JP2652445B2 - かご型誘導電動機の始動装置 - Google Patents

かご型誘導電動機の始動装置

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JP2652445B2 JP9908089A JP9908089A JP2652445B2 JP 2652445 B2 JP2652445 B2 JP 2652445B2 JP 9908089 A JP9908089 A JP 9908089A JP 9908089 A JP9908089 A JP 9908089A JP 2652445 B2 JP2652445 B2 JP 2652445B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はかご型誘導電動機の始動装置に係り、詳しく
は、サイリスタを用いてかご型誘導電動機の一次電圧を
制御する始動制御装置であって、始動電圧指令パターン
を任意に選定することができ、それによって始動電圧を
変化させて始動ピーク電流を抑制でき、かつ、電動機始
動中の発電機用エンジンやそれから動力を受ける発電機
の短時間過負荷耐量の超過を回避することができるよう
にしたかご型誘導電動機の始動装置に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
大型の誘導電動機の場合に直入れ始動法をとると、定
格電流の6〜8倍の大きい始動ピーク電流が流れる。そ
のため、始動補償器法や星形三角始動法などにより始動
時の印加電圧を低下させた後、電動機の回転速度が上昇
してから全電圧を加えて正規の運転状態にし、始動ピー
ク電流を抑制するようにしているのが一般的である。一
方、自家発電用のディーゼル発電機から幾つかのかご型
誘導電動機に給電するシステムなどにおいて、大きい始
動ピーク電流の発生で発電機に電圧降下が生じると、す
でに稼働状態にある電動機の回転数が一次的に低下する
などして不都合の生じることがある。
このような現象を解消するために、本出願人は特願昭
63−83658号において、始動電圧指令パターンを函数発
生器で発生させ、そのトリガ信号で始動電圧印加パター
ンとなる一次電圧をサイリスタによってかご型誘導電動
機に印加させることができるようにした始動装置を提案
した。これによれば、かご型誘導電動機の始動時の電圧
降下を許容範囲内に抑えるために、連続運転の合計負荷
容量よりもかなり大きい容量のディーゼル発電機を選定
する必要がなく、定格運転時に要求されるよりは少し大
きい程度の容量を有する発電設備を設置しておくだけで
済む。もちろん、受電変圧器から給電している場合も同
様であり、設備の小型化や低廉化を図ることができ、ま
た、電源に新たな電動機を追加する場合でも、始動電流
に基因する給電容量を変更しなくてよくなる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記した始動装置においては、電動機の一次電圧制御
に広く採用されているサイリスタを用いており、しか
も、ここでは詳しく述べないが、始動電圧の初期値を設
定する始動初期電圧設定器やその初期値からの始動電圧
の上昇率を設定する電圧上昇率設定器などを設けてい
る。そして、それぞれの設定値に応じた指令信号の合成
で、かご型誘導電動機に加える一次電圧を所望の始動電
圧印加パターンとするための始動電圧指令パターンを発
生させる函数発生器を備えている。これによれば、サイ
リスタによる一次電圧の制御を、電動機の負荷に見合う
ように設定できる。
ところで、電源がディーゼル発電機などエンジンを使
用した発電機の場合、エンジンの短時間過負荷耐量は、
例えば定格の100〜130%,15秒とされ、発電機の短時間
過負荷耐量は例えば定格の150%,15秒とされている。こ
れらの値は用途やメーカによって異なっている場合が多
い。
一方、上述した函数発生器を備えサイリスタで一次電
圧を制御する始動装置では、電圧の上昇勾配を自由に設
定することができるが、始動を早く完了させる意図で急
な上昇勾配を選定すると、エンジンまたは発電機のいず
れか一方もしくは両方とも、短時間過負荷耐量を越えて
しまい、エンジンの回転速度の低下や発電機の過熱など
が発生してトラブルの原因となる問題がある。それを避
けるため、エンジン容量や発電機容量を大きくすること
