JP2657589B2 - 複合樹脂組成物の製造法 - Google Patents

複合樹脂組成物の製造法

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JP2657589B2 JP3180396A JP18039691A JP2657589B2 JP 2657589 B2 JP2657589 B2 JP 2657589B2 JP 3180396 A JP3180396 A JP 3180396A JP 18039691 A JP18039691 A JP 18039691A JP 2657589 B2 JP2657589 B2 JP 2657589B2
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雅文 大石
博 西本
孝夫 安藤
幸生 柴田
俊昭 岡本
桂 合田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂とポリウレ
タンとの複合樹脂組成物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂とポリウレタンとの
複合樹脂組成物の製造法としては、(i)熱可塑性樹脂
とポリウレタンとを溶融混練する方法、および(ii)
分散剤不存在下、熱可塑性樹脂中で、活性水素含有化合
物とポリイソシアネートとを重合し、ポリウレタンを形
成させる方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記
(i)の方法は、ポリウレタンを予め製造したうえで溶
融混練するため、工程が多く、かつ複合化後の分散状態
も十分でない。また(ii)の方法は、分散剤を使用し
ていないために複合化後の分散状態が十分でない。すな
わち、いずれの方法も複合化の効果が十分に発現されて
いないことにより、例えば衝撃強度や引張強度などの機
械物性が不十分である、という問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、製造工程
が短く、分散状態が良好であり、上記物性が向上した複
合樹脂組成物を得るべく鋭意検討した結果、本発明に到
達した。すなわち本発明は、溶融した熱可塑性樹脂
(A)中で、ポリオールからなる2個以上の活性水素を
有する化合物(B)とポリイソシアネート(C)とを下
記分散剤(D)の存在下で重合し、(A)、ポリウレタ
ン(PU)および(D)の複合体を形成させることを特
徴とする複合樹脂組成物の製造法である。 分散剤(D):下記の特性との特性あるいはの特
性とを併せて有する分散剤。 (A)と相溶性もしくは反応性を有する。 (B)および/または(C)と反応性を有する。 (PU)と相溶性を有する。
【0005】本発明において、熱可塑性樹脂(A)とし
ては、例えばビニル化合物の(共)重合体、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリイミド、ポリ(チオ)エーテルな
どで熱可塑性のものが挙げられる。
【0006】これらのうち、ビニル化合物の(共)重合
体を構成するビニル化合物としては、オレフィン類(エ
チレン、プロピレン、ブテン−1、イソブテン、4−メ
チルペンテン−1、オクテンなど);芳香族ビニル炭化
水素またはその置換体(スチレン、α−メチルスチレ
ン、t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、アセトキ
シスチレン、ビニルトルエンなど);(メタ)アクリル
酸およびそのアルキル(炭素数1〜18)エステル(ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸メチルなど);ビニルエーテル(メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピ
ルビニルエーテルなど);ビニルアルコール誘導体(酢
酸ビニル、酪酸ビニルなど);(メタ)アクリロニトリ
ル;(メタ)アクリルアミドおよびそのN置換誘導体;
ジエン類(ブタジエン、イソプレンなど);エチレンの
ハロゲン置換化合物(塩化ビニル、塩化ビニリデン、テ
トラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンなど);不飽
和ポリカルボン酸(マレイン酸、フマル酸など)もしく
はその無水物、ハロゲン化物、アルキル(炭素数1〜1
8)エステル化物などが挙げられる。
【0007】またこれらのビニル化合物の重合体または
共重合体としては、例えばポリオレフィン系熱可塑性樹
脂[ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オ
レフィン共重合体(エチレン−プロピレン共重合体、エ
チレン−ブテン−1共重合体など)、オレフィン−ジエ
ン共重合体(EPDMなど)、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、塩素
化ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレンな
ど]の他、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリメタク
リル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルア
ミド、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリブ
タジエン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ABS樹脂、AS樹脂などを挙げることができる。
【0008】ポリエステルとしては、芳香族ポリエステ
ル類[芳香族ジカルボン酸エステル類の重合体(ポリエ
チレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、
ビスフェノールAとテレフタル酸および/またはイソフ
タル酸との重縮合物など)、パラオキシ安息香酸の重縮
合物など];脂肪族ポリエステル[脂肪族ジカルボン酸
エステル類の重合体(ポリブチレンアジペート、ポリエ
チレンアジペートなど)など];ポリカ−ボネ−ト;並
びにこれらの2種以上の共エステル化物やこれら重合体
を構成する化合物とアルキレンオキシド(ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコールなど)との共重
縮合物が挙げられる。
