JP2649611B2 - 半導体基板の熱処理方法 - Google Patents
半導体基板の熱処理方法Info
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- JP2649611B2 JP2649611B2 JP2410812A JP41081290A JP2649611B2 JP 2649611 B2 JP2649611 B2 JP 2649611B2 JP 2410812 A JP2410812 A JP 2410812A JP 41081290 A JP41081290 A JP 41081290A JP 2649611 B2 JP2649611 B2 JP 2649611B2
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- Japan
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- temperature
- substrate
- treatment furnace
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体基板に対して
酸化、拡散、アニール、化学気相成長(CVD)等の加
熱処理を行う半導体基板の熱処理方法に関する。
酸化、拡散、アニール、化学気相成長(CVD)等の加
熱処理を行う半導体基板の熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体基板の一層の高品質化、高
度化が要求されるようになり、ある程度やむなしと考え
られていた熱処理工程での自然酸化膜の成長を、極力抑
制することが必要になってきた。そこで従来では自然酸
化膜の抑制を意図して、半導体基板を熱処理炉内へ挿入
する際に、大気を窒素ガスで置換することにより、大気
の巻込みを防止していた。例えば図7〜図9はそれぞれ
従来例を示す。
度化が要求されるようになり、ある程度やむなしと考え
られていた熱処理工程での自然酸化膜の成長を、極力抑
制することが必要になってきた。そこで従来では自然酸
化膜の抑制を意図して、半導体基板を熱処理炉内へ挿入
する際に、大気を窒素ガスで置換することにより、大気
の巻込みを防止していた。例えば図7〜図9はそれぞれ
従来例を示す。
【0003】図7で示すもの(以下従来例1という)
は、ロードロック室101A内の大気を真空ポンプ(図
示せず)で排出した後、窒素ガスN2を導入して大気圧
まで戻し、次いでウエハボート118a内に収容した半
導体基板Wを熱処理炉101内のプロセスチューブ10
2内へ挿入し、その後ヒータユニット103で加熱し
て、所要の熱処理をなすように構成されている。
は、ロードロック室101A内の大気を真空ポンプ(図
示せず)で排出した後、窒素ガスN2を導入して大気圧
まで戻し、次いでウエハボート118a内に収容した半
導体基板Wを熱処理炉101内のプロセスチューブ10
2内へ挿入し、その後ヒータユニット103で加熱し
て、所要の熱処理をなすように構成されている。
【0004】図8で示すもの(以下従来例2という)
は、窒素パージボックス101B内の大気を大量の窒素
ガスN2で置換し、次いでウエハボート118a内に収
容した半導体基板Wをプロセスチューブ102内へ挿入
し、その後ヒータユニット103で加熱して、所要の熱
処理をなすように構成されている。
は、窒素パージボックス101B内の大気を大量の窒素
ガスN2で置換し、次いでウエハボート118a内に収
容した半導体基板Wをプロセスチューブ102内へ挿入
し、その後ヒータユニット103で加熱して、所要の熱
処理をなすように構成されている。
【0005】図9で示すもの(以下従来例3という)
は、基板Wをウエハボート118aに収容し(同図
(A))、次いで内側プロセスチューブ102aをウエ
ハボート118aにかぶせつけて密閉し、その内側プロ
セスチューブ102a内の大気を窒素ガスN2で置換し
(同図(B))、それを熱処理炉内の外側プロセスチュ
ーブ102b内へ挿入し(同図(C))、その後ヒータ
ユニット103で加熱して、所要の熱処理をなすように
構成されている。
は、基板Wをウエハボート118aに収容し(同図
