JP2654031B2 - 自走式電気掃除機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ） 産業上の利用分野 本発明は、床用吸込体を備えた掃除機本体を有する自
走式電気掃除機に関する。

（ロ） 従来の技術 部屋内を自動的に移動しながら掃除する自走式電気掃
除機は特公昭49−46776号公報に示され、このものは前
後一対の床用吸込体が床面に対向しており、これらの床
用吸込体が邪魔になる。一方、昇降自在な床用吸込体を
有した電気掃除機は特開昭57−175335号公報に示されて
いるが、このものは床用吸込体の昇降を手動で行なうの
で操作が面倒であり、さらに走行停止状態で床用吸込体
を上昇すると床用吸込体から掃除機本体に至るまでのホ
ース部分に溜った塵埃が落下して床面を汚す等の欠点が
ある。

（ハ） 発明が解決しようとする問題点 本発明の自走式電気掃除機は、昇降自在な床用吸込体
を有すると共に、走行停止後に床用吸込体を床面から上
昇しても床用吸込体から塵埃が落下して床面を汚すこと
のないようにしたものである。

（ニ） 問題点を解決するための手段 本発明は、車輪をモータにより駆動して前後方向に走
行する掃除機本体の前後に、夫々昇降装置で昇降自在な
床用吸込体及び前記床用吸込体に連なる吸塵機構を配設
すると共に、前記昇降装置及び前記吸塵機構を作動させ
る制御部を設け、該制御部には、走行停止後所定時間前
記吸塵機構の作動を継続させると共に前記所定時間経過
後に前記床用吸込体を上昇するように前記昇降装置を作
動せしめる遅延回路を有したことを特徴とする。

（ホ） 作用 上記の構成により自走式電気掃除機は掃除時には床用
吸込体を降下して床面に対向させると共に吸塵機構を作
動させて、床面の塵埃を吸い込みながら走行する。そし
て走行方向の変更等のための走行停止後には遅延回路に
より所定時間だけ前記吸塵機構を作動させ、吸塵機構内
に溜った塵埃を完全に吸い込んでから昇降装置により床
用吸込体を上昇させることにより塵埃を床用吸込体から
落下させることなく、しかも床用吸込体が邪魔になるこ
となく、スムーズに走行方向の変更を行なう。

（ヘ） 実施例 以下、本発明自走式電気掃除機の構成を第１図〜第４
図に基いて説明する。

（１）は自走式電気掃除機の掃除機本体で、上ケース
（２）と基台スカート部（３）とからなる外装ケース
（４）で覆われている。前記基台スカート部（３）には
衝突用センサー（5a）…を内蔵したバンパー（５）を配
設している。また上ケース（２）の上部には回転自在な
距離測定用センサー部（６）を配置し、該センサー部
（６）に設けた半導体レーザー距離測定体で障害物との
距離を測定可能にしている。

（７）は掃除機本体（１）の基板、（8A）（8B）は該
基板（７）の前部及び後部に配設した前後一対の吸塵機
構で、これらの吸塵機構（8A）（8B）は基板（７）の上
面に取り付けた前後の吸塵用ファンモータ（9a）（9b）
と、該ファンモータ（9a）（9b）の吸込口に接続され、
基板（７）を貫通して基板（７）下方に延びた可撓性の
吸込ホース（10a）（10b）と、該吸込ホース（10a）（1
0b）の先端に取り付けられた前後の床用吸込体（11a）
（11b）と、前記基板（７）の下面に取り付けられた前
後の昇降用モータ（12a）（12b）及び、下端を前記床用
吸込体（11a）（11b）に接続され前記モータ（12a）（1
2b）で巻き上げられるワイヤー（13a）（13b）とからな
る前後の昇降装置（14a）（14b）とから構成している。
そして前記ファンモータ（9a）（9b）の排出口は前記本
体（１）内の集塵容器（図示せず）に連結されている。
また（15）は電源用の充電式電池である。

（16）…は前記基板（７）の前後の左右位置に夫々枢
支された車輪ユニットで、これらの車輪ユニット（16）
…は上部に枢支軸（17）…を有するカバー（18）…内に
走行車輪（19）…を軸支し、前記カバー（18）側面には
走行用モータ（20）…を備えている。

さらに（21）は前記基板（７）に固定した軸受ハウジ
ングで、前記枢支軸（17）を嵌め込んで回転自在に支持
する。また（22）は前記枢支軸（17）の先端に取り付け
た操舵用プーリである。

（23）は前記前後左右の車輪ユニット（16）…の操舵
用プーリ（22）…に架け渡された操舵用タイミングベル
トで、前記基板（７）に取り付けた操舵用モータ（24）
によって前記車輪ユニット（16）…を前後、左右、斜め
方向等に同期して回動する。

