JPH0566988B2 - - Google Patents
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- JPH0566988B2 JPH0566988B2 JP10839585A JP10839585A JPH0566988B2 JP H0566988 B2 JPH0566988 B2 JP H0566988B2 JP 10839585 A JP10839585 A JP 10839585A JP 10839585 A JP10839585 A JP 10839585A JP H0566988 B2 JPH0566988 B2 JP H0566988B2
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- 230000001939 inductive effect Effects 0.000 claims description 7
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 8
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- 230000001360 synchronised effect Effects 0.000 description 1
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- Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、容量素子又は誘導素子の静電容量又
はインダクタンス、抵抗、インピーダンス等の各
種特性値を測定する測定装置に関する。 〔従来の技術〕 従来この種の測定装置として第8図A及び第9
図Aに示す装置がある。第8図Aは容量素子のサ
セプタンス及びコンダクタンスを測定する装置で
ある。同図において、1は測定対象となつている
容量素子(Y=G+jB)、2は交流電源で、容量
素子1に交流電流(iy)を供給する。3は電流/
電圧変換器で、入力電流(iy)を電圧(ey)に変
換する。4,6は位相弁別器で、位相弁別器4は
電圧(ey)を交流電源1の電圧(epref)で位相弁
別を行ない、コンダクタンス(G)に比例した電圧
(eg)を得る。位相弁別器6は電圧(ey)を、交
流電源1の電圧(e)を90度移相器5で90度移相をシ
フトとさせた電圧(eqpref)で位相弁別を行ない、
サセプタンス(B)に比例した電圧(eb)を得る。電
流/電圧変換器3の出力電圧(ey)及び位相弁別
器4,6の出力電圧(eg)、(eb)の移相関係は第
8図Bに示すとおりであり、電圧(ey)はアドミ
ツタンス(Y)に比例する。 一方、第9図Aは誘導素子のリアクタンス及び
抵抗分を測定する装置である。同図において第8
図Aに示す符号と同一のものは同一又は相当部を
示すものであり、1Aは誘導素子(Z=R+
jX)、7は抵抗である。位相弁別器4は電圧(ez)
を電流/電圧変換器3の出力電圧(epref)で位相
弁別を行ない、抵抗(R)に比例した電圧(er)を得
る。位相弁別器6は電圧(ez)を、電圧(epref)
を90度移相器5で90度移相をシフトさせた電圧
(eqpref)で位相弁別を行ない、イアクタンス(X)に
比例した電圧(ex)を得る。電圧(ez)及び位相
弁別器4,6の出力電圧(er)、(ex)の移相関係
は第9図Bに示すとおりであり、電圧(ez)はイ
ンピーダンス(Z)に比例する。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上述の従来の測定装置はいずれも2個の位相弁
別器を測定時に必要とし、位相弁別器には同期整
流器、アナログ乗算器、その他のものを使用して
いるが、位相弁別器そのものの性能により0.1〜
0.2%より良い検出精度を得ることは困難であつ
た。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明に係る測定装置は、上述の問題点を解決
するために以下の構成要素を備えている。すなわ
ち、被測定物に電圧を印加する交流電源2と;被
