JP2650097B2 - エンジンの電子制御ガバナの制御方法 - Google Patents
エンジンの電子制御ガバナの制御方法Info
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- Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンジンの電子制御ガバ
ナの制御方法に関する。
ナの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、主としてフォークリフト用エンジ
ンにおいて、アクセルの開度に応じてエンジンの回転数
が目標回転数となるようにスロットルバルブ開度のPI
D制御(比例+積分+微分動作による制御)が行われて
いる。この時の適切なスロットルバルブの開度は、その
時のエンジンの目標回転数や負荷(エンジン出力)によ
り異なっており、したがって、常に最適な制御を行い所
定の回転数を維持するためには、上記のエンジン回転数
や負荷の各領域毎にその時のアクセル開度に応じたスロ
ットルバルブの開度を定めて目標回転数が得られるよう
にPID制御のゲイン値を設定しておく必要がある。
ンにおいて、アクセルの開度に応じてエンジンの回転数
が目標回転数となるようにスロットルバルブ開度のPI
D制御(比例+積分+微分動作による制御)が行われて
いる。この時の適切なスロットルバルブの開度は、その
時のエンジンの目標回転数や負荷(エンジン出力)によ
り異なっており、したがって、常に最適な制御を行い所
定の回転数を維持するためには、上記のエンジン回転数
や負荷の各領域毎にその時のアクセル開度に応じたスロ
ットルバルブの開度を定めて目標回転数が得られるよう
にPID制御のゲイン値を設定しておく必要がある。
【0003】上記の制御のために従来は、ステップモー
タ等をアクチュエータとして用いてECU(電子制御ユ
ニット)によるスロットルバルブの開度の制御、すなわ
ち、電子制御ガバナによる制御が行われている。
タ等をアクチュエータとして用いてECU(電子制御ユ
ニット)によるスロットルバルブの開度の制御、すなわ
ち、電子制御ガバナによる制御が行われている。
【0004】その一例として図1にそのシステム構成の
概略図を示す。図においてアクセル2を踏み込むとアク
セルセンサ3によりその開度がECU 4 に入力され、更に
このときのエンジン1の回転数がフライホイール6に取
付けられた電磁ピックアップ7によりECU 4に入力さ
れ、また水温センサ8、スロットルバルブリミットスイ
ッチ11等よりその時のエンジンの運転状態を示すデータ
がECU 4に入力され、これらの入力値によりECU 4内で
負荷10に対応した目標回転数となるように演算が行わ
れ、スロットルバルブ13の移動量を決定し、それに基い
てECU 4よりステップモータ12に出力されてステップモ
ータ12を動かし、前記の目標回転数となるようなスロッ
トルバルブ開度にスロットルバルブ13が開かれる。
概略図を示す。図においてアクセル2を踏み込むとアク
セルセンサ3によりその開度がECU 4 に入力され、更に
このときのエンジン1の回転数がフライホイール6に取
付けられた電磁ピックアップ7によりECU 4に入力さ
れ、また水温センサ8、スロットルバルブリミットスイ
ッチ11等よりその時のエンジンの運転状態を示すデータ
がECU 4に入力され、これらの入力値によりECU 4内で
負荷10に対応した目標回転数となるように演算が行わ
れ、スロットルバルブ13の移動量を決定し、それに基い
てECU 4よりステップモータ12に出力されてステップモ
ータ12を動かし、前記の目標回転数となるようなスロッ
トルバルブ開度にスロットルバルブ13が開かれる。
【0005】この場合の電子制御ガバナには前記の通り
PID制御が用いられているが、規制すべきエンジンの
スロットルバルブの開度は、前述の通り、エンジン回転
数と負荷の違いにより、異なる為に、それぞれの各エン
ジン特性ごとにPIDのゲイン値を設定する必要があ
る。このために、それぞれのエンジン特性に応じた多く
のPIDゲイン値マップを予め作り、各々の領域ごとに
このマップによりPIDゲイン値を読み出し、どの領域
でも最適な制御が行えるようにしている。図5にこのマ
ップの一例を示す。ここに示すように、エンジン回転数
領域をn個に分割し、スロットルバルブ開度領域、換言
