JP2779714B2 - 鉄道車両用揺れ枕装置の空気ばね - Google Patents
鉄道車両用揺れ枕装置の空気ばねInfo
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- JP2779714B2 JP2779714B2 JP3208645A JP20864591A JP2779714B2 JP 2779714 B2 JP2779714 B2 JP 2779714B2 JP 3208645 A JP3208645 A JP 3208645A JP 20864591 A JP20864591 A JP 20864591A JP 2779714 B2 JP2779714 B2 JP 2779714B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は鉄道車両用の揺れ枕装
置の空気ばねに関する。
置の空気ばねに関する。
【0002】
【発明の背景】従来より、図2に示しているように鉄道
車両用の揺れ枕装置の枕ばね100として空気ばねが用
いられている。この空気ばねは、一般にゴム膜の内側に
空気ばね室を有していてこの空気ばね室が空気タンクに
連通する構造とされ、空気のばね作用で振動防止するよ
うになっている。
車両用の揺れ枕装置の枕ばね100として空気ばねが用
いられている。この空気ばねは、一般にゴム膜の内側に
空気ばね室を有していてこの空気ばね室が空気タンクに
連通する構造とされ、空気のばね作用で振動防止するよ
うになっている。
【0003】ところでこのような空気ばねを用いた揺れ
枕装置では、上下方向のばね定数を小さくとることがで
きるので上下方向の防振性能については比較的良好で、
乗り心地も良い利点がある。
枕装置では、上下方向のばね定数を小さくとることがで
きるので上下方向の防振性能については比較的良好で、
乗り心地も良い利点がある。
【0004】しかしながら一方で曲線通過の際や乗客の
乗り降りの際等に左右方向力を受けたときローリングを
起こし易く、またローリングが収束するまで時間がかか
るといった問題がある。
乗り降りの際等に左右方向力を受けたときローリングを
起こし易く、またローリングが収束するまで時間がかか
るといった問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の空気ばねはこの
ような課題を解決するために案出されたものであり、そ
の要旨は、上部の剛性部材と、下部の弾性環状体と、そ
れらを連結するゴム膜と、それらゴム膜及び弾性環状体
の内側に形成された空気ばね室と、該弾性環状体の底部
に形成され、該空気ばね室と空気タンクとを連通させる
連通口とを備えた空気ばね本体を備え、空気のばね作用
に基づいて振動を防止する鉄道車両用揺れ枕装置の空気
ばねにおいて、前記空気ばね室内部且つ前記弾性環状体
の内側に、容器状を成す弾性体を有するとともに該弾性
体の内部に実質上該空気ばね室とは独立した上部室と下
部室及びそれらの間に位置するオリフィスとを備え、該
弾性体の変形に伴って流体をそれら上部室と下部室との
一方から他方に流通させるとともに該オリフィス部で流
動抵抗を与えて振動減衰力を生ぜしめる、前記空気ばね
本体とは別体の独立した形態をなすダンパーを、その上
端と前記剛性部材の対応する上側部分との間に、小変位
時において該剛性部材を単独で変位させる一方、大変位
時には該剛性部材を該ダンパーに当接させるような所定
の隙間を形成する状態で装着し、少なくとも該当接時に
前記空気ばね室内部の空気と該ダンパー内部の上部室と
を遮断状態となして該上部室及び前記下部室内の流体を
該剛性部材の変位に伴って該ダンパー内部において独立
して流通させるようになしたことにある。
ような課題を解決するために案出されたものであり、そ
の要旨は、上部の剛性部材と、下部の弾性環状体と、そ
れらを連結するゴム膜と、それらゴム膜及び弾性環状体
の内側に形成された空気ばね室と、該弾性環状体の底部
に形成され、該空気ばね室と空気タンクとを連通させる
連通口とを備えた空気ばね本体を備え、空気のばね作用
に基づいて振動を防止する鉄道車両用揺れ枕装置の空気
ばねにおいて、前記空気ばね室内部且つ前記弾性環状体
