JP3498492B2 - スロットルバルブの位置決め制御装置 - Google Patents

スロットルバルブの位置決め制御装置

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JP3498492B2
JP3498492B2 JP22659396A JP22659396A JP3498492B2 JP 3498492 B2 JP3498492 B2 JP 3498492B2 JP 22659396 A JP22659396 A JP 22659396A JP 22659396 A JP22659396 A JP 22659396A JP 3498492 B2 JP3498492 B2 JP 3498492B2
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昌史 松山
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の吸入空
気量を制御するスロットルバルブの位置決め制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】スロットルバルブの開度指令値と実スロ
ットルバルブ開度との偏差に基づくPID制御や、PI
制御と速度フィードバック制御とを組合せた古典制御理
論に基づく位置決め制御装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スロットル
バルブの位置決め制御装置はいろいろな目的のために利
用される。例えば、ドライバーのアクセル操作に基づく
最適な加速フィーリングを実現するための通常駆動力制
御や、駆動輪のスリップを抑制するためのトラクション
制御や、ドライバーが設定した車速で自動走行する定速
走行制御や、エンジンのアイドル回転数制御などであ
る。これらの制御目的のためにスロットルバルブの位置
決め制御システムがアクチュエータとして用いられる場
合には、各制御目的に応じて必要となるスロットル制御
性能(応答性、安定性、外乱抑止性、分解能など)をす
べて満足させる必要がある。特に、従来、スロットルバ
ルブをバイパスする小径の補助バルブを制御して行なわ
れているアイドル制御を、スロットルバルブ制御で実現
する際には高いスロットル制御分解能が必要となる。ま
た、スロットルバルブにワイヤでつながれたアクセルペ
ダルを直接ドライバーが操作していた従来のシステム
を、アクチュエータによるスロットルバルブ駆動制御で
実現するためには、ドライバーに遅れを感じさせない程
度の高いスロットル制御応答性が必要となる。
【0004】しかし、バタフライ型のスロットルバルブ
を電動モータなどのアクチュエータで駆動制御する際に
は、いろいろな外乱や非線形要素(静止摩擦、モータト
ルクのリップル、温度変化、吸入負圧変化、スロットル
開度計測ノイズ、スロットル開度計測分解能など)の影
響を無視できず、特に微小開度でスロットルバルブを駆
動制御するアイドル制御ではその影響が大きい。したが
って、従来のスロットルバルブ位置決め制御装置では、
外乱や非線形要素により大きな影響を受けるのでスロッ
トル制御分解能と応答性とを高いレベルで両立すること
が困難であった。
【0005】そこで、本出願人は特願平7−32047
6号により、アクチュエータ操作量とスロットル開度と
に基づいてアクチュエータに加わる外乱を推定し、アク
チュエータ操作量を補正することによってアクチュエー
タの動特性を一定化させる外乱補償器を有するスロット
ルバルブの位置決め制御装置を提案している。この装置
では、アイドル制御のように非常に高いスロットル分解
能が要求される状態では、通常制御時よりもさらに重視
した特性の外乱補償器の特性に一次的に切り換えるよう
にしている。なお、一般に、外乱補償器の一部を構成す
るローパスフィルターのカットオフ周波数を上げること
で、外乱抑止性を高められることが知られている。
【0006】ローパスフィルタのカットオフ周波数を変
更する場合に、カットオフ周波数の定数のみをスロット
ル開度などの条件によって切り換える方法が一般的であ
る。しかし、外乱補償器の周波数特性を切り換える場
合、スロットル開度や電流指令値、アクチュエータ操作
量が不連続になり、特に周波数特性を大きく変える際に
は、電流や実スロットル開度に段差を生じるという問題
がある。
【0007】図11は、従来の装置による、スロットル
開度指令値を0度から50度までランプ状に変化させる
