JPH0620978A - グロー放電方法及びグロー放電装置 - Google Patents

グロー放電方法及びグロー放電装置

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JPH0620978A
JPH0620978A JP10062893A JP10062893A JPH0620978A JP H0620978 A JPH0620978 A JP H0620978A JP 10062893 A JP10062893 A JP 10062893A JP 10062893 A JP10062893 A JP 10062893A JP H0620978 A JPH0620978 A JP H0620978A
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JP
Japan
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electric field
glow discharge
field region
substrate
electrode
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JP10062893A
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Takashi Mizuno
尊司 水野
Daijiro Kudo
大二郎 工藤
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Mitsubishi Kasei Corp
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Mitsubishi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラズマ損傷が少なく、広い面積にわたって
均一かつ高速にプラズマ処理が可能なグロー放電方法お
よび装置を提供すること。 【構成】 基体8上に非一様に広がる弱電界領域Ewと
基体8からより離れた強電界領域Esを与えるグロー放
電用の電界を確立して、弱電界領域Ewと強電界領域E
s間に配置する基体外端と強電界領域Es間距離を調整
して非一様な弱電界領域Ewを一様にしてグロー放電を
弱電界領域Ewで安定させ、基体8上に導入管9から導
入されるガス状物質から薄膜を一様に堆積あるいは食刻
させる。このとき、絶縁体17を基体8と領域Es間に
配置すること、電極3の放電面積と電極6の放電面積と
の比を調節することでも、同様の効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグロー放電方法及び装置
に関し、特に基体の表面上への薄膜の堆積または基体表
面の食刻を行うことのできるグロー放電方法及び装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】グロー放電により薄膜形成を行う方法で
あるプラズマCVD法は他の常圧CVD法、減圧CVD
法等に比べ、低温処理、量産性に優れ、良好な膜質を有
するので、例えば半導体装置の保護膜、層間絶縁膜、太
陽電池の感光層、TFT液晶ディスプレイのゲート絶縁
膜、保護膜もしくはアクティプ層、画像形成装置の感光
層、食品包装フィルムのガスバリヤー、自動車材料の軽
量化材料等の広範囲の技術分野で薄膜形成方法として良
く用いられている。
【0003】従来知られているプラズマ処理(薄膜形成
あるいは食刻)装置には誘導コイル型とコンデンサ結合
型があったが、プラズマ処理の均一性等の性能面から、
主にコンデンサ結合型が利用されてきた。このコンデン
サ結合型プラズマ処理装置は、具体的にはシリコン化合
物等の反応ガスを真空容器内に入れ平行平板型の電極間
に高周波電界をかけて、反応ガスにプラズマ放電を生じ
させながら電極上の基体に薄膜を堆積または食刻させる
ものである。
【0004】ところが、この装置は処理部分と高エネル
ギー・イオン等を多く含むと思われるプラズマの生成部
