JP2651352B2 - 光電陰極、光電管および光検出装置 - Google Patents

光電陰極、光電管および光検出装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光電陰極、光電管およ
び光検出装置に関し、特に詳細には、微弱光について入
射位置や、入射光像などの一次元あるいは二次元的な情
報を得るための光検出技術に関する。
【0002】
【従来の技術】微弱光について一次元あるいは二次元の
位置情報を含む光検出を行なう一般的な装置として、イ
メージインテンシファイヤと固体撮像素子とを組み合わ
せて構成したものがある。この装置では、外囲器の入力
窓から光電陰極に入射した光子により光電子を励起し、
光電陰極から真空中に放出された光電子を電子レンズ系
により集束・加速させた後、蛍光体で結像して再び光信
号に変換して光増強がなされる。この増強された光信号
をCCDなどの固体撮像素子により再び光電変換し、位
置情報を電気信号として取り出している。
【0003】このほかに、光電子増倍管に位置検出機能
を持たせたものがある。この一例では、光電子増倍管の
アノードを分割しマルチ化して光検出することによって
位置情報を得る。また、光電子増倍管に位置検出機能を
持たせる別の例として「特開昭60−20441」に記
載されるものがある。
【0004】この光電子増倍管は、フェースプレートの
内壁面に光電陰極が形成されている。光電陰極と、ここ
から放出された光電子を第1段ダイノードへ導く電界を
形成するための収束電極との間には、メッシュ電極が設
けられ、このメッシュ電極は、光電陰極から光電陰極と
収束電極の間の距離の約1/10の距離の位置におい
て、一方の側にのみ配置されている。そして、第1段ダ
イノードへ光電子が到達するのを、一方の側から他方の
側に徐々に妨げるような電界分布を形成する。このメッ
シュ電極へのバイアス電圧の印加により、光電陰極の光
電子放出面の全面から放出された光電子のうち、一方の
側のものが第1段ダイノードへの到達を妨げられる。つ
まり、光電子の軌道を変化させて、放出面の所定の部分
から放出されたもののみを増倍して電気信号として出力
する。この出力信号レベルとメッシュ電極へのバイアス
電圧の印加のレベルとにもとづき、外部の判別装置によ
り位置分解能をもった光検出が行なわれる。こうして、
特定の位置に入射した光により励起され軌道を妨げられ
なかった光電子のみを検出して位置検出をする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】イメージインテンシフ
ァイヤと固体撮像素子を組み合わせた従来例では、光信
号→電気信号→光信号→電気信号へと変換させることは
本質的に避けられず、カップリングロスなどにより効率
が悪くなり性能が低下する。
【0006】アノードを分割した光電子増倍管では、光
電陰極と増倍部の間、増倍部とアノードとの間でのクロ
ストークが問題となり、位置分解能は本質的に良くなら
ない。
【0007】また、メッシュ電極を介在された光電子増
倍管では、測定時に光電陰極の光電子放出面の全面から
放出された光電子のうちの一部のみを検出して位置検出
するため、S/N比の点で本質的な問題がある。さら
に、位置分解能も光電子の軌道を変化せしめることによ
り位置判別するので、構造的にクロストークが多くな
り、また1本の光電子増倍管で2ヵ所程度の位置判別し
か可能とならず、多素子化は本質的に困難である。
【0008】そこで、本発明は、クロストークの少ない
位置検出機能を有する光電陰極と、これを用いた光電管
および光検出装置を実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の光電陰極は、入
射光子によって内部に光電子を励起させる光電変換層を
含み、この光電変換層の内部で生成されて加速された光
電子を光電子放出面から外部に放出させる半導体層と、
光電子放出面の半導体層上に形成された表面電極と、光
電子放出面の反対面上に表面電極と対向して形成された
裏面電極とを備え、表面電極は分割されて複数の画素電
極を成すと共に相互に電気的に絶縁され、複数の画素電
極は裏面電極に比べて正のバイアス電位を独立に印加す
る複数のバイアス印加用配線にそれぞれ接続されている
ことを特徴とする。
【0010】本発明の光電管は、真空容器と、この真空
容器の内部に配設された光電陰極と、真空容器の内部に
配設され光電陰極から放出された光電子を受容する陽極
とを備え、光電陰極は、入射光子によって内部に光電子
を励起させる光電変換層を含み、この光電変換層の内部
で生成されて加速された光電子を光電子放出面から外部
に放出させる半導体層と、光電子放出面上に形成された
表面電極と、光電子放出面の反対面の半導体層上に表面
電極と対向して形成された裏面電極とを有し、表面電極
は分割されて複数の画素電極を成すと共に相互に電気的
に絶縁され、複数の画素電極は裏面電極に比べて正のバ
イアス電位を独立に印加する複数のバイアス印加用配線
にそれぞれ接続され、更に、真空容器の内部には、複数
本のバイアス印加用配線と複数の画素電極との接続を個
々にオン、オフさせることによりバイアス印加を個々に
切り換える複数のスイッチ素子と、複数のスイッチ素子
を個々にオン、オフさせる切換回路と、複数のスイッチ
素子の個々の制御端子に切換回路の複数の出力端子を個
々に接続する複数本の切換用配線とを有する切換制御手
段が設けられ、真空容器から外部に導出された複数本の
ステムピンのうち、少なくとも1本は裏面電極に、少な
くとも1本はバイアス印加用配線に、少なくとも2本は
切換回路の入力端子に、少なくとも1本は陽極に接続さ
れていることを特徴とする。
【0011】本発明の光検出器は、真空容器の内部に光
電陰極と陽極とを有する光電管と、光電陰極および陽極
に電位を印加する電源と、タイミング制御手段と、メモ
リ手段とを備える。そして、光電陰極は、入射光子によ
って内部に光電子を励起させる光電変換層を含み、この
光電変換層の内部で生成されて加速された光電子を光電