になれば、上記始動装置の価値が薄れ不経済なものとな
ってしまう。
本発明は上述の問題に鑑みなされたもので、その目的
は、かご型誘導電動機の始動に際して、始動ピーク電流
の発生を抑制することにより、発電機を備える場合には
その容量を、受電変圧器から給電される場合にはその変
圧器容量をそれぞれ小さくできること、始動ピーク電流
が流れる場合の電源における電圧降下を抑制し、負荷に
ショックを与えないようにすることができること、ま
た、電動機の負荷により要求される始動トルクに応じた
始動電圧の調整を容易にできること、さらには、機種ご
とに異なるエンジンや発電機の短時間過負荷耐量内でか
ご型誘導電動機の始動を可能にして、発電機の過熱やエ
ンジンの回転速度低下を招かないようにすること、を実
現するかご型誘導電動機の始動装置を提供することにあ
る。特に、エンジンや発電機の短時間過負荷耐量を考慮
して、かご型誘導電動機の始動時の負荷電流あるいは電
力値に見合った始動電圧印加パターンを得る始動電圧指
令パターンをその都度容易に変更でき、電源設備を保護
することができるようにすることをその主たる目的とし
ている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、サイリスタを用いてかご型誘導電動機の一
次電圧を制御するようにした誘導電動機の始動装置に適
用される。その特徴とするところは、第1図を参照し
て、始動電圧の初期値を設定する始動初期電圧設定器
9、その初期値からの始動電圧の上昇率を設定する電圧
上昇率設定器11、かご型誘導電動機1の負荷電流制限値
を設定する負荷電流制限値設定器12、始動初期電圧設定
器9および電圧上昇率設定器11による設定値に応じた指
令信号の合成で、かご型誘導電動機1に加える一次電圧
を所望の始動電圧印加パターンとするための始動電圧指
令パターンを発生させる函数発生器14、かご型誘導電動
機1の負荷電流が、負荷電流制限値設定器12で設定され
た負荷電流制限値を越えているかを判定し、越えている
ときには函数発生器14で発生されている始動電圧指令パ
ターンの電圧上昇指令信号を、かご型誘導電動機1の負
荷電流が負荷電流制限値以下となるまで保持させる制限
信号を函数発生器14へ出力する制限信号発生器13、その
函数発生器14における始動電圧指令パターンに基づくト
リガ信号で、始動電圧印加パターンとなる一次電圧を、
サイリスタ15によってかご型誘導電動機1に印加させる
ゲート制御回路16とを備える構成としたことである。
また、始動初期電圧設定器9と電圧上昇率設定器11と
負荷電流制限値設定器12と制限信号発生器13およびゲー
ト制御回路16に加えて、始動初期電圧が継続する時間を
設定する初期電圧継続時間設定器10と、始動初期電圧設
定器9、初期電圧継続時間設定器10および電圧上昇率設
定器11による設定値に応じた指令信号の合成で、かご型
誘導電動機1に加える一次電圧を所望の始動電圧印加パ
ターンとするための始動電圧指令パターンを発生させる
函数発生器14と、を備える構成としたことである。
一方、上記のかご型誘導電動機1の負荷電流に代え
て、電動機の電力値をもとに電圧上昇指令信号を一時的
に保持する装置の特徴とするところは、第2図を参照し
て、始動電圧の初期値を設定する始動初期電圧設定器
9、上記の初期値からの始動電圧の上昇率を設定する電
圧上昇率設定器11、かご型誘導電動機1の電力制限値を
設定する電力制限値設定器19、始動初期電圧設定器9お
よび電圧上昇率設定器11による設定値に応じた指令信号
の合成で、かご型誘導電動機1に加える一次電圧を所望
の始動電圧印加パターンとするための始動電圧指令パタ
ーンを発生させる函数発生器14、かご型誘導電動機1の
電力値を演算する電力値演算器20、その電力値演算器20
から入力される電力値が、電力制限値設定器19で設定さ
れた電力制限値を越えているかを判定し、越えていると
きには函数発生器14で発生されている始動電圧指令パタ
ーンの電圧上昇指令信号を、かご型誘導電動機1の電力
値が電力制限値以下となるまで保持させる制限信号を函
数発生器14へ出力する制限信号発生器21、函数発生器14
における始動電圧指令パターンに基づくトリガ信号で、
始動電圧印加パターンとなる一次電圧を、サイリスタ15
によってかご型誘導電動機1に印加させるゲート制御回
路16とを備える構成としたことである。
