JPH1121490A - 平版インキ用ビヒクルのバインダー樹脂およびその製造方法 - Google Patents

平版インキ用ビヒクルのバインダー樹脂およびその製造方法

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JPH1121490A
JPH1121490A JP14058198A JP14058198A JPH1121490A JP H1121490 A JPH1121490 A JP H1121490A JP 14058198 A JP14058198 A JP 14058198A JP 14058198 A JP14058198 A JP 14058198A JP H1121490 A JPH1121490 A JP H1121490A
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acid
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JP14058198A
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Kazuo Kawai
和男 川井
Takaaki Takeshita
隆顯 竹下
Hironobu Soeda
博信 添田
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融粘度を一定値以下に保持することにより
重合時における操作性を改善した石油樹脂変性フェノー
ル樹脂を用いて、ミスティングの改善された平版インキ
用ビヒクルを提供する。 【解決手段】 バインダー樹脂の製造において、5員環
化合物またはそのディールス−アルダー反応生成物を主
成分とする化合物(a)と、不飽和カルボン酸またはそ
の無水物(b)とを反応させて得られる酸変性炭化水素
樹脂(A)に、フェノール樹脂(B)を反応させる際
に、フェノール樹脂の一部を少量ずつ反応させることに
より、重量平均分子量が大きく、溶融粘度が低く、かつ
溶融粘度対溶液粘度比が小さいバインダー樹脂を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット印刷を
含む平版印刷に使用する印刷インキに関するものであ
る。さらに詳しくは、本発明は平版インキ用ビヒクル、
ビヒクル調製用のバインダー樹脂およびそのバインダー
樹脂の製造方法に関するものである。本発明ではバイン
ダー樹脂の分子量を高くしてミスチングを減少させ、か
つバインダー樹脂溶融粘度を一定値以下にしてバインダ
ー樹脂の重合時の操作性を改善する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷に使用される従来のインキ、特
に枚葉紙印刷インキやヒートセットインキは、通常、ロ
ジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂等で
代表されるバインダー樹脂と、アマニ油、桐油、サフラ
ワー油等の乾性油または半乾性油と、高沸点の石油系溶
剤とを主成分とするビヒクル(展色剤)に、適当な顔料
を加え、例えば三本ロールインキ練り機により捏和して
製造される。そして、石油系溶剤としては、バインダー
樹脂に対する溶解力に優れ、しかも安価なことから、従
来、芳香族系のものが広く使用されている。
【0003】しかし、昨今環境の保全が注目されるにつ
れて、印刷インキに使用する石油系溶剤を、従来賞用さ
れている芳香族系のものから、印刷作業現場の環境衛生
上にも好ましい非芳香族系溶剤、特にナフテン系溶剤へ
転換することが検討されている。しかしながら、非芳香
族系溶剤は、芳香族系溶剤に比較して従来のバインダー
樹脂を溶解する能力が劣るため、単に芳香族系溶剤を非
芳香族系溶剤に変更するのみでは、印字に光沢を与える
ことは難しい。この点を解決する手段として、ビヒクル
に配合する乾性油の量を増加し、印刷紙面上で酸化重合
膜を形成させる方法が提案されている。しかし、この種
の印刷インキについては、乾燥性ないしセット性の低下
が問題点として指摘されている。
【0004】そこで、例えば特開平8−60064号公
報においては、ジシクロペンタジエン(DCPD)とα
−オレフィンとの共重合石油樹脂のマレイン酸変性樹脂
に、ブチルフェノールを原料とするフェノール樹脂を反
応させることにより、重量平均分子量が3万から20万
の石油樹脂変性樹脂をバインダー樹脂として製造し、こ
れを非芳香族系炭化水素溶剤を含む平版インキ用ビヒク
ルに用いることが提案されている。一方、近年の印刷速
度の高速化に伴い、ミスティングの問題が顕著になって
きた。例えば、オフセット輪転印刷では、回転速度が
1,000rpm以上という高速の場合さえあり得るの
で、ミスティング現象が顕著である。ミスティングは、
樹脂を高分子量化すれば改良される傾向を示すが、単に
高分子量化すると樹脂の溶融粘度も増大し、バルク重合
による重合操作に困難を生ずる懸念がある。例えば前記
特開平8−60064号公報に記載されたバインダー樹
脂は、これを単に高分子量化した場合には高分子量化と
共に溶融粘度も増大し、その結果重合時の操作性に劣り
