JPH0776781A - プラズマ気相成長装置 - Google Patents

プラズマ気相成長装置

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Publication number
JPH0776781A
JPH0776781A JP5225992A JP22599293A JPH0776781A JP H0776781 A JPH0776781 A JP H0776781A JP 5225992 A JP5225992 A JP 5225992A JP 22599293 A JP22599293 A JP 22599293A JP H0776781 A JPH0776781 A JP H0776781A
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JP
Japan
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reaction
electrode
substrate
frequency
frequency power
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JP5225992A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Tanabe
浩 田辺
Yuichiro Yamada
雄一郎 山田
Tomohiro Okumura
智洋 奥村
Riyuuzou Houchin
隆三 宝珍
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電極間での、反応ガスの封じ込め性と電界強
度分布の均一性とを向上するプラズマ気相成長装置を提
供する。 【構成】 反応容器1と、ヒータ内蔵接地電極3と、反
応ガス吹出し高周波電極9と、高周波電源8とを有する
プラズマ気相成長装置において、絶縁セパレータ4によ
って高周波電極9と接地された反応容器1及び内部装置
の金属部との間の空間を遮断してプラズマイオン伝導に
よる電流漏れを防止することと、絶縁セパレータ4と前
記空間とによる絶縁間隔を拡げて浮遊静電容量を小さく
することによって、前記両電極間の間隙を狭くしてもヒ
ータ内蔵接地電極3上の電界強度分布の歪みを小さく保
つことを可能にし、ヒータ内蔵接地電極3と高周波電極
9との間隔を15mm以下にして両電極間での反応ガス
の封じ込めを良くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体、液晶パネルあ
るいは電子部品の薄膜製造工程におけるプラズマ気相成
長法(プラズマCVD法)を使用した薄膜形成装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、プラズマCVD法が、半導体、液
晶パネルあるいは電子部品の薄膜形成に使用されている
が、特に、薄膜電子部品においては、液晶パネル用大型
基板への成膜、更に、スループット等の生産性向上の要
求に応えるために、一定枚数の基板を纏めて薄膜形成す
るトレー方式基板一括デポジション型のプラズマCVD
装置の実用化が進んでいる。
【0003】従来例のプラズマCVD装置を図4に基づ
いて説明する。
【0004】図4において、真空保持可能な反応容器1
内のトレイ(設置電極)10に保持された被加工基板2
と反応ガス吹出し高周波電極9との空間距離を20mm
以上の比較的大きな間隙に保ち、反応容器1内を減圧し
た後、反応ガス吹出し高周波電極9から原料の混合反応
ガスを導入し、排気口15にある圧力調整手段7と圧力
計11とによって所望の真空度に調圧し、被加工基板2
を発熱体(シーズヒータ)3aによって一定時間所望の
温度に保持する。次に、高周波電源8より反応ガス吹出
し高周波電極9に高周波電圧を印加し、反応ガス吹出し
高周波電極9と被加工基板2を保持するトレイ(設置電
極)10との間の空間の混合反応ガスを高周波電力で励
起して低温プラズマを発生させ、被加工基板2上に低温
プラズマによる反応生成物を堆積させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来例
の構成では、反応ガス吹出し高周波電極9と反応容器1
