JP2650197B2 - 純水ボイラの水処理剤及び水処理方法 - Google Patents

純水ボイラの水処理剤及び水処理方法

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JP2650197B2 JP1189060A JP18906089A JP2650197B2 JP 2650197 B2 JP2650197 B2 JP 2650197B2 JP 1189060 A JP1189060 A JP 1189060A JP 18906089 A JP18906089 A JP 18906089A JP 2650197 B2 JP2650197 B2 JP 2650197B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、純水ボイラの水処理剤及び水処理方法に
関する。さらに詳しくは、純水ボイラ水系中の鉄系金属
の腐食、ことに孔食を防止することができる純水ボイラ
の水処理剤及び水処理方法に関する。
(ロ)従来の技術 従来から純水やイオン交換水等の、アルカリ金属イオ
ン、アルカリ土類金属イオン、硫酸イオン、塩素イオン
などのイオン成分を実質的に除去した水(電気伝導率1.
0μS/cm以下)をボイラ水として用いるボイラ装置がい
わゆる純水ボイラとして知られている。
しかしながらかかる純水ボイラにおいては、空気中の
炭酸ガスの溶解によりボイラ水中に不可避的に炭酸イオ
ンが存在し、これと溶存酸素によって、該水系中の鉄系
金属が腐食し、なかでもことに大きな事故につながる孔
食が発生し易い。
そこで従来からかかる純水ボイラにおいては、純水を
脱気器に通しかつ亜硫酸塩、ヒドラジン等の脱酸素剤を
添加して脱酸素処理を行い、次いでモルホリン、シクロ
ヘキシルアミン、ジメチルメタノールアミン等の揮発性
アミンを炭酸捕捉剤として添加し、さらにリン酸塩系の
防食剤を添加することによって、上記鉄系金属の腐食、
ことに孔食を防止する方法が採用されている。
しかし、上記方法では煩雑な脱酸素処理を要すると共
に、鉄系金属の腐食防止効果が不充分であった。
そこで本願出願人らは、先に、脱酸素処理を全く行う
ことなく純水ボイラ水系中の鉄系金属の腐食を防止又は
抑制する方法として、上記揮発性アミンと共に、乳酸、
クエン酸、リンゴ酸等の脂肪族オキシカルボン酸を純水
に添加する方法を提案している(特開昭58−96881号公
報)。
(ハ)発明が解決しようとする課題 しかしながら、近年のボイラ保有水容量に対する蒸発
量、電熱負荷の増大に伴い、純水やイオン交換水を供給
する純水製造装置やイオン交換樹脂の処理能力が不充分
となり、これにより純水ボイラ水中にイオン成分、こと
にアルカリ金属イオンや硫酸イオン、塩素イオン等が持
ち込まれている。純水ボイラに供給する水の電気伝導度
が1μS/cmを越える場合がしばしば生じていた。
また、これに加え純水製造装置やイオン交換樹脂の能
力の限界に由来するケイ酸成分や、鉄成分が混入する場
合もしばしば生じていた。
そして、このように種々の夾雑成分が混入した純水ボ
イラ水系において、前述した特開昭58−96881号公報に
よる方法を実施した場合には、防食効果が不充分となり
易く、この傾向はことに純水ボイラに供給する水の電気
伝導度が1.0μS/cmを越え、かつ鉄成分が0.1mg/を越
えた場合に著しかった。
この発明はかかる状況下なされたものであり、ことに
種々の夾雑成分が混入した純水ボイラ水系においても脱
酸素処理を行うことなく、水系中の鉄系金属の腐食を確
実に防止することができる水処理法及び水処理剤を提供
しようとするものである。
(ニ)課題を解決するための手段 かくしてこの発明によれば、脂肪族オキシカルボン酸
又はその分子内エステルと、 一般式(I): H2N(CH2CH2NH)nH ……(I) (式中nは2〜5の整数) のポリアミンとを有効成分として含有する純水ボイラの
水処理剤が提供される。
さらにこの発明によれば、脂肪族オキシカルボン酸又
はその分子内エステルと、上記一般式(I)のポリアミ
ンとを、純水ボイラ水系中に特定量添加することからな
る純水ボイラの水処理方法が提供される。
この発明は、上記2成分を純水ボイラ水系に特定量添
加した場合に、ボイラ水系中の鉄系金属表面に強固で
緻密な防食性のFe3O4系黒色被膜が形成される事実、
これにより脱酸素剤を全く用いることなく防食処理が行
える事実、かかる,の効果が、夾雑成分が混入し
たボイラ水系においても同様に発現される事実を見出す
ことによりなし得たものである。
この発明の純水ボイラ水系とは、純水ボイラの装置系
であって供給されるボイラ水が存在や循環する系を意味
する。
また、ここでボイラ水とは、純水ボイラの供給水に使
用されている水を意味し、基本的に純水、イオン交換水
及びこれらの濃縮水が対象となるが、前述したごとく夾
雑成分が混入したものも含まれ、例えば電気伝導度が1.