【0009】ポリアミドとしては、6−ナイロン、6,
6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロン、
12−ナイロン、4,6−ナイロン等およびこれらの2
種以上の共アミド化物やこれら重合体を構成する化合物
とポリエステルを構成する化合物もしくはアルキレンオ
キシド(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コールなど)との共重縮合物があげられる。
【0010】ポリイミドとしてはピロメリット酸と1,
4−ジアミノベンゼンとの重縮合物など;ポリイミドを
構成する化合物と上記ポリアミドを構成する化合物との
共重縮合物、すなわちポリアミドイミドなどが挙げられ
る。
【0011】ポリ(チオ)エ−テルとしては、ポリフェ
ニレンエ−テル、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサル
ホン等およびこれらの2種以上の共エーテル化物があげ
られる。
【0012】これら熱可塑性樹脂(A)のうち好ましい
ものはビニル化合物の(共)重合体、特にポリオレフィ
ン系重合体である。
【0013】以上熱可塑性樹脂(A)として例示したも
のは、2種以上を併用することもできる。
【0014】この熱可塑性樹脂(A)の分子量は通常1
0,000〜3,000,000、好ましくは10,0
00〜1,000,000である。
【0015】本発明において、活性水素を少なくとも2
個有する化合物(B)としては、例えば低分子量ジオー
ル[エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールな
ど];ポリエーテルジオール[上記に例示した低分子量
ジオールのアルキレンオキシド(エチレンオキシド、プ
ロピレンオキシド、ブチレンオキシドなど)付加物、ア
ルキレンオキシドの開環重合物(ポリテトラメチレング
リコールなど)];ポリエステルジオール[脂肪族ジカ
ルボン酸(アジピン酸、マレイン酸、二量化リノレイン
酸など)または芳香族ジカルボン酸(フタル酸、テレフ
タル酸など)と上記に例示した低分子量ジオールとの縮
合ポリエステルジオール、ε−カプロラクトンの開環重
合によるポリラクトンジオールなど];ジアミン類(イ
ソホロンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジ
メチルジシクロヘキシルメタン、ポリエーテルジアミン
など);3価以上のアルコール類(トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3
価以上のアミン類(ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミンなど);アミノアルコール(トリエタノー
ルアミンなど);および上記活性水素含有化合物と下記
ポリイソシアネートとの反応によって得られる活性水素
含有ウレタンプレポリマーなどが挙げられる。
【0016】本発明において、ポリイソシアネート
(C)としては、例えば芳香族ジイソシアネート(トリ
レンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソ
シアネートなど)、脂環式ジイソシアネート(イソホロ
ンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、ジイソ
シアネートメチルシクロヘキサンなど)、脂肪族ジイソ
シアネート(ヘキサメチレンジイソシアネートなど)、
3官能以上のポリイソシアネート[トリフェニルメタン
トリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニ
ル)チオフォスフェート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ートの環状3量体など]、およびこれらと前記活性水素
含有化合物との反応によって得られるイソシアネート基
含有ウレタンプレポリマーなどが挙げられる。
【0017】これら活性水素を少なくとも2個有する化
合物およびポリイソシアネートは、それぞれ2種以上を
併用することもできる。
【0018】分散剤(D)は、(A)中での、(B)と
(C)から形成されるポリウレタンの分散、または
(B)と(C)から形成されるポリウレタン中での
(A)の分散を助ける目的で使用するものである。この
ため、(D)は下記の特性との特性あるいはの特
性とを併せて有する必要がある。 (A)と相溶性もしくは反応性を有する。 (B)および/または(C)と反応性を有する。 (PU)と相溶性を有する。
【0019】このような機能を有する(D)のうち好ま
しいものは、下記一般式(1)または(2)で表される
分散剤である。 R1−L−(X−M−X−L−)nX−M−R2 (1) R1−L−(X−M−X−L−)n2 (2) [各式中、Xは、2官能性の、有機イソシアネート類、
カルボン酸類、アミン類、アルコール類およびエポキシ
類からなる群より選ばれる化合物の残基;R1、R2は、
炭化水素基、アシル基、アルコキシ基、水酸基、メルカ
プト基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、
(無水)カルボン酸基、カルボン酸ハライド基またはア
ルデヒド基;LおよびMは、Xが存在する場合、Xの4
倍以上の分子量を有し、数平均分子量が500〜3,0
00,000の化合物の末端にある官能基を除いた残基
であり、かつこの残基の溶解度パラメ−タ−と(A)の
溶解度パラメーターとの差が0.5以下であるか、もし
くは、この残基の溶解度パラメーターと、(B)と
(C)から形成されるポリウレタンの溶解度パラメータ
ーとの差が0.5以下である化合物の残基;nは0また
は1以上の整数を表す。]
【0020】ここで上記各式の定義中で用いた溶解度パ
ラメーター(SP)とは、凝集エネルギー密度(ΔE)
と分子容(V)の比の平方根で表される。 SP2=ΔE/V
【0021】SPの計算方法は、ロバート エフ.フェ
イダース(RobertF.Fadors)らの著によ
るポリマー エンジニアリング アンド サイエンス
(Polymer engineering and
science)第14巻、151〜154ページに記
載されている。具体的に代表的な樹脂について溶解度パ
ラメーターを例示すると、ビニル系重合体の値はポリエ
チレン=8.6、ポリプロピレン=8.0、ポリスチレ
ン=10.6、ポリメタクリル酸メチル=9.9;ポリ
エステルの値はポリエチレンテレフタレート=12.