とともに、スロットル開度16度において外乱補償器の
周波数特性を35Hzから1Hzに切り換えた場合の、
(a)スロットル開度指令値〔度/div〕、(b)実
スロットル開度〔度/div〕および(c)電流指令値
〔A/div〕のシュミレーション結果を示す。図から
明らかなように、外乱補償器の周波数特性を切り換えた
時点で実スロットル開度と電流指令値が大きく変動し、
大きな段差が生じている。
【0008】本発明の目的は、外乱補償器の特性を変更
した時のスロットル開度の変動を抑制したスロットルバ
ルブの位置決め制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1) 請求項1の発明は、内燃機関のスロットルバル
ブを開閉するアクチュエータと、そのアクチュエータを
駆動する駆動手段を備え、スロットル開度検出値を開度
指令値に追従させるための駆動指令値を演算して駆動手
段を制御するスロットルバルブの位置決め制御装置に適
用される。そして、異なる周波数特性により駆動指令値
とスロットル開度検出値とに基づいてアクチュエータに
加わる複数の外乱を推定し、これらの複数の外乱推定値
をエンジン制御状態に応じて選択し、選択した外乱推定
値により駆動指令値を補正する。 (2) 請求項2の発明は、内燃機関のスロットルバル
ブを開閉するアクチュエータと、そのアクチュエータを
駆動する駆動手段を備え、スロットル開度検出値を開度
指令値に追従させるための駆動指令値を演算して駆動手
段を制御するスロットルバルブの位置決め制御装置に適
用される。そして、異なる周波数特性により駆動指令値
とスロットル開度検出値とに基づいてアクチュエータに
加わる複数の外乱を推定し、これらの複数の外乱推定値
をエンジン制御状態に応じて補間し、補間した外乱推定
値により駆動指令値を補正する。 (3) 請求項3のスロットルバルブの位置決め制御装
置は、スロットルバルブ検出手段の検出精度を切り換え
可能とし、高精度に切り換えられた時のスロットルバル
ブ検出値を用いて外乱を推定するようにしたものであ
る。 (4) 請求項4のスロットルバルブの位置決め制御装
置は、エンジン制御状態にスロットルバルブ開度検出
値、エンジン回転数、アイドル制御作動状態を含み、こ
れらのエンジン制御状態に応じて外乱推定値の選択また
は補間を行なう。
【0010】
【発明の効果】
(1) 請求項1の発明によれば、異なる周波数特性に
より駆動指令値とスロットル開度検出値とに基づいてア
クチュエータに加わる複数の外乱を推定し、これらの複
数の外乱推定値をエンジン制御状態に応じて選択し、選
択した外乱推定値により駆動指令値を補正するようにし
たので、外乱補償器の特性をリアルタイムに大きく変更
することができ、これにより実スロットル開度の段差を
最小に押え且つ連続的にすることができる。 (2) 請求項2の発明によれば、異なる周波数特性に
より駆動指令値とスロットル開度検出値とに基づいてア
クチュエータに加わる複数の外乱を推定し、これらの複
数の外乱推定値をエンジン制御状態に応じて補間し、補
間した外乱推定値により駆動指令値を補正するようにし
たので、請求項1と同様な効果が得られる。 (3) 請求項3の発明によれば、スロットルバルブ検
出手段の検出精度を切り換え可能とし、高精度に切り換
えられた時のスロットルバルブ検出値と駆動指令値とに
基づいて異なる周波数特性で複数の外乱を推定し、これ
らの複数の外乱推定値をエンジン制御状態に応じて選択
または補間し、選択または補間した外乱推定値により駆
動指令値を補正するようにしたので、請求項1および請
求項2の上記効果に加え、ノイズによる外乱を低減する
ことができ、実スロットル開度における段差をさらに最
小に抑制できる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は一実施形態の構成を示す図
である。スロットルアクチュエータ1は、内燃機関の吸
入空気流路に設けられたバタフライ型スロットルバルブ
を駆動する。駆動源にはDCモータが用いられ、モータ
の出力を減速機により減速して、ばねにより付勢された
スロットルバルブを開閉駆動する。センサ2はスロット
ルバルブの開口角度を検出する。この実施形態ではアナ
ログ信号を出力する安価なポテンショメータ式とする
が、高精度な光学式エンコーダを用いてもよい。センサ
信号処理回路3は増幅器およびA/D変換器を有し、角
度センサ2からのアナログ信号を増幅してディジタル信