(A))、次いで内側プロセスチューブ102aをウエ
ハボート118aにかぶせつけて密閉し、その内側プロ
セスチューブ102a内の大気を窒素ガスN2で置換し
(同図(B))、それを熱処理炉内の外側プロセスチュ
ーブ102b内へ挿入し(同図(C))、その後ヒータ
ユニット103で加熱して、所要の熱処理をなすように
構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来1〜従来3
は、いずれも半導体基板W(以下単に基板と称する)を
熱処理炉内へ挿入する際に、大気を窒素ガスN2で置換
することにより、大気の巻込みを防止していたが、自然
酸化膜の成長を十分に抑制するものではなかった。それ
は次のような理由によるものと考えられる。即ち、基板
は熱処理の前のいずれかの工程で水による洗浄処理を行
うのが一般的であり、程度の差こそあれ基板の表面に水
分が付着しているため、それが熱処理工程で加熱され、
温度上昇につれて基板の表面に酸化膜が形成されるので
ある。
は、いずれも半導体基板W(以下単に基板と称する)を
熱処理炉内へ挿入する際に、大気を窒素ガスN2で置換
することにより、大気の巻込みを防止していたが、自然
酸化膜の成長を十分に抑制するものではなかった。それ
は次のような理由によるものと考えられる。即ち、基板
は熱処理の前のいずれかの工程で水による洗浄処理を行
うのが一般的であり、程度の差こそあれ基板の表面に水
分が付着しているため、それが熱処理工程で加熱され、
温度上昇につれて基板の表面に酸化膜が形成されるので
ある。
【0007】即ち従来例1では、基板に付着した水分は
真空引きしても容易には除去できず、窒素ガスパージし
た大気圧下で水分は加熱時に基板から離脱するものの、
その水分は基板相互の間隙に残存するのである。もとよ
り大量の窒素ガスを使用し十分時間をかけてパージし、
加熱すればかかる水分を排除できるが、それでは熱処理
に長時間を要し、生産性が低下する。また、従来例2及
び従来例3でも大同小異である。
真空引きしても容易には除去できず、窒素ガスパージし
た大気圧下で水分は加熱時に基板から離脱するものの、
その水分は基板相互の間隙に残存するのである。もとよ
り大量の窒素ガスを使用し十分時間をかけてパージし、
加熱すればかかる水分を排除できるが、それでは熱処理
に長時間を要し、生産性が低下する。また、従来例2及
び従来例3でも大同小異である。
【0008】ちなみに、図10は横軸に熱処理温度
(℃)を、縦軸に酸化膜厚み(Å)をとり、20分間の
窒素ガスパージにより上記事実を実験で確認した結果を
示すグラフであり、実線は基板を垂直方向に4.75m
mピッチで積層配置した場合を、一点鎖線は50mmピ
ッチで積層配置した場合を示す。この結果はパージ処理
温度が500〜650℃で、基板の間隔を広げて処理枚
数を減らせばある程度効果があるが、短時間の窒素ガス
パージでは効果がなく実用的でないことを意味する。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、短
時間で自然酸化膜の成長を十分に抑制し得る実用的な熱
処理方法を提供し、基板の品質を一段と向上させること
を技術課題とする。
(℃)を、縦軸に酸化膜厚み(Å)をとり、20分間の
窒素ガスパージにより上記事実を実験で確認した結果を
示すグラフであり、実線は基板を垂直方向に4.75m
mピッチで積層配置した場合を、一点鎖線は50mmピ
ッチで積層配置した場合を示す。この結果はパージ処理
温度が500〜650℃で、基板の間隔を広げて処理枚
数を減らせばある程度効果があるが、短時間の窒素ガス
パージでは効果がなく実用的でないことを意味する。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、短
時間で自然酸化膜の成長を十分に抑制し得る実用的な熱
処理方法を提供し、基板の品質を一段と向上させること
を技術課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するものとして以下のように構成される。すなわち、本
発明は、半導体基板を熱処理炉内へ搬入し、前記熱処理
炉を加熱して半導体基板を500℃〜650℃で予備加