0μS/cmを越えかつ鉄成分濃度が0.1mg/を越えたもの
も含まれる。この発明はかかる夾雑成分が混入した場合
にとくに有効である。
この発明に用いる脂肪族オキシカルボン酸又はその分
子内エステルとしては、例えば乳酸、クエン酸、リンゴ
酸、酒石酸、マンノン酸、グルコン酸及びグルコノ−δ
−ラクトンが挙げられる。なお分子内エステルは水系中
で加水分解して脂肪族オキシカルボン酸に変換される。
ここで脂肪族オキシカルボン酸の塩(例えば、ナトリウ
ム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)は、ボイラ水中
の夾雑カチオンを増加させると共に、脂肪族オキシカル
ボン酸イオンとしての作用を低下させるため、後述する
例外を除き原則として用いるのは適さない。
この発明に用いる一般式(I)のポリアミンとして
は、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘ
キサミンが挙げられる。これらもボイラ中の夾雑アニオ
ンの増加を防止させかつポリアミンとしての作用低下を
防止させる点で、原則として鉱酸付加塩として用いるの
は適さない。
なお、脂肪族オキシカルボン酸と上記ポリアミンと
は、これら両者の塩として用いられてもよい。
この発明において、脂肪族オキシカルボン酸又はその
分子内エステル(以下、(イ)成分)は、純水ボイラ水
系中に0.2epm〜50epm添加され、一般式(I)のポリア
ミン(以下、(ロ)成分)も同じく0.2epm〜50epm添加
される。ここで“epm"とは、ミリグラム当量/を意味
する。これらのいずれかが0.2epm未満であると、意図す
る防食効果が得られず、50epmを越えると増量に見合う
防食効果の向上が期待できず適さない。
但し、アルカリ金属イオンと硫酸イオン、塩化イオン
等とが混入しうるボイラ水が用いられる場合において、
これらアルカリ金属イオンと硫酸イオン、塩素イオンと
のバランスが不均衝の場合(一方が、実質的にゼロであ
る場合を含む)には、このバランスにおける過剰分のイ
オンによって上記(イ)成分又は(ロ)成分の作用が低
下する。例えば、アルカリ金属イオンが過剰の場合に
は、上記(イ)成分は該水中でその当量分だけ脂肪族オ
キシカルボン酸アルカリ金属塩の形態となって防食作用
が低下し、また、硫酸イオン、塩素イオン等が過剰の場
合には、その当量分だけ上記(ロ)成分がポリアミンの
酸付加塩の形態となって防食作用が低下する。
従って、かかる場合には、過剰のアルカリ金属イオン
又は過剰の硫酸イオン,塩素イオン等の当量分だけ前記
(イ)成分の添加量又は(ロ)成分の添加量を増加する
のが好ましい。
この発明において、より好ましい観点から上記(イ)
成分と(ロ)成分とは、上記範囲内で(イ)成分と
(ロ)成分とのモル比で12:1〜1:10、特に好ましくは6:
1〜1:5の割合となるように添加される。なお、(イ)成
分と(ロ)成分とのepm比が(イ)成分を1とした場
合、(ロ)成分は1以上とされるのが腐食防止の点でよ
り好ましい。
一方、夾雑成分としてケイ酸成分が存在する系中にお
いては、上記(イ)成分としては、一部又は全部を脂肪
族オキシカルボン酸のナトリウム又はカリウム塩を用い
ることができる。ここで、添加された脂肪族オキシカル
ボン酸塩におけるナトリウム又はカリウムは、系中で上
記ケイ酸成分と容易の結合してケイ酸塩の形成に用いら
れるため実質的に脂肪族オキシカルボン酸を添加した状
態と同じとなる。そしてこの場合には、易溶性ケイ酸塩
が形成されるため、生じうるシリカ系スケールも防止さ
れ、一つの好ましい態様である。
以上述べた(イ)成分と(ロ)成分とを純水ボイラ水
系に、上記有効量で添加して用いることにより、該水系
中の鉄系金属表面に強固な防食性被膜が形成される。こ
の被膜は、四三酸化鉄によるものと確認され、その形状
は非常に緻密で欠落部分がなく一様な膜厚を有するもの
である。
さらに、この四三酸化鉄の被膜は、母材(鉄材)の表
面にまで達していることも確認されている。また、この
被膜には、(ロ)成分のポリアミン等の有機物の存在が
ないことにより、(ロ)成分は、何らかの触媒的作用を
有するものであると考えられる。この被膜は、ボイラ水
中に存在する夾雑成分や炭酸イオン(腐食の発生および
促進効果がある)の影響及び溶存酸素によっても影響を
受けず腐食を防止する効果があり、従来不可欠であった
