JP2650793B2 - 誘導飛翔体 - Google Patents

誘導飛翔体

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JP2650793B2
JP2650793B2 JP3023034A JP2303491A JP2650793B2 JP 2650793 B2 JP2650793 B2 JP 2650793B2 JP 3023034 A JP3023034 A JP 3023034A JP 2303491 A JP2303491 A JP 2303491A JP 2650793 B2 JP2650793 B2 JP 2650793B2
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徳之 前島
勝生 水崎
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Mitsubishi Precision Co Ltd
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Mitsubishi Electric Corp
Mitsubishi Precision Co Ltd
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  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
  • Aiming, Guidance, Guns With A Light Source, Armor, Camouflage, And Targets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘導飛翔体に係り、特
に、目標物体に近接した時に弾頭の弾薬の点火作動を指
令する近接信管装置と、目標物体の捕捉および追尾を制
御する目標誘導装置と、飛翔を制御する操舵装置を搭載
した誘導飛翔体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の飛翔体用近接信管装置の一例とし
て、例えば実公昭62−3741号公報に示されるよう
に、電波による投射ビームに侵入した目標物体からの反
射波を受信し、その反射波信号を復調検波し、目標物体
との相対速度差に相当するドプラ周波数成分を検出して
起爆の点火タイミング信号を送出するようにした技術が
知られている。
【0003】また他の一例として、例えば特開昭59−
150299号公報に示されるように、電波高度計を備
えて地表面(海面または地上面)からの反射波の影響を
軽減し、それによって目標物体の識別の精度を改善する
ようにした技術が知られている。さらに他の一例とし
て、例えば特開昭63−247600号公報に示される
ように、送信出力を多周波数にパルス変調する一方で、
受信信号を帯域通過フィルタとゲート回路を用いて限定
入力し、それによって近傍距離からの反射波の受信信号
のみを検出し、それより遠い距離の地表面からの反射波
については時間軸上および周波数軸上で除去するように
した技術が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】目標物体との相対速度
差に相当するドプラ周波数成分を利用する方式では、投
射ビームは飛翔体の全周囲方向に常時放射されており、
また送信出力が単一周波数であるため、相手側に電波を
出していることが発見され易く、また妨害波に対して影
響を受け易く、さらには目標物体の存在方向を正確に検
出できないという欠点がある。
【0005】また、低高度飛翔時に地表面からの反射波
に起因して目標物体の識別を正確に行えず、そのために
誤動作したり、あるいは受信系が「飽和」状態になって
しまうという問題もある。これに対し、電波高度計を利
用する方式では、電波高度計の具備により目標物体の識
別精度を高めることができるという利点があるが、その
反面、装置の構成が複雑化し、形状および寸法が大きく
なるという欠点がある。
【0006】また、近傍距離からの反射波の受信信号の
みを検出する方式では、帯域通過フィルタとゲート回路
により回路定数が限定され、固定化されるという不都合
がある。そのため、設定した距離内で地表面からの反射
波が受信された場合、帯域通過フィルタとゲート回路の
各回路定数を距離に応じて変えることができないために
目標物体の識別が困難になるという欠点がある。また、
近接信管装置の有効検出距離に依存して、地表面からの
反射波の影響を除去できる範囲が限定されるという問題
もある。これは、装置の誤動作にもつながるので、好ま
しくない。
