JP3417977B2 - 姿勢制御システム、及び人工衛星の方向を制御する方法 - Google Patents

姿勢制御システム、及び人工衛星の方向を制御する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的には姿勢制御シ
ステムに関し、更に詳しくは、ジャイロスコープのよう
なヨー及び/又はロール慣性基準からの姿勢基準情報が
ない場合において3軸ゼロ運動量衛星を安定化する姿勢
制御システムの妨害トルク補償に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の人工衛星は、通信及び地球検知用
途のために広く使用されている。このようなすべての衛
星の用途では、センサ及びアンテナが適切な方向を示す
ように、宇宙における衛星の方向を制御することが必要
である。地球又は他の天体(以下、地球と称する)の周
りを周回する衛星は、補助的な制御なしには1つの面を
その天体に向くように維持することができない。この制
御は通常、姿勢制御と呼ばれている。姿勢制御の1つ
は、1つ以上の運動量ホイールを使用するものであり、
これらの運動量ホイールは、運動量バイアス又はジャイ
ロスコープ剛性をもたらすことにより、姿勢を安定化す
るものである。運動量バイアスは、バイアス軸に直交す
る面に存在している衛星の軸を間接的にのみ安定化する
ものであり、直接的な制御は行われない。現在の衛星の
任務に関連する更に厳格な方向性の要件を満足するため
に、衛星の回転軸の直接的な制御が必要である。通常、
3つの軸が使用されており、即ち、ヨー軸は地球に向か
って方向付けられており、ピッチ軸は衛星の軌道の法線
に一致しており、ロール軸は右手直交座標系を完成して
いる。当業者に知られているように、他の非直交座標系
を使用することもできるし、このような座標系を簡単な
変換によって直交座標系に関連付けることもできる。
【0003】衛星の製造及び発射は、非常に資本集約的
である。この結果、衛星サービスの単位価格を低く維持
するためには、衛星は長期間動作することが必要であ
る。このため、衛星の信頼性が主要な関心事であり、こ
れが冗長性、適格性及び発射前の予備試験のような強力
な手段を必要としている。典型的な3軸安定化衛星姿勢
制御は、3つの直交姿勢、即ちヨー(x)、ロール
(y)及びピッチ(z)を直接検知し、反動ホイールア
クチュエータ又は他のトルク発生器を介して補正制御ト
ルクを指令することにより達成される。このような制御
はしばしば、ロール及びピッチ姿勢情報を生成するため
に地球センサアセンブリ(ESA)を使用している。ジ
ャイロスコープが慣性ヨー軸姿勢情報を得るために使用
されているが、これは、ヨーエラー(ヨー自由度)がE
SAでは観測できないからである。ピッチ及びロールジ
ャイロスコープは、衛星発射の上昇及び地球捕捉段階に
おいてしばしば使用されている。しかしながら、一旦、
地球が捕捉されると、ロール及びピッチ姿勢情報はジャ
イロスコープよりもむしろESAから得られる。
【0004】ESAは、作動部品なしに作製されること
が可能であり、この結果、非常に信頼性が高い。たとえ
そうではあっても、衛星の寿命を通じてのロール及びピ
ッチ姿勢情報の有効性は、冗長性によって保証されてい
る。しかしながら、ヨージャイロは機械的装置であっ
て、故障し易いものである。ジャイロスコープの価格が
高いため、直接的な冗長性は通常、使用されていない。
1つの補助的な斜めジャイロスコープが、3つの直交す
るジャイロスコープ用の唯一の冗長性を形成している。
【0005】ヨージャイロスコープが故障した場合に
は、冗長の斜めジャイロスコープを使用してヨー姿勢情
報を得ることができるが、斜めジャイロスコープからの
み得られた情報は、ピッチ及びロール情報によって悪影
響を受けている。斜めジャイロスコープからヨー姿勢情
報を得るために、ロール及びピッチジャイロスコープは
正しい信号を発生することが可能である。しかしなが
ら、ロール又はピッチジャイロスコープの一方(又は両
方)が故障した場合には、有効なヨー情報が得られず、
衛星の姿勢は制御されなくなる。更に、衛星が示すエラ
ーは、周囲の妨害トルクによって悪化させられる。
【0006】正確な指示が必要ではない低価格衛星にお
いては、ESA及びジャイロスコープの価格は過大であ
り、他の慣性基準は利用できない。改良された姿勢制御
システムが要望されている。
【0007】
【発明の概要】本発明による姿勢制御システムは、天体
に対するゼロ運動量人口衛星の方向を制御する。衛星
は、軌道面におけるジャイロスコープを有しておらず、
動作するジャイロスコープがない状態で方向基準を得て
いる。第1及び第2の反動ホイールが、衛星のロール及
びヨー軸に沿った運動量成分をそれぞれ有している。地
球センサアセンブリがロール姿勢を表す信号を発生すべ
く、衛星に取り付けられている。第1及び第2の反動ホ
イールにそれぞれ接続されている第1及び第2の反動ホ
イール駆動部が、衛星のヨー及びロール軸の周りのトル
ク指令を表すトルク指令信号の制御の下でこれらのホイ
ールを加速する。第1及び第2の反動ホイールにそれぞ
れ接続されている第1及び第2のタコメータが、これら
の反動ホイールの角速度を表す速度信号を発生する。ロ
ール姿勢コントローラが、地球センサに接続されている
と共に、ロール姿勢の少なくとも比例及び速度成分に対
して反動ホイールの少なくとも関連する1つを加速すべ
く、第1及び第2の反動ホイール駆動部の少なくとも1
つに接続されている。ロール反動ホイールトルクトラン
スレータが、速度信号を微分してロール反動ホイールト
