JPH11129997A - 人工衛星の姿勢制御装置 - Google Patents

人工衛星の姿勢制御装置

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JPH11129997A
JPH11129997A JP9302020A JP30202097A JPH11129997A JP H11129997 A JPH11129997 A JP H11129997A JP 9302020 A JP9302020 A JP 9302020A JP 30202097 A JP30202097 A JP 30202097A JP H11129997 A JPH11129997 A JP H11129997A
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artificial satellite
satellite
attitude
unit
attitude control
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JP9302020A
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Katsuhiko Yamada
克彦 山田
Shoji Yoshikawa
章二 吉河
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64GCOSMONAUTICS; VEHICLES OR EQUIPMENT THEREFOR
    • B64G1/00Cosmonautic vehicles
    • B64G1/22Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles
    • B64G1/64Systems for coupling or separating cosmonautic vehicles or parts thereof, e.g. docking arrangements
    • B64G1/646Docking or rendezvous systems

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィードバック演算部の安定性などの特性が
フィードフォワード演算部の存在によって変化しうると
いう課題があった。 【解決手段】 可動部8を有する人工衛星の姿勢制御装
置において、可動部の運動による人工衛星の姿勢に対す
る影響を予め予測して補償するフィードフォワード演算
部3と、人工衛星の姿勢角誤差から誤差を減らすように
演算を行うフィードバック演算部1と、フィードフォワ
ード演算部及びフィードバック演算部の出力に基づいて
人工衛星の姿勢を制御するホイール4と、フィードフォ
ワード演算部に含まれる未知の構造パラメータを同定す
る構造パラメータ同定部7とを備え、フィードフォワー
ド演算部3が、前記構造パラメータ同定部により同定さ
れた構造パラメータに基づいてフィードフォワード制御
を行う。 【効果】 構造パラメータ同定部を、地上に設けるの
で、同定に必要な搭載計算機の負荷を減らすことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ホイールを用い
て人工衛星の姿勢を制御する人工衛星の姿勢制御装置に
関するものである。特に、人工衛星が可動部を有する場
合に、可動部の運動が人工衛星の姿勢に与える影響をフ
ィードフォワード補償するのに必要となる構造パラメー
タを同定できるとともに、フィードフォワード補償を行
ってもフィードバック制御の特性が変化しないことを可
能とする人工衛星の姿勢制御装置に関するものである。
また、ホイールが独立な2軸にしかトルクを発生できな
い場合にも、人工衛星の3軸の姿勢制御が可能な人工衛
星の姿勢制御装置に関するものである。さらに、ホイー
ルが独立な1軸にしかトルクを発生できない場合には、
人工衛星の最大慣性主軸回りの純スピン運動に安定化可
能な人工衛星の姿勢制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の人工衛星の姿勢制御装置について
図10を参照しながら説明する。図10は、例えば特開
平2−318935号公報に示された従来の人工衛星の
姿勢制御装置の構成を示すブロック図である。
【0003】図10において、1は後述する人工衛星本
体の姿勢角誤差から誤差を減らすように演算を行うフィ
ードバック演算部、2はアンテナやマニピュレータなど
の可動部の駆動角度及び駆動角速度、3は可動部による
人工衛星本体の姿勢に対する影響を予め予測して補償す
るフィードフォワード演算部、4は人工衛星本体の姿勢
を制御するためのホイール、5は人工衛星本体を表して
いる。
【0004】つぎに、前述した従来の人工衛星の姿勢制
御装置の動作について説明する。人工衛星本体5上でア
ンテナやマニピュレータなどの可動部が運動すると、そ
の反作用が人工衛星本体5に加わり、その姿勢を乱すこ
とになる。
【0005】上記可動部の運動による人工衛星本体5に
対する影響は可動部駆動角・可動部駆動角速度2から予
め推定することができる。この推定値を求めるのがフィ
ードフォワード演算部3の働きである。ただし、フィー
ドフォワード演算部3で可動部の運動の影響を予め求め
て補償する場合には、可動部のもつ慣性モーメントなど
のパラメータの推定精度が悪いと、人工衛星本体5に大
きな姿勢角誤差を生じてしまう。
【0006】そのため慣性モーメントなどのパラメータ
を可変にして、人工衛星本体5の姿勢角誤差の値に基づ
いてパラメータの値を調節するようにする。この調節の
働きもフィードフォワード演算部3に含まれている。
【0007】一方、フィードバック演算部1では、人工
衛星本体5の姿勢角誤差からPD(比例微分)制御等の
制御方策によって制御量を求める。このフィードバック
演算部1の出力から、可動部の影響に相当するフィード
フォワード演算部3の出力を差し引いてホイール4を駆
動することにより、人工衛星本体5はあたかも可動部の
ない場合と同様の姿勢制御が可能になる。
【0008】図11は、例えば論文:H.Krishnan他著
「Attitude Stabilization of a Rigid Spacecraft Usi
ng Two Momentum Wheel Actuators」、米国航空宇宙学
会、Journal of Guidance, Control, and Dynamics、Vo
l.18、No.2、pp.256-263、(1995)に示された、従来の独
立な2軸の方向にトルクを与えるホイールを有する人工
衛星の姿勢制御装置におけるフィードバック演算部の働
きを示すフローチャートである。
【0009】人工衛星の3軸の姿勢角速度を「ω1」、
「ω2」、「ω3」とする。また、人工衛星がホイール
の故障等で2軸にしか姿勢制御トルクを発生できない場
合、そのトルク入力を「u1」、「u2」とする。トル
ク入力u1とu2によっては人工衛星の姿勢角速度はω
1とω2しか直接的には制御できないが、通常、人工衛
星全体の角運動量は0に保たれるので、姿勢角速度ω1
とω2を0にすれば姿勢角速度ω3も0にすることは可
能である。
【0010】また、人工衛星の3軸の姿勢角を3−2−
1オイラー角で表現して「φ」、「θ」、「ψ」とす
る。3−2−1オイラー角の性質より、オイラー角φは
トルク入力u1によって直接的に制御でき、オイラー角
φ=0であればオイラー角θがトルク入力u2によって
直接的に制御でき、オイラー角φ=π/2、オイラー角
θ=0であればオイラー角ψがトルク入力u2によって
直接的に制御できる。この制御の目的は、トルク入力u
