JPH1081718A - 変性炭化水素樹脂 - Google Patents

変性炭化水素樹脂

Info

Publication number
JPH1081718A
JPH1081718A JP9177376A JP17737697A JPH1081718A JP H1081718 A JPH1081718 A JP H1081718A JP 9177376 A JP9177376 A JP 9177376A JP 17737697 A JP17737697 A JP 17737697A JP H1081718 A JPH1081718 A JP H1081718A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
hydrocarbon resin
modified hydrocarbon
compound
resin according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9177376A
Other languages
English (en)
Inventor
Albert Dr Bender
アルベルト・ベンダー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoechst AG
Allnex Germany GmbH
Original Assignee
Hoechst AG
Vianova Resins GmbH and Co KG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoechst AG, Vianova Resins GmbH and Co KG filed Critical Hoechst AG
Publication of JPH1081718A publication Critical patent/JPH1081718A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/02Printing inks
    • C09D11/10Printing inks based on artificial resins
    • C09D11/106Printing inks based on artificial resins containing macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • C09D11/108Hydrocarbon resins

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 改善された耐摩耗性及びカーボンブラックに
対する改善された湿潤特性を持ち、乾燥が早いインキを
調合が可能など、改善されたトルエン凹版印刷インキバ
インダー樹脂の提供。 【解決手段】A) C4〜10不飽和炭化水素及び2〜10
の重合度を有するこれの混合または非混合オリゴマー、 B) 脂肪酸及び/ または脂肪酸エステル、 C) 天然樹脂及び/ または天然樹脂酸、 D) α, β- オレフィン性不飽和カルボン酸及び酸無水
物、 E) 二価の金属の化合物、 の群のそれぞれ少なくとも一種の各化合物を反応させる
ことによって得ることができる変性炭化水素樹脂で、こ
の反応を、二段階またはそれ以上の段階で行い、第一段
階では、少なくとも一種の群A)とB)の化合物を反応さ
せ、そして次に続く段階では、上流の段階の反応生成物
を、それぞれ少なくとも一種の群D)とE)の化合物と反応
させ、最初の二つの段階の各反応をそれぞれ、群C)の少
なくとも一種の化合物の存在下で行う、上記変性炭化水
素樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、4〜10個の炭素原
子を有するジ- またはポリ- 不飽和の直鎖状、分枝状ま
たは環状炭化水素、及び2〜10の重合度を有するこれの
混合または非混合オリゴマーのコポリマーからなる炭化
水素樹脂、これの製造方法、及びこれを印刷インキ、好
ましくはトルエン凹版印刷インキ中でバインダー樹脂と
して使用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トルエン凹版印刷インキのためのバイン
ダーは、迅速な乾燥性、印刷された材料の表面上での良
好な保持性(holdout) 、良好な耐摩耗性及び高い光沢を
有するプリントを与えなければならない。特にこれは、
非コートまたは最小限にコートされ、それゆえ吸収性の
高い天然紙について言えることである。
【0003】重合した炭化水素を主成分としたバインダ
ー樹脂は公知である。例えば、酢酸の存在下において、
天然樹脂と、C5留分ベースの炭化水素の重合体(これは
無水マレイン酸または天然樹脂酸との共重合体 (interp
olymer) であってもよい)、α, β- 不飽和ジカルボン
酸単位及びカルシウム化合物とを反応させることによっ
て、低粘性バインダー樹脂を製造する方法が公知である
(米国特許第4,528,036 号、米国特許第4,552,592
号)。しかし、これらの方法については、反応器の壁に
垢殻(encrustation)及び沈着物を生じさせしかも工業規
模で通常使用される攪拌器では処理が難しい高粘性の溶
融物が生じるという欠点が知られている。他の欠点は、
適当な炭化水素樹脂が、実際の反応に使用する前に特殊
な圧力装置内で 0.6 MPa (6 bar)と1.5 MPa (15 bar)の
間の圧力及び220 〜280 ℃の温度において熱重合により
別途製造しなければならない特定のポリマーであること
である。印刷インキ用のバインダー樹脂を製造するため
に通常使用される装置は、一般的に 0.6 MPa (6 bar)の
最大圧力で設計されている。また、二つの容器内で行な
わなければならない方法は不経済である。
【0004】加えて、固体の形で得られるこのポリマー
で製造装置を満たすことは、樹脂ダストを発生させる恐
れがあり、これは過敏症の原因となることが知られてい
るので、衛生の面で安全でない。確かに上記のバインダ
ー樹脂は有色顔料に対し優れた分散作用を示すが、しか
しカーボンブラックが分散性に劣ることに起因して黒色
インキ中でのそれらの性能は満足できるものではなく、
これはインキの光沢の低下に反映される。印刷後、これ
らは柔軟性と耐摩耗性が不十分な非常に脆いインキ膜を
形成する。これは、特に20m/s を超える最近の非常に速
い印刷速度から見て重要な欠点になる。なぜならば、そ
の高められた機械的応力はインキの摩耗耐性、及び巻取
紙のそらせローラー(deflecting roller) 上に汚れを生
じる恐れがあるからである。
【0005】ジシクロペンタジエンを、トール油(米国
特許第2,598,424 号)、脂肪酸(米国特許第2,522,889
号)及び天然樹脂酸(米国特許第2,598,425 号)と加圧
下に高温下に共重合させることも公知である。その生成
