JP2658937B2 - 人工衛星の3軸姿勢制御装置 - Google Patents

人工衛星の3軸姿勢制御装置

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JP2658937B2
JP2658937B2 JP7003977A JP397795A JP2658937B2 JP 2658937 B2 JP2658937 B2 JP 2658937B2 JP 7003977 A JP7003977 A JP 7003977A JP 397795 A JP397795 A JP 397795A JP 2658937 B2 JP2658937 B2 JP 2658937B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人工衛星の3軸姿勢制御
装置に係り、特に柔軟構造を有する人工衛星の姿勢制御
と柔軟構造物の制振制御を行う人工衛星の3軸姿勢制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人工衛星に加わる外乱も考慮しながら姿
勢制御を行う場合、外部に太陽電池パドルや大型アンテ
ナなどの柔軟構造物を有する人工衛星では柔軟構造物の
柔軟運動を励振させると、これが人工衛星の姿勢制御に
悪影響を与えるため、このような柔軟構造物の柔軟運動
を抑制して姿勢制御精度を向上する必要がある。
【0003】図5は従来装置の一例のブロック線図を示
す。この従来装置は、姿勢制御器101、姿勢制御用ア
クチュエータ2、柔軟構造物4が取り付けられている衛
星本体3、姿勢角速度検出器5及び積分器102よりな
るフィードバックループ構成とされている。
【0004】この従来装置では、衛星本体3の姿勢角速
度を姿勢角速度検出器5が検出し、その検出姿勢角速度
信号を姿勢制御器101へ供給すると共に、積分器10
2へ供給して積分させ、これより姿勢角信号を取り出し
て姿勢制御器101へ供給する。姿勢制御器101はこ
れらの姿勢角速度信号と姿勢角信号とに基づいて、衛星
本体3を所望の姿勢制御を行わせるための制御信号を生
成して姿勢制御用アクチュエータ2へ出力する。姿勢制
御用アクチュエータ2は、衛星本体3に対してトルクを
付与し、衛星本体3に加わる宇宙空間における外乱の影
響を考慮して衛星本体3を姿勢制御する。
【0005】また、他の従来の人工衛星の姿勢制御装置
として、例えば太陽電池パドルなどの柔軟構造物の柔軟
運動を抑制するために、柔軟構造物に加速度計を取り付
け、この加速度計の出力信号に柔軟運動安定化ゲインを
乗じた信号を、姿勢制御器である比例、積分、微分の三
要素による制御を行うPID調節器の出力信号に付加す
ることにより、柔軟運動のダンピング特性を構造減衰以
外に能動的に増大させ、姿勢制御系のループゲインを高
くすることで姿勢制御精度を向上させるようにした姿勢
制御装置が知られている(特開昭63−34299号公
報)。
【0006】また、宇宙空間での人工衛星の姿勢角検出
信号と姿勢制御装置の出力姿勢制御信号と人工衛星の軌
道情報から地上で推定される外乱トルク信号の値とを利
用して、地上計算機によって柔軟構造物と人工衛星本体
とで構成される機械振動系の機械共振パラメータを推定
し、これに基づいて姿勢制御器内の制御パラメータを調
整することで、柔軟構造物の機械振動に対して制御装置
の効果によって能動的減衰を行う3軸姿勢制御装置も従
来知られている(特開昭58−177800号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記の従来
の人工衛星の姿勢制御装置はいずれも、人工衛星の姿勢
制御系内に含まれる大きな無駄時間要素(遅れ時間)を
考慮しておらず、また軌道上で示す機械共振パラメータ
を地上で推定する場合でも柔軟構造物のパラメータ変動
に対して実時間で十分対応することができないため、機
械振動を能動的に減衰させる場合には、姿勢制御系を安
定化するためループゲインの設定に制約ができ、結果的
に十分な姿勢制御性能を得ることができなかった。その
ため、人工衛星が宇宙空間で何らかの外乱を受け、柔軟
構造物に振動が発生した場合には、柔軟構造物の振動を
抑制する効果が弱く、人工衛星全体の姿勢制御精度に多
大な影響を及ぼしている。
【0008】本発明は以上の点に鑑みなされたもので、
姿勢系の無駄時間モデルや多項式補償器などを組み込ん
だ外乱補償器及び外乱無駄時間補償器を適用すること
で、人工衛星の高精度姿勢制御と柔軟構造物の制振制御
