JP2001006602A - 荷電粒子応用回路パターン検査装置 - Google Patents

荷電粒子応用回路パターン検査装置

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JP2001006602A
JP2001006602A JP11171926A JP17192699A JP2001006602A JP 2001006602 A JP2001006602 A JP 2001006602A JP 11171926 A JP11171926 A JP 11171926A JP 17192699 A JP17192699 A JP 17192699A JP 2001006602 A JP2001006602 A JP 2001006602A
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signal
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JP11171926A
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Masami Iizuka
正美 飯塚
Katsunobu Abe
勝信 安部
Masayuki Otsuka
雅之 大塚
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高電圧部の放電による虚報の発生を低減する。 【解決手段】試料の試料室内壁への接近を検出する距離
検出手段と、この距離検出手段が検出した信号により減
速制御手段への電力供給を止める電力停止手段を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置や液晶等
の微細な回路パターンを有する基板を、荷電粒子を照射
して検査する荷電粒子応用回路パターン検査装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子線を用いた装置として走査形電子顕
微鏡(以下SEMと呼ぶ)があるが、放電に対しては特
開平10−134751号公報に記載がある。これは試料からの
二次電子を低真空のガス雰囲気中で増幅した後に検出す
る場合であり、二次電子検出器と試料との間の放電を問
題としており、二次電子検出器に印加する電圧値の上限
を決めるという方法である。しかしながら、ここで問題
としている放電は、試料と試料室との間の放電であり、
この問題はSEMにとって解決すべき課題として残って
いる。
【0003】SEMを利用した観察および検査において
は、以下に述べる問題点がある。従来のSEMによる電
子線画像の形成方法では極めて長い時間を要するため、
半導体ウエハ全面にわたって回路パターンを検査すると
極めて膨大な時間を要する。従って、半導体装置の製造
工程等において実用的なスループットを得るために非常
に高速に電子線画像を取得する必要があった。また、高
速に取得した電子線画像のSN比を確保し、且つ所定の
精度を維持する必要があった。
【0004】このように、高速に電子線を照射し、高速
に信号を検出し、且つ電子線画像のSN比や分解能を確
保するためには、上記従来技術に記載したように、通常
のSEMよりも電子線電流の大きい電子ビームを被検査
基板に照射する必要がある。上記従来技術に記載したよ
うに、大電流でなおかつ低加速の電子線では、空間電荷
効果により高分解能な画像を得ることが困難となるが、
これを解決する方法として試料直前で高加速電子線を減
速し、試料上で実質的に低加速電子線として照射する方
法がある。この一次電子線の減速を実施するためには、
試料基板あるいは試料台等に減速のための負の電圧を印
加する必要がある。負の電圧によって減速された一次電
子線が試料基板に照射されると、基板表面から数十mV
程度のエネルギーをもった二次電子が発生する。この二
次電子に、減速のための負の電圧によって生じた電界が
作用し、二次電子は数kVのエネルギーに加速されるた
め、高速の二次電子を検出器へ集めるのが困難となる。
検出器に二次電子を集めるための方法として、一次電子
線に対しては電界と磁界による偏向量が打ち消しあい、
二次電子に対しては両者の重ね合せで電子を偏向させる
偏向器(以下ExB偏向器と略す)を用いる方法が従来技
術で提案されている。
【0005】また、上記従来技術に記載したように、高
速に電子線画像形成するために、高周波の二次電子信号
を検出する検出装置として、半導体検出器を用いた検出
手段があるが、従来技術の手段では、逆バイアスされた