4、ポリブチレンテレフタレート=11.7;ポリアミ
ドの値は6−ナイロン=11.9、6,6−ナイロン=
11.9;ポリイミドの値はピロメリット酸と1,4−
ジアミノベンゼンとの重縮合物=19.6;ポリエーテ
ルの値はポリフェニレンエーテル=11.2、ポリオキ
シメチレン=10.0;ポリウレタンの値は1,4−ブ
タンジオールとジフェニルメタンジイソシアネートとの
重付加物=12.3である。ただし微細な構造の違いま
たは樹脂末端の構造により多少これらの値からずれる場
合がある。
【0022】一般式(1)および(2)において、nは
0または1以上の整数、好ましくは0〜3、さらに好ま
しくは0である。
【0023】R1、R2で表す基のうち、炭化水素基とし
ては炭素数1〜18のアルキル基(−CH3基、−CH2
CH3基など)、芳香族炭化水素基(フェニル基、4−
エチルフェニル基、ベンジル基など)が挙げられる。ア
ルコキシ基としては炭素数1〜18のアルコキシ基[−
OCH3基、−OC(CH33基など]が挙げられる。
(無水)カルボン酸基としては−COOH基、−CH
(COOH)CH2COOH基、無水コハク酸基などが
挙げられる。カルボン酸ハライド基としては−COCl
基、−COBr基などが挙げられる。
【0024】(A)の種類により、好ましいR1、R2
変化するが、例えばポリスチレンに対しては炭化水素
基;ポリエステルに対しては水酸基、(無水)カルボン
酸基またはエポキシ基;ポリアミドに対してはアミノ
基、(無水)カルボン酸基;ポリイミドに対してはアミ
ノ基または(無水)カルボン酸基;ポリオレフィンに対
しては炭化水素基である。また、イソシアネート基、エ
ポキシ基、水酸基または(無水)カルボン酸基は、
(B)または(C)と反応する基であり、(A)の種類
にかかわらず好ましい。
【0025】一般式(1)および(2)において、Xは
LとMを結合させる2価の化合物(以下、連結剤とい
う)の残基であり、連結剤としては、有機イソシアネー
ト類、カルボン酸類、アミン類、アルコール類、および
エポキシ類からなる群より選ばれた化合物が挙げられ
る。
【0026】有機イソシアネート類としては、トリレン
ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジ
イソシアアネートなどの有機ジイソシアネート類が挙げ
られる。
【0027】カルボン酸類としては、コハク酸、アジピ
ン酸などのジカルボン酸類、コハク酸ジクロライド、ア
ジピン酸ジクロライドなどのジカルボン酸ハライド類が
挙げられる。
【0028】アミン類としては、エチレンジアミン、ト
リメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのジ
アミン類が挙げられる。
【0029】アルコール類としては、エチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコ
ールなどのジオール類が挙げられる。
【0030】エポキシ類としては、α,ω−ヘキサメチ
レンジエポキシド、α,ω−ポリオキシエチレンジエポ
キシドなどのジエポキシ類が挙げられる。
【0031】これら連結剤として例示したもののうち好
ましいものはトリレンジイソシアネート、ジフェニルメ
タンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
1,6−ヘキサンジイソシアネートなどの有機ジイソシ
アネート類;コハク酸、アジピン酸などのジカルボン酸
類;ならびにコハク酸ジクロライド、アジピン酸ジクロ
ライドなどのジカルボン酸ジハライド類であり、特に好
ましいものはトリレンジイソシアネート、ジフェニルメ
タンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
および1,6−ヘキサンジイソシアネートである。
【0032】LとX間およびMとX間の結合は好ましく
はウレタン結合、エーテル結合、エステル結合、アミド
結合およびイミド結合である。これらの結合部分 (−NHCOO−,−O−,−COO−,−CONH2
−,−CONHCO−)の重量分率は一般式(1)また
は(2)で示される化合物全体の分子量の通常0.00
05〜4%、好ましくは0.001〜3%である。4%
より大きくなるとL、M部分がそれぞれ(B)または、
(C)からの重合体と十分相溶しない場合があり適当で
ない。
【0033】連結剤として先に挙げた2官能性連結剤と
ともに、必要によりグリセリン、イソホロンジイソシア
ネートトリマーなどの3官能性の連結剤を用いて一般式
(1)または(2)で示される化合物に分岐構造を導入
してもよい。この場合、3官能性の連結剤の量は連結剤
全体に対して通常2モル%以下である。2モル%を越え
ると一般式(1)または(2)の化合物全体として3次
元架橋構造が多くなり、本発明における分散剤として好
ましくない。
【0034】Xの分子量は、通常28〜1,000、好
ましくは28〜600である。
【0035】L、Mはそれぞれ、数平均分子量が500
〜3,000,000の化合物から末端基を除いた残基
であって、この残基の溶解度パラメ−タ−と(A)また
は、(B)と(C)から形成されるポリウレタンとの溶
解度パラメーターの差が0.5以下である。(ここで言
う末端基とはR1,R2およびXと結合した基のことであ
る。)0.5%以下の差とすることにより、L、Mと
(A)または、(B)と(C)から形成されるポリウレ
タンとを相溶させることができる。これらの溶解度パラ
メーターの差は好ましくは0.2以下、さらに好ましく
は0.1以下である。
【0036】そのためにもL、Mの一方が(A)と、他
方が前記ポリウレタンと同じ繰り返し単位を有する化合
物の残基を用いることが望ましい。このうち(A)の種
類とL、Mとの関係の一例を示すとポリスチレン樹脂
[(A)の例]とスチレンオリゴマー鎖(LまたはMの
