JP3644999B2 - 円筒形状穿孔工具 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は円筒形状穿孔工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
本願出願人は、平成4年3月12日付け特許出願(特願平4−53528号:特開平5−253721号)を提出し、一端の縁に所定間隔をあけて複数の刃が形成された円筒形状工具本体と、該工具本体の他端を閉じ、中心に回転駆動力伝達用シャンクが連結されるフランジとを有する円筒形状穿孔工具であって、フランジを円筒形状工具本体の上記他端に固定するための手段を有しており、該固定手段が、円筒形状工具本体の軸線の周りで回転可能にしてフランジの外側端面側に設定され、内周面に雌ねじが設けられている筒状回転部材と、該筒状回転部材の内側に設定され、上記雌ねじに係合する雄ねじを有し、筒状回転部材を回転することによって軸線方向で変位されるようになされた軸方向変位部材と、上記フランジに取り付けられ、該軸方向変位部材の軸方向での変位に基づき半径方向外側に変位され、円筒形状工具本体内周面に押圧されて該円筒形状工具本体とフランジとを相互に連結固定するための部材とを有する円筒形状穿孔工具を開示している。
【0003】
この工具では、作業者が筒形状回転部材を手でもって回転するだけでフランジと工具本体との連結が可能であり、従来、それらの連結及び連結解除には特別に用意した工具を必要としたのに比べて、当該工具の組立て分解が極めて容易であるといった優れた効果を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような工具には次のような問題があった。
【0005】
すなわち、すなわち、この工具で穿孔作業を行う場合、その穿孔作業に伴う振動のために、上記筒状回転部材が回転されて固定部材によるフランジの固定が緩んでしまったり、反対に固定が過剰にきつくなってしまうことがあるということである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような従来の工具の問題点を解消しようとするものであり、上記の如き円筒形状工具において、穿孔作業の際に発生する振動によって筒状回転部材が不本意に回転されるのを防止するための手段であって、フランジ及び筒状回転部材の一方に設けられた凹所と、フランジ及び筒状回転部材の他方に設けられた上記凹所に所定の圧力をもって押圧係合される係止部材とを有する回転防止手段を設けたことを基本的特徴とする。
【0007】
より具体的には、上記凹所は筒状回転部材のフランジに面する環状の面に沿って間隔をあけて複数設けられ、係止部材がフランジに設けられる。
【0008】
上記固定手段は、具体的には、軸方向変位部材に取り付けられてフランジを貫通して軸線方向に延び軸方向変位部材とともに変位されるようになされた連結部材と、連結部材に連結されて該連結部材が軸線方向で変位されると円筒形状工具本体の内側でフランジに近づいたり離れたりするようになされた固定部材とを有している。
【0009】
上記フランジの円筒形状工具本体の上記他端に挿入される部分の外周面の少なくとも一部分と円筒形状工具本体の内周面との間には所定の空隙が形成されるようになされ、固定部材は該空隙に挿入される締付け突起を有し、該突起がフランジに係合した状態で当該固定部材がフランジに近づけられることによって、該突起がフランジとの係合によって半径方向に広げられて当該フランジと上記円筒形状工具本体の内周面との間で締め付けられて該工具本体とフランジとを連結固定するようになされる。
【0010】
フランジの上記外周面は円筒形状工具本体の内部の進むに従って同工具本体の内周面から離れるようにテーパが付けられており、上記固定部材の締付け突起がこのテーパの付けられた外周面に係合するようにされている。
【0011】
上記締付け突起は、固定部材の円形周縁に沿って円環状に設けられ、その円周方向で所定の間隔をあけて当該円筒形状工具本体の軸線方向に延びるスリット若しくは間隙が形成され、それにより当該突起が半径方向で可撓性を有するようにされる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明を添付の図面に示した実施例に基づき説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る円筒形状穿孔工具10を示している。
【0014】
該穿孔工具は、従来のものと同様に、一端の縁20に所定間隔をあけて複数の刃22が取り付けられた円筒形状工具本体24と、該工具本体の他端を閉じ、中心に回転駆動力伝達用シャンク26が連結されるフランジ28とを有する。
【0015】
フランジ28は、円筒形状工具本体24の外周面と同じ直径を有し当該工具本体端部の外側に接するように設定される部分30と、円筒形状工具本体の内部に挿入される部分32とを有している。部分32の外周面にはテーパ状面34が形成されており、該テーパ面と円筒形状工具本体の内周面との間には環状の空隙36が形成されている。
