JPH0631582Y2 - 自動販売機の商品収納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、上端に形成された投入口より転動投入され
る円柱状の商品を収納搬送する通路を介して通路の下端
に形成された取出口より取り出される自動販売機の商品
収納装置に関する。

〔従来の技術〕

缶、瓶等の円柱状の容器に入った商品を販売する自動販
売機にあっては、通常ケース内に商品を収納する複数の
商品収納装置が収容設置されている。この商品収納装置
は多種類の商品を少しでも多く収納したいという業界の
要望に応えるため、商品を収納し搬送する通路を前後に
並列して複数設けるとともに、この通路毎に前面に開口
する投入口を上下に配列して設けられたものが多い。そ
のため最も高い位置にある投入口は床面よりの高さが
１．８ｍ前後もあるが、人が床面上に立って投入口より
商品を通路内に投入補充する関係で投入口の高さには自
ずと限界があり、これにより商品収容能力は制限され
る。また各々の通路も長さ，径あるいは外形形状の品種
の異なる商品が収納可能となっており、通路毎に異なっ
た商品が収納できるので、１台の自動販売機で多種類の
商品の販売が可能である。

この種の例えばサーペンタイン型の従来の自動販売機の
商品収納装置を第３図及び第４図に示す。第３図は従来
の商品収納装置を備えた自動販売機の扉を開いた状態の
内部構造を示す前方右斜上より見た斜視図、第４図は第
３図の商品収納装置の構成を示す右側面要部縦断面拡大
図である。第３図及び第４図において、１がケースであ
り、このケース１内には商品２を縦方向に収納案内する
上下両端にそれぞれ投入口３と取出口４とが形成され、
断面が円弧状のセグメント５と棚側板６とで前後面及び
左右両面をそれぞれ区画された通路７を前後に複数配列
して形成した商品収納装置８が収容設置されている。ケ
ース１の前面開口は扉９で覆われているとともに、投入
口３の奥行方向に下り傾斜する底面１０が形成された底
部材１１が設けられており、この底部材１１の底面１０
上に沿って転動投入される商品２を通路７内に収納し、
この収納した商品２を販売の都度図示しない搬出機構に
より取出口４に一個ずつ搬出し、この搬出された商品２
を扉９に形成した前面に開口する取出孔１２を通して取
り出すように構成されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところがこのような自動販売機の商品収納装置８は、そ
の投入口３が高い位置に設けられているので、商品収納
装置８への商品２の補充作業は、下に置いた商品２を手
で持ち上げて一個ずつ投入口３より投入しなければなら
ず、この持上げる回数も多くかつその都度身体の屈伸運
動も伴う疲労の多い作業であると同時に、投入口３の高
さを更に高くして商品収納装置８の商品収容能力を増す
ことができないという問題がある。

この考案は、商品の補充作業を疲労の少ない軽作業とす
るとともに、投入口の位置を更に高くして商品収容能力
を増すことのできる自動販売機の商品収納装置を提供す
ることを課題とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するために、この考案によれば、上端
に形成された外周面に開口する投入口と、この投入口よ
り投入される円柱状商品を収納搬送する通路と、この通
路の下端に形成された取出口とを備え、奥行方向に下り
傾斜する前記投入口の底面が形成された底部材の前記底
面上を転動投入される前記商品が前記通路内に収納され
かつ販売の都度前記取出口へ搬出される自動販売機の商
品収納装置において、前記底部材を後面が開放したコの
字形断面の箱状とするとともに奥行方向に前部と後部と
に２分割しその分割端で互に回動自在に連結して引出し
式に摺動可能にかつ引出し端で前記前部が回動可能に支
持し、前記底部材の引出し端で前記前部の回動を前記底
面が手前方向に下り傾斜姿勢位置で係止する係止部を備
えるものとする。

〔作用〕

この考案は、投入口の底部材を後面が開放したコの字形
断面の箱状とするとともに奥行方向に前部と後部とに２
分割しその分割端で互に回動自在に連結して引出し式に
摺動可能にかつ引出し端で前記前部が回動可能に支持
し、前記底部材の引出し端で前記前部の回動を前記底面
が手前方向に下り傾斜姿勢位置で係止する係止部を備え
たので、底部材を引出すとその前部はその前端が下がり
その内側底面が手前方向に下り傾斜して低い位置となる
とともに、底部材内に商品を複数入れることができ、商
品を入れた底部材をその前部とその後部との内側底面が
ほぼ一致する迄前部の前端を上向きに持上げて回動する
と、奥行方向に下り傾斜した底部材の内側底面に沿って
その中の商品を通路内に転動投入することができる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を第１図及び第２図に基づいて
説明する。第１図はこの考案の自動販売機の収納装置の
構成を示す要部右側面縦断面図であり、図の左側が前面
側である。また第２図は第１図の自動販売機の底部材の
外観を示す前方右斜上より見た斜視図である。第３図及
び第４図と共通あるいは同一の部分は同一の符号で示し
す。第１図及び第２図において、１がケースであり、こ
のケース１にその前面開口を覆う扉９を開閉自在に支持
している。このケース１内に商品２を収納しかつ前後に
蛇行しながら縦方向に案内する通路７を前後に複数配列
した商品収納装置８を収納設置している。通路７は前後
両面を円弧状のセグメント５で左右両側面を棚側板６で
それぞれ区画形成しており、各々の通路７の上端に開口
面を前面側に向けて形成した投入口３は後側の通路７の
投入口３を上にして順次縦に配列している。この投入口
３より投入して通路７内に収納した商品２を販売の都度
通路７の下端の商品２から順に一個ずつ図示しない搬出
機構により取出口４に搬出し、この搬出した商品２を扉
９に形成しその前面に開口する取出孔１２を通してお客
さんが取り出す。これに伴って通路７内の商品２は順次
下方に転動移動するように構成している。

