JP2648731B2 - Cu添加高Mgアルミニウム合金の熱間圧延方法 - Google Patents
Cu添加高Mgアルミニウム合金の熱間圧延方法Info
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Description
ウム合金の熱間圧延方法に関するものである。
車の国民生活に占める地位は年ごとに高まっており、環
境破壊と地域温暖化を防止するために燃費を低減し化石
燃料の消費を抑制することが従来にも増して重要となっ
てきている。このためエンジン性能の向上とともに車体
の軽量化が要求され、アルミニウム合金の適用が拡大さ
れつつある。このうち内板、外板等のパネルにはこれま
で用いられてきた薄鋼板と同等の強度、剛性の確保が要
求され、またプレスによる成形が前提となる以上それな
りの成形性を具備することも必須である。このような成
形性と強度の両立が可能な合金には4%以上のMgを添
加した固溶硬化型の5000系合金や0.5〜2%のS
iとMgを複合添加し、焼き付け塗装時に微細な化合物
を析出させる時効硬化型の6000系合金があるが、な
かでも特開昭62−27544号公報にあるように伸び
の大きな5000系合金が昨今の自動車板用アルミニウ
ム合金では主流となっている。
ら成っているが、成分調整のあと溶湯をスラブに鋳造す
る工程とそのスラブに存在する凝固組織を破壊し、所要
の板厚を得る上で引き続く熱間圧延工程は極めて重要で
ある。しかるにMgを多く添加したアルミニウム合金は
著しく固溶硬化して変形抵抗が大きいので低温で初期の
圧下率を得ることが難しく、また高温では熱間脆性を受
けて端部および表面での亀裂やワニ口亀裂が発生しやす
いという問題があった。これを回避するためには凝固偏
析のために生じる非平衡低融点相を除去する必要があ
り、特公昭53−6086号公報で提案されているよう
な426℃以上という高温で4〜48時間という長時間
の均質化処理を行ってから329〜404℃で95%ま
での圧下率で熱間圧延することが一般に行われてきた。
つ長時間の均質化処理は多大なエネルギーを有するため
コストアップの原因となる。また特に外板ではプレス成
形し、焼き付け塗装の後で降伏強度が大きいことが耐デ
ント性を得るために要求されるが、その目的でMgの他
に0.05〜0.4%程度のCuを添加した合金では均
質化処理を行ってから低温で熱間圧延したとしても、熱
間圧延時に割れを発生することがある。本発明はかかる
問題点を解決し、Cu添加高Mgアルミニウム合金を長
時間の均質化処理せずに熱間圧延する方法を提供するも
のである。
にはMg添加量に応じてCuの量を規制し、また熱間圧
延に際して歪速度を圧延温度とともに制御することが重
要であることに着目し、本発明はなされたものである。
すなわち本発明は重量%で4〜8%(但し、8%を除
く)のMgおよびMg(%)/8+5Cu(%)/6≦
1を満足するような量のCuを含有するアルミニウム合
金を400℃以上で4時間以下加熱した後、1000≦
(X+273)×Log(100Y)≦2500なる式
を満足するような温度X℃において歪速度Y/sで熱間
圧延する方法を要旨とするものである。
ついて述べる。Mgは一定以上の添加を行った場合に伸
びで代表されるような成形性を損なうことなく強度を増
加する合金元素であり、その効果を発揮するためには4
%以上の添加を必要とする。また8%以上添加すると本
発明の条件で熱間圧延を行ったとしても割れを発生する
ことがあり、避ける必要がある。Cuはプレス成形後の
焼き付け塗装時に微細析出して降伏強度を上げる元素で
あり、Mg(%)/8+5Cu(%)/6≦1を満足す
るような量の添加を行う。Mg(%)/8+5Cu
(%)/6の値が1を越えると、粒界に低温で溶解する
金属間化合物が生成し、本発明の条件で熱間圧延を行っ
たとしても割れを生じやすくなるのでさけなければなら
ない。本発明のアルミニウム合金は以上の他に結晶粒を
微細化したり、酸化を防止する目的で、あるいはまた不
可避的不純物としてやむをえずにFe,Siをそれぞれ
最大で0.5%、Mnを最大で0.7%、Cr,Zn,
Ti,B,Zrの各元素をそれぞれ最大で0.3%、B
eを最大0.1%含むことがあり、その場合にも熱間圧
延性は極端に劣化しない。
ついて述べる。本発明では熱間圧延に先だち上記合金の
鋳塊は400℃以上合金の固相温度までの温度範囲に4
時間以下加熱される。これは鋳塊の凝固偏析を軽減し、
またAl−Mg−Cu系の金属間化合物を再固溶するこ
とを目的とする。すなわちMgやCuは凝固時に粒界偏
析し、その後徐冷されると低温で液状化するAl−Mg
−Cu系の金属間化合物を形成して熱間加工時の絞り限
界を著しく小さくするが、この粗大析出物を回避するこ
とを目的とするものである。この加熱温度が400℃未
満であるとMgやCuの拡散が不十分で、圧延中に析出
して割れの生じる原因となる。また4時間を超えて加熱
することはエネルギーコストの増大につながるし、極端
に長時間の加熱を行うと結晶の微細化を意図してMnや
Cr等を添加している場合にも粗大結晶粒を成長させ熱
間圧延性を悪化させることがあるので避ける必要があ
る。
3)×Log(100Y)≦2500なる式を満足する
ような温度X℃において歪速度Y/sで行われる。この