熱しつつ前記熱処理炉内を減圧し、予備加熱を行った前
記熱処理炉内で半導体基板を昇温し、前記熱処理炉内で
半導体基板を所要の温度で加熱し、前記熱処理炉を強制
冷却して半導体基板を降温するものである。つまり、熱
処理炉を加熱して半導体基板を500℃〜650℃で予
備加熱しつつ熱処理炉内を減圧する点、及び同じ熱処理
炉内で半導体基板の予備加熱と半導体基板の昇温と本来
の加熱処理とを行う点、が要点である。
するものとして以下のように構成される。すなわち、本
発明は、半導体基板を熱処理炉内へ搬入し、前記熱処理
炉を加熱して半導体基板を500℃〜650℃で予備加
熱しつつ前記熱処理炉内を減圧し、予備加熱を行った前
記熱処理炉内で半導体基板を昇温し、前記熱処理炉内で
半導体基板を所要の温度で加熱し、前記熱処理炉を強制
冷却して半導体基板を降温するものである。つまり、熱
処理炉を加熱して半導体基板を500℃〜650℃で予
備加熱しつつ熱処理炉内を減圧する点、及び同じ熱処理
炉内で半導体基板の予備加熱と半導体基板の昇温と本来
の加熱処理とを行う点、が要点である。
【0010】
【作用】本発明では、まず半導体基板を熱処理炉内へ搬
入し、半導体基板を500℃〜650℃で予備加熱しつ
つ熱処理炉内を減圧する。これにより、半導体基板の表
面に付着した水分が迅速に除去される。次に、予備加熱
を行った熱処理炉と同一の熱処理炉内で半導体基板を昇
温し、さらに半導体基板を所要の温度で加熱処理し、熱
処理炉を強制冷却して半導体基板を降温する。
入し、半導体基板を500℃〜650℃で予備加熱しつ
つ熱処理炉内を減圧する。これにより、半導体基板の表
面に付着した水分が迅速に除去される。次に、予備加熱
を行った熱処理炉と同一の熱処理炉内で半導体基板を昇
温し、さらに半導体基板を所要の温度で加熱処理し、熱
処理炉を強制冷却して半導体基板を降温する。
【0011】
【実 施 例】以下図面に基づいて本発明の実施例を詳
述する。図1は本発明に係る熱処理方法を適用した熱処
理シーケンスを示すグラフ、図2は図1中のII部に関す
る温度特性図、図3は本発明の熱処理方法を実施するの
に適した熱処理炉の縦断面図、図4はその熱処理炉の制
御手段の構成図である。先ず熱処理炉について説明す
る。
述する。図1は本発明に係る熱処理方法を適用した熱処
理シーケンスを示すグラフ、図2は図1中のII部に関す
る温度特性図、図3は本発明の熱処理方法を実施するの
に適した熱処理炉の縦断面図、図4はその熱処理炉の制
御手段の構成図である。先ず熱処理炉について説明す
る。
【0012】この熱処理炉1はプロセスチューブ2と、
プロセスチューブ2を囲うように設けられた筒状発熱体
3と、プロセスチューブ2及び筒状発熱体3を内部に収
容する断熱構造体5と、プロセスチューブ2内を真空引
きする減圧手段21と、プロセスチューブ2の外側をそ
の軸心方向に沿って冷却気体Aを流通させる強制冷却手
段(図4符号23)と、強制冷却手段23に付設され冷
却空気Aの流通方向を切り換える流通方向切換手段(同
図符号24)と、炉内長手方向の昇降温度を均熱制御す
るとともに、減圧手段21を駆動制御する制御手段(同
図符号25)とを具備して成る速熱・速冷式熱処理装置
である。
プロセスチューブ2を囲うように設けられた筒状発熱体
3と、プロセスチューブ2及び筒状発熱体3を内部に収
容する断熱構造体5と、プロセスチューブ2内を真空引
きする減圧手段21と、プロセスチューブ2の外側をそ
の軸心方向に沿って冷却気体Aを流通させる強制冷却手
段(図4符号23)と、強制冷却手段23に付設され冷
却空気Aの流通方向を切り換える流通方向切換手段(同
図符号24)と、炉内長手方向の昇降温度を均熱制御す
るとともに、減圧手段21を駆動制御する制御手段(同
図符号25)とを具備して成る速熱・速冷式熱処理装置
である。
【0013】プロセスチューブ2は、筒状発熱体3内に
遊嵌状に挿通して吸排気箱20a・20bで固定され、
その下端部がOリング14aを介して排気フランジ15
に接続されており、Oリング14bを介してボート支持
台17で密閉するように構成されている。なお図3中の
符号18aは基板Wを収容したウエハボート、18bは
ボート受け台、19は熱処理炉全体を支持する支持フレ