ルク表示信号を発生すべく、第1及び第2のタコメータ
の少なくとも1つに接続されている。ヨー反動ホイール
トルクトランスレータが、速度信号を微分してヨー反動
ホイールトルク表示信号を発生すべく、第1及び第2の
タコメータの少なくとも1つに接続されている。ヨー推
定器が、衛星の線形化されたロール/ヨー軌道運動学を
モデル化し、衛星のロール/ヨー剛体力学を更にモデル
化すると共に、ロール姿勢を表す信号、並びにヨー及び
ロール反動ホイールトルク表示信号をモデルに供給し、
衛星のヨー軸の周りのトルク指令を表す信号を発生して
第1又は第2の反動ホイール駆動部の少なくとも1つに
供給するように、地球センサと、ロール及びヨー反動ホ
イールトルクトランスレータと、第1及び第2の反動ホ
イール駆動部の少なくとも1つとに接続されている。ヨ
ー及びロール軸の周囲の妨害トルクの少なくとも1つの
一定成分が、対応する反動ホイールのホイール速度を平
均化することにより得られる。ホイールが衛星の本体軸
に対して斜めになったときに、本体軸に沿った速度成分
は平均化される。
【0008】
【実施例の記載】図1において、人工衛星8は本体10
を含んでいる。衛星8は、地球又は他の天体12の周り
を軌道を描いて回っている。本体10は第1及び第2の
太陽電池パネル14a及び14bを支持している。本体
10は、地平線を検知してピッチ及びロール姿勢信号を
発生することができる地球センサ16を支持している。
地球センサ16は本体のヨー軸20に平行な軸18に沿
って方向付けられている。本体のロール軸22及びピッ
チ軸24は、互いに直交していると共に、ロール軸20
に対してそれぞれ直交している。衛星8の運動の軌道方
向は本体のロール軸22に沿っており、ピッチ軸24は
軌道面に直交している。
【0009】図2において、ピッチ反動ホイール218
がピッチ軸24に平行な(この場合には一致している)
運動量軸を有している。ブロック220aとして示され
ているピッチホイール駆動アセンブリは、通常の方法で
ホイール218を制御している。図2において又、ヨー
軸20に平行な(この場合には一致している)運動量軸
を有しているヨー反動ホイール214が、駆動アセンブ
リ、即ちモータ216aによって駆動されている。ヨー
ホイール214の回転速度は、タコメータ216bによ
って監視されている。ロール軸22に平行な(この場合
には一致している)運動量軸を有しているロール反動ホ
イール210が、駆動アセンブリ、即ちモータ212a
によって駆動されている。ロールホイール210の回転
速度は、タコメータ212bによって監視されている。
【0010】一般に、ジャイロスコープのないヨー制御
は、従来のように衛星のロール−ヨー剛体力学のモデル
と共に小角度ロール−ヨー軌道運動学の他のモデルによ
って行われる。本体力学は、外部から加えられるトルク
に応じた衛星本体自身の質量中心の周りにおける衛星本
体の回転加速である。この加えられるトルクは、反動ホ
イールのような内部装置によって発生するものである。
小角度軌道運動学は衛星の軌道運動を記述する。一般的
な軌道運動学をモデルに使用することが望ましいが、比
較的小さな精度増分の観点から見て、非線形計算の複雑
さが問題である。
【0011】図3は、本発明による剛体力学及び軌道運
動学モデルを用いたゼロ運動量3軸安定化衛星姿勢制御
システムの簡略化されたブロック図である。図1及び図
2の構成要素に対応する図3の構成要素は、同じ参照番
号で示されている。図3において、地球センサ16は、
ピッチ及びロール信号の実測値をデータパス350及び
352上にそれぞれ発生し、ピッチ及びロール制御補償
器330及び332にそれぞれ供給する。ピッチ制御補
償器330の詳細は図4に関連して説明し、ロール制御
補償器332の詳細は図5に関連して説明する。ピッチ
及びロール補償器330及び332は、ピッチ及びロー
ルトルク指令をそれぞれ発生し、これらの指令は、ピッ
チ及びロールホイール駆動部220a及び212aにそ
れぞれ供給される。ピッチ及びロールホイール駆動部2
20a及び212aは、ピッチ及びロール反動ホイール
218及び210をそれぞれ駆動する。ピッチ及びロー
ル反動ホイール218及び210の角速度は、ピッチ及
びロールタコメータ220b及び212bによってそれ
ぞれ測定される。
【0012】図3のシステムモデル310は、特定の衛
星のロール/ヨー剛体力学のブロック312として示さ
れているモデルを含んでいる。このようなモデルは、ロ
ール及びヨー本体軸の周りの少なくとも慣性に関する情
報を含んでいる。システムモデル310は又、ブロック
314として示されている小角度ロール/ヨー運動学モ
デルを含んでいる。この情報は、衛星自身の質量又は慣
性のような特性に対して特有のものではない。むしろ、
衛星の軌道速度ωo のみが重要である。システムモデル
310への入力には、地球センサ16から得られ、デー
タパス352を介して供給されるロール実測値、並びに
ブロック316及び318としてそれぞれ示されている
ロール及びヨートランスレータを介してロールタコメー
タ212b及びヨータコメータ216bからそれぞれ供
給されるロール及びヨートルクが含まれている。この最
小の情報によって、ヨーを推定することができる。シス
テムモデル310から出力されるヨー推定値信号は、ピ
ッチ補償器330及びロール補償器332に類似したヨ
ー制御補償器334に供給されて、ヨートルク指令を発
生する。このヨートルク指令は、ヨーホイール駆動部2
16aを介してヨー反動ホイール214に供給される。
こうして、ヨーの姿勢が直接測定されることなく補正さ
れる。