測定物に流れる電流に対応した電圧(ey)を前記
交流電源の電圧(e)で位相検波し、又は被測定物の
両端電圧(ez)を被測定物に流れる電流に対応し
た電圧で位相検波する第1の位相弁別器4と;被
測定分に流れる電流に対応した電圧(ey)を、前
記交流電源の電圧と90度位相の異なる電圧で位相
弁別し、又は被測定物の両端電圧(ez)を、被測
定物に流れる電流に対応した電圧と90度位相の異
なる電圧で位相弁別する第2の位相弁別器6と;
を備えている。更に、第1の位相弁別器の出力と
第2の位相弁別器の出力とを比較して、第1の所
定の関係にあるか或いは第2の所定の関係にある
かをどうかを判別し、その関係に応じて演算し、
容量素子のアドミツタンス(Y)、コンダクタンス
(G)、サセプタンス(B)又は誘導素子のインピーダン
ス(Z)、リアクタンス(X)、抵抗(R)を求める演算装置
13と;を備えている。 〔作用〕 本発明に係る測定装置において、被測定物が容
量素子(Y=G+jB)の場合について第1図で
説明する。比較置において第1の位相弁別器の出
力(eg)と第2の位相弁別器の出力(eb)とが一
定の関係、例えばeg≦0.35ebのときは、演算装置
により直接第1の移相弁別器の出力(eg)からコ
ンダクタンス(G)を求める。そして、アドミツタン
ス(Y)は被測定物に流れる電流に対応した電圧に比
例しているからこれにより求め、サセプタンス(B)
は(Y2−G2)1/2より求める。サセプタンス(B)は
ωC(ω:角周波数、C:静電容量)であるから、
静電容量(C)はサセプタンス(B)/ωで求められる。 また、eg>0.35ebのときには、第2の位相弁別
器の出力(eb)からサセプタンス(B)が直接求めら
れる。そして、被測定物に流れる電流に対応した
電圧(ey)からアドミツタンス(Y)が求められ、コ
ンダクタンス(G)はY2−B2)1/2により求められる。 一方、被測定物が誘導素子(Z=R+jX)の
場合においても、比較器において同様な比較がな
される。そして、例えば第1の位相弁別器の出力
(er)と第2の位相弁別器の出力(ex)とが、er
≦0.35exのときには、演算装置により第1の位相
弁別器の出力(er)から直接抵抗(R)を求める。そ
して、インピーダンス(Z)は被測定物の両端の電圧
(ez)に比例しているからこれにより求め、リア
クタンス(X)は(Z2−R2)1/2より求める。リアクタ
ンス(X)はωL(L:インダクタンス)であるから、
インダクタンス(L)はX/ωで求められる。 また、er>0.35exのときには、第2の位相弁別
器の出力(ex)からリアクタンス(X)が直接求めら
れる。そして、被測定物の両端電圧(ez)からイ
ンピーダンス(Z)が求められ、抵抗(R)は(Z2−X2)
1/2により求められる。 〔実施例〕 次に本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。 第1図は本発明の一実施例に係る測定装置のブ
ロツク図で、第8図Aと同一符号のものは同一又
は相当部を示す。図において、10は比較器で、
第1の位相弁別器4の出力(eg)と第2の位相弁
別器6の出力(eb)とを所定の関係で比較する。
11は切換スイツチで、比較器10の出力に基づ
いて出力信号(eg)又は(eb)を切換えて送り出
す。12はAC/DC変換器で、電流/電圧変換器
3の出力電圧(ey)を直流電圧(ey′)に変換す
る。13はマイクロコンピユータで、切換スイツ
チ11からの信号及びAC/DC変換器12の出力
がそれぞれA/D変換器20,21によりデータ
変換された後、それらの出力に基づいて所定の演
算を行なう。14a,14bは表示器で、容量素
子等の測定結果を表示する。 次に、上述の測定装置の測定原理及び動作につ
いて説明する。 第1図の測定装置において、電流/電圧変換器
3の出力(ey)は次式に表わされる。なお、この
実施例において被測定物1は容量素子(Y=G+
jB)であるものとする。 ey=e(G+jB)=G・Y・Rs なお、eは交流電圧2の電圧、Rsは電流/電
圧変換器3の帰還抵抗である。 AC/DC変換器12は電流/電圧変換器3の出
力(ey)を直流電圧(ey′)に変換するが、この
