JP2653640B2 - 円筒状孔開け工具の装着構造 - Google Patents

円筒状孔開け工具の装着構造

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JP2653640B2 JP22612394A JP22612394A JP2653640B2 JP 2653640 B2 JP2653640 B2 JP 2653640B2 JP 22612394 A JP22612394 A JP 22612394A JP 22612394 A JP22612394 A JP 22612394A JP 2653640 B2 JP2653640 B2 JP 2653640B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転駆動を受けること
により金属板や壁板等に孔を開ける円筒状孔開け工具の
装着構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】いわゆるホールソーをはじめとする円筒
状孔開け工具は、その先端面に刃部を有しており、この
円筒状孔開け工具を所定の工具取付部に装着するととも
に、この工具取付部の中心から先方へ中心位置決め用の
センタードリルを突出させた状態でこの工具取付部とと
もに上記円筒状孔開け工具を高速回転駆動することによ
り、上記刃部で金属板やモルタル壁等に円形状の孔を開
けることができるようになっている。ここで、上記円筒
状孔開け工具は上記工具取付部に一体的に固定しても良
いが、この円筒状孔開け工具の形状や寸法、材質は、孔
開け対象物の材質や板厚によって変更する必要がある一
方、上記工具取付部としてはほとんど全ての場合に単一
種のものを共用できるので、一般に上記円筒状孔開け工
具は工具取付部に対して着脱可能に構成され、用途に応
じて交換できるように配慮がなされている。
【0003】従来、上記円筒状孔開け工具を上記工具取
付部に着脱可能に装着するための構造としては、工具取
付部の先端に雄ねじ部を形成する一方、円筒状孔開け工
具のつけ根部の内周面に雌ねじを形成し、両ねじを螺合
するものが良く知られている(例えば実開昭55−16
9309号公報参照)。しかし、この構造では、使用中
(すなわち円筒状孔開け工具の高速回転中)、上記工具
取付部にかなり大きな駆動トルクが加えられ、その反力
が孔開け対象物から円筒状孔開け工具に作用するため、
両者の螺合部分が非常に固く締め付けられた状態とな
り、この螺合を緩めるのに極めて大きな力が必要で、取
外し作業が非常に困難となる欠点がある。
【0004】そこで、特開平5−131312号公報で
は、上記円筒状孔開け工具の中心部に上記センタードリ
ルが挿通可能な挿通孔を設けるとともに、この円筒状孔
開け工具の軸方向略中間部位の外周部にフランジ部を形
成してこのフランジ部に軸方向のねじ孔を開け、上記挿
通孔に上記センタードリルを挿通するとともに、上記工
具取付部(同公報ではドライブカラー)に軸方向に挿通
したボルトの先端を上記ねじ孔に螺合挿入することによ
り、上記工具取付部と円筒状孔開け工具とを着脱可能に
連結したものが示されている。
【0005】このような構造によれば、使用時に工具取
付部や円筒状孔開け工具に加えられるトルクが、取付部
材である上記ボルトにはその回転力として作用しないた
め、このボルトと上記ねじ孔とが過剰な力で締め付けら
れることがない。従って、上記円筒状孔開け工具を交換
する際には、普通の力で上記ボルトを緩め、上記ねじ孔
から抜き取ることが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記公報の装置では、
円筒状孔開け工具を着脱するのに依然として雄ねじと雌
ねじとを螺合する作業、及び螺合を緩める作業が必要で
あり、そのために専用の工具を用いなければならず、面
倒である。また、工具取付部や円筒状孔開け工具に加え