を同時に達成し得る人工衛星の3軸姿勢制御装置を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、 請求項1記載の第1の発明では、柔軟構造物が取
り付けられた衛星本体の姿勢角速度を検出する姿勢角速
度検出器と、外部より入力される姿勢制御信号により衛
星本体の姿勢を制御する姿勢制御用アクチュエータと、
姿勢角速度検出器の出力姿勢角速度信号に基づいて、衛
星本体に加わる外乱の大きさを推定する推定外乱信号を
出力する第1の演算器と、推定外乱信号に基づいて外乱
を除去するための外乱除去信号を生成する第2の演算器
と、姿勢制御系内に存在する無駄時間をパラメータとす
る所定の近似式により姿勢制御信号から推定制御信号を
生成する姿勢系無駄時間モデルと、推定制御信号と外乱
除去信号との差信号より推定した外乱を除去するための
推定外乱除去信号を生成する推定外乱除去信号生成手段
と、姿勢角制御信号と姿勢角速度信号とから衛星姿勢角
推定信号を生成する衛星姿勢角推定器と、姿勢角速度信
号と衛星姿勢角推定信号と推定外乱除去信号とに基づい
て姿勢制御信号を生成する姿勢制御信号生成手段とを有
する構成としたものである。
【0010】また、請求項2記載の第2の発明では、上
記の推定外乱除去信号生成手段を、推定制御信号と外乱
除去信号との差信号に対して所定の多項式で表される伝
達関数を付与して外乱位相補償信号を生成する外乱位相
補償信号生成手段と、外乱位相補償信号に基づいて推定
した外乱を除去するための推定外乱除去信号を生成する
フィルタとより構成したものである。
【0011】
【作用】第1の発明では、第1の演算器、第2の演算
器、姿勢系無駄時間モデル及び推定外乱除去信号生成手
段よりなる外乱補償器により、衛星本体に加わる外乱を
推定し、更にその推定した外乱を除去するための推定外
乱除去信号を生成し、この推定外乱除去信号を姿勢角速
度信号と衛星姿勢角推定信号とに基づいて生成した制御
信号に加え合わせて姿勢制御信号として衛星本体の姿勢
制御に用いるようにしたため、柔軟構造物の機械共振パ
ラメータが事前に分からないか又は軌道上で変動した場
合でも、衛星系の無駄時間を考慮し、かつ、衛星本体の
姿勢変動に影響を与える機械共振や外部から加わる外乱
などを実時間で推定した推定外乱除去信号を用いた衛星
姿勢制御ができる。
【0012】また、第2の発明では、位相補償した推定
外乱除去信号を生成するようにしているため、この推定
外乱除去信号を姿勢角速度信号と衛星姿勢角推定信号と
に基づいて生成した制御信号に加え合わせて姿勢制御信
号としたときにも、従来のように姿勢角速度信号と衛星
姿勢角推定信号とに基づいて生成した制御信号のみで衛
星本体の姿勢制御に用いる場合と同様の位相対周波数特
性を得ることができる(位相対周波数特性を変化させる
ことがない)。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。図
1は本発明になる人工衛星の3軸姿勢制御装置の第1実
施例のブロック線図を示す。同図に示すように、本実施
例装置は、主制御器1、姿勢制御用アクチュエータ2、
衛星本体3、この衛星本体3の外部に設けられた太陽電
池パドルや大型アンテナ等の柔軟構造物4、姿勢角速度
検出器5、衛星姿勢角推定器6、衛星ダイナミクス逆モ
デル演算器7、アクチュエータ逆モデル演算器8、減算
器9、フィルタ10、加算器11及び姿勢系無駄時間モ
デル12より構成されている。
【0014】すなわち、本実施例は、図5に示した従来
装置と比較すると、姿勢制御器101、積分器102の
代わりに主制御器1、衛星姿勢角推定器6を設け、か
つ、姿勢角速度検出器5から主制御器1の出力端の加算
器11に至るフィードバックループ中に、衛星ダイナミ
クス逆モデル演算器7、アクチュエータ逆モデル演算器
8、減算器9、フィルタ10及び姿勢系無駄時間モデル
12よりなる外乱補償器20を設けた構成である。
【0015】主制御器1は、この姿勢制御系を安定化す
る制御信号を姿勢角速度信号bと衛星姿勢角推定信号g
をもとに発生する回路で、例えばPID制御器により構
成されている。衛星姿勢角推定器6は、姿勢角速度検出
器5の出力姿勢角速度信号bに基づいて姿勢角を推定し
た衛星姿勢角推定信号gを出力する回路で、例えば単純
な積分器あるいは主制御器1より出力される姿勢制御信
号aを積極的に利用したカルマンフィルタによって構成
されている。
【0016】また、衛星ダイナミクス逆モデル演算器7
