JP2651440B2 - 自動販売機用商品運搬ケース - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動販売機に補充されるべき商品を収納し
て運搬する為の自動販売機用商品運搬ケースの改良に関
する。

〔従来の技術〕

商品運搬ケースとしては、例えば、実開昭55−173426
号公報や実開昭59−75419号公報等に開示されているよ
うに、商品運搬ケースの中央位置に、それの全周にわた
る状態でミシン目を形成して、商品運搬ケースを搬入先
で簡単に二分割できるように構成したものが存在する。

この場合では、自動販売機の設置箇所に搬入された商
品運搬ケースをミシン目に沿って二分割することによっ
て、収納商品を運搬ケースから容易に取り出すことがで
きるものの、自動販売機の商品補充口に商品を補充する
にあたっては、運搬ケースから手で持てる数の商品を取
り出しながら補充しなければならず、その商品補充作業
に多くの手間を要する欠点があった。

そこで、従来では、例えば実開昭63−92984号公報に
記載されているように、複数個の商品を同じ向き姿勢で
収納可能で、かつ、その収納された商品を一つずつ送出
し可能な専用の商品充填容器に移し替えて、自動販売機
の商品補充口に商品を補充する技術が提案されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、前述の商品補充技術による場合は、別途商品
充填容器を準備する必要がある上、搬入された運搬ケー
ス内の商品を商品充填容器に移し替える手間を要するた
め、商品補充作業の能率向上面でまだ改善の余地があっ
た。

本発明は上記実状に鑑みて為されたものであって、商
品運搬ケースの構造を工夫することにより、積み重ね状
態で収納されている商品を能率良く自動販売機に補充す
ることのできる自動販売機用商品運搬ケースを提供する
ことを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成する為の本発明による自動販売機用商
品運搬ケースの第１の特徴構成は、複数個の商品を上下
方向に沿って積み重ね状態で収納する商品収納室を備え
た運搬ケースの側板部に、前記商品収納室内の収納商品
を積み重ね状態のまま横外方に排出可能な商品排出口を
形成するとともに、前記運搬ケース内には、前記商品収
納室内の収納商品を積み重ね状態のまま運搬ケースの内
面に沿って商品排出口の外側にまで押し出す押出部材を
設け、更に、前記運搬ケースの側板部には、前記押出部
材を商品排出口に向けて相対的に押出移動操作するため
の押出操作口を形成した点にある。

第２の特徴構成は、前記押出部材が、前記商品収納室
内の収納商品の押出方向に沿う両側面を覆う左右一対の
板部を備えたコの字状に形成されている点にある。

第３の特徴構成は、前記押出部材が、上下方向に開口
する状態で商品収納室内の収納商品の周囲を覆う筒状に
形成されている点にある。

第４の特徴構成は、前記押出部材が、商品排出口を通
して運搬ケースに脱着自在に設けられている点にある。

〔作 用〕 第１の特徴構成によれば、搬入された運搬ケースを、
それの商品排出口が自動販売機の商品補充口に臨む姿勢
で保持し、この運搬ケースの押出操作口を通して該運搬
ケース内の押出部材を商品排出口に向けて相対的に押出
移動操作すると、商品収納室内の収納商品が積み重ね状
態のまま運搬ケースの内面に沿って商品排出口の外側に
まで押し出され、ほぼ積み重ね状態のまま自重で落下供
給される。

第２の特徴構成によれば、前記押出部材によって商品
排出口の外側にまで押しだされ商品が積み重ね状態のま
ま自重で落下供給される際、押出部材の左右一対の板部
によって商品の落下を案内することができる。

第３の特徴構成によれば、前記押出部材によって商品
排出口の外側にまで押しだされ商品が積み重ね状態のま
ま自重で落下供給される際、押出部材の筒状内面によっ
て商品の落下を案内することができる。

第４の特徴構成によれば、前記押出部材を収納商品と
ともに運搬ケースの商品排出口から抜き出すことができ
るから、運搬ケースの商品排出口から抜き出された商品
の積み重ね状態を押出部材にて維持し易い。

