JP2655272B2 - 柚子風味の発酵乳およびその製造法 - Google Patents

柚子風味の発酵乳およびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、柚子の香りを付与した発酵乳およびその製
造法に関するものである。
〔従来の技術〕 獣乳を乳酸発酵させて製造される発酵乳は、本来調味
を全くしないか、調味したとしても甘味を付ける程度で
食べるものであったが、近年、消費者の嗜好の多様化に
合わせて、種々の果汁入り発酵乳が商品化されている。
その例としては、みかん、オレンジ、グレープフルー
ツ、レモン、ストロベリー、リンゴ、キウィ等の果肉や
果汁を添加したものがある。
しかしながら、発酵乳は無脂乳固形分濃度が8%以上
と高く、したがって乳酸発酵生産物の濃度も高いため、
何も添加しない場合でもその風味は変化し易いから、そ
の中にこれも変質し易い天然果汁を加えることは、一定
の風味を維持することを著しく困難にし、かえって嗜好
性の悪化を招くことさえある。特に柑橘類果汁を発酵乳
に添加した場合は、果汁が含有する精油と発酵乳中の発
酵生産物との相互作用により保存中複雑な香りの変化を
生じ、ついには強い石鹸臭を感じさせるに至る。したが
って、従来商品化された果汁入り発酵乳は、不安定な香
気成分すなわち精油分が除かれている濃縮果汁を用い、
香りは天然精油と合成香料を最小限度併用して付与する
方法により、比較的容易な味の点での特徴付けを施した
ものであって、香りの特徴付けという点ではきわめて低
い水準のものであった。しかも、果汁が濃縮によって好
ましくない味の変化を起こしているため、味の点でも満
足できるものではなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで本発明の目的は、天然果汁により味と香りのい
ずれにおいても確実かつ高品位の特徴付けがなされ、さ
らにはその特徴が通常期待される保存期間中安定してい
る発酵乳およびその製造法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成することに成功した本発明は、果汁と
して柚子果汁を採用し、これを特定の条件で使用したも
のである。
すなわち、本発明による発酵乳は、非濃縮柚子果汁を
含有するとともに該果汁に由来する精油を0.025〜0.035
重量%含有し、且つphが4.2〜4.7であることを特徴とす
る柚子風味のものであり、また、本発明によるこの柚子
風味発酵乳の製造法は、獣乳の乳酸発酵を行い、得られ
た培養物に柚子の香りを付与するのに十分な量の非濃縮
柚子果汁を添加すること、および、そのさい上記柚子果
汁添加後の培養物pHが4.2〜4.7になるように乳酸発酵を
打ち切ることを特徴とするものである。
本発明の発酵乳の製造法についてさらに詳しく説明す
る。
獣乳を乳酸発酵させてベースとなる発酵乳を得る工程
は、培養終点pH以外は、なんら制限されるものではな
い。すなわち、無脂乳固形分約8%以上の製品が得られ
るような濃度の任意の原料乳(乳脂肪分の量は問題では
ない)と乳酸菌を用いて、任意の条件で培養を行うこと
ができる。培養時間は、最終的に得られる果汁入り発酵
乳のpHが4.2〜4.7になるように、到達pHの観点から制限
される。柚子果汁はpH2.5程度のやや強い酸性であるか
ら、これが添加されると、培養物のpHは通常0.2〜0.5程
度低下する。したがって、培養は培養物pHが最低でも4.
2になる前に打ち切らなければならない。培養物のpHが
低くなり過ぎて製品のpHが4.2未満になると、柚子果汁
由来の精油含有量のいかんにかかわらず、製品の香りの
安定性が悪くなる。反対に製品pHが約4.7をこえると、
酸味が弱すぎて発酵乳らしさが失われる。
得られた培養物に、非濃縮柚子果汁を加えてよく混合
する。
非濃縮柚子果汁は、柚子の実からの搾汁方法にもよる
が、通常、果皮に由来する精油を0.6〜2.0%程度含有す
る。柚子特有の香りは主としてこの精油によるもので、
これを発酵乳中に約0.025〜0.035%含有させることによ
り、十分な柚子の香りが付与される。したがって、本発
明において発酵乳に柚子の香りを十分付与するのに必要
な柚子果汁の量は、その果汁の精油含有率が低いほど多
くなる。果汁添加量があまり多くならないよう、本発明
で使用する柚子果汁は精油を約0.8%以上含有するもの
であることが望ましい。
なお、上記以上に過剰の柚子果汁を添加することは製
品の風味を万人向きではないものとするだけでなくその
経時的変化を大きくするので、好ましくない。
本発明の発酵乳には、柚子果汁以外に、柚子果汁添加
の作用効果を妨げない範囲で、ゲル化剤、油脂、香料
等、任意の補助成分を添加することができる。本発明の
発酵乳の性状もまた任意であって、液状、半固形状、固
形状など、いずれの形態をとることもできる。
〔実施例〕
以下、実施例および実験例を示して本発明を説明す
る。なお、「部」は重量部を意味する。
実験例1 牛乳670部、脱脂粉乳70部を混合し、加熱殺菌後、43
℃に冷却し、スターター(ラクトバチルス・ブルガリク
スおよびラクトバチルス・サーモフィルス1:1の混合ス
ターター)を2%添加し、適温に保持して培養する。そ
の後、150kg/cm2の圧力でホモゲナイズし、pH4.7のヨー
グルトベースを得る。
一方、砂糖120部、非濃縮天然柚子果汁(精油含有率
1.0%)15〜45部および水60部を混合し、70℃で10分間
