JP2650497B2 - 試料表面観察装置 - Google Patents

試料表面観察装置

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JP2650497B2
JP2650497B2 JP3001431A JP143191A JP2650497B2 JP 2650497 B2 JP2650497 B2 JP 2650497B2 JP 3001431 A JP3001431 A JP 3001431A JP 143191 A JP143191 A JP 143191A JP 2650497 B2 JP2650497 B2 JP 2650497B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は試料表面観察装置に係
り、特に荷電粒子、X線或いはシンクロトロン軌道放射
(SOR)等の電磁波、レーザ光、またはイオンビーム
等のエネルギー線照射により活性化されて生じる試料表
面の反応を原子レベルでその場観察するに好適な走査型
電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、走査型トンネル顕微鏡(STM)
などの実用化や、走査型電子顕微鏡(SEM)の分解能
が数Åにまで到達したことにより、表面特有の原子配置
など固体表面を原子レベルで観察することができるよう
になり、固体表面の物性研究は飛躍的に進歩した。
【0003】上記従来型の装置によれば反応前後の安定
した表面状態を観察できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来型の
装置は反応前後の安定した表面状態を観察できるもの
の、過渡的な反応過程を観測することができなかった。
即ち、上記従来装置では表面観察中に試料表面を活性化
する装置がなかったため、反応後の表面あるいは反応前
の安定状態の表面しか観察できず、反応過程における表
面の活性状態、あるいは安定状態等を原子配置の点から
測定したり、あるいは表面原子と外部原子との反応(表
面の反応)をその場観察することができなかった。
【0005】また、特開昭62−31930号公報にお
いて、透過型電子顕微鏡にイオン加速器を結合させ、イ
オン照射によって試料内部に生成される格子欠陥をその
場観察する装置が開示されている。しかし、この透過型
顕微鏡においても、固体表面の反応過程のその場観察を
行うことはできない。
【0006】本発明の目的は、試料表面を活性化するこ
とができ、かつ試料表面の反応過程を試料表面を活性化
させることにより発生するノイズを少なくしてその場観
察することが可能な試料表面観察装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、電子線を試
料表面に走査して照射する電子線走査手段と、該電子線
の照射により前記試料表面から発生する二次電子を検出
する二次電子検出器と、前記試料表面を活性化させるた
めのエネルギー線を前記試料表面に照射するエネルギー
線照射手段と、前記二次電子検出器による二次電子の検
出信号に基づいて前記試料表面を画像化して表示する表
示手段と、該表示手段及び前記エネルギー線照射手段を
制御する制御手段とを備えた試料表面観察装置におい
て、前記試料表面の近傍に設けられ前記エネルギー線の
照射により前記試料表面から発生する二次電子を除去す
る二次電子除去手段を備え、前記制御手段は、電子線の
走査周期の整数倍の時間周期で前記エネルギー線照射手
段からのエネルギー線照射の開始及び停止を制御し、エ
ネルギー線の照射終了時刻からエネルギー線照射の停止
期間に比べて十分に小さい期間だけ前記二次電子除去手
段を動作させると共に、二次電子除去手段の動作終了時
刻からエネルギー線照射の開始時刻までの期間だけ前記
二次電子検出器による二次電子の検出信号を前記表示手
段に送信するように制御することにより達成される。
【0008】荷電粒子照射による二次電子の影響を除去
するためには、荷電粒子線をパルス化して間歇的に照射
し、上記荷電粒子線の照射停止期間内に上記試料から発
生する二次電子を検出して荷電粒子線によって発生した
二次電子の影響が出ないようにする。あるいは上記荷電
粒子線を連続的に照射すると同時に、上記試料に走査電
子線をパルス化して試料を間歇的に走査し、上記電子線
照射期間内に発生する二次電子による信号から上記電子
線の遮断期間中に発生する二次電子の信号を差し引いて
上記荷電粒子線によって発生する二次電子の影響を除去
する。
【0009】荷電粒子加速器の代わりに、電磁波発生装
置あるいはレーザー光発生装置を結合した場合には、電
磁波あるいはレーザー光が荷電粒子と同様の作用をす