との間では、反応ガス吹出し高周波電極9が反応容器1
を貫通した状態で絶縁リング16で隔離されているだけ
であり、又、反応容器1と同電位のリング状排気管6が
反応ガス吹出し高周波電極9の近くにあるので、反応ガ
ス吹出し高周波電極9から、反応容器1内に存在する低
温プラズマのイオンを介して、直接に前記反応容器1と
リング状排気管6への漏洩電流が発生し反応ガス吹出し
高周波電極9上の電位分布がこの漏洩電流による電圧低
下で電極の端部に近づくほど低下して電極全体で不均一
になり、又、反応ガス吹出し高周波電極9と反応容器1
の金属部間の浮遊静電容量が大きくなり、この大きな浮
遊静電容量によって、反応ガス吹出し高周波電極9と接
地された反応容器1の金属部間に流れる漏洩電流が大き
くなり反応ガス吹出し高周波電極9の電位分布がこの漏
洩電流による電圧低下で電極の端部に近づくほど低下し
て電極全体で不均一になり、これらが重なって、反応ガ
ス吹出し高周波電極9とトレイ10との間の特に縁の部
分の電界分布に比較的大きな不均一性が生じ、これによ
ってプラズマに乱れが発生し、反応生成物の堆積が不均
一になるという問題点がある。
【0006】そのため、従来例では、反応ガス吹出し高
周波電極9上の電位分布の不均一さが、電気伝導性があ
るプラズマを介してトレイ10上の電界分布を乱す作用
を和らげるために、反応ガス吹出し高周波電極9とトレ
イ10との間隙、即ち、放電距離を比較的大きくしてい
る。そして、電極間隔が広いために、反応ガス吹出し高
周波電極9とトレイ10との間での反応ガスの封じ込め
が悪く、発生したプラズマが両電極間の放電空間からそ
の周囲に拡がり、反応生成物が、反応容器1の内壁やシ
ーズヒータ3a及びトレー10の表面に形成される。膜
形成を繰り返し続けて行うと、このようにして周囲に拡
がって堆積した反応生成物は、反応容器1内の温度変
化、搬送手段の振動などによって、剥離、脱落する。こ
の剥離、脱落したものが、薄膜形成中の被加工基板2の
表面に取り込まれると薄膜の膜厚分布の不均一と膜質の
劣化を招き、良好な製品を安定して生産することが困難
になり、一定枚数、一定バッチ毎に、反応容器1内、及
び、反応ガス吹出し高周波電極9の表面、トレー10の
表面、搬送手段13等に堆積した反応生成物を気相反応
によって除去しなければならないという問題点がある。
【0007】又、通常、2種類以上の原料ガスを混合し
減圧下でグロー放電を発生させるが、この放電では、プ
ラズマの発生は最も電離し易いガスに支配され、この最
も電離し易いガスを電離して放電を維持するのに最適な
エネルギ準位でプラズマの電子温度がバランスし、その
ガスより電離し難いガスを混合しても、プラズマ中の電
子温度は殆ど変化しない。例えば、SiH4 及びH2
混合ガスから非晶質シリコン膜を堆積する場合、解離エ
ネルギが低いSiH4 のみが優先的に解離されてSiが
リッチな膜になり、H2 の解離は十分に起こらないので
水素量が少なく状態が不適当な膜が形成されるという問
題点がある。更に、プラズマ中で最も電離し易いガスか
らの反応生成物が過多になり、これがダスト(微粒子)
となり、このダストが反応ガス吹出し高周波電極9の表
面に堆積し、薄膜形成工程中に、剥離、脱落し、被加工
基板2の表面に取り込まれると、膜の密度が低下して膜
質劣化を引き起こす。このために、超LSIの高集積化
に必要な微細化プロセス、及び、液晶ディスプレイ用大
型基板用の大面積化プロセスに対応することが困難にな
り、歩留り低下やメンテナンス性の低下を引き起こすと
いう問題点がある。
【0008】本発明は、上記の問題点を解決し、電極間
での、反応ガスの封じ込め性と電界強度分布の均一性と
が向上するプラズマ気相成長装置を提供することを課題
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願第1発明のプラズマ
気相成長装置は、上記の課題を解決するために、真空度
を保持し反応ガスを高周波電力でプラズマ化して得られ
る反応生成物を被加工基板上に堆積させるプラズマ気相
反応容器と、前記反応容器内で前記被加工基板を保持し
保持した被加工基板を加熱する発熱体を内蔵したヒータ
内蔵接地電極及びこのヒータ内蔵接地電極に対向する位
置に設置された反応ガス吹出し高周波電極と、前記高周