の内側に、容器状を成す弾性体を有するとともに該弾性
体の内部に実質上該空気ばね室とは独立した上部室と下
部室及びそれらの間に位置するオリフィスとを備え、該
弾性体の変形に伴って流体をそれら上部室と下部室との
一方から他方に流通させるとともに該オリフィス部で流
動抵抗を与えて振動減衰力を生ぜしめる、前記空気ばね
本体とは別体の独立した形態をなすダンパーを、その上
端と前記剛性部材の対応する上側部分との間に、小変位
時において該剛性部材を単独で変位させる一方、大変位
時には該剛性部材を該ダンパーに当接させるような所定
の隙間を形成する状態で装着し、少なくとも該当接時に
前記空気ばね室内部の空気と該ダンパー内部の上部室と
を遮断状態となして該上部室及び前記下部室内の流体を
該剛性部材の変位に伴って該ダンパー内部において独立
して流通させるようになしたことにある。
【0006】
【作用及び発明の効果】本発明の空気ばねにおいては、
車両に左右力が加わったときダンパーにおける弾性体が
変形し、これに伴ってその内部を空気,油等の流体が流
通する。そして流体がオリフィスを通過する際に流動抵
抗が生じ、その流動抵抗に基づいて振動減衰力が発生す
る。
車両に左右力が加わったときダンパーにおける弾性体が
変形し、これに伴ってその内部を空気,油等の流体が流
通する。そして流体がオリフィスを通過する際に流動抵
抗が生じ、その流動抵抗に基づいて振動減衰力が発生す
る。
【0007】従って本発明の空気ばねを用いた揺れ枕装
置においては、曲線通過時,乗客の乗り降りの際等に車
両に左右力が加わってローリングが発生しても、そのロ
ーリングが速やかに収束する。
置においては、曲線通過時,乗客の乗り降りの際等に車
両に左右力が加わってローリングが発生しても、そのロ
ーリングが速やかに収束する。
【0008】本発明の空気ばねには、車両への組付状
態、即ち一定荷重状態でダンパーと上部の剛性部材との
間に所定の隙間が形成されており、そしてこの隙間に基
づいて、通常走行時の小変位時には上下のばね定数を小
さく保持し得て車両の乗り心地性能を良好に確保しつ
つ、曲線通過の際や乗客の乗り降りの際等に左右方向力
が加わったとき、減衰力を大きく働かせてローリングを
可及的に小さく抑え且つこれを速やかに収束させること
ができる特長を有する。
態、即ち一定荷重状態でダンパーと上部の剛性部材との
間に所定の隙間が形成されており、そしてこの隙間に基
づいて、通常走行時の小変位時には上下のばね定数を小
さく保持し得て車両の乗り心地性能を良好に確保しつ
つ、曲線通過の際や乗客の乗り降りの際等に左右方向力
が加わったとき、減衰力を大きく働かせてローリングを
可及的に小さく抑え且つこれを速やかに収束させること
ができる特長を有する。
【0009】例えば車両への組付状態の当初からダンパ
ーを剛性部材に対して当接状態としておくことも考えら
れるが、この場合にはダンパーにおける弾性体の弾発力
に基づいて空気ばねの上下方向ばね定数が必然的に大き
くなり、従って通常走行時における乗り心地性能が悪化
するのを避けられないが、本発明においてはダンパーと
剛性部材との間に所定の隙間が形成されているため、即
ち剛性部材とダンパーとは上下方向に切り離された状態
となっているため、通常走行時の小変位時には剛性部材
が単独で相対変位でき、従って空気ばねのばね定数は何
ら増大変化しない。従って通常走行時において良好な乗
り心地性能を確保することができる。
ーを剛性部材に対して当接状態としておくことも考えら
れるが、この場合にはダンパーにおける弾性体の弾発力
に基づいて空気ばねの上下方向ばね定数が必然的に大き
くなり、従って通常走行時における乗り心地性能が悪化
するのを避けられないが、本発明においてはダンパーと
剛性部材との間に所定の隙間が形成されているため、即
ち剛性部材とダンパーとは上下方向に切り離された状態
となっているため、通常走行時の小変位時には剛性部材
が単独で相対変位でき、従って空気ばねのばね定数は何
ら増大変化しない。従って通常走行時において良好な乗
り心地性能を確保することができる。
【0010】一方において曲線通過の際や乗客の乗り降
りの際等において剛性部材が大きく変位しようとしたと
き、かかる剛性部材がダンパーに当接してダンパーが剛