また、始動初期電圧設定器9と電圧上昇率設定器11と
電力制限値設定器19と電力値演算器20と制限信号発生器
21およびゲート制御回路16に加えて、始動初期電圧が継
続する時間を設定する初期電圧継続時間設定器10と、始
動初期電圧設定器9、初期電圧継続時間設定器10および
電圧上昇率設定器11による設定値に応じた指令信号の合
成で、かご型誘導電動機1に加える一次電圧を所望の始
動電圧印加パターンとするための始動電圧指令パターン
を発生させる函数発生器14と、を備える構成としたこと
である。
〔作用〕
始動初期電圧設定器9および電圧上昇率設定器11で設
定操作すると、その設定値をもとにして函数発生器14で
は、各指令信号を合成した始動電圧指令パターンを発生
する。この始動電圧指令パターンにしたがってゲート制
御回路16からサイリスタ15のゲートにトリガ信号が出力
され、サイリスタ15はその信号によって所望の始動電圧
印加パターンの一次電圧を電動機1に印加する。その一
次電圧は直入れ始動法の場合より小さい始動初期電圧か
ら指定された上昇率で変化するので、始動ピーク電流は
大きくならずしかも負荷を起動するに必要な電流を発生
することができる。慣性が大きく始動トルクを要して起
動に時間がかかる場合には、始動初期電圧設定器9もし
くは電圧上昇率設定器11の設定値を変え、より一層長い
時間もしくは短い時間をかけて昇圧させることもでき
る。
その始動電圧指令パターンに基づく始動電圧印加パタ
ーンで始動しているとき、かご型誘導電動機1の負荷電
流が検出されるようになっており、負荷電流制限値設定
器12で設定された負荷電流制限値を越えた時点で、制限
信号発生器13から函数発生器14へ制限信号が出力され
る。始動電圧の上昇が停止され、例えば、電源用発電機
器の短時間過負荷耐量を越えることのないように制御さ
れる。負荷電流が設定値より低下すると制限信号は出力
されず、もとの電圧上昇率でもって昇圧する一次電圧が
電動機1に印加される。
初期電圧継続時間設定器10を設けておけば、函数発生
器14における始動電圧指令は始動初期電圧をある時間維
持したパターンとなり、始動電圧印加パターンを負荷の
慣性の大小に応じて変形することがより一層容易とな
る。
上記の負荷電流に代えてかご型誘導電動機1の電力値
が電力制限値設定器19で設定された値を越えた場合に
は、上記の場合と同様にして制限信号発生器21から函数
発生器14へ制限信号が入力され、始動電圧の上昇を抑制
した始動電圧指令パターンとされる。その結果、電源用
発電機器の短時間過負荷耐量を越えないようにサイリス
タ15から印加される一次電圧で、かご型誘導電動機1が
始動される。
このような始動方式をとる場合も、初期電圧継続時間
設定器10を設けておれば、函数発生器14で発生させる始
動電圧指令パターンを用途に応じて変形させることがよ
り容易となる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、負荷の起動に差し支えない範囲で始
動電圧が初期電圧から徐々に上昇され、かご型誘導電動
機における大きい始動ピーク電流の発生は抑制されてソ
フトな始動が可能となる。したがって、発電用エンジン
の容量や発電機もしくは受電変圧器の容量が小さいもの
で済み、そのような場合に負荷の起動時のショックを与
えることもない。その際、発電機やエンジンの短時間過
負荷耐量を越えないように設定された負荷電流制限値や
電力制限値までの範囲で始動電圧の上昇が抑制され、発
電機の過熱やエンジンの回転数低下などが回避される。
函数発生器で発生される始動電圧指令パターンの合成の
ために初期電圧継続時間設定器も採用されていれば、始
動電圧指令パターンの初期調整の自由度も大きくなり、
電動機に取り付けられている各種の負荷に応じた始動を
幅広く選択することができる。さらに、始動装置が静止
型になり、保守や点検の手間を著しく省くことができ、
小型化・軽量化の図られた装置となる。初期電圧継続時
間設定器を備えない場合には、構成が少なくより一層安
価な装置とすることができる。
〔実 施 例〕
以下に本発明のかご型誘導電動機の始動装置を詳細に
説明する。
第3図はかご型誘導電動機1に給電してそれを駆動す
る標準回路図で、通常、電源R,S,Tのそれぞれに遮断器
2、電磁接触器3、サーマルリレー4があり、それに制
御用のコントロールユニット5が接続されている。そし