すればエンジンの負荷の領域をm個に分割し、それぞれ
の領域内における、例えばエンジン回転数領域はn、ス
ロットルバルブ開度領域はmとした場合のPIDゲイン
値を KP nm, KI nm, KD nmとしたPIDゲイン値マッ
プが作られている。
PID制御が用いられているが、規制すべきエンジンの
スロットルバルブの開度は、前述の通り、エンジン回転
数と負荷の違いにより、異なる為に、それぞれの各エン
ジン特性ごとにPIDのゲイン値を設定する必要があ
る。このために、それぞれのエンジン特性に応じた多く
のPIDゲイン値マップを予め作り、各々の領域ごとに
このマップによりPIDゲイン値を読み出し、どの領域
でも最適な制御が行えるようにしている。図5にこのマ
ップの一例を示す。ここに示すように、エンジン回転数
領域をn個に分割し、スロットルバルブ開度領域、換言
すればエンジンの負荷の領域をm個に分割し、それぞれ
の領域内における、例えばエンジン回転数領域はn、ス
ロットルバルブ開度領域はmとした場合のPIDゲイン
値を KP nm, KI nm, KD nmとしたPIDゲイン値マッ
プが作られている。
【0006】上記のマップを用いて、エンジンの回転制
御を行う場合の回転制御部分の作動に関するフローチャ
ートを図6に示す。すなわち、ステップ601においてア
クセル開度を検出し、ステップ602 においてそのアクセ
ル開度に対応した目標回転数を設定し、ステップ603 で
エンジン回転数を検出し、ステップ604 でそのエンジン
の実回転数と目標回転数(目標値)との回転偏差を算出
し、ステップ605 で前記マップデータよりその時の目標
回転数とスロットルバルブ開度(負荷)に応じたPID
ゲイン値を算出しステップ606 でPID演算を実施し、
ステップ607 でスロットルバルブの移動量を決定し、ス
テップ608 でスロットルの移動を行って、エンジンの回
転数を目標回転数になるようにエンジンの回転制御を行
う。
御を行う場合の回転制御部分の作動に関するフローチャ
ートを図6に示す。すなわち、ステップ601においてア
クセル開度を検出し、ステップ602 においてそのアクセ
ル開度に対応した目標回転数を設定し、ステップ603 で
エンジン回転数を検出し、ステップ604 でそのエンジン
の実回転数と目標回転数(目標値)との回転偏差を算出
し、ステップ605 で前記マップデータよりその時の目標
回転数とスロットルバルブ開度(負荷)に応じたPID
ゲイン値を算出しステップ606 でPID演算を実施し、
ステップ607 でスロットルバルブの移動量を決定し、ス
テップ608 でスロットルの移動を行って、エンジンの回
転数を目標回転数になるようにエンジンの回転制御を行
う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の方法にお
いては、図5に示す通りの多くのゲイン値マップが必要
となり、更に細かく制御しようとするとマップのn,m
を大きくする必要があり、ソフトが更に膨大となる可能
性がある。また、このためにRAMの追加等も必要とな
り、このためのコストアップが考えられる。
いては、図5に示す通りの多くのゲイン値マップが必要
となり、更に細かく制御しようとするとマップのn,m
を大きくする必要があり、ソフトが更に膨大となる可能
性がある。また、このためにRAMの追加等も必要とな
り、このためのコストアップが考えられる。
【0008】本発明においては、上記の問題点に鑑み、
前記のような多くのゲイン値マップを用いてソフトが膨
大となることが無く、更にRAMの追加等によるコスト
アップすることが無く、より簡潔な方法でしかも制御性
のよい電子制御ガバナの制御を行うことができる方法を
提供することを目的とする。
前記のような多くのゲイン値マップを用いてソフトが膨
大となることが無く、更にRAMの追加等によるコスト
アップすることが無く、より簡潔な方法でしかも制御性
のよい電子制御ガバナの制御を行うことができる方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明においては、アクセル開度に対応した目標エ
ンジン回転数となるようにスロットルバルブ開度をPI
D制御により制御する電子制御ガバナの制御方法であっ
て、前記PID制御に用いるPIDのゲイン値又はエン
ジン回転数の目標値との偏差値の中のいづれか一つの値
について、前記スロットルバルブ開度とエンジントルク