物はペイントには使用することができるが、トルエン凹
版印刷用の印刷インキ中のバインダー樹脂として使用す
るのには適していない。
【0006】これと同じ事が、トール油脂肪酸と、シク
ロペンタジエンの重合から得られる炭化水素樹脂とを金
属塩及び場合によってはフェノール類の存在下に反応さ
せることによって製造される、ドイツ特許第22 46 283
号に記載の生成物にも当てはまる。0.9 MPa (9 bar) ま
での圧力において製造した、ジシクロペンタジエンとロ
ジンのコポリマーと、フェノール- アルデヒド縮合生成
物とを、一価または二価の金属の化合物の存在下で反応
させ(ただし、α, β- 不飽和カルボン酸及びそれの酸
無水物は用いない)、バインダー樹脂を得ることも公知
である。しかし、得られる生成物は、オフセット印刷用
のインキにしか適していない(ヨーロッパ特許出願公開
第0 580 954 号、米国特許第5,376,719 号)。
【0007】単一段階反応において、トール油脂肪酸、
ロジン、スチレン、ジシクロペンタジエン、無水マレイ
ン酸及びレゾール類を、マグネシウム化合物の存在下に
高温高圧で一度に同時に反応させることも公知である。
このバインダー樹脂は凹版印刷インキに有用である(ド
イツ特許出願公開第35 31 242 号)。しかし、これらを
用いて調合したインキの乾燥速度は、高速印刷において
は遅すぎるという欠点がある。
【0008】ドイツ特許第25 27 719 号は、シクロペン
タジエン、α, β- エチレン性不飽和のジカルボン酸ま
たは酸無水物、樹脂酸及び金属化合物を互いに反応させ
て、凹版印刷インキ用のバインダー樹脂を得る方法を開
示している。しかし、この反応においては、シクロペン
タジエンは、それ自体と反応してホモポリマーを形成す
るか、あるいは少なくともα, β- エチレン性不飽和の
ジカルボン酸と反応してコポリマーを形成する。これら
のホモポリマー及びコポリマーは、高い熱反応性を持
ち、それゆえ次に高温下に行われる反応において制御す
ることが困難であることが知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、現在
ある生成物及び方法の問題を解消し、そしてこれらの欠
点を持たない、つまり従来技術と比較して、改善された
耐摩耗性及びカーボンブラックに対する改善された湿潤
特性を持ち、乾燥が早いインキを調合することができ、
また、製造の間に、容器装置を満たした際にポリマーダ
ストを全く生じない低められた熱反応性を有する低粘性
溶融物となり、更には、場合によっては 0.6 MPa未満の
圧力でも単一容器方法で製造することができる、改善さ
れたトルエン凹版印刷インキバインダー樹脂を提供する
ことである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題は、4〜10個の
炭素原子を有するジ- またはより高度に不飽和の直鎖
状、分枝状または環状炭化水素並びにその2〜10の重合
度を有する混合または非混合オリゴマーと、脂肪酸及び
/ または脂肪酸エステル、α, β- 不飽和カルボン酸及
び酸無水物、並びに二価の金属化合物を二段階またはそ
れ以上の段階で反応させ、この際、全反応が中性の樹脂
及び/ または天然樹脂酸の存在下で行われることによっ
て達成される。採用された手段に起因する、従来技術に
対する方法及び生成物特性の面での改善は決して予期で
きるものではなく、それゆえ驚くべきことと見なされる
べきである。
【0011】それゆえ、本発明は A) 4〜10個の炭素原子を有するジ- またはポリ- 不飽
和の直鎖状、分枝状または環状炭化水素及びこれの2〜
10の重合度を有する混合または非混合オリゴマー、 B) 脂肪酸及び/ または脂肪酸エステル、 C) 天然樹脂及び/ または天然樹脂酸、 D) α, β- 不飽和カルボン酸及び酸無水物、 E) 二価の金属の化合物、 の群のそれぞれ少なくとも一種の化合物の反応、好まし
くは第一段階におけるそれぞれ少なくとも一種の群A)と
群B)の化合物の反応、これに次ぐ、この第一段階の反応
生成物と、それぞれ少なくとも一種の群D)とE)の化合物
との反応で、この際、全反応を、群C)の少なくとも一種
の化合物の存在下に、好ましくは 0.1 MPa(0.1 bar)よ
りも高い圧力及び 100〜300 ℃の温度において水の排除
下に行うことによって製造できる変性炭化水素樹脂を提
供する。
【0012】群A)〜E)の好ましい化合物は以下のもので
ある: A) シクロペンタジエン、及びダイマー及びディールス
- アルダー付加反応によって得ることのできるトリマー
及びテトラマー等のそのオリゴマー、並びにそれぞれア
ルキル基中に1〜4個の炭素原子を有する少なくとも一
つのアルキル基を有するこれのアルキル誘導体、または
これらの化合物と4〜10個、好ましくは4〜8個の炭素
原子を有する他のポリ不飽和炭化水素化合物とのコオリ
ゴマー、例えば、メチルシクロペンタジエン、シクロペ
ンタジエン-イソプレンダイマー、シクロペンタジエン-
ピペリレンダイマーであり、これらは全て液状であ
り、それゆえ密閉した管系中で容易に配量供給可能であ
る。これらの出発化合物は高純度である必要はない。例
えば、ナフサ及び対応する石油留分の熱分解において副
生成物として得られるC5留分の熱的二量化において生ず
る成分、特に濃厚成分を使用することができる。この二
量化は、このような留分中に存在するシクロペンタジエ
ンまたはメチルシクロペンタジエンを、ジシクロペンタ
ジエン; ジメチルシクロペンタジエン; シクロペンタジ
エンとメチルシクロペンタジエンとのダイマー; シクロ
ペンタジエンとイソプレンとのダイマー; シクロペンタ
ジエン- ピペリレンの混合ダイマー; 及び他の類似の二
量体物質に転化する。
【0013】この成分は、他の不飽和モノマー、例えば
プロピレン、ブテン、ブタジエン、ペンテン、シクロペ
ンテンまたはシクロヘキセンを含んでいてもよい。ナフ
サ及びこれに類似のもののクラッキングにおいて副生成
物として得られるC9留分が存在していてもよい。C9留分
は、例えば、スチレン、α- メチルスチレン、ビニルト
ルエン、インデン、メチルインデンまたはこれらの混合
物からなる。
【0014】従って、高い純度は常に成分A)の必要な要
求事項というわけではないが、成分A)が、70% 以上の質
量分率で、シクロペンタジエン、そのオリゴマー、及び
アルキル置換化合物等のその誘導体及びこれのオリゴマ
ーを含むことが好ましい。 B) 動物脂肪酸、植物脂肪酸または製油所製造の脂肪酸
及び脂肪酸エステル、特にこれらの植物または動物脂肪
酸及び油の形のもの、例えばパルミチン酸、ステアリン
酸、しかし好ましくは不飽和脂肪酸、例えばオレイン
酸、トール油脂肪酸、二量化または三量化した脂肪酸、
油、例えばトール油、脂肪酸グリセリルエステル、例え
ば綿実油、大豆油、アマニ油、木油、魚油、ヒマシ油、
ヤシ脂肪及び水素化したヤシ脂肪、 C) ロジン、ルート樹脂、トール樹脂、並びに不均一化
するかまたは部分的に水素化するかまたは二量化したあ