て、始動および停止を指令するスイッチ6、表示灯7や
信号灯8が設けられる。上記コントロールユニット5に
は、例えばボリューム式小型抵抗器9,10,11,12が計4つ
付設されており、それぞれ始動初期電圧設定器、初期電
圧継続時間設定器、電圧上昇率設定器および負荷電流制
限値設定器として機能する。さらに、始動中のかご型誘
導電動機1の負荷電流が、ボリューム式小型抵抗器12で
設定された負荷電流制限値を越えているかを判定し、越
えているときには、次に述べるコントロールユニット5
へ制限信号を出力する制限信号発生器13が設けられてい
る。
第1図は模式的な系統図と共に記した始動装置の全体
構成ブロック図である。図中の5は、上記の各設定器9,
10,11における設定指令を受け、さらには、かご型誘導
電動機1の負荷電流が負荷電流制限値設定器12で設定さ
れた負荷電流制限値以下となるまで制限信号発生器13か
らの制限信号を受けて、サイリスタ15にトリガパルスを
出力するコントロールユニットである。そのコントロー
ルユニット5は函数発生器14と公知のゲート制御回路16
とを備えている。
上記の始動初期電圧設定器9は、始動電圧の初期値を
抵抗値設定により規定するもので、第5図(a)に示す
ように、始動初期電圧を0〜100%の範囲でいずれか一
つ任意に設定でき、100%とすれば直入れ始動をさせる
場合と同じになる。つまみを回して抵抗値を設定するこ
とにより、例えばv1,v2,v3・・のいずれかの指令信号電
圧が決められると、それに対応した函数発生器14におけ
る函数発生用入力信号とされる。
初期電圧継続時間設定器10は、始動初期電圧が継続す
る時間を規定するもので、始動初期電圧設定器9によっ
て設定された始動初期電圧を維持する時間を、例えば0
〜10秒間の範囲で、第5図(b)に示したt1,t2,t3・・
のように、任意に選定することができる。なお、この初
期電圧継続時間設定器10として公知の電子タイマーを採
用してもよい。
電圧上昇率設定器11は、上記初期値からの始動電圧の
上昇率β12・・〔第5図(c)参照〕を規定す
るもので、始動初期電圧設定器9と初期電圧継続時間設
定器10とで決まった点P〔第5図(f)参照〕から矢印
Aのようにほぼ直線的に立ち上がる電圧上昇を実現する
ようになっており、例えば90〜30度の範囲で選定するこ
とができる。
負荷電流制限値設定器12は、かご型誘導電動機1の容
量によって異なるが、始動時の負荷電流値すなわち始動
負荷電流値を定格電流より大きくそれに近い値に規定す
るもので、始動電流を定格電流の例えば100〜150%の範
囲で設定できるようになっている。これは、第5図
(d)に示したi1,i2,i3・・のように、任意に選定する
ことができる。
前記の函数発生器14は、始動初期電圧設定器9、初期
電圧継続時間設定器10および電圧上昇率設定器11による
設定値に応じた第5図(a)〜(c)の指令信号の組み
合せで合成された第5図(f)の実線で一例を示すよう
な、かご型誘導電動機1に加える一次電圧を所望の始動
電圧印加パターンとする始動電圧指令パターンを発生さ
せるものである。なお、第5図(g)および(h)のよ
うに点Pから定格電圧に到達するまでを、折れ線もしく
は曲線となるようにその部分を変形させるようにしてお
いてもよい。
制限信号発生器13は、かご型誘導電動機1の始動中に
印加される一次電圧により増加する負荷電流が、負荷電
流制限値設定器12で設定された負荷電流制限値例えば13
0%を越えているかを判定し、越えているときには函数
発生器14で発生されている始動電圧指令パターンの電圧
上昇指令信号を、かご型誘導電動機1の負荷電流が負荷
電流制限値以下となるまで保持させる制限信号を函数発
生器14へ出力するようになっている。すなわち、制限信
号発生器13から制限信号が函数発生器14へ入力される
と、函数発生器14で発生されている始動電圧指令パター
ンは第5図(f)の矢印Bの破線部分のように電圧の上
昇を停止させる。そして、かご型誘導電動機1の負荷電
流が第6図の矢印Mの部分の定格電流の例えば130%を
越える二点鎖線で示す部分を、実線のMaで示す130%に
維持させ、過大な負荷電流がかご型誘導電動機1に流れ
ないようにする。これによって、発電機の電流は、その
短時間過負荷耐量である例えば150%内におさめられ
る。
ある時間が経過してかご型誘導電動機1が加速される
