JP2661236B2 - 水なし平版用インキ組成物 - Google Patents

水なし平版用インキ組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は水なし平版印刷において、耐地汚れ性が良好
で、かつ印刷適性の優れた水なし平版用インキ組成物に
関するものである。
[従来技術] 現在の印刷の主流をなす湿し水によるインキ反撥性を
利用した平版印刷法に対して、かかる湿し水を必要とし
ない平版印刷法を使用する水なし平版印刷法が提案さ
れ、特にシリコーンゴムを非画線部に設けた平版印刷用
刷版を用いて印刷する方法が実用化されている。
このような水なし平版印刷において従来の油性インキ
を用いて印刷すると、地汚れが発生して好ましくないと
いうことが知られている。
水なし平版印刷における地汚れ発生という現象は印刷
中に印刷機の駆動部やローラの摩擦に起因して版面の温
度が上昇し、インキ自体の凝集力が低下してしまい、本
体インキ反撥性であるべき非画線部にインキが付着する
ものである。
このような現象は湿し水を使用する従来の平版印刷に
おいては、全く考慮する必要はなく、水なし平版印刷版
に発生する特有の問題である。なぜなら従来の湿し水を
用いる平版印刷の場合は、インキ反撥機構が全く異な
り、また湿し水の蒸発により版面温度の上昇はかなり抑
制されるので、このような地汚れ現象は考慮する必要が
ないし、インキの凝集力はむしろ小さいものが好ましい
とされている。
これを改良するためにバインダ−樹脂成分を高分子量
化して凝集力を挙げ耐地汚れ性を改良する方法が考えら
れる。しかしながら、例えば油性インキ中の樹脂成分を
従来の方法で高分子量化しても、耐地汚れ性が良好で、
かつ印刷適性が優れ、また良好な印刷物を与える水なし
平版インキを得ることは難しい。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、かかる従来技術の諸欠点に鑑み創案された
もので、その目的は耐地汚れ性に優れ、かつ印刷特性の
優れた水なし平版用インキ組成物を提供することにあ
る。
[問題点を解決するための手段] かかる本発明の目的は、 一般式 (式中、Hは水素、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表
わし、mおよびnは0または1以上の整数で、m+n=
6である) で示される共役二重結合を有する5員環化合物および/
またはそのディールス・アルダー付加物[成分A]100
重量部と分子内に炭素−炭素二重結合とベンゼン環を含
有する不飽和芳香族炭化水素単量体[成分B]5〜200
重量部とを共重合させることにより得られる炭化水素樹
脂[I]100重量部に対し、不飽和カルボン酸および/
またはその無水物[成分C]0.5〜20重量部を反応させ
て酸変性樹脂[II]とし、更にフェノール類とホルマリ
ンとの縮合により得られるフェノール樹脂[成分D]
を、該酸変性樹脂[II]100重量部に対し5〜100重量部
加熱反応させることにより得られる樹脂[III]を沸点2
00℃以上の炭化水素溶媒中、乾性油ないし半乾性油中、
あるいはこれらの混合物中で加熱撹拌溶解下に、分子鎖
伸長剤[成分E]で分子鎖伸長せしめて得られた変性樹
脂を含有することを特徴とする水ないし平版用インキ組
成物によって達成される。
本発明において、[成分A]は、 一般式 (式中、Hは水素、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表
わし、mおよびnは0または1以上の整数で、m+n=
6である) で示される共役二重結合を有する5員環化合物であり、
例えばシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン
等が挙げられる。また、前記一般式で示される共役二重
結合を有する5員環化合物のディールス・アルダー付加
物であり、例えば、ジシクロペンタジエン、シクロペン
タジエン−メチルシクロペンタジエン共二量化物、トリ
シクロペンタジエン等が挙げられ、これらおよびこれら
の混合物が工業的に好ましく利用され、これらの中では
シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンまたは両者
の混合物が特に好ましい。
シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンまたはそ
のアルキル置換誘導体の純度が高いことは必ずしも必要
ではないが、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエ
ンまたはそのアルキル置換誘導体が80重量%以上存在す
ることが好ましい。
また、ナフサ等の高温熱分解福生油のC5留分中に含ま
れるシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエンを
熱二量化させることによって、ジシクロペンタジエン、
ジメチルシクロペンタジエン、シクロペンタジエン−メ
チルシクロペンタジエン共二量体、シクロペンタジエン
−イソプレン共二量体、シクロペンタジエン−ピペリレ
ン共二量体等の混合物にした後、蒸留によりC5−オレフ
ィン、C5−パラフィン等のC5成分の大部分を除去して得
られる濃縮された留分を使用してもさしつかえない。
本発明において[成分B]は、分子内に炭素−炭素二
重結合とベンゼン環を含有する不飽和芳香族炭素水素単
量体であり、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−
メチルスチレン、インデン、メチルインデン等が挙げら
れ、これらの中ではスチレン、ビニルトルエン、α−メ
チルスチレンが樹脂を高分子量化させる効果が大きく、
その結果最終的に得られるインキの耐地汚れ性も極めて
良好であり特に好ましい。
また、ナフサの分解で生成する不飽和芳香族成分を含
む芳香族留分を使用してもさしつかえなく、この場合芳
香族留分をさらに精製してビニルトルエンを多く含む留
分としたものが特に好ましい。本発明においては、上記
[成分A]100重量部に対し、[成分B]5〜200重量
部、好ましくは10〜180重量部を無触媒あるいは触媒の
存在下で反応させることにより炭化水素樹脂[I]を製
造する。無触媒で反応を行なう場合には、上記[成分
A]と[成分B]の混合物を、200〜300℃において30分
から15時間、好ましくは1〜12時間加熱することにより
炭化水素樹脂[I]を製造することができる。一方触媒
を用いる場合には、触媒としてフリーデルクラフト型触
媒、例えば三フッ化ホウ素、若しくはそのフェノール、
エーテル、酢酸等の錯体または塩化アルミニウム等をモ
ノマー全量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜2
重量%の割合で使用し、その場合、反応温度−30〜100
℃、好ましくは0〜50℃、反応時間10分〜20時間、好ま
しくは1〜15時間である。
本発明における炭化水素樹脂[I]の製造において、
[成分B]の量が上記範囲に満たない場合には、この樹
脂を変性して得られる樹脂[III]の分子量が十分に大
きくならず、得られるインキの耐地汚れ性も不十分であ
り、また上記範囲を越える場合には、樹脂[III]の高
沸点溶媒への溶解性が不十分となり、インキの光沢も低
下する。
上述のようにして得られる炭化水素樹脂[I]は、不
飽和カルボン酸またはその無水物[成分C]と反応させ
るのであるが、[成分C]としては通常炭素が3〜32、
好ましくは3〜15のモノおよび多価不飽和カルボン酸ま
たはそれらの無水物が好ましく、それらの代表的なもの
はアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレ
イン酸、テトラヒドロフタル酸およびその無水物、フマ
ール酸、シトラコン酸、イタコン酸およびこれらの混合
物あるいは乾性油の脂肪酸、例えばアマニ油脂肪酸等で
ある。これらの中では、マレイン酸および無水マレイン
酸が好ましい。
本発明に用いる不飽和カルボン酸またはその無水物の
量比は、炭化水素樹脂[I]100重量部に対し、0.5〜20
重量部、好ましくは1〜10重量部である。不飽和カルボ
ン酸またはその無水物の上記範囲に満たない場合には、
