JP2719964B2 - 水なし平版用インキ組成物 - Google Patents
水なし平版用インキ組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、水なし平版印刷において耐地汚れ性が良好
で、かつ印刷適正の優れた水なし平版用インキ組成物に
関するものである。
で、かつ印刷適正の優れた水なし平版用インキ組成物に
関するものである。
[従来の技術] 現在の印刷の主流をなす平版印刷においては、水と油
性インキとが互いに反発する性質を利用し、親水性の非
画線部と親油性の画線部とからなる版を用い、親水性の
非画線部に水を付着させ、他方親油性の画線部に油性イ
ンキを付着させたのち、上記画線部に付着した油性イン
キを被印刷物に転移させることによって目的の印刷物を
得るという操作により、印刷が行われている。
性インキとが互いに反発する性質を利用し、親水性の非
画線部と親油性の画線部とからなる版を用い、親水性の
非画線部に水を付着させ、他方親油性の画線部に油性イ
ンキを付着させたのち、上記画線部に付着した油性イン
キを被印刷物に転移させることによって目的の印刷物を
得るという操作により、印刷が行われている。
しかしながら、かかる平版印刷法においては、非画線
部へのインキの付着を防止する役目をしている湿し水の
コントロールが難しく、また印刷適正および印刷効果の
面からも湿し水を用いることが大きな技術障害の一つと
なっている。そのため、かかる湿し水を必要としない平
版印刷版を使用する水なし平版印刷を行なう試みが今ま
でいろいろ提案されてきた。この水なし平版について最
も新しく、実用性のあるものとして、シリコーンゴム等
の非粘着性薄膜を非画線部に設けた平版印刷用刷版を用
いて印刷する方法が挙げられ、この場合、版面への湿し
水の供給なしに、一般に油性インキで印刷できると報告
されている。
部へのインキの付着を防止する役目をしている湿し水の
コントロールが難しく、また印刷適正および印刷効果の
面からも湿し水を用いることが大きな技術障害の一つと
なっている。そのため、かかる湿し水を必要としない平
版印刷版を使用する水なし平版印刷を行なう試みが今ま
でいろいろ提案されてきた。この水なし平版について最
も新しく、実用性のあるものとして、シリコーンゴム等
の非粘着性薄膜を非画線部に設けた平版印刷用刷版を用
いて印刷する方法が挙げられ、この場合、版面への湿し
水の供給なしに、一般に油性インキで印刷できると報告
されている。
しかしながら、実際には、従来の油性インキを用いて
印刷すると印刷適正が不適当なため、地汚れが発生する
という欠点があって好ましくないことがわかった。
印刷すると印刷適正が不適当なため、地汚れが発生する
という欠点があって好ましくないことがわかった。
水なし平版印刷における地汚れ発生という現象は印刷
中に印刷機の駆動部やローラの摩擦に起因して版面の温
度が上昇するためにインキ自体の凝集力が低下してしま
い、本来インキ反発性であるべき非画線部にインキが付
着するものである。
中に印刷機の駆動部やローラの摩擦に起因して版面の温
度が上昇するためにインキ自体の凝集力が低下してしま
い、本来インキ反発性であるべき非画線部にインキが付
着するものである。
この点を改良するため例えばインキにシリコーン化合
物を添加する方法(特公昭50−11287号公報、特開昭55
−31885号公報)、あるいはシリコーン化合物で樹脂を
変性する方法(特公昭51−10124号公報、特公昭52−100
41号公報、特公昭52−10042号公報)が提案されてい
る。しかし、これらの方法においても、耐地汚れ性は十
分満足しているとは言い難く、またインキのレベリング
が悪く、光沢も不十分である等の課題もある。
物を添加する方法(特公昭50−11287号公報、特開昭55
−31885号公報)、あるいはシリコーン化合物で樹脂を
変性する方法(特公昭51−10124号公報、特公昭52−100
41号公報、特公昭52−10042号公報)が提案されてい
る。しかし、これらの方法においても、耐地汚れ性は十
分満足しているとは言い難く、またインキのレベリング
が悪く、光沢も不十分である等の課題もある。
また別の改良方法としては、ワニスに対して例えば、
ステアリン酸アルミニウム、アルミニウムオクトエート
等のアルミニウム化合物を添加しゲル化させる方法があ
る。この方法を用いて高い耐地汚れ性を達成しようとす
るとインキの粘度が大きく増大してしまい、インキの転
移性、例えば印刷機上での転移、版あるいはブランケッ
トへの転移等が極めて悪くなるという課題があり、現状
ではとても満足する段階には至っていない。
ステアリン酸アルミニウム、アルミニウムオクトエート
等のアルミニウム化合物を添加しゲル化させる方法があ
る。この方法を用いて高い耐地汚れ性を達成しようとす
るとインキの粘度が大きく増大してしまい、インキの転
移性、例えば印刷機上での転移、版あるいはブランケッ
トへの転移等が極めて悪くなるという課題があり、現状
ではとても満足する段階には至っていない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、上述のインキの欠点を改善し、耐地
汚れ性に優れ、かつ光沢および印刷適正の優れた水なし
平版用インキ組成物を提供することにある。
汚れ性に優れ、かつ光沢および印刷適正の優れた水なし
平版用インキ組成物を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上述の課題を解決すべく鋭意検討した
結果、一般式 (式中、Hは水素、Rは炭素数1〜3のアルキル基を
表わし、mおよびnは0または1以上の整数で、m+n
=6である) で示される共役二重結合を有する5員環化合物および/
またはそのディールス・アルダー付加物[成分A]100
重量部と、α−オレフィン[成分B]2〜100重量部と
を共重合させることにより得られる炭化水素樹脂[I]
100重量部に対し、不飽和カルボン酸および/またはそ
の無水物[成分C]0.5〜30重量部を反応させて酸変性
樹脂[II]とし、さらにフェノール類とホルマリンとの
縮合により得られるフェノール樹脂[成分D]を、該酸
変性樹脂[II]100重量部に対し2〜100重量部加熱反応
させることにより得られる樹脂[III]、 または一般式 (式中、Hは水素、Rは炭素数1〜3のアルキル基を
表わし、mおよびnは0または1以上の整数で、m+n
=6である) で示される共役二重結合を有する5員環化合物および/
またはそのディールス・アルダー付加物[成分A]100
重量部、分子内に炭素−炭素二重結合とベンゼン環を含
有する不飽和芳香族炭化水素単量体[成分A′]3〜20
0重量部およびα−オレフィン[成分B]2〜100重量部
とを共重合させることにより得られる炭化水素樹脂
[I′]100重量部に対し、不飽和カルボン酸および/
またはその無水物[成分C]0.5〜30重量部を反応させ