【0013】従来の装置は又、例えばレーナ等(Lehne
r, et.al.) の名義で1985年6月4日に発行された
米国特許番号第4521855号に記載されているよう
なヨー推定器を含んでいる。このようなシステムによっ
てヨーが推定されているが、これらのシステムのモデル
は、ピッチバイアス運動量によってロー及びヨー力学を
結び付けている。そして、これらのシステムは、運動量
バイアスを供給するピッチ運動量ホイールを含んでいる
衛星に対して使用され得るのみである。多くの条件の下
で、ピッチバイアス運動量はロール及びヨー姿勢動作の
間を結び付けることになる。このような結び付けられた
動作は、制御を複雑にすると共に、達成し得るヨー及び
ロール姿勢を制限する可能性がある。例えば、ピッチバ
イアス運動量衛星においてヨーの方位を変更するために
は、ヨートルクを加えて、ジャイロスコープ結合による
補償用ロールトルクを加えることが必要である。通常、
これは好ましくないことに、燃料を余計に消耗すること
になる。
【0014】図3において説明したように、ヨーは周囲
の妨害トルクを考慮せずに推定される。周囲の妨害トル
クの影響を考慮しない場合には、ヨーが示す精度は要望
するほど正確なものではないということがわかった。図
3では、ブロック360として示されている平均化回路
がロールタコメータ212bに接続されており、平均化
回路360は好ましくは、衛星の軌道の1回り以上のよ
うな長期間にわたってホイール速度信号を平均化する。
ロールホイール速度平均信号は経路362を通って、ロ
ール/ヨー軌道運動学モデル314に供給される。同様
なヨーホイール速度平均化装置364が、ヨーホイール
速度平均信号を発生すべく、ヨータコメータ216bに
接続されており、このヨーホイール速度平均信号は経路
366を通って、ロール/ヨー軌道運動学モデル314
に供給される。
【0015】図4において、ピッチ実測値(θ)が地球
センサ16(図3)からデータパス350を介して、係
数Kpzの乗算用のスカラ乗算器410と、積分及び係
数Kizの乗算用の積分器414と、微分及び係数Kd
zの乗算用の微分器416とに並列に供給される。その
結果の比例積分微分(PID)信号は、加算回路412
で加算される。PID制御が好ましいものであるが、定
常的なセンサエラーが重要でない多くの制御用途に対し
ては、PD(比例微分)制御で十分であることがわかっ
ている。加算器412の出力におけるピッチPID信号
は、増幅器220aにおいて増幅され、必要によりアナ
ログからディジタルに変換される。増幅された信号は、
ピッチホイール218に供給される。更に以下において
説明される本発明の特定の実施例では、ピッチホイール
力学は、増幅された信号電圧が1/600秒よりも大き
い増幅信号周波数用の比例ピッチ本体トルクになること
を意味している変換関数75s/(600s+1)によ
って、ラプラス領域で表される。
【0016】図5において、ロール実測値(φ)が地球
センサ16(図3)からデータパス352を介して、係
数Kpyの乗算用のスカラ乗算器510と、積分及び係
数Kiyの乗算用の積分器514と、微分及び係数Kd
yの乗算用の微分器516とに並列に供給される。その
結果の比例積分微分(PID)信号は、加算回路512
で加算される。加算器512の出力におけるロールPI
D信号は、増幅器212aにおいて増幅される。増幅さ
れた信号は、ロールホイール210に供給される。本発
明の上述した実施例においては、ロール及びピッチ反動
ホイール力学は同じである。
【0017】図6の更に詳細なブロック図では、図3の
地球センサ16からのロール実測信号(φ)は、データ
パス352を介して加算器610の非反転(+)入力ポ
ートに供給される。加算器610は又、後述するように
得られるロール推定値信号をその反転(−)入力ポート
に受け取る。加算器610の出力は、「推定器」エラー
と称されるシステムエラーである。この推定器エラーは
データパス612を介して、選択された定数の乗算用の
スカラ乗算器614、616、644及び646に供給
される。乗算器614によって係数を掛けられた推定器
エラーは、ヨートランスレータ318によって図3のヨ
ー反動ホイールから変換されたヨートルク実測値、及び
スカラ乗算器648から出力されたロールジャイロスコ
ープトルクと共に、加算器618の(+)入力ポートに
供給される。同様に、乗算器616によって係数を掛け
られた推定器エラーは、ロールトランスレータ316に
よって図3のロール反動ホイールから変換されたロール
トルク実測値と共に、加算器320の(+)入力ポート
に供給される。スカラ乗算器650から出力されたヨー
ジャイロスコープトルクが、加算器620の(−)入力
ポートに供給される。加算器618及び620からの出
力信号は、それぞれ全体的ヨー及び全体的ロール本体ト
ルクである。
【0018】図6において参照番号312で全体的に示
されており、更に特定して言えば参照番号622で示さ
れている衛星の剛体力学モデルは、ブロック624、6
26、628、630、648及び650で表されてい
る。加算器620から出力される全体的ロール本体トル
クは、スカラ乗算器626に供給され、スカラ乗算器6
26は、全体的ロール本体トルクを公知の衛星ロール軸
回転慣性(Iy)によって割り、ロール加速度dωy /
dtを発生する。同様に、加算器618から出力される
全体的ヨー本体トルクは、スカラ乗算器624に供給さ
れ、スカラ乗算器624は、全体的ヨー本体トルクを公
知の衛星ヨー軸回転慣性(Ix)によって割り、ヨー加
速度dωx /dtを発生する。乗算器624及び626