出力電圧(ey′)はlYlに比例し、しかも従来のデ
イジタル交流電圧計に見られるとおり、入力電圧
(ey)に対して0.01%の直線性及び分解能を有し、
極めて高精度であることは周知のとおりである。 一方、電圧(eg)、(eb)はそれぞれ位相弁別器
4,6の出力電圧であり、(eg)はコンダクタン
ス(G)に比例した直流電圧で、(eb)はサセプタン
ス(B)に比例した直流電圧であつて、その精度は
0.1〜0.2%程度以下であることは上述のとおりで
ある。 従つて、 B=√2−2 G=√2−2 の関係にあり、これ等をそれぞれB0、G0とする
と、Y≫Gのときは、直流位相弁別器6の出力
(eb)からサセプタンス(B)を求めるよりも、精度
の高い(ey′)すなわちアドミツタンス(Y)とコン
ダクタンス(G)より求めたサセプタンス(B0)方
が精度が高い。また、Y≫Bのときは位相弁別器
4の出力(eg)からコンダクタンス(G)を求めるよ
りも、アドミツタンス(Y)とサセプタンス(B)より求
めたコンダクタンス(G0)の方が精度が高いこ
とが分かる。実際には、後述するように(eg)と
(eb)とを比較してB0、G0を求める条件を決め、
この条件を満たさないときは従来どおりの方法で
サセプタンス(B)、コンダクタンス(G)を求める。 ここで、サセプタンス(B0)、コンダクタンス
(G0)を求めるための条件を説明する。 一般にインピーダンス測定において独立パラメ
ータを2つ求めれば他の定数はすべてこれ等2つ
の定数から演算により求まることは周知のとおり
である。高精度を目的とした場合は前述のとお
り、 Y≫Gのとき B0=(Y2−G2)1/2 Y≫Bのとき G0=(Y2−G2)1/2 で求めた方が良いことが分るが、Y≫G、Y≫B
の条件を次に示す。 今、容量素子1(Y=G+jB)のベクトル図
は第2図に示すように表わせる。そこで、 B=(Y2−G2)1/2においてG=γGY(γGcosθ、0
〜1)とすれば、 B=(Y2−γ2 GY2)1/2=Y(1−γ2 G)1/2 ……(1) 測定において得られるYの誤差をα、Gの誤差
をβGとすれば次式が得られる。 B={Y2(1±α)2−γ2 GY2(1±βG)2}1/2
≒{Y2(1±2α) −γ2 GY2(1±2βG)}1/2≒Y(1±2α)−
γ2 G(1±2βG)}1/2 ≒Y(1−γ2 G±2α〓2γ2 GβG)1/2≒Y(1
−γ2 G)1/2(1+±2α〓2γ2/GβG/1−γ2/G)1/
2B ≒Y(1−γ2 G)1/2(1+±α〓γ2/GβG/
1−γ2/G)……(2) 但し、α、βG≪1とする。 (1)式から(2)式の誤差項は±α〓γ2/GβG/1−γ2
/Gとなり、 その最大値をηBとすれば、 ηB=α+γ2/GβG/1−γ2/G ……(3) となる。α、βGはY、Gの任意の値に対する誤差
でYの値がフルスケール値より小なる程大きくな
る。 従つて、α、βGは次のように表わせる。 α=αK+Y0/Yα0 βG=βK+Y0/Gβ0=βK+β0Y0/γGY 但し、 Y0……Yのフルスケール値 α0……Yのフルスケールの%で表わした誤差 αK……Yの指示値の%で表わした誤差 β0……G又はBのフルスケールの%で表わした誤
差 βK……G又はBの指示値の%で表わした誤 (3)式に上記のα、βGを代入すると次式が得られ
る。 ηB=αK+Y0/Yα0+γ2/G(βK+Y0/γGYβ0)/
1−γ2/G……(4) 一方、位相弁別器6の出力(eb)から直接得ら
れる誤差をβBとすると、 βB=βK+Y0/Bβ0=βK+Y0/γBYβ0 ……(5) で表わされる。但し、γB=sinθ(=0〜1)であ
る。 αK、α0、βK、β0は測定回路の実験値に基づいて
仮定することができる。これらは測定周波数、信
号電圧、測定範囲等に依存し、例えば次のように
分けられる。
はインダクタンス、抵抗、インピーダンス等の各
種特性値を測定する測定装置に関する。 〔従来の技術〕 従来この種の測定装置として第8図A及び第9
図Aに示す装置がある。第8図Aは容量素子のサ
セプタンス及びコンダクタンスを測定する装置で
ある。同図において、1は測定対象となつている