て酸変性樹脂[II′]とし、さらにフェノール類とホル
マリンとの縮合により得られるフェノール樹脂[成分
D]を、該酸変性樹脂[II′]100重量部に対し2〜100
重量部加熱反応させることにより得られる樹脂[II
I′]水なし平版用インキのビヒクルとして用いれば、
上述の課題を解決しうることを確かめ、本発明を達成す
るに至った。
結果、一般式 (式中、Hは水素、Rは炭素数1〜3のアルキル基を
表わし、mおよびnは0または1以上の整数で、m+n
=6である) で示される共役二重結合を有する5員環化合物および/
またはそのディールス・アルダー付加物[成分A]100
重量部と、α−オレフィン[成分B]2〜100重量部と
を共重合させることにより得られる炭化水素樹脂[I]
100重量部に対し、不飽和カルボン酸および/またはそ
の無水物[成分C]0.5〜30重量部を反応させて酸変性
樹脂[II]とし、さらにフェノール類とホルマリンとの
縮合により得られるフェノール樹脂[成分D]を、該酸
変性樹脂[II]100重量部に対し2〜100重量部加熱反応
させることにより得られる樹脂[III]、 または一般式 (式中、Hは水素、Rは炭素数1〜3のアルキル基を
表わし、mおよびnは0または1以上の整数で、m+n
=6である) で示される共役二重結合を有する5員環化合物および/
またはそのディールス・アルダー付加物[成分A]100
重量部、分子内に炭素−炭素二重結合とベンゼン環を含
有する不飽和芳香族炭化水素単量体[成分A′]3〜20
0重量部およびα−オレフィン[成分B]2〜100重量部
とを共重合させることにより得られる炭化水素樹脂
[I′]100重量部に対し、不飽和カルボン酸および/
またはその無水物[成分C]0.5〜30重量部を反応させ
て酸変性樹脂[II′]とし、さらにフェノール類とホル
マリンとの縮合により得られるフェノール樹脂[成分
D]を、該酸変性樹脂[II′]100重量部に対し2〜100
重量部加熱反応させることにより得られる樹脂[II
I′]水なし平版用インキのビヒクルとして用いれば、
上述の課題を解決しうることを確かめ、本発明を達成す
るに至った。
本発明において、[成分A]は、 一般式 (式中、Hは水素、Rは炭素数1〜3のアルキル基を
表わし、mおよびnは0または1以上好ましくはnが0
〜1の整数で、m+n=6である) で示される共役二重結合を有する5員環化合物であり、
例えばシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン
等が挙げられる。また、前記一般式で示される共役二重
結合を有する5員環化合物のディールス・アルダー付加
物であり、例えば、ジシクロペンタジエン、シクロペン
タジエン−メチルシクロペンタジエン共二量化物、トリ
シクロペンタジエン等が挙げられ、これらおよびこれら
の混合物が工業的に好ましく利用され、これらの中では
シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンまたは両者
の混合物が特に好ましい。
表わし、mおよびnは0または1以上好ましくはnが0
〜1の整数で、m+n=6である) で示される共役二重結合を有する5員環化合物であり、
例えばシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン
等が挙げられる。また、前記一般式で示される共役二重
結合を有する5員環化合物のディールス・アルダー付加
物であり、例えば、ジシクロペンタジエン、シクロペン
タジエン−メチルシクロペンタジエン共二量化物、トリ
シクロペンタジエン等が挙げられ、これらおよびこれら
の混合物が工業的に好ましく利用され、これらの中では
シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンまたは両者
の混合物が特に好ましい。
シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンまたはそ
のアルキル置換誘導体の純度が高いことは必ずしも必要
でないが、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン
またはそのアルキル置換誘導体が80重量%以上存在する
ことが好ましい。
のアルキル置換誘導体の純度が高いことは必ずしも必要
でないが、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン
またはそのアルキル置換誘導体が80重量%以上存在する
ことが好ましい。
また、ナフサ等の高温熱分解副生油のC5留分中に含ま
れるシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエンを
熱二量化させることによって、ジシクロペンタジエン、
ジメチルシクロペンタジエン、シクロペンタジエン−メ
チルシクロペンタジエン共二量体、シクロペンタジエン
−イソプレン共二量体、シクロペンタジエン−ピペリレ
ン共二量体等の混合物にした後、蒸留によりC5−オレフ
ィン、C5−パラフィン等のC5成分の大部分を除去して得
られる濃縮された留分を使用してもさしつかえない。
れるシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエンを
熱二量化させることによって、ジシクロペンタジエン、
ジメチルシクロペンタジエン、シクロペンタジエン−メ
チルシクロペンタジエン共二量体、シクロペンタジエン
−イソプレン共二量体、シクロペンタジエン−ピペリレ
ン共二量体等の混合物にした後、蒸留によりC5−オレフ
ィン、C5−パラフィン等のC5成分の大部分を除去して得
られる濃縮された留分を使用してもさしつかえない。
本発明に用いられる[成分B]のα−オレフィンは、
炭素数4〜40を有するα−オレフィンであり、好ましく
は炭素数6〜20を有し、α−オレフィンのβ位にアルキ
ル基を有しない直鎖状および/または分枝状のα−オレ
フィンである。
炭素数4〜40を有するα−オレフィンであり、好ましく
は炭素数6〜20を有し、α−オレフィンのβ位にアルキ
ル基を有しない直鎖状および/または分枝状のα−オレ
フィンである。
[成分B]のα−オレフィンとしては市販の純品を使
用することができるが、工業的には1)エチレンのオリ
ゴメリゼーション、2)パラフィンワックスの熱分解の
製造方法で得られるα−オレフィンを用いることができ
る。
用することができるが、工業的には1)エチレンのオリ
ゴメリゼーション、2)パラフィンワックスの熱分解の
製造方法で得られるα−オレフィンを用いることができ
る。
1)の製造法からは偶数個の炭素数を有する直鎖状の
α−オレフィンが分離され、他の異性体は含まれず、高
純度で得られる。2)の製造法からは純度約90%のα−
オレフィンが得られ、残りは分枝のオレフィン、ジオレ
フィンおよびナフテンであるが、これらも本発明で使用
される。
α−オレフィンが分離され、他の異性体は含まれず、高