号に変換する。スロットルバルブ位置決めコントローラ
4はマイクロコンピュータおよびその周辺部品から構成
され、スロットルバルブ開度検出値が開度指令値に追従
するようなモータ電流指令値を演算する。電流制御アン
プ5は、実際のモータ電流がモータ電流指令値に追従す
るようにパワートランジスタのスイッチング時間を制御
する。
【0012】なお、この実施形態では電流検出センサを
用いたフィードバック式電流制御アンプで構成している
が、電流制御アンプはこの実施形態に限定されない。例
えば、スロットル開度と後述のモデルマッチング補償器
出力とに基づいて、後述の外乱補償器で一定化された制
御対象の動特性モデルでモータの逆起電力を推定し、こ
の逆起電力推定値で電流指令値から求まる有効電圧を補
正して電流制御用パワートランジスタのスイッチング時
間を演算制御するフィードフォワード式電流制御アンプ
を用いてもよい。
【0013】図2は、スロットルバルブ位置決めコント
ローラ4の構成を示す制御ブロック図である。スロット
ルバルブ位置決めコントローラ4は、外乱やパラメータ
変動に対して低感度特性を得るための外乱補償器11〜
15と、スロットル開度指令値に対する実スロットル開
度の応答性を予め設定した所望の応答特性に一致させる
ためのモデルマッチング補償器16〜19とを有する。
なお、電流制御アンプ4、モータとバルブ可動機構から
なるスロットルアクチュエータ1、角度センサ2および
センサ信号処理回路3がコントローラ4の制御対象であ
り、また、スロットル開度指令値θrが上述したスロッ
トルバルブ開度指令値(目標値)、電流指令値Irが上
述した駆動指令値(操作量)、スロットル開度θが上述
したスロットルバルブ開度検出値(制御量)である。
【0014】まず、外乱補償器11〜15について説明
する。電流指令値Irからスロットル開度θまでの制御
対象の連続系伝達特性Gp(s)を(K/(as2+b
s+c))(以下、0次/2次と表わす)とし、これを
離散化した伝達特性をGp(z-1)で表わす。
【数1】
【0015】Gp(z-1)のゼロ点(−bp1/bp
0)は、サンプリングタイムが小さいほど−1に収束す
るので、Gp(z-1)の逆系を補償器に用いると不安定
になってしまう。これを避けるために、次のように外乱
補償器を設計する。制御ブロック11は、定常ゲインが
1であるローパスフィルタH0(z-1)に、Gp
(z-1)のゼロ点を有するQ(z-1)を付加したフィル
タH(z-1)である。この制御ブロック11は、電流指
令値Irをローパスフィルタ処理して電流指令値Ir’
を出力する。
【数2】H(z-1)=H0(z-1)・Q(z-1
【0016】制御ブロック12はフィルタH(z-1)/
Gp(z-1)である。したがって、−1に収束するゼロ
点が相殺され、制御ブロック12は安定なディジタルフ
ィルタとなる。この制御ブロック12は、電流指令値I
rからスロットル開度θまでの制御対象の離散系伝達特
性Gp(z-1)と、スロットル開度θとに基づいて電流
指令値を逆算し、さらにローパスフィルタ処理して電流
指令値Ir”を出力する。減算器14は、電流指令値I
r”から電流指令値Ir’を減算して、電流アンプ5か
らセンサ信号処理回路3までの制御対象の外乱やパラメ
ータ変動による電流指令値Irのずれ量u2(以下、外
乱推定値と呼ぶ)を求める。さらに、減算器15は電流
指令値u1から外乱推定値u2を減算して補正し、外乱
やパラメータ変動による影響を排除した電流指令値Ir
を出力する。
【0017】外乱推定値u2は、制御対象に外乱やパラ
メータ変動がない場合にゼロとなる。制御対象に外乱d
やパラメータ変動Δがある場合には、
【数3】 となり、H(z-1)のゲイン特性が1である周波数帯域
では、
【数4】θ=Gp(z-1)・u1 となる。つまり、外乱やパラメータ変動の影響が完全に
キャンセルされて、制御対象の動特性がノミナルモデル
Gp(z-1)に一定化される。H(z-1)のカットオフ
周波数を上げると高周波数域まで同様な効果が得られる
が、逆にハイゲインフィードバックとなり、安定余裕が
減少するのでトレードオフ設計が必要となる。制御ブロ
ック13はモータ電流の上下限に相当するリミッタであ
り、実際の制御対象の入力であるモータ電流が飽和した
時に外乱補償器の入力を制限することによって、外乱推
定値u2に誤差が溜まるのを防止して応答性能の劣化を
防ぐ。
【0018】次に、モデルマッチング補償器16〜19
について説明する。まず、所望の応答特性を連続系規範