との関係を示すエンジン特性式に対する逆関数の導関数
を用いて補正を行い、前記補正された値を用いてPID
演算を実施し、前記スロットルバルブの移動量を決定
し、該スロットルバルブを移動させてエンジンの回転数
制御を行うようにしたことを特徴とするエンジンの電子
制御ガバナの制御方法を提供する。
めに本発明においては、アクセル開度に対応した目標エ
ンジン回転数となるようにスロットルバルブ開度をPI
D制御により制御する電子制御ガバナの制御方法であっ
て、前記PID制御に用いるPIDのゲイン値又はエン
ジン回転数の目標値との偏差値の中のいづれか一つの値
について、前記スロットルバルブ開度とエンジントルク
との関係を示すエンジン特性式に対する逆関数の導関数
を用いて補正を行い、前記補正された値を用いてPID
演算を実施し、前記スロットルバルブの移動量を決定
し、該スロットルバルブを移動させてエンジンの回転数
制御を行うようにしたことを特徴とするエンジンの電子
制御ガバナの制御方法を提供する。
【0010】
【作用】アクセル開度が検出されると、それに応じたエ
ンジンの目標回転数が設定され、一方、エンジンの実回
転数が検出され、上記の両者の比較により目標値との回
転偏差が算出され、この回転偏差値又はPID制御に用
いるPIDゲイン値の中のいづれか一つの値が、その時
のスロットルバルブ開度とエンジントルクとの関係を示
すエンジン特性式の逆関数の導関数により補正され、こ
の補正された値を用いてPID演算が実施され、スロッ
トルバルブの移動すべき量が決定され、該スロットルバ
ルブがそれに基いて移動することによりその時のアクセ
ル開度に応じた適正なエンジン回転となるように制御が
行われる。
ンジンの目標回転数が設定され、一方、エンジンの実回
転数が検出され、上記の両者の比較により目標値との回
転偏差が算出され、この回転偏差値又はPID制御に用
いるPIDゲイン値の中のいづれか一つの値が、その時
のスロットルバルブ開度とエンジントルクとの関係を示
すエンジン特性式の逆関数の導関数により補正され、こ
の補正された値を用いてPID演算が実施され、スロッ
トルバルブの移動すべき量が決定され、該スロットルバ
ルブがそれに基いて移動することによりその時のアクセ
ル開度に応じた適正なエンジン回転となるように制御が
行われる。
【0011】
【実施例】本発明の実施例を図面を用いて説明する。本
発明による電子制御ガバナの制御システムの構成につい
ては、前述の図1に示したものと同様で、従って先に従
来技術の説明に用いたその各部の名称、符号は同一であ
り、この図1はそのまゝ本発明の実施例に適用し、各部
の詳しい説明は省略する。
発明による電子制御ガバナの制御システムの構成につい
ては、前述の図1に示したものと同様で、従って先に従
来技術の説明に用いたその各部の名称、符号は同一であ
り、この図1はそのまゝ本発明の実施例に適用し、各部
の詳しい説明は省略する。
【0012】先づ、第1実施例について説明すると、エ
ンジンの運転中に、アクセル2の開度をアクセルセンサ
3により検出し、その時のアクセル開度に対する目標回
転数がECU 4に於いて与えられる。この目標回転数と現
状のエンジン実回転数との偏差を基にしてPID演算が
実施され、最適なスロットルバルブの開度が算出され
る。
ンジンの運転中に、アクセル2の開度をアクセルセンサ
3により検出し、その時のアクセル開度に対する目標回
転数がECU 4に於いて与えられる。この目標回転数と現
状のエンジン実回転数との偏差を基にしてPID演算が
実施され、最適なスロットルバルブの開度が算出され
る。
【0013】この時のエンジン回転数の偏差を補正する
ための適正なPIDゲイン値を得るために、本実施例に
おいては従来のようにPIDゲイン値マップを用いる代
りに次の方法を採用する。すなわち、図2に示すそのエ
ンジンにおけるスロットルバルブ開度uとエンジントル
クTとの線図をエンジン回転数をパラメーターとして描
く。図において曲線L0 ,M0 はそれぞれ、エンジン回
転数が一定の場合のエンジン特性を示すu−T線図を示
し、その回転数は、曲線L0 の方が曲線M0 の場合より
も回転数が低い。図中L,Mの曲線はそれぞれ曲線
L0 ,M0 が示すエンジン特性式の逆関数を示す。
ための適正なPIDゲイン値を得るために、本実施例に
おいては従来のようにPIDゲイン値マップを用いる代
りに次の方法を採用する。すなわち、図2に示すそのエ
