JP2652676B2 - 薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (ア)技術分野 この発明は、大気圧近傍の圧力下でプラズマCVD法に
より、アモルファスシリコン(a−Si:amorphous silic
on)や窒化けい素(SiN)などのSiを含む薄膜を形成す
る装置に関する。
通常膜中に数at%〜数十at%のHを含んだアモルファ
スシリコンa−Si膜は、低コスト太陽電池の材料として
有望視されている。このほかにイメージセンサー、光セ
ンサー、薄膜トランジスタ、複写機の感光材料といての
用途もある。単結晶Siよりも、安価で、大面積のものが
得やすいとう利点がある。
又、SiNは半導体デバイスのパッシベーション膜とし
て需要である。
薄膜形成法として、熱CVD法がよく用いられる。これ
は基板を加熱しなければならないので、耐熱性のある材
料にしか用いることができない。
そこで、プラズマCVD法が開発され、使用されてい
る。これは、熱CVD法よりも低温で薄膜を形成すること
ができる。
励起エネルギーが、熱ではなく、プラズマ中のエレク
トロン、イオンの運動エネルギー、中性のラデイカルの
化学エネルギーの形で与えられる。このため、基板の温
度を、熱CVDより低く出来るのである。
このため、プラズマCVD法は、耐熱性の乏しい低コス
トガラス基板、高分子フィルムなどの上に薄膜を形成す
る事ができる。
アモルファスシリコンa−Siは、Spearによりグロー
放電による膜形成方法が発明されたので、安定したもの
が作られるようになった。
W.E.Spear,P.G.Lecomber:Solid Commun.,17,p1193(197
5) これは、平行平板型の電極に、100kHz〜13.56MHzの交
流電圧の印加し、0.1〜2Torrの低圧でSiH4/H2、SiH4−S
iF4/H2などの混合ガス中で、グロー放電を起こさせるも
のである。
もちろん、ドーパントを入れることもある。これはPH
3/H2、B2H6/H2などのガスを混ぜることによって行う。
(イ)従来技術 Spearの発明以来、a−Siの製造装置は、改良を重ね
ているが、基本的には、低圧でグロー放電を行うもので
あり、キャリヤガスとしては、H2が用いられてきた。
0.1〜10Torr程度の低圧でなければ、グロー放電が起
こらない。それで、このような圧力が選ばれる 従っ
て、容器は真空チャンパであって、真空排気装置が設置
されていなければならなかった。
半導体ウエハなどが基板であれば、寸法も小さくて、
真空容器もあまり大きくなくてよい。
しかし、a−Siの場合、太陽電池の光電変換材料とし
て使われることが多い。この場合、大面積の薄膜が一挙
に形成できる、という事が、コスト面から強く要求され
る。
ところが、プラズマCVD法はグロー放電を維持してプ
ラズマを安定に保つことが必要であるが、このグロー放
電は、真空中(0.1〜10Torr程度)でか安定に維持でき
ない。真空中でしか成膜できないものであるから、大面
積のものを作ろうとすると、真空容器の全体を大きくし
なければならない。
真空排気装置も大出力のものが必要になる。
そうすると、設備が著しく高価なものになってしま
う。
低圧プラズマCVD法を用いて、a−Si膜を作る方法で
ガス分布を一様にするための改良のなされている。特開
昭56−169116号(S56.12.25)である。これは電極面を
多孔体にし、電極の内部から微細な穴を通して、ガスの
真空チャンパ内に吹き出すものである。本発明はこれら
に似ている。しかし、圧力、流量、ガス成分が違う。
(ウ)大気圧下プラズムCVD法 a−Si膜は安価である事が特徴の一つなのであるか
ら、設備費が高くなれば何にも成らない。
ところが、最近になって、大気圧下で、プラズマCVD