と、負荷電流はその加速と共に減少する。第6図の矢印
Nの部分のように130%以下となれば、第5図(f)の
点Qから以後の破線部分のように、函数発生器14で発生
されている始動電圧指令パターンの実線Aに平行なパタ
ーンCに戻される。
ゲート制御回路16は第1図に示す位相制御回路17、ゲ
ートトリガ用回路18からなる構成であり、函数発生器14
における始動電圧指令パターンに基づきサイリスタ15の
ゲートにトリガ信号を出力し、始動電圧印加パターンと
なる一次電圧をかご型誘導電動機1に加えるように、サ
イリスタ15を制御する。
以上述べた構成によれば、次のようにしてかご型誘導
電動機1を始動させることができる。まず、始動初期電
圧設定器9、初期電圧継続時間設定器10、電圧上昇率設
定器11および負荷電流制限値設定器12の各つまみを回し
て抵抗値を変え、取り敢えずの設定を行う。例えば第5
図(f)の実線のような始動電圧指令パターンが函数発
生器14で発生される。始動用のスイッチ2,3,6を入れる
と、かご型誘導電動機1には第7図(a)のような始動
電圧印加パターンで電圧が加えられる。このとき、第8
図(a)のような始動電流が流れ、かご型誘導電動機1
が駆動する機械装置が起動される。もし、始動トルクを
上げる必要があったり、加速時間を短くしたい場合に
は、始動初期電圧設定器9を若干上げるなどすると、始
動電圧の印加パターンは第7図(b)のようになり、始
動電流は第8図(b)のように変化する。例えば第7図
(c)のような始動電圧制御により第8図(c)のよう
な電流パターンになると、加速電流がほぼ一定になる。
ところで、第7図(a)のようにしてかご型誘導電動
機1に印加される一次電圧が上昇する際、自家用発電装
置を構成するディーゼルエンジンや発電機が、それぞれ
の短時間過負荷耐量を越える懸念のある場合は、その短
時間過負荷耐量を越えないように、負荷電流制限値設定
器12によって制限負荷電流値を設定しておく。それによ
って、始動中のかご型誘導電動機1の変流器で検出され
た負荷電流が第6図のように130%の設定値を越える
と、かご型誘導電動機1に加える一次電圧を所望の始動
電圧印加パターンとするための始動電圧指令パターンを
発生させている函数発生器14へ、制限信号発生器13から
始動電圧指令パターンの電圧上昇を停止させる制限信号
が出力される。
その制限信号によって、函数発生器14は、第5図
(f)の矢印B部分の破線のように電動機印加電圧の上
昇を抑制し、第6図の矢印Maの実線のように負荷電流が
130%に抑制される。時間が経過する間の加速につれて
負荷電流は減少するので、設定電流もしくはそれ以下と
なれば、制限信号の出力が停止され、第5図(f)の点
Qの時点で、電動機印加電圧の上昇が再開される。な
お、印加電圧上昇の間に同様にして負荷電流が設定値よ
り越える場合には、その都度上記の動作が行われる。
なお、上記した各設定器9,10,11のつまみのセット位
置を固定しておくと、以後、電動機1を始動させるとき
は、常に函数発生器14で発生された固有の始動電圧指令
パターンに基づく始動電圧印加パターンにしたがって始
動される。その状態で上述の負荷電流の抑制がなされる
が、始動に時間を要しすぎる場合などは、前述したよう
に初期設定の段階で設定器9,10,11のつまみのセット位
置を変えておけばよい。
以上の説明で判るように、始動トルクに応じた始動電
圧をある時間初期に印加し、負荷の起動に差し支えない
範囲で始動電圧を徐々に上昇させることができるので、
かご型誘導電動機における大きい始動ピーク電流の発生
は抑制され、また、その間にかご型誘導電動機1の負荷
電流が設定値を越えれば、との設定電流となるように制
御され、ソフトな始動が可能となる。したがって、負荷
に起動時のショックを与えることもないし、同一電源に
他の負荷がある場合でも、始動ピーク電流による電源の
電圧降下に基因する回転数の低下などが回避される。そ
の間に発電機の短時間過負荷耐量を越えることもなく、
発電機容量や受電変圧器容量も小さいもので済む。
上記の始動電圧制御は各設定器の設定値を変えること
により変更できるので、例えば、慣性が大きく始動トル
クを要して起動に時間がかかる場合には、上記いずれか
の設定器を操作し、それにしたがう始動電圧指令パター
ンを函数発生器で発生させるようにすれば、負荷の起動
状況を見ながら始動電圧印加パターンは任意に選択する