波電極に高周波電力を供給する高周波電源とを有するプ
ラズマ気相成長装置において、絶縁セパレータによって
前記高周波電極と接地された前記反応容器及び内部装置
の金属部との間の空間を遮断して前記反応ガス吹出し高
周波電極から前記の接地された金属部への伝導による電
流漏れを防止して前記両電極間の電界強度分布の歪みを
小さくすると共に前記絶縁セパレータと前記空間とで形
成される絶縁間隔を拡げて両者間の浮遊静電容量を小さ
くして前記浮遊静電容量による前記反応ガス吹出し高周
波電極から前記の接地された金属部への電流漏れを防止
して前記両電極間の電界強度分布の歪みを小さくするこ
とによって、前記両電極間の間隙を狭くしても前記ヒー
タ内蔵接地電極上の電界強度分布の歪みを小さく保つこ
とを可能にし、前記ヒータ内蔵接地電極と前記高周波電
極との間隔を15mm以下にして両電極間での反応ガス
の封じ込めを良くすることを特徴とする。
【0010】又、本願第1発明のプラズマ気相成長装置
は、上記の課題を解決するために、反応ガス吹出し高周
波電極から2種以上の反応ガスを混合した混合反応ガス
を被加工基板に向かって吹き出させ、高周波電源から前
記高周波電極に供給する高周波電力の電圧値を、前記混
合反応ガスを構成する各反応ガスの個々の解離に適した
電圧値に周期的に変化させることが好適である。
【0011】又、本願第1発明のプラズマ気相成長装置
は、上記の課題を解決するために、反応ガス吹出し高周
波電極から2種以上の反応ガスを混合した混合反応ガス
を被加工基板に向かって吹き出させ、高周波電源から前
記高周波電極に供給する高周波電力を、一定周期でオン
・オフすることが好適である。
【0012】本願第2発明のプラズマ気相成長装置は、
上記の課題を解決するために、真空度を保持し反応ガス
を高周波電力でプラズマ化して得られる反応生成物を被
加工基板上に堆積させるプラズマ気相反応容器と、前記
反応容器内で前記被加工基板を保持し保持した被加工基
板を加熱する発熱体を内蔵したヒータ内蔵接地電極及び
このヒータ内蔵接地電極に対向する位置に設置された反
応ガス吹出し高周波電極と、前記高周波電極に高周波電
力を供給する高周波電源とを有するプラズマ気相成長装
置において、前記ヒータ内蔵接地電極の被加工基板保持
面を、前記被加工基板に接触する部分を除いて絶縁物で
被覆することを特徴とする。
【0013】
【作用】通常、反応ガス吹出し高周波電極に高周波電圧
を印加して、反応ガス吹出し高周波電極とヒータ内蔵接
地電極との間に高周波電界を形成する場合、反応ガス吹
出し高周波電極と接地された反応容器の金属部間に流れ
る電流漏れによる電圧低下によって反応ガス吹出し高周
波電極の電位分布が影響を受け、特に、電極の端部にお
いて大きく低下し、そのために、両電極間の電界分布が
不均一になり、反応生成物の堆積が不均一になる。この
両電極間の電界分布の不均一性を小さくして反応生成物
の堆積を均一化するために、従来は、反応ガス吹出し高
周波電極とヒータ内蔵接地電極との間隔を大きくして、
反応ガス吹出し高周波電極上の電位分布の不均一さが、
電気伝導性があるプラズマを介してヒータ内蔵接地電極
上の電界分布を乱す作用を和らげていたので、両電極間
の間隔が広くガスの封じ込めが悪くて種々の問題点を生
じていた。
【0014】本願第1発明のプラズマ気相成長装置は、
前記の電流漏れ発生の原因が、プラズマイオンによる直
接の漏洩電流と浮遊静電容量による漏洩電流であると
し、その対策として、絶縁セパレータによって高周波電
極と接地された反応容器及び内部装置の金属部との間の
空間を遮断して反応ガス吹出し高周波電極から接地され
た金属部への伝導による電流漏れを防止し漏洩電流によ
る前記反応ガス吹出し高周波電極の電圧低下を減少して
両電極間の電界強度分布の歪みを小さくすると共に前記
絶縁セパレータと前記空間とで形成される絶縁間隔を拡
げて両者間の浮遊静電容量を小さくして前記浮遊静電容
量による前記反応ガス吹出し高周波電極から前記の接地
された金属部への電流漏れを防止し漏洩電流による前記
反応ガス吹出し高周波電極の電圧低下を減少して前記反
応ガス吹出し高周波電極上の電界強度分布の歪みを小さ
くすることによって、前記両電極間の間隙を狭くして
も、前記ヒータ内蔵接地電極上の電界分布のばらつきは