法を可能とするような発明がなされた。
特開昭63−50478号(S63.3.3公開)である。
これは炭素Cの薄膜を作るものである。例えばCH4、C
F4を原料ガスとするが、これに90%以上のHeガスを加え
る。
Heガスが大量にあるので、大気圧下であってもグロー
放電を維持できる、というのである。大気圧下であるか
ら真空チャンバ、真空排気装置が不要である。薄膜形成
のコストを著しく削減できる。
本発明であると思う。
Heガスを使ったから、グロー放電が大気圧下でも起こ
り、安定に維持する、という事がこの方法の重要なポイ
ントである。
何故Heかという事について、発明者は次のように説明
している。
(a)Heは放電により励起されやすい。
(b)Heは多くの準安定状態を有し、励起状態の活性粒
子を多く作ることができる。
(c)Heの活性粒子が、炭化水素やハロゲン化水素を解
離する。
(d)He中ではイオンが拡散しやすい。このため放電が
拡がりやすい。
HeとCH4の配合比が、当然極めて重要になる。
明細書の記述によると、92:8になると、グロー放電の
拡がりが狭くなり、90:10になるとコロナ放電により、8
9.5:10.5になると火花放電になるとある。
第2図に、特開昭63−50478号に示された装置を示
す。
縦長の反応容器11の中に上方から円筒12が垂下されて
いる。
円筒12の下方に電極14がある。RF発振器16から、円筒
12を貫く金属棒を介して電極14にRF電圧が与えられる。
容器の下方には、支持基板(導体)17、絶縁体18、試
料基板19が設けられる。また環状の外部電極20がある。
HeとCH4の混合ガス(HeとCH4とCF4の場合もある)
は、円筒12上端のガス入口21から送給される。このガス
は内筒の中の流下し、電極14の側方から通り過ぎて、資
料基板19に当たり、一部が反応し薄膜となり、残りは、
側方のガス出口22から排出される。
電極14と支持基板(資料極)17の間にグロー放電が生
ずる。
又この明細書によると、この発明は、 「窒化けい素膜、アモルファスシリコン、炭化けい素膜
などその他の薄膜の形成にも同様に適用する事ができ
る。」 とある。
(I)発明が解決しようとする問題点 特開昭63−50478号の発明は、クレームによると、 「約200Torrから2気圧の範囲内の圧力下で、約90%以
上の希ガスと膜成分を含む気体との混合ガスをグロー放
電によりプラズマ状となし、基板上に薄膜として形成す
ることを特徴とする薄膜形成法」 ということである。
本発明者は、この開示によりa−Siを作ろうと試み
た。
a−Siを作るため、SiH4ガスとHeガスの混合気体を用
いた。圧力は大気圧である。
(i)Heガスが90%であれば良いということなのでSi
H4:He−10:90(体積比)とした。これで試みると、アー
ク放電が起こり、グロー放電が起こらなかった。
(ii)SiH4/Heの比率をさらに下げると、電極間に安定
なグロー放電を生じさせる事ができた。
(iii)ところが、SiH4ガスは極めて分解しやすい。こ
のためプラズマの領域の中に入らず、外周部でSiH4が分
解してしまう。プラズマ領域の外周部に、粒径が0.05〜
0.5μm程度の微粉末からなるダストが堆積させるのみ
であった。
試料基板の上にa−Siの薄膜を作る事できなかった。
つまり、これらのことから、特開昭63−50478号の発明
は、CH4/Heに使えるとしても、SiH4/Heによるa−Si膜
の形成には、そのままでは使えないという事が分かる。
さらに、本発明者は、特開昭63−50478号の開示によ
り、CH4/He混合ガスで大面積のカーボン膜の形成を試み
た。
(i)RF電極14が平板の場合、電極14の周縁部に放電が
集中し均一な膜が得られなかった。
(ii)上記放電の集中を避けるためにRF電極14をブラッ