られるトルクは上記ボルトに剪断力として作用するた
め、このボルトのねじ山が変形しやすいという不都合も
ある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、ねじを
用いない簡単な構造で、工具取付部に対する円筒状孔開
け工具の着脱作業を容易にする装着構造を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、駆動源に連結された工具取付
部に円筒状孔開け工具を着脱可能に装着するための円筒
状孔開け工具の装着構造において、上記円筒状孔開け工
具のつけ根部に上記工具取付部の外周面の軸方向の一部
に嵌合される円筒状嵌合部を設け、この円筒状嵌合部
に、その端部から軸方向に切り込む軸方向部とこの軸方
向部の終端から周方向に切り込む周方向部とからなる抜
け止め用切欠部を形成し、かつ、上記端部から軸方向に
切り込む回転止め用切欠部を形成する一方、上記工具取
付部に、上記円筒状嵌合部が嵌合される嵌合部分と嵌合
されない非嵌合部分との双方にまたがる軸方向の係止孔
を設け、この係止孔内に、上記嵌合部分と非嵌合部分と
にまたがる係止位置と上記嵌合部分から退避する退避位
置との間で移動可能に係止部材を設け、この係止部材を
上記嵌合部分側に付勢する付勢手段を備え、上記工具取
付部の外周面の上記嵌合部分において互いに周方向に異
なる位置から径方向外側に突起を突出させるとともに、
この突起が上記抜け止め用切欠部内に侵入可能となるよ
うに抜け止め用切欠部の幅寸法を設定し、上記係止部材
が上記回転止め用切欠部内に侵入可能となるように回転
止め用切欠部の幅寸法を設定し、上記突起が上記抜け止
め用切欠部の周方向部に侵入した状態で上記係止部材が
上記回転止め用切欠部に侵入可能となるように上記突起
と係止部材及び係止孔との相対位置を設定したものであ
る(請求項1)。
【0009】この構造では、上記突起が上記抜け止め用
切欠部の周方向部に侵入した状態で上記係止部材が上記
抜け止め用切欠部の軸方向部に侵入可能となるように上
記突起と係止部材及び係止孔との相対位置を設定するこ
とにより、上記軸方向部を上記回転止め用係止部として
兼用することが、より好ましい(請求項2)。
【0010】また、上記係止部材をその中心軸回りに回
転可能に構成し、この係止部材の少なくとも先端部を円
形以外の形状に設定するとともに、上記係止孔において
上記非嵌合部分に形成されている領域の断面形状を、上
記係止部材が予め設定された第1の回転位置にある場合
にもこの第1の回転位置と異なる第2の回転位置にある
場合にも同係止部材が挿入可能な形状とし、上記係止孔
において上記嵌合部分に形成されている領域の断面形状
を、上記係止部材が上記第1の回転位置にある場合には
同係止部材の先端部が挿入可能で上記係止部材が上記第
2の回転位置にある場合には同係止部材の先端部が挿入
不能な形状に設定することにより、後述のようなより優
れた効果が得られる(請求項3)。
【0011】この場合、上記係止孔において上記非嵌合
部分に形成されている領域の断面形状としては、上記係
止部材の最大直径とほぼ等しい直径をもつ円形が好適で
ある(請求項4)。また、上記係止部材が上記第1の回
転位置にある時の同係止部材の左右両側面をこの係止部
材の幅寸法が先端に向かうに従って小さくなる方向のテ
ーパー面とすれば、より好ましいものとなる(請求項
5)。
【0012】
【作用】請求項1記載の装着構造によれば、例えば次の
要領で円筒状孔開け工具を工具取付部に装着できる。
【0013】係止部材は第1の回転位置に位置させて
おき、この係止部材を付勢手段の付勢力で係止位置(す
なわち係止孔内で嵌合部分と非嵌合部分とにまたがる位
置)に保持しておく。
【0014】工具取付部外周面上の突起を円筒状孔開
け工具の円筒状嵌合部の抜け止め用切欠部の軸方向部に
挿入するようにしながら、上記円筒状嵌合部を上記工具