子放出面から外部に放出させる半導体層と、光電子放出
面の半導体層上に形成された表面電極と、光電子放出面
の反対面の半導体層上に表面電極と対向して形成された
裏面電極とを有し、表面電極は分割されて複数の画素電
極を成すと共に相互に電気的に絶縁され、複数の画素電
極は裏面電極に比べて正のバイアス電位を独立に印加す
る複数のバイアス印加用配線にそれぞれ接続され、更
に、真空容器の内部には、複数本のバイアス印加用配線
と複数の画素電極との接続を個々にオン、オフさせるこ
とによりバイアス印加を個々に切り換える複数のスイッ
チ素子と、複数のスイッチ素子を個々にオン、オフさせ
る切換回路と、複数のスイッチ素子の個々の制御端子に
切換回路の複数の出力端子を個々に接続する複数本の切
換用配線とが設けられ、タイミング制御手段は、起動信
号が与えられると連続的にタイミングパルスを切換回路
に印加し、切換回路はタイミングパルスに応答して複数
のスイッチ素子のオン、オフを順次に切換え、メモリ手
段は起動信号が与えられると記憶動作を開始し、タイミ
ングパルスにもとづいて順次に光電子放出可能状態とな
った画素電極の位置に対応させて陽極の出力を記憶する
ことを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明の光電陰極によれば表面電極は分割され
て複数の画素電極をなし、しかも、これらを画素電極は
独立にバイアス電位が印加されるように構成されている
ので、バイアスが印加された画素についてのみ、内部で
生成された光電子を外部に放出させ得る。このため、画
素電極を一次元のアレイ状に配列したときには一次元の
位置分割能を、二次元のマトリクスに配列したときは二
次元の位置分割能を実現することができる。
【0013】本発明の光電管によれば、真空容器に上記
の光電陰極を有すると共に、複数の画素電極へのバイア
スの印加を切り換えるための切換制御手段が設けられて
いるので、一次元あるいは二次元の位置分解能をもった
光電管を実現できる。
【0014】本発明の光検出器によれば、上記の光電管
と、電源との他に、タイミング制御手段とメモリ手段と
を備えている。そして、このタイミング制御手段は、光
電管における光電子放出可能状態の画素電極の位置情報
に対応させて、メモリ手段が陽極の出力を記憶するよう
にしているので、微弱光の一次元イメージあるいは二次
元イメージをメモリ手段に格納することができる。
【0015】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明のいくつ
かの実施例を説明する。なお、同一の要素には同一の符
号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】図1のように、光電陰極1の本体としての
半導体層100は、InP基板101上にInGaAs
光吸収層102を形成し、その上にInPコンタクト層
103を形成して構成されている。InP基板101の
裏面にはAu(金)などからなるオーミック電極104
が裏面電極として形成され、InPコンタクト層103
の表面にはAl(アルミニウム)などからなるショット
キー電極105が表面電極として形成されている。ここ
で、オーミック電極104は入射光を透過できるように
薄く、あるいは多数の開口を有して形成され、ショット
キー電極105は分割されて一次元のアレイ状に配列さ
れた画素電極1051 ,1052 ,…,105n をなし
ている。そして、各画素電極はメッシュ状にパターン形
成され、その開口を通して光電子が通過できる。InP
コンタクト層103の表面のうち、特にメッシュ状画素
電極の開口部には、表面の仕事関数を低下させるための
Cs(セシウム)等が薄くコーティングされ、半導体層
100の内部から外部の真空中に光電子が放出されやす
くなっている。
【0017】図1のように、このような光電陰極1は真
空容器21に取り付けられ、光電陰極1と対向する位置
には陽極22が設けられる。各々の画素電極1051
1052 ,…,105n にはバイアス印加用配線106
1 ,1062 ,…,106nが接続され、これらはスイ
ッチSWを介して電源端子301に接続される。一方、
オーミック電極104は電源端子302に接続されてい
るが、端子302に比べて端子301は正の高電位とな
っている。このため、スイッチSWによって端子301
からのバイアスが印加された画素電極1051 〜105
n のみについて、オーミック電極104に比べて正の高
電位となり、その開口および近傍の光電子放出面が光電
子の放出可能な状態となる。真空中に放出された光電子
は、陽極22の方向に進行する。なぜなら、陽極22に
は電源端子303を介して更に正の高バイアスにされて
いるからである。
【0018】図2に示すように、オーミック電極104
を透過して被検出光(hν)が入射されると、バンドキ
ャップの狭いInGaAs光吸収層102中で光電変換
され、光電子(−e)が生成される。このとき、オーミ
ック電極104とショットキー電極105の間にバイア
スが印加されていると、光電子は下側の図のように光電
子放出面の方向に半導体層100中を加速され、高エネ
ルギーを得て真空中(準位VL)に放出される。したが
って、ショットキー電極105を分割した個々の画素電
極1051 〜105n へのバイアス印加をスイッチSW
で個々にオン、オフすることにより、スイッチSWがオ
ンとなった画素電極についてのみ、InGaAs光吸収
層102の内部で生成した光電子を光電子放出面から半
導体層100の外部、すなわち真空中に放出できる。
【0019】図3の光電陰極は、画素電極が一次元のア
レイをなし、ホルダに固定されている。長尺の半導体層
100はセラミック製のホルダ401に固定され、これ
はモリブデン製の金型402に固定され、半導体層10
0と金型402が絶縁されている。金型402には端子
ピン4031 ,4032 ,4033 ,4034 が絶縁物
を介して固定され、ピン4031 は正のバイアス電源+
B と半導体層100上のバイアス印加ライン(図示せ
