JP2653399B2 - 熱可塑性シートの表面を連続的に圧刻加工するための圧刻ローラを製造する方法 - Google Patents

熱可塑性シートの表面を連続的に圧刻加工するための圧刻ローラを製造する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧刻ローラの圧刻
表面が、圧刻加工しようとする表面構造、特に粒起面の
雌型を有しているような、熱可塑性シートの表面を連続
的に圧刻加工するための圧刻ローラを製造する方法に関
する。
【０００２】
【従来の技術】ドイツ連邦共和国特許第３４０５９８５
号明細書に基づき、表面構造が粒起面を形成するような
当該方法が公知である。このような公知の方法の場合、
この粒起面を有する粒起面原型に、合成樹脂が一様に厚
い層として流し込まれるか、または塗布され、次いで、
硬化もしくは架橋されることにより圧刻母型が形成され
る。次いでこの圧刻母型が引出され、圧刻ローラの周面
に被着される。通常の場合、周方向において互いに突合
わされた、圧刻母型の両縁部の間には、突合せ縁部が形
成されるので、後に行われるこのような圧刻ローラによ
る圧刻時には、連続した粒起面が得られない。
【０００３】このような欠点を回避するために、この公
知の方法では中間工程が行われる。この場合、圧刻母型
によって先ず加熱・加圧下で熱可塑性シートの表面が圧
刻加工される。この熱可塑性シートは圧刻加工後に、対
向して位置する両縁部を互いに突合わせることによって
ホース状のものに成形される。これらの縁部においても
やはり突合せ縁部は回避できないものの、この公知の文
献によれば、熱可塑性シートの互いに突合わされた縁部
の領域が、加熱・加圧下で圧刻母型によってもう一度圧
刻加工され、ひいてはエンドレスな雄型が形成される。
次いでこの雄型にシリコーンゴムから成る別の層が流し
込まれるかまたは塗布される。この層が加硫されること
により圧刻娘型(Praegetochter)が形成される。この圧
刻娘型が雄型から引出され、この圧刻娘型はネガティブ
な圧刻表面を外向きにして、圧刻ローラの周面に接着さ
れる。このような公知の方法の結果、突合せ縁部を有さ
ないシリコーン表面を備えた圧刻ローラが得られる。こ
れにより、この公知の方法に基づいて製造された圧刻ロ
ーラによって、熱可塑性シートのウェブを加熱・加圧下
で圧刻加工することができる。このようなウェブにおい
ては表面構造は連続的であり、突合せ縁部を有すること
はない。
【０００４】つまりこのような公知の方法により、連続
的な表面構造を備えた、所望のシリコーン圧刻ローラが
得られる。しかしながら、このような公知の方法の大き
な欠点は、連続的な表面構造を形成するための中間工程
を行うのに大きな手間がかかることである。
【０００５】ドイツ連邦共和国特許出願公開第４２１３
１０６号明細書に基づき、製品の表面を加工する方法が
公知である。このような公知の方法の場合、レーザビー
ム源の放射線が放射成形装置を介して、加工しようとす
る表面に向けられ、この放射は、製造しようとする製品
表面の目標ジオメトリに基づき個別に制御される。この
ようにして、製品の３次元の目標ジオメトリの製造を目
的とした材料除去を達成しようとしている。先行技術の
一例として、数量可変のマスクを製造し、これらのマス
クにより、規定された３次元のパターンに基づく表面構
造の形で加工を層毎に行うことである。この公知の文献
には先行技術の一例として、エンドレス構造がシームレ
スでなければならないような圧刻動作のための母型ロー
ラの製造について言及されている。このような母型ロー
ラの製造は、従来の注型技術においては突合せ縁部と相
俟って、シームレスのエンドレス構造を形成するため
に、作業コストおよび労働コストが極めて高くつくよう
な仕上げ加工を必要とする。これに対してこの公知の母
型ローラの場合、金属ローラが使用されている。しかし
ながらこの金属ローラの表面には、比較的単純かつ規則
的な圧刻構造しか加工成形することができない。例えば
天然皮革の表面から写し取った微細構造を圧刻するに
は、このような公知の方法に基づいて製造された金属ロ
ーラは適さない。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、熱可