取付部外周面に所定部位まで外嵌する。この外嵌時、上
記円筒状嵌合部の端部が上記係止部材を上記付勢手段の
付勢力に抗してほぼ退避位置まで押し返す。
【0015】上記外嵌状態のまま、上記突起を上記抜
け止め用切欠部の周方向部内に侵入させる方向に円筒状
孔開け工具と工具取付部とを相対回転させる。これによ
り、上記係止孔の周方向位置と上記工具取付部の回転止
め用切欠部(請求項2では抜け止め用切欠部の軸方向
部)の周方向位置とが合致し、それまで上記円筒状嵌合
部の端部により退避位置へ押し込まれていた係止部材が
上記付勢手段の付勢力によって上記工具取付部の回転止
め用切欠部内(請求項2では抜け止め用切欠部の軸方向
部内)に挿入される。この回転止め用切欠部と係止部材
との係合により、円筒状孔開け工具と工具取付部との相
対回転が阻止されるとともに、突起が上記抜け止め用切
欠部の周方向部内の位置に保持されることにより、工具
取付部からの円筒状孔開け工具の抜けも阻止される。す
なわち、円筒状孔開け工具が工具取付部に固定された状
態となり、この状態で両者を一体に回転駆動することに
より、上記円筒状孔開け工具を用いて穿孔作業を行うこ
とができる。
【0016】上記円筒状孔開け工具を交換する場合に
は、上記係止部材を指で把持する等してこの係止部材を
上記係止位置から退避位置まで強制的に移動させ、円筒
状孔開け工具を工具取付部に対して上記と逆の方向に相
対回転させて突起を抜け止め用切欠部の軸方向部内に臨
ませればよい。この状態で、工具取付部から円筒状孔開
け工具の円筒状嵌合部を軸方向に簡単に抜き取ることが
できる。
【0017】このの抜き取り作業の際、請求項3記載
の構造では、上記係止部材を上記係止位置から退避位置
まで強制的に移動させた後、この係止部材を上記第1の
回転位置から第2の回転位置まで回すことにより、この
係止部材が係止孔において嵌合部分に位置する領域に侵
入できなくなる。すなわち、この状態で係止部材を放し
ても係止部材は係止位置には戻れず、退避位置に保持さ
れる。従って、係止部材は放置したまま円筒状孔開け工
具と工具取付部を相対回転させることができ、工具取付
部から円筒状孔開け工具を容易に抜き取ることができ
る。
【0018】ここで、請求項4記載の構造では、上記係
止孔において上記非嵌合部分に形成されている領域の断
面形状を上記係止部材の最大直径とほぼ等しい円形に設
定しているので、この円形という簡単な形状設定で上記
退避位置での係止部材の回転が確実に許容され、かつ係
止部材が安定した状態で支持される。
【0019】また、請求項5記載の構造では、上記係止
部材が上記第1の回転位置にある時の同係止部材の左右
両側面がこの係止部材の幅寸法が先端に向かうに従って
小さくなる方向のテーパー面であるため、この係止部材
の先端部は係止孔において上記嵌合部分に位置する部分
までより円滑に侵入でき、この係止部材が上記係止孔に
おいて上記嵌合部分と非嵌合部分との境界部分で引掛か
って係止位置へ移動不能となることが、より確実に防が
れる。
【0020】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0021】図1〜3において、10は円筒状孔開け工
具12の工具取付部を構成する筒状のドライブカラーで
あり、このドライブカラー10の内周面に雌ねじ14が
刻まれている。この雌ねじ14には、外周面に雄ねじを
もつシャンク16が捩じ込まれ、このシャンク16は図
略の回転駆動源に連結されている。このシャンク16の
中央部には先方から中心位置決め用のセンタードリル1
8が差し込まれ、シャンク16に側方から挿入される抜
け止め部材19によってこのシャンク16に回転不能に
固定されている。
【0022】上記ドライブカラー10の外周面において
上記回転駆動源に近い側(図3では左側)の端部には、
他の部分(嵌合部分)よりも外径の大きい鍔部(非嵌合
