JP4521153B2 - 紫外線検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば燃焼炉内の火炎から発生する紫外線を正確に且つ効率良く検出するための紫外線検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃焼炉においては、所望の温度を達成し維持するために空気或いは燃料の供給量を調整する温度制御が行われているが、その一方で、有害な酸化窒素(NO)や一酸化炭素(CO)等の発生を抑えると共に燃焼効率を高めることが要請されている。そこで、空燃比(空気と燃料との混合割合を示す比率)を検出し、それに基づいて燃焼を制御することが考えられている。そのための手段として、火炎から出る可視光を受光するカメラとこれで得られた画像から空燃比を算出する画像処理装置とを含む火炎内空燃比分布の画像計測検出装置が提案されている。
【0003】
一方、上記の要請に応えるため、炉壁の温度が高く(600℃〜900℃)運用されることが多くなってきた。そのような高温では、炉内の火炎だけでなく炉壁からも可視光が放射されるので、上記のように可視光に基づく計測検出装置では、空燃比を正しく測定することができない。そこで、火炎から放射される、可視光よりも波長が短い(400nmより短い)領域の紫外線を検出し、それに基づいて空燃比を計測することが考えられる。そのため紫外線を検出する手段としては、放電管型、光電管型或いはガイガーミュラー型の紫外線検出器(以下では、これらを「放電管型」と称する)の紫外線検出器と半導体型の紫外線検出器が知られているが、上記のような火炎から出る紫外線は比較的弱いため、感度の低い半導体型の紫外線検出器では対応できず、高感度の放電管型紫外線検出器を用いる必要がある。
【0004】
従来の放電管型紫外線検出器は、紫外線が透過し得る放電管の中に1対の電極(陽極と陰極)を設置すると共に放電管内にイオン化可能なガス(ペニングガス)を充填して構成されている。ペニングガスとしては、ネオン―水素、ヘリウム―水素、或いはネオン―アルゴン―水素の混合ガスが用いられる。そして、1対の電極の間に300ボルト程度の電圧が印加されたとき、紫外線を検出できる状態(オン状態)となり、紫外線が陰極に当ると放電状態になる。
【0005】
これによって検出される火炎からの紫外線のスペクトル分布では、火炎中のNO、OH、CH等の各成分に対応した波形が表われるが、それらの波形が表れる波長領域が検出可能かどうかは、放電管内の電極の材質による。すなわち、この種の放電管に用いられる電極の材料は、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、鉄(Fe)、金(Au)、銀(Ag)、タンタル(Ta)、炭素(C)等であるが、陰極(カソード)がどの材料で作られているかによって、検出可能な波長領域が決められる。
【0006】
このような放電管型の紫外線検出器は、その電極の材質によって検出可能な紫外線の領域が限定されるものの、紫外線の有無は検知できるので、燃焼炉内の火炎を監視するための手段として用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年の燃焼炉に対する要請に応じるためには、火炎中のNO、OH、CH等の成分を正しく検出する必要があり、火炎から放射された紫外線を検出する手段として従来の放電管型紫外線検出器を用いるならば、次のような問題点が生ずる。
【0008】
まず、火炎中のNO、OH、CH等の各成分が表われる波長領域で検出するためには、上記のように電極の材料によって検出可能な紫外線領域が決められている検出器をそれらの成分を含む波長領域毎に、従って複数種類、用意しなければならない。そして、それら検出可能な波長領域の異なる複数個の放電管型紫外線検出器は、炉内の火炎から放射される紫外線を同じ条件で検出できるように定めた場所に密接して配置することが要求され、それらの配置のスペースを必要とする。