容量素子(Y=G+jB)、2は交流電源で、容量
素子1に交流電流(iy)を供給する。3は電流/
電圧変換器で、入力電流(iy)を電圧(ey)に変
換する。4,6は位相弁別器で、位相弁別器4は
電圧(ey)を交流電源1の電圧(epref)で位相弁
別を行ない、コンダクタンス(G)に比例した電圧
(eg)を得る。位相弁別器6は電圧(ey)を、交
流電源1の電圧(e)を90度移相器5で90度移相をシ
フトとさせた電圧(eqpref)で位相弁別を行ない、
サセプタンス(B)に比例した電圧(eb)を得る。電
流/電圧変換器3の出力電圧(ey)及び位相弁別
器4,6の出力電圧(eg)、(eb)の移相関係は第
8図Bに示すとおりであり、電圧(ey)はアドミ
ツタンス(Y)に比例する。 一方、第9図Aは誘導素子のリアクタンス及び
抵抗分を測定する装置である。同図において第8
図Aに示す符号と同一のものは同一又は相当部を
示すものであり、1Aは誘導素子(Z=R+
jX)、7は抵抗である。位相弁別器4は電圧(ez)
を電流/電圧変換器3の出力電圧(epref)で位相
弁別を行ない、抵抗(R)に比例した電圧(er)を得
る。位相弁別器6は電圧(ez)を、電圧(epref)
を90度移相器5で90度移相をシフトさせた電圧
(eqpref)で位相弁別を行ない、イアクタンス(X)に
比例した電圧(ex)を得る。電圧(ez)及び位相
弁別器4,6の出力電圧(er)、(ex)の移相関係
は第9図Bに示すとおりであり、電圧(ez)はイ
ンピーダンス(Z)に比例する。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上述の従来の測定装置はいずれも2個の位相弁
別器を測定時に必要とし、位相弁別器には同期整
流器、アナログ乗算器、その他のものを使用して
いるが、位相弁別器そのものの性能により0.1〜
0.2%より良い検出精度を得ることは困難であつ
た。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明に係る測定装置は、上述の問題点を解決
するために以下の構成要素を備えている。すなわ
ち、被測定物に電圧を印加する交流電源2と;被
測定物に流れる電流に対応した電圧(ey)を前記
交流電源の電圧(e)で位相検波し、又は被測定物の
両端電圧(ez)を被測定物に流れる電流に対応し
た電圧で位相検波する第1の位相弁別器4と;被
測定分に流れる電流に対応した電圧(ey)を、前
記交流電源の電圧と90度位相の異なる電圧で位相
弁別し、又は被測定物の両端電圧(ez)を、被測
定物に流れる電流に対応した電圧と90度位相の異
なる電圧で位相弁別する第2の位相弁別器6と;
を備えている。更に、第1の位相弁別器の出力と
第2の位相弁別器の出力とを比較して、第1の所
定の関係にあるか或いは第2の所定の関係にある
かをどうかを判別し、その関係に応じて演算し、
容量素子のアドミツタンス(Y)、コンダクタンス
(G)、サセプタンス(B)又は誘導素子のインピーダン
ス(Z)、リアクタンス(X)、抵抗(R)を求める演算装置
13と;を備えている。 〔作用〕 本発明に係る測定装置において、被測定物が容
量素子(Y=G+jB)の場合について第1図で
説明する。比較置において第1の位相弁別器の出
力(eg)と第2の位相弁別器の出力(eb)とが一
定の関係、例えばeg≦0.35ebのときは、演算装置
により直接第1の移相弁別器の出力(eg)からコ
ンダクタンス(G)を求める。そして、アドミツタン
ス(Y)は被測定物に流れる電流に対応した電圧に比
例しているからこれにより求め、サセプタンス(B)
は(Y2−G2)1/2より求める。サセプタンス(B)は
ωC(ω:角周波数、C:静電容量)であるから、
静電容量(C)はサセプタンス(B)/ωで求められる。 また、eg>0.35ebのときには、第2の位相弁別
器の出力(eb)からサセプタンス(B)が直接求めら
れる。そして、被測定物に流れる電流に対応した
電圧(ey)からアドミツタンス(Y)が求められ、コ
ンダクタンス(G)はY2−B2)1/2により求められる。 一方、被測定物が誘導素子(Z=R+jX)の
場合においても、比較器において同様な比較がな