1とu2によって、人工衛星の姿勢角速度ω1、ω2、
ω3を0とし、かつオイラー角φ、θ、ψを0とするこ
とである。
【0011】従来の人工衛星の姿勢制御装置は、この制
御の目的を6つのステップによって段階的に解決する。
図11に示すステップST1において、まず、トルク入
力u1とu2を用いて姿勢角速度ω1とω2を0とす
る。このとき、姿勢角速度ω3も0とすることができ
る。
【0012】次に、ステップST2において、トルク入
力u1を用いてオイラー角φを0とする。オイラー角φ
=0となるのでオイラー角θがトルク入力u2によって
直接的に制御できる。
【0013】次に、ステップST3において、トルク入
力u2を用いてオイラー角θを0とする。この状態では
オイラー角ψが制御できない。
【0014】そこで、ステップST4において、トルク
入力u1によってオイラー角φをπ/2とする。オイラ
ー角φ=π/2、オイラー角θ=0となるのでオイラー
角ψがトルク入力u2によって直接的に制御できる。
【0015】次に、ステップST5において、トルク入
力u2を用いてオイラー角ψを0とする。
【0016】最後に、ステップST6において、トルク
入力u1を用いてオイラー角φを0に戻す。こうして6
つのステップによって、2つのトルク入力u1とu2に
より、姿勢角速度と姿勢角のいずれの成分も0にするこ
とができる。
【0017】図12は、例えば論文:二宮他著「2F5
SOLAR−Aの初期姿勢捕捉制御」、第32回宇宙
科学技術連合講演会予稿集、pp.440-441、(1988)に示さ
れた、従来の1軸のホイールで人工衛星のスピン軸を変
更する方式を示す図である。
【0018】次に、動作について説明する。人工衛星5
の最大慣性主軸方向にホイール4の制御軸が配置され、
初期の人工衛星5の回転方向が最小慣性主軸まわりとす
る。説明の都合上、最大慣性主軸をy軸、最小慣性主軸
をz軸とする。このとき、以下の式(1)の制御則を用
いることで、最大慣性主軸回りの純粋な回転運動に安定
化することができる。
【0019】 u=T*sign(ωy) ・・・式(1)
【0020】ここで、「u」はホイールの制御トルク、
「T」は衛星の回転運動エネルギーの時間変化が常に負
になるように設定した制御ゲイン、「ωy」はy軸回り
の角速度、「sign(ωy)」は成分ωyの符号関数
で成分ωyが正であれば1、負であれば−1の値をと
る。
【0021】図13は、従来の方法による人工衛星のホ
イールによる回転運動の制御を行った数値計算例を示す
図である。同図(a)に示すように、角速度ωzが減少
してy軸まわりの回転運動に移行していく様子が分か
る。また、同図(b)に示すように、人工衛星の回転運
動エネルギーが時間と共に単調減少している様子が分か
る。
【0022】なお、ある程度、角速度ωzが減少して角
速度ωyが増大すると章動運動が発生してなかなかy軸
まわりの純スピン運動に収束しない。同じ論文では2個
のホイールを用いることで収束速度を早める方法が述べ
られているが、1個の場合には図に示されるように章動
運動が発生する。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
人工衛星の姿勢制御装置では、可動部の運動をフィード
フォワードで補償する場合のフィードフォワード演算部
3のパラメータの調節に姿勢角誤差信号を用いるように
構成されているので、フィードフォワード演算部3にお
いてもフィードバック演算部1と同様のフィードバック
機能が働くことになり、フィードバック演算部1の安定
性などの特性がフィードフォワード演算部3の存在によ
って変化しうるという問題点があった。
【0024】また、ホイールが故障などで独立な2軸の
方向にしかトルクを発生できない場合に、フィードバッ
ク演算部の動作が多段階の複雑なものになり、単純な制
御則では安定な制御動作が実現できないという問題点が
あった。
【0025】さらに、1軸のホイールでは最大慣性主軸
回りの単純な回転運動に安定化するまでに章動が発生
し、なかなか収束しないという問題点があった。また、
故障した人工衛星は一般に複雑な回転運動をしていると
考えられるが、その回転運動を止めるためにはまずドッ
キングすることが必要であり、ドッキングするためには
回転運動を止める必要があるという相反する要求が問題
であった。
【0026】この発明は、前述した問題点を解決するた
めになされたもので、可動部の運動による影響をフィー
ドフォワードに補償する場合に、フィードフォワード演
算部の機能とパラメータ同定の機能を切り離し、パラメ
ータ同定と人工衛星のフィードバック姿勢制御とを独立
に行うことによって、高いフィードフォワード補償性能
を有しながら、フィードフォワード演算部の存在によっ
てもフィードバック制御の特性が変化しないことを可能
とする人工衛星の姿勢制御装置を得ることを目的とす
る。
【0027】また、この発明は、前述した問題点を解決
するためになされたもので、ホイールが故障などで独立
な2軸の方向にしか制御トルクを発生できない場合で
も、単純な制御則で安定な3軸の姿勢制御を行うことを
可能とする人工衛星の姿勢制御装置を得ることを目的と
する。
【0028】さらに、この発明は、前述した問題点を解
決するためになされたもので、ホイールが故障などで1
軸の方向にしか制御トルクを発生できない場合でも、最
大慣性主軸回りの純スピン運動に安定化でき、故障した
人工衛星の太陽電池パドルの支持ブームなどの構造体に
結合して1軸回りの純粋な回転運動に安定化すること
で、修理点検などを行う作業ロボットが故障した人工衛
星に容易にドッキングすることができる人工衛星の姿勢
制御装置を得ることを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】この発明に係る人工衛星
の姿勢制御装置は、可動部を有する人工衛星の姿勢制御
装置において、前記可動部の運動による前記人工衛星の
姿勢に対する影響を予め予測して補償するフィードフォ
ワード演算部と、前記人工衛星の姿勢角誤差から誤差を
減らすように演算を行うフィードバック演算部と、前記
フィードフォワード演算部及び前記フィードバック演算
部の出力に基づいて前記人工衛星の姿勢を制御するホイ
ールと、前記フィードフォワード演算部に含まれる未知
の構造パラメータを同定する構造パラメータ同定部とを
備え、前記フィードフォワード演算部が、前記構造パラ
メータ同定部により同定された構造パラメータに基づい
てフィードフォワード制御を行うものである。
【0030】また、この発明に係る人工衛星の姿勢制御
装置は、さらに、前記人工衛星及び前記可動部の角運動
量に含まれる構造パラメータを同定するために前記可動
部に運動を行わせる際の駆動信号を発生する同定信号生
成部を備え、前記構造パラメータ同定部が、前記人工衛
星、前記ホイール及び前記可動部の運動を示す状態量か
ら前記人工衛星及び前記可動部の角運動量に含まれる構
造パラメータを同定するものである。
【0031】また、この発明に係る人工衛星の姿勢制御
装置は、前記構造パラメータ同定部を、地上に設けるも
のである。
【0032】さらに、この発明に係る人工衛星の姿勢制
御装置は、前記構造パラメータ同定部が、前記人工衛星
及び前記可動部の角運動量を、既知ではあるが変動する
項と、未知ではあるが一定値をとる項とに分離し、前記
未知ではあるが一定値をとる項を、前記人工衛星、前記
ホイール及び前記可動部の状態量の時刻歴データから推
定し、構造パラメータを同定するものである。
【0033】この発明に係る人工衛星の姿勢制御装置
は、人工衛星の独立な2軸の方向に姿勢制御トルクを与
えるホイールと、前記人工衛星の独立な3軸の姿勢角及
び姿勢角速度から前記人工衛星の姿勢を表すロドリゲス
のパラメータを更新する姿勢更新部と、前記得られたロ