【0016】
この工具は更に、フランジ28を円筒形状工具本体24に固定するための固定手段を有している。
【0017】
すなわち、この固定手段は、フランジ28よりも工具本体24の内側に設定された全体的に環状の固定部材40を有しており、該固定部材にはその周縁に沿って環状の突起42がフランジの方に向けて設けられており、この突起42は環状空隙36の中に挿入され、以下に述べるように該空隙の中に押し進められることにより半径方向外側に広がり、円筒形状工具本体24とフランジ28とを連結固定するようになっている。図示はされていないが、円環状の突起には、その円周方向で所定の間隔をあけて間隙若しくはスリットが、軸線方向に延びるように形成され、それによって、当該突起の半径方向での可撓性を与えるようにしている。
【0018】
固定手段は更に、上記円筒形状工具本体24の軸線の周りで回転可能にして上記フランジの外側端面側に設定され、その内周面に雌ねじ44が設けられている筒状回転部材46と、該筒状回転部材46の内側に設定され、同回転部材の雌ねじに係合する雄ねじ48を有し、筒状回転部材を回転することによって軸線方向で変位されるようになされた環状の軸方向変位部材50とを有している。更にこの固定手段は、該軸方向変位部材50に取り付けられ、上記フランジ28を貫通して軸線方向に延び、固定部材40に接続された連結部材若しくは連結ピン52を有している。
【0019】
固定手段は、以上の如き構成を有するものであり、フランジ28を円筒形状工具本体24に固定する前は、固定部材40がフランジ28から相対的に離れた位置とし、締付け突起42が半径方向で広がらない状態にしておく。
【0020】
フランジ28を円筒形状工具本体24に固定する場合には、フランジ28を図示の如く円筒形状工具本体の端部に挿入する。次に、筒状回転部材を作業者が回転させ、軸方向変位部材50がフランジから離れるように動かす。このようにすることによって、固定部材40がフランジに向けて動かされ、該固定部材の突起42がフランジ28と円筒形状工具本体24との間の空隙36に圧入される。突起は圧入されるに従ってフランジ28のテーパ状面34の作用により半径方向で広げられ、該フランジと円筒形状工具本体との間を連結固定する。
【0021】
本発明に係る円筒形状穿孔工具10の最も特徴とするところは、筒状回転部材28が穿孔作業の際に振動によって不本意に回転するのを防止するための回転防止手段を設けた点にある。すなわち、この回転防止手段は、筒状回転部材46に設けた凹所56と、フランジに設けられ上記凹所に係合される係止部材(図示の例ではボール)58と、該係止部材を上記凹所にむけて押圧するバネ部材60とを有している。凹所56は筒状回転部材の上記フランジに面する環状の面に沿って間隔をあけて複数設けられており、係止部材58及びバネ部材60はフランジに軸方向に延びるように設けられた孔内に設定されている。
【0022】
この凹所と係止部材とバネ部材との関係は、作業者が筒状回転部材46を手で回転しようとする力には抗することが出来ないが、穿孔作業の際に生じる振動によって当該筒状回転部材が回転しようとする動きに対しては、これに抗して、当該筒状回転部材の回転を防止するようなものとされる。
【0023】
図面では、明瞭に示していないが、凹所56は所定の間隔をあけて複数設け、筒状回転部材46をフランジ28に対して適当な量だけ回転して所要の締付けを行い、その位置で凹所と係止部材との係合ができるようにすることが好ましい。筒状回転部材46の回転を終了した時点で、凹所56と係止部材58とが係合しない場合も生じるが、凹所を設ける間隔を小さくしておけば、穿孔作業で筒状回転部材が回転しても、それにより凹所と係止部材との係合が生じた後は、回転を防止することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明に係る工具は、上記の如き構成を有するものであり、穿孔作業が行われても回転防止手段によって、筒状回転部材の不本意な回転を防止することができ、従って、従来の工具における如く、穿孔作業の途中でフランジと円筒形状工具本体との間の固定が緩んでしまうといった状態が発生するのを防ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る穿孔工具の断面側面図。
【図2】 凹所、係止部材、及び、バネ部材からなる回転防止手段の断面側面図。
【符号の説明】
22−−−刃; 24−−−円筒形状工具本体; 26−−−シャフト;
28−−−フランジ; 40−−−固定部材; 42−−−締付け突起;
46−−−筒状回転部材; 50−−−軸方向変位部材; 56−−−凹所; 58−−−係止部材。
Claims (4)
- 一端の縁に所定間隔をあけて複数の刃が形成された円筒形状工具本体(24)と、該工具本体の他端を閉じ、中心に回転駆動力伝達用シャンク(26)が連結されるフランジ(28)とを有する円筒形状穿孔工具であって、