純度で得られる。2)の製造法からは純度約90%のα−
オレフィンが得られ、残りは分枝のオレフィン、ジオレ
フィンおよびナフテンであるが、これらも本発明で使用
される。
具体的には、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−ド
デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オ
クタデセン、1−アイコセン等があり、1)の製造法に
より得られる混合オレフィンとしては、例えばダイアレ
ン(三菱化成(株)製商品名)等があり、また2)の製
造法では、例えばシェブロンα−オレフィン(シェブロ
ン社製商品名)等がある。また、上記α−オレフィンの
2種類以上の混合物を[成分B]として使用してもさし
つかえない。
ン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−ド
デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オ
クタデセン、1−アイコセン等があり、1)の製造法に
より得られる混合オレフィンとしては、例えばダイアレ
ン(三菱化成(株)製商品名)等があり、また2)の製
造法では、例えばシェブロンα−オレフィン(シェブロ
ン社製商品名)等がある。また、上記α−オレフィンの
2種類以上の混合物を[成分B]として使用してもさし
つかえない。
本発明に用いられる分子内に炭素−炭素二重結合とベ
ンゼン環を含有する不飽和芳香族炭化水素単量体[成分
A′]としては、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、インデン、メチルインデン等の炭
素数8〜20の化合物およびこれらの混合物を用いること
ができ、また工業的には例えばナフサ等の熱分解時に副
生する前記化合物を含む沸点140〜200℃の範囲の芳香族
留分いわゆるC9留分、あるいはC9留分を精製し前記化合
物を50%以上含む留分としたものが好ましく、特にC9留
分をさらに精製し、ビニルトルエンが70%以上含む留分
が好適に用いられる。
ンゼン環を含有する不飽和芳香族炭化水素単量体[成分
A′]としては、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、インデン、メチルインデン等の炭
素数8〜20の化合物およびこれらの混合物を用いること
ができ、また工業的には例えばナフサ等の熱分解時に副
生する前記化合物を含む沸点140〜200℃の範囲の芳香族
留分いわゆるC9留分、あるいはC9留分を精製し前記化合
物を50%以上含む留分としたものが好ましく、特にC9留
分をさらに精製し、ビニルトルエンが70%以上含む留分
が好適に用いられる。
本発明においては、上記[成分A]100重量部に対
し、[成分B]2〜100重量部、好ましくは4〜80重量
部を無触媒あるいは触媒の存在下で反応させることによ
り炭化水素樹脂[I]を、また上記[成分A]100重量
部に対し、[成分A′]3〜200重量部、好ましくは6
〜180重量部および[成分B]2〜100重量部、好ましく
は4〜80重量部とを無触媒あるいは触媒の存在下で反応
させることにより炭化水素樹脂[I′]を製造する。無
触媒で反応を行なう場合には、上記[成分A]と[成分
B]の混合物あるいは[成分A]、[成分A′]と[成
分B]の混合物を、200〜300℃において30分から20時
間、好ましくは1〜15時間加熱することにより炭化水素
樹脂[I]あるいは[I′]を製造することができる。
一方触媒を用いる場合には、触媒としてフリーデルクラ
フト型触媒、例えば三フッ化ホウ素、若しくはそのフェ
ノール、エーテル、酢酸等の錯体または塩化アルミニウ
ム等をモノマー全量に対して0.1〜10重量%、好ましく
は0.3〜2重量%の割合で使用し、その場合、反応温度
−30〜100℃、好ましくは0〜50℃、反応時間10分〜20
時間、好ましくは1〜15時間である。
し、[成分B]2〜100重量部、好ましくは4〜80重量
部を無触媒あるいは触媒の存在下で反応させることによ
り炭化水素樹脂[I]を、また上記[成分A]100重量
部に対し、[成分A′]3〜200重量部、好ましくは6
〜180重量部および[成分B]2〜100重量部、好ましく
は4〜80重量部とを無触媒あるいは触媒の存在下で反応
させることにより炭化水素樹脂[I′]を製造する。無
触媒で反応を行なう場合には、上記[成分A]と[成分
B]の混合物あるいは[成分A]、[成分A′]と[成
分B]の混合物を、200〜300℃において30分から20時
間、好ましくは1〜15時間加熱することにより炭化水素
樹脂[I]あるいは[I′]を製造することができる。
一方触媒を用いる場合には、触媒としてフリーデルクラ
フト型触媒、例えば三フッ化ホウ素、若しくはそのフェ
ノール、エーテル、酢酸等の錯体または塩化アルミニウ
ム等をモノマー全量に対して0.1〜10重量%、好ましく
は0.3〜2重量%の割合で使用し、その場合、反応温度
−30〜100℃、好ましくは0〜50℃、反応時間10分〜20
時間、好ましくは1〜15時間である。
本発明の炭化水素樹脂化[I]あるいは[I′]の製
造において、[成分B]の量が前記範囲に満たない場合
には、この樹脂を変性して最終的に得られる変性樹脂
[III]あるいは[III′]の高沸点溶媒への溶解性が不
十分となり、得られるインキの光沢が低下する。また最
終変性樹脂[III]あるいは[III′]の分子量も十分に
大きくならずインキの耐地汚れ性も不十分となる。一方
上記範囲を超える場合には、樹脂の収率が低下し経済的
に好ましいものではない。
造において、[成分B]の量が前記範囲に満たない場合
には、この樹脂を変性して最終的に得られる変性樹脂
[III]あるいは[III′]の高沸点溶媒への溶解性が不
十分となり、得られるインキの光沢が低下する。また最
終変性樹脂[III]あるいは[III′]の分子量も十分に
大きくならずインキの耐地汚れ性も不十分となる。一方
上記範囲を超える場合には、樹脂の収率が低下し経済的
に好ましいものではない。
本発明の炭化水素樹脂[I′]の製造において、[成
分A′]を用いることによりインキの調製に際し顔料分
散性を向上させ、印刷物の光沢を高めることができる。
さらに最終変性樹脂[III′]の分子量もより大きくな
りインキの耐地汚れ性もより向上する。しかし上記範囲
を超える場合には、最終変性樹脂[III′]の高沸点溶
媒への溶解性が不十分となり、インキの光沢も低下す
る。
分A′]を用いることによりインキの調製に際し顔料分
散性を向上させ、印刷物の光沢を高めることができる。
さらに最終変性樹脂[III′]の分子量もより大きくな
りインキの耐地汚れ性もより向上する。しかし上記範囲
を超える場合には、最終変性樹脂[III′]の高沸点溶
媒への溶解性が不十分となり、インキの光沢も低下す
る。
上述のようにして得られる炭化水素樹脂[I]あるい