【0007】本発明は、かかる従来技術における課題に
鑑み創作されたもので、低空飛翔時でも誤動作を招くこ
となく目標物体の存在方向を正確に検出し、ひいては目
標物体に対し最適なタイミングで弾頭の弾片を正確に集
中させると共に、相手側からの発見を困難にし、低空誘
導の機能向上を図ることができる誘導飛翔体を提供する
ことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明によれば、目標物体に近接した時に弾頭の弾
薬の点火作動を指令する近接信管装置と、前記目標物体
の捕捉および追尾を制御する目標誘導装置と、飛翔を制
御する操舵装置を搭載した誘導飛翔体において、前記近
接信管装置が、前記飛翔体の機軸を中心として全周囲方
向に分割された少なくとも4象限の各象限毎に該飛翔体
の前方向に向けて所定の設定角度で電波ビームをコーン
状に投射し、該投射ビームに対する前記目標物体からの
反射波を検出して各象限毎に信号強度に応じた検出信号
を出力する電波目標検出器と、該出力された検出信号を
それぞれ隣り合う象限信号レベルと比較して前記目標物
体の存在象限を判定する回路と、該判定された存在象限
の情報と前記目標誘導装置から出力される目標物体との
間の相対速度に関する情報に基づき前記弾頭の弾薬の点
火作動を指令する手段と、前記電波ビームによる地表面
からの反射波に基づく制御情報と前記目標誘導装置から
出力される飛翔体の姿勢角に関する情報に基づき地表面
との間の距離に関する情報を出力する回路と、前記目標
誘導装置から出力される目標物体の存在方向に関する情
報に基づき当該目標物体の到来象限方向を指示する情報
を出力する回路とを具備し、前記地表面との間の距離に
関する情報に基づき前記操舵装置を制御すると共に、前
記目標物体の到来象限方向を指示する情報に基づき前記
電波目標検出器に対して当該目標物体の存在方向に対応
する象限系統のみ作動させるよう制御するようにしたこ
とを特徴とする誘導飛翔体が提供される。
【0009】また、上記電波目標検出器から出力される
制御信号に応答して前記電波ビームによる地表面からの
反射波に基づく制御情報を生成するクラッタ制御器を更
に具備し、該制御情報に基づいて電波目標検出器に対し
検出象限範囲を制御するように構成してもよい。
【0010】
【作用】上述した構成によれば、電波目標検出器からの
投射ビームに侵入する目標物体からの反射波の検出に基
づいて当該目標物体の存在象限を判定し、その判定結果
と、目標誘導装置から出力される目標物体との間の相対
速度に関する情報とを用いて、弾頭の弾薬の点火作動を
指令するようになっている。そのため、目標物体の存在
方向を正確に検出し、ひいては目標物体に対し最適なタ
イミングで弾頭の弾片を正確に集中させることができ
る。
【0011】また、電波ビームによる地表面からの反射
波に基づく制御情報と目標誘導装置から出力される飛翔
体の姿勢角に関する情報に基づいて地表面との間の距離
に関する情報を生成し、この生成された情報を用いて操
舵装置を制御するようにしている。従って、地表面の状
態に応じた低空飛翔が可能となり、低空飛翔時でも誤動
作を招くことなく、目標物体の正確な検出とそれに基づ
く起爆の点火タイミング信号の適正な送出を行うことが
できる。これは、低空誘導の機能向上に寄与するもので
ある。
【0012】さらに、目標誘導装置から出力される目標
物体の存在方向に関する情報に基づいて当該目標物体の
到来象限方向を指示する情報を生成し、この生成された
情報を用いて、電波目標検出器に対し当該目標物体の存
在方向に対応する象限系統のみ作動させるよう制御が行
われるようになっている。そのため、作動させる必要の
ない象限系統(目標物体の存在しない方向に対応する象
限系統)からは投射ビームの放射が行われず、それによ
って自機の存在を相手側に発見され難くすることができ
る。
【0013】また、クラッタ制御器を備えている場合、
上記制御情報に基づき電波目標検出器に対して検出象限
範囲を制御することにより、電波ビームによる地表面か
らの反射波に起因する影響を抑制することが可能とな
る。なお、本発明の他の構成上の特徴および作用の詳細
については、添付図面を参照しつつ以下に記述される実
施例を用いて説明する。
【0014】
【実施例】図1に本発明の一実施例としての誘導飛翔体
に搭載された近接信管装置の構成が示される。本実施例
における近接信管装置10は、目標物体50の捕捉および追
尾を制御する目標誘導装置(例えばホーミング装置)20
および飛翔を制御する操舵装置30と共に、弾頭を装備し
た飛翔体40(図2、図7参照)に搭載されている。
【0015】近接信管装置10は、主な構成要素として、
