JP2659399B2 - コネクター用樹脂組成物 - Google Patents
コネクター用樹脂組成物Info
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- JP2659399B2 JP2659399B2 JP63138196A JP13819688A JP2659399B2 JP 2659399 B2 JP2659399 B2 JP 2659399B2 JP 63138196 A JP63138196 A JP 63138196A JP 13819688 A JP13819688 A JP 13819688A JP 2659399 B2 JP2659399 B2 JP 2659399B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はハンダ耐熱性が良好で、打込んだピンの保持
力が大きく、かつ電気特性の良好なコネクターを製造し
うるコネクター用樹脂組成物に関する。
力が大きく、かつ電気特性の良好なコネクターを製造し
うるコネクター用樹脂組成物に関する。
[従来の技術・発明が解決しようとする課題] 従来から使用されているコネクターの多くは、強化ポ
リブチレンテレフタレート系組成物(以下、強化PBT系
組成物という)や可塑剤などを添加してガラス転移点TG
を下げた改質ポリエチレンテレフタレート系組成物をガ
ラス繊維で強化した改質強化ポリエチレンテレフタレー
ト系組成物(以下、改質強化PET系組成物という)から
製造されている。
リブチレンテレフタレート系組成物(以下、強化PBT系
組成物という)や可塑剤などを添加してガラス転移点TG
を下げた改質ポリエチレンテレフタレート系組成物をガ
ラス繊維で強化した改質強化ポリエチレンテレフタレー
ト系組成物(以下、改質強化PET系組成物という)から
製造されている。
しかし、強化PBT系組成物からのコネクターは、打込
んだピンの保持力は大きいが、ハンダ耐熱性が充分でな
く、ハンダ浴浸漬時に変形がおこったり、表面があれた
りする。この問題を解決するためにハンダ浴温度を下げ
ると長時間ハンダ浴に浸漬しなければならず生産性が低
下するという問題がある。
んだピンの保持力は大きいが、ハンダ耐熱性が充分でな
く、ハンダ浴浸漬時に変形がおこったり、表面があれた
りする。この問題を解決するためにハンダ浴温度を下げ
ると長時間ハンダ浴に浸漬しなければならず生産性が低
下するという問題がある。
一方、改質強化PET系組成物からのコネクターでは、
靭性が充分でないためにピン打込時に割れやすいという
問題がある上、湿熱処理後の体積固有抵抗値VRも充分で
ないという問題がある。
靭性が充分でないためにピン打込時に割れやすいという
問題がある上、湿熱処理後の体積固有抵抗値VRも充分で
ないという問題がある。
[課題を解決するための手段] 本発明は従来から使用されているコネクターが前記の
ように必ずしも満足しうるものでないという問題を解決
するためになされたものであり、 (A)ポリエチレンテレフタレート系樹脂95〜5重量
部(重量部、以下同様)と、 エチレンテレフタレート系セグメント60〜97重量%
(重量%、以下同様)とポリエーテルセグメント3〜40
重量%とを含有するブロック共重合体5〜95部 とからなり、かつポリエーテルセグメント含量が2〜30
%であるポリエチレンテレフタレート系樹脂混合物100
部、 (B)α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸との
共重合体の金属塩0.04〜10部、 (C)臭素化ポリスチレン5〜50部 (D)ガラス繊維(チョップドストランド)15〜70部 からなるコネクター用樹脂組成物に関する。
ように必ずしも満足しうるものでないという問題を解決
するためになされたものであり、 (A)ポリエチレンテレフタレート系樹脂95〜5重量
部(重量部、以下同様)と、 エチレンテレフタレート系セグメント60〜97重量%
(重量%、以下同様)とポリエーテルセグメント3〜40
重量%とを含有するブロック共重合体5〜95部 とからなり、かつポリエーテルセグメント含量が2〜30
%であるポリエチレンテレフタレート系樹脂混合物100
部、 (B)α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸との
共重合体の金属塩0.04〜10部、 (C)臭素化ポリスチレン5〜50部 (D)ガラス繊維(チョップドストランド)15〜70部 からなるコネクター用樹脂組成物に関する。
[実施例] 本明細書にいうポリエチレンテレフタレート系樹脂と
は、酸成分としてテレフタル酸またはそのエステル形成