からそれぞれ出力されるヨー及びロール本体加速度は、
時間積分器628及び630にそれぞれ供給されて、ヨ
ー及びロール本体角速度ωx 及びωy をそれぞれ発生す
る。ロール/ヨー剛体力学モデル312の出力は、ヨー
及びロール本体角速度の推定値ωx 及びωy である。積
分器628から出力されるヨー本体角速度は、スカラ乗
算器650に供給され、スカラ乗算器650は、公知の
衛星ピッチ回転慣性(Iz )とロール慣性(Iy )との
差と、衛星の軌道速度(ωo )との積をヨー本体角速度
に掛けて、ジャイロスコープロールトルクを発生する。
積分器630から出力されるロール本体角速度は、スカ
ラ乗算器648に供給され、スカラ乗算器648は、公
知の衛星ピッチ回転慣性(Iz )とヨー慣性(Ix )と
の差と、衛星の軌道速度(ωo )との積を全体的ロール
本体角速度に掛けて、ジャイロスコープヨートルクを発
生する。ブロック648は、ロール軸の周りの回転を地
球の周りの衛星の軌道回転によるヨートルクに結合する
ことを表している。同様にブロック650は、ヨー軸の
周りの回転を地球の周りの衛星の軌道回転によるロール
トルクに結合することを表している。
【0019】図6のロール/ヨー軌道運動学推定器31
4は、ヨー加算回路632を含んでおり、ヨー加算回路
632は(+)入力ポートに、乗算器644によって係
数を掛けられた推定器エラーと共に、ヨー本体角速度推
定値ωx を受け取る。同様に、図6の推定器314はロ
ール加算回路634を含んでおり、ロール加算回路63
4は(+)入力ポートに、乗算器646によって係数を
掛けられた推定器エラーと共に、ロール本体角速度推定
値ωy を受け取る。加算器632はヨー姿勢速度推定値
dψ/dtを発生し、このヨー姿勢速度推定値は、ヨー
/ロール軌道結合作用を含んでいるという点において、
本体ヨー速度ωx と異なっている。同様に、加算器63
4はロール姿勢速度推定値dφ/dtを発生し、このロ
ール姿勢速度推定値は、ヨー/ロール軌道結合作用を含
んでいるという点において、本体ロール速度ωy と異な
っている。
【0020】加算器632及び634の出力は、時間積
分器638及び636にそれぞれ供給され、時間積分器
638及び636は、ヨー及びロール姿勢速度推定値を
それぞれ積分して、ヨー及びロール姿勢推定値ψ及びφ
をそれぞれ発生する。時間積分器636の出力における
ロール推定値は、衛星の軌道角速度を表す係数ωo を掛
けるスカラ乗算器640を介して、加算器632の
(+)入力にフィードバックされる。積分器636から
出力されるロール推定値は、加算器610の反転入力に
供給される。同様に、時間積分器638の出力における
ヨー推定値は、スカラ乗算器642においてωo を掛け
られて、加算器634の反転(−)入力に供給される。
積分器638から出力されるヨー推定値は、システムモ
デル310の所望の出力である。
【0021】システムモデル310からのヨー出力推定
値は、図3のヨー制御補償器334に供給される。ヨー
制御補償器334は、ピッチ又はロール補償器330又
は332と同じである。本発明の基礎となる概念を理解
するために、推定器を用いてヨー姿勢を制御することに
ついて考える。推定器の本質は、軌道を回る宇宙船のロ
ール/ヨー軌道運動学及びロール/ヨー剛体力学の簡略
化された4次の自由数学モデルによって表される。自由
度は状態ベクトルXとして、次のように表される。
【0022】X=[ヨー(ψ),ロール(φ),ヨー速
度(ωx ),ロール速度(ωy )] 4つの状態に対する微分方程式は、次の通りである。 dψ/dt=ωx +ωo φ dφ/dt=ωy −ωo ψ dωx /dt=Ix -1[Tx +(Iz −Iy )ωo ωy ] dωy /dt=Iy -1[Ty −(Iz −Ix )ωo ωx ] (1) ここで、Ix 、Iy 及びIz は、質量中心の周りの宇宙
船のヨー、ロール及びピッチ回転慣性であり、Tx 及び
Ty は全体的ヨー及びロールトルクであり、ωo は軌道
角速度である。
【0023】状態方程式は相互に結合しているので、衛
星ロール姿勢実測値φのみを知ることにより、ヨー姿勢
推定値ψ及び本体速度推定値ωx を復元することが数学
的に可能である。これは、実際の衛星ヨー、ロール、ヨ
ー速度及びロール速度の状態の推定器として、即ち自由
度が4次の自由モデルを使用することを可能にする。こ
の推定器は、(地球センサ又は他の手段によって検知さ
れた)衛星ロール実測値とロール推定値との差を生成し
て、推定器エラーを出力する。それから、推定器はモデ
ルを推定器エラーで駆動して、その状態を実際の衛星状
態に収束させる。この収束させる動作は、推定器利得
(Ke(1)からKe(4))を掛けた推定器エラーを
4つの状態に対する動作の4つの微分方程式の各々に加
えることにより達成される。
【0024】図6で説明したような本発明の実際の実施
例は、100分軌道周期で動作する次のような衛星にお
いて実施された。即ち、この衛星は、力学が上述したよ
うに定義されている同一のヨー、ロール及びピッチ反動
ホイールを有していると共に、0.1ラジアン/秒の帯
域幅に調整されており同様に整調されたヨー、ロール及
びピッチ姿勢制御補償器(図3の参照番号330、33
2及び334)を有しており、推定器利得がKe
(1)、Ke(2)、Ke(3)及びKe(4)に対し
て、それぞれ−960.0、0.609、−0.384
及び−0.899である。ジャイロスコープで作動する
ヨー制御システムが動作できずに、上述した推定器に衛
星のヨー姿勢の制御が与えられたときに、時間の関数と
してのヨー姿勢エラーを測定した。図7は送信されたデ