電波目標検出器11、クラッタ制御器15、高度信号変換器
16および象限変換器17を具備し、目標誘導装置20からの
相対速度信号SVを用いて、侵入目標物体50に対し最適な
タイミングで弾頭の弾片を正確に集中および撃突させる
機能を有している。また、近接信管装置10は、地表面
(海面または地上面)からの反射波を抑圧すると共に、
図2に示されるような低高度飛翔時に、目標誘導装置20
から出力される飛翔体40の姿勢角の情報(姿勢角信号S
A) を用いて、地表面との間の距離に関する情報(高度
信号SHおよび地表面状態信号SS)を操舵装置30に出力す
る機能を有している。
【0016】なお、ここで使用する電波目標検出器11
は、飛翔体40の機軸を中心に全周囲方向に分割された少
なくとも4象限の内のいずれかの象限内に侵入してくる
目標物体50の存在方向を検知可能とするものである。こ
こでは、4象限に分割した場合の構成を例にとって説明
する。また、電波目標検出器11に関連して示される参照
符号AS1,AS2 およびAR1,AR2 は、それぞれ送信アンテナ
および受信アンテナを示す。
【0017】電波目標検出器11は、投射ビーム内に侵入
した目標物体50からの反射ビームを検知し、該検知した
ビームに対応する検出信号のレベルを所定のスレッショ
ルド・レベルと比較し、該比較に基づき象限検知ビーム
信号(電波検出信号E1〜E4)を電圧の形で信号比較器12
に送出する。また、目標検出器11は、目標物体50を検知
した一瞬の検知信号をトリガ・パルス信号SLとして象限
判定器13および起爆タイミング発生器14に送出する。こ
の技術については、例えば本件出願人による特願昭63
−176484号に教示されている。
【0018】信号比較器12は、一例として図3に示され
るように、通常用いられているコンパレータ回路により
構成され、隣合う象限検知ビームの出力信号レベルを比
較する。例えば、ビームとビームの信号レベルの比
較において、ビーム(またはビーム)の直流電圧の
方が高ければコンパレータ2の出力として "0"(また
は"1")の2値信号出力が象限判定器13に送られる。同様
にして、ビームとビームはコンパレータ1により、
ビームとビームはコンパレータ3により、ビーム
とビームはコンパレータ4により、それぞれ比較さ
れ、各々の2値信号出力は象限判定器13に送られる。
【0019】象限判定器13は、目標検出器11内の相関フ
ィルタ・モジュール(図示せず)からの目標物体反射信
号の出力トリガ・パルスをラッチ信号SLとして入力す
る。このラッチ信号は、象限検知ビームE1〜E4のいずれ
かのビームで目標物体50を検知した瞬間の検出信号をト
リガ・パルス信号SLとして発生させたものであり、信号
比較器12の各コンパレータからの2値信号出力を保持す
るのに用いられる。
【0020】図4に示されるように2値信号出力の保持
状態により、目標物体50の存在象限が判定される。例え
ば、象限<4>に目標物体50が存在すればコンパレータ
1と2の出力は "0"で、コンパレータ3と4の出力は "
1"となり、この状態を存在象限<4>と判定して起爆タ
イミング発生器14に送出する。表1に、各象限に対する
コンパレータ出力と存在象限の関係が示される。
【0021】
【表1】
【0022】起爆タイミング発生器14は、目標検出器11
からのトリガ・パルス信号SLを基準に目標誘導装置20か
らの相対速度信号SVを用いて、象限判定器13からの存在
象限信号を目標物体50に弾頭の弾片が確実に当たるよう
に制御し、目標物体存在方向の点火タイミング信号を弾
頭へ送出する。クラッタ制御器15の構成としては、例え
ば図5に示されるように、電波目標検出器11内の相関フ
ィルタ・モジュール11a からのクラッタ・ゲート信号CL
G を比較回路15a においてスレッショルド・レベルVth
と比較し、該スレッショルド・レベルより高い場合にそ
の信号を積分回路15b に出力し、積分を行う。この積分
回路15b の出力は、高度に対応したクラッタ抑圧信号電
圧CSとして、高度信号変換器16と電波目標検出器11内の
電圧制御発振器11b に送出される。
【0023】電圧制御発振器11b は、擬似ランダムコー
ド(PN)発生器(図示せず)のクロック速度を制御し
て飛翔体40の低高度における地表面(海面または地上
面)からの高度に対応した検知距離を変化させる。一
方、高度信号変換器16は、飛翔体40と海面または地上面
との間の距離(高度)を算出する。上述した相関フィル
タ・モジュール11a からのクラッタ・ゲート信号CLG
は、飛翔体40から最も遠い距離で相関出力が得られるよ
うになっている。つまり、飛翔体40が低高度で飛翔し且
つ地表面(海面または地上面)からの反射波が検知距離