上記円筒形状工具本体(24)の軸線の周りで回転可能にして上記フランジの外側端面側に設定され、その内周面に雌ねじが設けられている筒状回転部材(46)と、
該筒状回転部材(46)の内側に設定され、上記雌ねじに係合する雄ねじを有し、上記筒状回転部材を回転することによって軸線方向で変位されるようになされた軸方向変位部材(50)と、
上記軸方向変位部材(50)に取り付けられて上記フランジを貫通して軸線方向に延び上記軸方向変位部材(50)とともに変位されるようになされた連結部材(52)と、
上記連結部材(52)に連結されて該連結部材が軸線方向で変位されると円筒形状工具本体の内側で上記フランジに近づいたり離れたり軸線方向で変位するようになされ、締付け突起(42)を有する固定部材(40)と、を備え、
上記フランジ(28)の上記円筒形状工具本体(24)の上記他端に挿入される部分の外周面の少なくとも一部分と上記円筒形状工具本体の内周面との間には所定の空隙が形成されるようになされており、
上記固定部材(40)の上記締付け突起(42)が上記空隙に挿入され、該突起(42)が上記フランジ(28)に係合した状態で当該固定部材(40)がフランジに近づけられることによって、該突起が該フランジとの係合によって半径方向に広げられて当該フランジと上記円筒形状工具本体(24)の内周面との間で締め付けられて該工具本体とフランジとを連結固定するようになされており、
上記フランジ(28)及び上記筒状回転部材の一方に、凹所(56)を設けると共に、他方に上記凹所に所定の圧力(60)をもって押圧係合される係止部材(58)を設け、上記筒状回転部材(46)が、穿孔作業の際に発生する振動によって、回転されるのを防止することを特徴とする円筒形状穿孔工具。 - 上記凹所(56)が上記筒状回転部材(46)の上記フランジ(28)に面する環状の面に沿って間隔をあけて複数設けられ、上記係止部材(58)が上記フランジ(28)に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の円筒形状穿孔工具。
- 上記フランジ(28)の上記外周面が円筒形状工具本体(24)の内部の進むに従って同工具本体の内周面から離れるようにテーパ(34)が付けられており、上記固定部材の締付け突起(42)がこのテーパの付けられた外周面に係合するようにされている請求項1又は2に記載の円筒形状穿孔工具。
- 上記締付け突起(42)が、上記固定部材(40)の円形周縁に沿って円環状に設けられ、その円周方向で所定の間隔をあけて当該円筒形状工具本体(24)の軸線方向に延びる間隙が形成され、それにより当該突起(42)が半径方向で可撓性を有する用にしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の円筒形状穿孔工具。
Priority Applications (1)
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JP05103495A JP3644999B2 (ja) | 1995-03-10 | 1995-03-10 | 円筒形状穿孔工具 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP05103495A JP3644999B2 (ja) | 1995-03-10 | 1995-03-10 | 円筒形状穿孔工具 |
Publications (2)
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JPH08243824A JPH08243824A (ja) | 1996-09-24 |
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Family Applications (1)
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JP05103495A Expired - Fee Related JP3644999B2 (ja) | 1995-03-10 | 1995-03-10 | 円筒形状穿孔工具 |
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AU2003902866A0 (en) * | 2003-06-06 | 2003-06-26 | Kym John Keightley | A hole saw assembly |
-
1995
- 1995-03-10 JP JP05103495A patent/JP3644999B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08243824A (ja) | 1996-09-24 |
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