らゆる起源の天然樹脂、場合によっては更に別のテルペ
ンを含むかまたはα, β- エチレン性不飽和のカルボン
酸または酸無水物と天然樹脂酸との公知の付加生成物を
少量含む天然樹脂または天然樹脂酸、 D) α, β- エチレン性不飽和のカルボン酸または酸無
水物、特にフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イ
タコン酸、ケイ皮酸、アクリル酸、メタクリル酸、 E) 二価の金属の化合物、好ましくは酸化物、水酸化
物、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩、ステアリン酸塩、オ
レイン酸塩、特にこれらのマグネシウム、カルシウム及
び亜鉛化合物。 これらの成分について、本発明の変性炭化水素樹脂を製
造する際には、使用する各化合物の合計質量を基準とし
た (=100%)、各々の化合物の質量分率は、好ましくは: A) 10〜90% 、好ましくは20〜70% 、特に30〜60% 、 B) 1〜90% 、好ましくは10〜80% 、特に25〜70% 、 C) 1〜90% 、好ましくは10〜60% 、特に20〜50% 、 D) 0.1 〜20% 、好ましくは2〜10% 、特に3〜8% 、 E) 0.1 〜20% 、好ましくは1〜10% 、特に3〜8% で
ある。 本発明は、上記成分A)〜E)を互いに、150 ℃より高い温
度または少なくとも反応体の混合物が液状の形で存在す
る温度で反応させることからなる、変性炭化水素樹脂を
製造する方法にも関する。しかし、好ましくは、この反
応は複数の段階において行われ、この際、一つの好まし
い態様は、先ず成分A)、B)及び場合によってはC)を互い
に、200 〜300 ℃、好ましくは 220〜270 ℃の温度及び
好ましくは 0.1〜0.6 MPa 、特に 0.2〜0.4 MPa ( 好ま
しくは1〜6、特に2〜4 bar)の圧力下に反応させる
第一段階、次いで生じるポリマーを、好ましくは大気圧
下に、200 〜280 ℃、好ましくは220 〜270 ℃の温度範
囲内で水の排除下に化合物D)及びE)と反応させることか
らなる。
【0015】群A)及びB)の化合物の共重合は、ラジカル
重合または好ましくは熱重合として行うことができる。
この二次的に好ましいラジカル重合に適した触媒として
は、例えば、ジブチルパーオキシド、ベンジルパーオキ
シド、トリルパーオキシド、tert- ブチルヒドロパーオ
キシド、クメンヒドロパーオキシドまたはこれの類似物
等の過酸化物が包含される。
【0016】この共重合は、これらの成分を混合し、次
いでこのバッチを所望の温度にまで上げることによって
も行うことができる。しかし、安全性の点から、先ず群
B)の成分を装入しそしてこれを所望の温度にまで上げ、
次いで成分A)を配量供給することが賢明である。群A)と
B)の化合物の共重合を不活性溶剤の存在下に行うことも
できることが高く評価され得る。このために適した溶剤
は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン類及びテト
ラヒドロナフタレン等の芳香族炭化水素、並びにイソオ
クタン等の脂肪族炭化水素、ミネラルスピリット、及び
100 〜200 ℃の沸騰範囲のアルキル化したベンゼンの混
合物である。しかし、比較的低沸点の溶剤を使用した場
合は、高い反応温度が、0.6 MPa (6 bar) の好ましい限
界を超えて圧力を上昇させる恐れがある。例えば、溶剤
としてキシレンを使用すると、1 MPaと1.5 MPa の間
(10 barと15 barの間)の圧力に達する。それによっ
て、低圧反応という利点が損なわれるのは事実である
が、それでもなお、使用する装置が許す限りこのような
態様の方法も可能である。次の反応を行う前に、有利に
はその溶剤を留去する。この態様の方法はそれほど好ま
しくないが、これによって本発明が限定されるべきでは
ない。
【0017】天然樹脂化学の分野において慣用の装置が
製造に使用される。この装置は、通例では、熱媒油を用
いて加熱でき、そして圧力反応のために設計されそして
配量供給手段、蒸留手段及び攪拌手段を備えたスチール
製容器である。第一の態様においては、この装置に先ず
脂肪酸及び/ または脂肪酸エステルB)を装入しそしてこ
の混合物を、好ましくは 220〜270 ℃の温度に加熱す
る。次いでこの装置をシールし、そして液状シクロペン
タジエン及び液状シクロペンタジエン化合物A)を、発生
する圧力の下に、圧力が好ましくは 0.6 MPa (6 bar)、
特に 0.4 MPa(4 bar) を超えないように、配量供給す
る。例えば、成分A):B) を2:1 の重量比で含むコポリマ
ーは、260 ℃の反応温度において約6時間の配量供給時
間を必要とする。トール油脂肪酸並びにトール油の挙動
は特に好ましい。反応の完了後(これは圧力が低下する
ことからわかる)、この装置を放圧して大気圧にする。
【0018】溶剤を使用する場合は、脂肪酸及び/ また
は脂肪酸化合物(群B)を先ず溶剤と一緒に装入し、こ
の溶液を反応温度にまで引き上げ、そして発生する圧力
の下にシクロペンタジエン化合物(群A)を配量供給す
ることが好ましい。反応が完了しそして圧力を大気圧に
まで下げた後、有利には溶剤を蒸留することによって除
去する。
【0019】次いで、その溶融物を、群C)の天然樹脂及
び/ または天然樹脂酸、並びに群E)の金属化合物と、好
ましくは 240〜260 ℃の温度下に、混合する。この金属
化合物は有利には、固体としてではなく、懸濁液(例え
ば、キシレン中の懸濁液)の形で滴下する。生じる水及
び他の揮発性物質は留去される。この添加が終ったら、
α, β- 不飽和カルボン酸及び/ または酸無水物 D) を
攪拌しながらこの溶融物にいれ、反応を完結させる。
【0020】しかし第二の態様においては、成分A)とB)
の加圧重合によって第一段階において得られたコポリマ
ーを、第二段階において成分C)、次いでα, β- 不飽和
カルボン酸及び/ または酸無水物D)と反応させ、次いで
第三段階において金属化合物E)との反応を行うこともで
きる。成分C)とD)の添加の順番を逆にすることもできる
し、また成分C)とD)を一緒に添加することもできる。
【0021】この二つの態様から異なる生成物が生じる
ことは予期できなかったことであり、それゆえ驚くべき
こととみなさければならない。同じ組成において、第一
の態様で得られる生成物はトルエン溶剤中で比較的低い
粘度を有し、これに対し第二の態様で得られる生成物は
高い粘度を有する。この結果、添加の順番は、バインダ
ー樹脂の所望の粘度を設定するのに便利な方法であり、
その利点は明らかである。
【0022】しかし第三の態様においては、脂肪酸及び
/ または脂肪酸エステルB)、及び天然樹脂及び/ または
天然樹脂酸C)を最初に装入し、好ましくは 220〜270 ℃
の温度に加熱し、次いでシールした装置内で発生する圧
力の下で配量供給した液状成分A)と混合する。この態様
では、金属化合物E)を添加する前に、α, β- 不飽和カ
