JP2659942B2 - 乳酸塩含有食品から成る組成物 - Google Patents

乳酸塩含有食品から成る組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、ボツリヌス菌の増殖を遅延させるために有
効な量で乳酸塩を含む、食用飼鳥類と魚の食品に関す
る。
従来技術及びその問題点 食品の防腐は多くの局面を有している。例えば、ハム
及びソーセージのような肉製品に約１〜３％のレベルで
乳酸ナトリウムを加えることが示唆されている。乳酸塩
が食品のαｗ（水分活性）を低下させ、静菌効果を有
し、冷凍中の貯蔵寿命を改良し、冷凍なしの貯蔵可能性
及び食品の塩化ナトリウム含量を低下させて貯蔵寿命を
減ずることなく味を良くする可能性をもたらす。しか
し、ポツリヌス菌増殖を制御し遅延させる作用剤として
の乳酸ナトリウムは示唆されていない。
嫌気性プラスチツク・バリヤー包装中に包まれた、調
理されているが殺菌されていない、肉及び食用飼鳥類の
ような食品では、ボツリヌス菌を制御する必要がある。
腐敗温度下で、ボツリヌス菌は増殖し、毒素を生ずる。
この菌の増殖を予防する種々な手段を存在するので、こ
の細菌によるヒトに対する害は比較的稀であつた。例え
ば、包装前後の食品の高温処理によりボツリヌス菌を殺
すことができる。ボツリヌス菌を制御する他の手段は食
品を冷凍することと亜硝酸ナトリウムのような作用剤を
ベーコンのような食品に加えることであつた。亜硝酸ナ
トリウムはボツリヌス菌の増殖を遅延させるが、肉中に
永続性に赤色色素をも形成する。この赤色着色は豚肉及
び牛肉のような多くの食品中では好ましいが、食用飼鳥
類や魚のような、他の食品中では好ましくない。
ボツリヌス菌の制御は成功しているが、上述の赤色着
色のような副作用を生ずることのないボツリヌス菌制御
方法が見出されることが望まれている。
問題点を解決するための手段 本発明は、ボツリヌス菌増殖を遅延させるために有効
な量で乳酸塩を含む、魚と食品飼鳥類から成る群から選
択した食品に関係する。
本発明は、魚および食用飼鳥類からなる群より選択さ
れる殺菌処理を施していない食品であって、約１重量％
−約７重量％の範囲内でボツリヌス菌（Clostridium bo
tulinum）の増殖を遅延させるのに十分な量の乳酸塩を
含むことを特徴とする食品を提供する。また、本発明
は、魚および食用飼鳥類からなる群より選択される食品
材料中に、約１重量％−約７重量％の範囲内でボツリヌ
ス菌の増殖を遅延させるのに十分な量の乳酸塩を混合す
る工程からなる、殺菌温度まで加熱せずに食品中のボツ
リヌス菌の増殖を遅延させる方法をも提供する。
本発明者らによって、乳酸ナトリウム等の乳酸塩を食
用飼鳥類または魚の食品材料に加えると、食品中のボツ
リヌス菌の増殖が遅延するが、乳酸塩によって食品が赤
色に着色することはないことが確認された。
本発明に含まれる食品は魚及び食用飼鳥類のような非
赤色肉食品であり、この食用飼鳥類には七面鳥やニワト
リのような肉を含むものとする。本発明は、嫌気性条件
下で完全肉の包装のように、魚または食用飼鳥類を包装
する場合に、または魚または食用飼鳥類を冷凍食物やス
ープのような、他の食品とともに包装する場合に特に有
用である。
本発明に用いる乳酸塩は乳酸ナトリウム，乳酸カルシ
ウム，乳酸カリウム及び乳酸アンモニウムを含む。乳酸
塩はボツリヌス菌増殖を遅延させるための有効量で用い
る。ボツリヌス菌増殖を遅延させるための乳酸塩の有効
量は簡単な非殺菌温度テスト方法によつて定めることが
できる。
乳酸塩によつて保護される食品を80゜F（26.6℃）で
保存する。乳酸塩または他のボツリヌス菌増殖遅延剤を
用いない対照を利用する。次に食品を幾つかのレベルの
乳酸塩で処理する。食品を種々な時点で分析する。対照