応答速度の速い半導体検出器と、半導体検出器が検出し
たアナログ信号を増幅するプリアンプと、プリアンプに
より増幅されたアナログ信号を光伝送する手段をそなえ
ており、上記半導体検出器と上記プリアンプは正の高電
位に浮動されている。この欠陥検出部は、電子線画像と
してモニタに表示またはその他の手段によって出力され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、一次電子線
の減速のために負の高電圧を付加された試料基板、ある
いは試料基板を保持する試料台及びこれらを動かす移動
ステージと試料室の間の放電に関するものである。放電
が発生すると、1.虚報(欠陥でないのに欠陥とみなさ
れるもの)の増大、2.装置の誤動作や破壊、3.一次
電子線の試料基板への加速が大きくなることによる試料
基板へのダメージ、4.試料室の高電圧による安全上の
問題等引き起こす恐れがある。またこの問題に対して
は、試料室と試料基板、あるいは試料基板を保持する試
料台及びこれらを動かす移動ステージとの距離を大きく
取り、試料室に接近させないようにすればよいのである
が、時代とともにウェハは大口径化しているので、試料
室との距離を大きくするとそれを入れる試料室も大きく
なり、ひいては装置全体が大型になってしまう。本装置
は坪単価の高いクリーンルーム内で使用されるため、装
置はコンパクトに作る必要があり、本発明はますます重
要となる。また各部位の表面を滑らかにしたり、角部の
形状を丸くして放電させないようにすることも重要とな
る。
【0007】本発明の目的は、一次電子線の減速のため
の高電圧部の試料室壁面との放電に起因する虚報を低減
し、装置の信頼性の向上,試料へのダメージの防止,装
置の安全性を向上することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明では、試料あるいは試料を載せている試料台
あるいはその移動ステージによる試料室内壁への接近を
検出する距離検出手段と、その検出信号により減速制御
手段への電力供給を止める電力停止手段を設ける。ある
いは、電力停止手段の代わりに、減速制御手段が出力す
る逆電圧の大きさを加減する電圧加減手段を設ける。
【0009】また、距離検出手段が検出した信号により
荷電粒子線をブランキングする手段を設けてもよい。
【0010】さらに、距離検出手段、あるいは電力停止
手段、あるいは電圧加減手段の出力信号により、試料室
内壁への接近を表示する試料室接近表示手段を設けても
よい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例の一例につ
いて、図1により説明する。本発明の実施例の回路パタ
ーン検査装置1の構成を図1に示す。回路パターン検査
装置1は、室内が真空排気される検査室2と、検査室2
内に試料基板9を搬送するための予備室(本実施例では
図示せず)を備えており、この予備室は検査室2とは独
立して真空排気できるように構成されている。また、回
路パターン検査装置1は上記検査室2と予備室の他に制
御部6,画像処理部5から構成されている。
【0012】検査室2内は大別して、電子光学系3,二
次電子検出部7,試料室8,光学顕微鏡部4から構成さ
れている。電子光学系3は、電子銃10,電子線引き出
し電極11,コンデンサレンズ12,ブランキング用偏
向器13,走査偏向器15,絞り14,対物レンズ1
6,反射板17,ExB偏向器18から構成されてい
る。二次電子検出部7のうち、二次電子検出器20が検
査室2内の対物レンズ16の上方に配置されている。二
次電子検出器20の出力信号は、検査室2の外に設置さ
れたプリアンプ21で増幅され、AD変換器22により
デジタルデータとなる。試料室8は、ベース30,Xス
テージ31,Yステージ32,位置モニタ用測長器3
4,被検査基板高さ測定器35から構成されている。
【0013】光学顕微鏡部4は、検査室2の室内におけ
る電子光学系3の近傍であって、互いに影響を及ぼさな
い程度離れた位置に設備されており、電子光学系3と光
学顕微鏡部4の間の距離は既知である。そして、Xステ
ージ31またはYステージ32が電子光学系3と光学顕
微鏡部4の間の既知の距離を往復移動するようになって
いる。光学顕微鏡部4は光源40,光学レンズ41,C
CDカメラ42により構成されている。画像処理部5
は、第一画像記憶部46,第二画像記憶部47,演算部
48,欠陥判定部49より構成されている。取り込まれ
た電子線画像あるいは光学画像はモニタ50に表示され
る。装置各部の動作命令および動作条件は、制御部6か
ら入出力される。
【0014】制御部6には、あらかじめ電子線発生時の