モデル伝達特性Gm0(s)(0次/2次)で与える。
これを離散化した規範モデル伝達特性Gm0(z-1)と
すると、制御対象の伝達特性Gp(z-1)と同様に、サ
ンプリングタイムを小さくすると−1に収束するゼロ点
を有する。したがって、モデルマッチング補償器の設計
の際に両者を相殺させる目的で、規範モデル伝達特性G
m0(z-1)のゼロ点を制御対象伝達特性Gp(z-1
のゼロ点で置き換えたGm(z-1)を規範モデル伝達特
性として用いる。なお、サンプリングタイムが充分小さ
ければ、Gm(z-1)とGm0(z-1)との差はほとん
どなく、実用上問題はない。
【数5】
【0019】数式1と数式5の各係数を用いると、モデ
ルマッチング補償器の制御ブロック16は1/R
(z-1)、制御ブロック17はL(z-1)、制御ブロッ
ク18はBmfで構成される。
【数6】
【0020】図3は、スロットルバルブ位置決めコント
ローラ4の制御プログラムを示すフローチャートであ
る。このフローチャートにより、実施形態のスロットル
バルブの位置決め動作を説明する。コントローラ4のマ
イクロコンピュータは、2mSごとにステップ1からこ
の制御プログラムを実行する。ステップ2で、センサ2
からのスロットルバルブの開口角度θに応じた電圧信号
を増幅してA/D変換する。続くステップ3で、ディジ
タル信号に変換された電圧信号をスロットル開度θに変
換する。ステップ4において、乗員のアクセル操作など
によりアクチュエータの開度指令値θrを決定する。
【0021】ステップ5において、精度の違うスロット
ル開度の切り換えを行なう。スロットル角度センサ2の
アナログ出力信号を増幅してA/D変換し、スロットル
開度計測値として外乱補償器11〜15とモデルマッチ
ング補償器16〜19の演算に用いると、センサ2のア
ナログ出力信号には必ずある程度のノイズが混入するの
で、外乱補償器11〜15が充分に機能せず、目標とす
るスロットル制御分解能を実現できない場合がある。
【0022】そこで、図4に示すように、スロットル角
度センサ2のアナログ出力信号を大きく増幅(この例で
は4倍)することによって、増幅器の有効周波数域を上
回る高周波ノイズを相対的に低減する。また、A/D変
換器の入力電圧には当然、上限があるので、非常に高い
スロットル制御分解能が必要となるアイドル制御時、つ
まり低スロットル開度域のみこれを行ない、単位合せの
後、図5に示すように増幅しない通常のA/D変換値と
補間演算してスロットルバルブ開度検出値として用い
る。滑らかに両方のA/D変換値をつなぐためには、増
幅しない通常のA/D変換値や1サンプル周期前に補間
演算した値に基づいて、双方の間で補間演算する。
【数7】補間値=k・(A/D変換値2)+(1−k)
・(A/D変換値1)、 ここで、(A/D変換値1)≦θの場合はk=1、θ2
<(A/D変換値1<θ1の場合は0<k<1、θ2≦
(A/D変換値1)の場合はk=0とする。
【0023】ステップ6において、エンジン制御状態に
応じて図2に示す制御ブロック11および12のロバス
ト補償器の周波数特性を切り換える。この処理の詳細は
後述する。ステップ7で、図2に示すモデルマッチング
補償器16〜19によって、スロットル開度指令値に対
する実スロットル開度の応答性を予め設定した所望の応
答特性に一致させる。そして、ステップ8で、図2に示
すモデルマッチング補償器16〜19により算出した電
流指令値u1から外乱補償器11〜14により算出した
外乱推定値u2を減算して補正し、外乱やパラメータ変
動による影響を排除した電流指令値Irを求め、電流制
御増幅器5へ出力する。
【0024】図6は、図3のステップ6におけるロバス
ト補償器の詳細を示すフローチャートである。ステップ
9と10において、周波数特性の異なるロバスト補償器
1(カットオフ周波数f1〔Hz〕)とロバスト補償器
2(カットオフ周波数f2〔Hz〕)によって、外乱推
定値1と外乱推定値2を演算する。続くステップ11
で、エンジンの制御状態量である実スロットル開度θに
応じて外乱推定値1または外乱推定値2を選択する。
【数8】θ>θoの場合は、外乱推定値1を選択、θ<
θoの場合は、外乱推定値2を選択
【0025】このように、複数の外乱補償器によって演
算された複数の外乱推定値を、スロットル開度などのエ
ンジン制御状態に応じて選択することによって、外乱補
償器の特性をリアルタイムに大きく変更することがで
き、これにより実スロットル開度の段差を最小に押え且