と比べて毒素形成を遅延させる乳酸塩レベルは、ボツリ
ヌス菌増殖を遅延させるために有効な量である。
一般に、これらの量は乳酸塩約１％〜約７％の範囲で
あり、好ましくは乳酸塩約1.5％〜約3.5％の範囲内であ
る。
乳酸塩は多様な方法で食品中に導入することができ
る。例えば、乳酸塩を濃縮形でまたは水溶液のような溶
液として、食品に加えることができる。乳酸塩は食品中
に直接混合することも、また注入針を用いて食品中に注
入することもできる。
乳酸塩を食品に加えた後に、食品を嫌気性プラスチツ
ク・バリヤー包装内に包み、食品を調理するには充分で
あるが殺菌するには不十分な温度に加熱する。調理済み
食品の品質のためには殺菌温度以下で食品を調理するこ
とが望ましいが、ボツリヌス菌は温度が非殺菌的である
と後に増殖する。しかし、乳酸塩を添加するとボツリヌ
ス菌増殖は遅延する。乳酸塩を添加して食品を調理し、
次に包装するというような、他の処理手段を用いること
もできる。この方法では、ボツリヌス菌増殖に関する心
配は減少し、加えた乳酸塩はボツリヌス菌増殖を遅延さ
せるために有効である。
本発明者らによって、肉に乳酸塩を加えると、ボツリ
ヌス菌の増殖が遅延するが、乳酸塩によって肉が赤色に
着色することはないことが確認された。
乳酸塩はボツリヌス菌増殖を遅延させるために単独作
用剤として加えられるが、ボツリヌス菌増殖を遅延させ
る、例えば塩化ナトリウムまたは亜硝酸ナトリウムのよ
うな他の作用剤と組合せて加えることもできる。このよ
うな場合には、乳酸塩添加量は減少し、乳酸塩の有効量
は、他の増殖遅延剤との組合せでボツリヌス菌増殖を遅
延させる量である。
次の実施例は本発明を説明するために記載するもので
あり、実施例中に述べた詳細に事項に本発明を限定する
ものではないことを理解されたい。
実施例 Ｉ この実施例では、七面鳥胸部を磨砕して、1.4重量％
の塩との0.49重量％のリン酸塩とを混合することによつ
て、七面鳥バツター（こねもの）を調製した。ボツリヌ
ス菌胞子を七面鳥バツターに加えた。バツターを幾つか
の部分に分割した。分割部分の幾つかは対照として用
い、乳酸ナトリウムを加えなかつた。他の分割部分に
は、下記の表Ｉに示すような種々の量で乳酸ナトリウム
を加えた。接種した部分を真空包装し、160゜F（71.1
℃）の内部温度になるまで水冷した。次に調理した七面
鳥食品を80゜F（26.6℃）まで冷却し、この温度でイン
キュベートした。食品を定期的に取出して、毒素に関し
てテストした。テストの結果を表Ｉに示す。
これらの結果から、記載量で添加した乳酸ナトリウム
がボツリヌス菌増殖を遅延させることは明らかである。
実施例２ この実施例では、新鮮で縁を切り整えた七面鳥胸部10
00ポンドに乳酸ナトリウム2.5重量％を注入した。七面
鳥胸部は約2.5〜約3.75ポンドの範囲内の重さであつ
た。この七面鳥胸部に次の要素から成る塩水溶液を注入
した水69.50％；乳酸ナトリウムシロツプ22.49％（乳酸
ナトリウム60％；水40％）；塩6.16％；リン酸ナトリウ
ム1.85％。七面鳥胸部１ポンドに対して、Townsend Mad
el 1400型注入器を用いて塩水0.2274ポンドを注入し
た。
この七面鳥胸部を天火のラツク上におき、高湿度、16
0゜F乾球において２時間、次に170゜F乾球において、七
面鳥胸部の内部温度が155゜Fになるまで（約15分間）調
理した。天火を止め、開かずに、市販のキヤラメル粉末
２ポンドと水13ポンドとから成る溶液を噴霧ノズルから
空気と共に天火に45分間にわたつて供給する。次に七面