生成した樹脂の極性基の量が少ないため、極性基を有す
る樹脂としての特徴がとぼしく、インキ用のビヒクルと
して用いた場合、顔料分散性、インキの流動性および印
刷効果が悪くなり、好ましくない。
また、上記範囲を越える場合には、極性基の量が多す
ぎ、溶媒に対する溶解性が悪くなり、また樹脂の変色、
ゲル化が起こりやすく好ましくない。更にインキに使用
する場合に、ワニス化する際の炭化水素溶媒に対する溶
解性が悪くなり、またインキの流動性、印刷物の光沢が
悪くなり好ましくない。なお上記の酸変性反応は、100
〜300℃、好ましくは150〜250℃の範囲内の温度で、無
触媒または公知のラジカル開始剤、例えば有機過酸化物
等の存在下で30分〜15時間、好ましくは1〜8時間の範
囲内で行うことができ、不飽和多価カルボン酸またはそ
の無水物を用いる場合には、無触媒で、不飽和モノカル
ボン酸またはその無水物を用いる場合には、触媒の存在
下に、反応を行なうことが好ましい。
本発明における酸変性樹脂[II]はまた下記の一段法
によっても製造することができる。
すなわち[成分A]と[成分B]の混合物を、触媒の
存在下または不存在下に温度200〜300℃で熱重合させる
にさいし、最初から或いは反応の途中から不飽和カルボ
ン酸またはその無水物を反応系に添加して熱重合するこ
とによって得ることもできる。
また本発明において上記で得られた酸変性樹脂[II]
の溶解性および軟化点を調節するために、あるいは樹脂
[III]の分子量を調整するために酸変性樹脂[II]を
アルコール類でエステル化することも可能である。その
際アルコールとしては、一価または多価アルコールを用
いることができる。アルコールとして炭素数が6以上、
好ましくは炭素数が8〜18の範囲の一価アルコールを用
いる場合が、樹脂[III]の溶解性が特に良好である。
アルコールの量は、酸変性樹脂[II]中のカルボキシル
基1モル当量に対して0〜1.0モル当量、または酸変性
樹脂[II]中の酸無水物基1モル当量に対して0〜2.0
モル当量である。エステル化反応は、酸変性樹脂を加熱
溶融するか、またはベンゼン、トルエン、キシレン等の
炭化水素溶剤に溶解した状態で、アルコールを加えて、
例えば150〜250℃の範囲で30分〜10時間、好ましくは1
〜5時間の範囲内の時間で行う。
本発明においては、酸変性樹脂[II]を、さらにフェ
ノール樹脂[成分D]と反応させることにより、樹脂
[III]が得られる。本発明において用いられるフェノ
ール樹脂は、炭素数4〜9のアルキル置換基を有するフ
ェノールとホルマリンとの縮合により得られるものが好
ましく、具体的にはp−tert−ブチルフェノール、sec
−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、
ノニルフェノールが工業的に好ましく用いられる。
またフェノール樹脂と反応させるかわりに、酸変性樹
脂[II]の存在下でホルムアルデヒドとフェノール類を
蓚酸、マレイン酸を触媒としてまたは無触媒下で反応さ
せても目的とするフェノール樹脂変性樹脂を得ることが
できる。
変性に用いられるフェノール樹脂の量は、上記酸変性
樹脂[II]100重量部に対し、フェノール樹脂5〜100重
量部の範囲であり、7〜50重量部が更に好ましい。フェ
ノール樹脂の量が上記範囲に満たない場合には、得られ
る変性樹脂ビヒクルとしてインキを作製した場合に、イ
ンキの流動性、印刷物の光沢等が十分でなく、上記範囲
を越えると樹脂のインキ溶剤への溶解性が悪くなるのみ
ならず工業的にも経済的でなく好ましくない。
反応は酸変性樹脂[II]とフェノール樹脂を混合溶融
し150〜250℃で30分〜10時間、好ましくは1〜5時間加
熱するだけで十分であるが、必要に応じて、酸触媒、例
えば蓚酸、トルエンスルホン酸、フリーデルクラフト型
触媒等を用いることもできる。
以上のようにして得られる樹脂[III]は軟化点が120
℃以上に、特に140℃以上であることが好ましい。
本発明において沸点200℃以上の炭化水素触媒として
は、炭素数12以上の脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素が