〔発明の効果〕

請求項１記載の自動販売機用商品運搬ケースは、従来
のように、搬入された運搬ケース内の商品を別の商品充
填容器に一々移し替える必要がなく、運搬ケース内に設
けられている押出部材を相対的に押出移動操作するだけ
で、運搬ケース内の収納商品をほぼ積み重ね状態のまま
で能率良く自動販売機に補充することができる。

請求項２記載の自動販売機用商品運搬ケースは、押出
部材が押出移動操作された商品の落下供給ガイドとして
機能するので、商品を安定した姿勢で確実、スムースに
補充することができる。

請求項３記載の自動販売機用商品運搬ケースは、押出
部材が筒状の商品落下供給ガイドとして機能するので、
商品をより安定した姿勢で確実、スムースに補充するこ
とができる。

請求項４記載の自動販売機用商品運搬ケースは、運搬
ケースの商品排出口から抜き出された商品の積み重ね状
態を押出部材にて維持し易く、商品を安定した姿勢で確
実、スムースに補充することができる。

〔実施例〕

次に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は、複数個の缶ジュース等の円筒形商品（Ｂ）
をそれらの円筒軸芯が水平となる横向き姿勢で上下方向
に沿って積み重ね状態で整列収納する自動販売機用商品
運搬ケース（Ａ）を示し、複数個の商品（Ｂ）を積み重
ね状態で整列収納する商品収納室（Ｓ）を備えた運搬ケ
ースとしてのケース本体（２）の側板部（2a）に、前記
商品収納室（Ｓ）内の収納商品（Ｂ）を積み重ね状態の
まま横外方に排出可能な商品排出口（１）を形成すると
ともに、前記ケース本体（２）内には、前記商品収納室
（Ｓ）内の収納商品（Ｂ）を積み重ね状態のままケース
本体（２）の内面に沿って商品排出口（１）の外側にま
で押し出す押出部材（３）を、前記商品排出口（１）を
通して脱着自在に設けてある。

前記押出部材（３）には、前記商品収納室（Ｓ）内の
商品（Ｂ）の押出方向に沿う両側面を覆う左右一対の板
体（3a）を備えた全体としてコの字状に形成されてい
る。

前記ケース本体（２）の商品排出口（１）には開閉自
在な周知の蓋体（４）が連設されているとともに、前記
ケース本体（２）の側板部（2a）には、前記押出部材
（３）を商品排出口（１）に向けて相対的に押出移動操
作するための押出操作口（５）を形成し、押出部材
（３）の遊辺部分を形成する板体（3a）の一方にはコの
字状の切れ目（3b）を入れて舌片（3c）を形成し、この
舌片（3c）をケース内方側に押込むことで押出部材
（３）を確実に把持できるよう構成してある。

次にこの商品運搬ケース（Ａ）を用いて、第２図に示
すような、商品収納棚（６）をガイドレール（6a），
（6b）に沿ってケーシング（6c）外に引出せるように構
成して、商品（Ｂ）を左右の枠体（6d）の間に横方向か
ら差し込んで上下に積重ねる姿勢で補充する差し込み形
式の商品貯蔵部（Ｃ）を備えた自動販売機に商品（Ｂ）
を補充する方法について説明する。

先ず、第３図（イ）に示すように、ケーシング（6c）
外に引出した商品収納棚（６）の左右枠体（6d）の間に
蓋体（４）を切取った商品運搬ケース（Ａ）全体を挿入
して、エプロン台（6e）上に載置し押出部材（３）をケ
ース本体（２）の商品排出口（１）に向けて押し付け
る。

次に第３図（ロ）に示すように、ケース本体（２）を
掴んで矢印方向に引出す。このとき、コの字状の押出部
材（３）の遊辺部分（3a）は左右枠体（6d）に当て付け
られて、商品（Ｂ）を所定姿勢で落下させる商品案内ガ
イドとして機能する。

そして、第３図（ハ）に示すように、押出部材（３）
を矢印方向に引張ると、運搬ケース（Ａ）の底面近くま
で概に商品（Ｂ）が補充されていて商品（Ｂ）の落下量
が少なく、押出部材（３）の内側に商品（Ｂ）が残存し
ている場合でも、押出部材（３）が円滑に撤去されて、
商品補充作業が完了する。