ドリゲスのパラメータから前記ホイールに対する姿勢制
御量を与えて前記人工衛星の独立な3軸の姿勢制御を可
能にするフィードバック演算部とを備えたものである。
【0034】さらに、この発明に係る人工衛星の姿勢制
御装置は、前記フィードバック演算部が、前記姿勢制御
量を、直接的に制御できるロドリゲスのパラメータの成
分の減衰項と、周期的に変動する項に直接的には制御で
きないロドリゲスのパラメータの成分の関数を掛けた項
との和で演算することにより、前記人工衛星の独立な3
軸の姿勢制御を可能にするものである。
【0035】この発明に係る人工衛星の姿勢制御装置
は、他の人工衛星と結合するための結合部と、前記他の
人工衛星の3軸の角速度を検出する角速度検出装置と、
1軸のホイールと、前記角速度検出装置からの情報に基
づいて前記ホイールを駆動して前記他の人工衛星の回転
運動を最大慣性主軸回りの単純なスピン運動に落ちつく
ように制御する演算部とを備えたものである。
【0036】また、この発明に係る人工衛星の姿勢制御
装置は、前記結合部が、前記ホイールの制御軸の主成分
が前記他の人工衛星の最大慣性主軸の直交方向になるよ
うに前記他の人工衛星に結合するものである。
【0037】また、この発明に係る人工衛星の姿勢制御
装置は、さらに、前記結合部と人工衛星本体との間に連
結され、前記他の人工衛星からの距離あるいは方向を調
節する伸展部を備えたものである。
【0038】さらに、この発明に係る人工衛星の姿勢制
御装置は、さらに、母船との間の通信を行うための通信
部を備えたものである。
【0039】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.この発明の実施の形態1に係る人工衛星
の姿勢制御装置について図1を参照しながら説明する。
図1は、この発明の実施の形態1に係る人工衛星の姿勢
制御装置の構成を示すブロック図である。なお、各図
中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0040】図1において、1は人工衛星本体1の姿勢
角誤差から姿勢制御に必要となる演算を行うフィードバ
ック演算部、3は後述する可動部の運動による後述する
人工衛星本体の姿勢に対する影響を予め補償するための
演算を行うフィードフォワード演算部、4は後述する人
工衛星本体の姿勢制御をおこなうアクチュエータである
ホイール、5は人工衛星本体、6は人工衛星本体5や後
述する可動部の角運動量に含まれる構造パラメータを同
定するため可動部に運動を行わせる際の指令値を発生す
る同定信号生成部、7は人工衛星本体5やホイール4や
後述する可動部の運動を示す状態量から構造パラメータ
の同定を行う構造パラメータ同定部、8はアンテナやマ
ニピュレータなど人工衛星本体5上で運動する可動部で
ある。
【0041】つぎに、前述した実施の形態1の動作につ
いて説明する。人工衛星本体5は、その姿勢角誤差を検
出して姿勢角誤差を減らすように姿勢制御を行う。これ
がフィードバック演算部1の働きであり、ホイール4が
トルク入力の場合には通常PD(比例微分)制御が用い
られる。また、ホイール4に角運動量指令値を入力とす
るような局所的なフィードバックループが施されている
場合にはPI(比例積分)制御となる。
【0042】ところで、人工衛星本体5にアンテナやマ
ニピュレータなどの人工衛星本体5に対して相対的に動
きうる可動部8が取り付けられている場合には、人工衛
星本体5の姿勢は可動部8の運動により影響を受ける。
これを数式で表現すると次の式(2)のようになる。
【0043】 M*dθ/dt+hw+m*dφ/dt=0 ・・・式(2)
【0044】上記の式2は、ホイール4を用いた人工衛
星の姿勢制御によって人工衛星全体の角運動量の和が保
存されることを表している。「M」は人工衛星全体の質
量マトリクス、「θ」は人工衛星本体5の姿勢角(ベク
トル)、「dθ/dt」は姿勢角θの1階時間微分(姿
勢角速度)、「hw」はホイール4のもつ角運動量、
「m」は主に可動部8に依存する質量マトリクス、
「φ」は可動部8の駆動角(ベクトル)、「dφ/d
t」は駆動角φの1階時間微分(駆動角速度)である。
【0045】可動部8の影響は上記の式2において「m
*dφ/dt」に現れており、これが可動部8の運動に
ともなう角運動量を表している。この影響は人工衛星本
体5の姿勢制御の精度を損なう要因となるのでこれを予
め補償することが望ましい。
【0046】そのため通常は運動方程式に基づいて可動
部8の運動にともなう角運動量m*dφ/dtを求め、
この逆符号をとったものをホイール4の角運動量指令値
として与えるようにする。こうすると上記の式2におい
て「hw」と「m*dφ/dt」とがほぼキャンセルす
ることになり、可動部8の人工衛星本体5の姿勢に対す
る影響を抑えることができる。ホイール4がトルク入力
である場合には、角運動量指令値を擬似的に微分するこ
とによってホイール4の入力とする。以上がフィードフ
ォワード演算部3の働きである。フィードバック演算部
1の出力とフィードフォワード演算部3の出力は加え合
わされて最終的なホイール4の入力が得られる。
【0047】上記のようなフィードフォワード制御を行
う場合、可動部8の運動にともなう角運動量「m*dφ
/dt」を求める必要がある。この計算を精度よく行わ
なければ可動部8の運動により人工衛星本体5の姿勢が
乱れることになる。
【0048】可動部8の角運動量には、質量、慣性モー
メントなど種々の構造パラメータが含まれているが、こ
れらの構造パラメータは地上で必ずしも精度よく求めら
れるわけではないので、これを軌道上のデータをもとに
同定することが望ましい。
【0049】この同定のためには可動部8を構造パラメ
ータの同定に都合がいいように駆動する必要がある。同
定信号生成部6は、この可動部8の駆動信号を発生する
働きをもつ。可動部8がアンテナやマニピュレータなど
のように複数の駆動関節をもつ場合、各関節を順次一つ
ずつ動かすことが、一部の構造パラメータに関する分だ
けの影響をみることになるので、同定にとっては都合が
よい。また、同定用の駆動信号が複数の周波数成分をも
つ方が、同定の精度が向上する場合が多い。以上のよう
な条件を考慮しつつ同定用の駆動信号を発生するのが同
定信号生成部6である。
【0050】また、構造パラメータ同定部7では、人工
衛星本体5の姿勢角・姿勢角速度と、ホイール4の角運
動量と、可動部8の駆動角度・駆動角速度などの信号の
時刻歴から、可動部8あるいは人工衛星本体5の角運動
量に含まれる構造パラメータを同定する。上記の式2に
おける各質量マトリクスM及びmの推定値を「M”」及
び「m”」とし、真値との誤差を「ΔM」及び「Δm」
とすると次の式(3)が成り立つ。
【0051】 (M”+ΔM)*dθ/dt+hw+(m”+Δm)*dφ/dt=0 ・・・式(3)
【0052】同定したい量は誤差ΔM、Δmであるが、
これらを左辺にまとめると次の式(4)となる。
【0053】 ΔM*dθ/dt+Δm*dφ/dt=−M”*dθ/dt−m”*dφ/d t−hw ・・・式(4)
【0054】上記の式(4)において右辺は既知量の組
み合わせであり、各時刻での値から求めることができ
る。従って、上記の式(4)の右辺の値をいくつかの時
刻で求めておけば誤差ΔM、Δmの同定が可能になる。
【0055】構造パラメータ同定部7で同定された質量
マトリクスm(=m”+Δm)の値は、同定後、フィー
ドフォワード演算部3に送られて以後のフィードフォワ
ード演算に用いられることになる。
【0056】なお、この例では構造パラメータ同定部7
の場所を特に限定していないが、これは必ずしも人工衛
星に搭載される必要はなく、地上であってもよい。構造
パラメータ同定部7が地上にある場合には、人工衛星本