加速電圧,電子線偏向幅,偏向速度,二次電子検出装置
の信号取り込みタイミング,試料台移動速度等々の条件
が、目的に応じて任意にあるいは選択して設定できるよ
う入力されている。制御部6は、補正制御回路43を用
いて、位置モニタ用測長器34,被検査基板高さ測定器
35の信号から位置や高さのずれをモニタし、その結果
より補正信号を生成し、電子線が常に正しい位置に照射
されるよう対物レンズ電源45や信号発生器44に補正
信号を送る。
【0015】被検査基板9の画像を取得するためには、
細く絞った電子線19を該被検査基板9に照射し、二次
電子51を発生させ、これらを電子線19の走査および
ステージ31,32の移動と同期して検出することで被
検査基板9表面の画像を得る。本発明の課題で述べたよ
うに、本発明の自動検査では検査速度が速いことが必須
となる。また、絶縁材料への帯電を抑制するためにも、
電子線走査は高速で一回あるいは数回程度にする必要が
ある。そこで本実施例では、通常SEMに比べ約100
倍以上の、例えば100nAの大電流電子線を一回のみ
走査することにより画像を形成する構成とした。走査幅
は100μmとし、1画素は0.1μm□とし、1回の走
査を1μsで行うようにした。
【0016】電子銃10には拡散補給型の熱電界放出電
子源が使用されている。この電子銃10を用いることに
より、従来の例えばタングステン(W)フィラメント電
子源や、冷電界放出型電子源に比べて安定した電子線電
流を確保することができるため、明るさ変動の少ない電
子線画像が得られる。また、この電子銃10により電子
線電流を大きく設定することができるため、後述するよ
うな高速検査を実現できる。電子線19は、電子銃10
と引き出し電極11との間に電圧を印加することで電子
銃10から引き出される。電子線19の加速は、電子銃
10に高電圧の負の電位を印加することでなされる。こ
れにより、電子線19はその電位に相当するエネルギー
でベース30の方向に進み、コンデンサレンズ12で収
束され、さらに対物レンズ16により細く絞られてベー
ス30上のX−Yステージ31,32の上に搭載された
被検査基板9(半導体ウエハ,チップあるいは液晶,マ
スク等微細回路パターンを有する基板)に照射される。
なお、ブランキング用偏向器13には、走査信号および
ブランキング信号を発生する信号発生器44が接続さ
れ、コンデンサレンズ12および対物レンズ16には、
各々レンズ電源45が接続されている。被検査基板9に
は、高圧電源36により負の電圧を印加できるようにな
っている。この高圧電源36の電圧を調節することによ
り一次電子線を減速し、電子銃10の電位を変えずに被
検査基板9への電子線照射エネルギーを最適な値に調節
することができる。また試料室との距離を測定する距離
検出手段である位置モニタ用測長器34の測定結果によ
り、補正制御回路43はスイッチの役目をする電力停止
手段60に信号を送り、減速高圧電源36の入り切りを
制御する。
【0017】被検査基板9上に電子線19を照射するこ
とによって発生した二次電子51は、基板9に印加され
た負の電圧により加速される。被検査基板9上方に、E
xB偏向器18が配置され、これにより加速された二次
電子51は所定の方向へ偏向される。ExB偏向器18
にかける電圧と磁界の強度により、偏向量を調整するこ
とができる。ExB偏向器18により偏向された二次電
子51は、所定の条件で反射板17に衝突する。この反
射板17に加速された二次電子51が衝突すると、反射
板17からは数V〜50eVのエネルギーを持つ第二の
二次電子52が発生する。
【0018】二次電子検出部7は、真空排気された検査
室2内には二次電子検出器20が、検査室2の外にはプ
リアンプ21,AD変換器22,光変換手段23,伝送
手段24,電気変換手段25,高圧電源26,プリアン
プ駆動電源27,AD変換器駆動電源28,逆バイアス
電源29から構成されている。既に記述したように、二
次電子検出部7のうち、二次電子検出器20が検査室2
内の対物レンズ16の上方に配置されている。二次電子
検出器20,プリアンプ21,AD変換器22,光変換
手段23,プリアンプ駆動電源27,AD変換器駆動電
源28は、高圧電源26により正の電位にフローティン
グしている。上記反射板17に衝突して発生した第二の
二次電子52は、この吸引電界により検出器20へ導か
れる。二次電子検出器20は、電子線19が被検査基板
9に照射されている間に発生した二次電子51がその後
加速されて反射板17に衝突して発生した第二の二次電
子52を、電子線19の走査のタイミングと連動して検
出するように構成されている。