ルボン酸及び/ または酸無水物D)との付加反応を行うこ
とが有利である。なぜならばそうしないと不都合な多量
の泡が生じるからである。
【0023】更に別の態様では、成分A)とB)及び場合に
よってはC)との重合反応に成分D)を全てまたは一部含ま
せるか、あるいはα, β- 不飽和カルボン酸及び/ また
は酸無水物で既に変性した天然樹脂及び/ または天然樹
脂酸を使用することもできる。添加の順番を更に変える
ことができることは明らかであり、添加の順番は記載し
た態様によって限定されるべきではない。
【0024】通常、群E)の金属化合物との反応を完結さ
せるために酸をバッチに添加する必要はない。しかし、
金属化合物が非常に高濃度である場合は、不利に溶融粘
度を高めることなく転化を完全なものとするためには酸
を添加することが有利であり得る。使用し得る酸は、好
ましくはカルボン酸、例えば酢酸、イソノナン酸、トー
ル油脂肪酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、ク
エン酸、酒石酸である。
【0025】全ての反応性成分の合計を基準としたそれ
らの質量分率は、使用した化合物A〜Eの合計質量 (=
100%) を基準として、好ましくは5%未満である。反応
の過程は、溶剤、例えばトルエン中の粘度値を測定する
ことによって有利に確認できる。そのため、この反応を
所望の段階で中断することができ、この際に、全ての揮
発性物質が、単にそのバッチを排気することによって除
去される。
【0026】本発明のバインダー樹脂は、溶融物を冷却
した後に、先ず固形物として得られる。しかし、この溶
融物は、トルエンまたはベンジン留分等の溶剤を添加す
ることによってワニスに変えることができ、この場合、
固体から液状の形までの全ての転移状態が可能である。
粘度は、例えば溶液中に樹脂を50% 質量分率で含むトル
エン溶液を、慣用の回転式粘度計を用いて23℃で測定す
ることによって決められる。粘度は好ましくは50〜20,0
00 mPas 、特に100 〜5,000 mPasの範囲内である。しか
し、この粘度はこれらの範囲よりも高くてもまたは低く
てもよい。
【0027】本発明の樹脂の分子量は、浸透測定装置中
で、ポリスチレンゲル上でのテトラヒドロフラン (THF)
中の樹脂溶液のゲル浸透クロマトグラフィーによって公
知方法に従い測定できる。本発明の樹脂の重量平均分子
量 Mw は、好ましくは、得られた測定値に従い 500 g/m
olよりも大きく、そして臨界的な上限はない。しかし、
1,000 〜50,000 g/molの範囲内の Mw が特に好ましい。
成分A)とB)及び場合によってはC)の反応によって形成さ
れるコポリマーは、好ましくは、800 〜40,000g/mol の
重量平均分子量を有する。
【0028】本発明の樹脂は、好ましくは、250 ℃及び
100 s-1の剪断速度において 1,000〜5,000 mPasの範囲
内の溶融粘度を有する。本発明の樹脂は、実際の反応の
間またはその後に、印刷インキ用樹脂の製造において慣
用の更に別の物質を添加することによって変性すること
もできる。例を挙げれば、例えばドイツ特許出願 DE-P
195 38 954.9号に記載されるように、低分子量化合物、
例えばロジン、ロジンエステル、鉱油、またはフェノー
ル類とアルデヒドとの縮合生成物等のポリマー、例えば
レゾール類またはノボラック類、ポリエステル、変性炭
化水素樹脂、フェノール変性天然樹脂酸エステルを添加
して溶液粘度を最適化することができる。しかし、バッ
チに酸性触媒を添加することもできる。これは、フェノ
ール樹脂、フェノールまたはホルムアルデヒドによる変
性を予定している場合に特に興味深い。適当な触媒の例
は、ベンゼンモノスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、
フェノールスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等のスル
ホン酸類であり、このような方法の例は、米国特許第4,
528,036 号に記載されている。
【0029】従来技術 (米国特許第4,528,036 号、米国
特許第4,552,592 号) に記載される方法では、カルシウ
ム化合物の使用が必須である。しかし、印刷インキ用樹
脂に望ましいことが多い、マグネシウムまたは亜鉛化合
物の単独の使用は可能ではない。なぜならば、これは不
溶性の部分を含む曇った樹脂及び樹脂溶液を生じさせ、
製品価値が著しく損なわれ、そのバインダー樹脂が有用
なものでなくなってしまう恐れもある。しかし、マグネ
シウム及び亜鉛化合物で合成された樹脂はしばしば非常
に良好な顔料のぬれを与える。これが、固体状態及びト
ルエン溶液の両方において完全に澄んだ(つまり、肉眼
で見られる曇りがない)生成物の製造を可能にするとい
うことは本発明の特に顕著な利点である。それゆえ、こ
れらはイラストレーション凹版印刷において使用される
顔料に対して優れた湿潤挙動を持つ。
【0030】更に本発明は、本発明の樹脂を、顔料磨砕
物 (grinds) 及びコンセントレートに、並びに印刷イン
キ、好ましくはトルエンイラストレーション凹版印刷用
の印刷インキに使用する方法を提供する。本発明の樹脂
は、他の樹脂、例えば従来技術の変性天然樹脂酸エステ
ル、レジネート、炭化水素樹脂またはクロロゴムとの相
容性が高く、これらに幅広い融通性を与える。
【0031】本発明の生成物は、トルエンで希釈した際
にその粘度プロフィルが比較的平坦であるという有利な
特性も有する。すなわち、樹脂含有量が増えてもその粘
度はもし増大したとしてもその程度は僅かである。この
ような特性は分散処理において特に重要である。なぜな
らば、顔料は、最適な湿潤のためには最大量の樹脂を必
要とするが、しかし調製されるコンセントレート及び磨
砕物はなお易流動性、すなわち低粘度であるべきである
からである。従来のバインダー樹脂はかなり劣った希釈
特性を有するので、特にこの点が従来の物に対して本発
明の樹脂が優れるところである。バインダー樹脂の希釈
特性におけるこの差異は、全く驚くべきことと見なされ
るべきである。
【0032】トルエン凹版印刷インキは慣用の方法に従
い調合される。このためには、適当なバインダー樹脂を
トルエン中に溶解しそしてこのワニスを顔料着色する
か、あるいは前もって調製した顔料磨砕物をトルエンで
希釈する。使用し得る添加物の例は、炭酸カルシウム等
のフィラー、またはレシチン等の顔料の分散を改善する
ための界面活性剤、または耐摩耗性を改善するためのワ
ックスである。
【0033】以下の実施例は本発明をより具体的に例示
するものであるが、本発明はこれに限定されない。部及
び%は、特に断りがないかぎり質量に基づく。記載した
酸価はDIN53 402 に従い測定される。これは通常mg/gの
単位で示される。この酸価は、(希釈していない)サン
プルの質量 mB に対する、サンプルの一定の質量 mB
中和するのに必要な水酸化カリウムの質量 mKOH の比と