能を有する誘導体を少なくとも90モル%含有したもの
と、グリコール成分としてエチレングリコールまたはそ
のエステル形成能を有する誘導体を少なくとも90モル%
含有したものとを用いてえられる線状飽和のポリエチレ
ンテレフタレート系樹脂のことである。
は、酸成分としてテレフタル酸またはそのエステル形成
能を有する誘導体を少なくとも90モル%含有したもの
と、グリコール成分としてエチレングリコールまたはそ
のエステル形成能を有する誘導体を少なくとも90モル%
含有したものとを用いてえられる線状飽和のポリエチレ
ンテレフタレート系樹脂のことである。
前記10モル%未満の範囲で用いられるテフタル酸やそ
のエステル形成能を有する誘導体以外の酸成分として
は、炭素数8〜14の他の芳香族ジカルボン酸、炭素数4
〜8の脂肪族ジカルボン酸、さらには炭素数8〜12の脂
環式ジカルボン酸などがあげられ、その具体例として
は、たとえばフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸な
どがあげられる。
のエステル形成能を有する誘導体以外の酸成分として
は、炭素数8〜14の他の芳香族ジカルボン酸、炭素数4
〜8の脂肪族ジカルボン酸、さらには炭素数8〜12の脂
環式ジカルボン酸などがあげられ、その具体例として
は、たとえばフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸な
どがあげられる。
また、前記10モル%未満の範囲で用いられるエチレン
グリコール以外のジオール成分としては、炭素数3〜10
の脂肪族ジオール、炭素数6〜15の脂環式ジオール、さ
らには炭素数6〜15の芳香族ジオールなどがあげられ、
その具体例としては、たとえばプロパン−1,3−ジオー
ル、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオー
ル、ヘキサン−1,6−ジオール、シクロヘキサン−1,4−
ジメタノール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオー
ル、2,2−ビス(4′−ヒドロキシシクロヘキシル)プ
ロパン、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、ハイドロキノンなどがあげられる。
グリコール以外のジオール成分としては、炭素数3〜10
の脂肪族ジオール、炭素数6〜15の脂環式ジオール、さ
らには炭素数6〜15の芳香族ジオールなどがあげられ、
その具体例としては、たとえばプロパン−1,3−ジオー
ル、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオー
ル、ヘキサン−1,6−ジオール、シクロヘキサン−1,4−
ジメタノール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオー
ル、2,2−ビス(4′−ヒドロキシシクロヘキシル)プ
ロパン、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、ハイドロキノンなどがあげられる。
前記のごとき成分から製造されるポリエチレンテレフ
タレート系樹脂は、通常0.35〜1.20の固有粘度(フェノ
ール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=50/50(重量
比)、0.5%濃度、25℃、以下同様)を有するものであ
るが、結晶化速度と機械的強度とのバランスがよくなる
という点からすると固有粘度0.40〜0.70のものが好まし
く、0.45〜0.65のものがさらに好ましい。
タレート系樹脂は、通常0.35〜1.20の固有粘度(フェノ
ール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=50/50(重量
比)、0.5%濃度、25℃、以下同様)を有するものであ
るが、結晶化速度と機械的強度とのバランスがよくなる
という点からすると固有粘度0.40〜0.70のものが好まし
く、0.45〜0.65のものがさらに好ましい。
本明細書にいうエチレンテレフタレート系セグメント
とは、前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂を構成す
る原料と同様の原料から製造されるポリエチレンテレフ
タレートオリゴマーを代表例として含むポリエチレンテ
レフタレート系樹脂オリゴマーや前記ポリエチレンテレ
フタレート系樹脂からのセメグント(末端が〜CO−にな
っているセグメント)のことであり、ポリエーテルセグ
メントとは一般式(I): −OR1Ol (I) (式中、R1は炭素数2〜18の2価の基、lは5〜40の整
数、l個のR1は同じである必要はない)で表わされるセ
グメント(ポリエーテルの末端を除く部分)のことであ
る。
とは、前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂を構成す
る原料と同様の原料から製造されるポリエチレンテレフ
タレートオリゴマーを代表例として含むポリエチレンテ
レフタレート系樹脂オリゴマーや前記ポリエチレンテレ
フタレート系樹脂からのセメグント(末端が〜CO−にな
っているセグメント)のことであり、ポリエーテルセグ
メントとは一般式(I): −OR1Ol (I) (式中、R1は炭素数2〜18の2価の基、lは5〜40の整
数、l個のR1は同じである必要はない)で表わされるセ
グメント(ポリエーテルの末端を除く部分)のことであ
る。
前記R1の具体例としては、たとえばエチレン、プロピ
レン、イソプロピレン、ブチレン、ビスフェノールA残
基などがあげられ、一般式(I)で表わされるポリエー
テルセグメントのうちポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールな
どからのセグメントや、一般式(II): (式中、R2はC2〜C4の2価の炭化水素基、Xは、たとえ
ば−C(CH3)2、SO2、−CO−などの2価の結合基、m
およびnはそれぞれ5〜15の整数、(m+n)個のR2は
同じである必要はない)で表わされるセグメントなど
が、えられる組成物の結晶化速度を速くし、射出成形性
をよくするなどの点からみて好ましい。
レン、イソプロピレン、ブチレン、ビスフェノールA残
基などがあげられ、一般式(I)で表わされるポリエー
テルセグメントのうちポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールな
どからのセグメントや、一般式(II): (式中、R2はC2〜C4の2価の炭化水素基、Xは、たとえ
ば−C(CH3)2、SO2、−CO−などの2価の結合基、m
およびnはそれぞれ5〜15の整数、(m+n)個のR2は
同じである必要はない)で表わされるセグメントなど
が、えられる組成物の結晶化速度を速くし、射出成形性
をよくするなどの点からみて好ましい。
本発明においては、前記エチレンテレフタレート系セ
グメントの少なくとも1種を60〜97%、好ましくは65〜
90%含有し、ポリエーテルセグメントの少なくとも1種
を3〜40%、好ましくは10〜35%含有するブロック共重
合体が製造され、使用される。
グメントの少なくとも1種を60〜97%、好ましくは65〜
90%含有し、ポリエーテルセグメントの少なくとも1種
を3〜40%、好ましくは10〜35%含有するブロック共重
合体が製造され、使用される。
前記エチレンテレフタレート系セグメントの含有率が
60%未満になると該ブロック共重合体の熱的安定性が乏
しくなるため、取扱いが容易でなくなり、97%をこえる
と経済的に魅力のある混合比率で充分な結晶化促進効果
を期待することが困難となり、いずれも好ましくない。
60%未満になると該ブロック共重合体の熱的安定性が乏
しくなるため、取扱いが容易でなくなり、97%をこえる
と経済的に魅力のある混合比率で充分な結晶化促進効果
を期待することが困難となり、いずれも好ましくない。
このようにして製造されるブロック共重合体は、通常
0.40〜1.20の固有粘度を有するものであるが、結晶化速
度と機械的強度とがバランスよく改善されるという面か
らは、固有粘度0.50〜1.00のものが好ましい。
0.40〜1.20の固有粘度を有するものであるが、結晶化速
度と機械的強度とがバランスよく改善されるという面か
らは、固有粘度0.50〜1.00のものが好ましい。
前記ブロック共重合体はポリエステル合成反応容器中
で共重合させて製造してもよく、押出機中で共重合させ
て製造してもよい。
で共重合させて製造してもよく、押出機中で共重合させ
て製造してもよい。
本発明においては前記ポリエチレンテレフタレート系
樹脂95〜5部、好ましくは95〜25部とブロック共重合体
5〜95部、好ましくは5〜75部とからポリエーテルセグ
メント含量が2〜30%、好ましくは3〜15%になるよう
にされたポリエチレンテレフタレート系樹脂混合物
((A)成分)100部が調製される。
樹脂95〜5部、好ましくは95〜25部とブロック共重合体
5〜95部、好ましくは5〜75部とからポリエーテルセグ
メント含量が2〜30%、好ましくは3〜15%になるよう
にされたポリエチレンテレフタレート系樹脂混合物
((A)成分)100部が調製される。
前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂の割合が95部
をこえると結晶化促進効果が不充分となり、5部未満に
なると経済的な魅力に乏しくなる。またポリエーテルセ
グメント含量が2%未満になると結晶化促進効果が不充
分となり、30%をこえると結晶化は充分に促進されるも
のの機械的特性の低下が起りやすくなり、また熱安定性
にも問題が生ずる。
をこえると結晶化促進効果が不充分となり、5部未満に
なると経済的な魅力に乏しくなる。またポリエーテルセ
グメント含量が2%未満になると結晶化促進効果が不充
分となり、30%をこえると結晶化は充分に促進されるも
のの機械的特性の低下が起りやすくなり、また熱安定性
にも問題が生ずる。
本発明に使用するα−オレフィンとα,β−不飽和カ
ルボン酸との共重合体の金属塩は核剤として使用される
成分であり、該金属塩を形成する共重合体としては、た
とえばエチレン、プロピレンなどのα−オレフィン70〜
99.5モル%、さらには90〜98モル%とアクリル酸、メタ
クリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸などのα,β−
不飽和カルボン酸0.5〜30モル%、好ましくは2〜10モ
ル%とを共重合させたものが好ましい例としてあげられ
る。
ルボン酸との共重合体の金属塩は核剤として使用される
成分であり、該金属塩を形成する共重合体としては、た
とえばエチレン、プロピレンなどのα−オレフィン70〜
99.5モル%、さらには90〜98モル%とアクリル酸、メタ
クリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸などのα,β−
不飽和カルボン酸0.5〜30モル%、好ましくは2〜10モ
ル%とを共重合させたものが好ましい例としてあげられ
る。
また、前記金属塩を形成する金属としては1〜3価の
ものであればとくに限定なく使用しうるが、ナトリウム
またはカリウムなどのアルカリ金属やカルシウム、マグ
ネシウムなどのアルカリ土類金属であるのが好ましい。
ものであればとくに限定なく使用しうるが、ナトリウム
またはカリウムなどのアルカリ金属やカルシウム、マグ
ネシウムなどのアルカリ土類金属であるのが好ましい。
さらに、前記共重合体中のカルボキシル基の5モル%
以上、さらには10モル%以上が金属塩になっているのが
好ましい。
以上、さらには10モル%以上が金属塩になっているのが
好ましい。
前記α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸との
共重合体の金属塩のうちでは、エチレンとメタクリル酸
との共重合体のナトリウム塩(ハイミラン(三井・デ
ュポンポリケミカル(株)製)として市販されているよ
うなもの)がとくに好ましい。
共重合体の金属塩のうちでは、エチレンとメタクリル酸
との共重合体のナトリウム塩(ハイミラン(三井・デ
ュポンポリケミカル(株)製)として市販されているよ
うなもの)がとくに好ましい。
本発明に用いる(C)成分である臭素化ポリスチレン
は、難燃剤兼核剤として使用される成分であり、臭素含
量が約30%以上のものであるかぎりとくに限定なく使用
しうるが、たとえば臭素含量50〜75%のポリスチレン臭
素化物や三臭化スチレンと二臭化スチレンとの混合重合
物であるのが好ましい。
は、難燃剤兼核剤として使用される成分であり、臭素含
量が約30%以上のものであるかぎりとくに限定なく使用
しうるが、たとえば臭素含量50〜75%のポリスチレン臭
素化物や三臭化スチレンと二臭化スチレンとの混合重合
物であるのが好ましい。
本発明に用いる(D)成分であるガラス繊維は該樹脂
組成物に適当な剛性を与え、加熱変形温度を実用的なレ
ベルにまで高めるために用いる成分であり、成形性、表
面特性などの点から、たとえば平均径7〜13μm、長さ
0.05〜50mm程度のチョップドストランドが好ましい例と
してあげられる。
組成物に適当な剛性を与え、加熱変形温度を実用的なレ
ベルにまで高めるために用いる成分であり、成形性、表
面特性などの点から、たとえば平均径7〜13μm、長さ
0.05〜50mm程度のチョップドストランドが好ましい例と
してあげられる。
前記(A)成分100部に対して(B)成分0.04〜10
部、好ましくは2.5〜6部、(C)成分5〜50部、好ま
しくは10〜25部および(D)成分15〜70部、好ましくは
25〜60部から本発明の組成物が調製される。
部、好ましくは2.5〜6部、(C)成分5〜50部、好ま
しくは10〜25部および(D)成分15〜70部、好ましくは
25〜60部から本発明の組成物が調製される。
前記(B)成分の割合が0.04部未満になると、樹脂の
結晶化が遅く、機械特性、耐熱性ともに不充分となる
上、流動性が大きくなり、成形時のバリ発生の原因とな
り、また10部をこえると融点の低下が著しくなり、PET
系樹脂の特徴であるハンダ耐熱性が低下する上、湿熱処
理時の体積固有抵抗の低下が大きくなる。
結晶化が遅く、機械特性、耐熱性ともに不充分となる
上、流動性が大きくなり、成形時のバリ発生の原因とな
り、また10部をこえると融点の低下が著しくなり、PET
系樹脂の特徴であるハンダ耐熱性が低下する上、湿熱処
理時の体積固有抵抗の低下が大きくなる。
また前記(C)成分の割合が5部未満になると難燃性
が不充分となり、50部をこえると材料が脆くなりピン打
込時の歩留しの低下が著しくなる。
が不充分となり、50部をこえると材料が脆くなりピン打
込時の歩留しの低下が著しくなる。
さらに(D)成分の割合が15部未満になると結晶化が
遅くなる上に、結晶化しても充分な剛性が出なくなり、
クリープによるピン保持力の低下も著しくなる。また70
部をこえると実用的に許容されるレベルの表面外観を備
えた成形物をうることが困難になり、かつ剛性が大きく
なりすぎてピン打込時の抵抗が大きくなりすぎたり、打
ち込み時の割れが増加したりする。
遅くなる上に、結晶化しても充分な剛性が出なくなり、
クリープによるピン保持力の低下も著しくなる。また70
部をこえると実用的に許容されるレベルの表面外観を備
えた成形物をうることが困難になり、かつ剛性が大きく
なりすぎてピン打込時の抵抗が大きくなりすぎたり、打
ち込み時の割れが増加したりする。
本発明の樹脂組成物には、さらに必要に応じて他の成
分、たとえば三酸化アンチモンなどの難燃剤、酸化防止
剤、着色剤、可塑剤などを適宜配合してもよい。たとえ
ば三酸化アンチモンのばあい、臭素化ポリスチレンの1/
4〜1/3重量に当る量添加することにより難燃性の向上を
図ることができる。
分、たとえば三酸化アンチモンなどの難燃剤、酸化防止
剤、着色剤、可塑剤などを適宜配合してもよい。たとえ
ば三酸化アンチモンのばあい、臭素化ポリスチレンの1/
4〜1/3重量に当る量添加することにより難燃性の向上を
図ることができる。
このようにしてえられる本発明の組成物は特定の成分
を特定の割合で配合したものであり、このような組成物
を射出成形法などの通常の方法により成形して、ピンを
打込むことによりコネクターにすることができる。えら
れるコネクターはハンダ耐熱性が良好で、打込んだピン
の保持力が大きく、かつ湿熱処理後の体積固有抵抗値が
大きく(95%RH×40℃×720時間後に1×1015Ω・cm以
上)、信頼性の高い製品となる。また、本発明の樹脂組
成物からの、たとえば1/16インチ厚の成形品の耐熱性
(HDT)も高く組成物中のガラス繊維含量が30%のばあ
いでは170℃以上と良好である。
を特定の割合で配合したものであり、このような組成物
を射出成形法などの通常の方法により成形して、ピンを
打込むことによりコネクターにすることができる。えら
れるコネクターはハンダ耐熱性が良好で、打込んだピン
の保持力が大きく、かつ湿熱処理後の体積固有抵抗値が
大きく(95%RH×40℃×720時間後に1×1015Ω・cm以
上)、信頼性の高い製品となる。また、本発明の樹脂組
成物からの、たとえば1/16インチ厚の成形品の耐熱性
(HDT)も高く組成物中のガラス繊維含量が30%のばあ
いでは170℃以上と良好である。
次に実施例に基づき本発明の組成物を具体的に説明す
る。
る。
実施例1 エチレンテレフタレートセグメント70%およびビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド付加重合物(ビスフェ
ノールAとエチレンオキサイドの重量比が1:17、平均分
子量1000)30%よりなるブロック共重合体(以下、ブロ
ック共重合体という)792g、フェノールと1,1,2,2−テ
トラクロロエタンの等量混合溶媒中25℃で測定した極限
粘度が0.61であるポリエチレンテレフタレート3168g、
臭素化ポリスチレン(商品名:パイロチェック68PB、フ
ェロコーポレーション製)900g、エチレンと不飽和カル
ボン酸およびそのナトリウム塩との共重合物(商品名:
ハイミラン、三井・デュボンポリケミカル(株)製)15
0g、安定剤(商品名:シーノックス412S、シプロ化成
(株)製)55g、グリシドオキシプロピルトリメトキシ
シラン7gおよび三酸化アンチモン180gをリボンブレンダ
ーで充分に混合したのち、池貝鉄工(株)製の二軸押出
機PCM45を用いて溶融混練し、ペレット状組成物をえ
た。なお、このとき二軸押出機の途中からガラス繊維
(径10μ、長さ3mmのチョップドストランド)を練り込
み、該組成物中のガラス繊維含有量が30%となるように
調節した。
ェノールAのエチレンオキサイド付加重合物(ビスフェ
ノールAとエチレンオキサイドの重量比が1:17、平均分
子量1000)30%よりなるブロック共重合体(以下、ブロ
ック共重合体という)792g、フェノールと1,1,2,2−テ
トラクロロエタンの等量混合溶媒中25℃で測定した極限
粘度が0.61であるポリエチレンテレフタレート3168g、
臭素化ポリスチレン(商品名:パイロチェック68PB、フ
ェロコーポレーション製)900g、エチレンと不飽和カル
ボン酸およびそのナトリウム塩との共重合物(商品名:
ハイミラン、三井・デュボンポリケミカル(株)製)15
0g、安定剤(商品名:シーノックス412S、シプロ化成
(株)製)55g、グリシドオキシプロピルトリメトキシ
シラン7gおよび三酸化アンチモン180gをリボンブレンダ
ーで充分に混合したのち、池貝鉄工(株)製の二軸押出
機PCM45を用いて溶融混練し、ペレット状組成物をえ
た。なお、このとき二軸押出機の途中からガラス繊維
(径10μ、長さ3mmのチョップドストランド)を練り込
み、該組成物中のガラス繊維含有量が30%となるように
調節した。
えられたペレットを140℃で4時間乾燥したのち、金
型温度60〜65℃で射出成形によって直径1.39〜1.40mmの
穴が2.54mmの間隔で、11個ずつ3列にならんだ、全寸30
mm角、厚さ2mmの板状成形品(以下、ソケット板(イ)
という)および長さ127mm、巾12.7mm、厚さ1/16インチ
の薄肉HDT用試験片(ロ)を作製し、下記の方法によっ
て薄肉HDT、ピン挿入力、ピン保持力およびハンダ浸漬
後のピン保持力を測定した。結果を第1表に示す。
型温度60〜65℃で射出成形によって直径1.39〜1.40mmの
穴が2.54mmの間隔で、11個ずつ3列にならんだ、全寸30
mm角、厚さ2mmの板状成形品(以下、ソケット板(イ)
という)および長さ127mm、巾12.7mm、厚さ1/16インチ
の薄肉HDT用試験片(ロ)を作製し、下記の方法によっ
て薄肉HDT、ピン挿入力、ピン保持力およびハンダ浸漬
後のピン保持力を測定した。結果を第1表に示す。
(薄肉HDT) 薄肉HDT用試験片(ロ)4枚を合わせたHDT用試験片を
用い、加熱変形温度(HDT、荷重18.6kg/cm2)を測定す
る。
用い、加熱変形温度(HDT、荷重18.6kg/cm2)を測定す
る。
(ピン挿入力) ソケット板の各穴に、ソケット板に埋めこませる部分
の最大直径が1.50mmφであるようなICソケット用ピン
(第1図参照)を1本づつ万能試験機を用いて押し込
み、この間の最大抵抗力を測定する。なお、第1図中の
数値の単位はmmである。
の最大直径が1.50mmφであるようなICソケット用ピン
(第1図参照)を1本づつ万能試験機を用いて押し込
み、この間の最大抵抗力を測定する。なお、第1図中の
数値の単位はmmである。
(ピン保持力) ピンの打込を終えたソケット板を気温23℃、相対湿度
50%の高温恒湿室に一昼夜放置したのち、挿入したピン
を、円筒状の治具で反対側から押して抜くときの最大抵
抗力を万能引張試験機を用いて測定する。
50%の高温恒湿室に一昼夜放置したのち、挿入したピン
を、円筒状の治具で反対側から押して抜くときの最大抵
抗力を万能引張試験機を用いて測定する。
(ハンダ浸漬後のピン保持力) 前述のようにしてICソケット用ピンが押し込まれたソ
ケット板を270±5℃のハンダ浴に10秒間浸漬したの
ち、挿入したピンを、円筒状の治具で反対側から押して
抜くときの最大抵抗力を万能引張試験機を用いて測定す
る。ハンダ浴への浸せきはJIS C 5034にしたがって行な
った。
ケット板を270±5℃のハンダ浴に10秒間浸漬したの
ち、挿入したピンを、円筒状の治具で反対側から押して
抜くときの最大抵抗力を万能引張試験機を用いて測定す
る。ハンダ浴への浸せきはJIS C 5034にしたがって行な
った。
比較例1 ブロック共重合体792gのかわりにポリエチレンテレフ
タレート樹脂792gを用いたほかは実施例1と同様にして
ソケット板および薄肉HDT用試験片を作製し、評価し
た。結果を第1表に示す。なお、ハンダ浸漬後のソケッ
トは表面の荒れが著しく、実用性のないものであった。
タレート樹脂792gを用いたほかは実施例1と同様にして
ソケット板および薄肉HDT用試験片を作製し、評価し
た。結果を第1表に示す。なお、ハンダ浸漬後のソケッ
トは表面の荒れが著しく、実用性のないものであった。
比較例2 ガラス繊維を添加しなかったほかは実施例1と同様に
してソケット板および薄肉HDT用試験片を作製し、評価
した。結果を第1表に示す。
してソケット板および薄肉HDT用試験片を作製し、評価
した。結果を第1表に示す。
[発明の効果] 本発明の組成物を用いてコネクターを製造すると、ハ
ンダ耐熱性、耐熱性および打込んだピンの保持力が大き
いコネクターがえられる。
ンダ耐熱性、耐熱性および打込んだピンの保持力が大き
いコネクターがえられる。
第1図は実施例1で用いたICソケット用ピンの側面図で
ある。
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 25:06) (72)発明者 潮田 実 兵庫県尼崎市武庫之荘5丁目2番10号 (56)参考文献 特開 昭63−54461(JP,A) 特開 昭61−215645(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】(A)ポリエチレンテレフタレート系樹
脂95〜5重量部と エチレンテレフタレート系セグメント60〜97重量%と
ポリエーテルセグメント3〜40重量%とを含有するブロ
ック共重合体5〜95重量部 とからなり、かつポリエーテルセグメント含量が2〜30
重量%であるポリエチレンテレフタレート系樹脂混合物
100重量部、 (B)α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸との
共重合体の金属塩0.04〜10重量部、 (C)臭素化ポリスチレン5〜50重量部および (D)ガラス繊維(チョップドストランド)15〜70重量
部 からなるコネクター用樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63138196A JP2659399B2 (ja) | 1988-06-03 | 1988-06-03 | コネクター用樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63138196A JP2659399B2 (ja) | 1988-06-03 | 1988-06-03 | コネクター用樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01306462A JPH01306462A (ja) | 1989-12-11 |
JP2659399B2 true JP2659399B2 (ja) | 1997-09-30 |
Family
ID=15216329
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63138196A Expired - Lifetime JP2659399B2 (ja) | 1988-06-03 | 1988-06-03 | コネクター用樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2659399B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10030138B2 (en) | 2013-07-01 | 2018-07-24 | Kaneka Corporation | High thermal conductivity thermoplastic resin composition with excellent injection moldability |
CN115678218B (zh) * | 2022-10-25 | 2024-03-29 | 江苏金发科技新材料有限公司 | 一种高摩擦焊接强度阻燃增强pet组合物及其制备方法和应用 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61215645A (ja) * | 1985-03-22 | 1986-09-25 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 難燃性ポリエステル樹脂組成物 |
JPS6354461A (ja) * | 1986-08-25 | 1988-03-08 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 難燃性ポリエステル樹脂組成物 |
-
1988
- 1988-06-03 JP JP63138196A patent/JP2659399B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01306462A (ja) | 1989-12-11 |
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JPH0114936B2 (ja) |
Legal Events
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