は[I′]は、不飽和カルボン酸またはその無水物[成
分C]と反応させるのであるが、[成分C]としては通
常炭素が3〜32、好ましくは3〜15のモノおよび多価不
飽和カルボン酸またはそれらの無水物が好ましく、それ
らの代表的なものはアクリル酸、メタアクリル酸、マレ
イン酸、無水マレイン酸、テトラヒドロフタル酸および
その無水物、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸お
よびこれらの混合物あるいは乾性油の脂肪酸、例えばア
マニ油脂肪酸等である。これらの中では、マレイン酸お
よび無水マレイン酸が好ましい。
は[I′]は、不飽和カルボン酸またはその無水物[成
分C]と反応させるのであるが、[成分C]としては通
常炭素が3〜32、好ましくは3〜15のモノおよび多価不
飽和カルボン酸またはそれらの無水物が好ましく、それ
らの代表的なものはアクリル酸、メタアクリル酸、マレ
イン酸、無水マレイン酸、テトラヒドロフタル酸および
その無水物、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸お
よびこれらの混合物あるいは乾性油の脂肪酸、例えばア
マニ油脂肪酸等である。これらの中では、マレイン酸お
よび無水マレイン酸が好ましい。
本発明に用いる不飽和カルボン酸またはその無水物の
量比は、炭化水素樹脂[I]あるいは[I′]100重量
部に対し、0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重量部で
ある。不飽和カルボン酸またはその無水物の量が上記範
囲に満たない場合には、生成した樹脂の極性基の量が少
ないため、極性基を有する樹脂としての特徴が乏しく、
インキ用のビヒクルとして用いた場合、顔料分散性、イ
ンキの流動性および印刷効果が悪くなり、好ましくな
い。
量比は、炭化水素樹脂[I]あるいは[I′]100重量
部に対し、0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重量部で
ある。不飽和カルボン酸またはその無水物の量が上記範
囲に満たない場合には、生成した樹脂の極性基の量が少
ないため、極性基を有する樹脂としての特徴が乏しく、
インキ用のビヒクルとして用いた場合、顔料分散性、イ
ンキの流動性および印刷効果が悪くなり、好ましくな
い。
また、上記範囲を超える場合には、極性基の量が多す
ぎ、溶媒に対する溶解性が悪くなり、また樹脂の変色、
ゲル化が起こりやすく好ましくない。更にインキに使用
する場合に、ワニス化する際の炭化水素溶媒に対する溶
解性が悪くなり、またインキの流動性、印刷物の光沢が
悪くなり好ましくない。なお上記の酸変性反応は、100
〜300℃、好ましくは150〜250℃の範囲内の温度で、無
触媒または公知のラジカル開始剤、例えば有機過酸化物
等の存在下で30分〜15時間、好ましくは1〜8時間の範
囲内で行なうことができ、不飽和多価カルボン酸または
その無水物を用いる場合には、無触媒で、不飽和モノカ
ルボン酸またはその無水物を用いる場合には、触媒の存
在下に、反応を行なうことが好ましい。
ぎ、溶媒に対する溶解性が悪くなり、また樹脂の変色、
ゲル化が起こりやすく好ましくない。更にインキに使用
する場合に、ワニス化する際の炭化水素溶媒に対する溶
解性が悪くなり、またインキの流動性、印刷物の光沢が
悪くなり好ましくない。なお上記の酸変性反応は、100
〜300℃、好ましくは150〜250℃の範囲内の温度で、無
触媒または公知のラジカル開始剤、例えば有機過酸化物
等の存在下で30分〜15時間、好ましくは1〜8時間の範
囲内で行なうことができ、不飽和多価カルボン酸または
その無水物を用いる場合には、無触媒で、不飽和モノカ
ルボン酸またはその無水物を用いる場合には、触媒の存
在下に、反応を行なうことが好ましい。
本発明における酸変性樹脂[II]あるいは[II′]は
また下記の一段法によっても製造することができる。
また下記の一段法によっても製造することができる。
すなわち[成分A]と[成分B]あるいは[成分
A]、[成分A′]と[成分B]の混合物を、溶媒の存
在下または不存在下に温度200〜300℃で熱重合させるに
際し、最初から或いは反応の途中から不飽和カルボン酸
またはその無水物を反応系に添加して熱重合することに
よって得ることもできる。
A]、[成分A′]と[成分B]の混合物を、溶媒の存
在下または不存在下に温度200〜300℃で熱重合させるに
際し、最初から或いは反応の途中から不飽和カルボン酸
またはその無水物を反応系に添加して熱重合することに
よって得ることもできる。
また本発明において上記で得られた酸変性樹脂[II]
あるいは[II′]の溶解性および軟化点を調節するため
に、あるいは最終変性樹脂[III]あるいは[III′]の
分子量を調整するために酸変性樹脂[II]あるいは[I
I′]をアルコール類でエステル化することも可能であ
る。その際アルコールとしては、一価または多価アルコ
ールを用いることができる。アルコールとして炭素数が
6以上、好ましくは炭素数が8〜18の範囲の一価アルコ
ールを用いる場合が、最終変性樹脂[III]あるいは[I
II′]の溶解性が特に良好である。アルコールの量は、
酸変性樹脂[II]あるいは[II′]中のカルボキシル基
1モル当量に対して0〜1.0モル当量、または酸変性樹
脂[II]あるいは[II′]中の酸無水物基1モル当量に
対して0〜2.0モル当量である。エステル化反応は、酸
変性樹脂を加熱溶融するか、またはベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素溶剤に溶解した状態で、アル
コールを加えて、例えば、150〜250℃の範囲で30分〜10
時間、好ましくは1〜5時間の範囲内の時間で行なう。
あるいは[II′]の溶解性および軟化点を調節するため
に、あるいは最終変性樹脂[III]あるいは[III′]の
分子量を調整するために酸変性樹脂[II]あるいは[I
I′]をアルコール類でエステル化することも可能であ
る。その際アルコールとしては、一価または多価アルコ
ールを用いることができる。アルコールとして炭素数が
6以上、好ましくは炭素数が8〜18の範囲の一価アルコ
ールを用いる場合が、最終変性樹脂[III]あるいは[I
II′]の溶解性が特に良好である。アルコールの量は、
酸変性樹脂[II]あるいは[II′]中のカルボキシル基
1モル当量に対して0〜1.0モル当量、または酸変性樹
脂[II]あるいは[II′]中の酸無水物基1モル当量に
対して0〜2.0モル当量である。エステル化反応は、酸
変性樹脂を加熱溶融するか、またはベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素溶剤に溶解した状態で、アル
コールを加えて、例えば、150〜250℃の範囲で30分〜10
時間、好ましくは1〜5時間の範囲内の時間で行なう。