一方の例)、ポリプロピレン樹脂[(A)の例]と水添
イソプレンオリゴマー鎖(LまたはMの一方の例)など
である。
【0037】L、Mの分子量は、Xが存在する場合、X
の分子量の4倍以上であることが必要であり、好ましく
は5〜1,000倍、さらに好ましくは5〜40倍であ
る。この分子量が4倍未満になると、L、M部分が
(A)またはポリウレタンと十分相溶しない場合があり
適当でない。また1,000倍を越えると、一般式
(1)または(2)の化合物の合成時に反応基の濃度が
希薄になりすぎ、反応時間を長く要するなど実用的でな
い。
【0038】L、Mの分子量は、それぞれ数平均で、通
常500〜3,000,000、好ましくは1,000
〜1,000,000である。L、Mとして特に好まし
いものは、水酸基、カルボキシル基またはアミノ基を有
する分子量500〜20,000のオリゴマーと有機ジ
イソシアネート類、ジカルボン酸類、ジアミン類、ジオ
ール類、およびジエポキシ類などとを反応させ、分子量
1,000〜1,000,000とした化合物の残基で
ある。
【0039】L、Mを構成する化合物の末端基としては
水酸基、カルボン酸基、ジカルボン酸ジハライド基、ア
ミノ基などが挙げられる。
【0040】(D)の分子量は数平均で通常800〜
3,000,000、好ましくは1,000〜1,00
0,000である。
【0041】(D)を製造する方法としては、通常、X
を有する連結剤と、L、Mをそれぞれ有する化合物また
はL,Mの構成単位を有する化合物とを反応させる方法
あるいはR1及びR2を有する化合物とL、Mをそれぞれ
有する化合物またはL、Mの構成単位を有する化合物と
を反応させる方法が挙げられる。このときの反応条件と
しては、反応温度は通常10〜300℃、好ましくは5
0〜280℃であり、反応圧力は特に制限はないが、工
業的生産を考えたとき好ましくは減圧(0.1mmH
g)〜20気圧、さらに好ましくは減圧(0.1mmH
g)〜10気圧である。特にLX間、MX間結合を縮合
反応で生々せしめるときは、副成する水や塩化水素など
の低分子量化合物を系外に除去するために系内を減圧に
することが望ましい。溶媒は通常は用いても用いなくて
もよい。溶媒を用いる場合は、L、M各々を有するそれ
ぞれの化合物、およびXを有する連結剤のすべてを均一
に溶解させる溶媒が望ましい。例えばテトラヒドロフラ
ン、N,N−ジメチルホルムアミドである。触媒は通常
用いなくてもよいが、用いてもなんら問題はない。用い
る場合の触媒としては例えばエステル化反応で結合させ
る場合は硫酸、酢酸ナトリウムなど、ウレタン化反応で
結合させる場合はジブチルスズジラウレート、ジオクチ
ルスズジラウレートなどが挙げられる。
【0042】反応容器としては、攪拌装置を付帯した反
応槽または公知の各種混合機が挙げられる。公知の各種
混合機としては、例えば押出機、ブラベンダー、ニーダ
ー、バンバリーミキサーなどである。
【0043】(D)の製造法の一例を挙げると、ブチル
リチウム(R1またはR2を有する化合物)によって通常
のアニオンリビング重合で得られたスチレンオリゴマー
に、エチレンオキサイドを付加させて、片末端ヒドロキ
シスチレンオリゴマー(Lを有する化合物)を合成す
る。この片末端ヒドロキシスチレンオリゴマーを、大過
剰のジフェニルメタンジイソシアネート(Xを有する連
結剤)と通常の条件で反応させて、片末端イソシアネー
トスチレンオリゴマーを得る。別に、ポリカプロラクト
ンジオール(数平均分子量2,000)とジフェニルメ
タンジイソシアネートから、通常の方法によって両末端
ヒドロキシウレタンオリゴマー(Mを有する化合物)を
合成する。得られた片末端イソシアネートスチレンオリ
ゴマーと両末端ヒドロキシウレタンオリゴマーとを、モ
ル比2対1で通常の条件で反応させて、ポリスチレン−
ポリウレタン−ポリスチレンブロック共重合体(D)を
得る。この場合、(D)は一般式(2)で表わされ、L
はスチレンオリゴマー鎖、Mはウレタンオリゴマー鎖、
Xを含む連結剤はジフェニルメタンジイソシアネートで
ある。
【0044】分散剤(D)として好ましいものは、ま
た、熱可塑性樹脂(A)と実質的に同じ構成単位を有す
る化合物に、有機イソシアネート基、(無水)カルボン
酸基、カルボン酸ハライド基、アミノ基、水酸基、エポ
キシ基からなる群より選ばれた官能基を導入した分散剤
が挙げられる。実質的に同じとは、樹脂(A)の繰り返
し単位以外に他の単位を含んでもよいということを意味
し、(A)と(D)とが相溶すればよい。一例を示すと
ポリスチレン樹脂が(A)なら、末端水酸基スチレンオ
リゴマーおよびアミノ変性ポリスチレン(D)が挙げら
れ、ポリプロピレン樹脂が(A)なら、アミノ変性低分
子量ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレ
ン及び末端水酸基水添イソプレンオリゴマー(D)など
が挙げられる。
【0045】これら熱可塑性樹脂(A)、活性水素を少
なくとも2個有する化合物(B)およびポリイソシアネ
ート(C)と分散剤(D)との関係をさらに具体的に例
示すると、例えば(A)がポリプロピレン、活性水素含
有化合物(B)がポリカプロラクトンジオール(数平均
分子量2,000)、ポリイソシアネート(C)がジフ
ェニルメタンジイソシアネートのとき、好ましい分散剤
(D)としては、例えば無水マレイン酸変性ポリプロピ
レン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンとポリウレタ
ン[ポリカプロラクトンジオール(数平均分子量2,0
00)とジフェニルメタンジイソシアネートとの重付加
物]とをジフェニルメタンジイソシアネートで連結させ
たブロック共重合体、および無水マレイン酸変性ポリプ
ロピレンとポリカプロラクトンジオールとをイソホロン
ジイソシアネートで連結させたブロック共重合体、など
が挙げられる。この場合、(D)として無水マレイン酸