る。
【0010】
【作用】次に、本発明の原理について説明する。
【0011】工学的応用範囲がきわめて大きい固体の表
面物性研究にとって、試料表面の反応過程を観察するこ
と、例えば固体表面原子と雰囲気原子との相互作用の観
点から表面の酸化反応過程を解明したり、あるいは表面
原子の結合の強さから接合の問題を解明することが重要
である。
【0012】一般に、試料室内の雰囲気や試料温度を変
化させることにより、試料表面反応を促進することがで
きる。しかし、試料温度を変化させて上記反応速度を観
測に適度な程度に安定に設定することは一般に困難であ
る。例えば鉄系の試料を、酸素雰囲気中で500℃程度
に加熱すれば、試料表面は即座に酸化される。しかしこ
の反応速度が早すぎるためその様子を走査型電子顕微鏡
等で観測することは不可能である。また、雰囲気中の酸
素分圧や試料温度を下げれば、反応速度が急激に低下
し、さらには停止するため、結局表面反応を適切にその
場観察できない。すなわち酸素分圧や試料温度には実質
的に反応開始に相当する臨界点があり、上記臨界点以下
では反応は実質的に発生せず、臨界点以上では反応は早
すぎるのである。
【0013】図2は上記反応の速度を説明するエネルギ
ー状態図で、縦軸はエネルギーの相対的大きさを表して
いる。山の高さ11は反応に必要な活性化エネルギー
(E0)を示し、反応前に位置12にある試料をたとえ
ば加熱して外部エネルギーを加えると、この外部エネル
ギーが活性化エネルギー11と等しくなる時点、すなわ
ち臨界点にて反応が開始する。そしてエネルギー的に安
定な反応後の位置13に向かって反応が進行する。位置
12に対する位置13のエネルギー差をE1とすると、
試料は外部よりエネルギーE0を受取り、(E0−E1
を放出して落ち着くことになる。そのため一旦反応が開
始されると反応は急激に進行し、その反応速度は上記
(E0−E1)が大きいほど速くなる。
【0014】一般に上記E0に比例して上記(E0
1)も大きくなるので、反応を穏やかに進行させるに
は、上記E0を低くする必要がある。このために触媒が
一般的に用いられる。触媒により試料は強制的に活性化
され、上記活性化エネルギーは低下する。従って、触媒
により試料を加熱することなく緩やかに酸化反応させる
ことができる。しかし走査型電子顕微鏡等の場合には、
試料表面観察の障害にならない非接触で使用でき、ま
た、試料室内の真空度を低下させない蒸気圧のきわめて
低い触媒が必要となる。
【0015】これらの条件を満たし、また取扱いも容易
な触媒として荷電粒子がある。荷電粒子照射は厳密には
非接触ではないが、表面観察の障害にならず、また試料
室の真空にも影響を与えない。取り扱いも極めて容易
で、照射粒子、照射エネルギー、照射率あるいは照射量
等を調整できるので、反応を誘起するに最適の条件で照
射することができる。従って、試料表面を荷電粒子で照
射することにより誘起された穏やかな表面反応を、走査
型電子顕微鏡で観察することができる。
【0016】また、荷電粒子照射により直接引き起こさ
れる固体試料表面変化や反応等もその場観察することが
できるので、試料表面原子と外部原子との相互作用によ
る反応や、活性化された試料表面の原子配置の測定のみ
ならず、照射荷電粒子と試料表面原子との相互作用も測
定することができる。すなわち、固体表面反応に関する
多大の情報を比較的容易に得ることができるのである。
【0017】また、荷電粒子照射によって発生した二次
電子を物理的若しくはソフト的に除去し、走査電子線照
射によって発生した二次電子信号のみを画像化すること
により、荷電粒子照射によって活性化された、あるいは
反応を誘起された試料表面をノイズを少なくして原子レ
ベルで観察することができる。
【0018】
【実施例】図1は本発明の一実施例の表面観察装置の全
体構成を示す図である。筐体1の中に設置された試料室
2内に装着された試料3に荷電粒子線4を照射して試料
表面を活性化する。荷電粒子線4はイオン加速器23か
ら発生し荷電粒子線偏向電極24により偏向されて試料
室2内の試料3に照射される。一方、電子銃25からの
走査電子線6は走査電極5により走査されて試料3に照
射される。走査電子線6の照射により発生する二次電子
8はコリメータ7を通って二次電子検出器9により検出
されその強度が電気信号に変換される。この電気信号か
ら試料表面を画像化し表示装置(CRT)10に表示す
る。このように表面観察装置を構成することによって、
試料表面の反応を任意に誘起することができる。
【0019】荷電粒子線4の照射によって試料表面を活
性化させ、表面反応を誘起することができるが、この荷
電粒子線照射によって二次電子が発生する。従って、走
査電子線照射によって発生した二次電子信号を、荷電粒