部分)20が形成されている。この鍔部20にはこれを
軸方向に貫通する第1係止孔22が形成され、この第1
係止孔22の奥には同係止孔22と連なる所定深さの第
2係止孔24が形成されている。上記第1係止孔22は
円形状(ただしその上端は切れている)とされ、第2係
止孔24は、上記第1係止孔22の孔径とほぼ同じ高さ
寸法を有し、かつ上記孔径よりも小さい幅寸法をもつ矩
形状とされている。一方、ドライブカラー10において
上記回転駆動源から遠い側(図3では右側)には、上記
両係止孔22,24と一直線状に並ぶばね収容孔26が
形成され、このばね収容孔26と上記第2係止孔24と
はこれらよりも小径の軸支孔28で連通されている。
【0023】上記係止孔22,24内には、図4及び図
6〜図9にも示すような係止部材30が挿入されてい
る。この係止部材30は、上記第1係止孔22の孔径よ
りもわずかに小さい外径をもつ円柱部材において、その
片側端部をこの端部の両側面がテーパー面32となるよ
うに削って先細り状にしてその先端面を図4に示すよう
な略矩形状にしたものであり、これらのテーパー面32
が左右を向く回転位置(図1及び図6〜図8の位置;第
1の回転位置)では、上記テーパー面32が形成されて
いる側の端部(先端部)が第2係止孔24内に挿入可能
であり、両テーパー面32が上下を向く回転位置(図9
の位置;第2の回転位置)では上記先端部が第2係止孔
24内に挿入不能となる形状を有している。
【0024】上記係止部材30の中心軸には貫通孔が設
けられ、これに回転中心軸34が挿通されている。この
回転中心軸34は上記軸支孔28内にも挿通されていて
この部分で回転可能に支持されており、この回転中心軸
34において上記ばね収容孔26側の端部には同収容孔
26の孔径と略等しい外径の鍔部36が形成され、反対
側の端部はかしめられて抜け止め部38とされ、これに
より係止部材30からの回転中心軸34の抜けが防がれ
ている。そして、上記ばね収容孔26内において上記回
転中心軸34の周囲に圧縮ばね(付勢手段)40が設け
られており、この圧縮ばね40の弾発力で回転中心軸3
4及び係止部材30が工具側(図6〜図9の右側)に付
勢されている。
【0025】上記ドライブカラー12の外周面におい
て、上記鍔部20から軸方向に少し離れた位置であって
かつ互いに180°離間する2つの位置には、ピン(突
起)42が固定され、これらのピン42が上記外周面か
ら径方向外側に突出した状態となっている。
【0026】一方、円筒状孔開け工具12は、図5に示
すように、筒状工具本体44と、取付部材46とで構成
されている。取付部材46は、上記ドライブカラー10
に近い側(図5では左側)から順に、円筒状嵌合部47
と、段部48と、工具固定部49とを一体に有してお
り、工具固定部49に筒状工具本体44が外嵌され、溶
接等で固定されている。筒状工具本体44の先端部に
は、図1に示すような切削刃44aが形成され、この筒
状工具本体44が回転駆動された状態で板材等の加工対
象物に押付けられることにより、穿孔が行われるように
なっている。
【0027】上記円筒状嵌合部47において前記ピン4
2にそれぞれ対応する位置には、抜け止め用切欠部50
が形成されている。この抜け止め用切欠部50は、上記
円筒状嵌合部47の端部から軸方向に切り込む軸方向部
52と、この軸方向部52の終端から周方向に切り込む
周方向部54とからなる略L字状とされ、各部52,5
4内に上記ピン42が侵入可能となるように抜け止め用
切欠部50全体の幅寸法が設定されている。また、周方
向部54の終端までピン42が侵入した状態(図1及び
図8の状態)で円筒状嵌合部47の端部が鍔部20に当
接するように上記ピン42の突出位置及び抜け止め用切
欠部50の寸法が設定されており、この状態で一方の抜
け止め用切欠部50の軸方向部52と上記第2係止孔2
4の周方向位置が互いに合致するように、第2係止孔2
4と一方のピン42との周方向の相対位置が設定されて