変性ポリプロピレンを(D)としたときは(D)は一般
式(2)で表され、R1はプロピル基、Lはポリプロピ
レン鎖、n=0、R2は無水マレイン酸基である。Xお
よびMは存在しない。また(D)として無水マレイン酸
変性ポリプロピレンとポリウレタンとをジフェニルメタ
ンジイソシアネートで連結させたブロック共重合体を使
用したときは、(D)は一般式(1)で表され、R1
プロピル基、Lはポリプロピレン鎖、Xはジフェニルメ
タンジイソシアネート、Mはポリウレタン鎖、n=1、
2は水酸基である。また(D)として無水マレイン酸
変性ポリプロピレンとポリカプロラクトンジオールとを
イソホロンジソシアネートで連結させたブロック共重合
体を使用したときは、(D)は一般式(1)で表され、
1はプロピル基、Lはポリプロピレン鎖、Xはイソホ
ロンジイソシアネート、Mはポリカプロラクトン鎖、n
=1、R2は水酸基である。
【0046】また、(A)がポリスチレン、(B)がポ
リエチレンアジペートジオール(数平均分子量2,00
0)、(C)がイソホロンジイソシアネートの場合、好
ましい(D)としては、例えば片末端ヒドロキシスチレ
ンオリゴマー、片末端ヒドロキシスチレンオリゴマーと
ウレタンオリゴマー[ポリエチレンアジペートジオール
(数平均分子量2,000)とイソホロジイソシアネー
トとの重付加物]とをイソホロンジイソシアネートまた
はヘキサメチレンジイソシアネートなどで連結させたも
の、などが挙げられる。
【0047】(A)がナイロン−6、(B)がポリテト
ラメチレングリコール(数平均分子量1,000)、
(C)がジフェニルメタンジイソシアネートの場合、好
ましい(D)としては、例えばポリアミドオリゴマー
(ナイロン−6タイプ)の片末端エタノールアミン反応
物とウレタンオリゴマー[ポリテトラメチレングリコー
ル(数平均分子量1,000)とジフェニルメタンジイ
ソシアネートとの重付加物]とをジフェニルメタンジイ
ソシアネート、トリレンジイソシアネートなどで連結さ
せたものなどが挙げられる。
【0048】(A)がポリエチレンテレフタレート、
(B)がポリカプロラクトンジオール(数平均分子量
1,000)、(C)がヘキサメチレンジイソシアネー
トの場合、好ましい(D)としては、例えばポリエチレ
ンテレフタレートとウレタンオリゴマー[ポリカプロラ
クトジオール(数平均分子量1,000)とヘキサメチ
レンジイソシアネートとの重付加物]とをイソホロンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなど
で連結させたものなどが挙げられる。
【0049】本発明において、(B)と(C)との使用
比率は、(B)の活性水素含有基と(C)のイソシアネ
ートとの当量比が、通常1/0.8〜1.3、好ましく
は1/0.9〜1.1となるような比率とすればよい。
【0050】本発明の方法で用いる各成分の割合として
は、重量に基づいて、熱可塑性樹脂(A)は通常5〜9
5%、好ましくは10〜90%、(B)と(C)の合計
は通常95〜5%、好ましくは90〜10%、分散剤
(D)は通常0.05〜50%、好ましくは0.1〜3
0%である。
【0051】本発明の方法によって複合樹脂組成物を製
造する条件は、温度は(A)が溶融する下限の温度以上
で、(A)が熱分解しない温度であればよい。この温度
域は通常10〜350℃の範囲内であり、(A)の種類
によって異なる。
【0052】反応圧力は特に制限はないが工業的生産を
考えたとき通常減圧(0.1mmHg)〜20気圧、好
ましくは減圧(0.1mmHg)〜10気圧である。
【0053】反応時間は、重合中の各成分の熱劣化が起
こらないよう、できるだけ短時間で行うとよく、通常
0.5〜60分、好ましくは1〜30分である。
【0054】また、この反応時、必要により触媒を用い
ることもできる。用いる場合の触媒としては、ウレタン
化反応の触媒として公知のものでよく、例えばジブチル
スズジラウレート、ジオクチルスズジラウレートなどの
有機金属化合物や、トリエチルアミン、ジアザビシクロ
ウンデセンなどのアミン類などを挙げることができる。
【0055】(A)、(B)、(C)、および(D)の
投入順序は特に制限はなく、(A)、(B)、(C)、
および(D)を同時に溶融混合する方法、(A)を溶融
した中に(B)、(C)、および(D)を投入する方
法、(A)と(D)とを溶融混合した中に(B)および
(C)を投入する方法、(B)と(D)を予め混合した
後に、溶融した(A)中に(B)と(D)の混合物およ
び(C)を投入する方法、(C)と(D)を予め混合し
た後に、溶融した(A)中に(B)、および(C)と
(D)の混合物を投入する方法、(A)と(B)とを溶
融混合した中に(C)および(D)を投入する方法、
(A)と(C)とを溶融混合した中に(B)および
(D)を投入する方法、(A)、(B)および(D)を
溶融混合した中に(C)を投入する方法、(A)、
(C)および(D)を溶融混合した中に(B)を投入す
る方法などいずれの方法をも取ることができる。
【0056】反応容器としては公知の各種混合機、例え
ば押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどが挙げら
れる。
【0057】本発明の複合樹脂組成物は、成形品(コン
テナ、ケース類、バンパー、ホース類、フィルムなど)
用として好適である他、コーティング、塗料、接着剤な
どにも有用である。
【0058】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記
載において部は重量部を表す。実施例および比較例に記
載する衝撃強度、曲げ弾性率、および分散粒径の測定法
は次の通りである。 (1)衝撃強度(ノッチ付アイゾット衝撃強度) JIS−K7110に準じて測定した。 単位:kgf・cm/cm (2)曲げ弾性率 JIS−K7203に準じて測定した。 単位:kgf/cm2 (3)分散粒径 試験片を液体窒素中で破断した後、破断面を走査型電子