分が分離されていないので、プラズマにより基体に損傷
を起こし、この損傷が最近の高性能化した半導体デバイ
ス、液晶ディスプレイ等の信頼性を低下させるという問
題がある。
【0005】そこで、前記方法の改良方法として、強電
界領域のほかに弱電界領域を形成したグロー放電による
薄膜形成方法が提案された。この方法は特公昭63−5
6699号公報等に記載されている方法に相当するが、
当該方法は図8に示すように、基体31を二つの電極3
2、33(電極33はガス噴出用透孔34を備えてい
る)のうちのカソード電極32の表面に配置して電極間
に直流または交流を加えると、電極32、33間の強電
界領域Esによりグロー放電が発生し、弱電界領域Ew
部分にとって電極間隔が大き過ぎる場合であっても、ガ
スの圧力が適当な値に調整されれば、その弱電界領域E
wの全てに延在するようにグロー放電領域が広がり、し
たがって、ガスの圧力が適当な値に調整されれば、非一
様な弱電界領域Ewにおいても基体31の上に一様に薄
膜を堆積させることができる。
【0006】これにより、高エネルギーイオンを多く含
むグロー放電部Esから離れた位置にある基体31周囲
の弱電界領域Ewでの薄膜形成が可能となり、プラズマ
・ダメージの少ない膜を基体31上に一様に堆積させる
ことができるというものである。
【0007】ところが、図8に示すような前記強電界領
域Esと弱電界領域Ewを形成するグロー放電方法は、
例えば堆積速度が数十Å/分であるように、処理速度が
遅いという問題があった。さらに、この方法は非一様な
弱電界領域Ewでの処理のため、今後予想されるプラズ
マ処理基体の大型化に対応できる均一な処理が期待でき
ない問題がある。
【0008】一方、ガス圧調節して高真空にしていけ
ば、大面積の基体上でも均一な成膜(エッチング)が可
能となるが、高真空条件では高エネルギー・イオンの影
響が大きくなり、かつ成膜(エッチング)速度も低下す
るという問題がある。
【0009】また、プラズマ処理速度を向上させるた
め、基体に対して平行方向に磁界をかける方法が特開昭
61−9577号公報に開示されている。しかしなが
ら、この方法においては、大きな均一磁場を得ることが
困難であるため、プラズマ処理基体の大型化には対応が
難しい面が予想される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的は
プラズマ損傷を少なくし、広い面積にわたって、均一
に、かつ高速にプラズマ処理を行うことができるグロー
放電方法および装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は次の
構成によって達成される。すなわち、ガス状物質のグロ
ー放電により基体上に薄膜を堆積または食刻させるグロ
ー放電方法において、前記基体上の薄膜を堆積または食
刻させる前記基体表面上に非一様に延在する弱電界領域
および前記基体からより離れた強電界領域を与えるグロ
ー放電用の電界を確立する工程と、該非一様な弱電界領
域が一様になるように該基体外端と強電界領域間の距離
を調整することによって、前記グロー放電が前記弱電界
領域内で安定し、かつ前記基体上に前記弱電界領域の一
様な堆積あるいは食刻が生じる工程とを有するグロー放
電方法、または、基体が二つの電極のうち第一電極の上
に配置され、グロー放電を確立するために前記二つの電
極間に電界が設けられ、ガス状物質のグロー放電により
基体上に薄膜を堆積あるいは食刻させるグロー放電装置
において、前記電界が第一電極上の前記基体表面上に一
様に延在する弱電界領域および第一電極上の前記基体か
らより離れた強電界領域とを有するように構成され、前
記グロー放電電界が安定し、かつ前記基体上に前記弱電
界領域からの一様な堆積あるいは食刻を生じさせるため
に、互いに関連して形成され、かつ配置されるように前
記二つの電極を設けたグロー放電装置である。
【0012】本発明において、絶縁体は図7に示すよう
に基体が電極上に複数個配置される場合には基体間に配
置するケース(図7の(ロ)領域)、基体外端と強電界
領域の間に配置するケース(図7の(イ)領域)または