本発明においては、酸変性樹脂[II]あるいは[I
I′]を、さらにフェノール樹脂[成分D]と反応させ
ることにより、目的とする最終変性樹脂[III]あるい
は[III′]が得られる。本発明において用いられるフ
ェノール樹脂は、炭素数4〜9のアルキル置換基を有す
るフェノールとホルマリンとの縮合により得られるもの
が好ましく、具体的にはp−tert−ブチルフェノール、
sec−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノー
ル、ノニルフェノールが工業的に好ましく用いられる。
I′]を、さらにフェノール樹脂[成分D]と反応させ
ることにより、目的とする最終変性樹脂[III]あるい
は[III′]が得られる。本発明において用いられるフ
ェノール樹脂は、炭素数4〜9のアルキル置換基を有す
るフェノールとホルマリンとの縮合により得られるもの
が好ましく、具体的にはp−tert−ブチルフェノール、
sec−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノー
ル、ノニルフェノールが工業的に好ましく用いられる。
またフェノール樹脂と反応させる代わりに、酸変性樹
脂[II]あるいは[II′]の存在下でホルムアルデヒド
とフェノール類を酸、マレイン酸を触媒としてまたは
無触媒下で反応させても目的とするフェノール樹脂変性
樹脂を得ることができる。
脂[II]あるいは[II′]の存在下でホルムアルデヒド
とフェノール類を酸、マレイン酸を触媒としてまたは
無触媒下で反応させても目的とするフェノール樹脂変性
樹脂を得ることができる。
変性に用いられるフェノール樹脂の量は、上記酸変性
樹脂[II]あるいは[II′]100重量部に対し、フェノ
ール樹脂2〜100重量部の範囲であり、5〜50重量部が
更に好ましい。フェノール樹脂の量が上記範囲に満たな
い場合には、得られる変性樹脂をビヒクルとしてインキ
を作製した場合に、インキの流動性、印刷物の光沢等が
十分でなく、上記範囲を超えると樹脂のインキ溶剤への
溶解性が悪くなるのみならず工業的にも経済的でなく好
ましくない。
樹脂[II]あるいは[II′]100重量部に対し、フェノ
ール樹脂2〜100重量部の範囲であり、5〜50重量部が
更に好ましい。フェノール樹脂の量が上記範囲に満たな
い場合には、得られる変性樹脂をビヒクルとしてインキ
を作製した場合に、インキの流動性、印刷物の光沢等が
十分でなく、上記範囲を超えると樹脂のインキ溶剤への
溶解性が悪くなるのみならず工業的にも経済的でなく好
ましくない。
反応は酸変性樹脂[II]あるいは[II′]とフェノー
ル樹脂を混合溶融し、150〜250℃で30分〜10時間、好ま
しくは1〜5時間加熱するだけで十分であるが、必要に
応じて、酸触媒、例えば酸、トルエンスルホルン酸、
フリーデルクラフト型触媒等を用いることもできる。
ル樹脂を混合溶融し、150〜250℃で30分〜10時間、好ま
しくは1〜5時間加熱するだけで十分であるが、必要に
応じて、酸触媒、例えば酸、トルエンスルホルン酸、
フリーデルクラフト型触媒等を用いることもできる。
以上のようにして得られる樹脂[III]あるいは[II
I′]軟化点が120℃以上、特に140℃以上であることが
好ましい。軟化点が120℃より低いと、印刷インキにし
た場合、ミスティングが多く、乾燥速度も低下し、さら
に肝心の耐地汚れ性も低下する。
I′]軟化点が120℃以上、特に140℃以上であることが
好ましい。軟化点が120℃より低いと、印刷インキにし
た場合、ミスティングが多く、乾燥速度も低下し、さら
に肝心の耐地汚れ性も低下する。
このようにして得られた樹脂[III]あるいは[II
I′]をインキ中に使用する割合は5〜50重量%が好ま
しく、より好ましくは7〜50重量%、さらに好ましくは
10〜45重量%である。最終変性樹脂[III]あるいは[I
II′]の使用量が上記の範囲を外れた場合はインキとし
てのバランスがとれなくなる恐れがある。例えば、5重
量%未満の場合はインキの凝集力が低いため地汚れが発
生する恐れがある。一方、50重量%を超える場合は、イ
ンキの凝集力が上がりすぎて、ロール間の転移不良およ
びブランケットへの着きが悪くなる恐れがあると共に、
被印刷体上でのインキのレベリングが悪くなる恐れがあ
り、光沢が劣るという欠点を生ずることがある。
I′]をインキ中に使用する割合は5〜50重量%が好ま
しく、より好ましくは7〜50重量%、さらに好ましくは
10〜45重量%である。最終変性樹脂[III]あるいは[I
II′]の使用量が上記の範囲を外れた場合はインキとし
てのバランスがとれなくなる恐れがある。例えば、5重
量%未満の場合はインキの凝集力が低いため地汚れが発
生する恐れがある。一方、50重量%を超える場合は、イ
ンキの凝集力が上がりすぎて、ロール間の転移不良およ
びブランケットへの着きが悪くなる恐れがあると共に、
被印刷体上でのインキのレベリングが悪くなる恐れがあ
り、光沢が劣るという欠点を生ずることがある。
また、最終変性樹脂[III]あるいは[III′]をシリ
コーン成分を含有する化合物で変性して用いるか、ある
いはワニスをクッキングする時にシリコーン成分を含有
する化合物を添加して、ワニスのビヒクル成分全体を変
性して用いてもかまわない。ここで用いるシリコーン成
分を含有する化合物とは、通常オルガノポリシロキサン
が代表例として挙げられ、例えば分子中に水酸基または
アルコキシ基を有するオルガノポリシロキサンおよび分
子中にSi−H結合を有するオルガノポリシロキサン等で
あり、分子量は300〜15万の範囲にあるものが好まし
い。
コーン成分を含有する化合物で変性して用いるか、ある
いはワニスをクッキングする時にシリコーン成分を含有
する化合物を添加して、ワニスのビヒクル成分全体を変
性して用いてもかまわない。ここで用いるシリコーン成
分を含有する化合物とは、通常オルガノポリシロキサン
が代表例として挙げられ、例えば分子中に水酸基または
アルコキシ基を有するオルガノポリシロキサンおよび分
子中にSi−H結合を有するオルガノポリシロキサン等で
あり、分子量は300〜15万の範囲にあるものが好まし
い。
本発明に用いられるインキの他の成分としては、従来
から通常平版印刷用に用いられている公知の成分が使用
できる。
から通常平版印刷用に用いられている公知の成分が使用
できる。
すなわち、乾性油、半乾性油としてはアマニ油、桐
油、大豆油、サフラワー油、ヒマシ油等があり、溶剤と
しては沸点200〜350℃の石油系溶剤等があり、ゲル化剤
としては有機アルミニウム化合物、有機チタネート化合
物、有機亜鉛化合物、有機カルシウム化合物等がある。
油、大豆油、サフラワー油、ヒマシ油等があり、溶剤と
しては沸点200〜350℃の石油系溶剤等があり、ゲル化剤
としては有機アルミニウム化合物、有機チタネート化合
物、有機亜鉛化合物、有機カルシウム化合物等がある。