有効範囲内(すなわち電圧制御発振器11b の制御範囲
内)に相当する電波の往復距離内で得られた時に、上記
相関出力が生成される。
【0024】電波目標検出器11内の電圧制御発振器11b
は、例えば図6に示されるような関係に従い、入力電圧
に対して発振周波数fL を制御する。飛翔体40が検知有
効距離に対し十分に高い高度で飛翔している時、相関フ
ィルタ・モジュール11a の出力電圧は小さく、積分回路
15b の出力は0Vを呈するため、電圧制御発振器11b
は、該出力に対応する周波数fL で信号を発生する。
【0025】ところが、飛翔体40が低高度で飛翔して相
関フィルタ・モジュール11a に出力が生じ、その出力レ
ベルが比較回路15a のスレッショルド・レベルVth を上
回るようになると、両者の差電圧が該比較回路から出力
されるようになる。この出力電圧は、積分回路15b で積
分された後、電圧制御発振器11b に入力される。この時
の電圧制御発振器11b の出力発振周波数fL は、図6に
示したように入力電圧の増大に対し漸次上昇する。
【0026】PN発生器(図示せず)は電圧制御発振器
11b により駆動されているので、周波数fL が上昇する
と、該PN発生器のクロック速度が早まり、1ビットの
周期が短くなると共に、それに相当する電波の往復距離
も短くなる。従って、電圧制御発振器11b とPN発生器
と相関フィルタ・モジュール11a とクラッタ制御器15に
より、地表面からの反射波を追尾するループを組むこと
により、追尾距離は飛翔体40の飛翔高度に応じて自動的
に変わることになる。つまり、クラッタ制御器15の出力
信号(クラッタ抑圧信号CS)は、距離に関する情報を含
むことになる。この追尾ループは飛翔体40の下方向の投
射ビームにより追尾させる。
【0027】なお、ここで用いるクラッタ抑圧信号CSは
クラッタ制御器15により発生させているが、これは、地
表面(海面または地上面)からの反射波と目標物体から
の反射波との分離可能な方式であって且つ検知有効距離
を変更できる方式の目標検出器であれば、その出力信号
で代用してもよい。高度信号変換器16は、クラッタ制御
器15からのクラッタ抑圧信号CSと目標誘導装置20から出
力される飛翔体の姿勢角信号SAに基づき、海面または地
上面までの高度を算出する。
【0028】図7に示されるように、クラッタ制御器15
からのクラッタ抑圧信号CSは、飛翔体40の前方に投射さ
れて海面または地上面から反射してきた受信信号であ
り、前述したように投射ビームの反射点までの距離を指
示している。従って、その距離信号CS(図7の距離Rに
相当)と飛翔体の姿勢角信号SA(同図の角度φおよびθ
に相当)を用いて、飛翔体40と海面または地上面との間
の距離(高度)を求め、高度信号SHとして操舵装置30へ
送出することができる。図示の例では、高度Hは以下の
式で表される。
【0029】H≒R×sin(θ+φ) また、高度信号変換器16は、算出した高度信号SHの偏差
に基づき地表面の状態(例えば海面の波高)を算出し、
飛翔時の地表面(この場合には海面)の状態を指示する
信号SSとして操舵装置30に送出することもできる。象限
変換器17は、目標誘導装置20からの目標方向指示信号、
すなわちアジマス角信号SAZおよびエレベーション角信
号SELを受けて、目標物体30の到来象限方向を指示する
信号(制御信号SQ)に変換し、該信号を電波目標検出器
11に送出する。これによって、電波目標検出器11内の目
標存在象限系統(目標物体の存在方向に対応する象限系
統)のみが作動するように制御がなされる。
【0030】目標方向指示信号は、図8に示されるよう
に飛翔体40の機軸を中心に後方から見て、アジマス角A
Z については右方向を正の電圧値、左方向を負の電圧値
とし、エレベーション角EL については上方向を正の電
圧値、下方向を負の電圧値として表される。また、アジ
マス角信号SAZおよびエレベーション角信号SELは、図
9および図10にそれぞれ示されるように角度に比例した
電圧値を有しており、各信号は象限変換器17に入力され
る。
【0031】表2に、目標方向指示信号の正負極性の組
み合わせと象限変換器出力信号との関係が示される。
【0032】
【表2】
【0033】表2に示されるように、アジマス角AZ
よびエレベーション角EL の信号の正負極性の組み合わ
せにより、目標物体50の存在する象限を指示する信号と
して象限制御信号SQ(本実施例では各象限<1>〜<4
>毎に4種類)が電波目標検出器11に送出される。目標
物体50が例えば図8に示されるように象限<1>と象限
<2>の近傍に存在する時、負のアジマス角(−AZ )
信号は、通常用いられているコンパレータ回路により、