絶縁体は基体表面を除く全領域に配置するケース(図7
の基体部分のみを除き、(イ)、(ロ)を含む領域)が
あるが、少なくとも前記基体外端と強電界領域間に配置
する(図7の(イ)領域)。
【0013】また、絶縁体が配置される弱電界領域にあ
る基体の外端と強電界領域間距離を大きくするにつれ
て、薄膜の膜厚分布は改善されるが、薄膜の堆積速度ま
たは食刻速度が低下していく。したがって、前記基体の
外端と強電界領域間距離は工業的にはある所定値内にあ
ることが好ましい。その所定値とは5〜150mm、好
ましくは20〜100mmであることが好ましいことが
実験的に確認された。
【0014】また、前記二つの電極の間隔も、その距離
を長くするにつれて薄膜の膜厚分布と薄膜の堆積速度ま
たは食刻速度が共に低下していき、また、距離が短くな
り過ぎるとスパークの発生等の異常放電が発生する。そ
の間隔は工業的にはある所定範囲内にあることが好まし
い。その所定値とは3〜60mm、さらに好ましくは5
〜25mmであることが実験的に確認された。
【0015】また、本発明のグロー放電装置において、
前記二つの電極の放電面積比(第二電極の放電面積/基
体の配置される第一電極の放電面積)が小さくなるにつ
れて薄膜の堆積速度または食刻速度が低下していく。ま
た、工業的にはコンパクトな電極構造が望まれるので、
前記二つの電極の放電面積比はある所定範囲内にあるこ
とが好ましい。その所定値とは0.1〜10、さらに好
ましくは0.1〜5であることが実験的に確認された。
【0016】本発明において、グロー放電のための二つ
の電極を電気的にフローティングな状態に配置すれば、
グロー放電反応容器内壁との間に放電が起こりにくくな
り、プラズマ(パーティクル)が拡散しにくくなること
が実験で確認された。また、グロー放電の真空度を高め
ることにより薄膜の膜厚分布を改善することができる。
本発明のグロー放電装置に用いる絶縁体の材質は、例え
ば石英、ホウ酸ガラス(パイレックス、コーニング社商
標)、アルミナまたは炭化ケイ素等から選択される。す
なわち、本発明のグロー放電装置の構成は、真空容器内
に設けられている絶縁性支持台;絶縁性支持台に支持さ
れて、基体を支持する第1の電極;絶縁性支持台上にあ
って、第1の電極との距離が3〜60mmになるよう
に、かつ、第1の電極を取り囲むように形成された第2
の電極;基体と対向するように、真空容器の上部に取り
付けられたガス導入口;ガス導入口とガス導入管を介し
て連結されているマスフローコントローラー;および、
真空容器の外部に設けられている真空ポンプとから成
り、第1と第2の電極は、基体表面上に一様に延在する
弱電界領域および基体より離れて存在する強電界領域と
から成るグロー放電電界を形成し、グロー放電電界が安
定し、かつ、基体上に弱電界領域からの一様な堆積ある
いは食刻を生じるように、互いに関連して形成され、か
つ、配置されている。
【0017】本発明のグロー放電装置において、絶縁性
支持台の形状は、特に限定はされないが、例えば、円柱
状、多角柱状であることが一般的である。また、絶縁性
支持台は内部に間隙を有する筒状であっても良く、筒状
の場合には、支持台頂部が内側に向かったフランジ状形
状であると第1の電極を好適に支持することが可能とな
る。また、本発明のグロー放電装置において、少なくと
も基体外端と強電界領域間、好ましくは基体外端と強電
界領域間であって絶縁性支持台上に絶縁体を配置する
と、さらに、弱電界領域を一様にすることができるので
好適である。本発明のグロー放電装置において、絶縁体
は、基体外端と強電界領域間の絶縁性支持台上に配置さ
れるように、ドーナツ型の形状であることが特に好まし
い。なお、本発明において、グロー放電によるプラズマ
反応の反応生成物が揮発性の場合には食刻となり、不揮
発性の場合には薄膜堆積となる。また、有機化合物の表
面改良やプラズマ酸化等の表面処理も本発明で言う堆積
に含まれる。シリコン窒化膜(ガスとしてはSiH4
NH3とHe)、シリコン酸化膜(ガスとしては例え
ば、SiH4とN2OまたはSi(OC254(TEO
S)とO2など)、シリコン酸化窒化膜(ガスとしては
例えば、SiH4、N2OとNH3)、a−Si(ガスと