性部 材の変位とともに変形し、このときダンパー内部に
おいて流体が上部室と下部室との一方から他方にオリフ
ィスを通過して流動させられ、その際のオリフィス部に
おける流動抵抗に基づいて大きな減衰力が得られる。こ
れにより車両に対して横方向力が加わったときのローリ
ングが速やかに収束される。
りの際等において剛性部材が大きく変位しようとしたと
き、かかる剛性部材がダンパーに当接してダンパーが剛
性部 材の変位とともに変形し、このときダンパー内部に
おいて流体が上部室と下部室との一方から他方にオリフ
ィスを通過して流動させられ、その際のオリフィス部に
おける流動抵抗に基づいて大きな減衰力が得られる。こ
れにより車両に対して横方向力が加わったときのローリ
ングが速やかに収束される。
【0011】本発明は、また、大変位時の剛性部材のダ
ンパーへの当接に基づいて、即ちダンパーにおける弾性
体の弾発力(変形抵抗力)に基づいて初期のローリング
変位自体を小さく抑制できる特長を有しており、しかも
上記隙間に基づいて、つまり通常走行時の小変位時にお
いて弾性体のばね定数が空気ばね自体の上下ばね定数に
対して何ら影響を及ぼさないことから、かかる弾性体自
体のばね定数を大きく設定することが可能となり、これ
により剛性部材の当接時の上記弾発力を大きくし得てロ
ーリング動作初期の上記変位抑制効果を十分に発揮させ
ることが可能である利点も有する。
ンパーへの当接に基づいて、即ちダンパーにおける弾性
体の弾発力(変形抵抗力)に基づいて初期のローリング
変位自体を小さく抑制できる特長を有しており、しかも
上記隙間に基づいて、つまり通常走行時の小変位時にお
いて弾性体のばね定数が空気ばね自体の上下ばね定数に
対して何ら影響を及ぼさないことから、かかる弾性体自
体のばね定数を大きく設定することが可能となり、これ
により剛性部材の当接時の上記弾発力を大きくし得てロ
ーリング動作初期の上記変位抑制効果を十分に発揮させ
ることが可能である利点も有する。
【0012】本発明は、かかるダンパーを空気ばね本体
とは別体の独立した形態で構成して、これを空気ばね室
内部に装着するようになしたもので、このようにするこ
とで、ダンパーと剛性部材との間に所定の隙間を形成し
て小変位時に剛性部材を単独で変位させる一方、大変位
時に剛性部材をダンパーに当接可能とする構成を実現で
きたものである。
とは別体の独立した形態で構成して、これを空気ばね室
内部に装着するようになしたもので、このようにするこ
とで、ダンパーと剛性部材との間に所定の隙間を形成し
て小変位時に剛性部材を単独で変位させる一方、大変位
時に剛性部材をダンパーに当接可能とする構成を実現で
きたものである。
【0013】而してこのようにダンパーを空気ばね本体
とは独立した形態で構成することにより、従来の空気ば
ねの形状,構造を何ら改変することなくダンパーの装着
が可能となり、従来の空気ばねに対して大変位時におけ
る良好な減衰機能を付与することができる。また独立し
た形態のダンパーの減衰特性を調整することで空気ばね
自体の特性を自在に調節することが可能となる。
とは独立した形態で構成することにより、従来の空気ば
ねの形状,構造を何ら改変することなくダンパーの装着
が可能となり、従来の空気ばねに対して大変位時におけ
る良好な減衰機能を付与することができる。また独立し
た形態のダンパーの減衰特性を調整することで空気ばね
自体の特性を自在に調節することが可能となる。
【0014】本発明は、空気ばね室の内部にこれとは独
立した流体室(ダンパー内の上部室,下部室)を形成
し、その流体室内部において流体を空気ばね室内の空気
とは独 立して流動させる点を特徴としている。従って空
気ばね室内部の空気のばね作用とは無関係に、ダンパー
内部において流体の流動抵抗に基づく減衰作用を行わせ
得る特徴を有する。
立した流体室(ダンパー内の上部室,下部室)を形成
し、その流体室内部において流体を空気ばね室内の空気
とは独 立して流動させる点を特徴としている。従って空
気ばね室内部の空気のばね作用とは無関係に、ダンパー
内部において流体の流動抵抗に基づく減衰作用を行わせ
得る特徴を有する。
【0015】 本発明の空気ばねは、また、ダンパーに対
して上部の剛性部材が当接した状態で横方向(水平方