定義される。
【0034】以下の実施例における溶液粘度は、50% の
樹脂質量含有率を有するトルエン溶液において23℃で測
定される。
【0035】
【実施例1】 ジシクロペンタジエンとトール油脂肪酸との反応、及び
それに次ぐロジン、水酸化カルシウム及び無水マレイン
酸との反応による第一の態様に従うバインダー樹脂の製
造: 3Lスチール製装置中で、トール油脂肪酸 430g を 260℃
に加熱する。シクロペンタジエン単位を80% 含むジシク
ロペンタジエン 946g を6時間にわたって配量供給し、
そしてこのバッチをこの温度で更に5時間攪拌する。こ
の間に、最初 0.38 MPa (3.8 bar) にまで上昇した圧力
は 0.2 MPa (2 bar)にまで下がる。次いで、このバッチ
を放圧して大気圧にする。ゲル浸透クロマトグラフィー
によって測定したサンプルの重量平均分子量 Mw は 4,7
70 g/molである。
【0036】その後、ロジン 755g を添加し、そして30
分間攪拌する。次いで、キシレン 150g 中に懸濁させた
水酸化カルシウム 108g を1時間かけて配量供給し、こ
の間に生じる水及び更に別の揮発性物質は留去される。
引き続いて、このバッチを30分間攪拌し、次いで無水マ
レイン酸 93gを5分間にわたって配量供給する。このバ
ッチを更に2時間攪拌し、次いで10 kPa (100 mbar) に
まで5分間排気し、大気圧に調節しそして排出する。12
5 ℃の軟化点及び1,325 mPasの溶液粘度(澄んだ溶液)
を有する澄んだ樹脂 2400gが得られる。ゲル浸透クロマ
トグラフィーによって測定した重量平均分子量 Mw
2,350 g/molである。この樹脂は、250 ℃の温度及び100
s-1の剪断速度において 3,800 mPas の溶融粘度を有す
る。 実施例2 ジシクロペンタジエンとトール油脂肪酸との反応、それ
に次ぐロジン、無水マレイン酸及び水酸化カルシウムと
の反応による第二の態様に従うバインダー樹脂の製造:
3Lスチール製装置中で、トール油脂肪酸 430g を 260℃
に加熱する。シクロペンタジエン単位を80% 含むジシク
ロペンタジエン 946g を6時間かけて配量供給し、そし
てこのバッチをこの温度で更に5時間攪拌する。この間
に、最初は 0.38 MPa (3.8 bar) に上昇した圧力は 0.2
MPa (2 bar)にまで低下する。次いで、このバッチを放
圧して大気圧にし、そしてロジン 755g 及び無水マレイ
ン酸93gを添加しそして30分間攪拌する。その後、キシ
レン 150g 中に懸濁させた水酸化カルシウム 108g を1
時間にわたって配量供給し、この間に生じる水及び他の
揮発性物質は留去される。このバッチを更に2時間攪拌
し、次いで10 kPa (100 mbar) にまで5分間排気し、大
気圧に調節しそして排出する。135 ℃の軟化点及び11,0
00 mPasの溶液粘度(澄んだ溶液)を有する澄んだ樹脂
2400gが得られる。ゲル浸透クロマトグラフィーによっ
て測定した重量平均分子量 Mw は、3,230 g/mol であ
る。 実施例3 ジシクロペンタジエンとトール油脂肪酸及びロジンとの
反応、それに次ぐ無水マレイン酸及び水酸化カルシウム
との反応による第三の態様に従うバインダー樹脂の製
造:3Lスチール製装置中で、トール油脂肪酸 500g 及び
ロジン 500g を 260℃に加熱する。シクロペンタジエン
単位を80% 含むジシクロペンタジエン 1000gを6時間に
わたって配量供給し、そしてこのバッチをこの温度で更
に5時間攪拌し、この間に最初は 0.4 MPa (4 bar)に上
昇した圧力は 0.25 MPa (2.5 bar) に低下する。ゲル浸
透クロマトグラフィーによって測定したサンプルの重量
平均分子量 M w は 1,670 g/molである。
【0037】その後、無水マレイン酸 100g を添加しそ
して30分間攪拌する。次いで、キシレン 150g 中に懸濁
させた水酸化カルシウム 110g を1時間かけて攪拌しな
がら入れ、この間に生じる水及び他の揮発性物質は留去
される。このバッチを更に2時間攪拌し、ついで10 kPa
(100 mbar) にまで5分間排気し、大気圧に調節しそし
て排出する。105 ℃の軟化点及び 790 mPas の溶液粘度
(澄んだ溶液)を有する澄んだ樹脂 2210gが得られる。 実施例4 ジシクロペンタジエンとトール油脂肪酸との反応、それ
に次ぐロジン、水酸化カルシウムと水酸化マグネシウム
との混合物、及び無水マレイン酸との反応による第一の
態様に従うバインダー樹脂の製造:実施例1を繰り返す
が、但し水酸化マグネシウム32g と混合した水酸化カル
シウム40g を使用する。
【0038】135 ℃の軟化点及び4,300 mPasの溶液粘度
を有する澄んだ樹脂2204g が得られる。 実施例5 ジシクロペンタジエンとトール油脂肪酸及びロジンとの
反応、それに次ぐ無水マレイン酸及び酸化マグネシウム
との反応による第三の態様に従うバインダー樹脂の製
造:実施例3を繰り返すが、但し水酸化マグネシウム60
g を金属化合物として使用する。135 ℃の軟化点及び1
9,000 mPas の溶液粘度を有する澄んだ樹脂 1160gが得
られる。 実施例6 ジシクロペンタジエンとトール油脂肪酸との反応、それ
に次ぐロジン、酸化亜鉛及び無水マレイン酸との反応に
よる第一の態様に従うバインダー樹脂の製造:実施例1
を繰り返すが、但し酸化亜鉛 117g を金属化合物として
使用する。115 ℃の軟化点及び75 mPas の溶液粘度を有
する澄んだ樹脂 2215gが得られる。 実施例7 ジシクロペンタジエンとトール油との反応、それに次ぐ
ロジン、水酸化カルシウム及び無水マレイン酸との反応
による第一の態様に従うバインダー樹脂の製造:2Lスチ
ール製装置中で、トール油 430g を 260℃に加熱する。
シクロペンタジエン単位を80% 含むジシクロペンタジエ
ン 287g を6時間にわたって配量供給し、そしてこのバ
ッチをこの温度で更に5時間攪拌し、この間に、最初は
0.4 MPa(4 bar)にまで上昇した圧力は 0.25 MPas (2.5
bar)に低下する。次いで、このバッチを放圧して大気
圧にする。ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定し
たサンプルの重量平均分子量 Mw は 16,500 g/mol であ
る。その後、ロジン 377g を添加しそして30分間攪拌す
る。キシレン 150g 中に懸濁させた水酸化カルシウム59
g を1時間かけて配量供給し、この間に生じる水及び他
の揮発性物質は留去される。引き続いて、このバッチを
30分間攪拌し、次いで無水マレイン酸46g を5分間かけ
て配量供給する。このバッチを更に2時間攪拌し、次い
で 10 kPa (100 mbar)にまで5分間排気し、大気圧に調
節しそして排出する。95℃の軟化点及び 760 mPas の溶
液粘度 (澄んだ溶液)を有する澄んだ樹脂 1115gが得ら