脱酸素材の添加が不必要となる利点を有するものであ
る。
なお、(イ)成分と(ロ)成分とは同時又は別々に添
加されてもよいが、これら2成分を含む製剤物を調製し
てそれぞれ添加するのが好ましい。とくに、作業性およ
び薬剤の保存等の点より、これら2成分を含む薬剤は液
体製剤とするのが望ましく、通常、各有効成分を水に溶
解した液剤の形態で用いられる。この際、製剤(水処理
剤)中の(イ)成分と(ロ)成分とのモル比は前記した
処理方法に準じて適宜特定されるが、通常12:1〜1:10が
適当であり、6:1〜1:5とするのが好ましい。なお、
(イ)成分と(ロ)とのepm比が(イ)成分を1とした
場合、(ロ)成分は1以上とされるのが腐食防止の点で
より好ましい。。
この発明の純水ボイラ処理方法を実施するに際し、上
記(イ)、(ロ)の2成分以外に、これらによる効果を
阻害しない限りにおいて種々の添加材をさらに併用して
もさしつかえはなく、これらは前記剤中に予め配合され
ていてもよい。かかる併用添加剤としては例えば、水溶
性分散剤、pH調整剤、他の防食性成分等が挙げられる。
これらのうち水溶性分散剤には、アクリル酸、メタク
リル酸、もしくはマレイン酸をモノマーとするホモポリ
マー、またはこれらの2種以上のコポリマーまたは上記
のいずれかと共重合しうる他のエチレン性二重結合を有
する化合物とのコポリマーで上記モノマー成分を20mol
%以上を含有するコポリマー、あるいはこれらのホモポ
リマーおよびコポリマーの2種以上の混合ポリマーであ
る。分子量500〜100000の水溶性ポリマーが含まれる。
他の使用可能な水溶性分散剤には、 一般式(A): (ここでkは0〜2で、mは2〜6の整数、Mは水素原
子、ナトリウムまたはカリウムを示し、同一または異な
っていてもよい) 一般式(B): (XまたはOHまたはNH2、Mは水素原子、ナトリウムま
たはカリウムを示し同一又は異なっていてもよい)で表
わされるフォスホン酸、 一般式(C): (Mは水素原子、ナトリウムまたはカリウムを示し、m
及びnは、正の整数でm+n=4〜20である)で表わさ
れるビス(ポリ)−2−カルボキシエチル)フォスフィ
ン酸、および下記構造式を有する アミノ置換フォスフィン酸類が挙げられる。
この発明に併用できるpH調整剤としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリやアンモニ
アが挙げられる。
この発明に併用できる好適な他の防食性成分として
は、一般的な復水系防食剤及び炭酸イオン捕捉剤として
知られた炭素数2〜8個を有するモノアミン類例えば、
プロピルアミン、ブチルアミン、モルホリン、シクロヘ
キシルアミン、エタノールアミン、プロパノールアミ
ン、アミノメチルプロパノール等が挙げられる。但し、
これらはこの発明における防食被膜の形成には直接関与
しないが、ボイラ装置の蒸気復水系内の腐食防止の点で
使用するのが一つの好ましい態様である。
(ホ)実施例 試験例1 オートクレーブを用いて純水ボイラにおける薬剤の効
果を調べた。まず、純水500ml中に所定の薬剤を添加
し、オートクレーブに仕込んだ。次に軟鋼試験片(市販
分名SPCC,30×50×1mm)を撹拌棒に設置し液中で回転で
きる様にモーターと連動させ、オートクレーブ中の試験
液に浸漬させた。オートクレーブを密閉後、撹拌棒に設
置した試験片を100rpm(即ち毎分100回転)の回転下、
オートクレーブ内の圧力を飽和蒸気圧100Kg/cm2、水温3
10℃の条件で72時間の試験を行った。終了後、試験片を
オートクレーブから取り出し、その表面を観察後、JISK
0100の方法に従い試験片の腐食速度、即ち1日当り、1d
m2当りの腐食量(mdd)を測定しようとし、洗浄用塩酸
溶液に浸漬したところ、この発明の実施例である(イ)
及び(ロ)成分を併用した場合は、試験片に形成した被
膜が除去されないため、洗浄用塩酸溶液に浸漬する時間
を規程の4倍(1分間)とした。そこで、以下のこの併
用系のものについては、洗浄用塩酸溶液に浸漬する時間
を1分間とし、腐食速度(mdd)を求めた。得られた結
果を表1に示す。なお、試験水は、電気伝導率1.0μS/c
m以下の純水に、塩化ナトリウムを加え、電気伝導率を2
00μS/cmとなる様に調整した。(塩化ナトリウム濃度は
約95mg/)この試験水の試験開始前の溶存酸素濃度は
9.0mg/であった。