向)の力が作用したとき、ダンパーにおける弾性体の変
形抵抗が生じるとともに、その弾性体の変形に基づきそ
の内部において流体の流動が生じるため、横方向入力に
対しての剛性が高められ、また同方向の振動減衰特性も
良好である特長を有する。
して上部の剛性部材が当接した状態で横方向(水平方
向)の力が作用したとき、ダンパーにおける弾性体の変
形抵抗が生じるとともに、その弾性体の変形に基づきそ
の内部において流体の流動が生じるため、横方向入力に
対しての剛性が高められ、また同方向の振動減衰特性も
良好である特長を有する。
【0016】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。図1は車両用揺れ枕装置の空気ばねの一例を
示したもので(図では空気ばねを車両に組み付けたとき
の一定荷重がかかった状態で示している)、剛性部材と
しての外筒体12及び弾性環状体としての内筒体14と
を有している。
説明する。図1は車両用揺れ枕装置の空気ばねの一例を
示したもので(図では空気ばねを車両に組み付けたとき
の一定荷重がかかった状態で示している)、剛性部材と
しての外筒体12及び弾性環状体としての内筒体14と
を有している。
【0017】 外筒体12は金属製の部材で、円筒状の外
周壁部と板状の天井部とを有している。また内筒体14
は、中空円環状のゴム弾性層16と金属板18とを交互
に積層して成る積層構造部を有している。
周壁部と板状の天井部とを有している。また内筒体14
は、中空円環状のゴム弾性層16と金属板18とを交互
に積層して成る積層構造部を有している。
【0018】 これら内筒体14と外筒体12とは、ゴム
製のダイヤフラム20を介して連結されており、そのダ
イヤフラム20及び内筒体14の内側に空気ばね室22
が形成されている。空気ばね室22は、内筒体14の底
部中心部に形成された連通口24を通じて図示しない空
気の補助タンクに連通させられるようになっている。
製のダイヤフラム20を介して連結されており、そのダ
イヤフラム20及び内筒体14の内側に空気ばね室22
が形成されている。空気ばね室22は、内筒体14の底
部中心部に形成された連通口24を通じて図示しない空
気の補助タンクに連通させられるようになっている。
【0019】 この空気ばね42においては、車両に振動
が加わって外筒体12と内筒体14が図中上下方向に相
対変位したとき、空気ばね室22内部の空気が圧縮さ
れ、その際の空気ばね作用で振動防止する。
が加わって外筒体12と内筒体14が図中上下方向に相
対変位したとき、空気ばね室22内部の空気が圧縮さ
れ、その際の空気ばね作用で振動防止する。
【0020】 尚25は、外筒体12と内筒体14との相
対変位を一定以下に抑制するためのストッパである。
対変位を一定以下に抑制するためのストッパである。
【0021】 内筒体14の中心部において、空気ばね室
22内部にダンパー26が配設されている。ダンパー2
6は全体として鼓形状の部材であって、対称形状を成す
略枕形状のゴム弾性体28(ここではゴム弾性体28と
して減衰特性の大きなブチルゴムが用いられている)を
中間の板状金具30を介して互いに固着した形態を成し
ている。
22内部にダンパー26が配設されている。ダンパー2
6は全体として鼓形状の部材であって、対称形状を成す
略枕形状のゴム弾性体28(ここではゴム弾性体28と
して減衰特性の大きなブチルゴムが用いられている)を
中間の板状金具30を介して互いに固着した形態を成し
ている。
【0022】 各ゴム弾性体28の大径側の端部には中空
円環状の板状金具32,34が固着されており、このう
ち一方の金具32は薄いゴム層を介して外筒体12に当
接させられるようになっている。
円環状の板状金具32,34が固着されており、このう
ち一方の金具32は薄いゴム層を介して外筒体12に当
接させられるようになっている。
【0023】 ここでダンパー26と外筒体12の天井部
との間には、空気ばね42を車両に組み付けた状態の下
で、即ち一定荷重状態の下で所定の隙間44が形成され
ている。
との間には、空気ばね42を車両に組み付けた状態の下
で、即ち一定荷重状態の下で所定の隙間44が形成され
ている。
【0024】 また他方の金具34には半径方向に延びる