れる。 実施例8 ジシクロペンタジエンとヒマシ油との反応、それに次ぐ
ロジン、無水マレイン酸及び水酸化カルシウムとの反応
によるバインダー樹脂の製造:6L圧力装置中で、ヒマシ
油 1080gを 260℃にまで加熱する。次いで、工業等級の
ジシクロペンタジエン(80% のシクロペンタジエン単位
の質量含有率を有する)2520g を、この気密装置の内部
圧力が 0.4 MPa (4 bar)を超えないようにして6時間か
けて配量供給する。引き続いて、このバッチを更に4時
間反応させ、この間に圧力は 0.2 MPa (2 bar)に低下
し、次いでこのバッチを放圧して大気圧にする。ゲル浸
透クロマトグラフィーによって測定したサンプルの重量
平均分子量Mw は 12,500 g/mol である。次いでこのバ
ッチをロジン450gと、次いで無水マレイン酸36g と混合
する。次いで30分間攪拌した後に、水酸化カルシウム45
g を添加し、そして水を留去する。次いでこのバッチを
更に2時間攪拌し、0.01 MPa(100 mbar) にまで5分間
排気して揮発性物質を除去し、窒素でガス抜きし、そし
て冷却することによって樹脂を単離する。115 ℃の軟化
点及び7,600 mPasの溶液粘度を有する固形樹脂 3840gが
得られる。 実施例9 溶剤中で重量することによるバインダー樹脂の製造:気
密にシールした6L加圧装置中で、トール油脂肪酸 432g
及びキシレン925gを260 ℃に加熱する。この際に、1.12
MPa (11.2 bar) の自己発生圧力が生ずる。工業等級の
ジシクロペンタジエン (80% のシクロペンタジエン単位
質量含有率を有する)1728g を5時間かけて配量供給す
る。引き続いてこのバッチを4時間攪拌し、次いでゆっ
くりと放圧して大気圧にし、この際キシレンが留去され
る。次いで無水マレイン酸 277g を添加する。30分後、
このバッチを更に1535g のロジンと混合し、これに次い
でキシレン200g中に懸濁させた、水酸化カルシウム70g
及び酸化マグネシウム38g を滴下する。引き続いて、こ
のバッチを2時間攪拌しそして揮発性物質を、単に排気
することによって除去する。
【0039】冷却した後、この生成物は132 ℃の軟化点
及び 135 mPas の溶液粘度を有する固形樹脂 3790gから
なる。この樹脂のサンプルを5時間250 ℃に加熱する
と、これは 147 mPas の溶液粘度を有する。つまり、こ
の樹脂は非常に良好な熱安定性を示す。これは、製造条
件下で作業する際に重要である。なぜならば反応容器か
ら排出した際に均質な生成物を得ることができるからで
ある。 実施例10 酸の添加により反応を完結させるバインダーの製造:実
施例9を繰り返すが、但し、水酸化カルシウム78g 及び
酸化マグネシウム42g を反応させ、そして金属化合物を
添加した0.5 時間後、このバッチを追加的に酢酸30g と
混合する。
【0040】これにより、147 ℃の軟化点及び 320 mPa
s の溶液粘度を有する固形樹脂 3795gが得られる。 実施例11 ジシクロペンタジエン及びスチレンとトール油脂肪酸と
の反応、それに次ぐロジン、無水マレイン酸及び水酸化
カルシウムとの反応によるバインダー樹脂の製造:気密
にシールした1L圧力容器中で、トール油脂肪酸 140g を
260℃に加熱する。工業等級のジシクロペンタジエン
(80% のシクロペンタジエン単位質量含有率を有する)
210g とスチレン 210g との混合物を、発生する圧力の
下に5時間にわたって配量供給する。引き続いて、この
バッチを4時間攪拌し、放圧して大気圧にし、そしてロ
ジン 294g 及び無水マレイン酸 36gと混合する。引き続
いてこのバッチを 0.5時間攪拌し、この時点で、キシレ
ン60g 中の水酸化カルシウム47g の懸濁液、次いで酢酸
8g を滴下する。全ての反応水を留去した後(これには
2時間の反応時間が要される)、圧力を短時間で低め
る。冷却した後、105 ℃の軟化点及び53 mPas の溶液粘
度を有する脆い樹脂 878g が生ずる。 実施例12 ジシクロペンタジエンと大豆油との反応、それに次ぐロ
ジン、無水マレイン酸及び水酸化カルシウムとの反応に
よるバインダー樹脂の製造:実施例8を繰り返すが、但
し大豆油 208g 及びジシクロペンタジエン 388g を反応
させる。ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定した
サンプルの重量平均分子量 Mw は 8,953 g/molである。
次いで反応をロジン 314g 、無水マレイン酸38g 及び水
酸化カルシウム33g を用いて続ける。減圧した後、98℃
の軟化点及び150 mPasの溶液粘度を有する固形樹脂 912
g が得られる。 比較例1 115 mPasの溶液粘度を有するバインダー樹脂を、米国特
許第4,552,592 号の実施例3に従い製造する。この樹脂
は、250 ℃の温度及び 100 s-1の剪断速度において 12,
400 mPasの溶融粘度を有する。 比較例2 水酸化カルシウムの代わりに等量の水酸化マグネシウム
を用いることによって米国特許第4,552,592 号の実施例
3に従いバインダー樹脂を製造する。トルエン中に完全
には可溶性でない曇った樹脂が得られる。 比較例3 ドイツ特許第35 31 242 号の実施例5に従い、145 mPas
の溶液粘度(トルエン中の溶液, 50% )のバインダー樹
脂を製造する。 応用実施例1 25g のバインダー樹脂 7g のカーボンブラック Printex 300 [登録商標, Degu
ssa AG] 68g のトルエン の混合物を分散させることにより、慣用の方法で、イラ
ストレーション凹版印刷用インキを調製するために、実
施例1(インキA)、実施例2(インキB)及び実施例
3(インキC)、並びに比較例1(インキD)のそれぞ
れのバインダー樹脂を使用し、この印刷インキを、吸収
性の高い天然紙に凹版印刷する。
【0041】良好な印刷のためにはできる限り高くある
べきプリントの光沢は、ランゲ (Lange)の実験室用反射
計を用いて60℃の角度で測定する。プリントフィルムの
耐摩耗性は、プリュフバウ・クアドラント (Pruefbau Q
uadrant)装置中で600gの荷重の下に50ストロークを用い
て測定し、1〜6の段階で評価する。この際、1は非常
に良好な耐摩耗性を意味し、そして6は非常に悪い耐摩
耗性を意味する。
【0042】インキの透き通し挙動は、1が、印刷され
た用紙の裏面でインキが現れなかったことを意味し、そ
して6が、最大の透き通しを意味する評価段階で視覚的
に評価する。 本発明の生成物が、カーボンブラックに対する分散作
用、透き通し挙動、及びインキの得られる光沢改善並び
に耐摩耗性に関して、従来技術のバインダー樹脂よりも
優れていることが証明された。 応用実施例2 25g のバインダー樹脂 8g のLithol Rubine D 4650 (登録商標, BASF AG の赤