広く使用出来るが、好ましくは、通常の油性インキ溶剤
として使用されている沸点200〜350℃の石油系溶剤が使
用され、例えばパラフィン系、イソパラフィン系、α−
オレフィン系、ナフテン系、芳香族含有パラフィン系な
どの高沸点石油溶剤が挙げられる。
本発明において乾性油としては、ヨウ素価130以上の
動植物油が使用でき、例えばアマニ油、オイチシカ油、
エノ油、キリ油、脱水ヒマシ油などおよびこれらの重合
体が挙げられ、また半乾性油としてはヨウ素価100〜130
の動植物油で、例えば綿実油、大豆油、ゴマ油、ナタネ
油などやこれらの重合体が挙げられる。
本発明において分子鎖伸長剤[成分E]は樹脂[II
I]を沸点200℃以上の炭化水素溶媒中、乾性油ないし半
乾性油中、あるいはこれらの混合物中で加熱撹拌溶解下
に、分子鎖伸長せしめるためのもので、該[成分E]の
分子鎖伸長剤としては、多価カルボン酸ないし、その誘
導体、活性水素を含有するアミン化合物、レゾール型フ
ェノール樹脂、多価アルコールあるいはこれらの混合物
などが挙げられる。
[成分E]の分子鎖伸長剤として使用される多価カル
ボン酸ないし、その誘導体としては、通常炭素数2〜20
の多価カルボン酸またはその無水物、モノエステル化物
が挙げられる。多価カルボン酸としては通常2価〜4価
のカルボン酸又はその無水物、モノエステル化合物が好
ましい。具体的には、アジピン酸、(無水)コハク酸、
(無水)ヘキサヒドロフタル酸、(無水)フタル酸、ダ
イマ酸、セバチン酸等であるが、特に好ましくは、(無
水)マレイン酸、(無水)シトラコン酸、フマール酸、
マレイン酸モノアルキルエステル等のα,β−不飽和カ
ルボン酸ないしその誘導体が使用される。ここで(無
水)とは、酸そのものあるいは酸無水物でもよいという
意味である。
本発明において[成分E]の分子鎖伸長剤として用い
られる活性水素を含有するアミン化合物としては、エチ
ルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、ヘ
キシルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、エ
タノールアミン、アリルアミン等のモノアミン、エチレ
ンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジ
アミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン等のジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、ビスヒドロキシジエチレントリアミン等
のポリアミンやアミンアダクト等が有効に使用できる。
また、アミン誘導体としてのアミド化合物としては、
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、イタコン酸、カプリル酸、
グリコール酸、アクリル酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノー
ル酸、リノレイン酸等のモノカルボン酸、マロン酸、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマー
ル酸、ダイマー酸などの有機ジカルボン酸、トリメリッ
ト酸等の有機トリカルボン酸、3,9−ビス(2カルボキ
シアルキル)2,4,8,10−テトラオキサスピロウンデカン
等の有機カルボン酸と前記のアミン、ジアミン、ポリア
ミン等との縮合物が挙げられる。
本発明に用いられる活性水素を含有するアミン化合物
は上述のような構造組成のものであるが、取扱い、安全
性等を考慮すると、ポリアミド樹脂が好ましく、樹脂、
溶剤との相溶性の点から炭素数6〜60の酸とポリアミン
からなるポリアミド樹脂が特に好ましく用いられる。
上記ポリアミド樹脂の分子量としては500〜20,000の
範囲が好ましく、より好ましくは500〜10,000の範囲で
ある。
本発明において[成分E]の分子鎖伸長剤として用い
られるレゾール型フェノール樹脂としては、例えばフェ
ノール、クレゾール、パラターシャリブチルフェノー
ル、パラオクチルフェノール、パラノニルフェノール、