切欠36が形成されており、この切欠36を通じてダン
パー26内部とその外部とが互いに連通させられてい
る。
切欠36が形成されており、この切欠36を通じてダン
パー26内部とその外部とが互いに連通させられてい
る。
【0025】 上記中間金具30には、小径の貫通孔(オ
リフィス)40が形成されており、また各ゴム弾性体2
8の内部には、空気を一方のゴム弾性体内部の上部室と
他方のゴム弾性体内部の下部室との一方から他方へと流
通させるための通路38が形成されている。
リフィス)40が形成されており、また各ゴム弾性体2
8の内部には、空気を一方のゴム弾性体内部の上部室と
他方のゴム弾性体内部の下部室との一方から他方へと流
通させるための通路38が形成されている。
【0026】 本例の空気ばね42においては、荷重が作
用して外筒体12が内筒体14に対し下向きに相対変位
させられると、ある位置からダンパー26がその軸心方
向に弾性変形させられる。
用して外筒体12が内筒体14に対し下向きに相対変位
させられると、ある位置からダンパー26がその軸心方
向に弾性変形させられる。
【0027】 するとダンパー26内部の空間容積が減少
し、上側のゴム弾性体28内部の空気(上部室内の空
気)が通路38,オリフィス40を通じて下側のゴム弾
性体28内部(下部室内部)に流れ、更に連通口24を
通じて外部の補助タンク内へと流れる。その際オリフィ
ス40で空気の流動抵抗が生じ、その流動抵抗に基づい
て減衰力が生じる。
し、上側のゴム弾性体28内部の空気(上部室内の空
気)が通路38,オリフィス40を通じて下側のゴム弾
性体28内部(下部室内部)に流れ、更に連通口24を
通じて外部の補助タンク内へと流れる。その際オリフィ
ス40で空気の流動抵抗が生じ、その流動抵抗に基づい
て減衰力が生じる。
【0028】 揺れ枕装置においては、図2に示している
ように車両の右側及び左側のそれぞれに空気ばねが設け
られる。従って本例の空気ばね42を用いた揺れ枕装置
の場合、車両が曲線通過したとき或いは乗客が乗り降り
したときに左右力が加わってローリングが生じても、空
気ばね42におけるダンパー26の減衰作用の助けによ
りローリングが速やかに収束し、乗客にローリングによ
る不快感を惹起させない。
ように車両の右側及び左側のそれぞれに空気ばねが設け
られる。従って本例の空気ばね42を用いた揺れ枕装置
の場合、車両が曲線通過したとき或いは乗客が乗り降り
したときに左右力が加わってローリングが生じても、空
気ばね42におけるダンパー26の減衰作用の助けによ
りローリングが速やかに収束し、乗客にローリングによ
る不快感を惹起させない。
【0029】 本例によれば、 空気ばねを用いた揺れ枕装
置の特性、即ち上下方向のばね定数をやわらかくし得て
乗り心地を良好に保つといった特性が損なわれず、ロー
リング剛性が効果的に高められる。この例の空気ばね4
2では、図に示しているようにこれを車両に組み付けた
状態、即ち一定荷重作用状態でダンパー26と外筒体1
2との間に隙間44が生じるようにされている。
置の特性、即ち上下方向のばね定数をやわらかくし得て
乗り心地を良好に保つといった特性が損なわれず、ロー
リング剛性が効果的に高められる。この例の空気ばね4
2では、図に示しているようにこれを車両に組み付けた
状態、即ち一定荷重作用状態でダンパー26と外筒体1
2との間に隙間44が生じるようにされている。
【0030】 従ってこの空気ばね42においては、外筒
体12と内筒体14との相対変位が僅かであるとき(隙
間44の範囲内で外筒体12と内筒体14とが相対変位
したとき)、ダンパー26のゴム弾性体による反発力は
全く起こらず、従って上下方向のばね定数は何ら増大し
ない。
体12と内筒体14との相対変位が僅かであるとき(隙
間44の範囲内で外筒体12と内筒体14とが相対変位
したとき)、ダンパー26のゴム弾性体による反発力は
全く起こらず、従って上下方向のばね定数は何ら増大し
ない。
【0031】 而して相対変位がある程度より大きくなっ
たとき、ダンパー26が働いて減衰力を生ぜしめ、ロー
リングを速やかに収束させる。
たとき、ダンパー26が働いて減衰力を生ぜしめ、ロー
リングを速やかに収束させる。