しては例えばSiH4)などがその例である。また、本
発明の食刻には、例えばフォトレジストのアッシャーに
は酸素ガスを用い、シリコン窒化膜やシリコン酸化膜の
エッチングには四フッ化炭素(CF4)ガスと酸素ガス
の混合ガス等を使用する。
【0018】また、グロー放電を発生する高周波電源と
してさらに高い周波数(例えば13.56MHz)を採
用すれば、堆積した膜のストレスを小さくできるので用
途に応じて、高周波電源の周波数を高くしたり、通常の
周波数(例えば、数KHzから1MHz望ましくは数十
KHzから数百KHz)と高い周波数(例えば1MHz
以上)の2系統以上にしたりして膜質の改善を行うこと
も本発明に含まれるものである。なお、基体の形状はい
かなるものでもよいが、目的により円盤状(ウエハ
ー)、多角形状(太陽電池)とすることができる。
【0019】
【作用】グロー放電装置内に導入されたガス状物質はグ
ロー放電発生部である強電界領域でグロー放電を開始
し、成膜部である弱電界領域内にある基体上で成膜され
る。このとき、基体外端と強電界領域間の距離を大きく
することにより、非一様な弱電界領域中のほぼ一様な電
界領域のみを利用できるため、膜厚分布が均一になるも
のと考えられる。さらに、絶縁体を配置することにより
基体周囲の成膜を抑え、その分基体の成膜を増加させる
ため、また、強電界領域からの影響も少なくできるため
(おそらく基体上の弱電界領域の電界分布が一様になる
ため)、処理速度が増加し、かつ、一定の圧力で成膜に
よる薄膜の膜厚分布が均一になるものと考えられる。
【0020】したがって、基体上の弱電界領域での電界
分布が一様になるように、台座兼用電極の表面を絶縁体
でコーティングすることも望ましいものである。このと
き、両電極間隔あるいは二つの電極の放電面積比を調整
することで薄膜の堆積速度または食刻速度を変えること
ができる。
【0021】さらに、基体が配置される第一の電極とも
う一方の第二の電極をフローティング状態にして、グロ
ー放電することにより、グロー放電が反応容器内の内壁
等に広がらないため、パーティクルの発生および反応装
置の壁面等の不要部分への膜の付着がなくなり、その
分、反応装置のクリーニングが容易となる。
【0022】
【実施例】本発明を図面を用いて実施例によりさらに詳
細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以
下の実施例に限定されるものではない。 実施例1 図1に本実施例のグロー放電装置1を示す。真空容器2
内に基体載置台座兼用の電極3と絶縁性支持台5上の電
極6が設けられている。この電極3と電極6との間には
真空容器2の外部の電源7から高周波電力が供給され
る。また、電極3上の円盤状の基体8平面に対向する位
置には反応ガスのガス導入管9のガス導入口10が設け
られている。このガス導入口10にはマスフローコント
ローラ(MF)12を介して各種ソースガスが供給され
る。またTEOSなどの液体ソースの場合は気化器11
とマスフローコントローラ(MF)12を介して供給さ
れる。また、真空容器2内はバタフライバルブ13を介
して真空ポンプ14で所望の真空度に維持される。ま
た、基体8の温度は電極3に埋め込まれた内蔵抵抗ヒー
タ15により最適な温度に加熱される。エッチング時に
は必要に応じて最適な温度になる様に冷却機構を設けら
れる。
【0023】また、内蔵抵抗ヒータ15は温度制御器1
6により温度制御がされる。そして、電極3上の基体8
に隣接する位置であって、基体8の外端と強電界領域E
sの間に幅(Ls)24mmのディスク状の絶縁体17
を配置する。
【0024】ここでは基体8とガス導入口10との間の
距離は50mmとした。本実施例では基体8として8イ
ンチシリコンウエハーを用い、該基体8上にシリコン窒
化膜を堆積させるために、反応ガスとしてSiH4とN
3を用い、希釈ガスとしてHeを用いた。
【0025】このグロー放電装置1を用いて本実施例で
は次のようにしてシリコン窒化膜を基体8上に堆積させ
た。まず、基体8の温度を電極3内に埋め込まれた抵抗
ヒータ15により250℃に加熱しておき、真空容器2