シ状にする必要があったが、この場合もRF電極の外縁の
径が40mmを越えるとやはり電極14の周縁部に放電が集中
し、均一な膜がえられなかった。
(オ)目的 大気圧下で、a−Si、SiN等の薄膜をプラズマCVD法に
よって形成する装置を提供することが本発明の目的のひ
とつである。混合ガスの分布を広い範囲にわたって均一
とし、特性の一様な薄膜を形成することができる装置を
提供することが本発明の第2の目的である。
(カ)本発明の装置 ガスがSiH4/Heである場合、Heが90%では、グロー放
電が起こらない。本発明者の実験によれば、SiH4の比率
が10%(0.1)よりさらに小さく、SiH4/Heの比率で言う
と10-4〜10-2でなければならない事が分かった。
さらに、原料ガスはグロー放電の中まで入りにくいの
で、特開昭63−50478号のように単純に上から下への流
れとしない。一方の電極に多孔高抵抗体を取り付け、抵
抗体の微細穴から混合ガスを均一に導入することとす
る。こうして電極の中央も周辺も一様に膜形成できるよ
うにしている。単位時間内に電極間に送り込まれるガス
流量をQとし、放電空間の体積をSとすると、 となるようにしている。
さらに、放電が平行平板電極の間で均一に起こるため
に、両方の電極の上に高抵抗体を置く。この抵抗体の抵
抗率rは1011Ωcm以上とする。
一方の高抵抗体は盲板である。他方の高抵抗体は多数
の微細穴のある板である。これはガス導入口を兼ねる。
このように本発明には、3つの特徴がある。
(1)ガス混合比 (2)ガス流は電極板にほぼ直角に流れ、流量Qは (3)電極板には高抵抗体を付ける。一方の高抵抗体は
多孔板であって、微細穴から、混合ガスを導入する。
第1図によって本発明の薄膜形成装置を説明する。
成膜室1の中には、互いに対向する平行平板電極2、
3が設けられる。一方が接地されている。これを接地電
極3と呼ぶ。
他方を非接地電極2といって区別することにする。
いずれの電極にも、少なくとも電極板と同じ大きさ以
上の高抵抗体4、5が貼り付けられている。
高抵抗体の材料は石英ガラス、高分子フィルム、セラ
ミックなど任意である。
高抵抗体4、5を入れるには、グロー放電が局所的に
起こるのではなく、電極板全体で広く起こるようにする
為である。
接地電極3の高抵抗体5は盲板である。この上に試料
基板6を置く。
非接地電極2の高抵抗体4は、多数の微細穴11を有す
る多孔板である。
非接地電極2には高周波電源8を接続する。これは、
例えば13.56MHzのRF発振器の増幅器とを用いることがで
きる。非接地電極2は管状となっている。これはガス流
路となる。
平行平板電極の中間の空間に、上下流といてガスが流
れるように、電極2、3の上方、下方にガス導入口7
と、ガス排出口10とが設けられる。
原料ガスとHeの混合ガスは、ガス導入口7から多孔高
抵抗体4の微細穴11を通って成膜室1の内部に吹き込ま
れる。このガスは、電極2から電極3へ向かって流れ
る。
放電空間の体積Sに対し、混合ガスの流量QはQ/Sが1
sec-1〜102sec-1となるようにする。
放電空間体積Sは、試料基板6と、多孔高抵抗体4と
の距離gと、電極の面積Aの積で与えられる。S=gAで
ある。
(キ)作用 ガス導入口7より、原料ガスとHeの混合ガスを引き込
む。電極2に高周波電圧をかける。
圧力は大気圧又はその近傍の圧力である。
電極間にグロー放電が生ずる。Heの割合が大きいの
で、大気圧であってグロー放電が発生し、安定に維持さ
れる。
混合ガスはグロー放電によって励起されて、プラズマ
となる。
試料基板6はヒータ9によって、予め加熱されてい
る。基板6の上に、薄膜が形成されてゆく。
原料ガスがSiH4の場合、a−Si薄膜をSiH4の他に、ア
ンモニアNH3を加えた場合は、SiNの薄膜を作る事ができ
る。その他の薄膜形成には公知の減圧プラズマCVD法で