体5の姿勢角・姿勢角速度、ホイール4の角運動量、可
動部8の駆動角度・駆動角速度などの信号をテレメトリ
として地上に送り、また同定されたパラメータ値を再度
軌道上に送信するなどの手段が必要になるが、軌道上で
の計算負荷を減らすことができ、大容量のデータを扱う
ことができるので同定パラメータの精度が向上するとい
うメリットがある。
【0057】この実施の形態1に係る人工衛星の姿勢制
御装置は、まず構造パラメータを同定するために可動部
8を駆動する。可動部8を駆動しながらホイール4を用
いて通常のフィードバック姿勢制御とフィードフォワー
ド姿勢制御を行いつつ、可動部8を駆動したときの人工
衛星本体5の角度・角速度、ホイール4の角運動量、及
び可動部8の駆動角度・駆動角速度などの状態量の時刻
歴を蓄える。ある程度状態量が蓄えられれば、その状態
量に基づいて構造パラメータの同定を行う。同定された
パラメータ値はそれ以後のフィードフォワード制御にお
いて用いるようにする。このことで構造パラメータの同
定を行いつつ、フィードバック制御系の特性を変化させ
ないことが可能になる。
【0058】以上のように、この実施の形態1に係る人
工衛星の姿勢制御装置によれば、フィードフォワード演
算部3と慣性モーメントなどの構造パラメータ同定部7
を分離し、この構造パラメータ同定部7の出力であるパ
ラメータ同定値が、連続的にはフィードフォワード演算
部3に入力されないような構成にしたので、構造パラメ
ータの同定を行いつつ、フィードバック制御系の特性を
変化させない効果があり、また、構造パラメータ同定部
7を地上に置くことで同定に必要な搭載計算機の負荷を
減らすことができる。
【0059】実施の形態2.図2は、上記構造パラメー
タ同定部7を計算機内部で実現する際の処理を示すフロ
ーチャートである。
【0060】人工衛星本体5の角運動量M*dθ/dt
と、可動部8の角運動量m*dφ/dtは、人工衛星本
体5や可動部8の運動に依存して変化する項と、これら
の運動によらずに変化しない項を分離して、次の式
(5)のように表すことができる。
【0061】 M*dθ/dt+m*dφ/dt=Y(dθ/dt,φ,dφ/dt)*α ・・・式(5)
【0062】ここで、「α」は質量や慣性モーメントな
どからなる未知のパラメータ項(ベクトル)であるが、
人工衛星本体5や可動部8の運動によらずに一定値とな
る。一方、「Y(dθ/dt,φ,dφ/dt)」は人
工衛星本体5や可動部8の運動によって変化する項(マ
トリクス)であるが、その関数形は既知なので、人工衛
星本体5の姿勢角速度dθ/dt、可動部8の駆動角
φ、駆動角速度dφ/dtなどが得られれば精度よく計
算することができる。
【0063】未知のパラメータ項αは、全ての成分を同
定することが望ましいが、全てを求める場合には同定精
度が低下することが多い。そこで、未知のパラメータ項
αにおいて、角運動量に対する影響の大きな項と小さな
項を分離して、前者だけを同定することにする。
【0064】未知のパラメータ項αのうち、影響の大き
な成分だけをまとめてαI、影響の小さな成分だけをま
とめてαNとして、それに応じてYもYIとYNに分割す
る。このとき上記の式5は次の式(6)のように表され
る。
【0065】 M*dθ/dt+m*dφ/dt=YI*αI+YN*αN ・・・式(6)
【0066】ここで、αI、αNの地上での推定値を「α
I”」、「αN”」とする。構造パラメータ同定部7で求
めるのは推定値αI”の誤差分「ΔαI」(=αI
αI”)である。
【0067】さて、図2のステップST71において、
同定パラメータ数を決める。これは、未知のパラメータ
項αのうち、同定すべきパラメータ(影響の大きな成
分)αIの成分の数をいくつに選ぶかということに対応
している。
【0068】次に、ステップST72において、同定が
終了する時刻「te」を設定する。
【0069】次に、ステップST73において、データ
の時刻歴を表すカウンタ「i」を0に設定する。
【0070】次に、ステップST74〜75において、
時刻t=tiにおける、人工衛星本体5の角速度、ホイ
ール4の角運動量、可動部8の駆動角度、駆動角速度な
どの状態量を取得する。
【0071】次に、ステップST76において、これか
ら既知項を計算する。この場合、上記の式2の角運動量
保存則は次の式(7)のように表すことができる。
【0072】 YI*ΔαI=−YI*αI”−YN*αN”−hw ・・・式(7)
【0073】この右辺は上記の状態量が得られれば求め
ることのできる量である。この右辺を「hN」とおく
と、ステップST76の既知項はYIとhNをさしてい
る。
【0074】次に、ステップST77において、時刻t
が同定終了時刻teに到達したかどうかを判定し、到達
していなければステップST78でデータのカウンタi
を進めて次の時刻におけるデータを取得する。
【0075】一方、同定終了時刻teに到達していれ
ば、ステップST79において、未知項の同定を行う。
時刻tiにおけるYIとhNに添字iをつけて表すことに
すると上記の式7は次の式(8)のようになる。
【0076】 YIiΔαI=hNi ・・・式(8)
【0077】ここで、i=0,・・・,Nまでデータが
あると誤差分ΔαIを例えば次の式(9)のように最小
二乗法で求めることができる。
【0078】 ΔαI=(ΣYIi TIi-1(ΣYIi TNi) ・・・式(9)
【0079】上記の式(9)において、「Σ」はi=
0,・・・,Nまでのデータの和を表しており、「T」
はマトリクスの転置をとることを意味している。
【0080】これより、αI=αI”+ΔαIとして、影
響の大きな成分αIが推定できるので重要度の高いパラ
メータが同定できることになる。
【0081】この実施の形態2に係る人工衛星の姿勢制
御装置は、構造パラメータ同定部7において、可動部8
及び人工衛星本体5の角運動量を、既知ではあるが変動
する項と、未知ではあるが一定値をとる項との積の形で
表現する。人工衛星本体5の角度・角速度、ホイール4
の角運動量及び可動部8の駆動角度・駆動角速度などの
状態量の時刻歴がある程度蓄えられれば、その状態量に
基づいて各時刻の既知である項を計算する。姿勢制御に
ホイール4を用いることで全体の角運動量は保存されて
いるから、既知項を計算することで各時刻において未知
項に対する線形の方程式が得られる。これより例えば最
小二乗法によって未知ではあるが一定値をとる項を精度
よく求めることができる。
【0082】すなわち、構造パラメータ同定部7におい
て、可動部8及び人工衛星本体5の角運動量を既知では
あるが変動する項と、未知ではあるが一定値をとる項に
分離し、既知項を計算することで各時刻において未知項
に対する線形の方程式が得られるように構成したので、
未知ではあるが一定値をとる項を精度よく求めることが
できる。
【0083】実施の形態3.この発明の実施の形態3に
係る人工衛星の姿勢制御装置について図3を参照しなが
ら説明する。図3は、この発明の実施の形態3に係る人
工衛星の姿勢制御装置の構成を示すブロック図である。
【0084】上記の実施の形態1及び2は、可動部8を
有し、ホイール4が独立な3軸にトルクを発生する場合
の人工衛星の姿勢制御装置であるが、この実施の形態3
は、可動部の有無に関係がなく、ホイール4が独立な2
軸にトルクを発生する場合の人工衛星の姿勢制御装置に
関するものである。
【0085】図3において、1Aはロドリゲスのパラメ
ータを用いて姿勢制御演算を行いホイール4Aに対する
指令値を出力するフィードバック演算部、9は人工衛星
本体5の姿勢角や姿勢角速度を用いて人工衛星本体5の
姿勢をロドリゲスのパラメータに変更する姿勢更新部で
ある。
【0086】次に、動作について説明する。ここでは人
工衛星本体5の姿勢を制御するホイール4Aは、故障な