ンジンにおけるスロットルバルブ開度uとエンジントル
クTとの線図をエンジン回転数をパラメーターとして描
く。図において曲線L0 ,M0 はそれぞれ、エンジン回
転数が一定の場合のエンジン特性を示すu−T線図を示
し、その回転数は、曲線L0 の方が曲線M0 の場合より
も回転数が低い。図中L,Mの曲線はそれぞれ曲線
L0 ,M0 が示すエンジン特性式の逆関数を示す。
【0014】次にエンジンの各回転数領域におけるゲイ
ン値の設定をこのそれぞれの逆関数を用いて行う。例え
ばエンジンの特性曲線M0 の逆関数曲線Mについて、A
点におけるゲイン値の設定を行い、このときのゲイン値
を KP (A), KI (A), KD (A) とする。またこのときの逆
関数L,Mが二次近似式で
ン値の設定をこのそれぞれの逆関数を用いて行う。例え
ばエンジンの特性曲線M0 の逆関数曲線Mについて、A
点におけるゲイン値の設定を行い、このときのゲイン値
を KP (A), KI (A), KD (A) とする。またこのときの逆
関数L,Mが二次近似式で
【数1】 とするとそれぞれの導関数は
【数2】 となる。
【0015】以上のデータをもとにして図2に示すM線
上のB点のゲイン値を求めると、
上のB点のゲイン値を求めると、
【数3】 となりまたL線上のC点では
【数4】 となりそれぞれの点B,Cにおけるゲイン値を得ること
が出来る。
が出来る。
【0016】前記のそれぞれ曲線L,M上の点A,B,
Cに対応する曲線L0 ,M0 上の点を図2に示す通り、
A0 ,B0,C0 とすると、それぞれの状態におけるス
ロットル移動量を求めるには次の式で求めることができ
る。
Cに対応する曲線L0 ,M0 上の点を図2に示す通り、
A0 ,B0,C0 とすると、それぞれの状態におけるス
ロットル移動量を求めるには次の式で求めることができ
る。
【数5】 ただし、(比例項)、(積分項)、(微分項)はスロッ
トル開度uの目標値との偏差の量をそれぞれ、比例量、
積分量、微分量で示したものである。
トル開度uの目標値との偏差の量をそれぞれ、比例量、
積分量、微分量で示したものである。
【0017】例えば図2のエンジン特性曲線M0 上の点
A0 に関して、その逆関数M上の点Aに関し、前記の通
りゲイン値 KP (A), KI (A), KD (A) が予め決められて
おれば、これを基にして、各状態に応じたPID演算が
できる。すなわち、曲線M0 上の点B0 については
(5)式を用いることにより曲線Mのゲイン値 KP (B),
K I (B), KD (B) が求められ、また、曲線L0 上の点C
0 については(6)式を用いることにより、曲線Lのゲ
イン値 KP (C), KI (C), KD (C) が求められ、これらの
ゲイン値をそれぞれ、(7)式に適用することによりス
ロットルの移動量が決定され、それに基いてステップモ
ータ12が駆動されスロットルの移動が行われてエンジン
の回転制御が行われる。
A0 に関して、その逆関数M上の点Aに関し、前記の通
りゲイン値 KP (A), KI (A), KD (A) が予め決められて
おれば、これを基にして、各状態に応じたPID演算が
できる。すなわち、曲線M0 上の点B0 については
(5)式を用いることにより曲線Mのゲイン値 KP (B),
K I (B), KD (B) が求められ、また、曲線L0 上の点C
0 については(6)式を用いることにより、曲線Lのゲ
イン値 KP (C), KI (C), KD (C) が求められ、これらの
ゲイン値をそれぞれ、(7)式に適用することによりス
ロットルの移動量が決定され、それに基いてステップモ
ータ12が駆動されスロットルの移動が行われてエンジン
の回転制御が行われる。
【0018】上記の通り、エンジン特性式の逆関数の導
関数を用いて算出したゲイン値を用いてPID演算を行
うことの理由について以下説明をする。例えば、図2に
おいてエンジン特性を示すM0 曲線上のA0 点とB0 点
とを見るとスロットルバルブ開度uが小さい領域にある
B0点は、開度uが大きい領域にあるA0 点と比較する
と、エンジントルクTの変化割合が異り、B0 点付近は
A0 点付近よりもトルク変化の割合が急である。したが
ってスロットルバルブ開度uの偏差値の補正を行う時に
常に同一のスロットル移動量で行うと、例えば、A0 点
とB0 点とではトルク変化の割合すなわち単位スロット