図9に示すようにアジマス角の0°近辺に電圧しきい値
Vth1を設定し、それ以下の電圧値の場合には信号無しの
状態にする。この場合、表2に示されるようにアジマス
角(AZ ) 信号は電圧値無しの状態であり、エレベーシ
ョン角(EL )信号の負電圧信号のみで象限<1>と象
限<2>の制御信号SQが形成される。また、これより隣
合う象限境界近くに到来する目標物体50に対しては、そ
の境界を挟む両方の象限に対応する目標検出器11の象限
系統(つまり2系統)を作動させる。
【0034】なお、本実施例では目標誘導装置20から出
力されるアジマス角信号SAZおよびエレベーション角信
号SELを用いたが、目標誘導装置20から象限信号(<1
>〜<4>)が出力可能であれば、その象限信号を制御
信号として用いてもよい。電波目標検出器11は、象限変
換器17から出力された制御信号SQに基づき、侵入目標物
体50の検知に必要な象限系統のみを作動させて該目標物
体を検出し、他の象限系統に入力する妨害波等の不要な
信号を遮断させる。
【0035】上述した構成において、高度機能系統の下
方向への投射ビームの送信、クラッタ・ゲート・ループ
のクラッタ制御器15および高度信号変換器16は電源投入
後、常時作動させておき、上方向への投射ビームの送信
および4象限検出系統に対しては、上方向に目標物体50
が存在しない場合には前述の制御信号SQを用いて上方向
へのビームの送信を止めることにより、超低空飛翔時に
おいても相手側に発見され難くした高度計機能を有する
装置とすることができる。
【0036】以上のごとく構成された本実施例の誘導飛
翔体によれば、以下の利点が得られる。 (1) 4象限電波目標検出器11の目標検出有効範囲、すな
わち電波の往復距離を送信変調符号の発振周波数により
設定可能であるため、目標物体50の検出範囲を弾頭の有
効範囲と整合させることができる。また、変調符号を用
いることにより、目標物体50が飛翔体40から見てどの方
向に存在するか(象限判定)を正確に行うことが可能と
なる。
【0037】(2) 電波目標検出器11の投射ビームと目標
誘導装置20から出力される速度に関する情報(相対速度
信号SV) に基づき、飛翔体40の近傍を通過する目標物体
50の侵入象限検知信号を正確に送出させ、当該目標物体
に弾頭の弾片を最適なタイミングで集中撃突させるよう
に弾頭へ起爆タイミング信号を調節して送出している。
従って、弾頭の威力を最大限活用し、撃墜能力を向上さ
せることができる。
【0038】(3) 目標誘導装置20からの目標方向指示信
号を用いて目標検知象限方向(象限系統?)を制御し、
また目標物体存在象限以外の他の象限に対して妨害波を
避けることにより、誤動作を減少させることができると
共に、目標物体50を確実に検出することができる。ま
た、上方向投射ビームの送信を制御することにより、相
手側から発見され難くすることができる。
【0039】(4) 変調符号の発振周波数による電波の往
復距離を用いたクラッタ・ゲート信号CLG (に基づくク
ラッタ抑圧信号CS)により、海面および地上面からの反
射波を抑圧し、低高度での目標物体50の検知が可能とな
る。 (5) クラッタ抑圧信号CS(クラッタ・ゲート信号CLG の
投射ビーム距離情報)と飛翔体40の姿勢角に関する情報
(姿勢角信号SA) に基づき、低空飛翔時において象限制
御を行うことにより、妨害電波の影響を受けることなく
高度情報(高度信号SH)を操舵装置30に確実に送出する
ことができる。
【0040】従って、従来形に見られたような電波高度
計等の他の装置を設けることなく、地表面の状態(本実
施例では海面の状態)に応じて超低空飛翔が可能とな
り、相手側からの発見が困難になるという利点がある。
特に近年、対艦ミサイル等で相手側からの発見を避ける
ために可能な限り低空飛翔が行なえる装置が強く要望さ
れていることを考慮すると、この利点は極めて有用であ
る。
【0041】また、電波高度計が不要になると、その分
だけ飛翔体40の搭載容量が小さくなるので、等価的に飛
翔体40の推力を増大させることができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
波目標検出器の作用と目標誘導装置からの相対速度情報
に基づき目標物体の侵入象限を判定しているので、低空
飛翔時でも誤動作を招くことなく目標物体の存在方向を
正確に検出することができ、ひいては目標物体に対し最
適なタイミングで弾頭の弾片を正確に集中させることが
可能となる。
【0043】また、低空飛翔時に飛翔体の高度情報に基
づき操舵装置を制御しているので、地表面の状態に応じ
た低空飛翔が可能となり、ひいては低空誘導の機能向上