尚、第３図（イ）に示したような、商品運搬ケース
（Ａ）全体を左右枠体（6d），（6d）の間に挿入する操
作を行わず、商品運搬ケース（Ａ）の商品排出口（１）
側をエプロン台（6e）に載置し、ケース本体（２）をそ
のままの位置に保持して押出部材（３）を商品（Ｂ）と
ともに枠体（6d），（6d）の間に押し込んでも良い。

この場合、ケース本体（２）を枠体（6d），（6d）の
間に押し込む必要がないので、枠体（6d），（6d）の間
隔は商品（Ｂ）とともに押出部材（３）を挿入できる間
隔であれば良く、第４図に示すように、商品（Ｂ）を極
力上下に整列する姿勢で収納することができる。

又、押出部材（３）は、左右枠体（6d），（6d）の間
から除去せず、そのまま残しておいても良い。

前記エプロン台（6e）は商品収納棚（６）の入口に固
設してあるが、上方に起立する姿勢と商品収納棚（６）
の外方に突出する水平姿勢とに亘って揺動自在枢支し
て、水平姿勢で商品運搬ケース（Ａ）を載置するように
構成すると、商品運搬ケース（Ａ）を広い面積で支持で
きるものでありながら、商品収納スペースを無駄なく活
用できる。

〔別実施例〕

第５図に示すように、ケース本体（２）に形成した商
品排出口（１）に蓋体（４）を連設せず、透明シート
（７）をシュリンクさせて商品排出口（１）を塞ぐよう
に巻き付け、運搬時の商品（Ｂ）の商品排出口（１）か
らの落下を阻止するとともに、コの字状の押出部材
（３）の左右遊辺部分（3a）に前記舌片（3c）に替えて
掴み孔（3d）を形成しても良い。第６図に示すように、
押出部材（３）を、整列姿勢にある円筒形商品（Ｂ）全
体の径方向一側部を覆うＬ字形に形成しても良く、スリ
ット孔（3e）を形成して商品（Ｂ）が外部から見えるよ
うにしても良い。

このようなＬ字形の押出部材（３）を備えた商品運搬
ケース（Ａ）を用いると、第２図に示した差込み形式の
商品貯蔵部（Ｃ）の左右枠体（6d），（6d）の間隔が円
筒形商品（Ｂ）の径に比べて比較的広い場合、商品運搬
ケース（Ａ）全体を左右枠体（6d），（6d）の間に挿入
した後、ケース本体（２）を引き出すと、第７図に示す
ように、円筒形商品（Ｂ）が下降するに従って押出部材
（３）が全体が横方向（矢印）に移動し、同時に円筒形
商品（Ｂ）も横方向に移動するので、円筒形商品（Ｂ）
を千鳥状に格納し易い。

第８図に示すように、押出部材（３）を、上下方向に
開口する状態で商品収納室（Ｓ）内の複数個の商品
（Ｂ）の周囲を覆う筒状に形成しても良く、この場合に
は、第９図に示すように、サーペンタイン式の商品貯蔵
部（Ｄ）の商品供給口（８）に、ケーシング外方に向け
て揺動自在なエプロン台（8a）を設け、このエプロン台
（8a）上に商品運搬ケース（Ａ）全体を商品排出口
（１）が横向きになる姿勢で載置し、ケース本体（２）
を筒上の押出部材（３）に対して横方向（矢印）に引出
すと、商品（Ｂ）が筒上の押出部材（３）に案内されて
商品供給口（８）に順次落下し、能率良く商品（Ｂ）を
補充できる。

第10図に示すように、ケース本体（２）に形成する押
出操作口（５）を、商品排出口（１）の周縁が一連に連
なる孔に形成しても良く、この場合、ケース本体（２）
の強度が向上するので、商品補充に際してケース本体
（２）が商品（Ｂ）の重みで変形し、商品（Ｂ）が落下
してしまうような事態を回避し易い。