いる。
【0028】この構造によれば、次の要領で上記円筒状
孔開け工具12をドライブカラー10に対して着脱でき
る。
【0029】1)装着前の準備(図6(a)(b)):
係止部材30を第1の回転位置(両テーパー面32が左
右を向く回転位置)にし、この係止部材30を圧縮ばね
40の弾発力によって係止位置(第1係止孔22及び第
2係止孔24の双方に挿入される位置)に保持してお
く。
【0030】2)円筒状嵌合部47の嵌合(図7(a)
(b)):ドライブカラー10外周面上のピン42を円
筒状孔開け工具12の円筒状嵌合部47における抜け止
め用切欠部50の軸方向部52に挿入するような相対回
転位置で、上記ピン42が上記軸方向部52の終端に達
する位置まで、上記円筒状嵌合部47を上記ドライブカ
ラー10の外周面に外嵌する。この外嵌時、上記円筒状
嵌合部47の端部が上記係止部材30を上記圧縮ばね4
0の弾発力に抗してほぼ退避位置まで押し返す。
【0031】3)固定(図8(a)(b)):上記外嵌
状態のまま、上記ピン42を上記抜け止め用切欠部50
の周方向部54内に侵入させる方向(図1では反時計回
り方向)に円筒状孔開け工具12をドライブカラー10
に対して回転させる。これにより、一方の抜け止め用切
欠部50の軸方向部52の周方向位置と第2係止孔24
の周方向位置とが合致し、それまで上記円筒状嵌合部4
7の端部との当接で退避位置へ押し込まれていた係止部
材30が圧縮ばね40の弾発力で上記周方向部24及び
軸方向部52内に挿入される。ここで、係止部材30の
先端部は両テーパー面32の形成によって先細り状とな
っているので、上記第2係止部24及び軸方向部52内
への挿入は円滑であり、上記先端部が第2係止部24の
入口等で引掛かって挿入不能となる事態がより確実に防
がれる。
【0032】このような軸方向部52と係止部材30と
の係合により、円筒状孔開け工具12とドライブカラー
10との相対回転が阻止されるとともに、ピン42が上
記抜け止め用切欠部50の径方向部54内の位置に保持
されることにより、ドライブカラー10からの円筒状孔
開け工具12の抜けも阻止される。すなわち、円筒状孔
開け工具12がドライブカラー10に固定された状態と
なる。この状態で両者を一体に回転駆動し、壁板等の加
工対象物に押付ければ、まずセンタードリル18が先に
穿孔することにより孔加工位置が決められ、その後上記
円筒状孔開け工具12が上記ドリル18の周囲を削るこ
とにより、この円筒状孔開け工具12と略同径の孔が開
けられる。
【0033】4)工具取外し(図9(a)(b)):上
記円筒状孔開け工具12を交換する場合には、まず、上
記係止部材30を指で把持する等して上記係止位置から
退避位置まで強制的に後退させ、この位置で係止部材3
0を第1係止孔22内で前記第1の回転位置から第2の
回転位置(すなわち両テーパー面32が上下を向く回転
位置)まで回転中心軸34を中心に回す。これにより、
係止部材30の略矩形状先端部と、同じく略矩形状の第
2係止孔24との向きがずれ、この第2係止孔24内に
係止部材30の先端部が侵入できなくなり、指を離して
も係止部材30は上記退避位置に保持されたままとな
る。この状態で、円筒状孔開け工具12をドライブカラ
ー10に対して上記と逆の方向(図1では時計回り方
向)に相対回転させてピン42を抜け止め用切欠部50
の軸方向部52内に臨ませれば、図9(a)(b)の矢
印に示すように、上記ドライブカラー10から円筒状孔
開け工具12の円筒状嵌合部47を軸方向へ簡単に抜き
取ることができる。
【0034】以上のように、本実施例の構造によれば、
ボルトの螺合といった面倒な作業を行わずに、極めて簡
単な操作で円筒状孔開け工具12をドライブカラー10
に対して着脱でき、作業能率を大幅に高めることができ
る。また、従来構造では、使用中の駆動トルクに起因し
て円筒状孔開け工具12とドライブカラー10との連結