つ連続的にすることができる。
【0026】−発明の実施の形態の変形例− 図7は、図3のステップ6におけるロバスト補償器の変
形例を示すフローチャートである。上記実施形態では2
個のロバスト補償器により求められた外乱推定値をスロ
ットル開度により選択する例を示したが、この変形例で
はスロットル開度に応じて次式により外乱推定値を補間
する。
【数9】補間値=k・(外乱推定値2)+(1−k)・
(外乱推定値1)、 ここで、θ≦θ1の場合はk=1、θ2<θ<θ1の場
合は0<k<1、θ2≦θの場合はk=0とする。
【0027】図10は、この変形例の制御装置によっ
て、スロットル開度指令値を0度から50度までランプ
状に変化させるとともに、スロットル開度16度におい
て外乱補償器の周波数特性を35Hzから1Hzに切り
換えた場合の、(a)スロットル開度指令値〔度/di
v〕、(b)実スロットル開度〔度/div〕および
(c)電流指令値〔A/div〕のシュミレーション結
果を示す。この図から明らかなように、実スロットル開
度の挙動に段差などの影響を与えることなく、外乱補償
器の周波数特性を大きく切り換えることができる。
【0028】−発明の実施の形態の他の変形例− 上述した実施形態とその変形例では、スロットル開度セ
ンサ2の出力を大きく増幅してA/D変換した値と、増
幅しない通常のA/D変換値とを補間演算した。しか
し、この変形例では、スロットル開度センサ2の出力を
大きく増幅してノイズなどの影響を小さくした高精度な
スロットル開度を使用する場合のみに、図6または図7
に示す処理を実行する。
【0029】図8は、図3のステップ6におけるロバス
ト補償器の他の変形例を示すフローチャートである。ス
テップ13において、スロットル開度センサ2の出力を
大きく増幅してノイズなどの影響を小さくした高精度な
スロットル開度と、増幅しない通常のスロットル開度と
を所定の条件(この変形例ではスロットル開度)により
切り換える。そして、上述したようにステップ9と10
において、高精度なスロットル開度を用いて、周波数特
性の異なるロバスト補償器1(カットオフ周波数f1
〔Hz〕)とロバスト補償器2(カットオフ周波数f2
〔Hz〕)によって外乱推定値1と外乱推定値2を演算
する。続くステップ14で、図9に示すように、スロッ
トル開度θに基づいて上述したように外乱推定値1と外
乱推定値2を選択するか、または補間する。
【0030】このように、この変形例では高精度スロッ
トル開度を使用する場合のみに、複数の外乱補償器によ
って演算された複数の外乱推定値を、スロットル開度な
どのエンジン制御状態に応じて選択または補間すること
によって、外乱補償器の特性をリアルタイムに大きく変
更することができ、これによりスロットル開度の段差を
最小に押え且つ連続的にすることができる。
【0031】なお、上記実施形態とその変形例では、2
個のロバスト補償器を用いた例を示したが、3個以上の
ロバスト補償器を用いて外乱推定値を演算し、スロット
ル開度よりいずれかを選択するか、またはスロットル開
度に基づいて互いに補間して最終的な外乱推定値を求め
てもよい。また、上述した実施形態とその変形例では、
エンジン制御状態としてスロットルバルブ開度を用いた
例を説明したが、エンジン制御状態としてエンジン回転
数やアイドル制御作動状態などを用いてもよい。
【0032】以上の一実施形態の構成において、モータ
およびバルブ可動機構がアクチュエータを、電流制御ア
ンプ5が駆動手段を、スロットル角度センサ2およびセ
ンサ信号処理回路3が検出手段を、スロットルバルブ位
置決めコントローラ4が制御手段、外乱推定手段、選択
手段、補間手段および補正手段をそれぞれ構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態の構成を示す図である。
【図2】 スロットルバルブ位置決めコントローラの構
成を示す制御ブロック図である。
【図3】 スロットルバルブ位置決めコントローラの制
御プログラムを示すフローチャートである。
【図4】 スロットル開度センサの出力を増幅してA/
D変換した値と、増幅しないでA/D変換した値とを補
間してスロットル開度を求める方法を示す図である。
【図5】 スロットル開度の補間演算を説明する図であ
る。
【図6】 図3のステップ6におけるロバスト補償器の
詳細を示すフローチャートである。
【図7】 図3のステップ6におけるロバスト補償器の
変形例を示すフローチャートである。