いずれの実施例においても、ケース本体（２）の押出
操作口（５）を形成するにあたって、予めケース本体
（２）に押出操作口（５）を形成する為の切溝を設けて
おき、商引補充作業時にこの切溝に沿ってケース本体
（２）を部分的に切り取って押出操作口（５）を形成す
るように構成しておくと、商品運搬時の商品運搬ケース
（Ａ）の強度が向上するとともに、ケース本体（２）の
外周面に段差ができないので、商品運搬ケース（Ａ）ど
うしが互いに引掛るおそれが少なく、トラックや台車へ
の積込み積降し作業を円滑に行える。

ケース本体（２）及び押出部材（３）は、紙製やプラ
スチック製のダンボールで構成しても良く、板紙、プラ
スチック板、金属板で構成しても良い。

実施例では、押出部材（３）をコの字状、筒状、Ｌ字
状に形成したが、単に商品排出口（１）側とは逆の方向
から当付ける偏平な板体であっても良い。

実施例では、押出操作口（５）を運搬ケース（２）の
２つの側面に亘るＬ字状に形成したが、押出部材（３）
の押出方向に交差する側面にのみ形成しても良く、単に
指を挿入できるだけの大きさに形成しても良い。

図示しないが、押出部材（３）から突出させた突出体
を押出操作口（５）から外方に突出させ、この突出体を
介して押出部材（３）を操作するように構成しても良
い。

実施例では、一個の押出部材（３）で運搬ケース
（２）に収納した商品（Ｂ）の全部を押出すように構成
したが、運搬ケース（２）に収納した商品（Ｂ）を複数
のグループに分割し、各グループ毎に押出部材（３）を
設けて各別に押出せるように構成してもよい。

特開昭63−155290号公報に記載されているような、商
品収納棚を固設してある商品貯蔵部に水平方向から商品
を補充する場合にも、本発明による商品運搬ケースを用
いることが出来るのはもちろんである。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする
為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構
造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る自動販売機用商品運搬ケースの実施
例を示し、第１図は商品運搬ケースの斜視図、第２図は
商品貯蔵部の斜視図、第３図（イ），（ロ），（ハ）は
商品補充方法を示す説明図、第４図は要部側面図、第５
図、第６図、第８図、第10図は商品運搬ケースの別実施
例を示す斜視図、第７図、第９図は、別の商品補充方法
を示す説明図である。 （１）……商品排出口、（２）……運搬ケース、（３）
……押出部材、（５）……押出操作口、（Ｂ）……商
品。

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数個の商品（Ｂ）を上下方向に沿って積
   み重ね状態で収納する商品収納室（Ｓ）を備えた運搬ケ
   ース（２）の側板部に、前記商品収納室（Ｓ）内の収納
   商品（Ｂ）を積み重ね状態のまま横外方に排出可能な商
   品排出口（１）を形成するとともに、前記運搬ケース
   （２）内には、前記商品収納室（Ｓ）内の収納商品
   （Ｂ）を積み重ね状態のまま運搬ケース（２）の内面に
   沿って商品排出口（１）の外側にまで押し出す押出部材
   （３）を設け、更に、前記運搬ケース（２）の側板部に
   は、前記押出部材（３）を商品排出口（１）に向けて相
   対的に押出移動操作するための押出操作口（５）を形成
   してある自動販売機用商品運搬ケース。
2. 【請求項２】前記押出部材（３）が、前記商品収納室
   （Ｓ）内の収納商品（Ｂ）の押出方向に沿う両側面を覆
   う左右一対の板部（3a）を備えたコの字状に形成されて
   いる請求項１記載の自動販売機用商品運搬ケース。
3. 【請求項３】前記押出部材（３）が、上下方向に開口す
   る状態で商品収納室（Ｓ）内の収納商品（Ｂ）の周囲を
   覆う筒状に形成されている請求項１記載の自動販売機用
   商品運搬ケース。
4. 【請求項４】前記押出部材（３）が、商品排出口（１）
   を通して運搬ケース（２）に脱着自在に設けられている
   請求項１、２又は３記載の自動販売機用商品運搬ケー
   ス。