【0009】
また、複数個の放電管型紫外線検出器を密接して配置すると、一の検出器が紫外線の入射によって放電を生じたとき、その放電に伴って電磁場が生じると共に当該検出器それ自体からも紫外線が発生する。それらの電磁場及び紫外線により、隣接する検出器が悪影響を受けることがあり、火炎からの紫外線について正確な検出が困難になる。
【0010】
上記のように隣接する検出器同士で互いに悪影響を及ぼし合うのを防止するため、各検出器には炉内の火炎からの紫外線のみが入射するように、放電管の壁面に可視光や紫外線の反射を阻止する処理を施したり、電磁気的な遮蔽(シールド)を強化することが考えられる。しかし、そのような処理やシールドで、隣接する検出器同士で悪影響を完全に除去しようとすると、炉内の火炎検出部の全体が大型化せざるを得ない。
【0011】
本発明は、上記のように検出可能な波長領域が異なる複数種類の放電管型紫外線検出器を用いて火炎からの紫外線を検出する場合、隣接する検出器同士で検出時に悪影響を及ぼし合うことがなく、比較的小型に構成できる紫外線検出装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様は、紫外線が透過し得る放電管の中に陽極及び陰極を設置すると共に該放電管内にイオン化可能なガスを充填して構成した紫外線検出器であって陰極の材質が互いに異なる複数の紫外線検出器を紫外線の入射側から陽極、陰極の順となるように配置するとともに、複数の紫外線検出器を、各紫外線検出器の電極に所定の電圧を供給するとき、隣接する紫外線検出器には各検出器に供給する時間が互いに重ならないように時間をずらして当該電圧を印加するスイッチ回路を介して並列に接続して構成したことを特徴とする。
【0013】
この態様の紫外線検出装置においては、複数の紫外線検出器の電極には、どの検出器にも電圧を供給しない時間をとって所定の電圧を順番に印加することが好適である。
【0014】
本発明のもう1つの態様は、紫外線が透過し得る放電管と、該放電管の中に封入されたイオン化可能ガスと、該放電管の内部に設置された1つの陽極及びこれに対向するように配置された複数の異なる材料から成る陰極を、前記陽極と前記陰極との間に所定の電圧を印加する電圧供給回路に対し並列に接続して構成した電極部とを備え、前記電圧供給回路は、複数の陰極のうち少なくとも隣接する陰極同士では同時でなく時間をずらして電圧を印加することを特徴とする。
【0015】
この態様の紫外線検出装置においては、電圧供給回路から電極部に供給される電圧の印加時間を可変にすることが好ましい。
【0016】
【作用及び効果】
第1の態様によれば、陰極の材質が互いに異なる複数の紫外線検出器に対し、隣接する紫外線検出器では各検出器に供給する時間が互いに重ならないように時間をずらして、所定の電圧を印加するようにしたので、隣接する検出器同士で放電時に悪影響を及ぼし合うことがなく、また、電磁気的な遮蔽その他の付加的な構造が不要であるから、全体が比較的小型に構成できる。
【0017】
もう1つの態様によれば、1つの放電管の中で1つの(共通)陽極と複数の異なる材料から成る陰極とで電極部を構成し、隣接する陰極同士では印加時間が互いに重ならないように時間をずらして所定の電圧を印加するようにしたので、第1の態様と同様に、隣接する陰極同士で放電時に悪影響を及ぼし合うことがなく、また、電磁気的な遮蔽その他の付加的な構造が不要であることに加えて、複数種類の検出器を一体化して1つの放電管で複数の紫外線検出領域をカバーするようにしたことで、全体がより小型に形成されると共に、単体の装置であるから取扱いも便利である。
【0018】