【0019】二次電子検出器20の出力信号は、検査室
2の外に設置されたプリアンプ21で増幅され、AD変
換器22によりデジタルデータとなる。AD変換器22
は、半導体検出器20が検出したアナログ信号をプリア
ンプ21によって増幅された後に直ちにデジタル信号に
変換して、画像処理部5に伝送するように構成されてい
る。検出したアナログ信号を検出直後にデジタル化して
から伝送するので、従来よりも高速で且つSN比の高い
信号を得ることができる。X−Yステージ31,32上
には被検査基板9が搭載されており、検査実行時にはX
−Yステージ31,32を静止させて電子線19を二次
元に走査する方法と、検査実行時にX−Yステージ3
1,32をY方向に連続して一定速度で移動されるよう
にして電子線19をX方向に直線に走査する方法のいず
れかを選択できる。ある特定の比較的小さい領域を検査
する場合には前者のステージを静止させて検査する方
法,比較的広い領域を検査するときは、ステージを連続
的に一定速度で移動して検査する方法が有効である。な
お、電子線19をブランキングする必要がある時には、
ブランキング用偏向器13により電子線19が偏向され
て、電子線が絞り14を通過しないように制御できる。
【0020】位置モニタ用測長器34として、本実施例
ではレーザ干渉による測長計を用いた。Xステージ31
およびYステージ32の位置が実時間でモニタでき、制
御部6に転送されるようになっている。また、Xステー
ジ31,Yステージ32のモータの回転数等のデータも
同様に各々のドライバから制御部6に転送されるように
構成されており、制御部6はこれらのデータに基づいて
電子線19が照射されている領域や位置が正確に把握で
きるようになっており、必要に応じて実時間で電子線1
9の照射位置の位置ずれを補正制御回路43より補正す
るようになっている。また、被検査基板毎に、電子線を
照射した領域を記憶できるようになっている。
【0021】光学式高さ測定器35は、電子ビーム以外
の測定方式である光学式測定器、例えばレーザ干渉測定
器や反射光の位置で変化を測定する反射光式測定器が使
用されており、X−Yステージ上31,32に搭載され
た被検査基板9の高さを実時間で測るように構成されて
いる。本実施例では、スリットを通過した細長い白色光
を透明な窓越しに該被検査基板9に照射し、反射光の位
置を位置検出モニタにて検出し、位置の変動から高さの
変化量を算出する方式を用いた。この光学式高さ測定器
35の測定データに基づいて、電子線19を細く絞るた
めの対物レンズ16の焦点距離がダイナミックに補正さ
れ、常に非検査領域に焦点が合った電子線19を照射で
きるようになっている。また、被検査基板9の反りや高
さ歪みを電子線照射前に予め測定しており、そのデータ
をもとに対物レンズ16の検査領域毎の補正条件を設定
するように構成することも可能である。
【0022】画像処理部5は第一画像記憶部46と第二
画像記憶部47,演算部48,欠陥判定部49,モニタ
50により構成されている。上記二次電子検出器20で
検出された被検査基板9の画像信号は、プリアンプ21
で増幅され、AD変換器22でデジタル化された後に光
変換器23で光信号に変換され、光ファイバ24によっ
て伝送され、電気変換25にて再び電気信号に変換され
た後に第一画像記憶部46あるいは第二記憶部47に記
憶される。演算部48は、この記憶された画像信号をも
う一方の記憶部の画像信号との位置合せ、信号レベルの
規格化、ノイズ信号を除去するための各種画像処理を施
し、双方の画像信号を比較演算する。欠陥判定部49
は、演算部48にて比較演算された差画像信号の絶対値
を所定のしきい値と比較し、所定のしきい値よりも差画
像信号レベルが大きい場合にその画素を欠陥候補と判定
し、モニタ50にその位置や欠陥数等を表示する。
【0023】以上回路パターン検査装置1の全体構成に
ついて説明してきたが、回路パターン検査装置1によ
り、被検査試料9として製造過程のパターン加工が施さ
れた半導体ウエハを検査する場合のシーケンスについて
説明する。まず、図1には記載されていないが、半導体
ウエハ9の搬送手段により半導体ウエハは試料交換室へ
ロードされる。そこでこの半導体ウエハ9は試料ホルダ
に搭載され、保持固定された後に真空排気され、試料交
換室がある程度の真空度に達したら検査のための検査室
2に移載される。検査室2では、ベース30,X−Yス
テージ31,32の上に試料ホルダごと載せられ、保持
固定される。セットされた半導体ウエハ9は、予め登録
された所定の検査条件に基づきX−Yステージ31,3
2のXおよびY方向の移動により光学顕微鏡部4の下の