ームである。筒状発熱体3は、例えば電熱材料から成る
多孔板を円筒形に形成したもので、その長手方向に沿っ
て中央ゾーン3Bと、両端部ゾーン3A・3Cとに区画
され、それぞれのゾーンを独立して発熱制御し得るよう
に環状の電極4a〜4dが付設されている。断熱構造体
5は、石英ガラス製の内筒6と、セラミックス材料製の
筒体の内面に金の蒸着膜7を被着した筒状熱線反射ミラ
ー8と、断熱材料で形成された外筒9とから成り、内筒
6と筒状熱線反射ミラー8との間に気体断熱層10を形
成し、上下一組みの支持フランジ12a・12bで支持
されている。一組みの支持フランジ12a・12bには
それぞれ前記吸排気用箱20a・20bが付設され、吸
排気箱20a・20bは図4で示すように流通方向切換
手段24及び強制排気手段23に連通連結されている。
減圧手段21は真空ポンプ21aとエア式開閉弁21b
とから成り、制御手段25でプロセスチューブ2内を減
圧するように構成されている。なお、符号22は圧力計
である。
遊嵌状に挿通して吸排気箱20a・20bで固定され、
その下端部がOリング14aを介して排気フランジ15
に接続されており、Oリング14bを介してボート支持
台17で密閉するように構成されている。なお図3中の
符号18aは基板Wを収容したウエハボート、18bは
ボート受け台、19は熱処理炉全体を支持する支持フレ
ームである。筒状発熱体3は、例えば電熱材料から成る
多孔板を円筒形に形成したもので、その長手方向に沿っ
て中央ゾーン3Bと、両端部ゾーン3A・3Cとに区画
され、それぞれのゾーンを独立して発熱制御し得るよう
に環状の電極4a〜4dが付設されている。断熱構造体
5は、石英ガラス製の内筒6と、セラミックス材料製の
筒体の内面に金の蒸着膜7を被着した筒状熱線反射ミラ
ー8と、断熱材料で形成された外筒9とから成り、内筒
6と筒状熱線反射ミラー8との間に気体断熱層10を形
成し、上下一組みの支持フランジ12a・12bで支持
されている。一組みの支持フランジ12a・12bには
それぞれ前記吸排気用箱20a・20bが付設され、吸
排気箱20a・20bは図4で示すように流通方向切換
手段24及び強制排気手段23に連通連結されている。
減圧手段21は真空ポンプ21aとエア式開閉弁21b
とから成り、制御手段25でプロセスチューブ2内を減
圧するように構成されている。なお、符号22は圧力計
である。
【0014】制御手段25は図4で示すように、炉内長
手方向に配置した複数の温度センサー26a〜26c
と、流通方向切換手段24及び筒状発熱体3の3つの区
画された部分3A〜3Bへの給電を切換制御する切換回
路27と、減圧手段21を駆動制御するとともに温度セ
ンサー26a〜26cからの検温信号T L に基づいて切
換制御器27を駆動制御する制御回路28とを具備して
成り、図1で示す熱処理シーケンスに基づいて減圧手段
21を制御するとともに、炉内長手方向の昇降温度を均
一に制御するように構成されている。
手方向に配置した複数の温度センサー26a〜26c
と、流通方向切換手段24及び筒状発熱体3の3つの区
画された部分3A〜3Bへの給電を切換制御する切換回
路27と、減圧手段21を駆動制御するとともに温度セ
ンサー26a〜26cからの検温信号T L に基づいて切
換制御器27を駆動制御する制御回路28とを具備して
成り、図1で示す熱処理シーケンスに基づいて減圧手段
21を制御するとともに、炉内長手方向の昇降温度を均
一に制御するように構成されている。
【0015】以下図1〜図2に基づいて本発明の特徴を
なす熱処理シーケンスについて説明する。ステップS1
では、熱処理炉1内の温度を約500℃に設定した状態
で、プロセスチューブ2の窒素ガス入り口2aより窒素
ガスN2を流入させながら、基板Wを搭載したウエハボ
ート18aを熱処理炉1のプロセスチューブ2内に高速
(500mm/min程度)で装填し(図5)、プロセスチュー
ブ2をボート支持台17で密閉する。この時の窒素ガス
パージは20リットル/minとする。ステップS2では、
予備加熱工程として基板Wを設定温度500℃に昇温し
ながらプロセスチューブ2内を減圧手段21で減圧パー
ジする。これにより基板Wの表面に付着した水分を離脱
させる。このときプロセスチューブ2内は10-3Torr以
下まで真空引きされる。ここで図2は図1中のII部に関
する温度特性図であり、この場合高速で挿入された基板
Wの温度は、同図で示すようにかなり時間遅れがある。
即ち、ハッチング部分の上臨界線t1はウエハボード1
8a内の上部基板の温度を示し、下臨界線t2は下部基
板の温度を示す。つまり、基板Wが徐々に加熱される過
程を利用して水分の離脱を促進するのである。このよう
に予備加熱の設定温度を500℃にした場合には、本予
備加熱工程(ステップS2)は約40分を要するが、6
50℃を限度として適宜設定温度をさらに高温(600
〜650℃)に設定して減圧パージすることにより、こ
の予備加熱工程を短縮することは可能である。また、基
板W上の水分の離脱だけに注目すれば、予備過熱工程を
15分に短縮しても自然酸化膜の成長は十分抑制できる
ため、予備過熱工程を15分間とし次の昇温工程(ステ
ップS3)に直ちに移行しても実用上は問題を生じな
い。なお、予備過熱工程の設定温度が650℃を超える
と基板の面内の温度差のため、そりやスリップ等が発生
し、最悪の場合基板が破損する。さらに700℃以上で
昇温減圧パージをするとシリコン基板の表面が荒れてデ
バイス特性が劣化するおそれがあり好ましくない。ステ
ップS3では、設定温度を1000℃にして基板Wを昇
温し、次いでステップS4では基板Wを1000℃で3
0分間アニール処理し、ステップS5では強制冷却によ
り基板Wを基板導入時の炉内温度まで降温する。そして
ステップS6では、窒素ガスN2でプロセスチューブ2内
をパージしながら、基板Wを搭載したウエハボード18
aを取り出す。
なす熱処理シーケンスについて説明する。ステップS1
では、熱処理炉1内の温度を約500℃に設定した状態
で、プロセスチューブ2の窒素ガス入り口2aより窒素
ガスN2を流入させながら、基板Wを搭載したウエハボ
ート18aを熱処理炉1のプロセスチューブ2内に高速
(500mm/min程度)で装填し(図5)、プロセスチュー
ブ2をボート支持台17で密閉する。この時の窒素ガス
パージは20リットル/minとする。ステップS2では、
予備加熱工程として基板Wを設定温度500℃に昇温し
ながらプロセスチューブ2内を減圧手段21で減圧パー
ジする。これにより基板Wの表面に付着した水分を離脱
させる。このときプロセスチューブ2内は10-3Torr以
下まで真空引きされる。ここで図2は図1中のII部に関
する温度特性図であり、この場合高速で挿入された基板
Wの温度は、同図で示すようにかなり時間遅れがある。
即ち、ハッチング部分の上臨界線t1はウエハボード1
8a内の上部基板の温度を示し、下臨界線t2は下部基
板の温度を示す。つまり、基板Wが徐々に加熱される過
程を利用して水分の離脱を促進するのである。このよう
に予備加熱の設定温度を500℃にした場合には、本予
備加熱工程(ステップS2)は約40分を要するが、6
50℃を限度として適宜設定温度をさらに高温(600
〜650℃)に設定して減圧パージすることにより、こ
の予備加熱工程を短縮することは可能である。また、基
板W上の水分の離脱だけに注目すれば、予備過熱工程を
15分に短縮しても自然酸化膜の成長は十分抑制できる
ため、予備過熱工程を15分間とし次の昇温工程(ステ
ップS3)に直ちに移行しても実用上は問題を生じな
い。なお、予備過熱工程の設定温度が650℃を超える
と基板の面内の温度差のため、そりやスリップ等が発生
し、最悪の場合基板が破損する。さらに700℃以上で
昇温減圧パージをするとシリコン基板の表面が荒れてデ
バイス特性が劣化するおそれがあり好ましくない。ステ
ップS3では、設定温度を1000℃にして基板Wを昇
温し、次いでステップS4では基板Wを1000℃で3
0分間アニール処理し、ステップS5では強制冷却によ
り基板Wを基板導入時の炉内温度まで降温する。そして
ステップS6では、窒素ガスN2でプロセスチューブ2内
をパージしながら、基板Wを搭載したウエハボード18
aを取り出す。
【0016】ちなみに、図6は昇温減圧パージの温度と
基板の表面に形成された酸化膜の膜厚との関係を示すグ
ラフである。このグラフは予備加熱工程(ステップ
S2)において、500℃〜650℃で昇温減圧パージ