される。そして、例えば第1の位相弁別器の出力
(er)と第2の位相弁別器の出力(ex)とが、er
≦0.35exのときには、演算装置により第1の位相
弁別器の出力(er)から直接抵抗(R)を求める。そ
して、インピーダンス(Z)は被測定物の両端の電圧
(ez)に比例しているからこれにより求め、リア
クタンス(X)は(Z2−R2)1/2より求める。リアクタ
ンス(X)はωL(L:インダクタンス)であるから、
インダクタンス(L)はX/ωで求められる。 また、er>0.35exのときには、第2の位相弁別
器の出力(ex)からリアクタンス(X)が直接求めら
れる。そして、被測定物の両端電圧(ez)からイ
ンピーダンス(Z)が求められ、抵抗(R)は(Z2−X2)
1/2により求められる。 〔実施例〕 次に本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。 第1図は本発明の一実施例に係る測定装置のブ
ロツク図で、第8図Aと同一符号のものは同一又
は相当部を示す。図において、10は比較器で、
第1の位相弁別器4の出力(eg)と第2の位相弁
別器6の出力(eb)とを所定の関係で比較する。
11は切換スイツチで、比較器10の出力に基づ
いて出力信号(eg)又は(eb)を切換えて送り出
す。12はAC/DC変換器で、電流/電圧変換器
3の出力電圧(ey)を直流電圧(ey′)に変換す
る。13はマイクロコンピユータで、切換スイツ
チ11からの信号及びAC/DC変換器12の出力
がそれぞれA/D変換器20,21によりデータ
変換された後、それらの出力に基づいて所定の演
算を行なう。14a,14bは表示器で、容量素
子等の測定結果を表示する。 次に、上述の測定装置の測定原理及び動作につ
いて説明する。 第1図の測定装置において、電流/電圧変換器
3の出力(ey)は次式に表わされる。なお、この
実施例において被測定物1は容量素子(Y=G+
jB)であるものとする。 ey=e(G+jB)=G・Y・Rs なお、eは交流電圧2の電圧、Rsは電流/電
圧変換器3の帰還抵抗である。 AC/DC変換器12は電流/電圧変換器3の出
力(ey)を直流電圧(ey′)に変換するが、この
出力電圧(ey′)はlYlに比例し、しかも従来のデ
イジタル交流電圧計に見られるとおり、入力電圧
(ey)に対して0.01%の直線性及び分解能を有し、
極めて高精度であることは周知のとおりである。 一方、電圧(eg)、(eb)はそれぞれ位相弁別器
4,6の出力電圧であり、(eg)はコンダクタン
ス(G)に比例した直流電圧で、(eb)はサセプタン
ス(B)に比例した直流電圧であつて、その精度は
0.1〜0.2%程度以下であることは上述のとおりで
ある。 従つて、 B=√2−2 G=√2−2 の関係にあり、これ等をそれぞれB0、G0とする
と、Y≫Gのときは、直流位相弁別器6の出力
(eb)からサセプタンス(B)を求めるよりも、精度
の高い(ey′)すなわちアドミツタンス(Y)とコン
ダクタンス(G)より求めたサセプタンス(B0)方
が精度が高い。また、Y≫Bのときは位相弁別器
4の出力(eg)からコンダクタンス(G)を求めるよ
りも、アドミツタンス(Y)とサセプタンス(B)より求
めたコンダクタンス(G0)の方が精度が高いこ
とが分かる。実際には、後述するように(eg)と
(eb)とを比較してB0、G0を求める条件を決め、
この条件を満たさないときは従来どおりの方法で
サセプタンス(B)、コンダクタンス(G)を求める。 ここで、サセプタンス(B0)、コンダクタンス
(G0)を求めるための条件を説明する。 一般にインピーダンス測定において独立パラメ
ータを2つ求めれば他の定数はすべてこれ等2つ
の定数から演算により求まることは周知のとおり
である。高精度を目的とした場合は前述のとお
り、 Y≫Gのとき B0=(Y2−G2)1/2 Y≫Bのとき G0=(Y2−G2)1/2 で求めた方が良いことが分るが、Y≫G、Y≫B
の条件を次に示す。 今、容量素子1(Y=G+jB)のベクトル図
は第2図に示すように表わせる。そこで、 B=(Y2−G2)1/2においてG=γGY(γGcosθ、0
