する微生物の殺菌処理を行うこと
    を特徴とする工業用殺菌方法。
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DE60114174T2 (de) * 2000-04-28 2006-07-20 Ecolab Inc., St. Paul Antimikrobielle zusammensetzung
DE102005044855A1 (de) * 2005-09-21 2007-03-29 Clariant Produkte (Deutschland) Gmbh Biozide Zusammensetzungen

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