小さくなり、反応生成物の被加工基板上への堆積が均一
になる。従って、本願第1発明では、面積が広い被加工
基板でもプラズマ発生が均一化し、反応生成物の被加工
基板上への堆積が均一になる。尚、浮遊静電容量は、小
さくするだけではなく、偏りをなくすることも、高周波
電極の電位分布の均一化に効果がある。
【0015】又、本願第1発明のプラズマ気相成長装置
は、反応ガス吹出し高周波電極から2種以上の反応ガス
を混合した混合反応ガスを被加工基板に向かって吹き出
させ、高周波電源から前記高周波電極に供給する高周波
電力の電圧値を、前記混合反応ガスを構成する各反応ガ
スの個々の解離に適した電圧値に周期的に変化させる。
【0016】一般に、前記のように、2種以上の原料ガ
スを混合し減圧下でグロー放電を発生させるが、この放
電では、プラズマの発生は最も電離し易いガスに支配さ
れ、この最も電離し易いガスを電離して放電を維持する
のに最適なエネルギ準位でプラズマの電子温度がバラン
スし、そのガスより電離し難いガスを混合しても、プラ
ズマ中の電子温度は殆ど変化せず、電離し難いガスの電
離が進まない。例えば、SiH4 及びH2 の混合ガスか
ら非晶質シリコン膜を堆積する場合、解離エネルギが低
いSiH4 のみが優先的に解離されてSiがリッチな膜
になり、H2 の解離は十分に起こらないので水素量が少
なく状態が不適当な膜が形成されるという問題点があ
る。更に、プラズマ中で最も電離し易いガスからの反応
生成物が過多になり、これがダスト(微粒子)となり、
このダストが反応ガス吹出し高周波電極9の表面に堆積
し、薄膜形成工程中に、剥離、脱落し、被加工基板2の
表面に取り込まれると、膜の密度が低下して膜質劣化を
引き起こす。このために、超LSIの高集積化に必要な
微細化プロセス、及び、液晶ディスプレイ用大型基板用
の大面積化プロセスに対応することが困難になり、歩留
り低下やメンテナンス性の低下を引き起こすという問題
点がある。
【0017】これらの問題点は、高周波電力の電圧値
を、混合反応ガスを構成する各反応ガスに適した電圧値
に、図2に示すように、周期的に変化させると、各電圧
値でそれに適した反応ガスが解離してプラズマ化するの
で、一定電圧ではプラズマ中で最も電離し易い反応ガス
のプラズマが過多になることによる問題点をある程度緩
和できる。
【0018】更に、これらの問題点は、図3に示すよう
に、高周波電源から高周波電極に供給する高周波電力
を、一定周期でオン・オフすることによって、この電圧
が0になるオフ期間に電界が消滅し、電位を持ったダス
トが自由になって、ガス排気によって電極間の放電空間
外に移送される。これによって、ダストによって発生す
る前記の問題点を解決し、且つ、ダストがなくなるの
で、供給された原料ガスが適切に解離し、堆積速度が向
上し、安定して良好な膜質を得ることができる。
【0019】そして、これらのことは、前記の絶縁セパ
レータによって前記高周波電極と接地された前記反応容
器及び内部装置の金属部との間の空間を遮断して前記反
応ガス吹出し高周波電極から前記の接地された金属部へ
の伝導による電流漏れを防止し漏洩電流による前記反応
ガス吹出し高周波電極の電圧低下を減少して前記両電極
間の電界強度分布の歪みを小さくすると共に前記絶縁セ
パレータと前記空間とで形成される絶縁間隔を拡げて両
者間の浮遊静電容量を小さくして前記浮遊静電容量によ
る前記反応ガス吹出し高周波電極から前記の接地された
金属部への電流漏れを防止し漏洩電流による前記反応ガ
ス吹出し高周波電極の電圧低下を減少して前記両電極間
の電界強度分布の歪みを小さくすること、及び、ヒータ
内蔵接地電極と高周波電極との間隔を狭くして両電極間
での反応ガスの封じ込めを良くすることを併用すると、
相乗効果によって堆積速度向上の効果が更に大きくな
る。
【0020】本願第2発明のプラズマ気相成長装置は、
ヒータ内蔵接地電極の被加工基板保持面を、被加工基板
に接触する部分を除いて絶縁物で被覆している。従来の
ように、ヒータ内蔵接地電極の被加工基板保持面の全面
が金属面の場合には、被加工基板保持面と被加工基板面
との僅かな段差によって、プラズマイオンの電流に乱れ
が発生し、基板面積が大きくなる程、基板中央部と基板
周辺間で発生するプラズマが不均一になるという問題点
があったが、上記のように、ヒータ内蔵接地電極の被加