内を真空ポンプ14で減圧しながら、SiH4とNH3
Heをそれぞれ100cc/M、1リットル/M、5リ
ットル/Mの割合でガス導入口10から導入して、真空
容器2内が1torrに維持されるようにバタフライバ
ルブ13で調整する。そして、真空容器2内に電源7か
ら電源周波数50kHz、400Wの高周波電力が供給
されると強電界領域Esが図示のように電極3、6間に
形成され、また、弱電界領域Ewも図示のように形成さ
れる。
【0026】こうして、基体8上にはシリコン窒化膜が
堆積する。このシリコン窒化膜の堆積速度は450Å/
Mであった。そして得られたシリコン窒化膜の膜厚分布
は±15%であった。なお、前記膜厚分布は薄膜の膜厚
を膜上の異なる5点で測定し、その最大値と最小値との
差を平均値の2倍の値で割って得られる値を用いた。
【0027】比較例1 図5(模式図)に示すように、絶縁体17を用いないこ
と及び基体外端と強電界領域Esの距離を5mm未満と
することの他は実施例1と全く同一の方法でシリコン窒
化膜を基体8上に堆積させた。その結果、シリコン窒化
膜の堆積速度は400Å/Mであった。得られたシリコ
ン窒化膜の膜厚分布は基体8の縁で悪かった。なお、本
比較例以降の実施例、比較例の図面は図1と同様な装置
を用いるが要部のみを図示した。
【0028】実施例2 本実施例では図2に示すように放電発生部である強電界
領域Esと基体8外端間の距離Lsを変えて実施例1と
同様な条件でシリコン窒化膜の堆積をした。実施例1と
の違いは本実施例ではガス導入口10はシャワー方式に
したことである。
【0029】放電発生部である強電界領域Esと基体8
外端間の距離Lsをそれぞれ24mm、52mm、82
mmと長くするにつれ、堆積される薄膜の膜厚分布は±
10%、±6%、±4%と改善されることが分かった。
しかし、シリコン窒化膜の堆積速度は低下していった。
なお、ここで基体8とガス導入口10との間の距離は3
5mmで一定とした。
【0030】以上の結果を表1に示す。 (表1) 基体外端と強電界 堆積速度 膜厚分布 領域間距離(Ls) (mm) (Å/M) (%) 24 250 ±11 52 200 ±6 82 130 ±4
【0031】本実施例によれば、強電界領域Esと基体
8の外端間の距離Lsは工業的には5〜150mm、好
ましくは20〜100mmとする。
【0032】実施例3 本実施例では図3(模式図)に示すように、電極6と基
体載置台座兼用の電極3との間の距離Lを種々変えた他
は、実施例2と同一の装置(ただし、基体8とガス導入
口との間の距離は50mm)でシリコン窒化膜の堆積を
した。その手順はソースガスとして、SiH4とNH3
それぞれ100cc/M、1リットル/Mの割合でガス
導入口10から導入して、真空容器2内を0.8tor
rに維持されるように調整し、台座(電極)3を250
℃に調整した。そして、絶縁性支持台5上の電極6と台
座(電極)3との間に電源7から高周波電力(電源周波
数120kHz、700W)を印加し、グロー放電を発
生させ、基体8上にシリコン窒化膜を堆積させた。その
結果、放電発生部である強電界領域Esと基体外端間の
距離Lsを48mmと一定とし、両電極3、6間の距離
Lを2mm、5mm、28mmと変化させた。その結
果、L=2mmでは電界の集中によるものと思われるス
パーク状の異常放電が発生したが、5mm、28mmで
は異常放電は見られず、距離Lを長くするにつれて、そ
れらの堆積速度と膜厚分布はそれぞれ1100Å/M、
±4%から680Å/M、±9%と低下した。
【0033】以上の結果を表2に示す。 (表2) 基体外端と強電界 電極間距離 堆積速度 膜厚分布 領域間距離(Ls) (L) (mm) (mm) (Å/M) (%) 48 28 680 ±9 48 5 1100 ±4 48 2 異常放電
【0034】本実施例によれば、両電極3、6間の距離
Lは工業的には3〜60mm、好ましくは5〜25mm
とする。なお、本実施例では、例えばHe等の希釈ガス
を使用しなくても十分な堆積速度と膜厚分布が得られる
ため、ガス系の増設が不要であり、ランニングコストも