を図ることができる。さらに、目標物体の存在方向に対
応する象限系統のみが作動するように制御がなされてい
るので、他の象限系統からの投射ビームの無駄な放射を
抑制することができる。これは、自機の存在を相手側に
発見され難くすることに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての誘導飛翔体に搭載さ
れた近接信管装置の構成を示すブロック図である。
【図2】低高度飛翔時の様子を示す図である。
【図3】図1における信号比較器の一構成例を示す回路
図である。
【図4】図3の信号比較器の出力信号波形図である。
【図5】図1におけるクラッタ制御器の一構成例を示す
回路図である。
【図6】電波目標検出器の機能の一部を説明するための
グラフである。
【図7】高度信号変換器の作用を説明するための図であ
る。
【図8】目標方向指示信号の内容を説明するための図で
ある。
【図9】アジマス角信号に対する象限変換器の動作信号
レベルを表すグラフである。
【図10】エレベーション角信号に対する象限変換器の動
作信号レベルを表すグラフである。
【符号の説明】
10…近接信管装置 11…電波目標検出器 12…信号比較器 13…象限判定器 14…起爆タイミング発生器 15…クラッタ制御器 16…高度信号変換器 17…象限変換器 20…目標誘導装置 30…操舵装置 40…飛翔体 50…目標物体 E1〜E4…電波検出信号 SA…姿勢角信号 SV…相対速度信号 SH…高度信号 SS…地表面状態信号 CS…クラッタ抑圧信号 CLG …クラッタ・ゲート信号 SL…トリガ・パルス信号(ラッチ信号) SAZ、SEL…目標方向指示信号 SQ…目標物体の到来象限方向を指示する制御信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F42C 13/04 F42C 13/04 G01S 7/34 G01S 7/34 Z 13/08 13/08 // G05D 1/10 G05D 1/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目標物体(50)に近接した時に弾頭の弾薬
    の点火作動を指令する近接信管装置(10)と、前記目標物
    体の捕捉および追尾を制御する目標誘導装置(20)と、飛
    翔を制御する操舵装置(30)を搭載した誘導飛翔体におい
    て、 前記近接信管装置が、 前記飛翔体の機軸を中心として全周囲方向に分割された
    少なくとも4象限の各象限毎に該飛翔体の前方向に向け
    て所定の設定角度で電波ビームをコーン状に投射し、該
    投射ビームに対する前記目標物体からの反射波を検出し
    て各象限毎に信号強度に応じた検出信号(E1 〜E4) を出
    力する電波目標検出器(11)と、 該出力された検出信号をそれぞれ隣り合う象限信号レベ
    ルと比較して前記目標物体の存在象限を判定する回路(1
    2,13) と、 該判定された存在象限の情報と前記目標誘導装置から出
    力される目標物体との間の相対速度に関する情報(SV)に
    基づき前記弾頭の弾薬の点火作動を指令する手段(14)
    と、 前記電波ビームによる地表面からの反射波に基づく制御
    情報(CS)と前記目標誘導装置から出力される飛翔体の姿
    勢角に関する情報(SA)に基づき地表面との間の距離に関
    する情報(SH,SS) を出力する回路(16)と、 前記目標誘導装置から出力される目標物体の存在方向に
    関する情報(SAZ,SEL)に基づき当該目標物体の到来象限
    方向を指示する情報(SQ)を出力する回路(17)とを具備
    し、 前記地表面との間の距離に関する情報に基づき前記操舵
    装置を制御すると共に、前記目標物体の到来象限方向を
    指示する情報に基づき前記電波目標検出器に対して当該
    目標物体の存在方向に対応する象限系統のみ作動させる
    よう制御するようにしたことを特徴とする誘導飛翔体。
  2. 【請求項2】 前記電波目標検出器から出力される制御
    信号(CLG) に応答して前記電波ビームによる地表面から
    の反射波に基づく制御情報(CS)を生成するクラッタ制御
    器(15)を更に具備し、該制御情報に基づき前記電波目標
    検出器に対して検出象限範囲を制御し、それによって前
    記電波ビームによる地表面からの反射波に起因する影響
    を相殺するようにしたことを特徴とする請求項1に記載
    の誘導飛翔体。
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