使用する原料ガスを用いれば良い。
高抵抗体を電極間に介在させるのは、グロー放電の起
こる範囲を拡げ、放電の強さを均一にするためである。
この高抵抗体の大きさは、電極端部でのアーク放電を防
止するため、少なくとも電極と同じ大きさ以上であれば
良いが、電極端部より5mm以上外側に出ている事が好ま
しい。
未反応のガスや、反応生成物などは、Heとともにガス
排出口10から排除される。
ガスが平行平板電極に直角な流れとして与えられるの
で、広い多孔高抵抗体の微細穴から流入した原料ガスは
電極の中央も周辺にも一様に到達できる、つまり、試料
基板が広くても均一に薄膜が生じる。
もしも、ガス流量Qが不足すると、成膜速度が遅くな
る。それで、ガス流量Qは、放電空間に体積Sを少なく
とも1秒で置き換わるような量としなければならない。
反対にガス流量Qが多すぎると、ガスが無駄に消費さ
れるということだけでなく、成膜速度が低下する。
このようなわけで、Q/Sが1〜102/secとなるのであ
る。
次に、SiH4を用いる場合のSiH4/Heの比率について述
べる。
SiH4をHeによって希釈しているので、放電維持電圧が
低い。Heが100%であれば、大気圧下でグロー放電を維
持できる。SiH4の混合量が少ないので、大気圧下でもグ
ロー放電が可能となるのである。
Heの作用により、アーク放電に移行するのを防ぐ事が
できる。
同じ圧力であっても、He中では分子の平均自由行程が
長い。このため、プラズマが拡がりやすい。
混合ガスは、非接地側電極2の多孔高抵抗体4から、
試料基板6に向かって流れる。微細穴11の密度を適当に
分布させることにより、試料基板6に当たりガス流が均
一になる。
もしも、SiH4/Heの比率が10-2を越えると、グロー放
電が維持できない。アーク放電に移行する。反対に、Si
H4/Heの比率が10-4より小さくなると、成膜速度が低下
するので望ましくない。
他の原料ガスを用いる場合は、その原料ガスよりHeに
対する比率の好ましい範囲を定める事ができる。
高抵抗体4、5を電極2、3に取り付けるので、直流
電流は流れない。交流だけとなる。また、面積当たりの
電流密度は限られるので、プラズマが一様に拡がりやす
くなる。
膜厚分布を均一にするためには、試料基板6と非接地
電極2の高抵抗体4との間隙gを狭くした法が良い。
gが狭いほど、グロー放電が電極面内で均一に起こ
る。
ガス流の分布も膜厚分布に関係するが、ガス流分布は
多孔高抵抗体の微細穴の分布や流量Qにより均一にする
ことができる。
gの値は、10mm以下であるのが望ましい。
さらに、局所的なプラズマ加熱により高抵抗体4、5
の熱損傷を防止するために、高抵抗体4は熱膨張係数の
小さいものが望ましい。
非接地電極2の近傍に、SiH4ガスの分解によるダスト
が付着することがある。このようなダストが試料基板6
に付くと、ピンホール発生原因になる。デバイス特性、
薄膜特性のバラつきの原因となる。
これを防ぐためには、非接地電極2に、加熱手段又は
冷却手段(図示せず)を設けるのが良い。そうすれば、
非接地電極の近傍でSiH4の分解反応が起こらず、ダスト
の付着を防ぐことができる。
基板温度について述べる。
プラズマCVDの特長のひとつは低温で処理できるとい
うことである。しかし、それでも、加熱する必要はあ
る。
SiH4を用いる場合、試料基板の温度が低すぎると、表
面の粗いガサガサの膜となる。電気的にも、物理的、化
学的にも劣悪なもので使いものにならない。
温度が高すぎると、Siの中にHが取り込まれず欠陥密
度が増加する。アモルファスSiの特性が安定するのは適
当な量のHが含まれているからである。
こういう訳で、SiH4を用いる場合の基板温度Tsは、 150℃≦Ts≦400℃ が良い。試料基板は、ガラスのような絶縁体であっても