低減でき、希釈ガスを用いない工業的に有利なプロセス
となる。
【0035】実施例4 本実施例では図4(模式図)に示すように、実施例3と
同一の装置で電極3の放電面積は一定にしたまま、電極
6の幅Wを変えることで電極6の放電面積を種々のもの
に変えシリコン窒化膜の堆積をした。ソースガスとし
て、SiHとNHをそれぞれ100cc/M、1リ
ットル/Mの割合でガス導入口10から導入して、真空
容器2内を0.8torrに維持されるように調整し、
台座(電極)3を250℃に調整した。そして、絶縁性
支持台5上の電極6と台座(電極)3との間に電源7か
ら高周波電力(電源周波数120kHz、700W)を
印加し、グロー放電を発生させ、基体8上にシリコン窒
化膜を堆積させた。
【0036】その結果、放電発生部(強電界領域)Es
と基体8の外端間の距離Lsを48mm、両電極3、6
間の距離Lを5mmと一定にし、電極6の幅Wを15m
m(放電面積140cm)から28mm(放電面積2
30cm)、68mm(放電面積640cm)に変
えたところ、シリコン窒化膜の堆積速度はそれぞれ65
0Å/Mから1100Å/M、1200Å/Mに改善さ
れた。なお、このときの台座(電極)3の放電面積は3
14cmで一定としている。また膜厚分布はそれぞれ
±5%、±4%、±4%であった。
【0037】以上の結果を表3に示す。 (表3) 距離Ls 電極間距離 電極幅 電極放電面積比 堆積速度 膜厚分布 (mm) (L)(mm)(W)(mm) (Å/M) (%) 48 5 15 0.4 650 ±5 48 5 28 0.7 1100 ±4 48 5 68 2.0 1200 ±4
【0038】前記電極6の幅Wが小さすぎると堆積速度
の低下が顕著であり、また工業的にはコンパクトな電極
構造が求められるため前記幅Wは5〜100mm、好ま
しくは25〜60mmである。放電面積で言えば、電極
6の放電面積/電極3の放電面積の面積比を0.1〜1
0、さらに、好ましくは0.1〜5にする。
【0039】比較例2 本比較例では図6(模式図)に示すように図1のアース
されている真空容器2内の電極6をアースした状態で実
施例2と同様にシリコン窒化膜を基体8上に堆積した。
この結果、真空反応装置の内壁と電極との間での放電が
起き易くなり、プラズマの拡散が見られた。
【0040】一方、二つの電極3、6をフローティング
状態でグロー放電することにより、グロー放電が反応容
器内の内壁等に広がらないため、パーティクルの発生が
抑えられクリーニングも容易となる。
【0041】上記本発明の実施例での成膜は基体上の弱
電界領域での電界強度が実質的に一様になるため、均一
大面積の処理が可能であり、また、弱電界領域Ewの高
エネルギー・イオン等の少ないプラズマで行えるのでプ
ラズマ・ダメージの少ない成膜が得られる特徴を持つ。
上記実施例では成膜の場合について説明したが、本発明
はプラズマエッチングアッシャーなどにも適用できる。
【0042】実施例5 図1に示す装置において、本実施例では基体8として、
シリコン窒化膜およびシリコン酸化膜をそれぞれ被膜し
たシリコンウエハーを用いて、シリコン窒化膜およびシ
リコン酸化膜のエッチングをCF4+O2(12%)ガス
により行った。基体8の温度を約50℃にして、真空容
器2内を真空ポンプ14で減圧しながらCF4+O2(1
2%)ガスを1.5リットル/分の割合でガス導入口1
0から導入して、真空容器2内を0.5torrに維持
されるようにバタフライバルブ13で調整する。そし
て、真空容器2内に電源7から電源周波数50kHz、
500Wを印加した結果、シリコン窒化膜で2800Å
/分、シリコン酸化膜で140Å/分のエッチング速度
が得られた。
【0043】本発明のグロー放電装置は広範囲の技術分
野で利用できるが、例えば半導体の保護膜(Si34
または層間絶縁膜(SiO2)、太陽電池の感光層(ア
モルファスシリコン)、TFT液晶ディスプレイのゲー
ト絶縁膜(SiO2)または保護膜(Si34)または
アクティブ層(アモルファスシリコン)、画像形成装置
の感光ドラムの感光層(アモルファスシリコン)、食品
包装材料であるPETボトル、PETフィルムのガスバ