色顔料) 67g のトルエン の混合物を分散させることよって、慣用の方法で、イラ
ストレーション凹版印刷用インキを調製するために、実
施例1(インキE)及び比較例3(インキF)のそれぞ
れのバインダー樹脂を使用する。
【0043】6μm 厚のインキ層を、ドクターブレード
を用いて高吸収性の天然紙に6回連続して被覆し、36μ
m 厚のインキフィルムを得る。次いで、指を使用して試
験し、可視の圧痕がフィルム上に残らなくなる時間を測
定する。この時間が乾燥時間の目安となる。インキEの
場合は、これは37秒後に起こり、インキFの場合は53秒
後にしか起こらない。それゆえ、本発明の樹脂を用いて
調製したインキは、比較樹脂を用いて調製したインキよ
りも十分により迅速に乾燥する。

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A) 4〜10個の炭素原子を有するジ- また
    はポリ- 不飽和の直鎖状、分枝状または環状炭化水素及
    び2〜10の重合度を有するこれの混合または非混合オリ
    ゴマー、 B) 脂肪酸及び/ または脂肪酸エステル、 C) 天然樹脂及び/ または天然樹脂酸、 D) α, β- オレフィン性不飽和カルボン酸及びそれの
    無水物、 E) 二価の金属の化合物、 のそれぞれの群の少なくとも一種の各化合物を反応させ
    ることによって得ることができる変性炭化水素樹脂であ
    って、この際、この反応を、二段階またはそれ以上の段
    階で行い、その第一段階では、それぞれ少なくとも一種
    の群A)とB)の化合物を反応させ、そして次に続く段階で
    は、上流の段階の反応生成物を、それぞれ少なくとも一
    種の群D)とE)の化合物と反応させ、最初の二つの段階の
    各反応を、群C)の少なくとも一種の化合物の存在下で行
    う、上記変性炭化水素樹脂。
  2. 【請求項2】 反応を二段階で行う請求項1の変性炭化
    水素樹脂。
  3. 【請求項3】 反応を、少なくとも 0.1 MPa (1 bar)の
    圧力において行う請求項1の変性炭化水素樹脂。
  4. 【請求項4】 反応を、100 〜300 ℃の温度において行
    う請求項1の変性炭化水素樹脂。
  5. 【請求項5】 群A)とB)の化合物間の第一段階における
    反応が、1.5 MPa (15 bar)未満の圧力範囲で行われる請
    求項2の変性炭化水素樹脂。
  6. 【請求項6】 群A)とB)の化合物間の第一段階における
    反応が 0.1〜0.6 MPa (1〜6 bar)の圧力範囲内で行われ
    る請求項2の変性炭化水素樹脂。
  7. 【請求項7】 反応を、220 〜270 ℃の温度範囲内で行
    う請求項1の変性炭化水素樹脂。
  8. 【請求項8】 第一段階の反応生成物と、群D)とE)の化
    合物との反応を大気圧下に行う請求項2の変性炭化水素
    樹脂。
  9. 【請求項9】 第一段階が、それぞれ少なくとも一種の
    群A)とB)の化合物間の反応であり、第二段階が、第一段
    階の生成物と、それぞれ少なくとも一種の群C)とD)の化
    合物との反応であり、そして第三段階が、第二段階の生
    成物と、群E)の少なくとも一種の化合物との反応である
    請求項1の変性炭化水素樹脂。
  10. 【請求項10】 第一段階が、それぞれ少なくとも一種
    の群A)とB)の化合物間の反応であり、第二段階が、第一
    段階の生成物と、それぞれ少なくとも一種の群C)とE)の
    化合物との反応であり、そして第三段階が、第二段階の
    生成物と、群D)の少なくとも一種の化合物との反応であ
    る請求項1の変性炭化水素樹脂。
  11. 【請求項11】 第一段階が、それぞれ少なくとも一種
    の群A)、B)及びC)の化合物間の反応であり、第二段階
    が、第一段階の生成物と、群D)の少なくとも一種の化合
    物との反応であり、そして第三段階が、第二段階の生成
    物と、群E)の少なくとも一種の化合物との反応である請
    求項1の変性炭化水素樹脂。
  12. 【請求項12】 全ての出発材料の質量の合計を基準と
    して、各々の成分が以下の質量分率を有する請求項1の
    変性炭化水素樹脂: A) 10〜90% B) 1〜90% C) 1〜90% D) 0.1 〜20% E) 0.1 〜20%。
  13. 【請求項13】 4〜10個の炭素原子を有するジ- また
    はポリ- 不飽和の直鎖状、分枝状または環状炭化水素
    が、シクロペンタジエン及び/ またはジシクロペンタジ
    エンである請求項1の変性炭化水素樹脂。
  14. 【請求項14】 4〜10個の炭素原子を有するジ- また
    はポリ- 不飽和の直鎖状、分枝状または環状炭化水素
    が、場合によってはピペリレン、場合によってはスチレ
    ン及び場合によってはインデンと混合したシクロペンタ
    ジエン及び/ またはジシクロペンタジエンである請求項
    1の変性炭化水素樹脂。
  15. 【請求項15】 二価の金属の化合物が、マグネシウ
    ム、カルシウム及び亜鉛の酸化物、水酸化物、酢酸塩、
    ステアリン酸塩及びオレイン酸塩から選択される請求項
    1の変性炭化水素樹脂。
  16. 【請求項16】 使用する金属化合物がマグネシウム化
    合物である請求項1の変性炭化水素樹脂。
  17. 【請求項17】 使用する金属化合物が亜鉛化合物であ
    る請求項1の変性炭化水素樹脂。
  18. 【請求項18】 使用する金属化合物がカルシウム化合
    物である請求項1の変性炭化水素樹脂。
  19. 【請求項19】 群B)の化合物がトール油脂肪酸である
    請求項1の変性炭化水素樹脂。
  20. 【請求項20】 群B)の化合物が脂肪酸グリセリルエス
    テルである請求項1の変性炭化水素樹脂。
  21. 【請求項21】 群E)の化合物の反応が、カルボン酸の
    存在下に行われる請求項1の変性炭化水素樹脂。
  22. 【請求項22】 成分A)とB)及び場合によってはC)の反
    応によって形成されるコポリマーが、800 〜40,000 g/m
    olの重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1
    または2の変性炭化水素樹脂。
  23. 【請求項23】 トルエン中の溶液(樹脂の質量分率 5
    0%)で、23℃において 100〜5,000 mPasの粘度を示すこ
    とを特徴とする請求項1の変性炭化水素樹脂。
  24. 【請求項24】 ポリスチレンゲル上でのゲル浸透クロ
    マトグラフィーによって測定した重量平均分子量 Mw
    1,000 g/molと50,000 g/molの間であることを特徴とす
    る請求項1の変性炭化水素樹脂。
  25. 【請求項25】 250 ℃の温度及び100s-1の剪断速度に