パラフェニルフェノール、ビスフェノールA、パラアミ
ノフェノール等のフェノール類に公知の方法でアルカリ
触媒の存在下、ホルムアルデヒドを反応させて得られる
ものが挙げられる。
本発明において[成分E]の分子鎖伸長剤として用い
られる多価アルコールとしては、特に限定されるもので
はないが、通常2〜4価の多価アルコールが好ましい。
具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、ヘキサンジオール、ヘキサントリ
オール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタ
エリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの炭素数
2〜15のものが好ましく用いられる。
本発明において最終的に得られる変性樹脂は、沸点20
0℃以上の炭化水素溶剤中、または乾性油ないし半乾性
油中、あるいはこれらの混合物中で、加熱撹拌溶解下
に、樹脂[III]と多価カルボン酸ないしその誘導体、
あるいは活性水素を含有するアミン化合物、レゾール型
フェノール樹脂、多価アルコールあるいはこれらの混合
物を反応させることにより得られるものであるが、反応
条件としては通常温度70〜250℃の範囲がよく、より好
ましくは100〜230℃であり、反応体の濃度としては通常
5〜80重量%が望ましく、より好ましくは20〜70重量%
が良い。この反応は印刷インキ用ワニス組成物の製造工
程において行うことができ、まず樹脂成分を溶媒成分に
加熱溶解し、次いで所定の温度で、分子鎖伸長剤成分を
添加し、反応せしめてもよいし、また、樹脂成分、乾性
油、溶媒を加えて加熱溶解し、次いで所定温度で、分子
鎖伸長剤成分を添加し、反応せしめてもよい。このよう
に添加順序は変えてもよい。また、これらの反応系に、
インキ用ワニス組成物成分としての極性溶媒あるいは炭
化水素溶剤等の成分が含まれていてもよく、必要に応じ
て、他成分を含有することができる。
反応時間は目的とするインキ用ワニス組成物の要求特
性に応じて、任意に選ぶことができるが、通常0.1〜10
時間、好ましくは0.5〜6時間である。
本発明による最終変性樹脂を含有する組成物は、従来
から通常平版印刷用に用いられている公知の他のインキ
成分を加えてインキ化される。
このような成分としては、必要に応じて追加される樹
脂成分、例えばフェノール樹脂、ロジン変性フェノール
樹脂、アルキッド樹脂、ロジンエステル、石油樹脂、マ
レイン酸樹脂等が、また乾性油、半乾性油等があり、こ
れらを単に添加しただけでも良いし、本発明で得られた
樹脂組成物とクッキングして用いてもよい。また、ゲル
化剤として、有機アルミニウム化合物等、公知のものが
使用できる。
また、インキとする場合の着色剤としては、無機ない
し有機系の顔料など従来のインキ組成物に使用されてい
るものが用いられる。
さらに、例えばワックス、乾燥剤、グリース、分散
剤、充填剤、その他公知のものを必要に応じて使用する
ことができる。
以上のような材料を用いて三本ロールで練肉したイン
キは地汚れ発生温度が高く、印刷適性に優れ、バランス
のとれた水なし平版印刷用インキとなすことができる。
[実施例] 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本
発明はこれらに制限されるものではない。
なお、実施例、比較例に用いられる部数は重量部であ
る。
合成例1 純度97%ジシクロペンタジエン350部、スチレン350部
および混合キシレン300部を2のオートクレーブに仕
込み、窒素雰囲気中で撹拌下、270℃で6時間加熱し
た。加熱終了後、オートクレーブを冷却し、内容物を蒸
留して未反応モノマー、低重合体およびキシレンを除去
し、釜残として663部の樹脂(I)を得た。樹脂(I)
の軟化点は144.0℃であった。
この樹脂(I)240部を220℃で加熱溶融し、無水マレ
イン酸7.2部を添加し、撹拌下4時間反応を行い酸変性
樹脂(II)を得た。樹脂(II)の軟化点は151.5℃、酸
価は12.2mgKOH/gであった。
引き続き、酸変性樹脂(II)180部に、p−tert−オ