ず)に接続され、ピン4032 はグランド(アース)と
半導体層100上のオーミック電極104に接続され、
ピン4033 ,4034 は半導体層100上のシフトレ
ジスタ5の入力端子に接続される。ここで、シフトレジ
スタ5は画素電極1051 〜105n に順次にバイア
スを印加するための切換制御手段であり、端子ピン40
3 ,4034 を介して後述のスタートパルスSPとク
ロックパルスCLKが入力される。なお、半導体層10
0の光電子放出面以外の表面は、SiO2 などの絶縁膜
120で覆われている。
【0020】図3の画素電極1051 〜105n は、i
−1,i,i+1番目について斜視で表現すると、図4
に示すようになっている。すなわち、画素電極105i
は15個の開口を有するメッシュ状にパターン形成さ
れ、角部に電界効果トランジスタ(FET)のスイッチ
素子Si を有する。そして、そのゲート電極はAl配線
501i によってシフトレジスタ5のi番目の出力端子
に接続される。したがって、Al配線501i を介して
シフトレジスタ5からパルスが入力されると、i番目の
スイッチ素子Si がオンとなってバイアス印加用配線1
06i から画素電極105i にバイアス+VB が印加
される。このような動作は、i番目以外の1〜i−1,
i+1〜n番目の画素についても全く同様である。
【0021】図5で立体的に等価回路を示すように、オ
ーミック電極104と各々の画素電極1051 〜105
n の間には、オーミック電極104がカソードとなるダ
イオードD1 〜Dn が等価的に形成される。そして、シ
フトレジスタ5からの出力でスイッチS1 〜Sn がオン
することにより、それぞれの画素のダイオードD1 〜D
n は個々に逆バイアスとなる。すると、この逆バイアス
の下での半導体層100内部の電界により、図2で示し
たように光電子は画素電極105の方向に加速されて高
エネルギーを得、半導体層100の外部に放出される。
なお、シフトレジスタ5の入力端子502にはクロック
パルスCLKが、端子503にはスタートパルスSPが
入力される。
【0022】この場合の動作を、図6と図7により説明
する。ここで、画素電極1051 〜105n に対応する
各々の画素における光検出出力をP1 〜Pn とする。こ
の出力P1 〜Pn は、図1のように構成したときの陽極
22の出力AOUT として外部に取り出される。図7のよ
うに、スタートパルスSPはシフトレジスタ5の起動の
ために与えられ、このパルスSPが与えられると、シフ
トレジスタ5はクロックパルスCLKに応答して出力端
子5011 〜501n からパルスが出力され、これによ
り、FETからなるスイッチ素子S1 〜Sn が順次にオ
ンとなり、各画素電極1051 〜105n に順次にバイ
アス+VB が印加される。これにより、各画素からの光
電子放出が順次に可能状態となって、出力P1 〜Pn
順次にアノード出力AOUT として外部に取り出される。
【0023】図8を参照して、上記の実施例に係る光電
陰極を適用した光検出装置を説明する。図示のように、
真空容器21の入力窓には透過型の光電陰極1が取り付
けられ、内部には、切換制御部50と、陽極22と、光
電子を二次元電子増倍するダイノード25が設けられて
いる。電源61は真空容器21に貫通されたステムピン
を通して陽極22に陽極電位+VA を供給し、ダイノー
ド25にダイノード電位VD を供給し、かつ切換制御部
50にバイアス電位+VB を供給する。 タイミング制
御部62は、オペレータの指示などに従ってスタートパ
ルスSPを出力し、かつ一定周期のクロックパルスCL
Kを連続的に出力する。信号処理回路63はアノード出
力AOUT を増幅し、あるいは雑音除去のための閾値処理
をし、あるいはアナログ/ディジタル変換をするもの
で、出力信号をマイクロプロセッサなどのコントローラ
付きの記憶装置64に与える。そして、記憶装置64に
はディスプレイ装置65が接続されている。
【0024】この構成において、タイミング制御部62
からスタートパルスSPが出力されると、切換制御部5
0と記憶装置64が起動し、それぞれがクロックパルス
CLKに応答して動作する。すなわち、切換制御部50
はクロックパルスCLKが入力される毎に各画素電極に
対応する出力端子から順次にパルスを出力し、各画素を
順次に光電子放出可能な状態とする。このようにして放
出された光電子はダイノード25で増倍され、信号処理
回路63を介して記憶装置64に与えられる。
【0025】このとき、記憶装置64にもタイミング制
御部62からクロックパルスCLKが与えられているの
で、記憶装置64のコントローラはこのクロックパルス
CLKをカウントした結果値に従って、アノード出力A
OUT を光電子放出可能な状態にされている画素の位置に
対応させて記憶する。例えば、クロックパルスCLKの
カウント値をアドレスとして、アノード出力AOUT の値
(ディジタル変換された値)をデータとして記憶するも
のであり、このような処理は、図7のタイミングチャー
トから理解できる。全ての画素電極についての順次のオ
ン,オフの切換えを複数回繰り返し、画素ごとにアノー
ド出力AOUT を加算しながら記憶装置64中の画素の位
置に対応した記憶エリアに記憶すれば、画像化された検
出光のイメージデータが得られる。このイメージは、C
RTなどを備えたディスプレイ65で表示される。
【0026】図9は別の実施例の光電陰極を示し、上側
は上面図、中央は、一部を断面で示す側面図、下側は底
面図である。InP基板101上にInGaAsP光吸
収層102,InPコンタクト層103がエピタキシャ
ル成長により形成され、InP基板101の裏面上には
Auオーミック電極104が形成されており、InPコ
ンタクト層103上にはこの層とシッョトキ接合をする
複数のAlショットキ電極105がパターン状に形成さ
れている。ここで、基板101、光吸収層102および
コンタクト層103からなる半導体層100について
は、GaAsおよびAlAsあるいはこれらの混晶から