良いし、ステンレス板のような金属であっても良い。
圧力Pは大気圧P0またはその近傍であっても良い。
真空に引かなくて良いというのが、本発明の最大の利
点である。
圧力Pを、大気圧P0よりわずかに高くすると外部から
成膜室1への不純物ガスの混入を防ぐことができる。
高周波電源の周波数は、100kHz〜13.56MHzであってよ
い。高抵抗体4、5の厚みや、電極間の間隙gにより周
波数、パワーの最適値を決めることができる。
ただし、放電の安定性という事からいえば、1KHzで
は、グロー放電が不安定になる。それ故、1Kz以下にし
てはならない。
また、高周波電源のパワーは、10-2W/cm2〜102W/cm2
とする。102W/cm2より大きくなると、高抵抗体4、5が
イオンによってスパッタされる。このため、不純物が薄
膜に混入する。
10-2W/cm2よりパワーが低いと、実質的な成膜速度が
得られない。
(ク)実施例(SiH4/He比率とQ/S) 混合ガス比率と、ガス流量とを変え、第1図の装置に
よって、a−Si薄膜を作った。
基板温度Ts 250℃ 圧力P 大気圧 RFパワー 30W RF周波数 13.56MHz 電極面積 400mm×400mm 高抵抗体間距離 5mm 高抵抗体 石英ガラス 抵抗率 r>1017Ωcm 以上の条件は共通である。
SiH 4/Heの比率は、10-5、10-4、10-3、10-2、10-1
5種類とした。
放電空間体積Sで供給ガス流量Qを割った値Q/Sは10
-1、100、101、102、103/secの5種類とした。
こうして、試料基板の中央部の成膜速度vを測定し
た。この結果を第1表に示す。単位はÅ/secである。
この表で、斜線を施した部分(SiH4/Heの比率が1
0-1)はRFパワー30Wでは放電が起こらなかったというこ
とである。さらに、RFパワーを増加させるとアーク放電
であった。
Q/Sが10-1の時、v=0であるが、これは、原料ガスS
iH4がプラズマの中へ入ってゆかず、周辺でダストを作
っているからである。
この結果からSiH4/Heの比率は10-4〜10-2の範囲が良
好であるということが分かる。
Q/Sに関しては、100〜102/secが良好であるというこ
とができる。
さらに、実施例Iと同条件で、TiCl4、NH3を原料ガス
として第1図の装置を用いる石英ガラス基板上にTiN膜
の形成を試みた。TiCl4/He比率、NH3/He比率はどちらも
10-1以下とすることにより安定なグロー放電を維持する
ことができた。そこでTi作製は、TiCl4/He−10-2、NH3/
He=10-2、L/S=101sec-1の条件で行った。基板温度は7
00℃、成膜時間は30分とした。得られたTiN膜の基板対
角線上の膜厚分布を第3図に実線で示す。放電中央部、
電極中央部で均一な膜厚となっており、大面積にわたり
均一成膜できていることがわかる。
(ケ)比較例 比較のため、第2図に示す装置を使って、a−Si薄膜
を作ることを試みた。
第2図のものに加えて、高抵抗体(石英ガラスr>10
17Ωcm)を電極に貼り付けてある。
ガスの流れは上から下へ向かう。しかし、非接地電極
が邪魔になって、試料基板にガスが一様に当たない。
条件は以下とした。
基板温度Ts 250℃ 圧力P 大気圧 RFパワー 30W RF周波数 13.56MHz 電極面積 400mm×400mm 試料基板 ガラス 透明導電膜 このような条件は共通にし、試料と高抵抗体との距離
g、SiH4/He比率、流量Qを様々に変えてa−Si薄膜を
作ろうとした。
グロー放電が起こる場合と、起こらない場合があっ
た。たとえばグロー放電が起こっても、プラズマの周囲
にa−Siのダストができただけである。試料基板の上に
は薄膜形成が起らなかった。
さらに、実施例IIと同条件で第2図に示す装置を使っ
て、TiN薄膜を作る事を試みた。成膜時間は30分とし