ルバルブ開度変動に対するトルク変動幅が異るために円
滑な回転制御が行われない。これを円滑に行わせるため
には、補正時のスロットルバルブuの移動量をB0 点付
近はA0 点付近よりも小さくし両者を等しくする必要が
ある。補正時にこのトルク変動幅を等しくするには、ス
ロットルバルブの移動量をu−T線図におけるトルクT
の変化の割合の逆数の比を偏差値に掛けることにより解
決する。
関数を用いて算出したゲイン値を用いてPID演算を行
うことの理由について以下説明をする。例えば、図2に
おいてエンジン特性を示すM0 曲線上のA0 点とB0 点
とを見るとスロットルバルブ開度uが小さい領域にある
B0点は、開度uが大きい領域にあるA0 点と比較する
と、エンジントルクTの変化割合が異り、B0 点付近は
A0 点付近よりもトルク変化の割合が急である。したが
ってスロットルバルブ開度uの偏差値の補正を行う時に
常に同一のスロットル移動量で行うと、例えば、A0 点
とB0 点とではトルク変化の割合すなわち単位スロット
ルバルブ開度変動に対するトルク変動幅が異るために円
滑な回転制御が行われない。これを円滑に行わせるため
には、補正時のスロットルバルブuの移動量をB0 点付
近はA0 点付近よりも小さくし両者を等しくする必要が
ある。補正時にこのトルク変動幅を等しくするには、ス
ロットルバルブの移動量をu−T線図におけるトルクT
の変化の割合の逆数の比を偏差値に掛けることにより解
決する。
【0019】上記の各点でのトルク変化の割合の逆比と
は、換言すれば各点における導関数の逆比であり、これ
はまた、そのエンジン特性式の逆関数の導関数の値と等
しい。したがって、このエンジン特性式の逆関数の導関
数を用いて算出したゲイン値を用いることにより、バラ
ンスのとれた適正な補正を行うことができる。
は、換言すれば各点における導関数の逆比であり、これ
はまた、そのエンジン特性式の逆関数の導関数の値と等
しい。したがって、このエンジン特性式の逆関数の導関
数を用いて算出したゲイン値を用いることにより、バラ
ンスのとれた適正な補正を行うことができる。
【0020】上述の方法によれば標準的な回転状態にお
けるエンジントルクとスロットルバルブ開度に応じたゲ
イン値が容易に算定され、これにより、図5に示すゲイ
ンマップに相当する程度に各状態のPIDゲイン値を容
易に算出することが可能である。
けるエンジントルクとスロットルバルブ開度に応じたゲ
イン値が容易に算定され、これにより、図5に示すゲイ
ンマップに相当する程度に各状態のPIDゲイン値を容
易に算出することが可能である。
【0021】上記の方法によりエンジンの回転制御を行
う場合の回転制御部分のフローチャートを図3に示す。
ステップ301 において、アクセル2の開度をアクセルセ
ンサ3により検出し、ステップ302 では、ECU 4におい
てそのアクセル開度に対応した目標回転数を設定し、ス
テップ303でエンジンの実回転数を電磁ピックアップ7
により検出してこれをECU 4に入力し、ステップ304 で
ECU 4において前記目標回転数(目標値)とエンジンの
実回転数との偏差を算出し、ステップ305 で一定のゲイ
ン値KP ,KI ,KD をエンジンの特性式の逆関数の導
関数 f′(u) により補正を行い、ステップ306 でこの補
正されたゲイン値によりPID演算を実施し、ステップ
307 でスロットルバルブの移動量(開度)を決定し、こ
れによりECU 4よりステップモータ12に指令が出力され
てステップ308 でステップモータ12が動き、スロットル
の移動が行われ、これによりエンジンの実回転数が目標
回転数となるように回転制御が行われる。
う場合の回転制御部分のフローチャートを図3に示す。
ステップ301 において、アクセル2の開度をアクセルセ
ンサ3により検出し、ステップ302 では、ECU 4におい
てそのアクセル開度に対応した目標回転数を設定し、ス
テップ303でエンジンの実回転数を電磁ピックアップ7
により検出してこれをECU 4に入力し、ステップ304 で
ECU 4において前記目標回転数(目標値)とエンジンの
実回転数との偏差を算出し、ステップ305 で一定のゲイ
ン値KP ,KI ,KD をエンジンの特性式の逆関数の導
関数 f′(u) により補正を行い、ステップ306 でこの補
正されたゲイン値によりPID演算を実施し、ステップ
307 でスロットルバルブの移動量(開度)を決定し、こ