ータのコピーである。図7において、参照番号710で
示されている曲線は、ヨー姿勢エラーの度数を表してい
る。図7では時間軸に沿った約72分の所において、制
御が本発明のヨー推定器に移された。ゼロのエラーから
始まって、システムは収束し、約80分の所(曲線71
0の部分712)においてヨー姿勢を安定化させてい
る。領域714は、モデル化されていない周囲の妨害ト
ルクに応答した推定器の制御を表している。曲線710
の中断部716は、データの欠落を示している。約98
分の所において、推定器はテストとしてゼロの初期状態
で再スタートした。再び、十分に理解できない理由によ
り、推定器は反対方向に短い過渡現象を示している。1
10分に続いて、システムは再び安定化するが、領域7
20では衛星の自動磁気運動量アンローディングシステ
ムによって乱された。このようなアンローディングは、
妨害運動量の蓄積のため、正常な衛星動作の間に周期的
に発生する。120分から150分の間では、曲線71
0の領域722のように、かき乱されない推定器のヨー
制御が現れる。150分の後に、推定器の応答を妨げる
他の自動磁気運動量アンローディング現象が発生する。
曲線のかき乱されていない部分から、ヨー制御推定値を
使用して動作しているときにヨーエラーが約3度を超え
ていないことは明らかである。約1.5度の一定の負の
オフセットは、モデル化されていない一定の空気力学本
体の一定のヨートルクに帰因している。
【0025】図6に関連して説明した推定器の設計で
は、妨害トルクはモデルとして取り入れられていない。
一定のヨー妨害トルクは一定のロール反動ホイール速度
オフセット(ホイール速度が対称的に変化する一定値)
になり、同様に、一定のロール妨害トルクは一定のヨー
反動ホイール速度オフセットになるので、本発明による
推定器は、図8において示すように、平均化されたヨー
及びロール軸反動ホイール速度(又はこれらの成分)か
ら一定のヨー及びロール軸周囲妨害トルクTxo及びTyo
を更に次のように計算している。
【0026】 Txo=ωo Jy Sy,ave. (2) Tyo=−ωo Jx Sx,ave. (3) ここで、ωo は衛星の軌道速度(ラジアン/秒)を表す
スカラ値であり、Jx 及びJyは、ヨー及びロール反動
ホイール回転慣性を表すスカラであり、Sx,ave.及びS
y,ave.は、1軌道以上の期間にわたって平均化されたヨ
ー及びロール反動ホイール速度であり、次式の通りであ
る。
【0027】
【数1】
【0028】ここで、Tは宇宙船の軌道周期T秒(以
上)である。一定成分のヨー及びロール妨害トルク信号
Txo及びTyoは、その後、改良された補正を行うために
他のトルク推定値と加算される。図8は図6に類似して
おり、対応する構成要素は同じ参照番号で示されてい
る。図8は、ブロック364からのヨー反動ホイール速
度平均化信号が経路366を通って加算回路618の他
の非反転ポートに供給されると共に、同様にブロック3
60からのロール反動ホイール速度平均化信号が経路3
62を通って加算回路620の他の非反転ポートに供給
される点において、図6と異なっている。上述したよう
に、平均反動ホイール速度は、衛星の本体軸の方向にお
ける妨害トルクの一定成分を表している。衛星が地球の
周囲を軌道を描いて回るときに衛星を適切に方向付ける
ために、トランスレータ316及び318によって出力
されるような制御トルク信号が必要であるように、妨害
トルクを補償するためには平均化装置360及び364
によって出力される妨害トルク信号が必要である。両ト
ルクは、同時に作用するので、加算回路618及び62
0において同時に加算される。ロール/ヨー軌道運動学
モデル及びロール/ヨー剛体力学モデルは、図6に関連
して説明したように組み合わせられたトルクに対して作
動する。
【0029】図9は、図7に関連して説明したものと同
じ宇宙船を示しているシュミレートされたヨー指示を曲
線910で図示している。図示のように、曲線910は
定常的なヨー指示エラーが3゜であることを示してい
る。図9の曲線912は、図8に示す妨害トルク推定器
を追加した同じ宇宙船のシュミレーションである。曲線
912で示すように、定常的なヨー指示エラーは0.6
8゜であり、非常に改良されていることを示している。
【0030】本発明の他の実施例については、当業者に
明らかであろう。例えば、アナログ及びディジタル動作
制御は、必要に応じて自由に変更できるものである。
又、図6のヨー制御補償器334に用いられているヨー
速度推定値は、上述したようにヨー推定値を微分するこ
とにより得られたり、又は代わりに、積分器628の出
力から直接得られ得る。推定器の利得は、数値極配置ア
ルゴリズム(numericalpole-placement algorithm)、
線形二次レギュレータアルゴリズム(Linear Quadratic
Regulator algorithm)、又は他の方法を用いることに
より計算することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】軌道を回る衛星の簡略化された全体図である。
【図2】図1に示す衛星の一部の簡略化された想像図で
ある。
【図3】衛星姿勢制御システムの簡略化されたブロック
図である。
【図4】図3のシステムの一部の簡略化されたブロック
図である。
【図5】図3のシステムの一部の簡略化されたブロック
図である。
【図6】ロール及びヨー剛体力学、並びに軌道運動学の
モデルの簡略化されたブロック図である。
【図7】図6によるジャイロスコープのないヨー制御シ
ステムを使用した衛星のヨー性能を示す図である。