なるヘテロ接合構造としてもよく、Ge(ゲルマニウ
ム)およびSi(シリコン)あるいはこれらの混晶から
なるヘテロ接合構造としてもよい。ショットキー電極1
05については、例えばAl,Au,Ag(銀),W
(タングステン)、Ni(ニッケル)またはTi(チタ
ン)あるいはこれらの合金で形成できる。
【0027】ショットキー電極105のパターンについ
ては、図9のような直交するライン状部材からなるメッ
シュ状電極でもよいが、図10のようなパターンでもよ
い。図10において、上側の図は六角形状の開口を有す
るメッシュ状電極のパターンを示し、中央の図は平行な
部材からなるグリッド状電極のストライプパターンを示
し、下側の図は櫛歯形状のパターンを示している。いず
れも、光電子が通過するための開口が、10μm程度以
下の間隔になっている。なお、光の入射は、裏面すなわ
ちオーミック電極104を介してなされてもよいが、表
面すなわちショットキー電極105の開口を介してなさ
れてもよい。裏面から光入射されるときには、オーミッ
ク電極104は透過光性の材料から形成され、あるいは
光を透過し得る程度に十分に薄い金属膜から形成され、
あるいは光を透過し得る多数の開口を有する金属膜から
形成される。
【0028】図9において、それぞれの画素電極105
1 〜105n に対応してFETのスイッチS1 〜Sn
近傍に形成されており、このFETのスイッチング機能
によって電極1051 〜105n へのバイアス電圧のオ
ン,オフが行なわれる。光電子放出面の表面には表面の
仕事関数を低下させるためのCs(セシウム)が薄くコ
ートされている。このようなコーティング材料は、アル
カリ金属またはこの化合物、アルカリ金属の酸化物また
は弗化物である。アルカリ金属には、Csの他に、K
(カリウム)、Na(ナトリウム)Rb(ルビジウム)
が含まれる。基板101は、セラミックホルダ401で
固定されており、その表面はAlショットキ電極105
の部分を除いてSiO2 またはSiNの絶縁膜120で
覆われている。
【0029】また、図9の例では、半導体層100上に
はトランジスタからなるシフトレジスタ5が形成されて
おり、FETS1 〜Sn のゲートはそれぞれシフトレジ
スタ5のn本の出力端子に配線されている。シフトレジ
スタ5は、外部からのスタートパルスSPとクロックパ
ルスCLKにより走査パルスを発生し、各FETS1
n を順次オンさせて各Alショットキ電極1051
105n をアドレスする。なお、端子4031 ,403
4 は基板100上の回路と外部の回路の接続用である。
端子4033 ,4034 はシフトレジスタ5への信号入
力のためのものであり、端子4031 は、FETS1
n を介してショットキダイオードD1〜Dn へ外部か
らバイアス電圧+VB を与えるためのもである。
【0030】図11は実施例の光電陰極をヘッドオン型
光電子増倍管へ応用した場合の構成例を示したもので、
上側は内側からフェースプレートを見た模式図、下側は
外囲器21の軸方向の断面図である。なお、紙面の都合
でn=6としている。光電陰極としての半導体基板を固
定するセラミックホルダ402は、モリブデン製の固定
金具405にスポット溶接で固定されており、電極端子
403は面板から外側において接続されるようになって
いる。真空容器すなわち外囲器21の内部には収束電極
26が設けられ、かつ8段のダイノード251 〜258
が配列されている。そして、9段目の反射型ダイノード
259 の前側には陽極22が設けられている。この光電
極増倍管では、6個の各画素に対応して6組の端子ピン
403が設けられており、外部の制御回路の出力によっ
て光電子放出可能となる画素が切り換えられる。
【0031】図12の光電子増倍管では、制御回路はフ
ェースプレート405上に設けられたシフトレジスタ5
で実現されている。そして、このシフトレジスタ5への
スタートパルスSPおよびクロックパルスCLKの入力
は、ステムピン406で実現される。
【0032】図11、図12の実施例は、いずれも透過
型の光電陰極、すなわち、光子の入射方向と同一方向に
光電子を放出させる(したがって、光子の入射面は光電
子放出面の反対面)タイプの光電陰極を用いている。図
13の実施例は、反射型の光電陰極すなわち光子の入射
方向の反対方向に光電子を放出させる(したがって、光
子の入射面は光電子放出面の同一面)タイプの光電陰極
を用いている。このような光電子増倍管は、サイドオン
型と呼ばれ、横断面の構造は図13に示される。ガラス
などの真空容器21から入射した光子は、集束電極(メ
ッシュ状電極)を通過し、光電陰極1に入射する。放出
された光電子はダイノード251 〜258 で増倍され、
アノード22に入射する。
【0033】図11,12,13の光電子増倍管の動作
は、先に挙げた図7のタイミングチャートで説明でき
る。図7において、「S1 〜Sn 」はシフトレジスタか
らFETスイッチへの出力レベルを示し、ハイになって
いるときにスイッチはオンである。スタートパルスSP
がハイレベルになることによりシフトレジスタ5が動作
を開始し、クロックパルスCLKにより順次FETが動
作しスイッチS1 〜Snがオンとなる。スイッチS1
n のオンにより画素電極1051 〜105n に所定の
バイアス電圧が印加された光電子放出面(即ちバイアス
電圧の印加されたショットキダイオード)が動作する。
もちろん、この時バイアス電圧の印加されていないショ
ットキ電極は光電子放出面として動作しないので、入射
光の有無によらず光電子の放出はおこらない。図7の
「P1 〜Pn 」は、各光電子放出面のバイアス電圧を示
し、ハイになっているとき、動作状態になっている。
【0034】仮に、光電子増倍管の光電子放出面のP3
部分に光が入射したとすると、この部分にバイアス電圧
の印加された時に光電子が放出される。光電子放出面P
3 から放出された光電子は、収束電極によりその軌道を
修正され、第1段ダイノードに入射する。第1段ダイノ
ードでは入射した1次電子(光電子)の数倍の2次電子