また、インキとする場合の着色剤としては、無機ない
し有機系顔料等の従来のインキ組成物において使用され
ているものが用いられる。
し有機系顔料等の従来のインキ組成物において使用され
ているものが用いられる。
さらに、例えばワックス、グリース、乾燥剤、分散
剤、充填剤、その他の公知のものを必要に応じて使用す
ることができる。
剤、充填剤、その他の公知のものを必要に応じて使用す
ることができる。
これらに加え、その他の樹脂、例えばロジン変性フェ
ノール樹脂、アルキッド樹脂、石油樹脂等をインキの性
能を阻害しない範囲で併用することもできる。
ノール樹脂、アルキッド樹脂、石油樹脂等をインキの性
能を阻害しない範囲で併用することもできる。
以上のような材料を用いて三本ロールで練肉したイン
キは地汚れ発生温度が高く、印刷適性に優れ、印刷物は
光沢もよくバイリングも発生しない。
キは地汚れ発生温度が高く、印刷適性に優れ、印刷物は
光沢もよくバイリングも発生しない。
[実施例] 以下、実施例等により本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
本発明はこれに限定されるものではない。
合成例1 純度97%のジシクロペンタジエン760gと1−デセン24
0gを2lのオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気中で攪拌
下280℃で5時間加熱した。加熱終了後オートクレーブ
を冷却し、内容物を蒸留して、未反応物および低重合物
を除去し、釜残として930gの炭化水素樹脂(I−1)を
得た。炭化水素樹脂(I−1)の軟化点は137.0℃であ
った。
0gを2lのオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気中で攪拌
下280℃で5時間加熱した。加熱終了後オートクレーブ
を冷却し、内容物を蒸留して、未反応物および低重合物
を除去し、釜残として930gの炭化水素樹脂(I−1)を
得た。炭化水素樹脂(I−1)の軟化点は137.0℃であ
った。
この炭化水素樹脂(I−1)300gを200℃で加熱、溶
融し、無水マレイン酸15.0gを添加し、攪拌下4時間反
応を行ない酸変性樹脂(II−1)を得た。(II−1)の
軟化点は152.0℃で酸価は24.3であった。引き続き、酸
変性樹脂(II−1)255gにp−tert−オクチルフェノー
ルとホルマリンとの縮合反応により得られるレゾール型
フェノール樹脂45gを加えて220℃で2時間反応を行な
い、軟化点178.3℃、酸価20.8の変性樹脂(III−3)を
得た。
融し、無水マレイン酸15.0gを添加し、攪拌下4時間反
応を行ない酸変性樹脂(II−1)を得た。(II−1)の
軟化点は152.0℃で酸価は24.3であった。引き続き、酸
変性樹脂(II−1)255gにp−tert−オクチルフェノー
ルとホルマリンとの縮合反応により得られるレゾール型
フェノール樹脂45gを加えて220℃で2時間反応を行な
い、軟化点178.3℃、酸価20.8の変性樹脂(III−3)を
得た。
合成例2 純度97%のジシクロペンタジエン790gおよび炭素数6
〜10の混合α−オレフィン(ダイアレン610、三菱化成
(株)製)210gを2lのオートクレーブに仕込み、280℃
で2.5時間反応させ、合成例1と同様に処理して、920g
の炭化水素樹脂(I−2)が得られた。炭化水素樹脂
(I−2)の軟化点は143.0℃であった。
〜10の混合α−オレフィン(ダイアレン610、三菱化成
(株)製)210gを2lのオートクレーブに仕込み、280℃
で2.5時間反応させ、合成例1と同様に処理して、920g
の炭化水素樹脂(I−2)が得られた。炭化水素樹脂
(I−2)の軟化点は143.0℃であった。
この炭化水素樹脂(I−2)300gを200℃にて加熱溶
融し、無水マレイン酸9.0gを添加し、攪拌下4時間反応
を行ない酸変性樹脂(II−2)を得た。(II−2)の軟
化点は、155.0℃で酸価は13.9であった。引き続き、酸
変性樹脂(II−2)にp−tert−ブチルフェノールとホ
ルマリンとの縮合反応により得られるレゾール型フェノ
ール樹脂45gを加え220℃で2時間反応を行ない、軟化点
183.5℃で酸価13.1の変性樹脂(III−2)を得た。
融し、無水マレイン酸9.0gを添加し、攪拌下4時間反応
を行ない酸変性樹脂(II−2)を得た。(II−2)の軟
化点は、155.0℃で酸価は13.9であった。引き続き、酸
変性樹脂(II−2)にp−tert−ブチルフェノールとホ
ルマリンとの縮合反応により得られるレゾール型フェノ
ール樹脂45gを加え220℃で2時間反応を行ない、軟化点
183.5℃で酸価13.1の変性樹脂(III−2)を得た。
合成例3 純度97%のジシクロペンタジエン500gとナフサの熱分
解で生成する140〜200℃の沸点範囲の芳香族留分(不飽
和芳香族成分50重量%、飽和芳香族成分50重量%、不飽
和芳香族成分の70重量%がビニルトルエン)300gおよび
1−オクテン200gを2lのオートクレーブに仕込み、280
℃で6時間反応させ、合成例1と同様に処理し841gの炭
化水素樹脂(I′−3)を得た。炭化水素樹脂(I′−
3)の軟化点は139.5℃であった。
解で生成する140〜200℃の沸点範囲の芳香族留分(不飽
和芳香族成分50重量%、飽和芳香族成分50重量%、不飽
和芳香族成分の70重量%がビニルトルエン)300gおよび
1−オクテン200gを2lのオートクレーブに仕込み、280
℃で6時間反応させ、合成例1と同様に処理し841gの炭
化水素樹脂(I′−3)を得た。炭化水素樹脂(I′−
3)の軟化点は139.5℃であった。
この炭化水素樹脂(I′−3)300gを200℃にて加熱
溶融し、無水マレイン酸9.0gを添加し、攪拌下4時間反
応を行ない酸変性樹脂(II′−3)を得た。(II′−
3)の軟化点は154.5℃で酸価は12.8であった。引き続
き、酸変性樹脂(II′−3)255gにp−tert−ノニルフ
ェノールとホルマリンとの縮合反応により得られるレゾ
ール型フェノール樹脂63gを加え220℃で2時間反応を行
ない、軟化点175.0℃で酸価13.4の変性樹脂(III′−
3)を得た。
溶融し、無水マレイン酸9.0gを添加し、攪拌下4時間反
応を行ない酸変性樹脂(II′−3)を得た。(II′−
3)の軟化点は154.5℃で酸価は12.8であった。引き続
き、酸変性樹脂(II′−3)255gにp−tert−ノニルフ
ェノールとホルマリンとの縮合反応により得られるレゾ
ール型フェノール樹脂63gを加え220℃で2時間反応を行
ない、軟化点175.0℃で酸価13.4の変性樹脂(III′−
3)を得た。
比較合成例 純度97%のジシクロペンタジエン700gおよび混合キシ
レン300gを2lのオートクレーブ中で攪拌下、260℃で2.5
時間反応させ、合成例1と同様に処理して571gの樹脂
(I−4)を得た。この樹脂(I−4)の軟化点は140.