使用に耐えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の課題
は、高分子量化によりミスティングを改良するととも
に、溶融粘度が一定のレベル以下に保持され、重合時の
操作性に優れた平版インキ用バインダー樹脂を用いたビ
ヒクルを提供することにある。本発明の他の課題は、非
芳香族系溶剤、特にナフテン系溶剤への溶解性に優れ、
かつ高分子量化された新しい平版インキ用バインダー樹
脂を用いたビヒクルを提供することにある。さらに本発
明の他の課題は、上記新規なバインダー樹脂の製造方法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、樹脂の溶
融粘度は分子構造等に密接に関連し、分子量と溶融粘度
とは必ずしも相関性がないことを見出した結果、本発明
に想到した。すなわち、特定の樹脂の製造方法を採用し
て高分子量化することにより樹脂の構造を改変し、その
結果ミスティングが改良されるにもかかわらず、樹脂の
溶融粘度は一定のレベル以下に保持することが可能とな
ったのである。すなわち、本発明の第1は、下記石油樹
脂変性フェノール樹脂(I)からなる平版インキ用ビヒ
クルのバインダー樹脂に関するものである。石油樹脂変
性フェノール樹脂(I)は、 酸変性炭化水素樹脂(A) ・・・・・・ 100重量部と、 炭素数4から25のアルキル置換基を有するフェノール樹脂(B) ・・・・・・ 30〜150重量部 とを反応させて得られ、かつ前記酸変性炭化水素樹脂(A)は (a)下記式[1]で示される5員環化合物またはそのディールス−アルダー反 応生成物を主成分とする化合物 ・・・・・・ 100重量部、および (b)不飽和カルボン酸またはその無水物 ・・・・・・ 1〜20重量部 との反応生成物であり、 前記石油樹脂変性フェノール樹脂(I)は、 <1>重量平均分子量が ・・・・・・ 20万以上、 <2>溶融粘度(Vm)が ・・・・・・ 100Pa・s以下、 <3>溶融粘度対溶液粘度(Vs)の比であるK値(Vm/Vs) ・・・・・・ 0.2以下 の物性を有することを特徴とし、
【化4】 上記式中、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル
基であり、nは1〜6の整数である。n個のRは同一で
も異なってもよい。本発明の第2は、上記第1の発明に
おいて、酸変性炭化水素樹脂(A)を調製する際に、成
分(a)および成分(b)に、さらに1〜40重量部の
α−オレフィン(c)を添加して反応させてなるバイン
ダー樹脂としての石油樹脂変性フェノール樹脂(I)に
関する。
【0007】本発明の第3は、下記成分(I)から(II
I)を含む平版インキ用ビヒクルに関するものである。 (I)石油樹脂変性フェノール樹脂: 酸変性炭化水素樹脂(A) ・・・・・・ 100重量部と、 炭素数4から25のアルキル置換基を有するフェノール樹脂(B) ・・・・・・ 30〜150重量部 とを反応させて得られ、かつ前記酸変性炭化水素樹脂(A)は (a)前記式[1]で示される5員環化合物またはそのディールス−アルダー反 応生成物を主成分とする化合物 ・・・・・・ 100重量部、および (b)不飽和カルボン酸またはその無水物 ・・・・・・ 1〜20重量部 との反応生成物であり、 前記石油樹脂変性フェノール樹脂(I)は、 <1>重量平均分子量が ・・・・・・ 20万以上、 <2>溶融粘度(Vm)が ・・・・・・ 100Pa・s以下、 <3>溶融粘度対溶液粘度(Vs)の比であるK値(Vm/Vs) ・・・・・・ 0.2以下 の物性を有することを特徴とし、(II)乾性油および/
または半乾性油、ならびに(III)石油系非芳香族溶
剤。本発明の第4は、上記第3の発明において、酸変性
炭化水素樹脂(A)を調製する際に、成分(a)および
成分(b)に、さらに1〜40重量部のα−オレフィン
(c)を添加して反応させてなる平版インキ用ビヒクル
に関する。
【0008】本発明の第5は、上記第3または4の発明
において、石油系非芳香族溶剤が、高沸点ナフテン系溶
剤である平版インキ用ビヒクルに関する。
【0009】本発明の第6は、前記式[1]で示される
5員環化合物またはそのディールス−アルダー反応生成
物を主成分とする化合物(a)と、不飽和カルボン酸ま
たはその無水物(b)とを反応させて酸変性炭化水素樹
脂(A)を調製し、次に、酸変性炭化水素樹脂(A)と
炭素数4から25のアルキル置換基を有するフェノール
樹脂(B)とを反応させ、その際に、フェノール樹脂
(B)の一部を逐次添加することを特徴とする、 <1>重量平均分子量が ・・・・・・ 20万以上、 <2>溶融粘度(Vm)が ・・・・・・ 100Pa・s以下、 <3>溶融粘度対溶液粘度の比であるK値(Vm/Vs) ・・・・・・ 0.2以下 の物性を有する平板インク用バインダー樹脂としての石
油樹脂変性フェノール樹脂の製造方法に関するものであ
る。本発明の第7は、上記第6の発明において、酸変性
炭化水素樹脂(A)を調製する際に、成分(a)および
成分(b)に、さらに1〜40重量部のα−オレフィン
(c)を添加して反応させてなる請求項6に記載の石油
樹脂変性フェノール樹脂の製造方法に関する。
【0010】以下に本発明をさらに説明する。本発明の