クチルフェノールとホルマリンから得られるレゾール型
フェノール樹脂20部を加え、220℃で3時間反応を行
い。軟化点169.5℃、酸価11.9mgKOH/gの樹脂(III)を
得た。
実施例1 合成例1で得られた樹脂(III)33部、“舶純亜麻"N
o.7(東新油脂(株)製乾性油)13部、“3号ソルベン
ト”(日本石油(株)製インキ用炭化水素溶剤)7部、
“ダイアレン"168(三菱化成工業(株)製インキ用炭化
水素溶剤)3部を、窒素流下に混合、加熱昇温して、20
0℃加熱撹拌下に無水マレイン酸2部を添加し、200℃で
2時間、加熱撹拌した後に“3号ソルベント"29部、
“ダイアレン"168 13部を添加し、150℃で30分間加熱
撹拌してワニス(I)を得た。
このようにして得られたワニス(I)83部に“シムラ
ーブリリアントカーミン"6B233(大日本インキ化学工業
(株)製インキ用紅顔料)17部を加えて常法により、3
本ロールで混練し、インキAを得た。
実施例2 合成例1で得られた樹脂(III)40部、“舶純亜麻"N
o.4 15部を、窒素流下に混合、加熱昇温して、200℃加
熱撹拌下にSi−H基を含有するオルガノポリシロキサン
(トーレ・シリコーン(株)製[BY10−912])3部
を、シブチル錫ジアセテート0.05部を添加し、200℃で
1時間、加熱撹拌した後に“3号ソルベント"30部、
“ダイアレン"168 12部を添加し、150℃で30分間加熱
撹拌してシリコーン変性ワニス(I)を得た。
このようにして得られたシリコーン変性ワニス(I)
20部、実施例1で得られたワニス(I)63部に“シムラ
ーブリリアントカーミン"6B233 17部を加えて常法によ
り、3本ロールで混練し、インキBを得た。
実施例3 合成例1で得られた樹脂(III)33部、“舶純亜麻"N
o.7 13部、“3号ソルベント"36部、“ダイアレン"168
16部を、窒素流下に混合、加熱昇温して、180℃で1
時間、加熱撹拌した後に、ダイマー酸とジエチレントリ
アミンとの縮合物(モル比1:1)のポリアミド化合物
(分子量:5,000)2部を添加し、120℃で30分間加熱撹
拌してワニス(II)を得た。
このようにして得られたワニス(II)83部に“シムラ
ーブリリアントカーミン"6B233 17部を加えて常法によ
り、3本ロールで混練し、インキCを得た。
実施例4 合成例1で得られた樹脂(III)33部、“舶純亜麻"N
o.7 13部、“3号ソルベント"7部、“ダイアレン"168
3部を窒素流下に混合、加熱昇温して、200℃加熱撹
拌下に、アルカリ触媒でp−アルミフェノールとホルム
アルデヒドを公知の方法で初期縮合せしめて得られたレ
ゾール型フェノール樹脂2部を添加し、200℃で3時
間、加熱撹拌した後に“3号ソルベント"29部、“ダイ
アレン"168 13部を添加し、150℃で30分間加熱撹拌し
てワニス(III)を得た。
このようにして得られたワニス(III)83部に、“シ
ムラーブリリアントカーミン"6B233 17部を加えて常法
により、3本ロールで混練し、インキDを得た。
実施例5 合成例1で得られた樹脂(III)33部、“舶純亜麻"N
o.7 13部、“3号ソルベント"7部、“ダイアレン"168
3部を窒素流下に混合、加熱昇温して、200℃加熱撹
拌下に、トリメチロールプロパン2部を添加し、200℃
で5時間、加熱撹拌した後に“3号ソルベント"29部、
“ダイアレン"168 13部を添加し、150℃で30分間加熱
撹拌してワニス(IV)を得た。
このようにして得られたワニス(IV)83部に“シムラ
ーブリリアントカーミン"6B233 17部を加えて常法によ
り、3本ロールで混練し、インキEを得た。
比較実施例 合成例1で得られた樹脂(III)35部、“舶純亜麻"N
o.7 13部、“3号ソルベント"7部、“ダイアレン"168
3部を窒素流下に混合、加熱昇温して、200℃で2時
間、加熱撹拌下した後に“3号ソルベント"29部、“ダ
イアレン"168 13部を添加し、150℃で30分間加熱撹拌
してワニス(V)を得た。
このようにして得られたワニス(V)83部に、“シム
ラーブリリアントカーミン"6B233 17部を加えて常法に