本発明によれば、上記のどの態様であっても、燃焼火炎から放射される紫外線を検出することで空燃比を算定し、火炎の状態が正常か異常かを判定することができる。従って、焼入れ等に用いられる燃焼炉の状態診断や各種施設における火災検知など、種々の用途に適した紫外線検出装置が提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1実施例の紫外線検出装置の構成を示す。この検出装置は、複数(図示の場合、3個)の放電管型紫外線検出器1,2,3を紫外線の入射側に向けて配置して構成されている。
【0020】
各紫外線検出器1,2,3は、紫外線透過ガラスで作られた放電管10の中に1対の電極(陽極11と陰極12)を所定の間隔をとって平行に設置すると共に放電管10内にイオン化可能なガス(ペニングガス)を充填している構成は共通であるが、各検出器の陰極(カソード)12は互いに異なる材料(図示の場合、W、Cu、Ag)で作られている。
【0021】
なお、陽極(アノード)11は、網目状の金属材料(例えば、Mo、Ni、又はW)で作られている。アノード11を網目状にすることにより、紫外線は放電管10の上端から内部に入り、カソード12に当る。このタイプの紫外線検出器は、前述のように、1対の電極の間に300ボルト程度の電圧が印加された状態(オン状態)で紫外線が陰極に当ると放電状態になる。それによって生じた電流を検出することにより、紫外線を計測できる。
【0022】
図1の各紫外線検出器1,2,3において、1対の電極、すなわちアノード11とカソード12は、それぞれに接続した金属製の棒状支持部材13と14によって、放電管10の内側上部に平行に近接した関係で支持されている。
【0023】
各紫外線検出器1,2,3は、例えば図2に示す駆動回路によって駆動される。この駆動回路は、上記のように異なる材料で作られたカソード12を有する各紫外線検出器1,2,3を順次オン状態に駆動するように構成されている。各検出器は、オン状態で紫外線を受けることによって放電状態となり、アノード11からカソード12へのパルス電流を生ずる。
【0024】
図2の回路は、変圧器20の二次側に接続したコンデンサ21とダイオード22、及び抵抗23とコンデンサ24との並列回路を含む電圧回路の出力側に、上記紫外線検出器1,2,3を並列に、そして各々のカソード12側に設けたスイッチ回路25を介して、抵抗23とコンデンサ24との並列回路を接続して構成されている。
【0025】
スイッチ回路25は、後述のように、紫外線検出器1,2,3の順番に所定の電圧を、或いは状況により電圧を変えて(例えば、火炎からの紫外線の量が多いときは電圧を下げて)、所定時間(例えば、数十マイクロ秒〜数十ミリ秒)ずつ周期的に(交流又は矩形の波形で)印加するため、例えば、各紫外線検出器1,2,3のカソード側の端子に所定時間間隔で順次接続するように切り替えられる可動接点28を有する機械的な切替手段でもよい。
【0026】
図2の回路において、変圧器20の二次巻線の下側端子が+であるとき、電流は、この下側端子から抵抗23及びダイオード22を経て、コンデンサ21を図示の極性に充電するように流れる。変圧器20の二次側電圧は、交流の次の半サイクルにおいて、コンデンサ21の電圧に加えられ、スイッチ回路25の可動接点28と接続した紫外線検出器のアノード11に正電圧を印加する。
【0027】
図示の例では、二次電圧は136V、コンデンサ21は 4μF、抵抗23は5100Ω、コンデンサ24は10μFに、それぞれ設定され、コンデンサ21の電圧は110Vである。
【0028】
変圧器20へ交流電圧が印加された状態で、紫外線が存在しなければ、スイッチ回路25の可動接点28が接続した検出器1,2又は3のインピーダンスは極めて高くなり、最初ダイオード22を経て電流が流れ、初めの半サイクル中、コンデンサ21を充電する。次の半サイクルにおいては、この回路には殆ど或いは全く電流が流れない。再び電圧が反転すると、ダイオード22には単に漏洩電流だけが流れ、コンデンサ21を充電状態に維持する。この漏洩電流は、出力電流を生ずるには不充分である。
【0029】