どで独立な2軸の方向にしかトルクを発生できないもの
とする。
【0087】人工衛星本体5の姿勢を表すロドリゲスの
パラメータは、次のように定義される。人工衛星本体5
に固定した座標系を考えて、この座標系の向きは基準と
なる座標系をある「単位ベクトルa」の回りに「角度
φ」だけ回転すれば得られるものとする。このとき、人
工衛星本体5の姿勢を表す「ロドリゲスのパラメータ
p」とは、単位ベクトルaを人工衛星本体5に固定した
座標系で表現するとき次の式(10)で与えられる。
【0088】 p=a*tan(φ/2) ・・・式(10)
【0089】この定義より明らかなように、ロドリゲス
のパラメータは人工衛星本体5の姿勢を3つの成分で表
すので、冗長性をもたず、また人工衛星本体5に固定し
た座標系と基準となる座標系との向きのずれが微小であ
るとき、通常、姿勢角表現に用いられるオイラー角のほ
ぼ2倍の値をとるという便利な性質がある。
【0090】人工衛星本体5の3軸の姿勢角がオイラー
角などの形で得られれば、それを一度、方向余弦行列の
形に変換することによって、それからロドリゲスのパラ
メータに変換することは容易に行える。
【0091】また、人工衛星本体5の3軸の姿勢角速度
を「ω」とすれば、ロドリゲスのパラメータpとωとの
関係は次の式(11)のようになる。
【0092】 dp/dt=(ω+p×ω+(p・ω)p)/2 ・・・式(11)
【0093】ここで、「dp/dt」はロドリゲスのパ
ラメータpの一階時間微分、「p×ω」はロドリゲスの
パラメータpと姿勢角速度ωとのベクトル積、「(p・
ω)」はロドリゲスのパラメータpと姿勢角速度ωとの
スカラ積を表している。
【0094】上記の式11を用いれば姿勢角速度ωが得
られたときにロドリゲスのパラメータpの値を予測する
ことができる。以上のように、人工衛星本体5の3軸の
姿勢角や姿勢角速度からロドリゲスのパラメータpの値
を随時更新するのが姿勢更新部9の働きである。
【0095】ロドリゲスのパラメータpの3成分「p
1」、「p2」、「p3」が得られれば、フィードバッ
ク演算部1Aではこれらを全て0とするようにフィード
バック制御を行い、ホイール4Aに対して指令値を出力
する。ロドリゲスのパラメータの全ての成分が0になれ
ば、人工衛星本体5の姿勢は基準となる座標系の姿勢と
一致することになり、制御の目的が達せられたことにな
る。
【0096】ホイール4Aが2軸にしかトルクを発生で
きない場合、ホイール4Aに対するトルク入力に対して
適当な変換を行い変換後の入力を「u1」、「u2」と
すると、ロドリゲスのパラメータp1、p2との関係を
次の式(12)で与えることができる。
【0097】 d2p1/dt2=u1、 d2p2/dt2=u2 ・・・式(12)
【0098】上記の式(12)において、「d2p1/
dt2」、「d2p2/dt2」はそれぞれロドリゲス
のパラメータp1、p2の2階時間微分である。
【0099】すなわち、このロドリゲスのパラメータp
1とp2は、ホイール4Aによって直接的に制御するこ
とが可能である。また、このとき残りのロドリゲスのパ
ラメータの成分p3と、p1及びp2との関係は次の式
(13)で与えられる。
【0100】 dp3/dt=−p2*(dp1/dt)+p1*(dp2/dt) ・・・式(13)
【0101】このように人工衛星本体5の姿勢角表現に
ロドリゲスのパラメータを用いると、直接的に制御でき
る2つの成分p1及びp2と、直接的には制御できない
成分p3との間に、上記の式13のように極めて簡単な
関係式を導くことができる。これからホイール4Aに対
する2つのトルク入力によってロドリゲスのパラメータ
成分p3も制御することが可能になる。フィードバック
演算部1Aでは以上の性質を利用して人工衛星本体5の
フィードバック姿勢制御を行い、ホイール4Aに対する
トルク入力を生成する。
【0102】この実施の形態3に係る人工衛星の姿勢制
御装置は、人工衛星の3軸の姿勢角あるいは姿勢角速度
を検出し、姿勢更新部9で人工衛星の姿勢をロドリゲス
のパラメータで表現し直す。このロドリゲスのパラメー
タは、人工衛星の姿勢を3つの成分で表現するが、この
うち2つの成分はホイール4Aによって直接制御でき、
残りの1つの成分の運動も、直接制御できる2つの成分
によって極めて簡単に表現できる。この特徴を活かせ
ば、人工衛星の3軸の姿勢制御を、独立した2軸にトル
クを発生するホイール4Aによって行うことができる。
【0103】すなわち、この実施の形態3に係る人工衛
星の姿勢制御装置によれば、人工衛星の姿勢をロドリゲ
スのパラメータで表現するようにしたので、独立な2軸
にトルクを与えるホイール4Aでは直接的には制御でき
ないロドリゲスのパラメータの1つの成分の運動も、直
接的に制御できる2つの成分によって簡単に表現でき、
人工衛星の3軸の姿勢制御を、独立した2軸にトルクを
発生するホイール4Aによって行うことができる。
【0104】実施の形態4.図4は、上記実施の形態3
に係る人工衛星の姿勢制御装置のフィードバック演算部
1Aの構成を示すブロック図である。
【0105】図4において、11及び12はロドリゲス
のパラメータのうち直接的に制御できる2つの成分p1
とp2を減衰させるためのPD制御器、13及び14は
直接的には制御できない成分p3の関数f1及びf2
で、制御量において周期的に変動する余弦波、正弦波部
分のゲインとなる項、15は正弦波余弦波発生器、16
はロドリゲスのパラメータに対する制御出力をホイール
の入力トルクに変換するホイール入力トルク変換器であ
る。
【0106】次に、動作について説明する。ホイール4
Aが独立な2軸の方向にしかトルクを発生できない場
合、直接的に制御できるロドリゲスのパラメータの成分
は2つだけである。これを「p1」及び「p2」とす
る。ロドリゲスのパラメータの成分p1、p2に対して
はPD(比例微分)制御によってこれを減衰させること
ができる。これがPD制御器11及び12の働きであ
る。
【0107】一方、直接的には制御できない成分「p
3」に対しては、上記の式13の関係を利用して成分p
1、p2から間接的に制御を行う。まず、正弦波余弦波
発生器15によって周波数ωの正弦波(サイン:si
n)と余弦波(コサイン:cos)を発生させる。い
ま、成分p1の動きをa1cosωt、成分p2の動き
をa2sinωtとすると、上記の式13からこれらの
1周期において成分p3の変化量Δp3は次の式(1
4)となることがわかる。
【0108】 Δp3=2a1*a2 ・・・式(14)
【0109】これより成分p1、p2の係数a1、a2
の積を−k*p3(kは正の定数)と設定すれば、成分
p3も成分p1、p2によって同時に減衰させることが
できる。以上述べた働きをするのが余弦波、正弦波に対
するゲイン項である関数f1(13)と関数f2(1
4)である。すなわち、関数f1(13)と関数f2
(14)を以下の式(15)のように設定する。
【0110】 f1=c*sign(p3)*sqrt(|p3|) f2=−c*sqrt(|p3|) ・・・式(15)
【0111】ここで、「c」は定数。また、「sqrt
(|p3|)」は成分p3の絶対値の平方根を意味す
る。このように設定すると、以下の式(16)となるの
で、成分p3を効果的に減衰させることができる。
【0112】 f1*f2=−c*c*p3 ・・・式(16)
【0113】また、関数f1(13)と関数f2(1
4)は成分p3が0のとき0となるので、成分p3が微
小値になったあとは成分p1、p2が余弦波、正弦波入
力で影響をうけることはなくなる。
【0114】さて以上のように、正弦波余弦波発生器1
5の出力cosωt、sinωtにそれぞれ上記の式1
5の関数f1、f2を掛けて加えあわせれば、成分p