平版インキ用ビヒクルにおいて、バインダーとして使用
する石油樹脂変性フェノール樹脂(I)は、酸変性炭化
水素樹脂(A)と、炭素数4〜25のアルキル置換基を
有するフェノール樹脂(B)とを反応させることによっ
て調製することができる。
【0011】上記酸変性炭化水素樹脂(A)(以下「酸
変性樹脂(A)」と略す)は、(a)前記式[1]で示
される5員環化合物またはそのディールス−アルダー反
応生成物を主成分とする化合物100重量部と、(b)
不飽和カルボン酸またはその無水物1〜20重量部と、
好ましくはこれらに加えて(c)α−オレフィン1〜4
0重量部とを反応させることによって調製することがで
きる。上記式[1]で示される5員環化合物としては、
シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエンなど
を、またそのディールス−アルダー反応生成物として
は、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン/メチ
ルシクロペンタジエン共二量化物、トリシクロペンタジ
エンまたはこれらの混合物などを例示することができ
る。
【0012】本発明において用いる酸変性樹脂(A)に
おける成分(a)としては、上記5員環化合物および/
またはそのディールス−アルダー反応生成物自体のほ
か、これらを主として含有する成分、すなわち上記5員
環化合物および/またはそのディールス−アルダー反応
生成物を50重量%以上、好ましくは80重量%以上含
有するものも使用することができる。従って、例えば、
ナフサの高温熱分解副生油のC5留分中に含まれるシク
ロペンタジエン、メチルシクロペンタジエンを熱二量化
させることによって、ジシクロペンタジエン、シクロペ
ンタジエン/メチルシクロペンタジエン共二量体、シク
ロペンタジエン/イソプレン共二量体、シクロペンタジ
エン/ピペリレン共二量体などを得た後、その反応生成
物を蒸留してC5オレフィン、C5パラフィンなどのC5
成分の大部分を除去したものを、本発明の成分(a)と
して使用することができる。また、成分(a)として
は、上記5員環化合物および/またはそのディールス−
アルダー反応生成物と、石油留分中の不飽和成分、特に
不飽和芳香族成分、例えば、スチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエン、インデンおよびメチルインデン
からなる群から選ばれる1種または2種以上との混合物
を使用することも可能である。従って、ナフサの分解時
に副生するC9留分と上記5員環化合物および/または
そのディールス−アルダー反応生成物との混合物も成分
(a)として使用することができる。
【0013】本発明で用いる酸変性樹脂(A)における
成分(b)は、不飽和カルボン酸またはその無水物であ
って、その炭素数は3〜32、好ましくは3〜15の範
囲である。本発明で使用可能な成分(b)の具体例とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、テトラヒドロフタル酸およびその無水物、フ
マル酸、シトラコン酸、イタコン酸、乾性油の脂肪酸、
例えばアマニ油脂肪酸などが挙げられ、これらの酸また
は酸無水物は混合物であっても差し支えない。成分
(b)として特に好ましいものは、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸および無水マレイン酸である。前記
成分(a)に成分(b)として不飽和カルボン酸または
その無水物を反応させることにより酸変性樹脂(A)が
得られる。
【0014】本発明で用いる酸変性樹脂は、上記成分の
ほかにその性質を改良するために、一般的に他の成分
(c)を1〜200重量部の範囲で反応させることがで
きる。これら他の成分(c)としては、α―オレフィ
ン、分子内に炭素−炭素二重結合とベンゼン環を含有す
る不飽和芳香族炭化水素単量体、またはこれらの混合物
などが挙げられる。上記分子内に炭素−炭素二重結合と
ベンゼン環を含有する不飽和芳香族炭化水素単量体とし
ては、例えば、スチレン、α―メチルスチレン、ビニル
トルエン、インデン、メチルインデン等の炭素数が8〜
20の化合物およびこれらの混合物を用いることができ
る。工業的には、エチレン等を得る目的でナフサ等の炭
化水素を熱分解する際に副生する芳香族炭化水素を含む
沸点範囲140〜200℃のいわゆるC9留分、または
9留分を精製し分子内に炭素−炭素二重結合とベンゼ
ン環を含有する不飽和芳香族炭化水素単量体を50%以
上とした留分、さらに精製したビニルトルエンを70%
以上含む留分なども含まれる。
【0015】本発明で用いる酸変性樹脂(A)における
成分(c)としては、特にα―オレフィンが好ましい。
このα―オレフィンとしては、炭素数4〜40、好まし
くは6〜20のものが用いられる。α−オレフィンの構
造としては、直鎖状およびβ位にアルキル基を持たない
分枝状のものが好ましい。本発明で使用可能なα−オレ
フィンを例示すると、1−ヘキセン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、
1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、