一方投入口３には、後面を開放した断面がコの字形箱状
の引出し式に前後に摺動自在に棚側板６に支持しかつ抜
出すこともできる底部材１３を設けており、この底部材
１３の底上面が投入口３の奥行方向に下り傾斜する底面
１０を形成している。また底部材１３をその奥行方向に
前部１４と後部１５とに２分割するとともに、その分割
端で軸長方向が奥行方向に対し直角な回動軸１６を介し
て互に回動自在に支持している。底部材１３を引出した
際引出し端で前部１４が、その前端を下向きに回動して
その底面１０を手前方向に下り傾斜した回動位置でその
回動軸１６側端部下面に固定した断面がヘの字状の係止
部１７と後部１５の下面とが当接し係合して係止されよ
うに構成している。従って、係止部１７のへの字の二辺
の交叉角度を変えれば前部１４がその底面１０を手前方
向に下がり傾斜した位置で係止される傾斜角度も変えら
れる。

前述の構成において、商品２の補充作業の際、底部材１
３をその前部１４の前端を手で持って手前に引出し、前
部１４を、その前端がその後端より下に前傾姿勢位置で
係止部１７によりその回動が係止される迄その前端を下
向きに回動する。この下がった位置に来た前部１４内に
商品２を複数個入れた後ち前部１４をその前端を上方に
回動し、前部１４の底面１０が後部１５の底面１０とほ
ぼ一致し奥行方向に下り傾斜姿勢になったとき前部１４
内に入れた商品２は転動し、後部１５の底面１０上を通
って通路７内に投入することができる。さらに商品２の
補充が必要なときは、前部１４を係止部１７により係止
される迄その前端を下向きに回動し、前部１４内に商品
２を入れる作業を繰り返し行うことにより商品２の補充
作業を継続でき、商品補充が終われば前部１４をその底
面１０が後部１５の底面１０と同一面になる迄その前端
を上向きに回動した後、底部材１３を奥行方向に押込ん
で作業は完了する。従って、商品補充作業中は、投入口
３の商品２を載せる底面１０を形成する底部材１３を引
出すことにより、投入口３の商品２を載せる底面１０の
位置を商品２を投入し易い高さ迄下げ、作業終了後は底
部材１３は取外すこともできるが底部材１３を投入口３
内に押込んで収納することにより、底部材１３が扉９の
開閉等の障害にはならない。

〔考案の効果〕

この考案は上記したように、投入口の底部材を後面が開
放したコの字形断面の箱状とするとともに奥行方向に前
部と後部とに２分割しその分割端で互に回動自在に連結
して引出し式に摺動可能にかつ引出し端で前記前部が回
動可能に支持し、前記底部材の引出し端で前記前部の回
動を前記底面が手前方向に下り傾斜姿勢位置で係止する
係止部を備えたので、低い位置に来た底部材の前部に商
品を複数入れて前部を回動することにより、極めて簡単
な構成で商品補充作業を、迅速かつ極めて容易に行え、
疲労の少ない軽作業とすることができ、底部材は扉開閉
等の障害にならず、しかも商品挿入位置が下がることに
より投入口の位置を更に高くすることも可能となり、同
一設置床面積の自動販売機の商品収容能力の向上あるい
は、同一商品収容能力の自動販売機の設置床面積の低減
を図ることができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の自動販売機の収納装置の構成を示す
要部右側面縦断面図、第２図は第１図の自動販売機の底
部材の外観を示す前方右斜上より見た斜視図、第３図は
従来の商品収納装置を備えた自動販売機の扉を開いた状
態の内部構造を示す前方右斜上より見た斜視図、第４図
は第３図の商品収納装置の構成を示す右側面要部縦断面
拡大図である。 １……ケース、２……商品、３……投入口、４……取出
口、５……セグメント、６……棚側板、７……通路、８
……商品収納装置、９……扉、１０……底面、１１，１
３……底部材、１２……取出孔、１４……前部、１５…
…後部、１６……回動軸、１７……係止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上端に形成された外周面に開口する投入口
   と、この投入口より投入される円柱状商品を収納搬送す
   る通路と、この通路の下端に形成された取出口とを備
   え、奥行方向に下り傾斜する前記投入口の底面が形成さ
   れた底部材の前記底面上を転動投入される前記商品が前
   記通路内に収納されかつ販売の都度前記取出口へ搬出さ
   れる自動販売機の商品収納装置において、前記底部材を
   後面が開放したコの字形断面の箱状とするとともに奥行
   方向に前部と後部とに２分割しその分割端で互に回動自
   在に連結して引出し式に摺動可能にかつ引出し端で前記
   前部が回動可能に支持し、前記底部材の引出し端で前記
   前部の回動を前記底面が手前方向に下り傾斜姿勢位置で
   係止する係止部を備えたことを特徴とする自動販売機の
   商品収納装置。