所定の第一の座標に配置され、モニタ50により半導体
ウエハ9上に形成された回路パターンの光学顕微鏡画像
が観察され、位置回転補正用に予め記憶された同じ位置
の同等の回路パタ−ン画像と比較され、第一の座標の位
置補正値が算出される。
【0024】次に第一の座標から一定距離離れ第一の座
標と同等の回路パタ−ンが存在する第二の座標に移動
し、同様に光学顕微鏡画像が観察され、位置回転補正用
に記憶された回路パターン画像と比較され、第二の座標
の位置補正値および第一の座標に対する回転ずれ量が算
出される。この算出された回転ずれ量分だけ電子線の走
査偏向位置を補正する。この光学顕微鏡画像観察におい
ては、光学顕微鏡画像のみならず電子線画像でも観察可
能な回路パターンが選定される。また、今後の位置補正
のために、第一の座標,光学顕微鏡画像観察による第一
の回路パターンの位置ずれ量,第二の座標,光学顕微鏡
画像観察による第二の回路パターンの位置ずれ量が記憶
され、制御部6に転送される。
【0025】さらに、光学顕微鏡による画像が用いられ
て、被検査半導体ウエハ9上に形成された回路パターン
が観察され、半導体ウエハ9上の回路パターンのチップ
の位置やチップ間の距離、あるいはメモリセルのような
繰り返しパターンの繰り返しピッチ等が予め測定され、
制御部6に測定値が入力される。また、被検査半導体ウ
エハ9上における被検査チップおよびチップ内の被検査
領域が光学顕微鏡の画像から設定され、上記と同様に制
御部6に入力される。光学顕微鏡の画像は、比較的低い
倍率によって観察が可能であり、また、被検査半導体ウ
エハ9の表面が例えばシリコン酸化膜等により覆われて
いる場合には下地まで透過して観察可能であるので、チ
ップの配列やチップ内の回路パターンのレイアウトを簡
便に観察することができ、検査領域の設定を容易にでき
るためである。
【0026】以上のようにして光学顕微鏡部4による所
定の補正作業や検査領域設定等の準備作業が完了する
と、Xステージ31およびYステージ32の移動によ
り、半導体ウエハ9が電子光学系3の下に移動される。
半導体ウエハ9が電子光学系3の下に配置されると、上
記光学顕微鏡部4により実施された補正作業や検査領域
の設定と同様の作業を電子線画像により実施する。この
際の電子線画像の取得は、次の方法でなされる。上記光
学顕微鏡画像による位置合せにおいて記憶され補正され
た座標値に基づき、光学顕微鏡部4で観察されたものと
同じ回路パターンに、電子線19が走査偏向器44によ
りXY方向に二次元に走査されて照射される。この電子
線の二次元走査により、被観察部位から発生する二次電
子51が上記の二次電子検出のための各部の構成および
作用によって検出されることにより、電子線画像が取得
される。既に光学顕微鏡画像により簡便な検査位置確認
や位置合せ、および位置調整が実施され、且つ回転補正
も予め実施されているため、光学画像に比べ分解能が高
く高倍率で高精度に位置合せや位置補正,回転補正を実
施することができる。
【0027】次に検査が実施される。電子線19の操作
とX,Yステージ31,32の移動により、試料である
半導体ウエハ9の全面あるいは予め設定した検査領域に
電子線が照射され、前述した原理により二次電子51が
発生し、前述した方法により二次電子51,52が検出
される。前述の各部の構成およびその作用により、良質
の画像を得ることができる。例えば、前述の構成および
方法で反射板17に照射することにより約20倍の二次
電子増倍効果を得ることができるとともに、従来の方法
よりも一次電子線への収差の影響を抑制することができ
る。また、同様の構成でExB偏向器にかける電磁界を
調節することにより、半導体ウエハ9表面から発生した
反射電子を二次電子と同様に反射板17に照射して得ら
れた第二の二次電子52を検出することも容易に行え
る。また、ExB偏向器18の電界および磁界を、試料
に印加する負の高電圧に連動して調整制御することで、
試料毎に異なる照射条件においても二次電子を効率良く
検出できる。また、半導体検出器20を用いて二次電子
を検出し、検出された画像信号を検出直後にデジタル化
してから光伝送する方法により、各種変換・伝送におい
て発生するノイズの影響を小さくし、SN比の高い画像
信号データを得ることができる。
【0028】検出した信号から電子線画像を形成する過
程においては、画像処理部5が制御部6から指定された
電子線照射位置の所望の画素に、対応した時間毎の検出
信号を、その信号レベルに応じた明るさ階調値として第
一の記憶部46または第二の記憶部47に逐次記憶させ
る。電子線照射位置と、検出時間で対応付けられた二次