5℃であった。
レン300gを2lのオートクレーブ中で攪拌下、260℃で2.5
時間反応させ、合成例1と同様に処理して571gの樹脂
(I−4)を得た。この樹脂(I−4)の軟化点は140.
5℃であった。
この樹脂(I−4)240gを220℃で加熱溶融し、無水
マレイン酸7.2gを添加し、攪拌下4時間反応を行ない酸
変性樹脂(II−4)を得た。樹脂(II−4)の軟化点は
151.5℃、酸価は11.4であった。
マレイン酸7.2gを添加し、攪拌下4時間反応を行ない酸
変性樹脂(II−4)を得た。樹脂(II−4)の軟化点は
151.5℃、酸価は11.4であった。
引き続き、酸変性樹脂(II−4)180gにp−tert−オ
クチルフェノールとホルマリンから得られるレゾール型
フェノール樹脂20gを加え220℃で3時間反応を行ない、
軟化点170.5℃、酸価11.2の変性樹脂(III−4)を得
た。
クチルフェノールとホルマリンから得られるレゾール型
フェノール樹脂20gを加え220℃で3時間反応を行ない、
軟化点170.5℃、酸価11.2の変性樹脂(III−4)を得
た。
実施例1〜3および比較例1〜3 次に、上記合成例1〜3、比較合成例で得られた樹脂
および対照樹脂を用いてワニスおよびゲルワニスを調製
し、このワニスおよびゲルワニスを用いてインキを調製
し、インキ特性を評価し、その結果を第1表に示す。
および対照樹脂を用いてワニスおよびゲルワニスを調製
し、このワニスおよびゲルワニスを用いてインキを調製
し、インキ特性を評価し、その結果を第1表に示す。
なお、比較例2〜3で用いた対照樹脂は荒川化学
(株)製、タマノール354であり、比較例3は比較例2
のインキに5号ソルベルトを添加して地汚れ発生温度を
30℃に調整したものである。
(株)製、タマノール354であり、比較例3は比較例2
のインキに5号ソルベルトを添加して地汚れ発生温度を
30℃に調整したものである。
また、ワニス、ゲルワニス、インキの各調製、インキ
特性および印刷結果の評価は下記の通りである。
特性および印刷結果の評価は下記の通りである。
〈ワニスの調製〉 変性樹脂40重量部、および舶純亜麻No.4(東新油脂
(株)社製、インキ用乾性油)20重量部を200〜210℃の
温度で30分クッキングした後、5号ソルベント(日本石
油(株)製、インキ用有機溶媒)40重量部を添加して14
0〜150℃の温度で20分加熱してワニスを得た。
(株)社製、インキ用乾性油)20重量部を200〜210℃の
温度で30分クッキングした後、5号ソルベント(日本石
油(株)製、インキ用有機溶媒)40重量部を添加して14
0〜150℃の温度で20分加熱してワニスを得た。
〈ゲルワニスの調製〉 変性樹脂40重量部および舶純亜麻No.4 20重量部を20
0〜210℃の温度でクッキングした後、オプトープAl(ホ
ープ製薬(株)製、ワニス用ゲル化剤)2.0重量部と5
号ソルベント38重量部を添加して140〜150℃の温度で20
分加熱してゲルワニスを得た。
0〜210℃の温度でクッキングした後、オプトープAl(ホ
ープ製薬(株)製、ワニス用ゲル化剤)2.0重量部と5
号ソルベント38重量部を添加して140〜150℃の温度で20
分加熱してゲルワニスを得た。
〈インキの調製〉 3本ロールを用い、下記の配合割合で練肉してインキ
を調製した。
を調製した。
セイカファーストイエロ2340(大日精化(株)製、イ
ンキ用顔料) 15.0重量部 ワニス 64.7重量部 ゲルワニス 20.0重量部 ナフテン酸コバルト塩(半井化学薬品工業(株)製、
インキ用ドライヤ) 0.3重量部 〈インキ特性および印刷結果〉 版胴に温水を通じて版面を昇温できるように改良した
印刷機に、東レ水なし平版(ポジ型)をとりつけ、湿し
水を供給することなしに、版面を昇温しながら印刷し、
一定のベタ濃度において印刷物に地汚れが発生した際の
版面温度を地汚れ発生温度とした。地汚れ発生温度の高
いインキほど実用印刷においても地汚れが発生しにく
い。
ンキ用顔料) 15.0重量部 ワニス 64.7重量部 ゲルワニス 20.0重量部 ナフテン酸コバルト塩(半井化学薬品工業(株)製、
インキ用ドライヤ) 0.3重量部 〈インキ特性および印刷結果〉 版胴に温水を通じて版面を昇温できるように改良した
印刷機に、東レ水なし平版(ポジ型)をとりつけ、湿し
水を供給することなしに、版面を昇温しながら印刷し、
一定のベタ濃度において印刷物に地汚れが発生した際の
版面温度を地汚れ発生温度とした。地汚れ発生温度の高
いインキほど実用印刷においても地汚れが発生しにく
い。
次に30℃において、これらインキの流動性(フロー
値)をスプレッドメータで測定し、インコメータでタッ
ク値を測定した。
値)をスプレッドメータで測定し、インコメータでタッ
ク値を測定した。
次に、これらインキそれぞれについて、小森スプリン
ト平版印刷機で版面へ湿し水を供給することなしに、シ
リコーンゴムよりなる非画線部を有する水なし平版を用
いて印刷を行ない、マクベス濃度計で印刷物のベタ部濃
度0.95のところの光沢値を60度鏡面反射光沢計で測定し
た。結果を第1表に示す。
ト平版印刷機で版面へ湿し水を供給することなしに、シ
リコーンゴムよりなる非画線部を有する水なし平版を用
いて印刷を行ない、マクベス濃度計で印刷物のベタ部濃
度0.95のところの光沢値を60度鏡面反射光沢計で測定し
た。結果を第1表に示す。
第1表の結果より、本発明のインキである実施例1〜
3は、比較例1のインキに比べて耐地汚れ性が良好で、
かつ印刷適性に優れ、得られた印刷物の光沢は良好であ
ることがわかる。また対照樹脂を用いた比較例2〜3の
インキは、耐地汚れ性は良好であるが、タック値が高い
ため印刷時にパイリングが発生するうえ、得られる印刷
物の光沢も不良である。
3は、比較例1のインキに比べて耐地汚れ性が良好で、
かつ印刷適性に優れ、得られた印刷物の光沢は良好であ
ることがわかる。また対照樹脂を用いた比較例2〜3の
インキは、耐地汚れ性は良好であるが、タック値が高い
ため印刷時にパイリングが発生するうえ、得られる印刷
物の光沢も不良である。
[発明の効果] 本発明に記した特定のシクロペンタジエン共重合樹脂
を用いた水なし平版インキ組成物は、耐地汚れ性が良好
で、かつ印刷適性の優れたものとなりうる。