水中でカルボン酸イオンを生じる化合物の単品および
試験水のpHが9.0以下となる場合について試験を行う場
合には、薬剤添加後の試験水pHを水酸化ナトリウムを加
え9.0となる様に調整した後、試験を開始した。なお、
試験水の調整は、アニオン及びカチオンのリーク時を想
定し、塩化ナトリウムを添加しているので、リーク成分
とするアニオンとカチオンのモル濃度が等しくなるた
め、表1中の(イ)及び(ロ)成分による中和を必要と
せずこれらの各成分の添加量は記載のとうりとした。
[考察] この発明の実施例(試験No.6)において形成された被
膜についてX線回析分析を行ったところ、第1図に示す
X線回析パターンを得られた。このパターンをASTMカー
ドにより検索すると、四三酸化鉄が確認されそれ以外の
酸化鉄が検出されていない事により、被膜の成分は、四
三酸化鉄といえる。
この被膜の表面および断面を電子顕微鏡により観察を
行ったところ、その形状は、非常に綴密で欠落部部分が
なく一様な膜厚である事を確認した。
また、被膜の断面をX線マイクロアナライザーにより
測定を行ったところ、第2図に示す様に、四三酸化鉄
は、母材の表層にまで達している事を確認した。すなわ
ち該図において、aはFeが検出され始める面、bは母材
(α−Fe)の表面、cは酸素(O)が検出されなくなる
面をそれぞれ示している。このことからa−b間は母材
(α−Fe)表面上に形成されたFe3O4層(厚さ0.3μm)
を、b−c間はFe3O4となった母材の表面層(厚さ0.6μ
m)をそれぞれ示しており、結局Fe3O4層はa−c間
(厚さ0.9μm)で表わされることになる。
また、上記被膜が形成した試験片について反射IRによ
る吸収を調べたところ、有機物の存在は全く認められ
ず、この被膜中にポリアルキレンポリアミンや脂肪族オ
キシカルボン酸が含まれていないことを確認した。
実施例1 某工場の純水ボイラ(圧力25Kg/cm2、蒸発量23T/H、
保有水量20m2)は、従来、水処理剤には、リン酸3ナト
リウムと水加ヒドラジン及びシクロヘキシルアミンを使
用していた。このボイラの給水は、アニオンとカチオン
のリークがあるため、水の電気伝導率は、2〜6μS/cm
(平均値:5.1μS/cm)であり、さらに鉄分濃度は、0.02
〜0.3mg/(平均値:0.15mg/であった。
このボイラの内部を点検したところ、伝熱面である水
管部やボイラ非伝熱面であるボイラドラムの各所に孔食
の発生が確認された。孔食の発生部はいずれも孔食部の
上に酸化鉄の付着物が認められた。また、酸化鉄が局部
的に付着している下部も腐食の進行(局部腐食)が認め
られた。この他、孔食や局部腐食の発生していない箇所
についても全面が褐色になっていた。これらの腐食生成
物を含むボイラ内の付着物を採取し、蛍光X線分析装置
によりこれら付着物の構成元素を分析したところ、主成
分の鉄分(酸化鉄)のほかに、カルシウム、マグネシウ
ム、シリカ、リンが検出された。このことは、ボイラ給
水中に時々これらの成分がリークしてボイラ内に搬入さ
れたものと考えられる。
そこで、このボイラの水処理薬剤として下記の製剤物
をボイラ給水に対して5g/T添加した。また、脱酸素剤等
他の薬剤の添加を行わずボイラの運転を実施した。
ボイラ運転条件は従来と同様にした。また、ボイラ運
転開始の前に、ボイラ内部に軟鋼試験片(市販品名SPC
C,30×50×1mm)の5枚を各所に設置しボイラの運転を
実施した。ボイラ水の濃縮倍率はボイラ水のブロー率が
約2%である事より約50倍となっている。このため、ボ
イラ水中の供試薬剤濃度は、クエン酸が約1.07epm、ジ
エチレントリアミンが約1.46epmとなり、ボイラ運転期
間中(試験期間)のアニオン及びカチオンのリーク成分
の中和相当量より少なくとも0.5epm過剰の濃度がボイラ
水中に残留していた。
ボイラの稼働時間は、24hr/日であり、試験期間は132
日とした。試験終了後、ボイラ内を開放し点検を行った
ところ、試験前に確認された酸化鉄の付着物は除去さ
れ、また、孔食や局部腐食の発生していた部分に附着し
ていた酸化鉄も除去されており、いずれも、以前より腐
食していた部分には、黒色のマクネタイトと考えられる
被膜が形成し、腐食の進行は認められなかった。他の箇
所についても、腐食の発生や付着物は認められなかっ
た。
また、試験前にボイラ内に設置した試験片を取り出
し、表面の観察を行った後、JISK0100の方法に従い試験