電子量が対応されることにより、試料回路パターンの電
子線画像が二次元的に形成される。このようにして、高
精度でSN比の高い良質な電子線画像を取得できるよう
になった。
【0029】なお、本実施例では試料から発生する二次
電子を検出する検査方法及び装置について記載してきた
が、試料からは二次電子と同時に後方散乱電子や反射電
子が発生する。二次電子とともにこれらの二次荷電粒子
についても同様に電子線画像信号として検出することが
できる。画像処理部5へ画像信号が転送されると、第一
の領域の電子線画像が第一記憶部46に記憶される。演
算部48は、この記憶された画像信号をもう一方の記憶
部の画像信号との位置合せ、信号レベルの規格化,ノイ
ズ信号を除去するための各種画像処理を施す。続いて、
第二の領域の電子線画像が第二記憶部47に記憶され、
同様の演算処理を施されながら、第二の領域の電子線画
像と第一の電子線画像の同一の回路パターンおよび場所
の画像信号を比較演算する。欠陥判定部49は、演算部
48にて比較演算された差画像信号の絶対値を所定のし
きい値と比較し、所定のしきい値よりも差画像信号レベ
ルが大きい場合にその画素を欠陥候補と判定し、モニタ
50にその位置や欠陥数等を表示する。次いで、第三に
領域の電子線画像が第一記憶部46に記憶され、同様の
演算を施されながら先に第二記憶部47に記憶された第
二の領域の電子線画像と比較演算され、欠陥判定され
る。以降、この動作が繰り返されることにより、すべて
の検査領域について画像処理が実行されていく。
【0030】前述の検査により、高精度で良質な電子線
画像を取得し比較検査することにより、微細な回路パタ
ーン上に発生した微小な欠陥を、実用性に則した検査時
間で検出することができる。また、電子線を用いて画像
を取得することにより、光学式パターン検査方法では光
が透過してしまい検査できなかったシリコン酸化膜やレ
ジスト膜で形成されたパターンやこれらの材料の異物・
欠陥が検査できるようになる。さらに、回路パターンを
形成している材料が絶縁物の場合にも安定して検査を実
施することができる。
【0031】以上、検査シーケンスの概略を説明した
が、被検査基板9の移動手段であるX,Yステージ3
1,32が試料室8の内壁まで数mm以下に接近した時、
被検査基板9は負の高電圧に帯電しているので、試料室
8との間で放電を起こす恐れが生じる。これを回避する
ためには、補正制御回路43であらかじめ安全距離を設
定しておき、位置モニタ用測長器34の測定結果が安全
距離以下となった時に電力停止手段60に電力停止命令
を出し、減速高圧電源36を遮断すればよい。ここでは
距離検出にレーザ干渉による測長計を用いたが、他に試
料室の内壁に近い所まで被検査基板9が接近したことを
検知するセンサ(マイクロスイッチや光電センサ等)を
試料室内、あるいは移動手段(X,Yステージ31,3
2)の駆動部に設ける形としてもよい。
【0032】また減速高圧電源36が切られると、被検
査基板9がまだ電子線19が当たる位置にある場合は、
電子線19は減速されず高加速で被検査基板9に衝突す
る。よってこれを回避するためには、補正制御回路43
から信号発生器44を通して、ブランキング用偏向器1
3により電子線19をブランキングする。
【0033】また位置モニタ用測長器34の測定結果が
安全距離以下となった時に、補正制御回路43は状態表
示パネル55に信号を出し、被検査基板9が放電発生エ
リアに入ったことを表示してオペレータに注意を促す。
ここでは補正制御回路43から信号を出すようにした
が、マイクロスイッチ等の位置モニタ測長器34から出
力してもよいし、電力停止手段60からでもよい。また
表示の手段として、パネル表示でもよいし、ブザーでも
よいし、その両方を併用してもよい。
【0034】図2に別の回路パターン検査装置1の構成
を示している。ここでは図1と相違するところのみ説明
する。
【0035】試料室との距離を測定する距離検出手段で
ある位置モニタ用測長器34の測定結果により、補正制
御回路43は電圧加減手段61に対し電圧加減指令を出
し、減速高圧電源36の電圧値を制御する。これによ
り、放電を起こす恐れのある電圧レベルを下げて放電を
回避することが可能となる。
【0036】また状態表示パネル55への出力は、電圧
加減手段61からとしてもよい。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、試料あるいは試料台あ
るいはその移動手段と試料室内壁との距離を監視して、
近づきすぎた場合に荷電粒子線を減速するための減速制
御手段への電力供給を止めたり、あるいは抑えたりでき