子線照射によって発生した二次電子信号と区別し、走査
電子線照射によって発生した二次電子信号のみ画像化す
る必要がある。これによって、初めて荷電粒子線照射に
よって活性化された、あるいは反応を誘起された試料表
面を原子レベルで観察することができる。
【0020】図3に示す試料表面観察装置の詳細図は、
荷電粒子線によって発生した二次電子の影響が出ないよ
うに二次電子信号処理装置を取り付けたものである。
【0021】この図3においては、荷電粒子線4をパル
ス化して間歇的に試料に照射し、上記荷電粒子線の照射
停止期間内に上記試料から発生する二次電子を検出して
荷電粒子線によって発生した二次電子の影響が出ないよ
うにしている。即ち、荷電粒子照射をパルス化すること
によって、走査電子線照射で発生した二次電子による電
気信号のみ、CRT10に送るようにしている。
【0022】走査電極5による走査電子線6の走査周期
をτとすると、同期回路14によってτの整数倍の時間
(n・τ)を周期として、荷電粒子線偏向器15及びス
イッチ回路16に同期信号が送られる。この同期信号に
よって荷電粒子線偏向器は作動し、試料に対する荷電粒
子照射を、照射時間(n・τ)、照射停止時間(m・
τ)による周期:τ(n+m)のパルス照射化する。一
方二次電子検出器9で検出され電気信号に変換された信
号は、周期信号によって作動するスイッチ回路によりC
RT10に送る信号とア−スに落す信号とに切り替えら
れ、荷電粒子が試料に照射されない間のみ二次電子信号
をCRTに送れるように作動し画像化する。
【0023】しかし、荷電粒子照射時間の終了直後は荷
電粒子照射によって発生した二次電子が二次電子検出器
近傍に漂っているため、照射時間終了後ある程度の時間
経過を経てからでないと走査電子線照射で発生した二次
電子信号だけをCRT10に送ることはできない。この
ような二次電子は照射終了後数秒から数十秒経過しない
と消滅しないため(以後、このような二次電子が荷電粒
子照射終了後から消滅するまでの時間を二次電子消滅時
間と呼ぶ)、荷電粒子照射停止時間が二次電子照射時間
より短い場合には荷電粒子照射後の試料表面をSEM観
察することが不可能である。そのため照射停止時間(m
・τ)を二次電子消滅時間よりも長く設定すれば、一定
の時間間隔で荷電粒子照射後の試料表面を観察すること
ができる。しかしこの場合は荷電粒子照射後数秒ないし
数十分後の試料表面しか観察できないために、荷電粒子
照射によって活性化されそれによる反応がすでに終了し
た試料表面しか観察できない場合も十分に考えられる。
そのため本実施例では二次電子検出器近傍に漂う二次電
子を除去する装置、二次電子除去電極21を備えた。
【0024】二次電子の除去手段としては二次電子検出
器近傍に設置した二次電子除去電極21に同期回路から
の信号に呼応して電源22により一定の正電圧または負
電圧を一定時間(s・τ)付加することによって二次電
子を除去する。正電圧を付加した場合には二次電子を吸
収し、逆に負電圧を付加した場合には二次電子を掃き飛
ばすことによって除去する。この電極を設置することに
よって二次電子消滅時間は大幅に短縮されるので、荷電
粒子照射直後の試料表面観察が可能になる。
【0025】図4の(a)は荷電粒子照射パタ−ンと二
次電子除去電極の作動パタ−ン及びCRTへの二次電子
信号の送達パタ−ンを示す。図4の(b)は(a)のパ
タ−ンに応じた二次電子信号の時間依存性を示す。この
図から一定の周期で二次電子信号の変化しているのが見
てとれる。すなわち荷電粒子が試料に照射されていると
きには荷電粒子照射による二次電子発生が著しく信号強
度は大きくなるが、荷電粒子照射が終了すると同時に二
次電子除去電極が作動するために検出される二次電子は
急激に減少し信号強度が零になる。信号強度が零になる
までの時間(二次電子消滅時間)は荷電粒子照射条件や
二次電子除去電極に印加される電圧値に依存して変化す
るが、あらかじめある条件下での二次電子消滅時間を測
定しておけば問題はない。二次電子除去電極への電圧印
加終了後二次電子信号をCRT10に送達し試料表面の
画像が得られるようにする。
【0026】以上に示した装置を用いることによって、
時間(n・τ)荷電粒子照射された試料表面を照射終了
後s・τなる時間経過した後ノイズのない鮮明な表面画
像により時間(m・τ)の間観察することができる。こ
の操作が繰り返されることによって連続的に変化する試
料表面をほぼ連続的に観察することができる。なお走査
周期τは数mS程度であるため、表面画像をパルス化し
ても観察にはほとんど影響ない。
【0027】また、図3に示した実施例において、走査
電子線6を荷電粒子線4の照射停止時期にのみ照射する