【図8】妨害トルク補償器を有しているロール及びヨー
剛体力学、並びに軌道運動学のモデルの簡略化されたブ
ロック図である。
【図9】参考のために図6の性能を有する図8のシステ
ムのシュミレートされたヨー性能を示す図である。
【符号の説明】
8 人工衛星 10 本体 12 地球 16 地球センサ 20 ヨー軸 22 ロール軸 24 ピッチ軸 210 ロール反動ホイール 214 ヨー反動ホイール 218 ピッチ反動ホイール 312 ロール/ヨー剛体力学モデル 314 ロール/ヨー軌道運動学モデル 330 ピッチ制御補償器 332 ロール制御補償器 334 ヨー制御補償器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン・バターソン・ステッソン,ジュ ニア アメリカ合衆国、ペンシルバニア州、ニ ュー・ホープ、485・ストリート・ロー ド、アールディー・ナンバー2(番地な し) (56)参考文献 特開 昭60−116599(JP,A) 特開 昭62−175300(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B64G 1/28

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軌道面にジャイロスコープを有しておら
    ず、動作するジャイロスコープがない状態で方向基準を
    導出しているゼロ運動量人口衛星の方向を天体に対して
    制御する姿勢制御システムであって、 前記衛星の運動に平行であるロール軸と、地球を指示し
    ているヨー軸とを画定しており、前記ヨー軸及びロール
    軸の周りにヨー及びロール本体慣性をそれぞれ有してい
    る衛星本体と、 それぞれが前記衛星のロール及びヨー軸に沿った運動量
    成分を有しており、前記本体上に取り付けられている第
    1及び第2の反動ホイールと、 前記本体に取り付けられており、前記天体に対する前記
    衛星のロール姿勢を表す信号を発生する地球検知手段
    と、 前記第1及び第2の反動ホイールにそれぞれ接続されて
    おり、前記衛星のヨー及びロール軸の周りのトルク指令
    を表すトルク指令信号の制御の下で前記ホイールを加速
    する第1及び第2の反動ホイール駆動手段と、 前記第1及び第2の反動ホイールにそれぞれ接続されて
    おり、前記反動ホイールの角速度を表す速度信号を発生
    する第1及び第2のタコメータ手段と、 前記地球検知手段と、前記第1及び第2の反動ホイール
    駆動手段の少なくとも一方とに接続されており、前記ロ
    ール姿勢の少なくとも比例及び速度補償をもって前記ロ
    ール姿勢エラー信号を処理し、前記ロール軸の周りの前
    記トルク指令を表す前記トルク指令信号を発生し、前記
    反動ホイールの少なくとも関連する1つを加速するロー
    ル姿勢制御手段と、 前記第1及び第2の反動ホイール駆動手段の少なくとも
    1つに接続されており、ヨー姿勢の少なくとも比例及び
    速度補償をもって推定ヨー信号を処理し、前記ヨー軸の
    周りの前記トルク指令を表す前記トルク指令信号を発生
    し、前記反動ホイールの少なくとも関連する1つを加速
    するヨー姿勢制御手段と、 前記第1及び第2のタコメータ手段の少なくとも1つに
    接続されており、ロール反動ホイールトルク表示信号を
    発生すべく、前記速度信号を微分するロール反動ホイー
    ルトルク変換手段と、 前記第1及び第2のタコメータ手段の少なくとも1つに
    接続されており、ヨー反動ホイールトルク表示信号を発
    生すべく、前記速度信号を微分するヨー反動ホイールト
    ルク変換手段と、 前記地球検知手段と、前記ロール及びヨー反動ホイール
    トルク変換手段と、前記第1及び第2の反動ホイール駆
    動手段の少なくとも1つとに接続されており、前記衛星
    の線形化されたロール/ヨー軌道運動学をモデル化し、
    前記衛星のロール/ヨー剛体力学を更にモデル化し、前
    記ロール姿勢を表す信号及び前記ヨー及びロール反動ホ
    イールトルク表示信号を前記モデルに供給し、前記衛星
    のヨー軸の周りのトルク指令を表す信号を発生すると共
    に前記第1及び第2の反動ホイール駆動手段の前記少な
    くとも1つに供給するヨー推定手段と、 (a)前記第1及び第2のタコメータ手段の少なくとも
    1つに接続されており、前記反動ホイールの前記1つの
    平均速度を表す平均速度信号を発生する平均速度測定手
    段と、 (b)該平均速度測定手段に接続されており、妨害トル
    クの一定成分を表す妨害トルク表示信号を発生すべく、
    前記平均速度信号に反動ホイールジャイロスコープ運動
    量を表す係数を掛ける係数乗算手段とを含んでいる妨害
    トルク推定手段と、 該妨害トルク推定手段と、前記ヨー推定手段とに接続さ
    れており、前記妨害トルク表示信号を前記ヨー及びロー
    ル反動ホイールトルク表示信号の1つに加える加算手段
    とを備えた姿勢制御システム。
  2. 【請求項2】 前記反動ホイールの両軸は、直交してお
    らず、 前記タコメータ手段と、前記ホイール駆動手段とに接続
    されており、前記非直交軸間の座標を直交軸間の座標に
    変換する運動量軸変換手段を更に含んでいる請求項1に
    記載のシステム。
  3. 【請求項3】 前記第1の反動ホイールは、ヨー反動ホ
    イールであり、前記ヨー推定手段が接続されている前記