た。第2図のものに加えて、高抵抗体(石英ガラスr>
1017Ωcm)を電極に貼り付けてある。得られたTiN膜の
膜厚分布を第3図に破線で示す。放電中央部、電極中央
部で、原料ガスが供給されず、膜厚が低下しており、均
一な膜が得られていない事、成膜速度が低い事がわか
る。
これに対して、本発明では、放電中央部へも原料ガス
が常に供給されているため、大面積で均一な膜が得られ
ていることがわかる。
(コ)効果 本発明によれば、大気圧近傍の圧力で、プラズマCVD
法により、a−Si、SiN薄膜などのSi系薄膜を形成する
事ができる。また大面積で均一な薄膜を形成することが
できる。
大気圧近傍であるので、真空チャンバや、真空排気装
置を必要としない。非接地電極の多孔高抵抗体から混合
ガスが、試料基板6に向かって直角に吹き出される。こ
のため、試料基板に当たるガス量が面内で均一になる。
特開昭63−5047号も上下流であるが、電極の端から内部
へ回り込むので、電極の内部へ入らないことがあり均一
性が悪い。中央部は成膜できないことがある。
広い面積の成膜を必要とする太陽電池のa−Si等の薄
膜の作製に於いて、設備に要するコストを大幅に低減す
ることができる。この場合、多孔高抵抗体4の微細穴11
の分布を適当に決めれば、試料基板に当たるガス量を常
に均一にできる。大面積の成膜に好適である。
また、圧力が高いので、低圧プラズマCVDに比べて、
成膜速度の速くすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の薄膜形成法に用いられる装置の概略断
面図。 第2図は特開昭63−50478号で開示された薄膜形成装置
の断面図。 第3図は本発明方法と従来方法によってTiN薄膜を作成
した時の対角線方向の膜厚分布図。 1……成膜室 2……非接地電極 3……接地電極 4……多孔高抵抗体 5……高抵抗体 6……試料基板 7……ガス導入口 8……高周波電源 9……ヒータ 10……ガス排出口 11……微細穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富川 唯司 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 藤田 順彦 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (56)参考文献 特開 平1−138242(JP,A) 特開 平2−15171(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに対向する非接地電極2と接地電極3
    と、電極2、3間に高周波電圧を印加する高周波電源8
    と、接地電極3の対向面上に設けられた抵抗率が1011Ω
    cm以上であり盲板である高抵抗体5と、非接地電極2の
    対向面上に取り付けられ抵抗率が1011Ωcm以上である多
    孔高抵抗体4と、非接地電極2から多孔高抵抗体4の微
    細穴11を通して、Heと原料ガスとを含む混合ガスを導入
    するガス導入口7と、接地電極3の近傍に設けたヒータ
    9と、接地電極3、非接地電極2を囲む成膜室1と、成
    膜室1の接地電極3の裏側に当たる部分に設けたガス排
    出口10とを備え、混合ガスを、放電空間体積Sでガス流
    量Qを割った値Q/Sが1〜102sec-1になる速度でガス導
    入口7から導入し大気圧近傍で、電極2、3の間にグロ
    ー放電を起こさせ、接地電極3の高抵抗体5に置いた試
    料基板6の上にSiを含む薄膜を形成する事を特徴とする
    薄膜形成装置。
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