JP3252891B2 - ボイラ用水処理薬剤 - Google Patents

ボイラ用水処理薬剤

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JP3252891B2 JP28217196A JP28217196A JP3252891B2 JP 3252891 B2 JP3252891 B2 JP 3252891B2 JP 28217196 A JP28217196 A JP 28217196A JP 28217196 A JP28217196 A JP 28217196A JP 3252891 B2 JP3252891 B2 JP 3252891B2
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boiler water
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和義 内田
隆靖 上田
徹 井口
光博 小倉
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボイラ用水処理薬
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、中・低圧ボイラ水系に使われる腐
食抑制剤としては、ヒドラジンや亜硫酸塩、糖類、糖の
アルドン酸を主剤とするものが知られている。例えば、
特公平4−27313号公報には、タンニン酸もしくは
その塩と糖類とヘキソースもしくはヘプトースのアルド
ン酸とを混合した薬剤が知られている。
【0003】一方、一般冷却水系の防食剤としては、ア
ルカノールアミン、コハク酸等の脂肪族カルボン酸およ
びグルコン酸等のポリヒドロキシカルボン酸を含む薬剤
が知られている。しかし、ポリヒドロキシカルボン酸を
含む薬剤は、pH7.5〜10の間でなければ使用でき
ず、ボイラ中のようなpH10〜12の系では使用でき
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したヒ
ドラジンは強度の変異原性を持つ物質であるため、使用
が避けられるようになってきている。また、亜硫酸塩に
ついては腐食性因子である硫酸イオンを生成するため、
不足時には腐食をかえって加速する問題点があり、薬品
注入管理が煩雑である。
【0005】一方、糖類(ヘキソース、ヘプトース等)
については、既存の処理では十分な効果が得られない。
すなわち、ボイラ水系での腐食障害の多くはボイラ停
止、立ち上がり時の水質不安定な時期に発生するが、ボ
イラの立ち上がり時には、ボイラ水は濃縮されていない
ので、薬剤の濃度もまだ低いために、充分な防食効果を
発揮することができない。
【0006】本発明はこのような事情に鑑み、通常運転
時はもとより、ボイラ水系で腐食障害の多くが発生しや
すいボイラ停止、立ち上がり時の水質不安定な時期にも
既存技術以上の効果を発揮して、ボイラの安定した運転
に寄与することができるボイラ用水処理薬剤を提供する
ことを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの従来の
課題を解決すべく、鋭意研究開発された結果完成された
ものである。
【0008】本発明は、脂肪族ジカルボン酸およびその
塩からなる群から選択される少なくとも一種からなる第
1の薬剤と、ヘプトースのアルドン酸およびその塩ある
いはデルタラクトン、並びにヘキソースのアルドン酸お
よびその塩あるいはデルタラクトンからなる群から選択
される少なくとも一種からなる第2の薬剤とを含むこと
を特徴とするボイラ用水処理薬剤にある。
【0009】また、請求項2の発明は、前記第2の薬剤
が、ヘプトースのアルドン酸およびその塩あるいはデル
タラクトンからなる群から選択される少なくとも一種
と、ヘキソースのアルドン酸およびその塩あるいはデル
タラクトンからなる群から選択される少なくとも一種と
からなることを特徴とするボイラ用水処理薬剤にある。
【0010】本発明で用いられる脂肪族ジカルボン酸と
しては、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸等が例示され
るが、効果、入手の容易さ、安全性の点からコハク酸が
好ましい。
【0011】ヘプトースのアルドン酸としては、グルコ
ヘプトン酸、マンノヘプトン酸、ガラクトヘプトン酸な
どのヘプトン酸が例示されるが、効果、入手の容易さ、
安全性の点からグルコヘプトン酸が好ましい。また、ヘ
キソースのアルドン酸としてはグルコン酸、マンノン
酸、ガラクトン酸などのヘキソン酸が例示されるが、効
果、入手の容易さ、安全性の点からグルコン酸が好まし
い。
【0012】本発明で用いられる脂肪族ジカルボン酸、
並びにヘプトースのアルドン酸およびヘキソースのアル
ドン酸は、それぞれ塩となっていてもよい。これらの塩
としては、ナトリウム、カリウムなどの水性塩が例示さ
れる。なお、アンモニウム塩では、生成するアンモニア
によりボイラ内のpH調整が困難となるため好ましくな
い。
【0013】また、ヘプトースのアルドン酸、およびヘ
キソースのアルドン酸はデルタラクトンとなっていても
よい。かかるデルタラクトンは、アルカリ性条件下で加
水分解することにより、アルドン酸を生じる。
【0014】脂肪族ジカルボン酸と、ヘプトースのアル
ドン酸と、ヘキソースのアルドン酸とは重量比で、1〜
10:1〜10:1〜10の割合、より好ましくは、1
〜2:1〜2:1〜2の配合割合で配合する。
【0015】なお、本発明のボイラ用水処理薬剤は、こ
れらの成分を一定の割合となるように予め所定量を配合
しておいてもよいし、また、対象となるボイラ水系に各
成分を所定量別々に添加し、水系内で組成物をなしても
よい。
【0016】また、本発明のボイラ用水処理薬剤は、他
に水酸化カリウムあるいは水酸化ナトリウムのようなボ
イラ水系用pH調整剤、または水溶性高分子スケール防
止剤あるいはりん酸塩のような清缶剤を更に含んでもよ