1−オクタデセン、1−アイコセンまたはこれらの混合
物などを挙げることができる。α―オレフィンとしては
また、エチレンのオリゴメリゼーションまたはパラフィ
ンワックスの熱分解で得られる混合α−オレフィンも使
用することができ、前者の例としては、ダイアレン(商
品名、三菱化学(株)製)を、後者の例としてはシェブロ
ンα−オレフィン(シェブロン社製)をそれぞれ挙げる
ことができる。
【0016】本発明において酸変性樹脂(A)を調製す
るに当たっては、上記成分(a)の100重量部に対
し、不飽和カルボン酸またはその無水物である成分
(b)を1〜20重量部、好ましくは3〜15重量部の
範囲で使用する。成分(b)の使用量が1重量部未満で
ある場合は、酸変性樹脂(A)の極性基の量が不足する
ので好ましくなく、また20重量部を越える場合は、最
終的に得られるバインダー樹脂の非芳香族系溶剤への溶
解性が低下し、加えて平版インキに使用する湿し水によ
って乳化され易くなるので好ましくない。
【0017】成分(c)については、上記成分(a)の
100重量部に対し、一般的には1〜200重量部の範
囲で使用することができる。特に成分(c)として好ま
しいα―オレフィンの場合は1〜40重量部、好ましく
は5〜30重量部の範囲で使用する。成分(c)として
のα―オレフィンの使用量が1重量部未満ある場合に
は、最終的に得られるバインダー樹脂の非芳香族系溶剤
への溶解性が低下し、一方、40重量部を越える場合
は、酸変性樹脂(A)の収率が減少するのみならず、そ
の軟化点も低下するために好ましくない。
【0018】酸変性樹脂(A)の製造方法としては、適
当な反応器に上記成分(a)および(b)を同時に張り
込み、無触媒でまたは触媒の存在下にこれら2成分を反
応させて調製することができる。成分(c)を共重合さ
せる場合は、適当な反応器に上記成分(a)、(b)お
よび(c)を同時に張り込み、無触媒でまたは触媒の存
在下にこれら3成分を反応させて調製することができる
ほか、成分(a)と成分(c)とを予め無触媒でまたは
触媒の存在下に反応させて炭化水素樹脂を生成させ、次
いで不飽和カルボン酸またはその無水物である成分
(b)を反応させて調製することもできる。無触媒で反
応を行う場合の反応温度は200〜300℃の範囲であ
り、反応時間は0.5〜15時間の範囲である。触媒を
使用する場合は、フリーデル−クラフツ型触媒、例え
ば、三弗化ホウ素、三弗化ホウ素とフェノール、エーテ
ル、酢酸などとのコンプレックス、塩化アルミニウムな
どを0.1〜10重量%程度の範囲で用い、−30〜1
00℃の範囲の温度で10分〜20時間程度反応を行
う。このようにして得られた酸変性樹脂(A)は、必要
に応じて、アルコール類でエステル化することができ
る。エステル化は酸変性樹脂(A)の溶解性および軟化
点を調節する上で、また、最終的に得られるバインダー
樹脂、すなわち石油樹脂変性フェノール樹脂の分子量を
調節する上において有効である。
【0019】上記のようにして製造した酸変性樹脂
(A)と炭素数4〜25のアルキル置換基を有するフェ
ノール樹脂(B)(以下、「フェノール樹脂(B)」と
略す)とを特定の方法により反応させることにより、本
発明におけるバインダー樹脂としての石油樹脂変性フェ
ノール樹脂を調製することができる。酸変性樹脂(A)
とフェノール樹脂(B)との反応に際しては、添加すべ
きフェノール樹脂の一部を逐次に添加することが肝要で
ある。例えばバッチ式による場合、反応原料を一度に全
て反応器内に投入して反応させると、溶融粘度が増大し
て高分子量化自体が困難である。反応形式は、バッチ式
または連続式のいずれの形式も採用することができる。
ここで、「逐次に添加する」とは、供給すべきフェノー
ル樹脂(B)を分割してその一部を反応系に供給し、バ
ッチ式の場合には、残余のフェノール樹脂(B)を所定
の時間経過後に供給し、連続式の場合には、所定の間隔
を隔てた位置に残余のフェノール樹脂(B)を供給する
ことをいう。またこの反応においては、特に触媒を使用
する必要はない。
【0020】酸変性樹脂(A)と反応させる上記フェノ
ール樹脂(B)は、炭素数4〜25のアルキル置換基を
有するフェノール類とホルムアルデヒドとの縮合反応に
よって得ることができる。この縮合反応は常法により行
なうことができる。炭素数4〜25のアルキル置換基を
有するフェノール類としては、p−tert−ブチルフェノ
ール、sec−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフ
ェノール、ノニルフェノールまたはこれらの混合物など
が工業的に好ましく用いられる。
【0021】酸変性樹脂(A)100重量部に対し、上
記フェノール樹脂(B)を30〜150重量部の範囲、
好ましくは35〜100重量部の範囲で反応させる。フ
ェノール樹脂(B)の使用量が30重量部より少ないと
高分子量化が困難となり、その結果ミスティングの改良
が達成され難い。一方、150重量部より多いと、高分
子量化が過度に進行し、得られた樹脂を使用したビヒク
ルの粘度が高くなるので好ましくない。なお、上記フェ
ノール樹脂の量は、初期および逐次添加のフェノール樹