用ボルトに剪断力が作用し、そのねじ山が変形するおそ
れがあったが、本実施例の構造では、使用時の駆動トル
クに起因して上記係止部材30に剪断力が作用しても、
その固定機能に何ら悪影響は及ばない。
【0035】なお、本発明はこの実施例に限定されるも
のでなく、例として次のような態様をとることも可能で
ある。
【0036】(1) 上記実施例では、係止部材30を抜け
止め用切欠部50の軸方向部52に挿入することによ
り、ドライブカラー10に対する円筒状孔開け工具12
の相対回転を規制しているが、上記抜け止め用切欠部5
0とは別の位置に、上記係止部材30の挿入専用の回転
止め用切欠部を円筒状嵌合部47の端部から軸方向に切
り込み、回転止め用切欠部50の周方向部54にピン4
2が侵入した状態で上記回転止め用切欠部内に上記係止
部材30が挿入されるように回転止め用切欠部の形成位
置を設定するようにしてもよい。ただし、上記実施例の
ように抜け止め用切欠部50の軸方向部52を回転止め
用切欠部として兼用すれば、その分工数が減ってコスト
を削減できるとともに、切欠部の個数の減少によって円
筒状嵌合部47を強度的により有利な構造にできる利点
がある。
【0037】(2) 上記実施例において、特に係止部材3
0を回転可能な構成にしなくても、ドライブカラー10
に対する円筒状孔開け工具12の固定及び取外しを行う
ことは可能である。ただし、この構造の場合、ドライブ
カラー10から円筒状孔開け工具12を取外す際、係止
部材30を指等で把持して係止位置から退避位置まで後
退させた後、この係止部材30を把持したまま円筒状孔
開け工具12の回転作業をしなければならないが、上記
実施例のように係止部材30を回転可能にして第2の回
転位置では第2係止孔24内に侵入不能となる構成にす
れば、この第2の回転位置で係止部材30を放しても係
止部材30が係止位置へ戻ることはないので、係止部材
30を把持せずに円筒状孔開け工具12の回転作業を行
うことができ、より簡単に円筒状孔開け工具12を取外
せる利点がある。
【0038】なお、この回転可能な構成とする場合、第
1係止孔22の形状は少なくともこの第1係止孔22内
で上記係止部材30が第1の回転位置と第2の回転位置
との双方を取り得る形状であればよいが、上記実施例の
ように第1係止孔22を係止部材30の最大直径と略等
しい円形にすれば、簡単な形状設定で確実に係止部材3
0の回転を許容でき、かつこの係止部材30を第1係止
孔22内で安定して保持できる利点がある。
【0039】(3) 本発明において、抜け止め用切欠部及
び突起の個数は複数であればよく、これらを3箇所以上
設けるようにしてもよい。いずれの場合も、抜け止め用
切欠部及び突起を等間隔で設ければ、工具取付部に円筒
状孔開け工具をより安定した状態で装着できる利点があ
る。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明は、円筒状孔開け工
具の円筒状嵌合部を工具取付部に外嵌する構造におい
て、上記円筒状嵌合部に軸方向部と周方向部とからなる
抜け止め用切欠部を形成し、かつ、軸方向の回転止め用
切欠部を形成する一方、上記工具取付部に、係止位置と
退避位置とをもつ係止部材と、外周面から突出する複数
の突起とを設け、上記抜け止め用切欠部における軸方向
部から周方向部への上記突起の侵入により、上記工具取
付部からの円筒状嵌合部の抜けを規制するとともに、上
記周方向部への突起の侵入時に上記係止部材が上記回転
止め用切欠部に侵入することにより、円筒状孔開け工具
と工具取付部との相対回転を規制するようにしたもので
あるので、捩じ込み作業のいらない極めて簡単な操作
で、円筒状孔開け工具の着脱を確実に行うことができる
効果がある。また、従来のようにボルトで円筒状孔開け
工具と工具取付部とを連結する場合と異なり、駆動トル
クに起因してボルトのねじ山が変形するといった不都合