工基板保持面を、被加工基板に接触する部分を除いて絶
縁物で被覆すると、被加工基板保持面と被加工基板面と
の段差にるプラズマイオンの電流の乱れが無くなり、特
に、基板周辺部でのプラズマ電流の乱れがなくなって、
面積が大きな基板に均一に反応生成物を堆積させること
ができる。
【0021】
【実施例】本発明の一実施例を図1に基づいて説明す
る。
【0022】図1において、プラズマ気相反応容器1の
底部に、パネルヒータを内蔵したヒータ内蔵接地電極3
が設置され、最大450mm×360mmのガラス基板
2を被加工基板として保持し、この被加工基板保持面
を、前記被加工基板に接触する部分を除いて絶縁物20
で被覆している。そして、このヒータ内蔵接地電極3に
対向する位置に、高周波電源8より高周波電力が供給さ
れる反応ガス吹出し高周波電極9が設けられ、この反応
ガス吹出し高周波電極9は、絶縁セパレータ4によっ
て、前記高周波電極9と接地された前記反応容器1及び
内部装置の金属部との間の空間を遮断して前記反応ガス
吹出し高周波電極9から前記の接地された金属部へのプ
ラズマイオン伝導による電流漏れを防止して電流漏れに
よる前記反応ガス吹出し高周波電極9の電圧降下を小さ
くし前記両電極間の電界強度分布の歪みを小さくすると
共に前記絶縁セパレータ4と前記空間とで形成される絶
縁間隔を拡げて両者間の浮遊静電容量を小さくして前記
浮遊静電容量による前記反応ガス吹出し高周波電極9か
ら前記の接地された金属部への電流漏れを防止して電流
漏れによる前記反応ガス吹出し高周波電極9の電圧降下
を小さくし前記反応ガス吹出し高周波電極9上の電界強
度分布の歪みを小さくすることによって、前記両電極間
の間隙を狭くして、前記反応ガス吹出し高周波電極9上
の電界強度分布の歪みが直接に前記ヒータ内蔵設置電極
3上に作用しても、前記ヒータ内蔵接地電極3上の電界
強度分布の歪みを小さく保つことを可能にしている。
又、この反応ガス吹出し高周波電極9の前面には、反応
ガス吹出しプレート5が取り付けられ、前記ヒータ内蔵
接地電極3の周囲にはリング状排気管6が設けられ、こ
のリング状排気管6には、前記反応ガス吹出しプレート
5に向かう多数の排気孔が配設されている。又、リング
状排気管6には圧力計11と圧力調整手段7とが接続さ
れている。そして、ヒータ内蔵接地電極3と反応ガス吹
出し高周波電極9との間隙は10mm以下の狭間隙にな
っている。
【0023】次に、本実施例の動作を図1〜図3に基づ
いて説明する。
【0024】プラズマ気相反応容器1内を排気口13か
ら排気し、圧力計11と圧力調整手段7とによって、1
-5Torr台に調整し、ガス供給口12を介して反応
ガス吹出し高周波電極9より反応ガスを導入する。製作
膜がSiN膜の場合には、SiH4 を100〜300s
ccm(標準状態でのcm3 /分)、NH3 を200〜
400sccm、H2 を0〜400sccm、N2 を1
000〜5000sccm、非晶質シリコン膜の場合に
は、SiH4 を50〜400sccm、希釈H2 を0〜
400sccm導入し、リング状排気管6より反応ガス
を排気しながら圧力計11と圧力調整手段7とによっ
て、1.0〜4.5Torrに調整する。
【0025】次いで、高周波電源8より反応ガス吹出し
高周波電極9に高周波電力を供給する。この場合、Si
N膜の場合には0.5〜1.2W/cm2 の範囲、非晶
質シリコン膜の場合には0.5〜1.2W/cm2 の範
囲で、図2に示すように、周期的に各原料ガスを解離さ
せるのに最適な個々の高周波電力実効値になるように切
替える。
【0026】更に、図3に示すように、一定の周期で、
高周波電力の供給をオン、オフさせて、パルス波形の高
周波電力で放電を行って、反応ガスを励起させ被加工基
板2上に所望の反応生成物を堆積させる。
【0027】この場合、上記のように、絶縁セパレータ
4によって、前記高周波電極9と接地された前記反応容
器1及び内部装置の金属部との間の空間を遮断して前記
反応ガス吹出し高周波電極9から前記の接地された金属
部へのプラズマイオン伝導による電流漏れを防止して電
流漏れによる電圧降下を小さくし前記両電極間の電界強
度分布の歪みを小さくすると共に前記絶縁セパレータ4
と前記空間とで形成される絶縁間隔を拡げて両者間の浮
遊静電容量を小さくして前記浮遊静電容量による前記反