脂の合計量である。また、本発明において用いるフェノ
ール樹脂としては、酸変性樹脂(A)の存在下に、炭素
数4〜25のアルキル置換基を有するフェノールとホル
ムアルデヒドとを反応させて得られるフェノール樹脂を
利用することができる。
【0022】酸変性樹脂(A)にフェノール樹脂(B)
を加熱反応させる段階においては、高分子量化をより進
行させるために、実質的に溶剤の存在しない状態で反応
を進行させることが好ましい。溶剤存在下における反応
では、高分子量化が一定の限度にとどまるため好ましく
ない。また、同様に、乾性油や半乾性油などが存在する
と高分子量化が一定の限度にとどまることがある。従っ
て、フェノール樹脂(B)と酸変性樹脂(A)との反応
においては、乾性油や半乾性油などの存在しない状態で
反応させることが好ましい。すなわち、前記溶剤、乾性
油、半乾性油などの存在下にフェノール樹脂(B)と酸
変性樹脂(A)とを反応させると、一定の範囲で分子量
は増大するが、それは本発明の目的であるミスティング
の改良には余り影響のない程度である。
【0023】石油樹脂変性フェノール樹脂を従来公知の
バッチ式により製造する場合は、酸変性樹脂(A)10
0重量部に対し、フェノール樹脂(B)を30〜150
重量部の範囲、好ましくは35〜100重量部の範囲で
適宜の反応器に仕込み、反応を行った後、さらに酸変性
樹脂(A)100重量部に対しフェノール樹脂(B)
0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部を添加
して反応を行うことにより高分子量化させる。後に添加
するフェノール樹脂(B)の使用量が10重量部より多
いと、ゲル化の原因となり好ましくない。また、フェノ
ール樹脂(B)の後添加を行わずに高分子量化した樹脂
は、溶融粘度が高くなるので製造に困難を生ずる。
【0024】上記バッチ式の反応における反応温度は、
いずれの段階も100〜350℃、好ましくは150〜
300℃であり、反応時間は、2段階で行う場合には、
最初の段階を0.5〜15時間の範囲、また後添加の段
階を10分〜5時間の範囲で行うことができる。もちろ
ん3段階以上に分けて行うこともできる。
【0025】連続的に製造する場合には、従来公知の多
段流通型の反応形式を用いる。反応器は多段の反応領域
を直列に備えた構造のものであればいずれも用いること
ができるが、通常は反応槽を直列に併置した構造のもの
が簡便である。酸変性樹脂(A)100重量部およびフ
ェノール樹脂(B)30〜150重量部、好ましくは3
5〜100重量部の割合で、それぞれ反応器の入口に連
続的に供給しながら反応を行う。反応温度は、バッチ式
の場合と同様に100〜350℃、好ましくは150〜
300℃の範囲で行うことができ、LHSV(液空間速
度)は0.01〜100hr-1の範囲で行うことが好まし
い。連続式製造方法においては、反応器内の反応経過時
間の異なる位置にフェノール樹脂(B)を分割して供給
する。例えば多段反応槽を有する場合には、フェノール
樹脂(B)の一部を第2槽以降に追加する。フェノール
樹脂(B)の追加量は、前記バッチ式の場合と同様に、
酸変性樹脂(A)100重量部に対し0.1〜10重量
部、好ましくは0.1〜5重量部である。供給割合が上
記の範囲を満たしていないときは、バッチ式製造方法の
場合と同様の問題を生ずるため好ましくない。3槽以上
の多段の場合に、追加のフェノール樹脂は第2槽以降の
いずれか1槽のみに供給することもできるし、第2槽以
降の複数の槽に供給することもできる。
【0026】上記のようにして得られる本発明の平版イ
ンキ用ビヒクルに用いる石油樹脂変性フェノール樹脂
は、<1>重量平均分子量が20万以上、好ましくは1
00万以下、<2>溶融粘度(Vm)が100Pa・s以
下、好ましくは1Pa・s以上、かつ<3>溶融粘度対
溶液粘度(Vs)の比であるK値(Vm/Vs)が0.2以
下、好ましくは0.01以上、であることを特徴とす
る。なお、重量平均分子量、溶融粘度および溶液粘度の
測定法は後に述べる。前記特開平8−60064号公報
記載の石油樹脂変性フェノール樹脂において重量平均分
子量が20万を越えるものは、溶融粘度がきわめて高く
測定が不可能であった。しかしながら、本発明において
用いる樹脂は、重量平均分子量が20万以上の高い値で
あるにもかかわらず、溶融粘度(Vm)が100Pa・s
以下と低い。このように溶融粘度に違いが表れる理由は
明かではないが、製造法の相違に対応して、得られる樹
脂の構造が異なるものと推定される。すなわち、前記公
報記載のように各原料を一括して投入し反応させる場合
には、三次元架橋が進行し分子量の割には溶融粘度が高
くなるが、本発明の方法によれば線状構造の高分子が比
較的多く生成するため、高分子量にもかかわらず溶融粘
度の低い樹脂が得られるものと考えられる。なお、この
ことは、本発明の樹脂の溶融粘度/溶液粘度の比である
K値(Vm/Vs)が0.2以下であることを特徴とする
ことからも推測される。すなわち、前記公報記載の樹脂
のK値は0.2を超えているので、一定の溶液粘度を有
する樹脂で比較すると、本発明の樹脂の方が溶融粘度が
低い。溶融粘度と溶液粘度はいずれも分子量と相関関係
を有する物性であるから、溶融粘度対溶液粘度の比であ