を生成・放出し、これらの2次電子は第2段ダイノー
ド、第3段ダイノード…と増倍され最終的に106 倍程
度にまで達しアノード22で光電流として検出される。
【0035】シフトレジスタ5からのアドレス信号によ
り光電子放出面P1 〜Pn が順次動作しているので、光
電子放出面の各部からの光電子が増倍されて光電流とし
て検出される。シフトレジスタ5への入力したクロック
パルスCLKとアノード22で読み出した信号を同期さ
せることにより、アノード出力AOUT が光電子放出面P
1 〜P6 のどの位置から放出された光電子かが判別され
る。従って、アノード出力AOUT とクロックパルスCL
Kのタイミングとから、入射した光についての一次元の
位置情報を得ることができる。
【0036】ここでは、シフトレジスタ5を光電子放出
面と同一基板上に形成し、FETのスイッチング及びア
ドレスを行う例を説明したが、図11のように画素ごと
の端子からショットキ電極105のバイアス電圧を直接
制御し、シフトレジスタ5を用いないで制御するように
することも可能である。また、配線が複雑にならなけれ
ば、シフトレジスタ5を光電陰極をなす半導体基板の外
に形成するようにすることも可能である。
【0037】図12の光電子増倍管の動作は、前述の図
11の光電子増倍管と同じである。光電子放出面のP3
部分に光が入射したとすると、シフトレジスタ5からの
アドレス信号により光電子放出面P1 〜P6 が順次動作
しているので光電子放出面P 3 から放出された光電子は
収束電極によりその軌道を修正され第1段ダイノードに
入射する。第1段ダイノードでは入射した1次電子の数
倍の2次電子を生成、放出しこれらの2次電子は第2段
ダイノード、第3段ダイノード…と増倍され最終的に1
6 倍程度にまで達しアノード22で光電流として検出
される。従って、シフトレジスタ5への入力したクロッ
クパルスCLKとアノード22で読み出した信号を同期
させることにより、アノード出力が光電子放出面P1
6 のどの位置から放出された光電子かが判別できる。
【0038】また、サイドオン型光電子増倍管へ応用す
ることの可能であり、図13は、その場合の構成例につ
いて示している。光hνが入射するところに一次元位置
検出機能を有する反射型光電子放出面が設けられ、上述
の実施例と同様、生じた光電子はダイノード251 〜2
8 で増倍されてアノード22で検出される。光電子の
放出される方向が上述の透過型光電子放出面と異なる
が、動作方法はヘッドオン型の場合と全く同様である。
従来、不可能であった反射型光電子放出面による位置検
出が本発明により可能となる。
【0039】図14は、光電子放出面を二次元位置検出
機能を有するように構成した場合について、光電子放出
面の本発明の実施例を示したものである。この実施例
は、前述したような1次元位置検出機能を持たせた場合
のものを図14の縦方向に複数(m行)並べた構成とし
たものである。さらに、図14には含まれていないが、
縦方向をアドレスするためのシフトレジスタが外部(図
の左側)に形成してある。つまり、各行の画素電極10
11〜1051n,10521〜1052n,…,105m1
105mnに対応してm個のシフトレジスタ5A1 〜5A
m が光電陰極1を形成した基板100上に形成される。
また、m行の各々のバイアス印加用配線1061 〜10
m には、外部に設けられたシフトレジスタが端子ピン
を介して接続されている。ここで、第1のシフトレジス
タ5A1 〜5Am はクロックパルスCLKとスタートパ
ルスSPをそれぞれ端子ピンを介して外部から入力し、
出力端子は各画素電極に対応してn個有している。ま
た、外部に設けられる第2のシフトレジスタもCLKと
SPを入力し、その出力は画素電極のm行n列の二次元
のマトリクスに配置された光電陰極が実現される。
【0040】図15は、図14のm×n個のピクセル構
成の光電子放出面を動作させる際の等価回路を示したも
ので、点線で囲んだ部分が図14の基板上に構成された
回路を示している。横方向の第1のシフトレジスタ5A
1 ,5A2 ,…,5Am は、図2の場合と同じ回路構成
を持ち、スタートパルスSPとクロックパルスCLK2
によりまったく同時に並列動作しスイッチS11〜Smn
順次オンさせる。スイッチSB1 〜SBm は、縦方向の
第2のシフトレジスタ5Bの出力に接続して設けられ、
クロックパルスCLK1 によりシフトレジスタ5Bによ
りアドレスされて順次オンになる。シフトレジスタ5A
1 ,5A2 ,…,5Am の出力に設けられたスイッチS
11〜Smnは、バイアス電源+VB に対してスイッチSB
1 〜SBm と直列になっており、ショットキダイオード
11〜Dmnには、電源に直列のスイッチの両方がオンに
なったときに、外部からのバイアス電圧+VB が与えら
れる。
【0041】二次元位置検出機能を有する光電子増倍管
は、図14,15の光電子放出面を用いて一次元の場合
と同様に構成し得る。図16は、この場合の光電子増倍
管の動作についてタイミングチャートを示したものであ
る。図16中の「S」はシフトレジスタからFETスイ
ッチへの出力レベルを示し、ハイになっているときにス
イッチはオンである。
【0042】スタートパルスSPがハイレベルになる
と、すべてのシフトレジスタが同時に動作を開始する。
クロックパルスCLK1 の入力によりシフトレジスタ5
Bが縦列のFETが順次オンし、まず、スイッチSB1
がアドレスされオンになる。クロックパルスCLK2
より、横列のシフトレジスタも同時に並列して動作す
る。これらのシフトレジスタの出力のいずれもがハイに
なっているとき、バイアス電圧+VB が与えられ、光電
子放出面P11〜Pmnから光電子を放出し得るようにな
る。図16のタイミングチャートでいえば、スイッチS
11がオンになっているとき、縦方向のスイッチS21〜S
2mもオンになっているが、スイッチSB1 がオンであれ
ば、光電子放出面P11だけにバイアス電圧+VB が与え
られ、これが動作する。そして、スイッチSB1 がオン
になっているとき、スイッチS11〜Smnのうち縦方向の