ようパルス化しても同等の効果を得ることができる。
【0028】また、荷電粒子線4の照射停止後荷電粒子
線による二次電子が消滅する時間が比較的短い場合、該
二次電子消滅時間経過後、電子線を照射して試料表面を
観察するようにしても良い。
【0029】図5に示す試料表面観察装置の詳細図は、
荷電粒子線によって発生した二次電子の影響が出ないよ
うに二次電子信号処理装置を取り付けた他の例を示すも
のである。
【0030】この実施例おける二次電子信号処理装置
は、走査電子線による照射をパルス化することによっ
て、走査電子線照射で発生した二次電子による電気信号
のみCRTに送るものである。即ち、荷電粒子線を連続
的に照射すると同時に、上記試料に走査電子線をパルス
化して試料を間歇的に走査し、上記電子線照射期間内に
発生する二次電子による信号強度から上記電子線の遮断
期間中に発生する二次電子の信号強度を差し引いて上記
荷電粒子線によって発生する二次電子の影響を除去する
ようにしている。
【0031】走査電極5による走査電子線6の走査周期
をτとし、同期回路14によってτの整数倍の時間(2
・n・τ)を周期として、走査電子線偏向器17及びス
イッチ回路16に同期信号が送られる。この同期信号に
よって走査電子線偏向器は作動し、試料に対する走査電
子線照射が、電子線照射時間(n・τ)、電子照射停止
時間も同様に(n・τ)となる周期:(2・n・τ)の
パルス照射化する。一方二次電子検出器9で検出された
電気信号に変換された信号は、同期信号によって作動す
るスイッチ回路によって、信号の伝送時間をn・τ遅延
させる遅延回路18及びインバ−タ19を経て、和算回
路20に送る場合と、直接和算回路に送る場合とに周
期:2(n・τ)で分割される。
【0032】走査電子線が試料を照射したときに得られ
る二次電子信号は直接和算回路に送り、荷電粒子照射に
よってのみ得られる二次電子信号は、遅延回路を経て和
算回路へ送るようにスイッチ回路を設定する。このよう
にして和算回路に送られてきた信号強度の時間依存性を
図6に示す。信号強度正方向に検出される信号は、走査
電子線の照射によって発生した二次電子による信号27
と、荷電粒子照射によって発生した二次電子による信号
26の和である。一方信号強度負方向に検出される信号
は、荷電粒子照射によってのみ発生した二次電子による
信号である。和算回路によってこれらの信号が足し合わ
されると、荷電粒子照射によって発生した二次電子によ
る信号はキャンセルされ、走査電子線の照射によって発
生した二次電子による信号のみ、CRT10に送ること
ができる。これにより、ノイズの少ない鮮明な画像を得
ることができる。
【0033】本発明は、走査型トンネル顕微鏡(ST
M)に適用することも可能である。STMは固体表面を
原子レベルで観察できる顕微鏡である。図3および図5
に示した表面観察装置の走査型電子顕微鏡の代わりにこ
のSTMを用いる。すなわち、STMに荷電粒子発生装
置を結合させ、荷電粒子照射によって活性化された試料
表面の原子の配置や、表面反応における原子間の相互作
用を測定することができる。
【0034】図1に示した表面観察装置では、試料表面
の活性化手段として、イオン加速器を用いているが、X
線やSOR光などの電磁波発生装置またはレーザー光発
生装置を用いても良い。X線やSOR光などの電磁波照
射またはレーザー光照射によって表面反応を誘起するこ
とができる。また電磁波照射またはレーザー光照射によ
って直接引き起こされる表面変化または反応も、その場
観察することができる。
【0035】また、本発明の表面観察装置は、イオン注
入装置を走査型電子顕微鏡に結合して構成することもで
きる。
【0036】イオン注入することによって半導体を製造
する場合、注入する試料表面を観察できれば、試料表面
に汚れやゴミあるいは傷などがないことを確認しなが
ら、イオン注入することができる。また半導体製造だけ
ではなく、固体表面の改質にも本実施例を用いることが
でき、この場合も改質面に付着したゴミや汚れ、傷ある
いは析出物、結晶粒界の有無を確認しながらイオン注入
することができる。これにより製品に対する信頼性を大
幅に向上することができ、またイオン注入過程を実時間
観察できるので、注入による改質の機構解明が可能にな
る。更に目標の表面状態とする最適条件を容易に見出す
こともできる。
【0037】上述した本発明の実施例によれば、 試料に荷電粒子等を照射することによって、試料表面
の反応を任意に誘起することができるので、試料表面
が、反応に対して活性状態にある場合の表面の原子配置
の測定や、固体表面反応のその場観察が可能となる。ま
た荷電粒子等の照射によって直接引き起こされた表面の
変化または反応を、その場観察することができる。これ