はなく、大きなトルクで工具及び工具取付部を駆動する
場合にも、固定機能を良好に維持できる。
【0041】ここで、請求項2記載の構造では、上記突
起が上記抜け止め用切欠部の周方向部に侵入した状態で
上記係止部材が上記抜け止め用切欠部の軸方向部に侵入
可能となるように上記突起と係止部材との相対位置を設
定することにより、上記軸方向部を上記回転止め用係止
部として兼用しているので、形成する切欠部の個数を減
らして工数を削減する分、コストを下げるとともに円筒
状嵌合部を強度的により有利な構造にできる効果があ
る。
【0042】請求項3記載の構造では、上記係止部材を
回転可能とし、この係止部材の先端部の形状を、上記係
止部材が第2の回転位置にある状態では係止孔において
嵌合部分に位置する領域に侵入できない形状にしている
ので、工具取外しの際、上記係止部材を係止位置から退
避位置へ後退させた後にこの係止部材を第1の回転位置
から第2の回転位置に回すだけの作業で、この係止部材
を退避位置に保持しておくことができる。従って、この
係止部材は放置したまま円筒状孔開け工具と工具取付部
とを相対回転させる作業を行うことができ、より容易に
円筒状孔開け工具を工具取付部から取外すことができる
効果がある。
【0043】ここで、請求項4記載の構造では、上記係
止孔において上記非嵌合部分に形成されている領域の断
面形状を上記係止部材の最大直径とほぼ等しい円形に設
定しているので、円形という簡単な形状設定で上記退避
位置での係止部材の回転を確実に許容し、かつ係止部材
を係止孔内に安定した状態で保持できる効果がある。
【0044】また、請求項5記載の構造では、上記係止
部材が上記第1の回転位置にある時の同係止部材の左右
両側面をこの係止部材の幅寸法が先端に向かうに従って
小さくなる方向のテーパー面としているので、この係止
部材の先端部を係止孔において上記嵌合部分に位置する
部分までより円滑に侵入させることができ、この係止部
材が上記係止孔において上記嵌合部分と非嵌合部分との
境界部分で引掛かって係止位置へ移動不能となるのを、
より確実に防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における円筒状孔開け工具の
装着構造の全体斜視図である。
【図2】上記円筒状孔開け工具が装着されるドライブカ
ラーの正面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】上記ドライブカラーに設けられる係止部材の斜
視図である。
【図5】上記円筒状孔開け工具の一部断面側面図であ
る。
【図6】(a)は上記円筒状孔開け工具を嵌合する前の
ドライブカラーの状態を示す断面側面図、(b)は上記
状態を示す平面図である。
【図7】(a)は上記ドライブカラーに円筒状孔開け工
具を嵌合した状態を示す断面側面図、(b)は上記状態
を示す平面図である。
【図8】(a)は上記円筒状孔開け工具を回転させてド
ライブカラーに固定した状態を示す断面側面図、(b)
は上記状態を示す平面図である。
【図9】(a)は上記円筒状孔開け工具をドライブカラ
ーから抜き取る状態を示す断面側面図、(b)は上記状
態を示す平面図である。
【符号の説明】
10 ドライブカラー 12 円筒状孔開け工具 20 鍔部(非嵌合部分) 22 第1係止孔(係止孔において非嵌合部分に位置す
る部分) 24 第2係止孔(係止孔において嵌合部分に位置する
部分) 30 係止部材 32 テーパー面 40 圧縮ばね(付勢手段) 42 ピン(突起) 47 円筒状嵌合部 50 抜け止め用切欠部 52 軸方向部 54 周方向部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源に連結された工具取付部に円筒状
    孔開け工具を着脱可能に装着するための円筒状孔開け工
    具の装着構造において、上記円筒状孔開け工具のつけ根