紫外線が存在すると、上記検出器は、変圧器20に加えられた交流の半サイクルの間導電し、コンデンサ21はその検出器、及び抵抗26とコンデンサ27の並列回路を経て放電する。変圧器20に極性が反転した次の半サイクルが現れると、コンデンサ21はダイオード22を経て再充電される。
【0030】
上記検出器が導通状態を持続しているならば、コンデンサ21は充電と放電を交互に行い、1つおきの半サイクル毎にダイオード22を通る電流が生ずる。そのため、これに直列に持続された抵抗23に電圧降下を生じ、この電圧降下がコンデンサ24を充電し、その両端に電圧を生ずる。この時間中、コンデンサ27の両端の電圧は極めて小である。検出器に短絡が起これば、そのインピーダンスが極めて小となるので、コンデンサ21は、これと並列に接続したダイオード29を経て、比較的高い電圧まで充電されることになる。即ち、コンデンサ21の極めて高い充電電圧が、1つおきの半サイクル毎にダイオード22に逆バイアスを与えてその導通度を低下させる。従って、抵抗23を流れる電流は極めて少なくなるか或いはゼロになるので、コンデンサ24の電荷量が低下し或いは無電荷になる。コンデンサ24が無電荷状態になれば、その両端電圧はゼロになる。
【0031】
紫外線が入射される限り、半サイクルにおいて検出器はオフ状態になってコンデンサ21が充電され、次の半サイクルにおいては検出器がオン状態となってコンデンサ21から電荷が放電される。
【0032】
なお、抵抗26とコンデンサ27との並列回路及びダイオード29により、短絡保護手段が構成されている。
【0033】
図2のスイッチ回路25により、例えば、カソード12がW、Cu、Agで作られている紫外線検出器1,2,3の順番に、各放電管内の1対の電極に所定の電圧を一定時間ずつ印加することにより、図3に示すように、各紫外線検出器1,2,3は順次ON(動作)状態となり、それぞれ検出可能な波長領域の紫外線を検出することができる。具体的には、各紫外線検出器1,2,3のアノードとカソードにそれぞれ接続した1対の端子に、図3に示したような交流電圧を印加した状態で、紫外線がカソードに当ると、当該交流電圧の略半サイクル毎に放電が行われる。この放電により、図示のような信号電流が得られる。このとき、端子電圧は破線で示すようになる。
【0034】
なお、カソードの材質が異なる複数の紫外線検出器に供給する電圧の印加時間(ON状態)は、図3のように、紫外線検出器同士で互いに重ならず、かつ、1つの検出器のONの後どの検出器もONでない(OFF)状態をとってから別の検出器をON状態にすることが好ましい。
【0035】
図4は、本発明の検出対象である火炎中のNO,OH,CH等の成分が表れる波長領域の発光スペクトル(波長特性)を示す。これは、バーナー上のアセチレン−酸化二窒素(NO)火炎の例である。図示のように、波長が凡そ260(nm)以下の領域ではNO、凡そ260〜310(nm)の領域ではOH、凡そ310〜400(nm)の領域ではCH及びCN等の成分が、それぞれ強く表れる。
【0036】
一方、上記のような放電管型検出器の電極の種類(材料)に応じて、仕事関数(Φ)と波長は次のように分類される。
【0037】
Φ1 = 4.52eV(W),4.61〜5.24eV(Ni),4.2eV(Mo)
波長= 270 ,270〜236 ,294(nm)
Φ2 = 3.85〜4.38eV(Cu),4.04〜4.77eV(Fe),4.0〜4.58eV(Au),4.07〜4.19eV(Ta),4.39eV(C)
波長= 320〜280 ,306〜260 ,309〜270 ,303〜295 ,281(nm)
Φ3 = 3.08〜3.56eV(Ag),2.98〜4.43eV(Al),2.24eV(Ca)
波長= 400〜347 ,414〜279 , 551(nm)
従って、図4の発光スペクトルにおいて、
火炎中のNOに関しては、200〜250nmの波長領域で検出するため、仕事関数Φ1の電極で、出力は F1=f1(Φ1).
