JP2657414B2 - デジタル形保護制御装置 - Google Patents

デジタル形保護制御装置

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JP2657414B2 JP1063361A JP6336189A JP2657414B2 JP 2657414 B2 JP2657414 B2 JP 2657414B2 JP 1063361 A JP1063361 A JP 1063361A JP 6336189 A JP6336189 A JP 6336189A JP 2657414 B2 JP2657414 B2 JP 2657414B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電力系統の情報をもとに系統を保護制御す
る装置に係り、特に、系統の電圧や電流をサンプリング
してデジタル変換した値から系統の状態を判断するのに
好適なデジタル形電力系統保護制御装置に関する。
〔従来の技術〕
系統の電圧や電流をサンプリングしデジタル変換した
値をもとに種々の演算をおこなうアルゴリズムについて
は、例えば、電気協同研究第41巻第4号「デジタルリレ
ー」(社団法人電気協同研究会)において論じられてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術の多くは、デジタル演算処理部の処理能
力と演算結果の精度の点から、基本波ベースで30゜サン
プリング(基本波50Hzのとき1.667ms,60Hzのとき1.389m
s)のデータをもとに処理するものが多い。例えば、面
積形(加算形)や積形と呼ばれるアルゴリズムの多く
は、30゜サンプリングデータを採用している。
この方式は、基本波を前提として考えているので、周
波数が変化した場合、大きな誤差を生じる欠点があっ
た。
また、一部には、任意のサンプリング時間ΔTを前提
としたものとして、直接インピーダンス法のうち回路方
程式法と呼ばれるアルゴリズムがある。この場合は、任
意の周波数に対して成立するが、回路方程式で関係づけ
られることが前提であるため、故障点までのインピーダ
ンスRやLを求める距離リレーには有効であるが、任意
の交流波形同士に対して成り立つものではなかった。
〔課題を解決するための手段〕 本発明は、上記の目的を達成するために、電力系統の
交流入力波形をサンプリングし、アナログ−デジタル変
換し、このデジタル値を予め定められた式に入れて演算
し、その結果により前記電力系統の状態を判断し、必要
な保護制御信号を出力するデジタル形保護制御装置にお
いて、前記交流入力波形x(t)およびy(t)につい
て、ごく短い時間間隔Tでサンプリングした連続データ
x{(N−2)T},x{(N−1)T},x(NT}および
y{(N−2)T},x{(N−1)T},x(NT}からx
(t)およびy(t)の大きさAおよび周波数fを算出
し、この算出値をもとに前記演算結果を補正するデジタ
ル演算処理器を備えたことを特徴とするデジタル形保護
制御装置を提案するものである。
具体的には、x(t)が角速度ω(=2πf)の周期
波形のとき、3つのサンプリングデータx{(N−2)
T},x{(N−1)T},x(NT)と既知のサンプリング
間隔Tとにより、 から、角速度ω又は周波数fを求める。
また、x(t)=Asinωtのとき、3つのサンプリン
グデータx{(N−2)T},x{(N−1)T},x(N
T)から、 により、大きさAを求める さらに、x(t)=Asinωtを電流とし、y(t)=
Bsin(ωt+θ)を電圧としたとき、 Xfg(T)≡x(NT)×[y{(N-1)T}-y{(N-2)T)}] -x{(N-1)T}×[y(NT)-y{(N-1)T}] と Xff(T)≡x(NT)×[x{(N-1)T}-x{(N-2)T}] -x{(N-1)T}×[x(NT)-x{(N-1)T}] および Yfg(T)≡x(NT)×y{(N-1)T}-x{(N-1)T} ×y(NT) を算出し、これらと上記で求めた角速度ωから、 抵抗分として また、インダクタンス分として を算出し、インピーダンスを判定するデジタル形距離測