は、例えば衛星本体3の伝達関数がラプラス演算子sと
衛星の慣性モーメントIとを用いて(1/Is)と表さ
れる場合に、伝達関数がIsで表される演算器であり、
姿勢角速度信号bを入力信号として受け、衛星本体3に
入力された信号を推定外乱信号cとして出力する。
【0017】アクチュエータ逆モデル演算器8は、姿勢
制御用アクチュエータ2のダイナミクスが{1/(Ts
+1)}(ただし、Tはアクチュエータの時定数)で表
される場合に、その伝達関数が(Ts+1)に設定され
ることにより、推定外乱信号cから外乱除去信号dを発
生する。しかし、衛星ダイナミクス逆モデル演算器7と
アクチュエータ逆モデル演算器8を合わせたものは、明
らかにこのままでは実現不可能であるため、例えば{A
4/(s+A)4}(ただし、Aはフィルタ10の設計パ
ラメータ)の伝達関数をもつフィルタ10をアクチュエ
ータ逆モデル演算器8の出力側に設けることで、これら
の逆モデル演算器を実現している。
【0018】また、減算器9は、姿勢系無駄時間モデル
12から取り出される推定制御信号eから上記の外乱除
去信号dを差し引いた信号をフィルタ10へ出力する。
これにより、フィルタ10からは推定外乱除去信号fが
出力される。ただし、推定制御信号eは、3次のパデ
(pade)近似によって、次式 (−L3 03+12L2 02−60L0s+120) /(L3 03+12L2 02+60L0s+120) (ただし、L0は主制御器1、姿勢制御用アクチュエー
タ2、姿勢角速度検出器5、衛星姿勢角推定器6の各内
部その他でそれぞれ発生する、この姿勢制御系内に存在
する総無駄時間)で表現される姿勢系無駄時間モデル1
2を用いて姿勢制御信号aをもとに発生する信号であ
る。
【0019】次に、本実施例の動作について説明する。
宇宙空間における外乱xが加わっている衛星本体3の姿
勢角速度を、姿勢角速度検出器5により検出して得られ
た姿勢角速度信号bが衛星ダイナミクス逆モデル演算器
7に供給される一方、後述の姿勢制御信号aと共に衛星
姿勢角検出器6に供給されて衛星姿勢角推定信号gに変
換される。衛星ダイナミクス逆モデル演算器7は衛星本
体3に加えられている外乱xを推定する推定外乱信号c
を生成し、これをアクチュエータ逆モデル演算器8に供
給し、ここで推定した外乱を除去するための外乱除去信
号dを生成させる。
【0020】一方、姿勢制御用アクチュエータ2に入力
される姿勢制御信号aに基づいて、姿勢系無駄時間モデ
ル12において前記3次のパデ近似により推定制御信号
eが生成され、この推定制御信号eが上記の外乱除去信
号dと減算器9において減算された後、フィルタ10を
介して推定外乱除去信号fに変換されて外乱補償器20
の出力信号として加算器11へ出力される。
【0021】主制御器1は、前記姿勢角速度信号bと衛
星姿勢角推定信号gとを入力信号として受け、PID制
御器と同様にして制御信号を生成する。この制御信号は
加算器11に供給され、ここで外乱補償器20よりの推
定外乱除去信号fと加算されて姿勢制御信号aとされた
後、衛星姿勢角推定器6に供給される一方、姿勢制御用
アクチュエータ2に供給されてその動作を制御する。
【0022】姿勢制御用アクチュエータ2は例えば衛星
本体3の内部に取り付けられたリアクションホイール
で、上記の姿勢制御信号aによりリアクションホイール
の回転を制御し、これによりその回転方向と反対方向の
トルクを衛星本体3へ作用させることで姿勢制御を行
う。ここで、この姿勢制御は外乱補償器20からの推定
外乱除去信号fを含めて行われるため、高精度な衛星姿
勢制御ができる。
【0023】図2は図1の第1実施例において衛星目標
姿勢角から衛星姿勢角までの数学モデルに対して導出し
た開ループ伝達関数の周波数特性図で、同図(A)はゲ
イン対周波数特性図、同図(B)は位相対周波数特性図
を示す。同図(A)及び(B)では外乱補償器20を設
けた本実施例の周波数特性を実線で示し、外乱補償器2
0を設けない場合の周波数特性を破線で示している。
【0024】また、ここでは、主制御器1としてPID
制御器、姿勢制御用アクチュエータ2としてリアクショ
ンホイール、衛星姿勢角推定器6として積分器を用い、
また、姿勢制御系の無駄時間を400msecとし、衛
星に取り付けられる柔軟構造物4として4次の振動モー
ドまで採用した。
【0025】図2(A)の破線から分かるように、柔軟
構造物4が付加された衛星を単純なPID制御器のみで
制御する場合には、振動のピークを抑制する効果がな
く、また、その時の同図(B)に示す位相線図から系の