るK値(Vm/Vs)が低い値を示すことは、前記のよう
に樹脂の構造が異なるという推定を指示するものであ
る。
【0027】また本発明における石油樹脂変性フェノー
ル樹脂は、軟化点が100℃以上、好ましくは130℃
以上である。軟化点が100℃未満であると、印刷イン
キを調製した場合にミスティングが多く、乾燥性が低
く、かつブロッキングを起こし易くなるため好ましくな
い。また、上記石油樹脂変性フェノール樹脂の酸価は、
5〜50mg-KOH/g、好ましくは5〜25mg-KOH/g の範
囲である。酸価が5mg-KOH/g 未満であると、顔料との
親和性に富んだビヒクルを得ることができず、ビヒクル
の流動性も大幅に低下する。また、酸価が50mg-KOH/g
を越えると、非芳香族系溶剤への溶解性が低下し、印
刷インキとした場合には、湿し水によって乳化を受け易
くなる。
【0028】本発明の上記石油樹脂変性フェノール樹脂
をバインダー樹脂として平板用インキを製造するには、
公知の方法を採用することができる。例えば、本発明の
上記石油樹脂変性フェノール樹脂に、高沸点の炭化水素
溶剤および乾性油、半乾性油もしくはこれらの混合物
を、常温または加熱下で溶解させ撹拌することによりワ
ニスを調製し、これに適宜の顔料等を配合してロールミ
ル等で混練するかまたはゲル化剤を添加し反応させたゲ
ルビヒクルに顔料などを添加して混練することによりイ
ンキ組成物を得ることができる。高沸点炭化水素溶剤と
しては、沸点範囲200〜350℃、好ましくは250
〜330℃の芳香族成分が50重量%以下、好ましくは
30重量%以下の炭化水素溶剤が用いられる。
【0029】本発明の上記石油樹脂変性フェノール樹脂
を用いた好ましい平版インキ用ビヒクルは、上記石油樹
脂変性フェノール樹脂100重量部を、石油系非芳香族
溶剤50〜200重量部、好ましくは70〜150重量
部、ならびに乾性油および/または半乾性油5〜100
重量部、好ましくは10〜80重量部に、常温または加
熱下で溶解させることによって得られる。そして、上記
ビヒクルに直接顔料などを添加して混練するか、あるい
はゲル化剤を添加反応させたゲルビヒクルに顔料などを
添加して混練することによって平版インキを得ることが
できる。
【0030】上記石油系非芳香族溶剤としては、高沸点
ナフテン系溶剤を使用することが好ましく、特に、ナフ
テン系炭化水素を60%以上、好ましくは70%以上含
有し、沸点が200℃以上である溶剤が好ましい。商業
的に入手可能なAFソルベント(商品名、日本石油(株)
製)やマギーソルベント(商品名、Magie Bros. OilCo.
製)は、本発明において使用することができる非芳香族
系溶剤の一例である。
【0031】上記乾性油または半乾性油としては、アマ
ニ油、桐油、大豆油、それらのボイル油およびスタンド
油、ならびにこれらの混合物を使用することができる。
石油樹脂変性フェノール樹脂、石油系非芳香族溶剤、な
らびに乾性油および/または半乾性油を加熱溶解させる
には、上述の従来公知の方法を用いることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明を具
体的に説明する。
【実施例】
<実施例1>純度97%のジシクロペンタジエン(DC
PD)650gと、ナフサの熱分解で得たC9留分53
8g(不飽和成分として、DCPD、ビニルトルエン、
α−メチルスチレン、インデンなどを350g含む)
と、炭素数16〜18の混合α−オレフィン(商品名:
ダイアレン168、三菱化学(株)製)100gと、メタ
クリル酸70gとを2リットルのオートクレブに仕込
み、窒素雰囲気下において、270℃で3時間反応を行
った。次いで、反応生成物を210℃/2mmHg で減圧蒸
留し、1,152gの酸変性炭化水素樹脂を得た。この
樹脂の軟化点は112℃、酸価は13mg-KOH/gであっ
た。さらに、この酸変性炭化水素樹脂100gに、ノニ
ルフェノールとホルマリンとの縮合反応で得たレゾール
型フェノール樹脂62gを加え、220℃で2時間反応
を行った後、レゾール型フェノール樹脂3gを加え、さ
らに30分間反応を行い石油樹脂変性フェノール樹脂を
得た。
【0033】<比較例1>実施例1と同じ方法で酸変性
炭化水素樹脂を得た。この酸変性炭化水素樹脂100g
に、ノニルフェノールとホルマリンとの縮合反応で得た
レゾール型フェノール樹脂65gを加え、220℃で2
時間反応を行い石油樹脂変性フェノール樹脂を得た。
【0034】<実施例2>かくはん機を備えた反応槽を
2基直列に併置した連続式変性装置に、実施例1と同じ
方法で得た酸変性炭化水素樹脂と、ノニルフェノールと
ホルマリンとの縮合反応で得たレゾール型フェノール樹
脂とを重量比が100/65になるように第1槽に連続
的に張込み、第1槽の温度を220℃、平均滞留時間を
1時間とし、第2槽の温度を220℃、平均滞留時間を
2時間として連続的に反応を行った。このとき、第2槽
において、酸変性炭化水素樹脂100重量部に対し、ノ
ニルフェノールとホルマリンとの縮合反応で得たレゾー
ル型フェノール樹脂0.5重量部を連続的に添加し石油
樹脂変性フェノール樹脂を得た。
【0035】<実施例3>純度97%のジシクロペンタ
ジエン(DCPD)1,000gと、炭素数6〜10の