1、p2に対する制御量u1、u2が決まる。これは上
記の式12のu1、u2と対応しており、次の式(1
7)で与えられる。
【0115】 u1=−kp*p1−kd*dp1/dt−f1*cosωt u2=−kp*p2−kd*dp2/dt−f2*sinωt ・・・式(17)
【0116】ここで、「kp」は比例ゲイン、「kd」
は微分ゲインである。この制御量u1、u2はそのまま
ホイール4Aに対するトルク指令値となるのではなく、
これをトルク指令値に変換する操作がさらに必要であ
る。
【0117】このトルク指令値は、成分p1、p2の加
速度目標値から人工衛星本体5の角加速度の目標値が得
られるので、それを人工衛星本体5の運動方程式に代入
すれば得られる。この変換操作を行うのがホイール入力
トルク変換器16であり、こうしてホイール4A1、4
2を駆動することにより、直接的に制御できるロドリ
ゲスのパラメータの成分p1、p2だけではなく、直接
的には制御できない成分p3をも同時に0にすることが
できる。
【0118】なお、上記実施の形態4では、関数f1、
f2として上記の式15の形のものを用いたが、関数f
1とf2が成分p3の関数で成分p3が0のとき0とな
り、その積が−k*p3(kは正の定数)の形になれば
とくに上記の式15に限定されるものではない。
【0119】また、周期的に変動する関数として正弦波
と余弦波を用いたが、成分p1とp2に対応する関数が
位相差をもって変動すればよく、正弦波、余弦波に限定
されるものではない。
【0120】この実施の形態4に係る人工衛星の姿勢制
御装置は、独立した2軸にトルクを発生するホイール4
Aによって、直接的に制御できるロドリゲスのパラメー
タの2つの成分に減衰を与える。同時にこれらの2つの
成分の入力に対して、周期的に変動する関数に、直接的
には制御できないロドリゲスのパラメータの成分の関数
を掛けたものを加える。このことで第三の直接的には制
御できない成分に対しても間接的に効果的な減衰を与え
ることができ、すべての成分を0とすることができる。
【0121】すなわち、この実施の形態4によれば、図
4に示すようにフィードバック演算部1Aを、独立した
2軸にトルクを発生するホイール4Aによって直接的に
制御できるロドリゲスのパラメータの2つの成分p1、
p2に減衰を与え、同時にこれらの2つの成分の入力に
対して、周期的に変動する関数に直接的には制御できな
いロドリゲスのパラメータの成分の関数を掛けたものを
加えるように構成したので、直接的には制御できないロ
ドリゲスのパラメータの成分p3に対しても間接的に減
衰を与えることができ、すべての成分を0にできる。
【0122】実施の形態5.以下、この発明の実施の形
態5に係る人工衛星の姿勢制御装置について図5を参照
しながら説明する。図5は、この実施の形態5に係る人
工衛星の姿勢制御装置の構成を示す図である。
【0123】図5において、例えば救援に向かった人工
衛星5は、結合部51を介して、例えば故障した、制御
を行う対象の人工衛星100と結合する。また、4Bは
1軸のホイール、101は人工衛星100の太陽電池パ
ドルである。なお、図示していないが人工衛星5は演算
部(小型計算機)を有している。
【0124】次に、動作について説明する。人工衛星5
は、制御を行う対象の人工衛星100に結合部51を介
して剛に結合した後、内蔵された角速度検出装置により
人工衛星100の3軸の角速度を推定する。そして、人
工衛星5は、その情報を元にして演算部により1軸のホ
イール4Bを駆動して人工衛星100の回転運動を最大
慣性主軸回りの単純なスピン運動に落ちつくように制御
する。
【0125】この実施の形態5に係る人工衛星の姿勢制
御装置は、故障した人工衛星100と結合するための結
合部51を備え、1軸のホイール4Bを内蔵することで
結合した人工衛星100の回転運動を制御できるように
したものである。
【0126】つまり、上記人工衛星の姿勢制御装置は、
故障した人工衛星100に結合し、角速度を検出するこ
とでホイール4Bの角運動量を調整し、人工衛星100
の回転運動を制御することができる。
【0127】すなわち、この実施の形態5によれば、人
工衛星5が結合部51を備えたのでドッキングのための
特別な装置を有しない人工衛星100に結合することが
できるとともに、人工衛星5が少なくとも1軸のホイー
ル4Bと3軸の角速度検出装置を備えているので故障し
ている結合した相手の人工衛星100の回転運動を制御
することができる。
【0128】実施の形態6.以下、この発明の実施の形
態6に係る人工衛星の姿勢制御装置について図6及び図
7を参照しながら説明する。図6は、この実施の形態6
に係る人工衛星の姿勢制御装置おける人工衛星のホイー
ルの配置を示す図である。
【0129】図6において、例えば故障等した、制御を
行う対象の人工衛星100の座標系として、慣例に従っ
て進行方向をx軸、太陽電池パドル101の軸方向をy
軸とし、右手系を構成するようにz軸を定める。
【0130】次に、動作について説明する。説明の都合
上、x軸を人工衛星100の最大慣性主軸とし、y軸と
例えば救援の人工衛星5のホイール4Bの制御軸が一致
するものとする。
【0131】ホイール4Bの制御軸の主成分と人工衛星
100の最大慣性主軸が直交していれば、慣性モーメン
トの大小関係は他の組み合わせでも良い。
【0132】人工衛星100の回転運動の方程式は以下
の式(18)で与えられる。
【0133】 d/dt{ωx}=−ωz/Ix*{ωy*(Iz−Iy)−Ω*Iw} d/dt{ωy}=−1/Iy’*{ωx*ωz*(Ix−Iz)+u} d/dt{ωz}=−ωx/Iz*{ωy*(Iy−Ix)+Ω*Iw} d/dt{Ω}=u/Iw−d/dt{ωy} Iy’=Iy−Iw ・・・式(18)
【0134】ここで、「d/dt{}」は{}内の変数
を時間微分することを表す。また、「ωx」、「ω
y」、「ωz」はそれぞれ人工衛星100の各慣性主軸
回りの角速度、「Ix」、「Iy」、「Iz」は人工衛
星100の慣性モーメント、「Ω」は人工衛星100に
対するホイール4Bの相対角速度、「Iw」はホイール
4Bの回転軸回りの慣性モーメント、「u」はホイール
4Bの制御トルクを表す。
【0135】制御則を以下の式(19)で与える。
【0136】 u=K1*ωy+K2*ωz+K3*Ω ・・・式(19)
【0137】「K1」、「K2」、「K3」は制御ゲイ
ンである。最大慣性主軸まわりの角速度ωxのフィード
バックを必要としない点が特徴である。なお、制御ゲイ
ンを定めるにあたって、ωxを用いることが考えられ
る。
【0138】図7(a)及び(b)は、この実施の形態
6の制御則をz軸回りに歳差運動をしている人工衛星1
00に適用した場合の人工衛星100の姿勢角速度及び
回転運動エネルギーの数値計算例を示す。従来の方式を
適用した場合の図13(a)及び(b)に対応する数値
計算例である。
【0139】なお、人工衛星100の回転運動エネルギ
ーEは、次の式(20)で算出される。
【0140】 E={Ix*ωx*ωx+Iy’*ωy*ωy+Iz*ωz*ωz}/2 ・・・式(20)
【0141】図7に示すように、この実施の形態6の方
式を用いれば、制御の対象とする人工衛星100の最大
慣性主軸と直交する方向にホイール4Bの制御軸がある
場合に、歳差運動する人工衛星100を最大慣性主軸回
りの純スピン運動に制御することができる。なお、人工
衛星100の回転運動エネルギーを平均的に減少させる
ように制御則を構成しているので、単調減少させるよう
に制御則を構成する従来の方式に比べて少ない制御トル
クで制御できると考えられる。
【0142】この実施の形態6に係る人工衛星の姿勢制
御装置は、結合する際に人工衛星100の最大慣性主軸
と1軸のホイール4Bの制御軸が直交するようにしたも