位相も十分に補償できていないため、柔軟構造物4の振
動をアクティブに制御できず、その結果、PID制御器
のみで高帯域・高精度な姿勢制御を行うことは困難であ
る。
【0026】それに対して、外乱補償器20が設けられ
た本実施例では、図2(B)の位相対周波数特性から分
かるように、高周波数帯では位相の変動が見られるもの
のアクチュエータで制御可能な低周波数帯においては位
相関係を変動させることがない。また、本実施例におけ
る同図(A)のゲイン対周波数特性では、1次振動モー
ドのピークが無くなっていることが分かる。
【0027】このことから本実施例によれば、外乱補償
器20によって柔軟構造物4の低次振動モードをアクテ
ィブに制御することが可能であり、その結果、高帯域で
高精度な人工衛星の姿勢制御を実現できる。
【0028】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。図3は本発明になる人工衛星の3軸姿勢制御装置の
第2実施例のブロック線図を示す。同図中、図1と同一
構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0029】図3に示すように、本実施例は、第1実施
例の減算器9の出力端とフィルタ10の入力端との間に
多項式補償器14を設けると共に、フィルタ10の特性
を変更してフィルタ15とすることにより、外乱無駄時
間補償器30を構成した点に特徴がある。ここで、多項
式補償器14は2次の多項式(m12+m2 +m3)の
伝達関数を有する。また、フィルタ15は{B6/(s
+B6)}(ただし、Bはフィルタ15の設計パラメー
タ)で表される伝達関数を有する。
【0030】本実施例では、外乱無駄時間補償器30に
おいて、姿勢角速度信号bに基づいて衛星ダイナミクス
逆モデル演算器7により、衛星本体3に加えられている
外乱xを推定する推定外乱信号cが推定され、これがア
クチュエータ逆モデル演算器8により外乱除去信号dに
変換された後、減算器9で姿勢系無駄時間モデル12か
らの推定制御信号e減算された信号が多項式補償器14
に供給される。
【0031】多項式補償器14はこの減算器9の出力信
号に対して前記の2次の多項式の伝達関数を付与して位
相補償した外乱位相補償信号hを発生し、これをフィル
タ15を通すことにより推定外乱除去信号fに変換した
後、加算器11に供給して主制御器1の出力制御信号と
加算して姿勢制御信号aを発生させる。この姿勢制御信
号aは姿勢制御用アクチュエータ2に供給されて衛星本
体3の姿勢を制御させる。
【0032】図4は図3の第2実施例において衛星目標
姿勢角から衛星姿勢角までの数学モデルに対して導出し
た開ループ伝達関数の周波数特性図で、同図(A)はゲ
イン対周波数特性図、同図(B)は位相対周波数特性図
を示す。同図(A)及び(B)では外乱無駄時間補償器
30を設けた本実施例の周波数特性を実線で示し、外乱
無駄時間補償器30を設けない場合の周波数特性を破線
で示している。
【0033】また、ここでは、主制御器1としてPID
制御器、姿勢制御用アクチュエータ2としてリアクショ
ンホイール、衛星姿勢角推定器6として積分器を用い、
また、姿勢制御系の無駄時間を400msecとし、衛
星に取り付けられる柔軟構造物4として4次の振動モー
ドまで採用した。
【0034】図4(A)の破線から分かるように、柔軟
構造物4が付加された衛星を単純なPID制御器のみで
制御する場合には、図2(A)と同様に振動のピークを
抑制する効果がなく、共振周波数のピークが全く改善さ
れていないため、柔軟構造物4の振動をアクティブに制
御できず、その結果、PID制御器のみで高帯域・高精
度な姿勢制御を行うことは困難である。
【0035】それに対して、外乱無駄時間補償器30が
設けられた本実施例では、図4(A)のゲイン対周波数
特性に実線で示すように、1次モードのゲインがかなり
抑制されているにも拘らず、同図(B)に実線で示す本
実施例の位相対周波数特性が破線で示す外乱無駄時間補
償器30を有していない場合と全く同様の特性を示して
おり、系の安定性に関しては主制御器1による効果を全
く変化させることなく、衛星本体3に設けた柔軟構造物
4の振動のみをアクティブに制御できていることが確認
された。従って、本実施例によれば、高帯域、高精度で
優れた安定性を有する衛星姿勢制御が実現できる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明によれ