応ガス吹出し高周波電極9から前記の接地された金属部
への電流漏れを防止して電流漏れによる電圧降下を小さ
くし前記両電極間の電界強度分布の歪みを小さくするこ
とによって、前記両電極間の間隙を狭くしても前記ヒー
タ内蔵接地電極3上の電界強度分布の歪みを小さく保つ
ことを可能にしているので、反応ガス吹出し高周波電極
9とヒータ内蔵接地電極3との間隔を10mm以下にし
た場合でも、前記の理由で電界の乱れがなく、均一な成
膜が可能になるだけではなく、反応ガス吹出し高周波電
極9とヒータ内蔵接地電極3との間のガスの封じ込みが
良くなり、放電空間以外での反応生成物の堆積が無くな
る。
【0028】又、高周波電力の供給を、図2に示すよう
に、各原料ガスを解離させるのに最適な個々の高周波電
力実効値に周期的に切替えて行うと、最も解離し易いガ
スの解離が過多になりダストが発生するという現象が減
少し、更に、図3に示すように、一定の周期で高周波電
力の供給をオン、オフさせたパルス放電で高周波電力の
供給を行うと、オフの際に、電界が無くなり、電位を有
するダストが自由になって排気ガスと共に排気されるの
で、プラズマCVD特有の反応ガス吹出しプレート5の
表面に付着する粉状固形物の発生を防止できる。
【0029】上記によって、膜形成時、被加工基板2上
への不純物混入を飛躍的に低減でき、原料ガスが被加工
基板2上への膜形成に有効に寄与するので、膜堆積速度
も大幅に向上し、良好な膜質を安定して確保することが
できる。
【0030】パルス電圧の組合せの1周期は、100〜
1000msの範囲が適しており、膜の堆積速度は、S
iN膜は、前記1周期の中での放電時間が60%以上
で、4000Å/min以上であり、非晶質シリコン膜
は、前記1周期の中での放電時間が50%以上で、10
00Å/min以上であった。作製された膜質は、光学
バンドギャップ(略称Egopt)はSiN膜で5.7
〜6.0eV、非晶質シリコン膜で1.6〜1.7e
V、緩衝フッ酸エッチングレートは、SiN膜で500
Å/min以下、非晶質シリコン膜で100Å/min
以下である。更に、非晶質シリコン膜中の欠陥密度は1
15〜1016/cm3 であった。
【0031】尚、SiN膜については、原料ガス流量が
供給律速となる条件で作製できるので、非晶質シリコン
膜ほどはプロセス中のダストが膜中に影響を及ぼさな
い。従って、電極間距離を10mm以下の狭間隔にし、
高周波電力実効値を0.7W/cm2 以上の一定値に設
定し、パルス放電による場合よりも原料ガス流量を減少
させた場合に、4000Å/minの堆積速度が得られ
た。
【0032】又、SiN膜、非晶質シリコン膜ともに、
電極間距離が10mm以下の場合と、11〜15mmの
範囲の場合とを比較すると、11〜15mmの範囲の場
合は、10mm以下の場合に比較して、堆積速度が若干
低下するが、夫々の製膜条件を同一の条件にして、いず
れも良好な膜特性が得られるので、従来例に比較して同
様な効果が得られる。
【0033】又、ヒータ内蔵接地電極3の被加工基板保
持面を、被加工基板2に接触する部分を除いて絶縁物2
0で被覆した場合には、被加工基板2以外の被加工基板
保持面の金属部分が絶縁物20で被覆されているので、
被加工基板2の周縁部でのプラズマイオン電流の乱れが
無く、面積が広い被加工基板2でも、均一な膜を堆積で
きた。
【0034】
【発明の効果】本願第1発明のプラズマ気相成長装置
は、絶縁セパレータによって前記高周波電極と接地され
た前記反応容器及び内部装置の金属部との間の空間を遮
断して前記反応ガス吹出し高周波電極から前記の接地さ
れた金属部への伝導による電流漏れを防止することと、
前記絶縁セパレータと前記空間とで形成される絶縁間隔
を拡げて両者間の浮遊静電容量を小さくし浮遊静電容量
による電流漏れを防止することとによって、電流漏れに
よる前記反応ガス吹出し高周波電極の端部での電圧低下
を無くし、高周波電極と接地電極間の距離を15mm以
下の狭間隔にすることを可能にし、両電極間での反応ガ
スの封じ込めを良くして、放電空間以外での反応生成物
の堆積を無くし、且つ、広い面積の被加工基板に均一に
製膜することができ、液晶ディスプレイ用大型基板用の
大面積化プロセスに対応することができるという効果を
奏する。
【0035】又、本願第1発明のプラズマ気相成長装置