顕微鏡で観察して分散粒径を測定した。 単位:μm
【0059】実施例1 ポリプロピレン[宇部興産(株)製UBE−ポリプロJ
609H、以下PPと略記;熱可塑性樹脂(A)にあた
る]80部、末端ヒドロキシポリカプロラクトン[数平
均分子量2,000、以下PCLと略記;活性水素含有
化合物(B)にあたる]17.8部、ジフェニルメタン
ジイソシアネート[以下MDIと略記;ポリイソシアネ
ート(C)にあたる]2.2部、および無水マレイン酸
変性ポリプロピレン[結合マレイン酸量5%、数平均分
子量5,000、以下PP−MAと略記;分散剤(D)
にあたる]3部を二軸押出機((株)東洋精機製作所製
2D25−S型、20mmφ、L/D=25)を用い
て、シリンダー温度210℃で5分間溶融混練した。得
られた本発明の組成物を、シリンダー温度200℃、金
型温度50℃で射出成形し、試験片を作成した。この試
験片の衝撃強度、曲げ弾性率、および分散粒径を評価し
た。その特性評価結果を表1に示す。
【0060】比較例1 PP 80部、PCL 17.8部、およびMDI
2.2部を、実施例1と同一の二軸押出機を用いて同条
件で溶融混練した。得られた組成物を、実施例1と同一
の射出成形機を用いて同条件で射出成形し、試験片を作
成した。この試験片の特性を実施例1と同様に評価し
た。その特性評価結果を表1に示す。
【0061】比較例2 PCL 89部とMDI 11部とを実施例1と同一の
二軸押出機を用いてシリンダー温度175℃で4分間溶
融混練してポリウレタン(以下PU−1と略記)を得
た。PP 80部、PU−1 20部およびPP−MA
3部を実施例1と同一の二軸押出機を用いて同条件で
溶融混練した。得られた組成物を、実施例1と同一の射
出成形機を用いて同条件で射出成形し、試験片を作成し
た。この試験片の特性を実施例1と同様に評価した。そ
の特性評価結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】実施例2 片末端ヒドロキシポリスチレン(数平均分子量3,30
0)32.8部、PCLとMDIとから重付加反応で得
られる両末端ヒドロキシポリウレタン(数平均分子量
6,500;以下PU−2と略記)64.7部、および
MDI2.5部をN,N−ジメチルホルムアミド 1,
000部中で窒素気流下100℃で4時間反応させ、さ
らに減圧下N,N−ジメチルホルムアミドを留去し、ポ
リスチレン−ポリウレタンブロック体[数平均分子量1
0,000、以下PS−PU2と略記;分散剤(D)に
あたる]を合成した。ポリスチレン[旭化成工業(株)
製スタイロン600、以下PSと略記;熱可塑性樹脂
(A)にあたる]80部、PCL[活性水素含有化合物
(B)にあたる]17.8部、MDI[ポリイソシアネ
ート(C)にあたる]2.2部、およびPS−PU2
3部を、実施例1と同一の二軸押出機を用いて、シリン
ダー温度175℃で溶融混練した。得られた本発明の組
成物を、実施例1と同一の射出成形機を用いて同条件で
射出成形し、試験片を作成した。この試験片の衝撃強度
および分散粒径を評価した。その特性評価結果を表2に
示す。
【0064】比較例3 PS 80部、PCL 17.8部、およびMDI
2.2部を、実施例2と同一の二軸押出機を用いて同条
件で溶融混練した。得られた組成物を、実施例2と同一
の射出成形機を用いて同条件で射出成形し、試験片を作
成した。この試験片の特性を実施例2と同様に評価し
た。その特性評価結果を表2に示す。
【0065】比較例4 PS 80部、PU−1 20部、およびPS−PU2
3部を、実施例2と同一の二軸押出機を用いて同条件
で溶融混練した。得られた組成物を、実施例2と同一の
射出成形機を用いて同条件で射出成形し、試験片を作成
した。この試験片の特性を実施例2と同様に評価した。
その特性評価結果を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】実施例3 片末端ヒドロキシナイロンオリゴマー(ナイロン−6タ
イプ、数平均分子量2,570)42.3部、PU−2
53.5部、およびMDI 4.1部を窒素気流下1
00℃で4時間反応させ、ナイロン−ポリウレタン−ナ
イロンブロック体[数平均分子量12,000、以下P
A−PU−PAと略記;分散剤(D)にあたる]を合成
した。ナイロン−6[宇部興産(株)製UBEナイロン
1013B、以下PA−6と略記;熱可塑性樹脂(A)
にあたる]60部、PCL[活性水素含有化合物(B)
にあたる]35.6部、MDI[ポリイソシアネート
(C)にあたる]4.4部、およびPA−PU−PA
5部を、実施例1と同一の二軸押出機を用いて、シリン
ダー温度230℃で5分間溶融混練した。得られた本発
明の組成物を、シリンダー温度230℃、金型温度80
℃で射出成形し、試験片を作成した。この試験片の衝撃
強度および分散粒径を評価した。その特性評価結果を表
3に示す。
【0068】比較例5 PA−6 60部、PCL 35.6部、およびMDI
4.4部を、実施例3と同一の二軸押出機を用いて同
条件で溶融混練した。得られた組成物を、実施例3と同
一の射出成形機を用いて同条件で射出成形し、試験片を
作成した。この試験片の特性を実施例3と同様に評価し
た。その特性評価結果を表3に示す。
【0069】比較例6 PA−6 60部、PU−1 40部、およびPA−P
U−PA 5部を、実施例3と同一の二軸押出機を用い
て同条件で溶融混練した。得られた組成物を、実施例3
と同一の射出成形機を用いて同条件で射出成形し、試験
片を作成した。この試験片の特性を実施例3と同様に評
価した。その特性評価結果を表3に示す。
【0070】
【表3】
【0071】実施例4 PCL 80部とMDI 20部とを、攪拌装置を付帯
した反応槽中で80℃で2時間反応させ、末端イソシア