ものが順次オンになって、光電子放出面P11〜P1nが順
次動作する。これが順次スイッチSB2 ,SB3 ,…,
SBm についても行われる。
【0043】クロックパルスCLK1 をシフトレジスタ
11〜AmnのクロックパルスCLK2 に同期させ、クロ
ックパルスCLK1 の幅はクロックパルスCLK2 の周
期のn倍とすることにより、ショットキダイオードP11
〜Pmnに図の左上から右下まで順次バイアス電圧+VB
を与えるようにスイッチをオンすることになる。そし
て、図の左上から右下まで順次光電子放出面P11〜Pmn
から入射光の励起で生じた光電子が放出され、増倍され
て検出される。
【0044】前述の実施例と同様に、クロックパルスC
LK1 及びクロックパルスCLK2と読みだし信号を同
期させることにより、入射光についての二次元の位置情
報を得ることができる。従って、クロックパルスCLK
1 ,CLK2 とアノード出力を同期させることにより二
次元の位置検出が可能である。もちろん前述したよう
に、シフトレジスタあるいはスイッチングのためのFE
Tは光電子放出面と同一基板上に形成しても、それ以外
の部分に形成しても構わない。
【0045】図17に示すように、第1および第2のシ
フトレジスタは、全て光電陰極をなす基板100上に形
成してもよい。このようにすれば、基板100の端子ピ
ンを著しく少なくできるので、多画素として位置分解能
を向上させ得る。なお、図17中の各符号には、図1
4,15と同一要素について同一の符号を用いてある。
【0046】図18は、上述の本発明による光電子増倍
管を用いて光位置検出装置の構成システムについて、そ
の一例を示してものである。このシステムは、光電子増
倍管PMTと、これを駆動するための駆動回路部及び信
号を読み出すための読みだし回路部82、光電子増倍管
PMTへ高電圧を供給するためのDC電源部81、光電
子増倍管PMTへの入力クロックパルス(CLK,CL
1 ,CLK2 など)を発生するパルスジェネレータ8
3、光電子増倍管PMTからの読みだし信号のA−D変
換部84、オシロスコープ(又はCRT,LCDなどの
表示装置)85及び制御用のコンピュータ部86から構
成されている。光電子増倍管PMT以外のものは従来か
らあるものを使用している。上述したように光電子増倍
管PMTへの入力クロックパルスを発生タイミングをコ
ンピュータ86によって制御し、光電子増倍管PMTか
ら読み出した信号の取り込みを行うことにより光電子増
倍管PMTへの入射光の位置情報を簡単に得ることがで
き、また、これを画像化して表示装置で表示することも
可能である。
【0047】このように、本発明の光電子放出面は、1
つの基板上に形成された光電子放出面であるにもかかわ
らず、複数の画素電極のそれぞれ個別にバイアス電圧を
印加することにより、複数の独立した光電子放出面とし
て動作させることができる。このため、従来の光電子放
出面を有する光検出器に比較して、はるかに簡単な構造
でクロストークの非常に少ない位置検出が可能な光検出
器を実現できる。
【0048】本発明の光電子放出面では、光電子の2次
電子増倍により超高感度でかつ低雑音の光検出が可能と
なるので、微弱光下での位置検出、映像情報の検出を容
易に行うことができる。さらに、バイアス電圧を印加し
ていない部分はダーク電流による電子を放出しないの
で、光電子放出面として動作していない部分からの雑音
が発生せず本質的に非常に低雑音な光検出器である。従
って、本発明による光電子放出面を用いた光検出器及び
これを用いた光検出装置においては超高感度で、かつ、
低雑音の位置検出が可能となる。
【0049】また、従来この種の位置検出機能を有する
光電子放出面は、本質的に、光の入射方向と光電子を方
出する方向が異なるいわゆる透過型構造でなければなら
なかった。しかし、本発明によれば、光の入射方向と光
電子の放出する方向が同じであるいわゆる反射型構造に
おいても位置検出機能を有することができ、デバイス構
造、設計の自由度が大幅に拡張する。
【0050】本発明は、入射光を光電変換する光電子放
出面の全面からの光電子を選別して増倍するのでなく、
バイアス電圧をかけてその一部を機能させている。その
ため、簡単に低雑音で、かつ、クロストークの非常に少
ない位置検出機能を有する光電子放出面を得ることがで
きる。また、増倍部を付加し光電子増倍部とすることに
より超高感度な位置検出機能を有する光検出器が実現可
能になる。
【0051】本発明は前述の実施例に限らず様々な変形
が可能である。例えば、光電子放出面の主たる材料にI
nP及びInGaAsPを用いたもので説明したが、こ
れに限らないことはもちろんである。またショットキ電
極、オーミック電極、アルカリ金属なども本実施例で用
いたものに限る訳ではない。また、シフトレジスタをア
ドレスデコーダとし別途入力アドレスパルスを加えるこ
とにより、ランダムアクセス可能な位置検出を行うこと
ができる。
【0052】ところで、「US PAT.3,958
143」には、内部電界を利用して光電子を加速し真空
中へ放出させる光電子放出面の一例が開示されている。
しかし、この文献記載の光電子放出面では、位置情報を
得ることができない。また、「特開平4−26941
9」には、ショットキ電極をパターン状に形成した光電
子放出面が示されているが、これも同様に複数の電極を
形成するものではなく、また個別にバイアス電圧を印加
するものでもないので、位置情報を得ることはできな
い。
【0053】
【発明の効果】以上の通り本発明の光電子増倍管によれ
ば、光電面の光の入射位置に応じた検出出力を得ること
ができ、小型でコンパクトなものにし得る。本発明の光
電子放出面を用いることで、上記光電子増倍管を構成す
ることができる。また、本発明の光電子増倍管を用いた
光検出装置によれば、光電面へ入射光が微弱なものであ
っても、入射光について1次元的または2次元的な情報
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る光電陰極およびこれを有する光電