鳥胸部を天火から取り出し、冷却して包装する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アンドリュー・エル・ミルコウスキー アメリカ合衆国ウィスコンシン州53714, マディソン，ジェイド・レイン 4809 (56)参考文献 特開 昭59−175870（ＪＰ，Ａ) 特公 昭39−8780（ＪＰ，Ｂ１)

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】魚および食用飼鳥類からなる群より選択さ
    れる殺菌処理を施していない食品であって、 約１重量％−約７重量％の範囲内でボツリヌス菌（Clos
    tridium botulinum）の増殖を遅延させるのに十分な量
    の乳酸塩を含むことを特徴とする食品。
  2. 【請求項２】食品が食用飼鳥類である特許請求の範囲第
    １項記載の食品。
  3. 【請求項３】食品が七面鳥である特許請求の範囲第１項
    記載の食品。
  4. 【請求項４】乳酸塩が約1.5重量％−約3.5重量％の量で
    含まれている特許請求の範囲第１項記載の食品。
  5. 【請求項５】乳酸塩が乳酸ナトリウムである特許請求の
    範囲第１項記載の食品。
  6. 【請求項６】乳酸塩が乳酸カルシウムである特許請求の
    範囲第１項記載の食品。
  7. 【請求項７】乳酸塩が乳酸カリウムである特許請求の範
    囲第１項記載の食品。
  8. 【請求項８】乳酸塩が乳酸アンモニウムである特許請求
    の範囲第１項記載の食品。
  9. 【請求項９】嫌気性プラスチック・バリヤー包装内に包
    装されている、未だ調理されていない特許請求の範囲第
    １項記載の食品。
  10. 【請求項１０】嫌気性プラスチック・バリヤー包装内に
    包装されていない、調理された特許請求の範囲第１項記
    載の食品。
  11. 【請求項１１】殺菌処理を施していない魚および殺菌処
    理を施していない食用飼鳥類からなる群より選択される
    食品材料中のボツリヌス菌の増殖を遅延させる方法であ
    って、 前記食品中に、約１重量％−約７重量％の範囲内でボツ
    リヌス菌の増殖を遅延させるのに十分な量の乳酸塩を混
    合する工程を含むことを特徴とする方法。
  12. 【請求項１２】食品が食用飼鳥類である特許請求の範囲
    第11項記載の方法。
  13. 【請求項１３】食品が七面鳥である特許請求の範囲第11
    項記載の方法。
  14. 【請求項１４】乳酸塩が約1.5重量％−約3.5重量％の量
    で含まれている特許請求の範囲第11項記載の方法。
  15. 【請求項１５】乳酸塩が乳酸ナトリウムである特許請求
    の範囲第11項記載の方法。
  16. 【請求項１６】乳酸塩が乳酸カルシウムである特許請求
    の範囲第11項記載の方法。
  17. 【請求項１７】乳酸塩が乳酸カリウムである特許請求の
    範囲第11項記載の方法。
  18. 【請求項１８】乳酸塩が乳酸アンモニウムである特許請
    求の範囲第11項記載の方法。
  19. 【請求項１９】食品を調理するには十分であるが食品を
    殺菌するには不十分な温度に食品を加熱する工程を含む
    特許請求の範囲第11項記載の方法。
  20. 【請求項２０】食品を71.1℃（160゜F）以下に加熱する
    工程を含む特許請求の範囲第19項記載の方法。
  21. 【請求項２１】食品を調理する前に、嫌気性プラスチッ
    ク・バリヤー包装内に包装する工程を含む特許請求の範
    囲第11項記載の方法。
  22. 【請求項２２】食品を嫌気性プラスチック・バリヤー包
    装内に包装する前に、食品を調理する工程を含む特許請
    求の範囲第11項記載の方法。
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