ネートプレポリマー(I)[数平均分子量2,500;
ポリイソシアネート(C)にあたる]を得た。PP[熱
可塑性樹脂(A)にあたる]80部、末端イソシアネー
トプレポリマー(I)19.3部、1,4−ブタンジオ
ール[以下BGと略記;活性水素含有化合物(B)にあ
たる]0.7部、およびPP−MA[分散剤(D)にあ
たる]3部を実施例1と同一の二軸押出機を用いて、同
条件で溶融混連した。得られた本発明の組成物を、シリ
ンダー温度200℃、金型温度50℃で射出成形し、試
験片を作成した。この試験片の衝撃強度、曲げ弾性率、
および分散粒径を評価した。その特性評価結果を表4に
示す。
【0072】比較例7 PP 80部、実施例4の末端イソシアネートプレポリ
マー(I)19.3部、およびBG 0.7部を、実施
例4と同一の二軸押出機を用いて同条件で溶融混練し
た。得られた組成物を、実施例4と同一の射出成形機を
用いて同条件で射出成形し、試験片を作成した。この試
験片の特性を実施例4と同様に評価した。その特性評価
結果を表4に示す。
【0073】比較例8 実施例4の末端イソシアネートプレポリマー(I)9
6.5部およびBG3.5部を、実施例4と同一の二軸
押出機を用いてシリンダー温度175℃で4分間溶融混
練してポリウレタン(以下PU−3と略記)を得た。P
P 80部、PU−3 20部、およびPP−MA 3
部を実施例4と同一の二軸押出機を用いて同条件で溶融
混練した。得られた組成物を、実施例4と同一の射出成
形機を用いて同条件で射出成形し、試験片を作成した。
この試験片の特性を実施例4と同様に評価した。その特
性評価結果を表4に示す。
【0074】
【表4】
【0075】実施例5 末端ヒドロキシポリブチレンアジペート(数平均分子量
2,000、以下PBAと略記)79.0部、エチレン
グリコール(以下EGと略記)2.9部、およびMDI
18.1部を、80℃で2時間反応させて、末端ヒド
ロキシウレタンオリゴマー(数平均分子量7,400、
以下PU−4と略記)を得た。片末端ヒドロキシポリス
チレン(数平均分子量3,300)30.1部、PU−
4 67.6部、およびMDI 2.3部をN,N−ジ
メチルホルムアミド1,000部中で窒素気流下100
℃で4時間反応させ、さらに減圧下N,N−ジメチルホ
ルムアミドを留去し、ポリスチレン−ポリウレタンブロ
ック体[数平均分子量11,000、以下PS−PU4
と略記;分散剤(D)にあたる]を合成した。PBA8
0部およびMDI 20部を、攪拌装置を付帯した反応
槽中で80℃で2時間反応させ、末端イソシアネートプ
レポリマー(II)[数平均分子量2,500;ポリイ
ソシアネート(C)にあたる]を得た。PS[熱可塑性
樹脂(A)にあたる]80部、末端ヒドロキシウレタン
プレポリマー(II)19.5部、EG[活性水素含有
化合物(B)にあたる]0.5部、およびPS−PU4
3部を、実施例1と同一の二軸押出機を用いて、シリ
ンダー温度175℃で溶融混練した。得られた本発明の
組成物を、実施例1と同一の射出成形機を用いて同条件
で射出成形し、試験片を作成した。この試験片の衝撃強
度および分散粒径を評価した。その特性評価結果を表5
に示す。
【0076】比較例9 PS 80部、実施例5の末端イソシアネートウレタン
プレポリマー(II)19.5部、およびEG 0.5
部を、実施例5と同一の二軸押出機を用いて同条件で溶
融混練した。 得られた組成物を、実施例5と同一の射
出成形機を用いて同条件で射出成形し、試験片を作成し
た。この試験片の特性を実施例5と同様に評価した。そ
の特性評価結果を表5に示す。
【0077】比較例10 実施例5の末端イソシアネートウレタンプレポリマー
(II)97.6部およびEG 2.4部を実施例5と
同一の二軸押出機を用いて、シリンダー温度175℃で
4分間溶融混練してポリウレタン(以下PU−5と略
記)を得た。PS 80部、PU−5 20部、および
PS−PU4 3部を、実施例5と同一の二軸押出機を
用いて同条件で溶融混練した。得られた組成物を、実施
例5と同一の射出成形機を用いて同条件で射出成形し、
試験片を作成した。この試験片の特性を実施例5と同様
に評価した。その特性評価結果を表5に示す。
【0078】
【表5】
【0079】実施例6 片末端ヒドロキシナイロンオリゴマー(ナイロン−6タ
イプ、数平均分子量2,570)25.1部、PU−4
72.4部、およびMDI 2.5部を窒素気流下1
00℃で4時間反応させ、ナイロン−ポリウレタンブロ
ック体[数平均分子量10,000、以下PA−PUと
略記;分散剤(D)にあたる]を合成した。PA−6
[熱可塑性樹脂(A)にあたる]60部、実施例5の末
端イソシアネートウレタンプレポリマー(II)[ポリ
イソシアネート(C)にあたる]39部、EG[活性水
素含有化合物(B)にあたる]1部、およびPA−PU
5部を、実施例1と同一の二軸押出機を用いて、シリン
ダー温度230℃で5分間溶融混練した。得られた本発
明の組成物を、シリンダー温度230℃、金型温度80
℃で射出成形し、試験片を作成した。この試験片の衝撃
強度および分散粒径を評価した。その特性評価結果を表
6に示す。
【0080】比較例11 PA−6 60部、実施例5の末端イソシアネートウレ
タンプレポリマー(II)39部、およびEG 1部
を、実施例6と同一の二軸押出機を用いて同条件で溶融
混練した。得られた組成物を、実施例6と同一の射出成
形機を用いて同条件で射出成形し、試験片を作成した。
この試験片の特性を実施例6と同様に評価した。その特
性評価結果を表6に示す。
【0081】比較例12 PA−6 60部、PU−3 40部、およびPA−P
U 5部を、実施例6と同一の二軸押出機を用いて同条
件で溶融混練した。得られた組成物を、実施例6と同一
の射出成形機を用いて同条件で射出成形し、試験片を作
成した。この試験片の特性を実施例6と同様に評価し
た。その特性評価結果を表6に示す。
【0082】
【表6】
【0083】
【発明の効果】本発明の製造法は以下の効果を奏する。 1.本発明の製造法によれば、従来のように全ての成分
樹脂を予め準備することなく、ワンショットの重合工程
により複合樹脂組成物を得ることができる。 2.本発明の製造法は、溶融した熱可塑性樹脂中に予め
ポリウレタンの原料が均一に分散した状態で重合する方
法であり、かつ分散剤を使用しているため、生成するポ
リウレタンの熱可塑性樹脂中における分散状態の良好な
複合樹脂組成物を得ることができる。 3.本発明の方法によって得られる複合樹脂組成物を成
型品などに用いる場合、上記のように分散状態が良好な
組成物であるため、衝撃強度や引張強度などの機械物性
が優れている。 上記効果を奏することから本発明の製造法は例えば、成
型品をはじめとして、コーティング、塗料、接着剤等、
さまざまな用途の複合樹脂組成物に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 俊昭 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三 洋化成工業株式会社内 (72)発明者 合田 桂 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三 洋化成工業株式会社内 審査官 橋本 栄和 (56)参考文献 特開 昭63−27533(JP,A) 特開 昭62−167316(JP,A) 特開 昭60−8358(JP,A) 特開 昭63−22818(JP,A) 特開 平3−223340(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融した熱可塑性樹脂(A)中で、ポリ
    オールからなる2個以上の活性水素を有する化合物
    (B)とポリイソシアネート(C)とを下記分散剤
    (D)の存在下で重合し、(A)、ポリウレタン(P
    U)および(D)の複合体を形成させることを特徴とす
    る複合樹脂組成物の製造法。 分散剤(D):下記の特性との特性あるいはの特
    性とを併せて有する分散剤。 (A)と相溶性もしくは反応性を有する。 (B)および/または(C)と反応性を有する。 (PU)と相溶性を有する。
  2. 【請求項2】 分散剤(D)が、下記一般式(1)また
    は(2)で表される分散剤である請求項1記載の製造
    法。 R−L−(X−M−X−L−)X−M−R (1) R−L−(X−M−X−L−) (2) [各式中、Xは、2官能性の、有機イソシアネー卜類、
    カルボン酸類、アミン類、アルコール類およびエポキシ
    類からなる群より選ばれる化合物の残基;R、R
    は、炭化水素基、アシル基、アルコキシ基、水酸基、
    メルカプト基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート
    基、(無水)カルボン酸基、カルボン酸ハライド基また
    はアルデヒド基;LおよびMは、ポリスチレンオリゴマ
    ー鎖、ポリウレタンオリゴマー鎖、ポリアミドオリゴマ
    ー鎖、水添イソプレンオリゴマー鎖、ポリプロピレン鎖
    およびポリカプロラクトン鎖からなる群より選ばれる鎖
    状構造を有する化合物の末端にある官能基を除いた残基
    であり、かつこの残基の溶解度パラメーターと(A)の
    溶解度パラメーターとの差が0.5以下であるか、もし
    くは、この残基の溶解度パラメーターと、(B)と
    (C)から形成されるポリウレタンの溶解度パラメータ
    ーとの差が0.5以下である化合物の残基。;nは0ま
    たは1以上の整数を表す。]
  3. 【請求項3】 LとMのうち一方が(A)と実質的に同
    じ構成単位を有し、他方が(B)と(C)から形成され
    るポリウレタンと実質的に同じ構成単位を有する請求項
    2記載の製造法。
  4. 【請求項4】 分散剤(D)が、熱可塑性樹脂(A)と
    実質的に同じ構成単位を有し、かつイソシアネート基、
    (無水)カルボン酸基、カルボン酸ハライド基、アミノ
    基、水酸基およびエポキシ基からなる群より選ばれる官
    能基を有する分散剤である請求項1〜3のいずれかに記
    載の製造法。
  5. 【請求項5】 分散剤(D)が活性水素、(無水)カル
    ボン酸基、またはカルボン酸ハライド基を有する変性ポ
    リオレフィン系分散剤であるか、またはポリオレフィン
    −ポリウレタン共重合体系分散剤である請求項1〜3の
    いずれかに記載の製造法。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂(A)がポリオレフィン系
    熱可塑性樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の製
    造法。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂(A)が、芳香族ポリエス
    テル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポ
    リアミドイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキ
    シド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサ
    ルファイドおよびポリサルホンからなる群より選ばれる
    熱可塑性樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の製
    造法。
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