次に第３図において、（25）は制御回路、（26）は距
離測定用演算回路、（27）は充電式電池（15）を含む電
源回路である。また（28）（29）は走行が停止したとき
のみ作用する第１、第２遅延回路で、夫々の遅延回路
（28）（29）は前記走行用モータ（20）…の停止後所定
時間だけ吸塵用ファンモータ（9a）（9b）の作動を継続
させると共に所定時間経過後昇降用モータ（12a）（12
b）を作動して降下している床用吸込体（11a）（11b）
を上昇させるものである。そして前記制御回路（25）及
び第１、第２遅延回路（28）（29）により制御部（30）
は構成される。

さらに第４図は走行制御のフローチャートである。

而して、掃除開始時において、制御回路（25）からの
前進の指令により走行用モータ（20）…が回転して掃除
機本体（１）が前進すると共にこのとき後側の昇降用モ
ータ（12b）が回転して後側の床用吸込体（11b）を上昇
させ、前側の床用吸込体（11a）は床面に接地して且つ
前側の吸塵用ファンモータ（9a）が回転し、床面掃除を
しながら前進する。

掃除機本体（１）の前側壁面の近接状態で前進が停止
し、走行用モータ（20）…の回転が停止した状態で第１
遅延回路（28）により前側吸塵用ファンモータ（9a）が
所定時間作動を継続して前側の床用吸込体（11a）から
吸塵用ファンモータ（9a）に至る吸塵機構（8A）内に溜
った塵埃を吸塵容器に吸い込んだ後停止し、該所定時間
経過後に前側の昇降用モータ（12a）により前側の床用
吸込体（11a）が上昇し、且つ操舵用モータ（24）の駆
動により４個の車輪ユニット（16）…が同時に90度回動
し、制御回路（25）の指令により横移動する。その後制
御回路（25）の後進の指令により、後側の昇降用モータ
（12b）は通電を解除され、後側の床用吸込体（11b）が
接地すると共に操舵用モータ（35）により４個の車輪ユ
ニット（16）…が90度逆回動して前後方向に向き、走行
用モータ（20）…が逆回転して本体（１）を後進しなが
ら床面掃除を行なう。

掃除機本体（１）の後側壁面への近接状態で後進が停
止し、このとき第２遅延回路（29）により後側の吸塵用
ファンモータ（9b）が所定時間作動して後側の床用吸込
体（11b）から吸塵用ファンモータ（9b）に至る後側の
吸塵機構（8B）内に溜った塵埃を収塵容器に吸い込んだ
後停止し、該所定時間経過後に、後側の昇降用モータ
（12b）により後側の床用吸込体（11b）が上昇し、この
状態で操舵用モータ（24）の駆動によって車輪ユニット
（16）…が90度回動して掃除機本体（１）が横移動し、
その後、前進の指令により前記と同様に掃除機本体
（１）が前進する。そしてこの前進、横移動、後進の繰
り返しにより部屋の床面全体を自走しながら掃除する。

（ト） 発明の効果 本発明の自走式電気掃除機は以上の如く、走行状態で
床用吸込体を降下して床面に対向させると共に吸塵機構
を作動させる制御部を有し、この制御部には走行停止後
所定時間前記吸塵機構を作動させると共に前記所定時間
経過後に前記床用吸込体を上昇するように昇降装置を作
動せしめる遅延回路を有しているので走行停止状態で吸
塵機構内に塵埃が残留せず、従って床用吸込体を上昇し
たときに塵埃が床用吸込体から落下して床面を汚すおそ
れがない。

【図面の簡単な説明】

図面は何れも本発明自走式電気掃除機の実施例に関し、
第１図は一部切欠側面図、第２図は側面図、第３図は電
気回路ブロック図、第４図は走行制御のフローチャート
である。 （１）……掃除機本体、（11a）……前側床用吸込体、
（11b）……後側床用吸込体、（8A）……前側吸塵機
構、（8B）……後側吸塵機構、（28）……第１遅延回
路、（29）……第２遅延回路、（30）……制御部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−107135（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−68345（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−262119（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車輪をモータにより駆動して前後方向に走
   行する掃除機本体の前後に、夫々昇降装置で昇降自在な
   床用吸込体及び前記床用吸込体に連なる吸塵機構を配設
   すると共に、前記昇降装置及び前記吸塵機構を作動させ
   る制御部を設け、該制御部には、走行停止後所定時間前
   記吸塵機構の作動を継続させると共に前記所定時間経過
   後に前記床用吸込体を上昇するように前記昇降装置を作
   動せしめる遅延回路を有したことを特徴とする自走式電
   気掃除機。