〜1)とすれば、 B=(Y2−γ2 GY2)1/2=Y(1−γ2 G)1/2 ……(1) 測定において得られるYの誤差をα、Gの誤差
をβGとすれば次式が得られる。 B={Y2(1±α)2−γ2 GY2(1±βG)2}1/2
≒{Y2(1±2α) −γ2 GY2(1±2βG)}1/2≒Y(1±2α)−
γ2 G(1±2βG)}1/2 ≒Y(1−γ2 G±2α〓2γ2 GβG)1/2≒Y(1
−γ2 G)1/2(1+±2α〓2γ2/GβG/1−γ2/G)1/
2B ≒Y(1−γ2 G)1/2(1+±α〓γ2/GβG/
1−γ2/G)……(2) 但し、α、βG≪1とする。 (1)式から(2)式の誤差項は±α〓γ2/GβG/1−γ2
/Gとなり、 その最大値をηBとすれば、 ηB=α+γ2/GβG/1−γ2/G ……(3) となる。α、βGはY、Gの任意の値に対する誤差
でYの値がフルスケール値より小なる程大きくな
る。 従つて、α、βGは次のように表わせる。 α=αK+Y0/Yα0 βG=βK+Y0/Gβ0=βK+β0Y0/γGY 但し、 Y0……Yのフルスケール値 α0……Yのフルスケールの%で表わした誤差 αK……Yの指示値の%で表わした誤差 β0……G又はBのフルスケールの%で表わした誤
差 βK……G又はBの指示値の%で表わした誤 (3)式に上記のα、βGを代入すると次式が得られ
る。 ηB=αK+Y0/Yα0+γ2/G(βK+Y0/γGYβ0)/
1−γ2/G……(4) 一方、位相弁別器6の出力(eb)から直接得ら
れる誤差をβBとすると、 βB=βK+Y0/Bβ0=βK+Y0/γBYβ0 ……(5) で表わされる。但し、γB=sinθ(=0〜1)であ
る。 αK、α0、βK、β0は測定回路の実験値に基づいて
仮定することができる。これらは測定周波数、信
号電圧、測定範囲等に依存し、例えば次のように
分けられる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば容量素子の場合には第1の位相弁別器の出力
(eg)と第2の位相弁別器の出力(eb)との関係
がeg≦k・ebを満たすかどうかに応じて第1の位
相弁別器の出力(eg)又は第2の位相弁別器の出
力(eb)のいずれか一方を使用してサセプタンス
を求め、誘導素子の場合には第1の位相弁別器の
出力(er)と第2の位相弁別器の出力(exとの関
係がer≦kexを満たすかどうかに応じて第1の位
相弁別器の出力(er)又は第2の位相弁別器の出
力(ex)のいずれか一方を使用してリアクタンス
を求めるようにし、測定時に位相弁別器を1個だ
け使用して測定することができるようにしたの
で、測定時に2個の位相弁別器を使用した従来の
ものに比べて、その精度が著しく向上している。
ば容量素子の場合には第1の位相弁別器の出力
(eg)と第2の位相弁別器の出力(eb)との関係
がeg≦k・ebを満たすかどうかに応じて第1の位
相弁別器の出力(eg)又は第2の位相弁別器の出
力(eb)のいずれか一方を使用してサセプタンス
を求め、誘導素子の場合には第1の位相弁別器の
出力(er)と第2の位相弁別器の出力(exとの関
係がer≦kexを満たすかどうかに応じて第1の位
相弁別器の出力(er)又は第2の位相弁別器の出
力(ex)のいずれか一方を使用してリアクタンス
を求めるようにし、測定時に位相弁別器を1個だ
け使用して測定することができるようにしたの
で、測定時に2個の位相弁別器を使用した従来の
ものに比べて、その精度が著しく向上している。
第1図は本発明の一実施例に係る測定装置のブ
ロツク図、第2図は容量素子のベクトル図、第3
図〜第6図は誤差の特性図、第7図は本発明の他
の実施例に係る測定装置のブロツク図、第8図
A,B及び第9図A,Bはそれぞれ従来の測定装
置のブロツク図及びその動作を示したベクトル図
である。 1,1A……被測定物、2……交流電源、3…
…電流/電圧変換器、4,6……位相弁別器、5
……90度移相器、10……比較器、11……切換
スイツチ、12……AC/DC変換器、13……マ
イクロコンピユータ、14a,14b……表示
器。
ロツク図、第2図は容量素子のベクトル図、第3
図〜第6図は誤差の特性図、第7図は本発明の他
の実施例に係る測定装置のブロツク図、第8図