い。
【0017】本発明のボイラ用水処理薬剤においては、
脂肪族ジカルボン酸もしくはその塩と、ヘプトースのア
ルドン酸もしくはその塩、および/またはヘキソースの
アルドン酸もしくはその塩とが相乗的に作用して、鋼材
表面に吸着し、腐食性アニオンによる酸化皮膜の破壊を
防止して、鋼材からの鉄の溶出、すなわち、アノード反
応を抑制するものと推定される。
【0018】また、本発明のボイラ用水処理薬剤は低濃
度でも十分な防食効果を持つため、ボイラ立ち上げ時の
薬剤濃度が不安定なときであってもボイラの腐食を防ぐ
ことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のボイラ用水処理
薬剤の実施の形態を説明する。
【0020】(実施例1〜5)pH8、電気伝導率18
0μS/cm、塩化物イオン15mg/l、硫酸イオン
17mg/l、シリカ28mg/l、溶存酸素8mg/
lの軟化水に、コハク酸、αグルコヘプトン酸ナトリウ
ム、グルコン酸を表1に示す量となるように配合し、静
置腐食試験、および回転腐食試験を実施した。但し、試
験液のpHは、通常のボイラ水質管理基準値である11
〜12に、水酸化ナトリウムで調整した。
【0021】各試験とも、試験液1リットルに軟鋼製テ
ストピース(#400エメリー紙研磨後、トルエン脱脂
したもの:表面積32cm2)を浸漬した。静置試験で
は25℃で2日間静置後に、回転腐食試験では50℃で
5日間、140rpmで回転させつつ浸漬後に、それぞ
れ腐食減量の測定を実施した。ここで、腐食減量は次式
で示される。
【0022】腐食減量=初期重量−脱錆後重量 (比較例1〜3)上述の薬剤にかえて、αグルコヘプト
ン酸ナトリウム、タンニン酸、Dグルコースを表1に示
す量となるように配合した他は実施例1〜5と同様に試
験した。
【0023】これら実施例1〜5および比較例1〜3の
結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1より、本発明のボイラ用水処理薬剤は
既存のヘプトースのアルドン酸を含む処理剤より、ボイ
ラの停止、立ち上がり時の薬剤濃度が不安定な時期を想
定した幅広い範囲で顕著な防食効果を示すことがわかっ
た。
【0026】(実施例6および比較例4) 純水に塩化ナトリウムおよび硫酸ナトリウムを添加し
て、表3の塩化物イオン濃度および硫酸イオン濃度に調
整した溶存酸素8mg/lである疑似ボイラ水に、実施
例6では、コハク酸、αグルコヘプトン酸ナトリウム、
グルコン酸を配合し、比較例4では、αグルコヘプトン
酸ナトリウム、タンニン酸、Dグルコースをそれぞれ表
2に示すように配合し、pHを水酸化ナトリウムで11
〜12に調整した。また、ブランクではpHの調整のみ
とした。
【0027】これらについてオートクレーブによる評価
試験を実施した。オートクレーブはSUS316L製で
内容量220mlで、各試験とも、試験液180ml
(気相部分は空気封入条件)に軟鋼製テストピース(#
400エメリー紙研磨後、トルエン脱脂したもの:表面
積32cm2)を浸漬し、180℃で3日間加熱後に腐
食減量の測定を実施した。なお、腐食減量は上述したと
おりである。
【0028】結果を表3に示す。なお、実施例6および
比較例4の両者において孔食は発生しなかった。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】表3、並びに実施例6および比較例4の両
者において孔食は発生しなかったことより、本発明のボ
イラ水処理薬剤が通常のボイラ運転時を想定する温度条
件下で、従来技術と同等の防食効果を示すことがわかっ
た。
【0032】
【発明の効果】本発明のボイラ水系水処理用薬剤は、
肪族ジカルボン酸系薬剤と、ヘプトースのアルドン酸系
薬剤、および/またはヘキソースのアルドン酸系薬剤の
2成分または3成分が相乗的に効果を発揮して、通常運
転時はもとより、ボイラ水系で腐食障害の多くが発生し
やすいボイラ停止、立ち上がり時の水質不安定な時期に
既存技術以上の効果を発揮して、ボイラの安定した運転
に寄与するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小倉 光博 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗 田工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−164398(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23F 11/12 101 C23F 11/12 102 F28G 9/00 C11D 7/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族ジカルボン酸およびその塩からな
    る群から選択される少なくとも一種からなる第1の薬剤
    と、ヘプトースのアルドン酸およびその塩あるいはデル
    タラクトン、並びにヘキソースのアルドン酸およびその
    塩あるいはデルタラクトンからなる群から選択される少
    なくとも一種からなる第2の薬剤とを含み、前記第1の
    薬剤と前記第2の薬剤とは重量比で、1〜10:1〜1
    0:1〜10の配合割合で配合されていることを特徴と
    するボイラ用水処理薬剤。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第2の薬剤が、
    ヘプトースのアルドン酸およびその塩あるいはデルタラ
    クトンからなる群から選択される少なくとも一種と、ヘ
    キソースのアルドン酸およびその塩あるいはデルタラク
    トンからなる群から選択される少なくとも一種とからな
    ることを特徴とするボイラ用水処理薬剤。
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