片の腐食速度(mdd)を測定した。その結果を表2に、
試験期間中のボイラ給水水質を表3に、ボイラ水水質を
表4にそれぞれ示す。
(ヘ)発明の効果 この発明によれば、脱酸素処理を行うことなく、純水
ボイラ水系中の鉄系金属の腐食、ことにピッチング腐食
を防止又は著しく抑制することができる。そしてボイラ
水中に夾雑成分が混入(リーク)した場合でもこれらの
効果を発現できる。
従って、純水ボイラの運転における管理上、その有用
性は極めて大なるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の水処理方法を実施した際に形成され
る防食被膜のX線回析チャート図、第2図は同じくX線
マイクロアナライザーのチャート図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金田 貞興 大阪府大阪市東淀川区東淡路2丁目10番 15号 株式会社片山化学工業研究所内 (72)発明者 片山 栄 大阪府大阪市東淀川区東淡路2丁目10番 15号 株式会社片山化学工業研究所内 (56)参考文献 特開 昭47−43702(JP,A) 特開 昭50−109840(JP,A) 特開 昭58−96881(JP,A) 特公 昭28−6351(JP,B1)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂肪族オキシカルボン酸又はその分子内エ
    ステルと、 一般式(I): H2N(CH2CH2NH)nH ……(I) (式中nは2〜5の整数) のポリアミンとを有効成分として含有する純水ボイラの
    水処理剤。
  2. 【請求項2】脂肪族オキシカルボン酸又はその分子内エ
    ステルが、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マンノ
    ン酸、グルコン酸又はグルコノ−δ−ラクトンである請
    求項1記載の水処理剤。
  3. 【請求項3】一般式(I)のポリアミンが、ジエチレン
    トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
    ペンタミン又はペンタエチレンヘキサミンである請求項
    1記載の水処理剤。
  4. 【請求項4】脂肪族オキシカルボン酸またはその分子内
    エステルと、一般式(I)のポリアミンとがモル比で1
    2:1〜1:10の重量比で含有されてなる請求項1記載の水
    処理剤。
  5. 【請求項5】脂肪族オキシカルボン酸と一般式(I)の
    ポリアミンとが、これら両者の塩の形態で含有されてな
    る請求項1記載の水処理剤。
  6. 【請求項6】脂肪族オキシカルボン酸が、ナトリウム又
    はカリウム塩の形態で含有されてなる請求項1記載の水
    処理剤。
  7. 【請求項7】純水ボイラ水系中に脂肪族オキシカルボン
    酸又はその分子内エステルと、 一般式(I): H2N(CH2CH2NH)nH ……(I) (式中nは2〜5の整数) のポリアミンとを、各々0.2〜50epmとなるように添加し
    て、該純水ボイラ水系中の鉄系金属の腐食を防止するこ
    とを特徴とする純水ボイラの水処理方法。
  8. 【請求項8】脂肪族オキシカルボン酸又はその分子内エ
    ステルが、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マンノ
    ン酸、グルコン酸又はグルコノ−δ−ラクトンである請
    求項6記載の水処理方法。
  9. 【請求項9】一般式(I)のポリアミンが、ジエチレン
    トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
    ペンタミン又はペンタエチレンヘキサミンである請求項
    6記載の水処理方法。
  10. 【請求項10】脂肪族オキシカルボン酸と一般式(I)
    のポリアミンが、これら両者の塩として添加される請求
    項6記載の水処理方法。
  11. 【請求項11】脂肪族オキシカルボン酸が、ナトリウム
    又はカリウム塩の形態で添加される請求項6記載の水処
    理方法。
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