塑性シートの表面を連続的に圧刻加工するための、冒頭
で述べた方法を改良して、簡単かつ低廉に実施すること
ができ、さらに、例えば天然皮革のパターンに相当する
極めて微細な表面構造をも圧刻することができるような
圧刻ローラを製造する方法を提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の方法では、少なくとも周面領域がシリコーン
ゴムから成り、かつ周面が平滑であるようなローラを先
ず製造し、レーザビームを周面に向け、レーザビームを
ローラの周面に対して相対運動させ、この際にパターン
原型の表面構造の各部位と合致するようにレーザビーム
を制御して、パターン原型の表面構造をローラの外面に
雌型として生ぜしめるようにするようにした。
【０００８】
【発明の効果】本発明の基本的な思想は、圧刻ローラ
の、シリコーンゴムから成る圧刻表面における圧刻構造
を、レーザビームによる加工によって直接的に製造し、
しかもこの場合公知の方法で、部位や表面に関連してパ
ターンの表面構造に対応するようにレーザビームを運動
させることである。本発明による方法に基いて製造され
た圧刻ローラは、特に極めて微細な表面構造において
も、高い原型再現性を有していることが判った。
【０００９】本発明による方法の別の利点は、圧刻ロー
ラの圧刻表面が、いかなる中間工程もなしに直接的に製
造されることである。即ち、個々の層の製造と加工とに
幾日も要し、さらに何よりも、ローラが圧刻加工のため
に使用可能になるまえに、液状に塗布された材料および
接着剤のその都度の硬化時間と架橋時間とが加わるよう
な冒頭で述べた方法に比べて、時間が著しく節約できる
訳である。全体的に、このような公知の方法のための工
程に必要な時間は１４日を上回る。さらに、２つのロー
ラ体が必要となる。本発明による方法においてはこれら
全てが回避される。
【００１０】本発明による方法により、シリコーン圧刻
ローラは極めて短時間に製造可能であるので、異なる表
面構造の圧刻ローラもやはり短時間で製造することがで
きる。これにより、受注量が比較的少数の場合でも顧客
の要望に迅速に応えることができる。
【００１１】
【発明の実施の形態】鋼製のローラに先ずシリコーンゴ
ム層が被着される。このシリコーンゴム層の周面は平滑
である。このローラが回転され、レーザビームがローラ
の回転軸に対して平行に周面にわたって案内される。し
かもこの案内は、ほぼ全周面にわたってレーザビームが
擦過するように行われる。ローラの表面に対するレーザ
ビームのこのような相対運動中には、レーザビームの強
度が制御される。しかもこの制御は、パターン原型の表
面を検出することによって得られる制御信号に関連して
行われる。この表面の検出は光学的または機械的に行わ
れ、このような検出に対応して電気的な信号が生ぜしめ
られる。この信号はレーザの制御のために直接的に使用
される。選択的に、パターン原型を検出することによっ
て得られた電気的な信号が一時的に記憶され、突合せエ
ッジが回避されるように処理されてもよい。この結果、
シリコーンゴムから成る圧刻ローラ外面における表面構
造が、突合せエッジまたは段状の移行部がない状態で得
られる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 圧刻ローラの圧刻表面が、圧刻加工しよ
    うとする表面構造、特に粒起面の雌型を有しているよう
    な、熱可塑性シートの表面を連続的に圧刻加工するため
    の圧刻ローラを製造する方法であって、 少なくとも周面領域がシリコーンゴムから成り、かつ周
    面が平滑であるようなローラを先ず製造し、レーザビー
    ムを周面に向け、レーザビームをローラの周面に対して
    相対運動させ、この際にパターン原型の表面構造の各部
    位と合致するようにレーザビームを制御して、パターン
    原型の表面構造をローラの外面に雌型として生ぜしめる
    ようにすることを特徴とする、熱可塑性シートの表面を
    連続的に圧刻加工するための圧刻ローラを製造する方
    法。
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