A,B及び第9図A,Bはそれぞれ従来の測定装
置のブロツク図及びその動作を示したベクトル図
である。 1,1A……被測定物、2……交流電源、3…
…電流/電圧変換器、4,6……位相弁別器、5
……90度移相器、10……比較器、11……切換
スイツチ、12……AC/DC変換器、13……マ
イクロコンピユータ、14a,14b……表示
器。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 容量素子からなる被測定物に電圧を印加する
交流電源と、 被測定物に流れる電流に対応した電圧(ey)
を、前記交流電源の電圧で位相検波する第1の位
相弁別器と、 被測定物に流れる電流に対応した電圧(ey)
を、前記交流電源の電圧と90度位相の異なる電圧
で位相弁別する第2の位相弁別器と、 第1の位相弁別器の出力(eg)と第2の位相弁
別器の出力(eb)との関係が、 eg≦k・eb(但し、定数kは0.25〜0.5の範囲に
あつて所望の測定精度に応じて設定される定数で
ある。)という条件を満たしているかどうかを判
断する比較器と、 該比較器が上記の条件を満していると判断した
ときは、前記第1の位相弁別器の出力(eg)に基
いてコンダクタンス(G)を求め、被測定物に流れる
電流に対応した電圧(ey)に基いてアドミツタン
ス(Y)を求め、更に、このアドミツタンス(Y)及びコ
ンダクタンス(G)に基いてサセプタンス(Bo)を
求め、また、前記比較器が上記の条件を満たして
いないと判断したときは、前記第2の位相弁別器
の出力(eb)に基いてサセプタンス(B)を求める演
算手段と を備えたことを特徴とする測定装置。 2 容量素子からなる被測定物に電圧を印加する
交流電源と、 被測定物に流れる電流に対応した電圧(ey)
を、前記交流電源の電圧で位相検波する第1の位
相弁別器と、 被測定物に流れる電流に対応した電圧(ey)
を、前記交流電源の電圧と90度位相の異なる電圧
で位相弁別する第2の位相弁別器と、 第1の位相弁別器の出力(eg)と第2の位相弁
別器の出力(eb)との関係が、 eg≦k・eb(但し、定数kは0.25〜0.5の範囲に
あつて所望の測定精度に応じて設定される定数で
ある。)という条件を満たしているかどうかを判
断する比較器と、 該比較器が上記の条件を満していると判断した
ときは、前記第1の位相弁別器の出力(eg)に基
いてコンダクタンス(G)を求め、被測定物に流れる
電流に対応した電圧(ey)に基いてアドミツタン
ス(Y)を求め、更に、このアドミツタンス(Y)及びコ
ンダクタンス(G)に基いてサセプタンス(Bo)を
求め、また、前記比較器が上記の条件を満たして
いないと判断したときは、前記第2の位相弁別器
の出力(eb)に基いてサセプタンス(B)を求め、更
に、被測定物に流れる電流に対応した電圧(ey)
に基いてに基いてアドミツタンス(Y)を求め、更
に、このアドミツタンス(Y)及びサセプタンス(B)に
基いてコンダクタンス(G)を求める演算手段と を備えたことを特徴とする測定装置。 3 誘導素子からなる被測定物に電圧を印加する
交流電源と、 被測定物の両端電圧(ez)を被測定物に流れる
電流に対応した電圧で位相検波する第1の位相弁
別器と、 被測定物の両端電圧(ez)を、被測定物に流れ
る電流に対応した電圧と90度位相の異なる電圧で
位相弁別する第2の位相弁別器と、 前記第1の位相弁別器の出力(er)と第2の位
相弁別器の出力(ex)との関係が、 er≦kex(但し、定数kは0.25〜0.5の範囲にあつ
て所望の測定精度に応じて設定される定数であ
る。)という条件を満たしているかどうかを判断
する比較器と、 該比較器が上記の条件を満たしていると判断し
たときは、第1の位相弁別器の出力(er)に基い
て抵抗(R)を求め、被測定物の両端電圧(ez)に基
いてインピーダンス(Z)を求め、更に、このインピ
ーダンス(Z)及び抵抗(R)基いてリアクタンス(X)を求
め、また、前記比較器が上記の条件を満たしてい
ないと判断したときは、前記第2の位相弁別器の
出力(ex)に基いてリアクタンス(X)を求める演算
手段とを備えたことを特徴とする測定装置。 4 誘電素子からなる被測定物に電圧を印加する