    第1及び第2の反動ホイールの前記1つは、前記ヨー反
    動ホイールである請求項1に記載のシステム。
  4. 【請求項4】 前記衛星は更に、ピッチ軸の周りにピッ
    チ慣性を画定しており、前記ヨー推定手段は、ロール/
    ヨー剛体力学モデル化手段を含んでおり、該ロール/ヨ
    ー剛体力学モデル化手段は、 推定ロール及びヨー本体速度信号、並びに係数を掛けら
    れた推定ロールエラー信号に応答して、推定ヨー及びロ
    ール信号を発生するヨー及びロール推定手段と、 前記地球検知手段と、前記ヨー及びロール推定手段とに
    接続されており、前記ロール表示信号と推定ロール信号
    との差を表す前記推定ロールエラー信号を発生する第1
    の差分発生手段と、 該第1の差分発生手段に接続されており、第1及び第2
    の係数を掛けられた推定ロールエラー信号を発生すべ
    く、前記推定ロールエラー信号に第1及び第2のスカラ
    量を掛ける第1及び第2の係数乗算手段と、 該第1の係数乗算手段と、前記ヨー反動ホイールトルク
    変換手段とに接続されており、前記ヨー反動ホイールト
    ルク表示信号、前記係数を掛けられた推定ロールエラー
    信号及び推定ヨージャイロスコープトルク信号を加算し
    て、推定ヨートルク信号を発生する第1の加算手段と、 前記第2の係数乗算手段と、前記ロール反動ホイールト
    ルク変換手段とに接続されており、前記ロール反動ホイ
    ールトルク表示信号、前記係数を掛けられた推定ロール
    エラー信号及び推定ロールジャイロスコープトルク信号
    を加算して、推定ロールトルク信号を発生する第2の加
    算手段と、 前記第1の加算手段に接続されており、前記推定ヨート
    ルク信号を前記衛星のヨー慣性により除した商を積分す
    ることにより推定ヨー本体速度を発生するヨー本体速度
    推定手段と、 前記第2の加算手段に接続されており、前記推定ロール
    トルク信号を前記衛星のロール慣性により除した商を積
    分することにより推定ロール本体速度を発生するロール
    本体速度推定手段と、 該ロール本体速度推定手段と、前記第1の加算手段とに
    接続されており、推定ヨージャイロスコープトルク信号
    を発生すべく、前記ピッチ及びロール本体慣性の差に軌
    道速度を掛けると共に、前記推定ヨージャイロスコープ
    トルク信号を前記第1の加算手段に供給するヨー/ロー
    ル交差結合トルク推定手段と、 前記ヨー本体速度推定手段と、前記第2の加算手段とに
    接続されており、推定ロールジャイロスコープトルク信
    号を発生すべく、前記ピッチ及びヨー本体慣性の差に軌
    道速度を掛けると共に、前記推定ロールジャイロスコー
    プトルク信号を前記第2の加算手段に供給するロール/
    ヨー交差結合トルク推定手段とを含んでいる請求項1に
    記載のシステム。
  5. 【請求項5】 前記ヨー推定手段は、ロール/ヨー軌道
    運動学モデル化手段を含んでおり、該ロール/ヨー軌道
    運動学モデル化手段は、 前記第1の差分発生手段に接続されており、第3及び第
    4の係数を掛けられた推定ロールエラー信号を発生する
    第3及び第4の係数乗算手段と、 前記ロール/ヨー剛体力学モデル化手段と、前記第3の
    係数乗算手段とに接続されており、推定ヨー姿勢速度信
    号を発生すべく、前記推定ヨー信号、前記第3の係数を
    掛けられた推定ロールエラー信号及びヨー姿勢運動学補
    正信号を共に加算する第3の加算手段と、 前記ロール/ヨー剛体力学モデル化手段と、前記第4の
    係数乗算手段とに接続されており、推定ロール姿勢速度
    信号を発生すべく、前記推定ロール信号、前記第4の係
    数を掛けられた推定ロールエラー信号及びロール姿勢運
    動学補正信号を共に加算する第4の加算手段と、 該第4の加算手段と、前記第1の差分発生手段とに接続
    されており、前記推定ロール姿勢信号を発生すべく、前
    記推定ロール姿勢速度信号を積分する第3の積分手段
    と、 前記第3の加算手段と、前記第1の差分発生手段と、前
    記ヨー姿勢制御手段とに接続されており、前記推定ヨー
    姿勢信号を発生すべく、前記推定ヨー姿勢速度信号を積
    分する第4の積分手段と、 前記第3及び第4の積分手段にそれぞれ接続されている
    と共に、前記第3及び第4の加算手段にそれぞれ接続さ
    れており、前記ヨー及びロール姿勢運動学補正信号をそ
    れぞれ発生すべく、前記推定ロール及びヨー信号に前記
    軌道速度を表す信号をそれぞれ掛けるロール及びヨー軌
    道速度係数乗算手段とを含んでいる請求項4に記載のシ
    ステム。
  6. 【請求項6】 前記平均速度測定手段は、 前記第1及び第2のホイールタコメータ手段の少なくと
    も一方に接続されており、累積信号を発生すべく、ホイ
    ール速度を表す信号を一定期間累積する積分手段と、 該積分手段に接続されており、前記累積信号を前記累積
    期間で除する除算手段とを含んでいる請求項5に記載の
    システム。
  7. 【請求項7】 天体に対するゼロ運動量人工衛星の方向
    を制御する方法であって、前記衛星は、軌道面にジャイ
    ロスコープを有しておらず、作動するジャイロスコープ
    のない状態で方向基準を導出しており、前記衛星の本体
    は、前記衛星の運動に平行であるロール軸と、地球を指
    示しているヨー軸とを画定しており、前記衛星の本体