加熱殺菌して果汁ベースとする。
上記ヨーグルトベースと果汁ベースを混合し、40℃に
加温し、あらかじめ加温溶解した寒天およびゼラチンを
加える。よく混合した後、容器に充填し、冷却、固化さ
せる。製品のpHは、いずれも約4.3となる。
上記製造法によりヨーグルトを製造し、製品の風味の
官能検査(柚子風味が確実かつ適度に付与されているか
否かを重視した判定)を10名のパネルにより実施した。
その結果は表1のとおりで、精油の含有率が0.025〜0.0
35%程度のとき好結果が得られることが分かった。
表1 果汁含有率(%) 精油含有率(%) 官能評価* 1.5 0.015 0.1 2.0 0.020 0.7 2.5 0.025 2.3 3.5 0.035 2.2 4.0 0.040 0.6 4.5 0.045 0.1 *「非常においしい」を+3とし「非常にまずい」を−
3とする−3〜+3の7段階尺度を使ってパネル10名に
よる採点を行い、その平均値を示した。
実験例2 実験例1の製造法において培養時間を調節することに
より種々のpHのヨーグルトベースを得、それらに、精油
含有率が0.035%となるように非濃縮柚子果汁を添加し
て、柚子風味のヨーグルトを製造した。
得られた種々のpHのヨーグルトについて、実験例1の
場合と同様に風味の官能検査を行い、更に、10℃で保存
したときの香りの経時的変化を調べた。その結果を表2
および表3に示した。
表2 官能評価 ヨーグルトのpH 官能評価 3.8 4.2 2.3 4.7 1.9 5.0 0.3 この結果から、ヨーグルトのpHを約4.2〜4.7の範囲に
すれば、風味は殆ど悪化させずに香りを安定化させるこ
とができることが分かる。
実験例3 実験例1で得られたヨーグルトについて、実験例2の
場合と同様の保存試験をした。その結果を、表4に示
す。
この結果から、pHを好適値にしても精油含有率が高す
ぎると、風味が悪いだけでなく香りの安定性も悪くなる
ことが分かる。
実施例1 全粉乳40部および脱脂粉乳86部を水600部に溶解し、9
0℃で15分間加熱殺菌後、43℃に冷却し、スターター
(実験例で用いたのと同じもの)を2%添加し、培養し
た。4時間培養後、10℃以下に冷却し、pH4.8のヨーグ
ルトベースを得た。別に、非濃縮柚子果汁30部および水
157部を砂糖80部およびハイメトキシルペクチン6部と
混合し、80℃に加熱して、ペクチンの溶解と溶液の殺菌
を行なった。これを上記のヨーグルトベースに混合し、
30〜40℃に加温して150kg/cm2の圧力でホモゲナイズし
た。その後、10℃以下に冷却し、容器に充填、密封し
て、ドリンクタイプヨーグルト(pH4.4;柚子精油含有率
0.03%)を得た。この製品は明確な柚子の香りを有し、
風味は良好であり、10℃で14日間保存しても異臭の発生
は認められなかった。
実施例2 脱脂粉乳120部およびヤシ油100部より、実施例1と同
様にしてヨーグルトベース(pH4.9)を得た。別に、砂
糖140部、ゼラチン8部、キサンタンガム0.6部、ポリグ
リセリン脂肪酸エステル7部、非濃縮柚子果汁35部、香
料1.5部および水190部より、果汁ベースを製造した。こ
れを上記のヨーグルトベースに混合し、連続式回転ホイ
ッパー(Air−o−Matic社)でホイップし(オーバーラ
ン50%)、容器に充填、密封して、ホイップヨーグルト
(pH4.7;精油含有率0.035%)を得た。この製品は明確
な柚子の香りを有し、風味は良好であり、10℃で14日間
保存しても異臭の発生は認められなかった。
〔発明の効果〕
上述のような本発明の発酵乳の利点は次のとおりであ
る。
従来製造されていたこの種の果汁入り発酵乳に比べ
て、明確かつ安定した香りを有する。
上記に加えて、柚子果汁として非濃縮果汁を使う
ので果汁自体の味が良いこと、および柚子精油が発酵乳
固有の発酵臭(これを嫌う人が多いことは周知のとおり
である)をマスクする作用が強いことにより、風味が優
れている。
本発明の製造法によれば、上述のように有利な点の多
い発酵乳を、合成香料を必要とすることなく、容易に製
造することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無脂乳固形分濃度が8%以上の発酵乳にお
    いて、非濃縮柚子果汁を含有し、該果汁に由来する精油
    の含有率が0.025〜0.035重量%であり、pHが4.2〜4.7で
    あることを特徴とする発酵乳。
  2. 【請求項2】獣乳の乳酸発酵を行い、得られた培養物に
    柚子の香りを付与するのに十分な量の非濃縮柚子果汁を
    添加すること、および、そのさい上記柚子果汁添加後の
    培養物pHが4.2〜4.7になるように乳酸発酵を打切ること
    を特徴とする柚子風味発酵乳の製造法。
JP8514288A 1988-04-08 1988-04-08 柚子風味の発酵乳およびその製造法 Expired - Lifetime JP2655272B2 (ja)

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JP7072877B2 (ja) * 2019-06-21 2022-05-23 高梨乳業株式会社 加熱臭が抑制された乳成分含有飲食品及び乳成分の加熱臭抑制用組成物

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