ので、最大慣性主軸まわり以外の角速度成分を0になる
ように制御することで最大慣性主軸まわりの純スピン運
動に安定化することができる。
【0143】すなわち、この実施の形態6によれば、最
大慣性主軸に垂直な面に制御軸の主成分を持つため、過
大な制御トルクを生成することなく人工衛星100の回
転運動を最大慣性主軸回りの純スピン運動に制御するこ
とができる。
【0144】実施の形態7.以下、この発明の実施の形
態7について図8を参照しながら説明する。図8は、こ
の実施の形態7における人工衛星の姿勢制御装置の伸展
部の動作を示す図である。
【0145】図8において、伸展部52は結合部51か
らの人工衛星5の距離あるいは方向を調節するものであ
る。
【0146】次に、動作について説明する。例えば、救
援の人工衛星5は、例えば、故障した、制御を行う対象
の人工衛星100に結合部51を介して剛に結合した
後、伸展部52を伸展する。伸展方向は、人工衛星10
0の望ましい純スピン方向が最大慣性主軸になるような
方向に設定する。例えば、望ましい純スピン方向がx軸
方向であれば、伸展方向はx軸に垂直な面内でx軸から
遠ざかる方向を選択する。
【0147】結合部51に回転自由度を与えることで、
得られる慣性主軸方向の微調整を行うことも考えられ
る。
【0148】この実施の形態7に係る人工衛星の姿勢制
御装置は、結合後に伸展部52が伸展することで人工衛
星100の慣性モーメントを変えることができるように
したもので、また、伸展部52を伸展することで人工衛
星100の慣性モーメントを望ましい方向に変えること
ができる。
【0149】すなわち、この実施の形態7によれば、伸
展部52を備えたので、もともとの人工衛星の最大慣性
主軸方向ではない方向まわりの純スピン運動に制御する
場合にも、伸展部52を伸展することで最大慣性主軸方
向を望ましい方向に変えることができる。
【0150】実施の形態8.以下、この発明の実施の形
態8について図9を参照しながら説明する。図9は、こ
の実施の形態8における人工衛星の姿勢制御装置の通信
部の動作を示す図である。
【0151】図9において、53は例えば、救援の人工
衛星5の通信アンテナ、200は高性能計算機搭載可能
な母船、201は母船200の通信アンテナである。
【0152】次に、動作について説明する。人工衛星5
は、通信アンテナ53と通信アンテナ201により母船
200との通信を行う。母船200から、例えば故障等
で制御の対象となる人工衛星100の運動に関する詳細
な情報や人工衛星100と人工衛星5の位置及び姿勢関
係を人工衛星5に送信する。
【0153】母船200からこれらの情報を計測し送信
することで、人工衛星5に視覚センサなどの姿勢や位置
を計測するセンサを搭載する必要がなくなる。また、人
工衛星100と結合する際に、母船200のアームの先
端に人工衛星5を把持して人工衛星100に十分近づけ
ることにより、あるいは人工衛星100の結合可能な構
造部材付近に到達するように母船200から人工衛星5
に初速度を与えることにより、人工衛星5に軌道制御を
行うための推進装置を搭載する必要がなくなる。
【0154】この実施の形態8に係る人工衛星の姿勢制
御装置は、通信部を搭載することで母船200から制御
に必要な情報を入手でき、搭載機器を最小限にすること
ができる。
【0155】すなわち、この実施の形態8によれば、母
船200との通信を行う装置を備えたので、位置や姿勢
を検出する手段を持たなくても母船200で計測したデ
ータを受信したり、計算を高性能計算機搭載可能な母船
200で行うことで回転運動の制御精度の向上が可能で
ある。
【0156】
【発明の効果】この発明に係る人工衛星の姿勢制御装置
は、以上説明したとおり、可動部を有する人工衛星の姿
勢制御装置において、前記可動部の運動による前記人工
衛星の姿勢に対する影響を予め予測して補償するフィー
ドフォワード演算部と、前記人工衛星の姿勢角誤差から
誤差を減らすように演算を行うフィードバック演算部
と、前記フィードフォワード演算部及び前記フィードバ
ック演算部の出力に基づいて前記人工衛星の姿勢を制御
するホイールと、前記フィードフォワード演算部に含ま
れる未知の構造パラメータを同定する構造パラメータ同
定部とを備え、前記フィードフォワード演算部が、前記
構造パラメータ同定部により同定された構造パラメータ
に基づいてフィードフォワード制御を行うので、構造パ
ラメータの同定を行いつつ、フィードバック制御系の特
性を変化させないという効果を奏する。
【0157】また、この発明に係る人工衛星の姿勢制御
装置は、以上説明したとおり、さらに、前記人工衛星及
び前記可動部の角運動量に含まれる構造パラメータを同
定するために前記可動部に運動を行わせる際の駆動信号
を発生する同定信号生成部を備え、前記構造パラメータ
同定部が、前記人工衛星、前記ホイール及び前記可動部
の運動を示す状態量から前記人工衛星及び前記可動部の
角運動量に含まれる構造パラメータを同定するので、構
造パラメータの同定を行いつつ、フィードバック制御系
の特性を変化させないという効果を奏する。
【0158】また、この発明に係る人工衛星の姿勢制御
装置は、以上説明したとおり、前記構造パラメータ同定
部を、地上に設けるので、同定に必要な搭載計算機の負
荷を減らすことができるという効果を奏する。
【0159】さらに、この発明に係る人工衛星の姿勢制
御装置は、以上説明したとおり、前記構造パラメータ同
定部が、前記人工衛星及び前記可動部の角運動量を、既
知ではあるが変動する項と、未知ではあるが一定値をと
る項とに分離し、前記未知ではあるが一定値をとる項
を、前記人工衛星、前記ホイール及び前記可動部の状態
量の時刻歴データから推定し、構造パラメータを同定す
るので、未知ではあるが一定値をとる項を精度よく求め
ることができるという効果を奏する。
【0160】この発明に係る人工衛星の姿勢制御装置
は、以上説明したとおり、人工衛星の独立な2軸の方向
に姿勢制御トルクを与えるホイールと、前記人工衛星の
独立な3軸の姿勢角及び姿勢角速度から前記人工衛星の
姿勢を表すロドリゲスのパラメータを更新する姿勢更新
部と、前記得られたロドリゲスのパラメータから前記ホ
イールに対する姿勢制御量を与えて前記人工衛星の独立
な3軸の姿勢制御を可能にするフィードバック演算部と
を備えたので、独立な2軸にトルクを与えるホイールで
は直接的には制御できないロドリゲスのパラメータの1
つの成分の運動も、直接的に制御できる2つの成分によ
って簡単に表現でき、人工衛星の3軸の姿勢制御を、独
立した2軸にトルクを発生するホイールによって行うこ
とができるという効果を奏する。
【0161】さらに、この発明に係る人工衛星の姿勢制
御装置は、以上説明したとおり、前記フィードバック演
算部が、前記姿勢制御量を、直接的に制御できるロドリ
ゲスのパラメータの成分の減衰項と、周期的に変動する
項に直接的には制御できないロドリゲスのパラメータの
成分の関数を掛けた項との和で演算することにより、前
記人工衛星の独立な3軸の姿勢制御を可能にするので、
直接的には制御できないロドリゲスのパラメータの成分
に対しても間接的に減衰を与えることができ、全ての成
分を0にできるという効果を奏する。
【0162】この発明に係る人工衛星の姿勢制御装置
は、以上説明したとおり、他の人工衛星と結合するため
の結合部と、前記他の人工衛星の3軸の角速度を検出す
る角速度検出装置と、1軸のホイールと、前記角速度検
出装置からの情報に基づいて前記ホイールを駆動して前
記他の人工衛星の回転運動を最大慣性主軸回りの単純な
スピン運動に落ちつくように制御する演算部とを備えた
ので、結合した相手の人工衛星の回転運動を制御するこ
とができるという効果を奏する。
【0163】また、この発明に係る人工衛星の姿勢制御