ことができる。電動機で駆動される負荷が変わる場合に
は、それに応じた調整を施すこともでき、最適に近い始
動を実現できる。また、静止型の始動装置として保守や
点検の手間を著しく省くことができ、小型、軽量で低廉
な装置とすることができる。
ところで、初期電圧継続時間設定器10で設定される継
続時間を零秒とすることは、負荷の種類などによっては
ありえるので、初期電圧継続時間設定器10を要しない場
合もある。そのような場合には、始動初期電圧設定器9
と電圧上昇率設定器11のみを設け、それらの設定値に基
づく合成された始動電圧指令パターンを、函数発生器14
で発生させる。これによっても、第9図の実線で示す上
記と類似の所望の始動電圧印加パターンの一次電圧を、
サイリスタ15から電動機に加えることができる。この場
合には、始動装置の構成が簡素となる利点がある。
第4図は、上記した負荷電流制限値設定器12と制限信
号発生器13〔第1図参照〕に代えて、第2図に示すよう
に、電力制限値設定器19と電力値演算器20と制限信号発
生器21とが設けられている標準回路である。
コントロールユニット5には、例えばボリューム式小
型抵抗器9,10,11,19が計四つ付設されており、それぞれ
始動初期電圧設定器、初期電圧継続時間設定器、電圧上
昇率設定器および電力制限値設定器として機能する。電
力値演算器20は、始動中のかご型誘導電動機1の負荷電
流と負荷電圧から、自動演算された力率を加味して電力
値(KW)を演算する。制限信号発生器21は、電力値演算
器20から入力される電力値が、ボリューム式小型抵抗器
である電力制限値設定器19で設定された電力制限値を越
えているかを判定し、越えていれば、コントロールユニ
ット5へ制限信号を出力するようになっている。
第2図は模式的な系統図と共に記した始動装置の全体
構成ブロック図で、上述の例とほぼ同様に機能するコン
トロールユニット5を備える。そして、電力制限値設定
器19は、かご型誘導電動機1の容量によって異なるが、
定格電力値の例えば100〜130%に設定できるようになっ
ており、第5図(e)に示したj1,j2,j3・・のように、
その範囲で任意に選定することができる。このような例
においても同様の制限信号をもとにして電圧上昇指令信
号が一時的に保持され、第10図の二点鎖線Rのような定
格の例えば120%を越える状態を、実線Raのように過大
なKWとならないように抑制しながらかご型誘導電動機1
が始動される。したがって、発電機用のエンジンは短時
間過負荷耐量内で稼働されることになり,容量の大きな
エンジンを備えておくなどの必要がなくなる。
この例においても、初期電圧継続時間設定器10で設定
される継続時間を零秒とすることは、負荷の種類などに
よってはありえるので、初期電圧継続時間設定器10を要
しない場合もあり、始動装置の構成を簡素化できる利点
がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明における負荷電流を抑制するかご型誘導
電動機の始動装置における構成ブロック図、第2図は電
力値を抑制するかご型誘導電動機の始動装置における構
成ブロック図、第3図および第4図はそれぞれの例にお
ける始動装置の標準回路図、第5図(a)〜(e)は各
設定器における設定値に対応する函数発生指令信号図、
第5図(f)〜(h)は函数発生器における始動電圧指
令パターン例、第6図は電動機の過大な負荷電流を抑制
している場合の電流変化図、第7図(a)〜(c)はか
ご型誘導電動機に加えられる始動電圧印加パターン例、
第8図(a)〜(c)は始動電圧印加パターンに対応す
る電動機の始動電流変化図、第9図は初期電圧を継続さ
せない場合の始動電圧指令パターン、第10図は電動機に
おける過大な電力を抑制している場合のKW変化図であ
る。 1……かご型誘導電動機、9……始動初期電圧設定器
(ボリューム式小型抵抗器)、10……初期電圧継続時間
設定器(ボリューム式小型抵抗器)、11……電圧上昇率
設定器(ボリューム式小型抵抗器)、12……負荷電流制
限値設定器(ボリューム式小型抵抗器)、13……制限信
号発生器、14……函数発生器、15……サイリスタ、16…
…ゲート制御回路、19……電力制限値設定器(ボリュー
ム式小型抵抗器)、20……電力値演算器、21……制限信