により、固体表面の反応機構を解明することが可能にな
り、また工学的応用分野である表面酸化や接合の問題
を、解決することが可能になる。
【0038】 試料ホルダーを変更せずに荷電粒子照射及び表面観察
できるので、一定条件で反応した試料表面を、その条件
を変えずに観察することが出来る(たとえば表面反応を
加熱または冷却雰囲気中で行い温度効果や雰囲気影響を
測定する場合においても、試料をイオン照射装置から大
気中に取り出して走査型電子顕微鏡試料ホ−ルダに移し
換える必要がなく、移し換えに間に大気による試料面の
酸化その他の汚染が発生しないので、温度や雰囲気影響
を正確に測定することが出来る)。また試料ホールダを
交換するに要する時間(約3〜4時間)を削減すること
ができる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、試料表面を活性化する
ことができ、かつ試料表面の反応過程を試料表面を活性
化させることにより発生するノイズを少なくしてその場
観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試料表面観察装置の全体構成図であ
る。
【図2】試料活性化により生じる反応のエネルギー状態
を説明する図である
【図3】図1に示した試料表面観察装置における走査型
電子顕微鏡の詳細図である。
【図4】(a)は図3に示した走査型電子顕微鏡におけ
る荷電粒子照射パターン、二次電子除去電極作動パター
ンおよび二次電子送達パターンを示す図、(b)は図3
に示した走査型電子顕微鏡で検出される二次電子信号強
度を示す図である。
【図5】図1に示した試料表面観察装置における走査型
電子顕微鏡の詳細図である。
【図6】図5に示した走査型電子顕微鏡で検出される二
次電子信号強度を示す図である。
【符号の説明】
1…筐体、2…試料室、3…試料、4…荷電粒子線、5
…走査電極、6…走査電子線、7…コリメータ、8…二
次電子、9…二次電子検出器、10…表示装置(CR
T)、14…同期回路、15…荷電粒子線偏向器、16
…スイッチ回路、17…走査電子線偏向器、18…遅延
回路、19…インバ−タ、20…和算回路、21…二次
電子除去電極、22…電源、23…イオン加速器、24
…荷電粒子線偏向電極、25…電子銃。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−68541(JP,A) 特開 平1−227343(JP,A) 実公 昭51−4712(JP,Y1)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子線を試料表面に走査して照射する電子
    線走査手段と、該電子線の照射により前記試料表面から
    発生する二次電子を検出する二次電子検出器と、前記試
    料表面を活性化させるためのエネルギー線を前記試料表
    面に照射するエネルギー線照射手段と、前記二次電子検
    出器による二次電子の検出信号に基づいて前記試料表面
    を画像化して表示する表示手段と、該表示手段及び前記
    エネルギー線照射手段を制御する制御手段とを備えた試
    料表面観察装置において、 前記試料表面の近傍に設けられ前記エネルギー線の照射
    により前記試料表面から発生する二次電子を除去する二
    次電子除去手段を備え、 前記制御手段は、電子線の走査周期の整数倍の時間周期
    で前記エネルギー線照射手段からのエネルギー線照射の
    開始及び停止を制御し、エネルギー線の照射終了時刻か
    らエネルギー線照射の停止期間に比べて十分に小さい期
    間だけ前記二次電子除去手段を動作させると共に、二次
    電子除去手段の動作終了時刻からエネルギー線照射の開
    始時刻までの期間だけ前記二次電子検出器による二次電
    子の検出信号を前記表示手段に送信するように制御する
    ことを特徴とする試料表面観察装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記二次電子除去手段
    の動作期間、及び前記二次電子除去手段の動作終了時刻
    からエネルギー線照射の開始時刻までの期間は、それぞ
    れ前記電子線の走査周期の整数倍であることを特徴とす
    る試料表面観察装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記試料は半導
    体であり、前記エネルギー線照射手段はイオン注入装置
    であることを特徴とする試料表面観察装置。
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