    部に上記工具取付部の外周面の軸方向の一部に嵌合され
    る円筒状嵌合部を設け、この円筒状嵌合部に、その端部
    から軸方向に切り込む軸方向部とこの軸方向部の終端か
    ら周方向に切り込む周方向部とからなる抜け止め用切欠
    部を形成し、かつ、上記端部から軸方向に切り込む回転
    止め用切欠部を形成する一方、上記工具取付部に、上記
    円筒状嵌合部が嵌合される嵌合部分と嵌合されない非嵌
    合部分との双方にまたがる軸方向の係止孔を設け、この
    係止孔内に、上記嵌合部分と非嵌合部分とにまたがる係
    止位置と上記嵌合部分から退避する退避位置との間で移
    動可能に係止部材を設け、この係止部材を上記嵌合部分
    側に付勢する付勢手段を備え、上記工具取付部の外周面
    の上記嵌合部分において互いに周方向に異なる位置から
    径方向外側に突起を突出させるとともに、この突起が上
    記抜け止め用切欠部内に侵入可能となるように抜け止め
    用切欠部の幅寸法を設定し、上記係止部材が上記回転止
    め用切欠部内に侵入可能となるように回転止め用切欠部
    の幅寸法を設定し、上記突起が上記抜け止め用切欠部の
    周方向部に侵入した状態で上記係止部材が上記回転止め
    用切欠部に侵入可能となるように上記突起と係止部材及
    び係止孔との相対位置を設定したことを特徴とする円筒
    状孔開け工具の装着構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の円筒状孔開け工具の装着
    構造において、上記突起が上記抜け止め用切欠部の周方
    向部に侵入した状態で上記係止部材が上記抜け止め用切
    欠部の軸方向部に侵入可能となるように上記突起と係止
    部材及び係止孔との相対位置を設定することにより、上
    記軸方向部を上記回転止め用係止部として兼用したこと
    を特徴とする円筒状孔開け工具の装着構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の円筒状孔開け工
    具の装着構造において、上記係止部材をその中心軸回り
    に回転可能に構成し、この係止部材の少なくとも先端部
    を円形以外の形状に設定するとともに、上記係止孔にお
    いて上記非嵌合部分に形成されている領域の断面形状
    を、上記係止部材が予め設定された第1の回転位置にあ
    る場合にもこの第1の回転位置と異なる第2の回転位置
    にある場合にも同係止部材が挿入可能な形状とし、上記
    係止孔において上記嵌合部分に形成されている領域の断
    面形状を、上記係止部材が上記第1の回転位置にある場
    合には同係止部材の先端部が挿入可能で上記係止部材が
    上記第2の回転位置にある場合には同係止部材の先端部
    が挿入不能な形状に設定したことを特徴とする円筒状孔
    開け工具の装着構造。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の円筒状孔開け工具の装着
    構造において、上記係止孔において上記非嵌合部分に形
    成されている領域の断面形状を上記係止部材の最大直径
    とほぼ等しい直径をもつ円形に設定したことを特徴とす
    る円筒状孔開け工具の装着構造。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の円筒状孔開け工
    具の装着構造において、上記係止部材が上記第1の回転
    位置にある時の同係止部材の左右両側面をこの係止部材
    の幅寸法が先端に向かうに従って小さくなる方向のテー
    パー面としたことを特徴とする円筒状孔開け工具の装着
    構造。
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