れによりECU 4よりステップモータ12に指令が出力され
てステップ308 でステップモータ12が動き、スロットル
の移動が行われ、これによりエンジンの実回転数が目標
回転数となるように回転制御が行われる。
【0022】本発明の第2実施例について次に説明す
る。前述の第1実施例ではPID演算におけるPIDゲ
イン値をエンジン特性式の逆関数の導関数を用いて補正
しているが、本実施例ではPIDゲイン値は補正せずに
そのまゝ用いその代りにPID演算の基礎となる目標回
転数と現在のエンジン実回転数との偏差値を前記のエン
ジン特性式の逆関数の導関数により、補正する。
る。前述の第1実施例ではPID演算におけるPIDゲ
イン値をエンジン特性式の逆関数の導関数を用いて補正
しているが、本実施例ではPIDゲイン値は補正せずに
そのまゝ用いその代りにPID演算の基礎となる目標回
転数と現在のエンジン実回転数との偏差値を前記のエン
ジン特性式の逆関数の導関数により、補正する。
【0023】これについては具体的に説明すると、
(7)式の右辺の構成において第1実施例においてはゲ
イン値KP ,KI ,KD を補正することにより正しいス
ロットル移動量を算出したが、本実施例においては、ゲ
イン値はそのまゝで一定とし、回転数の偏差値を示す
(比例項)、(積分項)、(微分項)を前記の方法によ
り補正することにより第1実施例と同様の結果を得るも
のである。
(7)式の右辺の構成において第1実施例においてはゲ
イン値KP ,KI ,KD を補正することにより正しいス
ロットル移動量を算出したが、本実施例においては、ゲ
イン値はそのまゝで一定とし、回転数の偏差値を示す
(比例項)、(積分項)、(微分項)を前記の方法によ
り補正することにより第1実施例と同様の結果を得るも
のである。
【0024】上記の方法によりエンジン回転制御を行う
場合の回転制御部分のフローチャートを図4に示す。図
においてステップ401 よりステップ404 までは前記図3
のステップ 301〜304 と同様である。ステップ405 にお
いて、前述の通りエンジンの回転偏差をエンジン特性式
の逆関数の導関数 f′(u) により補正を行う。ステップ
406〜408 は前記の図3のステップ 306〜308 と同様で
あるので説明を省略する。
場合の回転制御部分のフローチャートを図4に示す。図
においてステップ401 よりステップ404 までは前記図3
のステップ 301〜304 と同様である。ステップ405 にお
いて、前述の通りエンジンの回転偏差をエンジン特性式
の逆関数の導関数 f′(u) により補正を行う。ステップ
406〜408 は前記の図3のステップ 306〜308 と同様で
あるので説明を省略する。
【0025】以上述べた通り、本発明の実施例によれ
ば、エンジンの特性式の逆関数の導関数を利用して一つ
のPIDゲイン値(又は回転数の偏差値)を与えれば、
これを補正することにより他の総ての各状態におけるエ
ンジン特性に対してのPID制御を行うことが可能とな
り、従来のように多くのマップデータを用いる必要が無
く、ソフトの簡略化がはかられ、RAM追加等によるコ
ストアップも抑えられる。またこのように、関数により
算出して補正を行うために、少いソフト量でも各状態に
おけるゲイン値の設定がきめの細かく行うことが可能と
なり制御性の向上もはかれる。
ば、エンジンの特性式の逆関数の導関数を利用して一つ
のPIDゲイン値(又は回転数の偏差値)を与えれば、
これを補正することにより他の総ての各状態におけるエ
ンジン特性に対してのPID制御を行うことが可能とな
り、従来のように多くのマップデータを用いる必要が無
く、ソフトの簡略化がはかられ、RAM追加等によるコ
ストアップも抑えられる。またこのように、関数により
算出して補正を行うために、少いソフト量でも各状態に
おけるゲイン値の設定がきめの細かく行うことが可能と
なり制御性の向上もはかれる。
【0026】
【発明の効果】本発明を実施することにより次の効果を
奏する。すなわち本発明によれば、(1)1つのゲイン
値を与えることにより他のゲイン値の算出が可能とな
り、従来のようにECU内に多数のPIDゲインマップ
データを蓄積しておく必要がなくなり、ソフトの簡略化
がはかられ、またRAMの追加等によるコストアップも
抑制される。(2)エンジンの各運転状態におけるPI
D制御のためのPIDゲイン値の設定が、エンジン特性