るので、放電を防止することができる。放電を防止でき
れば、検査結果の虚報を低減することが出来、装置の信
頼性向上や、試料へのダメージを防止したり、装置の安
全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回路パターン検査装置の装置構成を示す一実施
例を示す図。
【図2】回路パターン検査装置の装置構成を示す別の一
実施例を示す図。
【符号の説明】
1…回路パターン検査装置、2…検査室、3…電子光学
系、4…光学顕微鏡部、5…画像処理部、6…制御部、
7…二次電子検出部、8…試料室、9…被検査基板、1
0…電子銃、11…引き出し電極、12…コンデンサレ
ンズ、13…ブランキング偏向器、14…絞り、15…
走査偏向器、16…対物レンズ、17…反射板、18…
ExB偏向器、19…電子線、20…二次電子検出器、
21…プリアンプ、22…AD変換器、23…光変換手
段、24…光伝送手段、25…電気変換手段、26…高
圧電源、27…プリアンプ駆動電源、28…AD変換器
駆動電源、29…逆バイアス電源、30…ベース、31
…Xステージ、32…Yステージ、34…位置モニタ測
長器、35…被検査基板高さ測定器、36…減速電源、
40…白色光源、41…光学レンズ、42…CCDカメ
ラ、43…補正制御回路、44…走査信号発生器、45
…対物レンズ電源、46…第一記憶部、47…第二記憶
部、48…演算部、49…欠陥判定部、50…モニタ、
51…二次電子、52…第2の二次電子、55…状態表
示パネル、60…電力停止手段、61…電力加減手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 雅之 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器事業部内 Fターム(参考) 2G011 AA01 AC03 AC04 AC06 AE01 2G032 AD08 AE04 AE09 AE10 AE11 AE14 AF08 AH07 AK04 AL14 4M106 AA01 AA10 AA13 AC12 BA02 CA38 CA39 CA41 CA50 DB05 DB11 DB12 DB30 DH24 DH33 DH39 DJ02 DJ04 DJ07 DJ14 DJ18 DJ19 DJ20 DJ21 DJ23 DJ32 5C001 AA03 AA08 CC04 5C033 UU03

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料表面に荷電粒子線を照射する荷電粒子
    線照射手段と、前記試料を載置する試料台と、前記試料
    台を移動する移動手段と、前記試料と前記試料台と前記
    移動手段を含む試料室と、前記荷電粒子線に対する逆電
    位をかけることにより前記荷電粒子線を前記試料の直前
    で減速させる減速制御手段と、前記荷電粒子線を前記試
    料に照射することにより前記試料から発生した二次信号
    を検出する検出器とを有する荷電粒子応用回路パターン
    検査装置において、 前記試料,前記試料台,前記移動手段の少なくとも一つ
    の前記試料室の内壁への接近を検出する距離検出手段
    と、前記距離検出手段が出力する信号により前記減速制
    御手段への電力供給を止める電力停止手段とを設けたこ
    とを特徴とする荷電粒子応用回路パターン検査装置。
JP11171926A 1999-06-18 1999-06-18 荷電粒子応用回路パターン検査装置 Pending JP2001006602A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113589114A (zh) * 2021-07-29 2021-11-02 重庆大学 一种电力设备局部放电传感装置及其加工方法、检测系统
CN113589114B (zh) * 2021-07-29 2024-05-31 重庆大学 一种电力设备局部放电传感装置及其加工方法、检测系统

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113589114A (zh) * 2021-07-29 2021-11-02 重庆大学 一种电力设备局部放电传感装置及其加工方法、检测系统
CN113589114B (zh) * 2021-07-29 2024-05-31 重庆大学 一种电力设备局部放电传感装置及其加工方法、检测系统

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