を用いた水なし平版インキ組成物は、耐地汚れ性が良好
で、かつ印刷適性の優れたものとなりうる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末沢 満 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ 株式会社滋賀事業所内 (56)参考文献 特開 昭62−265374(JP,A) 特開 平1−96273(JP,A)
Claims (5)
- 【請求項1】一般式 (式中、Hは水素、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表
わし、mおよびnは0または1以上の整数で、m+n=
6である) で示される共役二重結合を有する5員環化合物および/
またはそのディールス・アルダー付加物[成分A]100
重量部と、α−オレフィン[成分B]2〜100重量部と
を共重合させることにより得られる炭化水素樹脂[I]
100重量部に対し、不飽和カルボン酸および/またはそ
の無水物[成分C]0.5〜30重量部を反応させて酸変性
樹脂[II]とし、さらにフェノール類とホルマリンとの
縮合により得られるフェノール樹脂[成分D]を、該酸
変性樹脂[II]100重量部に対し2〜100重量部加熱反応
させることにより得られる樹脂[III]をビヒクルとし
て含有する水なし平版用インキ組成物。 - 【請求項2】一般式 (式中、Hは水素、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表
わし、mおよびnは0または1以上の整数で、m+n=
6である) で示される共役二重結合を有する5員環化合物および/
またはそのディールス・アルダー付加物[成分A]100
重量部、分子内に炭素−炭素二重結合とベンゼン環を含
有する不飽和芳香族炭化水素単量体[成分A′]3〜20
0重量部およびα−オレフィン[成分B]2〜100重量部
とを共重合させることにより得られる炭化水素樹脂
[I′]100重量部に対し、不飽和カルボン酸および/
またはその無水物[成分C]0.5〜30重量部を反応させ
て酸変性樹脂[II′]とし、さらにフェノール類とホル
マリンとの縮合により得られるフェノール樹脂[成分
D]を、該酸変性樹脂[II′]100重量部に対し2〜100
重量部加熱反応させることにより得られる樹脂[II
I′]をビヒクルとして含有する水なし平版用インキ組
成物。 - 【請求項3】前記[成分A]がシクロペンタジエン、メ
チルシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シク
ロペンタジエン−メチルシクロペンタジエン共重合物お
よびトリシクロペンタジエンの群から選ばれる少なくと
も1種である請求項1項または2に記載の水なし平版用
インキ組成物。 - 【請求項4】前記[成分B]が炭素数4〜40のα−オレ
フィンである特許請求の範囲第1項または第2項記載の
水なし平版用インキ組成物。 - 【請求項5】前記[成分A′]がスチレン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレン、インデンおよびメチルイン
デンの群から選ばれる少なくとも1種である特許請求の
範囲第2項記載の水なし平版用インキ組成物。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17304789A JP2719964B2 (ja) | 1989-07-06 | 1989-07-06 | 水なし平版用インキ組成物 |
US07/547,921 US5225477A (en) | 1989-07-06 | 1990-07-03 | Ink compositions for waterless plates |
DE69006787T DE69006787T2 (de) | 1989-07-06 | 1990-07-05 | Tintenzusammensetzungen für wasserfreie Druckplatten. |
EP90307376A EP0407201B1 (en) | 1989-07-06 | 1990-07-05 | Ink compositions for waterless plates |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17304789A JP2719964B2 (ja) | 1989-07-06 | 1989-07-06 | 水なし平版用インキ組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0339374A JPH0339374A (ja) | 1991-02-20 |
JP2719964B2 true JP2719964B2 (ja) | 1998-02-25 |
Family
ID=15953228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17304789A Expired - Lifetime JP2719964B2 (ja) | 1989-07-06 | 1989-07-06 | 水なし平版用インキ組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2719964B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100413194B1 (ko) * | 2001-08-07 | 2003-12-31 | 황익현 | 얼음 내재용 공간이 마련된 일회용 접시 |
JP4506238B2 (ja) * | 2004-03-31 | 2010-07-21 | 東洋インキ製造株式会社 | 平版印刷インキ組成物 |
-
1989
- 1989-07-06 JP JP17304789A patent/JP2719964B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0339374A (ja) | 1991-02-20 |
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