【0032】 またダンパー26と外筒体12とが当接し
た状態において、空気ばね42に対し横方向の力が入力
したとき、ダンパー26におけるゴム弾性体28の変形
抵抗及びゴム弾性体28の弾性変形による内部の空気の
流動とその流動に対する抵抗が生じる。このため本例の
空気ばね42は横方向入力に対する剛性が高く、またそ
の際の減衰力も大きい。
た状態において、空気ばね42に対し横方向の力が入力
したとき、ダンパー26におけるゴム弾性体28の変形
抵抗及びゴム弾性体28の弾性変形による内部の空気の
流動とその流動に対する抵抗が生じる。このため本例の
空気ばね42は横方向入力に対する剛性が高く、またそ
の際の減衰力も大きい。
【0033】 以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において、当業者の知識に基づき様々な変更を加えた
形態で構成可能である。
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において、当業者の知識に基づき様々な変更を加えた
形態で構成可能である。
【図1】本発明の一実施例である空気ばねの断面図であ
る。
る。
【図2】本発明の背景説明のための説明図である。
20 ダイヤフラム 22 空気ばね室 28 ゴム弾性体 40 オリフィス 42 空気ばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲田 摩智 大阪府大阪市此花区島屋5丁目1番109 号 住友金属工業株式会社 製鋼所内 (56)参考文献 実公 昭62−40191(JP,Y2)
Claims (1)
- 【請求項1】 上部の剛性部材と、下部の弾性環状体
と、それらを連結するゴム膜と、それらゴム膜及び弾性
環状体の内側に形成された空気ばね室と、該弾性環状体
の底部に形成され、該空気ばね室と空気タンクとを連通
させる連通口とを備えた空気ばね本体を備え、空気のば
ね作用に基づいて振動を防止する鉄道車両用揺れ枕装置
の空気ばねにおいて前記空気ばね室内部且つ前記弾性環
状体の内側に、容器状を成す弾性体を有するとともに該
弾性体の内部に実質上該空気ばね室とは独立した上部室
と下部室及びそれらの間に位置するオリフィスとを備
え、該弾性体の変形に伴って流体をそれら上部室と下部
室との一方から他方に流通させるとともに該オリフィス
部で流動抵抗を与えて振動減衰力を生ぜしめる、前記空
気ばね本体とは別体の独立した形態をなすダンパーを、
その上端と前記剛性部材の対応する上側部分との間に、
小変位時において該剛性部材を単独で変位させる一方、
大変位時には該剛性部材を該ダンパーに当接させるよう
な所定の隙間を形成する状態で装着し、少なくとも該当
接時に前記空気ばね室内部の空気と該ダンパー内部の上
部室とを遮断状態となして該上部室及び前記下部室内の
流体を該剛性部材の変位に伴って該ダンパー内部におい
て独立して流通させるようになしたことを特徴とする鉄
道車両用揺れ枕装置の空気ばね。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3208645A JP2779714B2 (ja) | 1991-07-25 | 1991-07-25 | 鉄道車両用揺れ枕装置の空気ばね |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3208645A JP2779714B2 (ja) | 1991-07-25 | 1991-07-25 | 鉄道車両用揺れ枕装置の空気ばね |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12926995A Division JP2652777B2 (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 鉄道車両用揺れ枕装置の空気ばね |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0524536A JPH0524536A (ja) | 1993-02-02 |
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