    は、前記ヨー及びロール軸の周りにヨー及びロール本体
    慣性をそれぞれ有しており、前記方法は、 前記衛星のロール及びヨー軸に沿った運動量成分をそれ
    ぞれ発生するように、前記本体に取り付けられている第
    1及び第2の反動ホイールを回転させ、 前記天体に対する前記衛星のロール姿勢を表す信号を発
    生し、 前記ロール軸の周りの前記ロール姿勢を表すトルク指令
    信号を発生し、 該トルク指令信号を前記第1及び第2の反動ホイールの
    少なくとも1つに供給し、 前記反動ホイールの有効角速度を表すロール反動ホイー
    ル速度信号を発生し、 前記反動ホイールの有効角速度を表すヨー反動速度信号
    を発生し、 ロール反動ホイールトルク表示信号を発生すべく、前記
    反動ホイール速度信号を微分し、 ヨー反動ホイールトルク表示信号を発生すべく、前記ヨ
    ー反動ホイール速度信号を微分し、 ロール/ヨー軌道運動学モデルを生成するように、前記
    衛星の線形化されたロール/ヨー軌道運動学をモデル化
    し、 ロール/ヨー剛体力学モデルを生成するように、前記衛
    星のロール/ヨー剛体力学をモデル化し、 推定ロール及びヨー本体速度信号を発生するように、前
    記ロール姿勢エラーを表す信号、並びに前記ヨー及びロ
    ール反動ホイールトルク表示信号を前記ロール/ヨー剛
    体力学モデルに供給し、 推定ヨー及びロール姿勢エラー信号を発生するように、
    前記ロール及びヨー本体速度信号、並びに前記ロールエ
    ラー信号を前記ロール/ヨー軌道運動学モデルに供給
    し、 前記ヨー軸の周りの前記推定ヨーエラーを表すヨートル
    ク指令信号を発生し、 前記ホイールを加速し、ヨートルクを発生するように、
    前記ヨートルク指令信号を前記反動ホイールの少なくと
    も関連する1つに供給し、 平均ホイール速度信号を発生するように、前記ヨー及び
    ロール反動ホイール速度信号の少なくとも1つの速度を
    平均化し、 周囲の妨害トルクの一定成分を表す妨害トルク信号を発
    生するように、軌道速度を掛けられた反動ホイール極慣
    性の積を前記平均ホイール速度信号に係数として掛け、 周囲の妨害トルクの一定成分を補正するように、前記妨
    害トルク信号を前記反動ホイールトルク表示信号の1つ
    と加算する段階を含んでいる、人工衛星の方向を制御す
    る方法。
  8. 【請求項8】 前記衛星は更に、ピッチ軸の周りにピッ
    チ慣性を画定しており、前記衛星の前記ロール/ヨー剛
    体力学をモデル化する前記段階は更に、 推定ロールエラーを表す信号を発生するように、前記ロ
    ールを表す信号と推定ロール信号との差をとる段階と、 第1及び第2の係数を掛けられた推定ロールエラー信号
    を発生するように、前記推定ロールエラー信号に第1及
    び第2のスカラ量をそれぞれ掛ける段階と、 推定ヨートルク信号を発生するように、前記ヨー反動ホ
    イールトルク表示信号、前記係数を掛けられた推定ロー
    ルエラー信号及び推定ヨージャイロスコープトルク信号
    を加算する第1の加算段階と、 推定ロールトルク信号を発生するように、前記ロール反
    動ホイールトルク表示信号、前記係数を掛けられた推定
    ロールエラー信号及び推定ロールジャイロスコープトル
    ク信号を加算する第2の加算段階と、 前記推定ヨートルク信号を前記衛星のヨー慣性により除
    した商を積分することにより推定ヨー本体速度を発生す
    る段階と、 前記推定ロールトルク信号を前記衛星のロール慣性によ
    り除した商を積分することにより推定ロール本体速度を
    発生する段階と、 推定ヨージャイロスコープトルク信号を発生するよう
    に、前記ピッチ及びロール本体慣性の差と、軌道速度と
    の積を前記推定ロール本体速度に掛ける段階と、 前記推定ヨージャイロスコープトルク信号を前記第1の
    加算段階に供給する段階と、 推定ロールジャイロスコープトルク信号を発生するよう
    に、前記ピッチ及びヨー本体慣性の差と、軌道速度との
    積を前記推定ヨー本体速度に掛ける段階と、 前記推定ロールジャイロスコープトルク信号を前記第2
    の加算段階に供給する段階を含んでいる請求項7に記載
    の方法
  9. 【請求項9】 前記衛星の前記ロール/ヨー剛体力学を
    モデル化する前記段階は、 第3及び第4の係数を掛けられた推定ロールエラー信号
    を発生するように、前記推定ロールエラー信号に係数を
    掛ける段階と、 推定ヨー姿勢速度信号を発生するように、前記推定ヨー
    信号、前記第3の係数を掛けられた推定ロールエラー信
    号及びヨー姿勢運動学補正信号を共に加算する段階と、 推定ロール姿勢速度信号を発生するように、前記推定ロ
    ール信号、前記第4の係数を掛けられた推定ロールエラ
    ー信号及びロール姿勢運動学補正信号を共に加算する段
    と、 前記推定ロール姿勢信号を発生するように、前記推定ロ
    ール姿勢速度信号を積分する段階と、 前記推定ヨー姿勢信号を発生するように、前記推定ヨー
    姿勢速度信号を積分する段階と、 前記ヨー及びロール姿勢運動学補正信号をそれぞれ発生
    するように、前記推定ロール及びヨー信号に前記軌道速
    度を表す信号をそれぞれ掛ける段階を含んでいる請求項
    8に記載の方法。
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