式の関数を用いた計算により補正が行われるために、従
来であれば、膨大なゲインマップが必要とされた細かく
分けた領域についてのきめの細かいゲイン設定が容易と
なり、制御性が向上する。
奏する。すなわち本発明によれば、(1)1つのゲイン
値を与えることにより他のゲイン値の算出が可能とな
り、従来のようにECU内に多数のPIDゲインマップ
データを蓄積しておく必要がなくなり、ソフトの簡略化
がはかられ、またRAMの追加等によるコストアップも
抑制される。(2)エンジンの各運転状態におけるPI
D制御のためのPIDゲイン値の設定が、エンジン特性
式の関数を用いた計算により補正が行われるために、従
来であれば、膨大なゲインマップが必要とされた細かく
分けた領域についてのきめの細かいゲイン設定が容易と
なり、制御性が向上する。
【図1】本発明による電子制御ガバナのシステム構成図
である。
である。
【図2】スロットルバルブ開度−エンジントルク線図上
に示したエンジン特性式とその逆関数及びその逆関数の
導関数を示す線図である。
に示したエンジン特性式とその逆関数及びその逆関数の
導関数を示す線図である。
【図3】第1実施例による電子制御ガバナのエンジン回
転制御部分の作動を示すフローチャートである。
転制御部分の作動を示すフローチャートである。
【図4】第2実施例による電子制御ガバナのエンジン回
転制御部分の作動を示すフローチャートである。
転制御部分の作動を示すフローチャートである。
【図5】従来技術における電子制御ガバナシステム中の
ECU内に設けられたPIDゲイン値マップの一例を示
す。
ECU内に設けられたPIDゲイン値マップの一例を示
す。
【図6】従来技術における電子制御ガバナのエンジン回
転制御部分の作動を示すフローチャートである。
転制御部分の作動を示すフローチャートである。
1…エンジン 2…アクセル 3…アクセルセンサ 4…ECU 13…スロットルバルブ
Claims (1)
- 【請求項1】 アクセルの開度に対応した目標エンジン
回転数となるようにスロットルバルブ開度をPID制御
により制御する電子制御ガバナの制御方法であって、前
記PID制御に用いるPIDのゲイン値、又は、エンジ
ン回転数の目標値との偏差値の中のいづれか一つの値に
ついて、前記スロットルバルブ開度とエンジントルクと
の関係を示すエンジン特性式に対する逆関数の導関数を
用いて補正を行い、この補正された値を用いてPID演
算を実施し、前記スロットルバルブの移動量を決定し、
該スロットルバルブを移動させてエンジンの回転数制御
を行うことを特徴とするエンジンの電子制御ガバナの制
御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2740491A JP2650097B2 (ja) | 1991-02-21 | 1991-02-21 | エンジンの電子制御ガバナの制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2740491A JP2650097B2 (ja) | 1991-02-21 | 1991-02-21 | エンジンの電子制御ガバナの制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04265438A JPH04265438A (ja) | 1992-09-21 |
JP2650097B2 true JP2650097B2 (ja) | 1997-09-03 |
Family
ID=12220138
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2740491A Expired - Fee Related JP2650097B2 (ja) | 1991-02-21 | 1991-02-21 | エンジンの電子制御ガバナの制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2650097B2 (ja) |
-
1991
- 1991-02-21 JP JP2740491A patent/JP2650097B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04265438A (ja) | 1992-09-21 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |