JP2749630B2 - プラズマ表面処理法 - Google Patents

プラズマ表面処理法

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JP2749630B2 JP1104002A JP10400289A JP2749630B2 JP 2749630 B2 JP2749630 B2 JP 2749630B2 JP 1104002 A JP1104002 A JP 1104002A JP 10400289 A JP10400289 A JP 10400289A JP 2749630 B2 JP2749630 B2 JP 2749630B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 本発明は、大気圧近傍の圧力下のグロー放電により、
プラズマ酸化、プラズマ窒化、有機材料の表面改質、表
面クリーニングなどの表面処理を行う方法に関する。
(b)従来の技術 各種の薄膜素子やバルク材料を作製するプロセスにお
いて、プラズマ表面処理は極めて重要な加工技術であ
る。
プラズマ表面処理の代表的なプロセスは、プラズマ酸
化、プラズマ窒化、プラズマ表面改質、表面クリーニン
グである。
プラズマ酸化、プラズマ窒化は、半導体や金属の表面
をO2系プラズマあるいはN2系プラズマによって酸化ある
いは窒化するプロセスである。これらにより低温で半導
体素子のパッシベーション膜の成形や、金属の硬化処理
を行うことができる。
プラズマ表面改質は、例えば高分子材料の表面をプラ
ズマに晒すことによって親水性や接着性を変化させるプ
ロセスである。
表面クリーニングはプラズマ中のラジカルの化学反応
性とイオンの運動エネルギーを利用して材料表面の薄い
自然酸化膜や吸着不純物を除去するプロセスである。
これらのプラズマ表面処理法は、低温のドライプロセ
スによって材料の表面物性だけを変えることができると
いう極めて有用なプロセスである。
しかしこれにはいまだ克服すべき難点がある。
現在のプラズマ表面処理法の最大の欠点のひとつは、
放電空間を発生させるために系を真空にしなければなら
ないということである。
現在のプラズマ表面処理法は低圧(10-5〜数10Torr:
主として10-2〜1Torr)のグロー放電プラズマを利用し
ている。
このような低圧を必要とするのは次の理由による。こ
れ以上の高圧力下では放電が局所的なアーク放電に移行
してしまう。このため、大面積、均一なエッチングが不
可能になる、あるいは試料基板の一部に大電流が流れて
異常加熱される、などの弊害をもたらすからである。
低圧下で行わなければならないので、従来のプラズマ
表面処理装置は高価な真空チャンバを必要とし、真空排
気装置が設置されていなければならなかった。
ゆえに従来のプラズマ表面処理装置は設備が著しく高
価になる。これは作製素子のコストを押し上げる結果に
なる。
(c)大気圧下のプラズマCVD法 真空設備は高価であるので大気圧近傍で安定なグロー
放電を起こさせ、プラズマ表面処理を行うことができれ
ば設備費を大幅に低減させることが出来るはずである。
表面処理ではないが、最近になって大気圧下でプラズ
マCVDを可能とするような発明がなされた。
特開昭63-50478号(S63.3.3公開)である。
これは炭素Cの薄膜を作るものである。例えばCH4、C
F4を原料ガスとするが、これに90%以上のHeガスを加え
る。これが特徴である。
Heガスが大量にあるので、大気圧近傍であってもグロ
ー放電を維持できる、というのである。
大気圧下であるので真空チャンバ、真空排気装置が不
要である。薄膜形成のコストを著しく削減することがで
きる。優れた発明であると思う。
Heガスを使ったら、グロー放電が大気圧下でも起こり
安定に持続する、ということがこの方法の重要なポイン
トである。
何故Heか?ということについて、発明者は次のように
説明している。
(a)Heは放電により励起されやすい。
(b)Heの多くの準安定状態を有し、励起状態の活性粒
子を多く作ることができる。
(c)He中の活性粒子が、炭化水素やハロゲン化水素を
解離する。
(d)He中ではイオンが拡散し易い。このため放電が拡
がり易い。
このようにHeに固有の性質を発見し利用したものであ
る。
明細書の記述によると、Heと原料ガスの比率が92:8に
なると、グロー放電の拡がりが狭くなり、90:10になる
とコロナ放電になり、89.5:10.5になると火花放電にな
るとある。
第2図は特開昭63-50478号に示された装置を示す。
縦長の反応容器11の中に上方から円筒12が垂下されて
いる。
円筒12の下方に電極14がある。RF発振器16から、円筒
12を貫く金属棒を介して電極14にRF電圧が与えられる。
容器の下方には、支持基板(導体)17、絶縁体18、試
料基板19が設けられる。また環状の外部電極20がある。
HeとCH4の混合ガス(HeとCH4とCF4の場合もある)
は、円筒12上端のガス入口21から送給される。このガス
は円筒の中を流下し、電極14の側方を通り過ぎて、試料
基板19に当たり、一部が反応し薄膜となり、残りは側方
のガス出口22から排出される。
電極14と支持基板(試料極)17の間にグロー放電が生
ずる。
またこの明細書によると、この発明は、 「窒化けい素膜、アモルファスシリコン、炭化けい素膜
などその他の薄膜の形成にも同様に適用することができ
る。」 という応用を述べている。
本出願人はこれを参考にさらに研究を進め、プラズマ
CVD法による薄膜形成法の発明をした。特願昭63-19964
7、63-119648、63-119649、63-225355、63-227121、63-
233130、63-230555などである。
(d)発明が開発しようとする課題 特開昭63-50478号の発明はクレームによると、 「約200Torrから2気圧の範囲内の圧力下で、約90%以
上の希ガスと膜成分を含む気体との混合ガスをグロー放
電によりプラズマ状となし、基板上に薄膜として形成す
る事を特徴とする薄膜形成法。」 ということである。
CVDは基板の上に、物質を堆積させることであり、表
面処理は物質の表面を酸化、窒化、改質、クリーニング
などする作用である。両者は判然と異なる。しかしプラ
ズマCVDもプラズマ表面処理もプラズマを発生させ安定
に維持して所望の作用をさせるものである。
そこでこの発明を参考にして、表面処理ガスを希ガス
で90%以上に希釈して、大気圧でグロー放電を起こさせ
れば、プラズマ表面処理が可能になるのではないかと類
推される。
本発明者はこの開示により、O2ガスをHeガスが90%と
なるように希釈し、Si基板のプラズマ酸化を試みた。圧
力は大気圧である。電極は平行平板電極である。
この条件で、13.56MHzの高周波を電極間に印加すると
アーク放電が起こり、グロー放電は起こらなかった。
そこでHeの希釈率を95%に上昇させた。すると電極間
に安定なグロー放電を生じさせる事ができた。
しかし次の難点があった。
大気圧下であるため、ガス置換が有効に行われずO2
スがプラズマ外周部付近で集中的に分解、イオン化し
た。このため外周部分の酸化速度が異常に速くなった。
反面、基板中央部の酸化速度は遅く、外周部の1/10以下
であった。このような空間的な酸化の不均一性が著しか
った。
O2ガスの代わりに、N2+H2ガスを用いてプラズマ窒化
を試みたところ、He希釈率90%でもグロー放電が得られ
た。しかし窒化速度はやはりプラズマ外周部で大きく、
中央部で小さかった。空間的に均一な窒化ができなかっ
た。
また本発明者はO2をHeで98%希釈したガスを用いてポ
リエチレン表面の親水化も試みた。しかし同様に空間的
に均一な処理ができなかった。
従って、特開昭63-50478号の大気圧下プラズマCVDを
単に表面処理に応用するだけでは,大面積の試料を均一
に制御性良く表面処理する事は不可能であるということ
が分かる。
(e)目的 大気圧近傍の圧力下で、大面積試料を均一にプラズマ
表面処理する方法を提供することが本発明の目的であ
る。
(f)課題を解決するための手段 本発明の方法を述べる。
大気圧下で安定なグロー放電を形成するために表面処
理用の原料ガスを大量の希ガスにより希釈する。
また、表面処理用の原料ガスと希ガスとからなる混合
ガスを、全ガス流量Qを放電空間の体積Sで割った値Q/
Sが10-1〜102sec-1になるように、対向電極間の放電空
間に供給する。つまり放電空間にあるガスが、10-2〜10
secで置換されるようにするのである。これは内外での
表面処理の不均一を無くするためである。
さらに安定なグロー放電を形成し、大面積にわたって
均一な表面処理を行うためには、互いに対向した二つの
電極の対向面の少なくとも一方に設置した試料基板とそ
れが対向する電極との間の距離、または試料基板とそれ
に対向する別の試料基板との間の距離gは、10mm以下、
0.1mm以上であるのが望ましい。
以上のように本発明のプラズマ表面処理法には次の2
の特徴がある。
(1)原料ガスを大量の希ガスで希釈する。
(2)放電空間(体積S)に供給されるガス流量Qは 10-1sec-1≦Q/S≦102sec-1 という条件を満足しなければならない。
さらに望ましくは、 (3)試料基板とそれが対向する電極間の距離、または
試料基板とそれが対向する別の試料基板との距離gは 0.1mm≦g≦10mm とするのが良い。
以下、第1図により本発明法を説明する。
第1図は本発明を実施するプラズマ表面処理装置の一
例であるが、本発明は第1図によりなんら制約を受ける
ものではない。
処理室1の中には、互いに対向する電極2、3が設け
られる。一方の電極3は接地されている。これを接地電
極3と呼ぶ。他方は非接地電極2といって区別する。
電極3の上に試料基板4を置く。
ここで電極2は、放電空間へのガス供給口を兼ねてお
り、電極2の試料基板4との対向面は多孔板になってい
る。
ここで電極2を多孔板としガス供給口とするのは、プ
ラズマ中央部でのガス置換を有効に行い大きな面積で均
一な表面処理を行うためである。
試料基板4と電極2との距離gは10mm〜0.1mmとする
のが望ましい。
非接地電極2には高周波電源6を接続する。これは例
えば13.56MHzのRF発振器と増幅器とを用いることができ
る。
原料ガスを大量の希ガスで希釈した混合ガスはガス導
入口5から導入され、電極2を介して放電空間に供給さ
れる。表面処理作用を行った後ガス排出口8から処理室
1の外部に排出される。
ガス流量Qは、放電空間の体積Sに対して、Q/Sが、1
0-1sec-1〜102sec-1になるようにする。
ここで放電空間の体積Qは、電極の面積Aに電極と試
料基板の距離gを乗じたものである。
基板4には電極9により適宜バイアス電圧を印加す
る。
第1図の構成は一例に過ぎない。ガスの流れは縦方向
に限らない。横方向でも良い。
第4図は本発明の他の例を示す構成図である。これ
は、処理室1の側方にガス導入口5、ガス排出口8を設
けている。ガスは電極2、3の間を面に平行に流れる。
さらに電極2、3には絶縁体10が取り付けてある。
接地電極2の方にヒータ7があり、この上に絶縁体10
を介して試料基板4が載置してある。絶縁体10は対向電
極の両方に入れても、片方でも良い。絶縁体を入れると
アーク放電への移行を有効に防ぐ、グロー放電を安定化
させることができる。
特に、電極、試料基板の距離gが大きいとか、希ガス
の濃度が低いときはアーク放電に移行し易い。このよう
な時に絶縁体10を入れることは有効である。
ガスを横方向に流すときでも、Q/Sは10-1sec-1〜102s
ec-1という条件を課さなければならない。
さらに電極が処理室の内部になければならないという
こともない。第5図はそのような例を示す。この例にお
いて処理室が絶縁体で出来ており、電極2、電極3が処
理室の外側にある。試料基板4は電極2に対応する処理
室の内部の位置に載置してある。
これは処理室を小さくすることができるという利点があ
る。
(g)作用 ガス導入口5より原料ガスと希ガス(例えばHeガス)
の混合ガスを導入し電極3に高周波電圧をかける。圧力
は大気圧またはその近傍の圧力である。電極間にグロー
放電が生ずる。希ガスの割合が大きいので、大気圧下で
あってもグロー放電が発生し、安定に維持される。
混合ガスはグロー放電によって励起されて、プラズマ
となる。
試料基板4は、必要に応じて、ヒータ7によって予め
加熱されている。
ここで、試料基板4と電極2の間の距離gは10mm以下
とするのが望ましい。これはグロー放電の起こる範囲を
拡げ、放電の局所化を防ぎ、かつ放電の強さを均一にす
るためである。
未反応のガスや反応生成物などは、希ガスとともに、
ガス排出口8から排除される。
ガスが電極2の多数の穴をを介して、放電空間に供給
される。Q/Sが10-1〜102sec-1であるので、原料ガスは
電極の中央に到達できる。放電が広く均一に生じ、試料
基板が広くても均一な表面処理が可能となる。
もしもガス流量Qが不足すると、ガスの置換が有効に
行われず、原料ガスがグロー放電領域に供給されるや否
や分解してしまう。この結果、放電領域の外周部で酸化
速度、窒化速度などが異常に速くなる。それゆえ空間的
に均一な表面処理が不可能となる。
そこで、ガス流量Qは、放電空間の体積Sを少なくと
も10秒で置き換えるような量としなければならない。
反対にガス流量Qが多すぎると、ガスが無駄に消費さ
れる。それだけでなく、表面処理速度がかえって低下す
る。
このようなわけで、Q/Sを10-1〜102sec-1とするので
ある。
次に原料ガスと希ガスの比率について述べる。
原料ガスを希ガスによって希釈しているので放電維持
電圧が低い。希ガスが100%であれば大気圧下でグロー
放電を維持できる。本発明では希ガスが多く、原料ガス
の比率が小さいので大気圧下でもグロー放電が可能とな
る。
希ガスの作用により、アーク放電に移行するのを防ぐ
ことができる。
さらにもうひとつ利点がある。同じ圧力であっても、
希ガス・プラズマ中では寿命の長い準安定励起種密度が
高い。このためプラズマが拡がりやすい。
もしも、原料ガス/希ガスの比率δがある値を越える
と、グロー放電が維持できない。アーク放電に移行して
しまう。アーク放電に移行するδの値は、本発明者の実
験によれば,原料ガスの分解しやすさより異なってい
る。
アーク放電への移行を抑制し、安定なグロー放電を得
るためには、δ≦10-1である事が必要である。ただし、
N2O、O2などの分解し易いガスの場合はδ≦10-2である
ことが好ましい。
反対に、原料ガス/希ガスの比率δが10-4より小さく
なると表面処理速度が低下するので望ましくない。
試料基板4と接地電極2の間隙gについてのべる。放
電空間において、プラズマを一様に拡げ、放電の局所化
を防ぎ、表面処理速度を均一にするには、間隙gを狭く
したほうが良い。
gが狭いほど、グロー放電が電極面内で安定で均一に
起こる。特に試料基板4が導電性の時にはその効果が大
きい。
gの値は、10mm以下であるのが望ましい。
gが10mm以上でも、電極の少なくとも一方に絶縁材料
を設置するか、試料が絶縁性基板である場合には均一な
グロー放電が得られるが、大きいRFパワー、ガス流量が
要求される。
しかし、近付けすぎると、電極2と試料基板4の距離
の均一な設置が難しくなる。僅かな傾きや凹凸が問題に
なるからである。
実用的には、gの値は0.1mm以上とするのが良い。
圧力Pは大気圧P0またはその近傍であっても良い。
真空に引かなくて良いというのが、本発明の最大の利
点である。
圧力Pを、大気圧P0より僅かに高くすると、外部から
処理室1への不純物ガスの混入を防ぐ事ができる。
高周波電源の周波数は、100kHz〜100MHzであって良
い。表面処理しようとする膜や、電極間の間隙により周
波数、パワーの最適値を決める事ができる。
ただし、放電の安定性という事からいれば、1kHz以下
では、グロー放電が不安定になる。それ故、1kHz以下に
してはならない。
また、高周波電源のパワーは、10-2W/cm2〜102W/cm2
とする。102W/cm2より大きくなると、電極2がイオンに
よってスパッタされる。このため、不純物が試料基板に
混入する。
10-2W/cm2よりパワーが低いと、実質的な表面処理速
度が得られない。
また、場合によっては,基板に正または負のバイアス