装置は、以上説明したとおり、前記結合部が、前記ホイ
ールの制御軸の主成分が前記他の人工衛星の最大慣性主
軸の直交方向になるように前記他の人工衛星に結合する
ので、過大な制御トルクを生成することなく人工衛星の
回転運動を最大慣性主軸回りの純スピン運動に制御する
ことができるという効果を奏する。
【0164】また、この発明に係る人工衛星の姿勢制御
装置は、以上説明したとおり、さらに、前記結合部と人
工衛星本体との間に連結され、前記他の人工衛星からの
距離あるいは方向を調節する伸展部を備えたので、元々
の人工衛星の最大慣性主軸方向ではない方向まわりの純
スピン運動に制御する場合にも、伸展部を伸展すること
で最大慣性主軸方向を望ましい方向に変えることができ
るという効果を奏する。
【0165】さらに、この発明に係る人工衛星の姿勢制
御装置は、以上説明したとおり、さらに、母船との間の
通信を行うための通信部を備えたので、位置や姿勢を検
出する手段を持たなくても母船で計測したデータを受信
することで回転運動の制御精度を向上することができる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る人工衛星の姿
勢制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態2に係る人工衛星の姿
勢制御装置の構造パラメータ同定部の動作を示すフロー
チャートである。
【図3】 この発明の実施の形態3に係る人工衛星の姿
勢制御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態4に係る人工衛星の姿
勢制御装置のフィードバック演算部の構成を示す図であ
る。
【図5】 この発明の実施の形態5に係る人工衛星の姿
勢制御装置の構成を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態6に係る人工衛星の姿
勢制御装置のホイールの配置を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態6に係る人工衛星の姿
勢制御装置のホイールによる回転運動の制御を行った数
値計算例を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態7に係る人工衛星の姿
勢制御装置の構成を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態8に係る人工衛星の姿
勢制御装置の構成を示す図である。
【図10】 従来の人工衛星の姿勢制御装置の構成を示
すブロック図である。
【図11】 従来の人工衛星の姿勢制御装置の動作を示
すフローチャートである。
【図12】 従来の人工衛星の姿勢制御装置の回転運動
の制御動作を示す図である。
【図13】 従来の人工衛星の姿勢制御装置のホイール
による回転運動の制御を行った数値計算例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 フィードバック演算部、1A フィードバック演算
部、3 フィードフォワード演算部、4 ホイール、4
A ホイール、4B ホイール、5 人工衛星本体、6
同定信号生成部、7 構造パラメータ同定部、8 可
動部、9 姿勢更新部、51 結合部、52 伸展部、
53 通信アンテナ、100 人工衛星、101 太陽
電池パドル、200 母船、201 通信アンテナ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可動部を有する人工衛星の姿勢制御装置
    において、 前記可動部の運動による前記人工衛星の姿勢に対する影
    響を予め予測して補償するフィードフォワード演算部
    と、 前記人工衛星の姿勢角誤差から誤差を減らすように演算
    を行うフィードバック演算部と、 前記フィードフォワード演算部及び前記フィードバック
    演算部の出力に基づいて前記人工衛星の姿勢を制御する
    ホイールと、 前記フィードフォワード演算部に含まれる未知の構造パ
    ラメータを同定する構造パラメータ同定部とを備え、 前記フィードフォワード演算部は、前記構造パラメータ
    同定部により同定された構造パラメータに基づいてフィ
    ードフォワード制御を行うことを特徴とする人工衛星の
    姿勢制御装置。
  2. 【請求項2】 さらに、前記人工衛星及び前記可動部の
    角運動量に含まれる構造パラメータを同定するために前
    記可動部に運動を行わせる際の駆動信号を発生する同定
    信号生成部を備え、 前記構造パラメータ同定部は、前記人工衛星、前記ホイ
    ール及び前記可動部の運動を示す状態量から前記人工衛
    星及び前記可動部の角運動量に含まれる構造パラメータ
    を同定することを特徴とする請求項1記載の人工衛星の
    姿勢制御装置。
  3. 【請求項3】 前記構造パラメータ同定部は、地上に設
    けることを特徴とする請求項2記載の人工衛星の姿勢制
    御装置。
  4. 【請求項4】 前記構造パラメータ同定部は、前記人工
    衛星及び前記可動部の角運動量を、既知ではあるが変動
    する項と、未知ではあるが一定値をとる項とに分離し、
    前記未知ではあるが一定値をとる項を、前記人工衛星、
    前記ホイール及び前記可動部の状態量の時刻歴データか
    ら推定し、構造パラメータを同定することを特徴とする
    請求項1、2又は3記載の人工衛星の姿勢制御装置。
  5. 【請求項5】 人工衛星の独立な2軸の方向に姿勢制御
    トルクを与えるホイールと、 前記人工衛星の独立な3軸の姿勢角及び姿勢角速度から
    前記人工衛星の姿勢を表すロドリゲスのパラメータを更
    新する姿勢更新部と、 前記得られたロドリゲスのパラメータから前記ホイール
    に対する姿勢制御量を与えて前記人工衛星の独立な3軸
    の姿勢制御を可能にするフィードバック演算部とを備え
    たことを特徴とする人工衛星の姿勢制御装置。
  6. 【請求項6】 前記フィードバック演算部は、前記姿勢
    制御量を、直接的に制御できるロドリゲスのパラメータ
    の成分の減衰項と、周期的に変動する項に直接的には制
    御できないロドリゲスのパラメータの成分の関数を掛け
    た項との和で演算することにより、前記人工衛星の独立
    な3軸の姿勢制御を可能にすることを特徴とする請求項
    5記載の人工衛星の姿勢制御装置。
  7. 【請求項7】 他の人工衛星と結合するための結合部
    と、 前記他の人工衛星の3軸の角速度を検出する角速度検出
    装置と、 1軸のホイールと、 前記角速度検出装置からの情報に基づいて前記ホイール
    を駆動して前記他の人工衛星の回転運動を最大慣性主軸
    回りの単純なスピン運動に落ちつくように制御する演算
    部と を備えたことを特徴とする人工衛星の姿勢制御装置。
  8. 【請求項8】 前記結合部は、前記ホイールの制御軸の
    主成分が前記他の人工衛星の最大慣性主軸の直交方向に
    なるように前記他の人工衛星に結合することを特徴とす
    る請求項7記載の人工衛星の姿勢制御装置。
  9. 【請求項9】 さらに、前記結合部と人工衛星本体との
    間に連結され、前記他の人工衛星からの距離あるいは方
    向を調節する伸展部を備えたことを特徴とする請求項7
    記載の人工衛星の姿勢制御装置。
  10. 【請求項10】 さらに、母船との間の通信を行うため
    の通信部を備えたことを特徴とする請求項7記載の人工
    衛星の姿勢制御装置。
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