は、供給する高周波電力の電圧を、混合反応ガスを構成
する各反応ガスの個々に適した電圧値に周期的に変化さ
せることによって、各反応ガスを夫々に適した電力で解
離することができ、膜堆積速度が向上する。又、高周波
電源から前記高周波電極に供給する高周波電力を、一定
周期でオン・オフすることによって、オフ期間に電界が
無くなり電位を有するダストが自由に排気ガスと共に排
出されるので、膜質が向上し、原料ガスの解離が効率的
に行われ、膜堆積速度が更に向上するという効果を奏す
る。
【0036】本願第2発明のプラズマ気相成長装置は、
接地電極の被加工基板保持面を、被加工基板に接触する
部分を除いて絶縁物で被覆するので、被加工基板の周縁
部の段差で、プラズマイオン電流が乱れることがなくな
り、超LSIの高集積化に必要な微細化プロセス、及
び、液晶ディスプレイ用大型基板用の大面積化プロセス
に対応することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の高周波電力波形の一例を示す図であ
る。
【図3】本発明の高周波電力波形の他の例を示す図であ
る。
【図4】従来例の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 プラズマ気相反応容器 2 被加工基板 3 ヒータ内蔵接地電極 4 絶縁セパレータ 5 反応ガス吹出しプレート 8 高周波電源 9 反応ガス吹出し高周波電極 20 絶縁物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宝珍 隆三 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空度を保持し反応ガスを高周波電力で
    プラズマ化して得られる反応生成物を被加工基板上に堆
    積させるプラズマ気相反応容器と、前記反応容器内で前
    記被加工基板を保持し保持した被加工基板を加熱する発
    熱体を内蔵したヒータ内蔵接地電極及びこのヒータ内蔵
    接地電極に対向する位置に設置された反応ガス吹出し高
    周波電極と、前記高周波電極に高周波電力を供給する高
    周波電源とを有するプラズマ気相成長装置において、絶
    縁セパレータによって前記高周波電極と接地された前記
    反応容器及び内部装置の金属部との間の空間を遮断する
    と共に、前記絶縁セパレータと前記空間とで形成される
    絶縁間隔を浮遊静電容量による電流漏れを防止できる程
    度の大きさに拡げ、かつ前記ヒータ内蔵接地電極と前記
    高周波電極との間隔を15mm以下にしたことを特徴と
    するプラズマ気相成長装置。
  2. 【請求項2】 反応ガス吹出し高周波電極から2種以上
    の反応ガスを混合した混合反応ガスを被加工基板に向か
    って吹き出させ、高周波電源から前記高周波電極に供給
    する高周波電力の電圧値を、前記混合反応ガスを構成す
    る各反応ガスの個々の解離に適した電圧値に周期的に変
    化させる請求項1に記載のプラズマ気相成長装置。
  3. 【請求項3】 反応ガス吹出し高周波電極から2種以上
    の反応ガスを混合した混合反応ガスを被加工基板に向か
    って吹き出させ、高周波電源から前記高周波電極に供給
    する高周波電力を、一定周期でオン・オフする請求項1
    又は2に記載のプラズマ気相成長装置。
  4. 【請求項4】 真空度を保持し反応ガスを高周波電力で
    プラズマ化して得られる反応生成物を被加工基板上に堆
    積させるプラズマ気相反応容器と、前記反応容器内で前
    記被加工基板を保持し保持した被加工基板を加熱する発
    熱体を内蔵したヒータ内蔵接地電極及びこのヒータ内蔵
    接地電極に対向する位置に設置された反応ガス吹出し高
    周波電極と、前記高周波電極に高周波電力を供給する高
    周波電源とを有するプラズマ気相成長装置において、前
    記ヒータ内蔵接地電極の被加工基板保持面を、前記被加
    工基板に接触する部分を除いて絶縁物で被覆することを
    特徴とするプラズマ気相成長装置。
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