【図8】 図3のステップ6におけるロバスト補償器の
他の変形例を示すフローチャートである。
【図9】 図8に示すロバスト補償器の動作を説明する
図である。
【図10】 図7に示す変形例の制御装置によって、ス
ロットル開度指令値を0度から50度までランプ状に変
化させるとともに、スロットル開度16度において外乱
補償器の周波数特性を35Hzから1Hzに切り換えた
場合の、(a)スロットル開度指令値〔度/div〕、
(b)実スロットル開度〔度/div〕および(c)電
流指令値〔A/div〕のシュミレーション結果を示す
図である。
【図11】 従来の装置による、スロットル開度指令値
を0度から50度までランプ状に変化させるとともに、
スロットル開度16度において外乱補償器の周波数特性
を35Hzから1Hzに切り換えた場合の、(a)スロ
ットル開度指令値〔度/div〕、(b)実スロットル
開度〔度/div〕および(c)電流指令値〔A/di
v〕のシュミレーション結果を示す図である。
【符号の説明】
1 スロットルアクチュエータ 2 スロットル角度センサ 3 センサ信号処理回路 4 スロットルバルブ位置決めコントローラ 5 電流制御アンプ 11〜15 外乱補償器 16〜19 フィードバック式モデルマッチング補償器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/00 - 41/40 F02D 45/00 F02D 9/02 F02D 11/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のスロットルバルブを開閉する
    アクチュエータと、 前記アクチュエータを駆動する駆動手段と、 前記スロットルバルブの開度を検出する検出手段と、 前記スロットル開度検出値を開度指令値に追従させるた
    めの駆動指令値を演算して前記駆動手段を制御する制御
    手段とを備えたスロットルバルブの位置決め制御装置に
    おいて、 互いに異なる周波数特性を有する複数の外乱推定手段で
    あって、前記駆動指令値と前記スロットル開度検出値と
    に基づいて前記アクチュエータに加わる外乱を推定する
    複数の外乱推定手段と、 前記複数の外乱推定手段により推定された複数の外乱推
    定値をエンジン制御状態に応じて選択する選択手段と、 前記選択手段により選択された外乱推定値により前記駆
    動指令値を補正する補正手段とを備えることを特徴とす
    るスロットルバルブの位置決め制御装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関のスロットルバルブを開閉する
    アクチュエータと、 前記アクチュエータを駆動する駆動手段と、 前記スロットルバルブの開度を検出する検出手段と、 前記スロットル開度検出値を開度指令値に追従させるた
    めの駆動指令値を演算して前記駆動手段を制御する制御
    手段とを備えたスロットルバルブの位置決め制御装置に
    おいて、 互いに異なる周波数特性を有する複数の外乱推定手段で
    あって、前記駆動指令値と前記スロットル開度検出値と
    に基づいて前記アクチュエータに加わる外乱を推定する
    複数の外乱推定手段と、 前記複数の外乱推定手段により推定された複数の外乱推
    定値をエンジン制御状態に応じて補間する補間手段と、 前記補間手段により補間された外乱推定値により前記駆
    動指令値を補正する補正手段とを備えることを特徴とす
    るスロットルバルブの位置決め制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のスロッ
    トルバルブの位置決め制御装置において、 前記検出手段は検出精度を切り換え可能に構成され、前
    記外乱推定手段は高精度に切り換えられた前記検出手段
    の検出値を用いることを特徴とするスロットルバルブの
    位置決め制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの項に記載のス
    ロットルバルブの位置決め制御装置において、 前記エンジン制御状態は、前記スロットルバルブ開度検
    出値、エンジン回転数、アイドル制御作動状態を含むこ
    とを特徴とするスロットルバルブの位置決め制御装置。
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