ば、柔軟構造物の機械共振パラメータが事前に分からな
いか又は軌道上で変動した場合でも、衛星系の無駄時間
を考慮し、かつ、衛星本体の姿勢変動に影響を与える機
械共振や外部から加わる外乱などを実時間で推定した推
定外乱除去信号を用いた衛星姿勢制御ができるため、高
精度で高帯域な衛星姿勢制御ができ、また、構成が第2
の発明よりも簡単であるため、主記憶装置などのハード
ウェア的な制約がある場合に適用して好適である。
【0037】また、第2の発明によれば、従来のように
姿勢角速度信号と衛星姿勢角推定信号とに基づいて生成
した制御信号のみで衛星本体の姿勢制御に用いる場合と
同様の位相対周波数特性を得ることができるため、より
高精度、高帯域で優れた安定性を有する衛星姿勢制御が
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の第1実施例のブロック線図であ
る。
【図2】図1の実施例の特性図である。
【図3】本発明装置の第2実施例のブロック線図であ
る。
【図4】図3の実施例の特性図である。
【図5】従来装置の一例のブロック線図である。
【符号の説明】
1 主制御器 2 姿勢制御用アクチュエータ 3 衛星本体 4 柔軟構造物 5 姿勢角速度検出器 6 衛星姿勢角推定器 7 衛星ダイナミクス逆モデル演算器 8 アクチュエータ逆モデル演算器 9 減算器 10、15 フィルタ 11 加算器 12 姿勢系無駄時間モデル 14 多項式補償器 20 外乱補償器 30 外乱無駄時間補償器 a 姿勢制御信号 b 姿勢角速度信号 c 推定外乱信号 d 外乱除去信号 e 推定制御信号 f 推定外乱除去信号 g 衛星姿勢角推定信号 h 外乱位相補償信号 x 外乱

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柔軟構造物が取り付けられた衛星本体の
    姿勢角速度を検出する姿勢角速度検出器と、 外部より入力される姿勢制御信号により前記衛星本体の
    姿勢を制御する姿勢制御用アクチュエータと、 該姿勢角速度検出器の出力姿勢角速度信号に基づいて、
    前記衛星本体に加わる外乱の大きさを推定する推定外乱
    信号を出力する第1の演算器と、 該推定外乱信号に基づいて、前記外乱を除去するための
    外乱除去信号を生成する第2の演算器と、 姿勢制御系内に存在する無駄時間をパラメータとする所
    定の近似式により前記姿勢制御信号から推定制御信号を
    生成する姿勢系無駄時間モデルと、 該推定制御信号と前記外乱除去信号との差信号より前記
    推定した外乱を除去するための推定外乱除去信号を生成
    する推定外乱除去信号生成手段と、 前記姿勢角制御信号と前記姿勢角速度信号とから衛星姿
    勢角推定信号を生成する衛星姿勢角推定器と、 前記姿勢角速度信号と前記衛星姿勢角推定信号と前記推
    定外乱除去信号とに基づいて前記姿勢制御信号を生成す
    る姿勢制御信号生成手段とを有することを特徴とする人
    工衛星の3軸姿勢制御装置。
  2. 【請求項2】 柔軟構造物が取り付けられた衛星本体の
    姿勢角速度を検出する姿勢角速度検出器と、 外部より入力される姿勢制御信号により前記衛星本体の
    姿勢を制御する姿勢制御用アクチュエータと、 該姿勢角速度検出器の出力姿勢角速度信号に基づいて、
    前記衛星本体に加わる外乱の大きさを推定する推定外乱
    信号を出力する第1の演算器と、 該推定外乱信号に基づいて、前記外乱を除去するための
    外乱除去信号を生成する第2の演算器と、 姿勢制御系内に存在する無駄時間をパラメータとする所
    定の近似式により前記姿勢制御信号から推定制御信号を
    生成する姿勢系無駄時間モデルと、 該推定制御信号と前記外乱除去信号との差信号に対して
    所定の多項式で表される伝達関数を付与して外乱位相補
    償信号を生成する外乱位相補償信号生成手段と、 該外乱位相補償信号に基づいて前記推定した外乱を除去
    するための推定外乱除去信号を生成するフィルタと、 前記姿勢角制御信号と前記姿勢角速度信号とから衛星姿
    勢角推定信号を生成する衛星姿勢角推定器と、 前記姿勢角速度信号と前記衛星姿勢角推定信号と前記推
    定外乱除去信号とに基づいて前記姿勢制御信号を生成す
    る姿勢制御信号生成手段とを有することを特徴とする人
    工衛星の3軸姿勢制御装置。
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