管を示し、上側は光電陰極の上面図、下側は上側の図中
のX1 −X1 線における光電管の縦断面図である。
【図2】図1の光電陰極のエネルギーバンド構造を示
し、上側はバイアス電圧を印加しない状態の図、下側は
バイアス電圧を印加した状態の図である。
【図3】実施例に係る光電陰極の組立体を示す斜視図で
ある。
【図4】実施例における画素電極のパターンの一例を示
す斜視図である。
【図5】実施例の光電陰極の等価回路を立体的に示した
図である。
【図6】実施例の光電陰極の等価回路を平面的に示した
図である。
【図7】実施例の動作を示すタイミングチャートであ
る。
【図8】実施例の光電陰極を用いた光検出装置を示す図
である。
【図9】実施例の光電陰極の組立体を示す上面図、側面
図および底面図である。
【図10】実施例の画素電極の別の例を示す上面図であ
る。
【図11】実施例の光電陰極を用いたヘッドオン型光電
子増倍管を示す図である。
【図12】実施例の光電陰極を用いたヘッドオン型光電
子増倍管を示す図である。
【図13】実施例の光電陰極を用いたサイドオン型光電
子増倍管を示す図である。
【図14】二次元のマトリクス状にした実施例を示す図
である。
【図15】二次元のマトリクス状にした実施例を示す図
である。
【図16】元の実施例の動作を示すタイミングチャート
である。
【図17】二次元のマトリクス状にした別の実施例を示
す図である。
【図18】実施例に係る光検出器を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
100…半導体層、104…オーミック電極(裏面電
極)、105…ショットキ電極(表面電極)、5…シフ
トレジスタ、21…真空容器、22…陽極、25…ダイ
ノード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渭原 常夫 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松 ホトニクス株式会社内 (72)発明者 山田 正美 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松 ホトニクス株式会社内 (72)発明者 朝倉 憲夫 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松 ホトニクス株式会社内 (72)発明者 根木 康晴 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松 ホトニクス株式会社内 (72)発明者 鈴木 智子 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松 ホトニクス株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−299088(JP,A) 特開 昭62−157631(JP,A) 国際公開91/14283(WO,A)

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光子によって内部に光電子を励起さ
    せる光電変換層を含み、この光電変換層の内部で生成さ
    れて加速された前記光電子を光電子放出面から外部に放
    出させる半導体層と、前記光電子放出面の前記半導体層
    上に形成された表面電極と、前記光電子放出面の反対面
    の前記半導体層上に前記表面電極と対向して形成された
    裏面電極とを備え、 前記表面電極は分割されて複数の画素電極を成すと共に
    相互に電気的に絶縁され、 前記複数の画素電極は前記裏面電極に比べて正のバイア
    ス電位を独立に印加する複数のバイアス印加用配線にそ
    れぞれ接続されていることを特徴とする光電陰極。
  2. 【請求項2】 前記半導体層はヘテロ接合構造を有する
    請求項1記載の光電陰極。
  3. 【請求項3】 前記半導体層はGaAs、AlAsまた
    はこれらの混晶のヘテロ接合構造を有する請求項2記載
    の光電陰極。
  4. 【請求項4】 前記半導体層はInP、GaAsまたは
    これらの混晶のヘテロ接合構造を有する請求項2記載の
    光電陰極。
  5. 【請求項5】 前記半導体層はSi、Geまたはこれら
    の混晶のヘテロ接合構造を有する請求項2記載の光電陰
    極。
  6. 【請求項6】 前記半導体層の前記光電子放出面上に
    は、アルカリ金属、アルカリ金属の化合物またはこれら
    の酸化物もしくは弗化物が塗付されており、前記アルカ
    リ金属はCs、K、NaまたはRbである請求項1記載
    の光電陰極。
  7. 【請求項7】 前記半導体層と前記表面電極はショット
    キー接触しており、前記半導体層と前記裏面電極はオー
    ミック接触している請求項1記載の光電陰極。
  8. 【請求項8】 前記複数の画素電極は一次元のアレイ
    状、または二次元のマトリクス状に配列されている請求
    項1記載の光電陰極。
  9. 【請求項9】 前記表面電極は前記光電変換層で生成さ
    れて前記半導体層中を加速された前記光電子を通過させ
    て外部に放出させる電子透過部を有している請求項1記
    載の光電陰極。
  10. 【請求項10】 前記表面電極がAl、Au、Ag、
    W、Ti、NiまたはWSiもしくはこれらの合金から
    なる請求項1記載の光電陰極。
  11. 【請求項11】 前記表面電極が前記光電子を透過し得
    る多数の開口を有する請求項1記載の光電陰極。
  12. 【請求項12】 前記表面電極が10μm以下のピッチ
    のストライプ、メッシュまたはグリッド形状のパターン
    を成す請求項1記載の光電陰極。
  13. 【請求項13】 前記裏面電極が透光性の材料からな
    り、または入射光子を透過し得る程度に薄い金属電極で
    あり、または入射光子を透過し得る多数の開口を有する