混合α−オレフィン(商品名:ダイアレン610、三菱
化学(株)製)250gとを2リットルのオートクレブに
仕込み、窒素雰囲気化において、280℃で2.5時間
反応を行った。次いで、反応生成物を210℃/2mmHg
で減圧蒸留し、1,220gの炭化水素樹脂を得た。こ
の炭化水素樹脂100gを 200℃で加熱溶解後、
無水マレイン酸3gを添加して4時間反応を行い、酸変
性炭化水素樹脂を得た。この樹脂の軟化点は118℃、
酸価は14mg-KOH/gであった。この酸変性炭化水素樹脂
100gに、p−tert−ブチルフェノールとホルマリン
との縮合反応で得たレゾール型フェノール樹脂40gを
加え、220℃で2時間反応を行った後、レゾール型フ
ェノール樹脂を5gを加え、さらに1時間反応を行って
石油樹脂変性フェノール樹脂を得た。
【0036】上記実施例および比較例においてそれぞれ
得られた石油樹脂変性フェノール樹脂の性状および上記
樹脂に対するナフテン系溶剤の溶解性を表1に示す。表
に記載した各種性状の測定方法は以下の通りである。 (1)軟化点 JIS K2531に準拠(環球法) (2)酸化 JIS K2501に準拠 (3)重量平均分子量 GPCにより測定し、ポリスチレン換算した重量平均分
子量で示す。なお、GPCの仕様は次の通りである。 装置本体: 商品名:150C、Waters 社製 カラム: 30cm、2本組;商品名:Shodex KF-807
L、昭和電工(株)製 検量線: ポリスチレン使用 (4)溶解性 石油樹脂変性フェノール樹脂と溶剤とを重量比50/5
0で混合して調製したビヒクルに、溶剤を徐々に加えて
希釈し、白濁が発生した時点における希釈倍数で表す。
値が大きいほど、溶解性が良好であることを示す。溶剤
として、ナフテン系炭化水素溶剤であるAF−7ソルベ
ントおよびAF−5ソルベント(いずれも商品名、日本
石油(株)製)を使用する。 (5)溶融粘度 測定装置および測定条件は以下の通りである。 装置本体: 商品名:MR−300ソリキッドメータ、(株)レオロジ社 製 コーンプレート: プレート径40mm、コーン径20mm、角度2度 せん断速度: 6.16sec-1(コーン回転速度20rpm) 測定温度: 220℃ (6)溶液粘度 ナフテン系溶剤であるAF−7ソルベントと石油樹脂変
性フェノール樹脂との50/50重量比の混合溶液にお
ける溶液粘度を測定する。AF−7ソルベントの組成は
後に述べる。
【0037】
【表1】
【0038】<インキ試験>上記の実施例、比較例の石
油樹脂変性フェノール樹脂および市販のロジン変性フェ
ノール樹脂(RP)をそれぞれバインダーとして使用
し、溶剤にはナフテン系または芳香族系のものを使用し
て、表2および表3に示す組成のビヒクルおよびインキ
を調製し、各インキの性状および各インキを使用して得
られる印刷物の性状を評価した。墨インキの評価結果を
表2に、紅インキの評価結果を表3に示す。なお、使用
した市販の樹脂および溶剤の性状、ならびに測定法は以
下の通りである。 〔ロジン変性フェノール樹脂(RP)〕軟化点170
℃、重量平均分子量24,000、酸価19mg-KOH/g;
商品名:タマノール 354、荒川化学(株)製 〔溶剤〕 (1)AF−7ソルベント 沸点260〜281℃、芳香族分0.2容量%、ナフテ
ン分77.3容量%、パラフィン分22.5容量% (2)7号ソルベント 沸点258〜287℃、芳香族分20容量%、オレフィ
ン分0.5容量%、パラフィン分79.5容量% 〔測定法〕 (1)タック:タックテスター使用(60秒値) (2)SR: 平行板粘度計使用(60秒値) (3)色濃度:色濃度計使用 (4) 光沢: グロスメーター使用(反射角60度) (5) ミスティング 三本ロールミルにより連続的にインキを混練し、インキ
のミスティングを目視で観察した。結果は、記号◎、
○、△および×で表す4段階で評価し、記号◎はミステ
ィングが少なく、○および△の順にミスティングが増加
し、×はミスティングが多いことを示す。三本ロールの
回転速度は600rpmである。なお、ミスティング試
験のロール回転速度は400rpmで行うことが多い
が、近年の印刷速度の向上に対応して、本試験では墨イ
ンキ評価、紅インキ評価共に速度を増大し600rpm
で行なった。
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】本発明の方法により製造した石油樹脂変
性フェノール樹脂は、分子量が大きいにもかかわらず溶
融粘度が小さく、重合時の操作性に優れている。さらに
平版インキ用のバインダー樹脂として使用することによ
り、従来の平版インキ用ビヒクルに常用されている芳香
族系溶剤を非芳香族系溶剤に置き換えることができる。
さらに、所定量の石油樹脂変性フェノール樹脂と、非芳
香族系溶剤と、乾性油および/または半乾性油とで構成
される本発明の平版インキ用ビヒクルに顔料を分散させ
て得られるインキは、ミストの発生量も少ない。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記石油樹脂変性フェノール樹脂(I)
    からなる平版インキ用ビヒクルのバインダー樹脂、石油