電圧を印加して基板への入射イオン衝撃をすることによ
って、基板への入射イオン衝撃を制御し、表面処理速度
の向上や形成膜(酸化膜、窒化膜など)の高品質化を図
る事も可能である。
以上ここでは表面処理基板が1枚の場合を示したが、
お互いに対向したふたつの電極の両方に、表面処理すべ
き試料基板を配置することも、同様に可能である。そう
すれば処理速度が2倍に増える。
また試料基板と電極の間に絶縁体を介在させることも
有効である。絶縁体はアーク放電に移行するのを抑制す
る上で有効である。特に、電極と試料基板の間隙gが広
い時、希ガス濃度が低い時はアーク放電に移行し易い
が、この場合絶縁体を用いるのが良い。
さらにガスの流れは、試料基板に対して直角とは限ら
ない。第4図、第5図のように試料基板に対して平行流
であっても良い。
原料ガスを希釈するガスは、He、Ar、Ne、Kr、Xeのい
ずれの希ガスでも良い。
(h)実施例 (1)Q/S依存性 ガス流量を変化させ、第1図の装置を用いてプラズマ
表面処理を行った。プロセスは、 N2+H2ガスによるSiのプラズマ窒化、 O2ガスによるポリエチレン表面の親水化、 H2ガスを用いたSi基板の表面クリーニング、 である。希ガスはいずれもHeを用いた。表面処理条件を
第1表に示す。
放電空間体積Sを供給ガス流量Qで割った値Q/Sは10
-2、10-1、1、10、102、103sec-1で変化させた。
この時のSi3N4膜厚と、表面のC1S/O1S比の試料内
における分布の測定結果を第2表に示す。ここでC1S
いうのはESCA(Electron Spectroscopy of Chemical An
alysis)により炭素原子の1s軌道の電子密度を測定した
ものである。O1Sも同様である。1s電子は各原子に2つ
ずつ有るので、この比は原子密度の比に等しい。この比
が小さければ酸化処理されているということである。
この表から分かるようにQ/Sが10-2sec-1の時はガス置
換が有効に行われないため、放電外周部が集中的に窒化
されたり、表面改質が進行するという問題が生ずる。
一方Q/Sが103sec-1の場合は、流速が速すぎるので、
窒化処理の場合は、窒化速度が大幅に低下している。表
面改質し親水性を増強しようとする場合は、十分な親水
性が得られないという事が分かった。
のH2ガスを用いたSi基板の表面クリーニングについ
ては、クリーニング処理に引き続いて、SiH4+N1Oガス
をHeで98%に希釈したガスを用いて大気圧下のプラズマ
CVD法によってSiO2膜を堆積させ、そのSiO2/Siの界面特
性を評価した。
この場合Q/Sが10-1〜102sec-1の条件ではクリーニン
グ処理をしない場合に比べて、界面準位密度が1/3〜1/1
0に低減した。
Q/Sが10-2sec-1の場合には放電外周部では若干特性が
改善されたが、試料中央部では殆ど効果がみられなかっ
た。
またQ/Sが103sec-1の時は、試料全体にわたって特性
の改善は見られなかった。
上の結果から適度な処理速度を得るためにはQ/Sを10
-1〜102sec-1とすることが必要である事がわかる。
(2)電極・基板間距離gと放電状態 大きな面積で均一な表面処理を行うためには、安定で
均一なプラズマが必要であり、そのためには電極と基板
との距離gが重要である。そこで第3表に示す条件でg
を15mm、10mm、5mmで変化させ、放電状態を調べた。結
果を第3図に示す。
第3表 表面処理(プラズマ酸化)条件 原料ガス :O2 原料ガス/He :O2/He=10-3 Q/S :10sec-1 圧力 :大気圧 RF周波数 :13.56MHz RFパワー :100W 基板バイアス :+50V 電極面積 :10×10cm2 試料基板 :Si 第3図に示すようにg=15mmの場合には、RFパワー10
0Wではグロー放電が起きなかった。
そこでさらにRFパワーを増加させると局所的な放電か
らアーク放電に移行してしまった。
これに対し、g≦10mmの場合には全体に均一なプラズ
マが得られており、gを小さくする事により、放電の局
所化を防止し、プラズマの均一化を図れる事が分かる。
従って、試料基板上で均一な表面処理を行うために
は、g≦10mmが必要である。gの下限は設置上の理由か
ら実用的には0.1mm以上が良い。
但し、上部電極に石英などの絶縁材料を設置するか、
試料が絶縁性基板の場合はg=15mmでもグロー放電が得
られたが、150〜200WのRFパワーが必要であった。
(3)表面処理ガス/希ガス比と放電状態 表面処理を行う場合に用いる表面処理ガスと、希ガス
の比率を変化させてグロー放電の状態を調べた。
電極面積、電極間距離などは、実施例(1)第1表と
同じ条件で、Q/Sは10sec-1とした。結果を第4表に示
す。
この表から分かるように、安定なグロー放電が得られ
る希ガス希釈率の範囲は、表面処理ガスの種類によって
若干異なる。また、用いる希ガスの種類によっても差異
が見られる。
しかし、He、Ne希釈の場合は比率を約10-2以下、Ar希
釈の場合は比率を約10-3以下にすれば、安定なグロー放
電が得られ、均一性、制御性に優れたエッチングを行う
事ができる。
(i)発明の効果 本発明によれば、大気圧近傍の圧力で、グロー放電に
より、プラズマ酸化、プラズマ窒化、プラズマ表面改
質、表面クリーニングなどの表面処理を行うことができ
る。
大気圧近傍であるので、真空チャンバや真空排気装置
を必要としない。従って、各種デバイスの作製工程の設
備費を大幅に低減する事ができる。また、大気圧近傍な
のでリーク等による不純物の影響を低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のプラズマ表面処理法に用いられる装置
の概略断面図の一例。 第2図は特開昭63-50478号で開示された薄膜形成装置の
断面図。 第3図は本発明の方法において、試料基板と電極との距
離の違いによる放電の違いを示す図。 第4図は本発明のプラズマ表面処理法に用いられる他の
装置例構成図。 第5図は本発明のプラズマ表面処理法に用いられる他の
装置例構成図。 1……表面処理室 2……非接地電極 3……接地電極 4……試料基板 5……ガス導入口 6……RF電源 7……ヒータ 8……ガス排出口 9……バイアス電源 10……絶縁板
フロントページの続き (72)発明者 木本 恒暢 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 富川 唯司 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 藤田 順彦 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 中釜 詳治 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−50478(JP,A) 応用物理 Vol.55 No:3 (1986)P.219−220

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに対向したふたつの電極の対向面の少
    なくとも一方に試料基板を設置、あるいは試料基板が電
    極を兼ねる構成とし、希ガスもしくは希ガスと表面処理
    ガスの混合ガスを、ガス流量Qを放電空間の体積Sで割
    った値Q/Sが10-1〜102sec-1になるように、試料基板上
    の放電空間に供給し、200Torr〜2気圧の大気圧近傍の
    圧力下で、対向電極に与えた高周波電圧により試料基板
    とその試料基板に対向する電極との間、もしくは試料基
    板とその試料基板に対向する別の試料基板との間にグロ
    ー放電を起こさせプラズマ酸化、プラズマ窒化、プラズ
    マ表面改質、表面クリーニングの何れかの試料基板の表
    面処理を行う事を特徴とするプラズマ表面処理法。
  2. 【請求項2】前記電極の対向面上の少なくとも一方に絶
    縁材料を設置する事を特徴とする請求項1に記載のプラ
    ズマ表面処理法。
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