火炎中のOHに関しては、260〜310nmの波長領域で検出するため、仕事関数Φ2の電極で、出力は F2=f2(Φ2)−k1・F1.[k1は補正係数]
火炎中のCHに関しては、314〜390nmの波長領域で検出するため、仕事関数Φ3の電極で、出力は F3=f3(Φ3)−k2・F2−k3・F1.[k2,k3は補正係数]
以上から、電極材料に応じた仕事関数Φ1は主にNO基を捉え、仕事関数Φ2はOHとNOを捉え、仕事関数Φ3はNO、OH、CH、CN、Cなどを捉えるものといえる。
【0038】
従って、上記実施例のように、各々のカソードが異なる材料(例えば、W、Cu、Ag)で作られた複数の紫外線検出器で紫外線を検出することにより、それらの材料に応じた波長領域の発光スペクトルを得て、火炎中のNOやCH等の成分の量(それらの強度比)を算出できる。
【0039】
一方、燃焼による発光強度と空気比は、図5に示すような一定の関係を有する。これは、例えば天然ガスを燃料として、空気を供給し燃焼させたときに発生するCH(メタン)と空気の混合気体におけるNO、OH及びCH基のスペクトル強度(比)と当量比(空気比の逆数)との関係を表わしている。ここで、空気比とは、燃料を完全燃焼させるのに最低限必要な空気(つまり酸素)の量(これを1とする)であり、理論上はこれが必要な空気量であるが、実際には燃料に対して空気が充分混合しないことがあり、また前述のように、より高温で燃焼させるため、空気が多めに供給される。すなわち、目標値とする空気比は1より高く設定される。そして、燃焼時には、空気比が目標値をとるように空気又は燃料の供給量を制御するため、実際の空気比を検知することが必要である。
【0040】
従って、本発明の紫外線検出装置により、上記のように火炎中のNOやCHの発光強度比が算出されるので、その算出結果から上記の関係に基づいて空気比が得られる。
【0041】
次に、他の実施例について説明する。
【0042】
図6は、図1に示した複数の紫外線検出器で構成される検出装置において、カソード12がCu,Agで作られた紫外線検出器2,3の入光部(図1の各放電管10の上端面)の前に、所定の波長から長い方の紫外線のみを通すローパスフィルタ又はバンドパスフィルタ(以下では「ローパスフィルタ」を用いた場合で説明する)15を設けたものを示す。
【0043】
この構成によれば、図7に示すように、紫外線検出器2,3で検出される波長領域は、それぞれ所定の波長(例えば、Cuの場合は250nm、Agの場合は280nm)以下の部分がカットされる。これにより、短波長側の紫外線領域では、カソード12がWで作られた紫外線検出器1のみが検出すると共に、それより大きい波長領域では、ローパスフィルタ15を設けた紫外線検出器2,3が検出するというように、各検出器の特性に応じて区分された紫外線領域での検出が可能となる。一方、NO、OH、CH等の成分のスペクトルは、上記のように区分された領域毎に分かれて表れるので、それらの成分を各領域に対応した検出器で確実に検出できる。すなわち、このような分光によって、紫外線検出装置の検出ないし分析の精度が向上するという効果が得られる。
【0044】
図8は、本発明の第2実施例の紫外線検出装置を示す。この検出装置は、紫外線透過ガラスで作られた放電管30の中にイオン化可能なガス(ペニングガス)を充填している点は第1実施例と共通であるが、放電管30の内部に設置された網目状の金属材料から成る1つの陽極(アノード)31と対向するように複数(この場合も3個)の異なる材料から成る陰極(カソード)32を配置して1つの放電管型検出器を形成している点が、第1実施例と異なる。
【0045】
3個の陰極32はW、Cu、Agで作られており、電極部を構成する1つの共通陽極31と各陰極32との間には、例えば図2の駆動回路で構成される電圧供給回路(図示省略)によって、隣接する陰極32同士は同時でなく時間をずらして電圧が印加される。
【0046】
また、図6に示したものと同様の目的で、放電管30の上端面には、その内部のCu,Agで作られたカソード32と対応する位置にそれぞれ所定の波長から長い方の紫外線のみを通すローパスフィルタ15が配置されている。
【0047】
上記実施例の紫外線検出装置は、燃焼炉内の火炎に限らず、火を使う調理場や炊事場での炎の異常検知、自動車のエンジンにおける点火の炎の状態検出、或いは火災を未然に防ぐための火炎検知等にも、好適に用いることができる。
【0048】
例えば、火災防止用としては、赤外線ストーブを使用し或いは溶接を行うような作業場においては、ストーブや溶接個所から相当量の光が出るので、通常の光検出器では誤検出が生じるが、上記の紫外線検出装置によれば、それらの光ではなく、火災に発展し得る火焔から出る紫外線を検出するので、火災の原因となる火炎の発生を早期に発見することができる。