号発生器。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サイリスタを用いてかご型誘導電動機の一
    次電圧を制御するようにした誘導電動機の始動装置にお
    いて、 始動電圧の初期値を設定する始動初期電圧設定器と、 上記初期値からの始動電圧の上昇率を設定する電圧上昇
    率設定器と、 かご型誘導電動機の負荷電流制限値を設定する負荷電流
    制限値設定器と、 前記始動初期電圧設定器および電圧上昇率設定器による
    設定値に応じた指令信号の合成で、かご型誘導電動機に
    加える一次電圧を所望の始動電圧印加パターンとするた
    めの始動電圧指令パターンを発生させる函数発生器と、 かご型誘導電動機の負荷電流が、上記負荷電流制限値設
    定器で設定された負荷電流制限値を越えているかを判定
    し、越えているときには、上記函数発生器で発生されて
    いる始動電圧指令パターンの電圧上昇指令信号を、かご
    型誘導電動機の負荷電流が前記負荷電流制限値以下とな
    るまで保持させる制限信号を函数発生器へ出力する制限
    信号発生器と、 上記函数発生器における始動電圧指令パターンに基づく
    トリガ信号で、始動電圧印加パターンとなる一次電圧
    を、サイリスタによってかご型誘導電動機に印加させる
    ゲート制御回路と、 を備えたことを特徴とするかご型誘導電動機の始動装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の始動初期電圧設定器と電
    圧上昇率設定器と負荷電流制限値設定値と制限信号発生
    器およびゲート制御回路に加えて、 始動初期電圧が継続する時間を設定する初期電圧継続時
    間設定器と、 上記始動初期電圧設定器、初期電圧継続時間設定器およ
    び電圧上昇率設定器による設定値に応じた指令信号の合
    成で、かご型誘導電動機に加える一次電圧を所望の始動
    電圧印加パターンとするための始動電圧指令パターンを
    発生させる函数発生器と、 を備えたことを特徴とするかご型誘導電動機の始動装
    置。
  3. 【請求項3】サイリスタを用いてかご型誘導電動機の一
    次電圧を制御するようにした誘導電動機の始動装置にお
    いて、 始動電圧の初期値を設定する始動初期電圧設定器と、 上記初期値からの始動電圧の上昇率を設定する電圧上昇
    率設定器と、 かご型誘導電動機の電力制限値を設定する電力制限値設
    定器と、 前記始動初期電圧設定器および電圧上昇率設定器による
    設定値に応じた指令信号の合成で、かご型誘導電動機に
    加える一次電圧を所望の始動電圧印加パターンとするた
    めの始動電圧指令パターンを発生させる函数発生器と、 かご型誘導電動機の電力値を演算する電力値演算器と、 その電力値演算器からの電力値が、前記電力制限値設定
    器で設定された電力制限値を越えているかを判定し、越
    えているときには上記函数発生器で発生されている始動
    電圧指令パターンの電圧上昇指令信号を、かご型誘導電
    動機の電力値が前記電力制限値以下となるまで保持させ
    る制限信号を函数発生器へ出力する制限信号発生器と、 上記函数発生器における始動電圧指令パターンに基づく
    トリガ信号で、始動電圧印加パターンとなる一次電圧
    を、サイリスタによってかご型誘導電動機に印加させる
    ゲート制御回路と、 を備えたことを特徴とするかご型誘導電動機の始動装
    置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の始動初期電圧設定器と電
    圧上昇率設定器と電力制限値設定器と電力値演算器と制
    限信号発生器およびゲート制御回路に加えて、 始動初期電圧が継続する時間を設定する初期電圧継続時
    間設定器と、 上記始動初期電圧設定器、初期電圧継続時間設定器およ
    び電圧上昇率設定器による設定値に応じた指令信号の合
    成で、かご型誘導電動機に加える一次電圧を所望の始動
    電圧印加パターンとするための始動電圧指令パターンを
    発生させる函数発生器と、 を備えたことを特徴とするかご型誘導電動機の始動装
    置。
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