    樹脂変性フェノール樹脂(I)は、 酸変性炭化水素樹脂(A) ・・・・・・ 100重量部と、 炭素数4から25のアルキル置換基を有するフェノール樹脂(B) ・・・・・・ 30〜150重量部 とを反応させて得られ、かつ前記酸変性炭化水素樹脂(A)は (a)下記式[1]で示される5員環化合物またはそのディールス−アルダー反 応生成物を主成分とする化合物 ・・・・・・ 100重量部、および (b)不飽和カルボン酸またはその無水物 ・・・・・・ 1〜20重量部 との反応生成物であり、 前記石油樹脂変性フェノール樹脂(I)は、 <1>重量平均分子量が ・・・・・・ 20万以上、 <2>溶融粘度(Vm)が ・・・・・・ 100Pa・s以下、 <3>溶融粘度対溶液粘度(Vs)の比であるK値(Vm/Vs) ・・・・・・ 0.2以下 の物性を有することを特徴とし、 【化1】 上記式中、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル
    基であり、nは1〜6の整数である。n個のRは同一で
    も異なってもよい。
  2. 【請求項2】 前記酸変性炭化水素樹脂(A)を調製す
    る際に、成分(a)および成分(b)に、さらに1〜4
    0重量部のα−オレフィン(c)を添加して反応させて
    なる請求項1に記載のバインダー樹脂としての石油樹脂
    変性フェノール樹脂(I)。
  3. 【請求項3】 下記成分(I)から(III)を含む平版イ
    ンキ用ビヒクル、 (I)石油樹脂変性フェノール樹脂: 酸変性炭化水素樹脂(A) ・・・・・・ 100重量部と、 炭素数4から25のアルキル置換基を有するフェノール樹脂(B) ・・・・・・ 30〜150重量部 とを反応させて得られ、かつ前記酸変性炭化水素樹脂(A)は (a)下記式[1]で示される5員環化合物またはそのディールス−アルダー反 応生成物を主成分とする化合物 ・・・・・・ 100重量部、および (b)不飽和カルボン酸またはその無水物 ・・・・・・ 1〜20重量部 との反応生成物であり、 前記石油樹脂変性フェノール樹脂(I)は、 <1>重量平均分子量が ・・・・・・ 20万以上、 <2>溶融粘度(Vm)が ・・・・・・ 100Pa・s以下、 <3>溶融粘度対溶液粘度(Vs)の比であるK値(Vm/Vs) ・・・・・・ 0.2以下 の物性を有することを特徴とし、 【化2】 上記式中、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル
    基であり、nは1〜6の整数である(n個のRは同一で
    も異なってもよい)、(II)乾性油および/または半乾
    性油、ならびに(III)石油系非芳香族溶剤。
  4. 【請求項4】 前記酸変性炭化水素樹脂(A)を調製す
    る際に、成分(a)および成分(b)に、さらに1〜4
    0重量部のα−オレフィン(c)を添加して反応させて
    なる請求項3に記載の平版インキ用ビヒクル。
  5. 【請求項5】 前記(III)石油系非芳香族溶剤が、高
    沸点ナフテン系溶剤である請求項3または4に記載の平
    版インキ用ビヒクル。
  6. 【請求項6】 下記式[1]で示される5員環化合物ま
    たはそのディールス−アルダー反応生成物を主成分とす
    る化合物(a)と、不飽和カルボン酸またはその無水物
    (b)とを反応させて酸変性炭化水素樹脂(A)を調製
    し、 次に、酸変性炭化水素樹脂(A)と炭素数4から25の
    アルキル置換基を有するフェノール樹脂(B)とを反応
    させ、その際に、該フェノール樹脂(B)の一部を逐次
    添加することを特徴とする、 <1>重量平均分子量が ・・・・・・ 20万以上、 <2>溶融粘度(Vm)が ・・・・・・ 100Pa・s以下、 <3>溶融粘度対溶液粘度(Vs)の比であるK値(Vm/Vs) ・・・・・・ 0.2以下 の物性を有する平板インク用バインダー樹脂としての石
    油樹脂変性フェノール樹脂の製造方法、 【化3】 上記式中、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル
    基であり、nは1〜6の整数である。n個のRは同一で
    も異なってもよい。
  7. 【請求項7】 前記酸変性炭化水素樹脂(A)を調製す
    る際に、成分(a)および成分(b)に、さらに1〜4
    0重量部のα−オレフィン(c)を添加して反応させて
    なる請求項6に記載の石油樹脂変性フェノール樹脂の製
    造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006124687A (ja) * 2004-09-30 2006-05-18 Arakawa Chem Ind Co Ltd 印刷インキ用樹脂組成物、その製造方法、印刷インキ用樹脂ワニス組成物およびその製造方法ならびに印刷インキ組成物およびその製造方法
JP2020111712A (ja) * 2019-01-16 2020-07-27 Jfeケミカル株式会社 変性フェノール樹脂、硬化物およびこれらの製造方法

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