リヤー(SiO2)、自動車材料の軽量化材料として窓
・ヘッドライトのコーティング(SiO2とポリカーボ
ネートの複合被覆材料)または断熱コーティング(Ti
2、SiO2およびプラスチックフィルムの複合材料)
に用いられるシリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化
膜等の薄膜形成、フォトレジストのアッシャー等の食刻
用に使用できる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、実質的に基体上の弱電
界領域での電界分布を一様にでき、さらに、絶縁体の配
置によりプラズマ処理速度を増加することができ、か
つ、圧力を下げないで(一定の圧力で)均一な処理(=
膜厚分布の均一性)が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1のグロー放電のための装置
の概略図である。
【図2】 本発明の実施例2のグロー放電のための装置
の概略図である。
【図3】 本発明の実施例3のグロー放電のための装置
の概略図である。
【図4】 本発明の実施例4のグロー放電のための装置
の概略図である。
【図5】 本発明の比較例1のグロー放電のための装置
の概略図である。
【図6】 本発明の比較例2のグロー放電のための装置
の概略図である。
【図7】 本発明における絶縁体と基体の配置関係の一
例を示す上面図である。
【図8】 従来のグロー放電のための装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
1…グロー放電装置、2…真空容器、3…台座兼用電
極、5…絶縁性支持台、6…電極、7…電源、8…基
体、9…ガス導入管、10…ガス導入口、17…絶縁体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス状物質のグロー放電により基体上に
    薄膜を堆積または食刻させるグロー放電方法において、 前記基体上の薄膜を堆積または食刻させる前記基体表面
    上に非一様に延在する弱電界領域および前記基体からよ
    り離れた強電界領域を与えるグロー放電用の電界を確立
    する工程と、該非一様な弱電界領域が一様になるように
    該基体外端と強電界領域間の距離を調整することによっ
    て、前記グロー放電が前記弱電界領域内で安定し、かつ
    前記基体上に前記弱電界領域の一様な堆積あるいは食刻
    が生じる工程とを有することを特徴とするグロー放電方
    法。
  2. 【請求項2】 絶縁体を少なくとも前記基体外端と強電
    界領域間に配置することを特徴とする請求項1記載のグ
    ロー放電方法。
  3. 【請求項3】 グロー放電が電気的にフローティングな
    状態で確立されることを特徴とする請求項1または請求
    項2記載のグロー放電方法。
  4. 【請求項4】 基体が二つの電極のうち第一電極の上に
    配置され、グロー放電を確立するために前記二つの電極
    間に電界が設けられ、ガス状物質のグロー放電により基
    体上に薄膜を堆積あるいは食刻させるグロー放電装置に
    おいて、 前記電界が第一電極上の前記基体表面上に一様に延在す
    る弱電界領域および第一電極上の前記基体からより離れ
    た強電界領域とを有するように構成され、前記グロー放
    電電界が安定し、かつ前記基体上に前記弱電界領域から
    の一様な堆積あるいは食刻を生じさせるために、互いに
    関連して形成され、かつ配置されるように前記二つの電
    極を設けたことを特徴とするグロー放電装置。
  5. 【請求項5】 絶縁体を少なくとも前記基体外端と強電
    界領域間に設けたことを特徴とする請求項4記載のグロ
    ー放電装置。
  6. 【請求項6】 グロー放電のための前記二つの電極が電
    気的にフローティングな状態で配置されることを特徴と
    する請求項4または請求項5記載のグロー放電装置。
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