    金属電極である請求項1記載の光電陰極。
  14. 【請求項14】 前記光電変換層は半導体基板に構成さ
    れ、かつ前記半導体基板上には前記複数の画素電極に個
    々に対応して設けられた複数本のバイアス印加用配線
    と、前記複数本のバイアス印加用配線と前記複数の画素
    電極との接続を個々にオン、オフさせることによりバイ
    アス印加を個々に切り換える複数のスイッチ素子とが形
    成されている請求項1記載の光電陰極。
  15. 【請求項15】 前記半導体基板上には前記の複数スイ
    ッチ素子を個々にオン、オフさせる切換回路と、前記複
    数のスイッチ素子の個々の制御端子に前記切換回路の複
    数の出力端子を個々に接続する複数本の切換用配線とが
    形成されている請求項14記載の光電陰極。
  16. 【請求項16】 前記スイッチ素子はトランジスタであ
    り、前記切換回路は前記トランジスタのゲート端子に出
    力端子が接続されたシフトレジスタである請求項15記
    載の光電陰極。
  17. 【請求項17】 前記複数の画素電極は、m行n列
    (m,nは2以上の整数)で二次元のマトリクス状に配
    置され、 前記複数のスイッチ素子は、前記m行n列の画素電極そ
    れぞれに対応して設けられ各行ごとに並列接続されたm
    xn個の第1のスイッチと、各行のそれぞれn個の前記
    第1のスイッチと行ごとに直列接続されたm個の第2の
    スイッチとを含み、 前記切換回路は、前記画素電極の行ごとに対応して設け
    られ、各行それぞれn個の前記第1のスイッチの前記制
    御端子にn個の出力端子がそれぞれ接続されたm個の第
    1のシフトレジスタと、m個の前記第2のスイッチの前
    記制御端子にm個の出力端子がそれぞれ接続された第2
    のシフトレジスタとを含む請求項15記載の光電陰極。
  18. 【請求項18】 真空容器と、 この真空容器の内部に配設された光電陰極と、 前記真空容器の内部に配設され前記光電陰極から放出さ
    れた光電子を受容する陽極とを備え、 前記光電陰極は、入射光子によって内部に光電子を励起
    させる光電変換層を含み、この光電変換層の内部で生成
    されて加速された前記光電子を光電子放出面から外部に
    放出させる半導体層と、前記光電子放出面の前記半導体
    層上に形成された表面電極と、前記光電子放出面の反対
    面の前記半導体層上に前記表面電極と対向して形成され
    た裏面電極とを有し、前記表面電極は分割されて複数の
    画素電極を成すと共に相互に電気的に絶縁され、前記複
    数の画素電極は前記裏面電極に比べて正のバイアス電位
    を独立に印加する複数のバイアス印加用配線にそれぞれ
    接続され、 更に、前記真空容器の内部には、前記複数本のバイアス
    印加用配線と前記複数の画素電極との接続を個々にオ
    ン、オフさせることによりバイアス印加を個々に切り換
    える複数のスイッチ素子と、前記複数スイッチ素子を個
    々にオン、オフさせる切換回路と、前記複数のスイッチ
    素子の個々の制御端子に前記切換回路の複数の出力端子
    を個々に接続する複数本の切換用配線とを有する切換制
    御手段が設けられ、 前記真空容器から外部に導出された複数本のステムピン
    のうち、少なくとも1本は前記裏面電極に、少なくとも
    1本は前記バイアス印加用配線に、少なくとも2本は前
    記切換回路の入力端子に、少なくとも1本は前記陽極に
    接続されていることを特徴とする光電管。
  19. 【請求項19】 前記光電変換層は半導体基板に構成さ
    れ、前記切換制御手段は前記半導体基板上に形成されて
    いる請求項18記載の光電管。
  20. 【請求項20】 前記真空容器の内部には、前記光電陰
    極から放出された光電子を二次元電子増倍する電子増倍
    手段を更に有する請求項18記載の光電管。
  21. 【請求項21】 真空容器の内部に光電陰極と陽極とを
    有する光電管と、 前記光電陰極および前記陽極に電位を印加する電源と、 タイミング制御手段と、 メモリ手段とを備え、 前記光電陰極は、入射光子によって内部に光電子を励起
    させる光電変換層を含み、この光電変換層の内部で生成
    されて加速された前記光電子を光電子放出面から外部に
    放出させる半導体層と、前記光電子放出面の前記半導体
    層上に形成された表面電極と、前記光電子放出面の反対
    面の前記半導体層上に前記表面電極と対向して形成され
    た裏面電極とを有し、前記表面電極は分割されて複数の
    画素電極を成すと共に相互に電気的に絶縁され、前記複
    数の画素電極は前記裏面電極に比べて正のバイアス電位
    を独立に印加する複数のバイアス印加用配線にそれぞれ
    接続され、 更に、前記真空容器の内部には、前記複数本のバイアス
    印加用配線と前記複数の画素電極との接続を個々にオ
    ン、オフさせることによりバイアス印加を個々に切り換
    える複数のスイッチ素子と、前記複数のスイッチ素子を
    個々にオン、オフさせる切換回路と、前記複数のスイッ
    チ素子の個々の制御端子に前記切換回路の複数の出力端
    子を個々に接続する複数本の切換用配線とが設けられ、 前記タイミング制御手段は、起動信号が与えられると連
    続的にタイミングパルスを前記切換回路に印加し、前記
    切換回路は前記タイミングパルスに応答して前記複数の
    スイッチ素子のオン、オフを順次に切換え、 前記メモリ手段は前記起動信号が与えられると記憶動作
    を開始し、前記タイミングパルスにもとづいて順次に光
    電子放出可能状態となった前記画素電極の位置に対応さ
    せて前記陽極の出力を記憶することを特徴とする光検出
    装置。
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