JP2652777B2 - 鉄道車両用揺れ枕装置の空気ばね - Google Patents

鉄道車両用揺れ枕装置の空気ばね

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JP2652777B2 JP12926995A JP12926995A JP2652777B2 JP 2652777 B2 JP2652777 B2 JP 2652777B2 JP 12926995 A JP12926995 A JP 12926995A JP 12926995 A JP12926995 A JP 12926995A JP 2652777 B2 JP2652777 B2 JP 2652777B2
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博 山田
摩智 仲田
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Riko Co Ltd
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は鉄道車両用の揺れ枕装
置の空気ばねに関する。
【0002】
【発明の背景】従来より、図2に示しているように鉄道
車両用の揺れ枕装置の枕ばね100として空気ばねが用
いられている。この空気ばねは、一般にゴム膜の内側に
空気ばね室を有していてこの空気ばね室が空気タンクに
連通する構造とされ、空気のばね作用で振動防止するよ
うになっている。
【0003】ところでこのような空気ばねを用いた揺れ
枕装置では、上下方向のばね定数を小さくとることがで
きるので上下方向の防振性能については比較的良好で、
乗り心地も良い利点がある。
【0004】しかしながら一方で曲線通過の際や乗客の
乗り降りの際等に左右方向力を受けたときローリングを
起こし易く、またローリングが収束するまで時間がかか
るといった問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の空気ばねはこの
ような課題を解決するために案出されたものであり、そ
の要旨は、上部の剛性部材と下部の弾性環状体とをゴム
膜で連結して該ゴム膜の内側に、連通口を介して空気タ
ンクに連通する空気ばね室を形成し、空気のばね作用で
振動防止する鉄道車両用揺れ枕装置の空気ばねにおい
て、前記弾性環状体の内側に、容器状を成す弾性体を有
するとともにその内部に上部液室と下部液室とそれらの
間に位置するオリフィスとそれら上部液室,下部液室内
部に収容された液とを備え、振動時該弾性体の変形に伴
って該液をそれら上部液室と下部液室との一方から他方
に流通させるとともに、該オリフィス部で流動抵抗を与
えて振動減衰力を生ぜしめる減衰部材を、前記弾性体が
前記剛性部材の変位時に該剛性部材との当接を保ってと
もに変形する状態で配設したことにある。
【0006】
【作用及び発明の効果】本発明の空気ばねにおいては、
車両に左右力が加わったとき減衰部材における弾性体が
変形し、これに伴ってその内部を油等の液が流通する。
そして液がオリフィスを通過する際に流動抵抗が生じ、
その流動抵抗に基づいて振動減衰力が発生する。
【0007】従って本発明の空気ばねを用いた揺れ枕装
置においては、曲線通過時,乗客の乗り降りの際等に車
両に左右力が加わってローリングが発生しても、そのロ
ーリングが速やかに収束する。
【0008】尚この場合において、弾性体の変形に基づ
いて上下方向のばね定数が増大するのをできるだけ抑え
るのが望ましい。従って弾性体の形状としては、車両に
左右力が加わって弾性体が変形する際、かかる弾性体が
できるだけ剪断弾性変形するようにその形状を選定する
のが良い。
【0009】具体的な形状として、例えば軸心が振動方
向を向いた円錐又は円錐台形状や鼓形状、即ち振動方向
に沿って内径及び外径が漸次増大し又は減少するような
形状を例示できる。
【0010】本発明の空気ばねは、減衰部材における容
器状弾性体内部の上部液室と下部液室とに油等の液が収
容され、その油がオリフィス通過時に大きな流動抵抗を
発生して効果的にエネルギー吸収を行う点に大きな特徴
が存している。
【0011】即ち、容器状の弾性体内部の上部室と下部
室との一方から他方へとオリフィスを通過して空気を移
動させるといったことも可能であるが、本発明では弾性
体内部に液を収容したもので、空気の場合に比べて大き
な減衰力が得られる特長を有する。
【0012】とりわけ本発明の空気ばねは、横方向(水
平方向)の入力に対して高い剛性及び振動減衰特性を有
する特長がある。本発明の空気ばねにおいては、減衰部
材における弾性体が上部の剛性部材と当接状態を保って
ともに水平方向に弾性変形し、その際に弾性体が僅かに
変形しても、内部容積の変化に伴って液室内の液がオリ
フィスを通過して良好に流動し、大きな減衰力を発生さ
せ得るのである。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。図1は車両用揺れ枕装置の空気ばねの一例を
示したもので(図では空気ばねを車両に組み付けたとき
の一定荷重がかかった状態で示している)、上部の剛性
部材としての外筒体12と弾性環状体としての内筒体1
4とを有している。
【0014】外筒体12は金属製の部材で、円筒状の外
周壁部と板状の天井部とを有している。また内筒体14
は、中空円環状のゴム弾性層16と金属板18とを交互
に積層して成る積層構造部を有している。
【0015】これら内筒体14と外筒体12とは、ゴム
製のダイヤフラム(ゴム膜)20を介して連結されてお