【0049】
図9は、火災の予防に上記実施例の紫外線検出装置を用いた場合の火炎検知方法の例を示すフローチャートである。この方法は、上記第1実施例又は第2実施例において紫外線が入射されたときに放電する3種類のカソード(W、Cu、Agで作られている)によって生ずる信号電流をコンピュータその他の処理装置で処理することによって実施される。
【0050】
具体的には、図9において、初めに、W、Cu、Agのいずれかで作られたカソードを持つ検出器が紫外線を検出したかどうかによって火炎か火炎でないかを判定する。すなわち、ST1においてW製のカソードで検出したかどうかをチェックし、“Yes”であれば、その信号量(紫外線の量)を計測し(ST2)、次のST3においてCu製のカソードで検出したかどうかをチェックし、これも“Yes”であれば、その信号量(紫外線の量)を計測し(ST4)、次のST5においてAg製のカソードで検出したかどうかをチェックし、これも“Yes”であれば、その信号量(紫外線の量)を計測する(ST6)。以上の場合は、いずれの検出器でも紫外線を検出したのであるから、火炎と判定する(ST7)。そして、各検出器で検出し計測した信号量に基づいて、前述の「空気比」を算出する演算を行い(ST8)、得られた空気比が設定値内にあるか否かを判定し(ST9)、“Yes”であれば適正な火炎と判断して初めの待機状態に戻る。一方、得られた空気比が設定値内にないときは、異常と判断して警報を出す(ST10)。また、上記検出器のいずれにおいても紫外線を検出しなければ、火炎でないと判定して(ST11)、初めの待機状態に戻る。
【0051】
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限らず、電極の材料によって検出可能な領域が異なる放電管型検出器を用いて任意の構成をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の紫外線検出装置を示す図。
【図2】図1の実施例において3つの紫外線検出器に対して所定の電圧を印加することで紫外線を検出するための駆動回路の一例を示す図。
【図3】図1の3個の紫外線検出器が順次ON状態になることで紫外線を検出する動作を示す図。
【図4】検出対象の火炎中のNO,OH,CH等の成分が表れる波長領域の発光スペクトルを示す図。
【図5】燃焼によって発生する成分の発光強度と空気比との相関関係を示すグラフ。
【図6】図1に示した3個の紫外線検出器のうちカソードがCu,Agで作られた検出器の入光部の前にローパスフィルタを設けた場合の構成を示す図。
【図7】図6のローパスフィルタを設けた検出器によって検出される紫外線の波長領域の変化を示す図。
【図8】本発明の第2実施例の紫外線検出装置を示す図。
【図9】実施例の紫外線検出装置を用いた火炎検出処理の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1,2,3…紫外線検出器、10…放電管、11…陽極、12…陰極、13,14…電極支持部材、15…ローパスフィルタ、30…放電管、31…陽極、32…陰極。

Claims (3)

  1. 紫外線が透過し得る放電管の中に陽極及び陰極を設置すると共に該放電管内にイオン化可能なガスを充填して構成した紫外線検出器であって前記陰極の材質が互いに異なる複数の紫外線検出器を紫外線の入射側から陽極、陰極の順となるように配置するとともに、前記複数の紫外線検出器を、各紫外線検出器の電極に所定の電圧を供給するとき、隣接する紫外線検出器には各検出器に供給する時間が互いに重ならないように時間をずらして当該電圧を印加するスイッチ回路を介して並列に接続して構成したことを特徴とする紫外線検出装置。
  2. 請求項1記載の紫外線検出装置において、前記複数の紫外線検出器の電極には、どの検出器にも電圧を供給しない時間をとって前記所定の電圧を順番に印加することを特徴とする紫外線検出装置。
  3. 紫外線が透過し得る放電管と、該放電管の中に封入されたイオン化可能ガスと、該放電管の内部に設置された1つの陽極及びこれに対向するように配置された複数の異なる材料から成る陰極を、前記陽極と前記陰極との間に所定の電圧を印加する電圧供給回路に対し並列に接続して構成した電極部とを備え、前記電圧供給回路は、前記複数の陰極のうち少なくとも隣接する陰極同士では印加時間が互いに重ならないように時間をずらして前記電圧を印加することを特徴とする紫外線検出装置。
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