定装置とすることもできる。
あるいはx(t)=Asinωt、y(t)=Bsin(ωt
+θ)としたとき、 Xfg(T)≡x(NT)×[y{(N-1)T}-y{(N-2)T}] -x{(N-1)T}×[y(NT)-y{(N-1)T}] および Yfg(T)≡x(NT)×y{(N-1)T}-x{(N-1)T}×y(NT) を算出し、基準軸と交差する点をx0,直交軸と交差する
点をy0とした直線のとき、上記Xfg(T)とYfg(T)及
び上記で求めた角速度ωから、 の大小を比較し、位相特性上のどの位置にあるか判定す
るようにしてもよい。
x(t)が角速度ωの周期波形のとき、上記で求めた
ωにより、x(t)を任意の位相ψだけ位相させた波形
として、 を算出し、上記xψ(NT)を用いて位相特性を判定する
ことも可能である。
x(t)=Asinωt、y(t)=Bsin(ωt+θ)と
し、かつ、この差x(t)−y(t)をz(t)=Csin
(ωt+α)としたとき、Z{(N−2)T}={(N
−2)T}−y{(N−2)T},Z{(N−1)T}=
x{(N−1)T}−y{(N−1)T}Z(NT)=x
(NT)−y(NT)から、上記手段によりそれぞれの大き
さA,B,Cを算出し、動作量をC,抑制量を(A+B)とす
れば、デジタル形比率差動継電装置が得られる。
なお、アナログ−デジタル変換器は、演算実施に必要
な3つの連続サンプリングデータを1グループとしてご
く短時間に取り込み、各グループ間の時間間隔は任意の
長さとすることができる。
〔作用〕
本発明においては、交流波形のある時点の接線を考え
ると、その傾きが、交流信号の大きさと角速度とにより
定まり、逆に、接線が求められれば、、その波形の大き
さと角速度が分かる点に着目してなされたものである。
この接線を求めるためには、ごく短い時間間隔でサン
プリングした3つの連続データを用いて、接線の定義に
基づいて、演算を実行する。したがって、本質的に交流
波形の周波数による制約がないので、広範な任意の周波
数の交流波形を取り扱うことが可能である。
このような方式で、交流波形の大きさと角速度とを求
めると、従来のように一定周期でサンプリングする必要
がなくなり、演算処理器の能力に応じて、サンプリング
間隔を任意に決定できる。
また、3つのデータはごく短時間に一まとまりとして
得られるから、系統故障の検出時間が短縮され、迅速な
対応が可能となる。
〔実施例〕
次に、図面を参照して、本発明によるデジタル形保護
制御装置の一実施例を説明する。第1図は本実施例の系
統構成を示すブロック図である。電力系統1からは交流
電圧・電流が電流変成器2や電圧変成器3を介して、本
発明の対象であるデジタル形保護制御装置4に取り込ま
れる。デジタル形保護制御装置4は取込んだ交流電圧・
電流波形をフィルタ5で折り返し、誤差対策を施したの
ち、サンプルホールダ6でサンプリングし、マルチプレ
クサで順次サンプリングデータを切換え、アナログ−デ
ジタル変換器8でデジタル値に変換する。このデジタル
値をもとに、デジタル演算処理器9が所定の演算を行な
う。
本発明は、上記サンプリングホールドからアナログ−
デジタル交換までをごく短い時間間隔で実施させ、第2
図に波形とサンプルデータを示すように連続した3つの
データを取込む。
その後の演算処理手順は第3図のようになる。
演算処理手順を具体的に説明する。
まず、x(t)=Asinωtのとき、3つのサンプリン
グデータx{(N−2)T},x{(N−1)T},x(N
T)と既知のサンプリング間隔Tにより、角速度ωと大
きさAとが次のようにして求められる。
第4図は、大きさAで角速度ωの交流波形x(t)を
示している。
ここで、ある時点の接線を考えると、接線の傾きは、
大きさAすなわち縦方向と、角速度ωすなわち横方向の
2つの要因によって定まる。したがって、2つの時点の
接線の傾きがわかれば、2つの未知数Aとωとがわか
る。ある時点の接線とは、その点の値とごく短い時間間
隔T後の値との差で与えられ、このTが小さいほど真値
に近づく。
いま、2つの時点として、t1=(N−2)Tとt2
(N−1)Tを考えると、t1時点での接線の傾きl1は、 l1=x(NT)−x{(N−1)T} t2時点での接線の傾きl2は、 l2=x{(N−1)T}−x{(N−2)T} となる。
すなわち、ごく短い時間間隔Tでサンプリングした3
つの連続データx{(N−2)T},x{(N−1)
T},x(NT)から、2つの時点の接線を傾きがわかるの
で、2つの未知数Aとωとを算出できる。この大きさA
およびωを用いて各種演算の補正をどのように行なうか
を、更に具体的に説明する。
任意の角速度をω(ω=2πf f:周波数)とし、位
相差がθの2つの交流波形x(t),y(t)を、 x(t)=Asinωt,y(t)=Bsin(ωt+θ)とす
ると、時刻t=(N−2)T,(N−1)T,NTにおけるそ
れぞれのサンプリング値は、 xN−2=x{(N−2)T}=Asinω(N−2)T ……(1) xN−1=x{(N−1)T}=Asinω(N−1)T ……(2) xN=x(NT)=AsinωNT ……(3) yN−2=y{(N−2)T}=Bsin{ω(N−2)T+
θ} ……(4) yN−1=y{(N−1)T}=Bsin{ω(N−1)T+
θ} ……(5) yN=y(NT)=Bsin(ωNT+θ) ……(6) となる。
ここで、t=(N−1)Tにおける差分すなわち接線
の傾きをΔx{(N−1)T}とし、 Δx{(N−1)T}=xN−xN−1 ……(7) と定義すると、式(3)および式(2)を式(7)に代
入して、 Δx{(N−1)T}=x(NT)−x{(N−1)T} =AsinωNT−Asinω(N−1)T =AsinωNT×(1−ωsωT)+AcosωNTsinωT ……(8) となる。
角速度ωとサンプリング周期Tとの積ωTとsinωT,c
osωTとの関係は表1のようになる。
表1から、ωT=5゜の場合 であるから、ωT≦5゜前後では、 sinωT→ωT、1−cosωT→0 ……(9) と置き換えることができ、式(8)は、 Δx{(N−1)T}=AωTcosωNT ……(10) となる。
同様に、t=(N−2)Tにおける差分Δx{(N−
2)T}は、式(7)より Δx{(N−2)T}=xN−1−xN−2 =Asinω(N−1)T−Asinω(N−2)T =Asinω(N−1)T×(1−cosωT) +Acosω(N−1)TsinωT となる。これに式(9)を代入すると、 Δx{(N−2)T}=AωTcosω(N−1)T ……(11) =AωTcosωNT×cosωT+AωTsinωNTsinωT 式(9)および式(10)を式(11)に代入すると、 Δx{(N−2)T}=Δx{(N−1)T}+(ω
T)・x(NT) すなわち 上式から、3つのサンプリングデータxN−2,xN−1,xN
と既知のサンプリング間隔Tにより、角速度ωすなわち
周波数 が求められる。
一方、2つの交流波形x(t),y(t)に対して、次
の2つの演算を行なう。
Xfg(T)=xN×(yN-1-yN-2)-xN-1×(yN-yN-1) ……(13) Yfg(T)=xN×yN−1−xN−1×yN ……(14) ここで、式(10)及び式(11)から、 Δy{(N−1)T}=yN−yN−1=BωTcos(ωNT+
θ) ……(15) Δy{(N-2)T}=yN-1-yN-2=BωTcos{ω(N-1)T+θ} ……(1
6) よって、 Xfg(T)=AsinωNT×BωTcos{ω(N−1)T+
θ} −Asinω(N−1)T×BωTcos(ωNT+θ) =ABωTsinωTcosθ 式(9)を代入して Xfg(T)=AB(ωT)2cosθ ……(17) 特別な例として、x(t)=y(t)すなわち同一波
形に対して式(13)を演算すると、cosθ=1であるか
ら、 Xff(T)=xN(xN−1−xN−2)−xN−1(xN−xN−
1) =A2(ωT) ……(18) よって、式(12)と式(18)から 上式から3つのサンプリングデータxN−2,xN−1,xNに
より、任意の周波数fに対して、交流波形の大きさAが
求められる。(12)式および(19)式から大きさAと角
速度ωが算出されたので、この算出値を基に、各種演算
の補正を行なう具体例を以下に示す。
まず、距離測定装置の例として、 Yfg(T)=AsinωNT×Bsin{ω(N−1)T+θ} −Asin{ω(N−1)T}×Bsin(ωNT+θ) =ABsinωTsinθ 式(9)を代入して Yfg(T)=ABωTsinθ ……(20) となる。
ここで、 を求めると、式(17),(18),(20)から となる。x(t)を電流j(t),y(t)を電圧v
(t)とすると、 となり、これは測定点からの抵抗分Rである。
また、 となり、これは測定点からのリアクタンスLである。
すなわち、 に式(12)で求めたωTをかけると、インダクタンスを
求めることができる。
したがって、サンプリングデータiN−2,iN−1,iN,vN
−2,vN−1,vNと既知のサンプリング間隔Tにより、任意
の周波数fに対して、 を計算することで、測定点からの抵抗分とインダクタン
ス分が求められる。よって、電力系統の保護装置のう
ち、測定点からのインピーダンスにより故障判定する距
離継電器では、上記手法で計算した抵抗分とインダクタ
ンス分から、任意の周波数に対して、定められた範囲内
にあるか否かを判断できる。
次に、任意の位相特性をもつ各種保護継電器につい
て、大きさAと周波数ωで補正する例を求める。
まず、式(12)から、ω2T2とωTを算出できるの
で、 を計算すると、 となる。この2つの計算値から、VとIで表現された任
意の位相特性に対してどの位置にあるか判断すること
で、電力系統の保護・制御が可能となる。
例えば、電力潮流の大きさと方向を検出する電力継電
器や抵抗接地系統の地絡保護に使用される地絡方向継電
器の位相特性は、一般的に第5図のように表わされるこ
とが多い。すなわち、電圧基準として、電流の最大感度
位相角θsと動作値Isが整定される。この場合、基準電
圧値をVsとすると、 で与えられるから、領域Iと領域IIを区別する直線は である。
xとして式(22)の を代入し、yとして式(23)の を代入すれば、 の大小比較が可能となる。この結果、領域IとIIのどち
らに位置しているかを判断できる。
しかも、式(19)から により、Vが求められ、 を計算することにより、 となって、電圧の大きさVに影響されない位相特性の判
断もできる。
当然ながら、第6図のような、整定値IsxとIsyで与え
られた位相特性の場合は、 とIsxとの大小比較及び とIsyとの大小比較を行なうことで、領域IとIIを区別
できる。
上記の例は、2つの交流波形x(t)とy(t)のう
ち、x(t)を電流i(t),y(t)を電圧v(t)と
した場合の例であるが、x(t),y(t)とも電圧v
1(t)とv2(t)とする例として、2つの電圧間の位
相差を判定する同期継電器がある。この位相特性例とし
て、第7図に示すように、差電圧整定ΔVsと位相差整定
Δθsが与えられた場合は、 とcosΔθsとの大小比較および|V1−V2|とΔVsとの大
小比較を行なうと、位相特性のどの位置にあるかを判断
できる。
更に、x(t),y(t)とも電流i1(t)とi2(t)
とする例として、直線接地系統の中性点電流iN(t)と
零相電流i0(t)の方向判定を行なう電流方向継電器な
どがある。この場合も、x(t)をiN(t)とし、y
(t)をi0(t)とすることで、第5図と同様に位相特
性を判定できる。
このほか、x(t)=Asinωtに対して任意の位相
だけ位相させた交流波形 x(t)=Asin(ωt+)も、 として表わされるから、ωTで補正することにより、位
相させたい角度と3つのサンプリングデータfN−2,fN
−1,fN,及びサンプリング間隔Tにより、位相特性を判
定できる。
したがって、例えばia(t),ib(t),ic(t),の
3相電流から、逆相電流分i2(t)は、次のようにして
得られる。
更に、電力系統の周波数変化をΔf/ΔTも、式(12)
で求めたω=2πfから、 ただし、ωN:サンプリングNT時点での角速度 ωK:サンプリングKT時点での角速度 として求めることができる。
発電機の過励磁保護を目的とする継電器には、大きさ
Vと周波数fとの比V/fが整定値に達したとき動作させ
るものがある。これも、式(12)と(18)から、ωで補
正することにより、 として求められるので、整定値と大小比較し、達したか
否かを判定できる。
次にデジタル形比率差動継電装置の例について述べ
る。
一般に比率差動継電装置は、いくつかの交流入力に対
して、これらのベクトル和を動作量とし、各交流入力そ
れぞれの大きさを加算したものを抑制量として、動作量
対制御量の比がある一定以上のとき動作出力するもので
ある。
いま、簡単化のために、2つの交流入力 x(t)=Asinωtとy(t)=Bsin(ωt+θ)を対
象とした比率差動継電装置を考えた場合、保護方向を正
方向とするため、動作量のベクトル和z(t)は z(t)=x(t)−y(t) =Asinωt−Bsin(ωt+θ)≡Csin(ωt+) となる。すなわち、 zN-2=z{(N-2)T}=x{(N-2)T}-y{(N-2)T} zN-1=z{(N-1)T}=x{(N-1)T}-y{(N-1)T} zN=z(NT)=x(NT)-y(NT) から、3つのサンプリングデータZN−2,ZN−1,ZNが得ら
れるので、任意の周波数fに対して、式(19)から動作
量の大きさCが得られる。
一方、x(t)およびy(t)のそれぞれの大きさA
・Bも、式(19)から得られるもので、任意の周波数f
に対して、動作量対抑制量の比が求められる。
以上、いくつかの例について記載したが、いずれも、
各交流波形に対して、ごく短い既知の時間間隔Tでサン
プリングした3つの連続データから、大きさおよび周波
数を算出し、この算出値にもとづき各種演算の補正を行
なって、種々の判断を実行している。したがって、被測
定交流波形の周波数による制約がない。
また、デジタル演算処理部は一定時間でサンプリング
されたデータを常に取り込む必要がなく、上記諸演算を
終了した時点で、次の3つのサンプリングデータを取り
込めば良い。すなわち、第1図の装置構成において、デ
ジタル演算処理器9は、必要なときに、アナログ・デジ
タル変換器8から、連続した3つのサンプリングデータ
を得れば良く、次の3つのサンプリングデータの取り込
みは、任意の時間後で良い。
このことは、従来のデジタル形保護リレーが一般的に
30゜ピッチサンプリング毎のデータを常に必要とし、デ
ジタル演算処理部が、このサンプリング周期と同期して
処理する必要があったことと比較すると、デジタル演算
処理部の処理時間を任意にできる利点がある。
〔発明の効果〕
本発明によれば、周波数に依存しない演算アルゴリズ
ムであるため、広範囲な任意の周波数に対して、系統の
保護と制御が可能となる。
また、ごく短い時間間隔の3つの連続データのみか
ら、判断できるので、次の3つの連続データとの間隔は
任意で良く、従来型のように、常にある一定期間(30゜
ピッチのサンプリング)でサンプリングする必要がない
から、演算処理器の能力に応じて、サンプリング間隔を
任意で決定できる。
さらに、3つの連続データは、ごく短い時間間隔のデ
ータであり、これを1つのまとまりと考えると、1つの
まとまり毎に系統の状況を判断でき、前後のまとまりと
は無関係なので、系統故障時の故障検出時間すなわち保
護継電器の動作時間が短くなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるデジタル形保護制御装置の一実施
例の系統構成を示すブロック図、第2図は第1図装置の
交流入力波形とサンプルデータとの関係を示す図、第3
図は第1図実施例における演算処理手順を示す図、第4
図は交流波形x(t)の大きさAおよび角速度ωにより
接線が異なる様子を示す図、第5図〜第7図は判断対象
となる位相特性の例を示す図である。 1……電力系統、2……電流変成器CT、 3……電圧変成器PT、 4……デジタル形保護制御装置、5……フィルタ、 6……サンプルホールダ、7……マルチプレクサ、 8……アナログ−デジタル変換器、 9……デジタル演算処理器。
フロントページの続き (72)発明者 佐々木 宏 茨城県日立市東金沢町1丁目15番25号 株式会社日立エレクトリックシステムズ 内 (56)参考文献 特開 昭57−165765(JP,A) 特開 昭51−52878(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電力系統の交流入力波形をサンプリング
    し、アナログ−デジタル変換し、このデジタル値を予め
    定められた式に入れて演算し、その結果により前記電力
    系統の状態を判断し、必要な保護制御信号を出力するデ
    ジタル形保護制御装置において、 前記交流入力波形x(t)およびy(t)について、ご
    く短い時間間隔Tでサンプリングした連続データx
    {(N−2)T},x{(N−1)T},x(NT)およびy
    {(N−2)T},x{(N−1)T},x(NT)からx
    (t)およびy(t)の大きさAおよび角速度ωを算出
    し、この算出値をもとに前記演算結果を補正するデジタ
    ル演算処理器を備えてなり、 大きさAは、x(t)=Asinωtのとき、3つのサンプ
    リングデータx{(N−2)T},x{(N−1)T},x
    (NT)から、 により求めることを特徴とするデジタル形保護制御装
    置。
  2. 【請求項2】電力系統の交流入力波形をサンプリング
    し、アナログ−デジタル変換し、このデジタル値を予め
    定められた式に入れて演算し、その結果により前記電力
    系統の状態を判断し、必要な保護制御信号を出力するデ
    ジタル形保護制御装置において、 前記交流入力波形x(t)およびy(t)について、ご
    く短い時間間隔Tでサンプリングした連続データx
    {(N−2)T},x{(N−1)T},x(NT)およびy
    {(N−2)T},x{(N−1)T},x(NT)からx
    (t)およびy(t)の大きさAおよび角速度ωを算出
    し、この算出値をもとに前記演算結果を補正するデジタ
    ル演算処理器を備えてなり、 大きさAは、x(t)=Asinωtのとき、3つのサンプ
    リングデータx{(N−2)T},x{(N−1)T},x
    (NT)から、 により求め、 角速度ωは、3つのサンプリングデータx{(N−2)
    T},x{(N−1)T},x(NT)と既知のサンプリング
    間隔Tとにより、 から求めることを特徴とするデジタル形保護制御装置。
  3. 【請求項3】電力系統の交流入力波形をサンプリング
    し、アナログ−デジタル変換し、このデジタル値を予め
    定められた式に入れて演算し、その結果により前記電力
    系統の状態を判断し、必要な保護制御信号を出力するデ
    ジタル形保護制御装置において、 前記交流入力波形x(t)およびy(t)について、ご
    く短い時間間隔Tでサンプリングした連続データx
    {(N−2)T},x{(N−1)T},x(NT)およびy
    {(N−2)T},x{(N−2)T},x(NT)からx
    (t)およびy(t)の大きさAおよび角速度ωを算出
    し、この算出値をもとに前記演算結果を補正するデジタ
    ル演算処理器を備えてなり、 角速度ωは、3つのサンプリングデータx{(N−2)
    T},x{(N−1)T},x(NT)と既知のサンプリング
    間隔Tとにより、 から求め、 x(t)=Asinωtを電流とし、y(t)=Bsin(ωt
    +θ)を電圧としたとき、 Xfg(T)≡x(NT)×[y{(N-1)T}-y{(N-2)T}] -x{(N-1)T}×[y(NT)-y{(N-1)T}] と、 Xff(T)≡x(NT)×[x{(N-1)T}-x{(N-2)T}] -x{(N-1)T}×[x(NT)-x{(N-1)T}] および Yfg(T)≡x(NT)×y{(N-1)T}-x{(N-1)T} ×y(NT) を算出し、これらと前記角速度ωから、 抵抗分として また、インダクタンス分として を算出し、 インピーダンスを判定することを特徴とするデジタル形
    距離測定装置。
  4. 【請求項4】電力系統の交流入力波形をサンプリング
    し、アナログ−デジタル変換し、このデジタル値を予め
    定められた式に入れて演算し、その結果により電気電力
    系統の状態を判断し、必要な保護制御信号を出力するデ
    ジタル形保護制御装置において、 前記交流入力波形x(t)およびy(t)について、ご
    く短い時間間隔Tでサンプリングした連続データx
    {(N−2)T},x{(N−1)T},x(NT)およびy
    {(N−2)T},x{(N−1)T},x(TN)からx
    (t)およびy(t)の大きさAおよび角速度ωを算出
    し、この算出値をもとに前記演算結果を補正するデジタ
    ル演算処理器を備えてなり、 角速度ωは、3つのサンプリングデータx{(N−2)
    T},x{(N−1)T},x(NT)と既知のサンプリング
    間隔Tとにより、 から求め、 x(t)=Asinωt、y(t)=Bsin(ωt+θ)とし
    たとき、 Xfg(T)≡x(NT)×[y{(N-1)T}-y{(N-2)T}] -x{(N-1)T}×[y(NT)-y{(N-1)T}] および Yfg(T)≡x(NT)×y{(N-1)T}-x{(N-1)T}×y(NT) を算出し、基準軸と交差する点をx0,直交軸と交差する
    点をy0とした直線のとき、上記Xfg(T)とYfg(T)お
    よび前記角速度ωから、 の大小を比較して、 位相特性上のどの位置にあるか判定することを特徴とす
    るデジタル形保護制御装置。
  5. 【請求項5】電力系統の交流入力波形をサンプリング
    し、アナログ−デジタル変換し、このデジタル値を予め
    定められた式に入れて演算し、その結果により電気電力
    系統の状態を判断し、必要な保護制御信号を出力するデ
    ジタル形保護制御装置において、 前記交流入力波形x(t)およびy(t)について、ご
    く短い時間間隔Tでサンプリングした連続データx
    {(N−2)T},x{(N−1)T},x(NT)およびy
    {(N−2)T},x{(N−1)T},x(TN)からx
    (t)およびy(t)の大きさAおよび角速度ωを算出
    し、この算出値をもとに前記演算結果を補正するデジタ
    ル演算処理器を備えてなり、 角速度ωは、3つのサンプリングデータx{(N−2)
    T},x{(N−1)T},x(NT)と既知のサンプリング
    間隔Tとにより、 から求め、 この求めたωにより、x(t)を任意の位相ψだけ移相
    させた波形として、 を算出し、上記xψ(NT)を用いて位相特性を判定する
    ことを特徴とするデジタル形保護制御装置。
  6. 【請求項6】請求項4又は5に記載のデジタル形保護制
    御装置において、 大きさAは、x(t)=Asinωtのとき、3つのサンプ
    リングデータx{(N−2)T},x{(N−1)T},x
    (NT)から、 により求めることを特徴とするデジタル形保護制御装
    置。
  7. 【請求項7】請求項1又は2に記載のデジタル形保護制
    御装置において、 x(t)=Asinωt、y(t)=Bsin(ωt+θ)と
    し、かつ、この差x(t)−y(t)をz(t)=Csin
    (ωt+α)としたとき、 Z{(N-2)T}={(N-2)T}-y{(N-2)T}, Z{(N-1)T}=x{(N-1)T}-y{(N-1)T}Z(NT) =x(NT)-y(NT) から、それぞれの大きさA,B,Cを算出し、動作量をC,抑
    制量を(A+B)とすることを特徴とするデジタル形比
    率差動継電装置。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれか一項に記載のデ
    ジタル形保護制御装置に用いるアナログ−デジタル変換
    器において、 演算の実施に必要な3つの連続サンプリングデータを1
    グループとしてごく短時間に取り込み、各グループ間の
    時間間隔を任意の長さとしたことを特徴とするアナログ
    −デジタル変換器。
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