り、そのダイヤフラム20の内側に空気ばね室22が形
成されている。空気ばね室22は、内筒体14の底部中
心部に形成された連通口24を通じて図示しない空気の
補助タンクに連通させられるようになっている。
【0016】この空気ばね62においては、車両に振動
が加わって外筒体12と内筒体14が図中上下方向に相
対変位したとき、空気ばね室22内部の空気が圧縮さ
れ、その際の空気ばね作用で振動防止する。
【0017】尚25は、外筒体12と内筒体14との相
対変位を一定以下に抑制するためのストッパである。
【0018】内筒体14の中心部において、空気ばね室
22内部に減衰部材64が配設されている。減衰部材6
4は一対の略枕状のゴム弾性体66,68を有し、それ
らが中間の板状金具70を介して互いに固着されてい
る。
【0019】一方のゴム弾性体66の大径側の端部は金
具72を介して外筒体12に液密に固着されており、ま
た他方のゴム弾性体68の大径側の端部にはゴム製のダ
イヤフラム74が固着されていて、このダイヤフラム7
4により同端部が閉塞されている。
【0020】尚、ダイヤフラム74は金具75によって
内筒体14の底部に固定されている。この金具75には
半径方向に延びる切欠36が形成されており、この切欠
36及び連通口24を介して空気ばね室22が補助タン
クに連通させられている。
【0021】各ゴム弾性体66,68の内部は液室7
6,78とされていて内部に液(油)80が封入されて
いる。
【0022】上記中間金具70の中心部にはオリフィス
82が形成されており、このオリフィス82を通じて各
液室76,78内の液が出入りさせられるようになって
いる。
【0023】本例の空気ばね62においては、荷重が作
用して外筒体12が内筒体14に対して下向きに相対変
位させられると、減衰部材64がその軸心方向に弾性変
形させられる。すると減衰部材64の内部の容積が減少
し、その際にダイヤフラム74を外方向に押し出しつつ
液室76,78内部の液がオリフィス82を通じて一方
の液室から他方の液室に流入する。
【0024】そしてそのオリフィス82を通過するとき
の流動抵抗に基づいて減衰力が生ぜしめられ、ローリン
グの抑制及びその速やかな収束が行われる。
【0025】即ち、揺れ枕装置においては、図2に示し
ているように車両の右側及び左側のそれぞれに空気ばね
が設けられるており、従って本例の空気ばね62を用い
た揺れ枕装置の場合、車両が曲線通過したとき或いは乗
客が乗り降りしたときに左右力が加わってローリングが
生じても、空気ばね62における減衰部材64の減衰作
用の助けによりローリングが速やかに収束し、乗客にロ
ーリングによる不快感を惹起させないのである。
【0026】また本例の空気ばね62の場合、減衰部材
64の本体を成す弾性体が鼓形状を成しているため、即
ち上記荷重の作用による外筒体12と内筒体14との相
対変位時に弾性体ができる限り剪断弾性変形するように
成されているため、かかる減衰部材64の配設によって
空気ばね62の上下方向のばね定数が増大するのが抑え
られる。
【0027】それ故空気ばねを用いた揺れ枕装置の特
性、即ち上下方向のばね定数をやわらかくし得て乗り心
地を良好に保つといった特性が損なわれず、ローリング
剛性が効果的に高められる。
【0028】本例の空気ばね62は、水平方向に力が作
用した場合においても、減衰部材64におけるゴム弾性
体66,68の弾性変形に伴ってその内部で液80の流
動が良好に生じ、大きな振動減衰力が得られる。また同
方向の剛性も高められる。
【0029】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において、当業者の知識に基づき様々な変更を加えた
形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である空気ばねの断面図であ
る。
【図2】本発明の背景説明のための説明図である。
【符号の説明】
20 ダイヤフラム 22 空気ばね室 62 空気ばね 66,68 ゴム弾性体 82 オリフィス

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部の剛性部材と下部の弾性環状体とを
    ゴム膜で連結して該ゴム膜の内側に、連通口を介して空
    気タンクに連通する空気ばね室を形成し、空気のばね作
    用で振動防止する鉄道車両用揺れ枕装置の空気ばねにお
    いて前記弾性環状体の内側に、容器状を成す弾性体を有
    するとともにその内部に上部液室と下部液室とそれらの
    間に位置するオリフィスとそれら上部液室,下部液室内
    部に収容された液とを備え、振動時該弾性体の変形に伴
    って該液をそれら上部液室と下部液室との一方から他方
    に流通させるとともに、該オリフィス部で流動抵抗を与
    えて振動減衰力を生ぜしめる減衰部材を、前記弾性体が
    前記剛性部材の変位時に該剛性部材との当接を保ってと
    もに変形する状態で配設したことを特徴とする鉄道車両
    用揺れ枕装置の空気ばね。
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WO2015125365A1 (ja) * 2014-02-24 2015-08-27 住友電気工業株式会社 空気ばね
CN113294483B (zh) * 2021-05-27 2022-09-27 株洲时代瑞唯减振装备有限公司 橡胶堆内置纵向液压减振装置及内置纵向液压减振方法
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