    おける溶融粘度が 1,000 mPas と5,000 mPasの間である
    ことを特徴とする請求項1の変性炭化水素樹脂。
  26. 【請求項26】 請求項1の変性炭化水素樹脂を顔料磨
    砕物及び顔料コンセントレートに使用する方法。
  27. 【請求項27】 請求項1の変性炭化水素樹脂を印刷イ
    ンキに使用する方法。
  28. 【請求項28】 請求項1の変性炭化水素樹脂をトルエ
    ン凹版印刷用の印刷インキに使用する方法。
JP9177376A 1996-07-03 1997-07-02 変性炭化水素樹脂 Withdrawn JPH1081718A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE19626723A DE19626723A1 (de) 1996-07-03 1996-07-03 Modifizierte Kohlenwasserstoffharze
DE19626723:4 1996-07-03

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1081718A true JPH1081718A (ja) 1998-03-31

Family

ID=7798776

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9177376A Withdrawn JPH1081718A (ja) 1996-07-03 1997-07-02 変性炭化水素樹脂

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP0816389A2 (ja)
JP (1) JPH1081718A (ja)
DE (1) DE19626723A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19837302A1 (de) * 1998-08-18 2000-02-24 Clariant Gmbh Pigmentpräparation für den Offsetdruck mit verbesserten rheologischen Eigenschaften
WO2010094695A1 (en) 2009-02-17 2010-08-26 Boehringer Ingelheim International Gmbh Pyrimido [5,4-d] pyrimidine derivatives for the inhibition of tyrosine kinases
WO2011110215A1 (en) 2010-03-08 2011-09-15 Nestec S.A. Treatment of chicory
WO2011110214A1 (en) 2010-03-08 2011-09-15 Nestec S.A. Treatment of dried chicory
EP2544550A1 (en) 2010-03-08 2013-01-16 Nestec S.A. Treatment of chicory

Also Published As

Publication number Publication date
DE19626723A1 (de) 1998-01-08
EP0816389A2 (de) 1998-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7291697B2 (en) Resinates from monomer
US4574057A (en) Compositions for printing ink varnishes
US5427612A (en) Phenolic-resin-modified natural resin acid esters, processes for their preparation and their use in printing inks
US5556454A (en) Modified natural resin esters, processes for their preparation and their use as binder resins in printing inks
US3468829A (en) Gravure ink for paper
JPS623187B2 (ja)
JP2007238795A (ja) 印刷インキ用樹脂組成物およびその製造方法
US5698668A (en) Modified natural-resin acid esters, processes for their preparation, and their use as binder resins in printing inks
EP1299436B1 (en) Maleated liquid c5 hydrocarbon resins
US4028291A (en) Process for the production of resins for printing ink
US5708078A (en) Modified natural-resin acid-aldehyde adducts
US5635591A (en) Process for making high viscosity ink resins
US4169821A (en) Modified hydrocarbon resin composition for use in printing ink
JPS6138749B2 (ja)
JPH1081718A (ja) 変性炭化水素樹脂
JPS623186B2 (ja)
US5597884A (en) Phenolic-resin-modified natural resin acid esters, a process for their preparation and their use as binder resins in printing inks
US4205145A (en) Resins for printing inks
US5362818A (en) Modified cyclopentadiene resin
JPH06322320A (ja) フェノール樹脂変性された天然樹脂酸エステル、その製造方法およびそれの、印刷インキにおけるバインダー樹脂としての用途
JPH1067833A (ja) 脂肪酸エステルで変性した炭化水素樹脂
JPH1067831A (ja) 変性炭化水素樹脂
JPH1067832A (ja) 二−または多−不飽和炭化水素のエステル化されたコポリマー
US20010008921A1 (en) Hydrocarbon/acrylic hybrid resins for use as sizing compositions
JPH08259880A (ja) 印刷インキ用変性バインダー樹脂

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040907