することにより、自然酸化膜の成長を十分に抑制するこ
とができることを示している。
基板の表面に形成された酸化膜の膜厚との関係を示すグ
ラフである。このグラフは予備加熱工程(ステップ
S2)において、500℃〜650℃で昇温減圧パージ
することにより、自然酸化膜の成長を十分に抑制するこ
とができることを示している。
【0017】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明で
は加熱処理を行う前に熱処理炉を加熱して500℃〜6
50℃で予備加熱しつつ熱処理炉内を減圧するようにし
たので、半導体基板の表面に付着した水分を迅速に離脱
し、半導体基板の表面の自然酸化膜の成長を抑制するこ
とができる。しかも、予備加熱を行った熱処理炉と同じ
熱処理炉内で引き続き半導体基板を昇温し、半導体基板
を所要の温度で加熱処理することから、予備加熱工程か
ら昇温工程・本来の熱処理工程へ円滑に移行し、半導体
基板の生産性を低下させずに一段と基板の品質向上を図
ることができる。
は加熱処理を行う前に熱処理炉を加熱して500℃〜6
50℃で予備加熱しつつ熱処理炉内を減圧するようにし
たので、半導体基板の表面に付着した水分を迅速に離脱
し、半導体基板の表面の自然酸化膜の成長を抑制するこ
とができる。しかも、予備加熱を行った熱処理炉と同じ
熱処理炉内で引き続き半導体基板を昇温し、半導体基板
を所要の温度で加熱処理することから、予備加熱工程か
ら昇温工程・本来の熱処理工程へ円滑に移行し、半導体
基板の生産性を低下させずに一段と基板の品質向上を図
ることができる。
【図1】本発明に係る熱処理方法を適用した熱処理シー
ケンスを示すグラフである。
ケンスを示すグラフである。
【図2】図1中のII部に関する温度特性図である。
【図3】本発明の熱処理方法を実施するのに適した熱処
理炉の縦断面図である。
理炉の縦断面図である。
【図4】本発明の熱処理炉の制御手段の構成図である。
【図5】本発明に係るステップS1の動作説明図であ
る。
る。
【図6】昇温減圧パージの温度と基板の表面に形成され
た酸化膜の膜厚との関係を示すグラフである。
た酸化膜の膜厚との関係を示すグラフである。
【図7】従来例1に係る熱処理炉の概要図である。
【図8】従来例2に係る熱処理炉の概要図である。
【図9】従来例3に係る熱処理炉の概要図である。
【図10】従来例に係る図6相当図である。
1… 熱処理炉、 2…プロセスチューブ(予備加熱
室)、 18a… ウエハボード、 21…減圧手段、
W…半導体基板、 S2…予備加熱工程、 S3…昇温
工程、 S4…熱処理工程、 S5…降温工程。
室)、 18a… ウエハボード、 21…減圧手段、
W…半導体基板、 S2…予備加熱工程、 S3…昇温
工程、 S4…熱処理工程、 S5…降温工程。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 博至 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天 神北町1番地の1 大日本スクリーン製 造株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−128623(JP,A) 特開 昭63−199414(JP,A) 特開 昭63−166215(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】 半導体基板を熱処理炉内へ搬入し、前記
熱処理炉を加熱して半導体基板を500℃〜650℃で
予備加熱しつつ前記熱処理炉内を減圧し、予備加熱を行
った前記熱処理炉内で半導体基板を昇温し、前記熱処理
炉内で半導体基板を所要の温度で加熱し、前記熱処理炉
を強制冷却して半導体基板を降温することを特徴とする
半導体基板の熱処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2410812A JP2649611B2 (ja) | 1990-12-14 | 1990-12-14 | 半導体基板の熱処理方法 |
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