交流電源と、 被測定物の両端電圧(ez)を被測定物に流れる
電流に対応した電圧で位相検波する第1の位相弁
別器と、 被測定物の両端電圧(ez)を、被測定物に流れ
る電流に対応した電圧と90度位相の異なる電圧で
位相弁別する第2の位相弁別器と、 前記第1の位相弁別器の出力(er)と第2の位
相弁別器の出力(ex)との関係が、 er≦kex(但し、定数kは0.25〜0.5の範囲にあつ
て所望の測定精度に応じて設定される定数であ
る。)という条件を満たしているかどうかを判断
する比較器と、 該比較器が上記の条件を満たしていると判断し
たときは、第1の位相弁別器の出力(er)に基い
て抵抗(R)を求め、被測定物の両端電圧(ez)に基
いてインピーダンス(Z)を求め、更に、このインピ
ーダンス(Z)及び抵抗(R)に基いてリアクタンス(X)を
求め、また、前記比較器が上記の条件を満たして
いないと判断したときは、前記第2の位相弁別器
の出力(ex)に基いてリアクタンス(X)を求め、更
に、被測定物の両端電圧(ez)に基いてインピー
ダンス(Z)を求め、このインピーダンス(Z)及びリア
クタンス(X)に基いて抵抗(R)を求める演算手段と を備えたことを特徴とする測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10839585A JPS61266965A (ja) | 1985-05-22 | 1985-05-22 | インピーダンス等の測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10839585A JPS61266965A (ja) | 1985-05-22 | 1985-05-22 | インピーダンス等の測定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61266965A JPS61266965A (ja) | 1986-11-26 |
JPH0566988B2 true JPH0566988B2 (ja) | 1993-09-22 |
Family
ID=14483671
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10839585A Granted JPS61266965A (ja) | 1985-05-22 | 1985-05-22 | インピーダンス等の測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61266965A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3608952B2 (ja) | 1998-07-30 | 2005-01-12 | Necエレクトロニクス株式会社 | インピーダンス測定装置およびインピーダンス測定方法 |
DE69903573T2 (de) * | 1999-12-10 | 2003-08-14 | Nec Corp | Gerät und Verfahren zur genauen Messung von Impedanzen |
JP4562551B2 (ja) * | 2005-03-02 | 2010-10-13 | 北斗電子工業株式会社 | インピーダンス検出装置 |
CZ201384A3 (cs) * | 2013-02-07 | 2014-03-26 | České vysoké učení technické v Praze - Fakulta elektrotechnická | Zařízení pro automatické testování výkonových kondenzátorů |
-
1985
- 1985-05-22 JP JP10839585A patent/JPS61266965A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61266965A (ja) | 1986-11-26 |
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