より、3本ロールで混練し、インキFを得た。
上述の実施例および比較実施例で得られたインキA〜
Fについて、それぞれの方法でインキ特性および印刷特
性を評価し、結果を表1に示した。
(インキ特性および評価方法) 版胴に温水を通じて版面を昇温できるように改良した
印刷機に、シリコーンゴムよりなる非粘着性層を有する
水ないし平版を取り付け、湿し水を供給することなし
に、版面を昇温しながら印刷し、一定のベタ濃度におい
て印刷物に地汚れが発生した際の表面温度を地汚れ発生
温度とした。地汚れ発生温度の高いインキほど実用印刷
においても地汚れが発生しにくい。
次に30℃においてこれらのインキの流動性(フロー
値)をスプレッドメーターで測定し、インコメーターで
タック値を測定した。また、インキのそれぞれについ
て、水なし平版を用いて印刷を行ない、マクベス反射濃
度計で印刷物のベタ濃度1.35のところの光沢値を60度鏡
面反射光沢計で測定した。
この結果から、本発明に基づくインキA,B,C,D、E
は、ブランクインキFに比較して、地汚れ発生温度が高
く、タック地が低い等の点で優れていることがわかる。
実用印刷テストにおいても、インキA,B,C,D、Eをイ
ンキFと比較したところ、インキA,B,C,D、Eはいずれ
も、紙面の汚れの発生もなく、パイリング、紙むけなど
の印刷トラブルが抑制されたものとなっていた。また、
印刷物の光沢を測定したところ、インキA,B,C,D、Eは
耐地汚れ性が高いにもかかわらず、ブランクインキFと
同等で光沢のある印刷物が得られた。
[発明の効果] 本発明による分子鎖伸長樹脂をバインダー樹脂成分と
して含有する水なし平版用インキ組成物は、耐地汚れ性
が良好で、かつ印刷適性が優れたものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−118494(JP,A) 特開 昭57−36172(JP,A) 特開 昭57−38871(JP,A) 特開 平1−96273(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Hは水素、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表
    わし、mおよびnは0または1以上の整数で、m+n=
    6である) で示される共役二重結合を有する5員環化合物および/
    またはそのディールス・アルダー付加物[成分A]100
    重量部と分子内に炭素−炭素二重結合とベンゼン環を含
    有する不飽和芳香族炭化水素単量体[成分B]5〜200
    重量部とを共重合させることにより得られる炭化水素樹
    脂[I]100重量部に対し、不飽和カルボン酸および/
    またはその無水物[成分C]0.5〜20重量部を反応させ
    て酸変性樹脂[II]とし、更にフェノール類とホルマリ
    ンとの縮合により得られるフェノール樹脂[成分D]
    を、核酸変性樹脂[II]100重量部に対し5〜100重量部
    加熱反応させることにより得られる樹脂[III]を、沸
    点200℃以上の炭化水素溶媒中、乾性油ないし半乾性油
    中、あるいはこれらの混合物中で加熱撹拌溶解下に、分
    子鎖伸長剤[成分E]で分子鎖伸長せしめて得られた変
    性樹脂を含有することを特徴とする水なし平版用インキ
    組成物。
  2. 【請求項2】前記[成分E]が多価カルボン酸ないし、
    その誘導体、あるいはこれらの混合物の群から選ばれる
    少なくとも1種である請求項1記載水なし平版用インキ
    組成物。
  3. 【請求項3】前記[成分E]が活性水素を含有するアミ
    ン化合物である請求項1記載の水なし平版用インキ組成
    物。
  4. 【請求項4】前記[成分E]がレゾール型フェノール樹
    脂である請求項1記載の水なし平版用インキ組成物。
  5. 【請求項5】前記[成分E]が多価アルコールである請
    求項1記載の水なし平版用インキ組成物。
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