条件が満たされれば高温で長時間の均質化処理を行わず
とも途中で著しい割れを生じることなく、所要の板厚を
得ることができる。温度が高く、(X+273)×Lo
g(100Y)の値が2500よりも大きいとAl−M
g−Cu系の金属間化合物が熱間圧延時に溶融して割れ
が発生する。また歪速度が大きく、(X+273)×L
og(100Y)の値が2500より大きい時には加工
時の発熱により熱間圧延板中の温度が不均一となって変
形能の差が生じやすく、金属間化合物の溶融と重なりあ
って熱間圧延時の割れが発生する原因となる。一方温度
が低く、(X+273)×Log(100Y)の値が1
00よりも小さいと合金が著しく固溶硬化し、所要の板
厚に仕上げるには大きな能力の圧延機を用いなければな
らず非経済的であるし、場合によっては著しく加工組織
を残すことがあるので避けなければならない。また(X
+273)×Log(100Y)の値を1000よりも
小さくするような歪速度での熱間圧延では所要の板厚と
するまでに極端な長時間を要し、実際的でない。本発明
の条件により熱間圧延されたアルミニウム合金はそのま
まで、あるいは冷間圧延、再結晶焼鈍等の工程を経た後
に、自動車板用としてプレス成形に供されるコイルまた
シートとなる。
ウム合金を表2に示すような条件で加熱後、表2に記載
の温度と歪速度で仕上厚さ5mmに熱間圧延した結果得
られた成品の形状を表2「割れの状況」欄にまとめた。
同欄で○は割れを生じずに5mm厚さに圧延できたこと
を、また△は多少の手入れを施せば問題とならない程度
の微小な割れが生じてはいるが、5mm厚さまで熱間圧
延できたことを、×は熱間圧延中に圧延を継続すること
ができないほどの著しい亀裂が発生したことを示す。本
発明の条件で熱間圧延を行えば、表2の実施例2,6,
11,12のように全く問題なく、また実施例5,15
のように比較的良好な状態でCu添加高Mg合金を圧延
できる。またCuやMgの添加量が少ない合金では実施
例1のように本発明条件をはずれても熱間圧延は容易で
あるが、CuやMgの添加量が多い場合には本発明の条
件をはずれると実施例3,4,7,10,14のように
熱間圧延を行うことは難しく、また行えたとしても実施
例8のように歪速度が小さいため生産性が著しく悪かっ
たり、実施例9のように熱延前の加熱が長時間でエネル
ギーコストに難点がある。また本発明で規定するよりも
合金元素として添加するCuやMgの量が多いと、実施
例13や16のように本発明の条件をもってしても工業
的に満足できるような熱間圧延の実施は困難である。
明によれば、高強度で成形性も比較的良好なCu添加高
Mgアルミニウム合金を長時間の均質化処理を施さずに
も亀裂を発生することなく熱間圧延することが可能とな
り、産業上極めて顕著な効果をもたらすものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で4〜8%(但し、8%を除く)
のMgおよびMg(%)/8+5Cu(%)/6≦1を
満足するような量のCuを含有するアルミニウム合金を
400℃以上で4時間以下加熱した後、1000≦(X
+273)×Log(100Y)≦2500なる式を満
足するような温度X℃において歪速度Y/sで熱間圧延
することを特徴とするCu添加高Mgアルミニウム合金
の熱間圧延方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6435192A JP2648731B2 (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | Cu添加高Mgアルミニウム合金の熱間圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6435192A JP2648731B2 (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | Cu添加高Mgアルミニウム合金の熱間圧延方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05261405A JPH05261405A (ja) | 1993-10-12 |
JP2648731B2 true JP2648731B2 (ja) | 1997-09-03 |
Family
ID=13255743
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6435192A Expired - Lifetime JP2648731B2 (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | Cu添加高Mgアルミニウム合金の熱間圧延方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2648731B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3657217B2 (ja) * | 2001-10-19 | 2005-06-08 | 日本金属株式会社 | 熱間圧延用マグネシウム合金スラブの製造方法及びマグネシウム合金の熱間圧延方法 |
KR100671196B1 (ko) * | 2005-04-02 | 2007-01-25 | 주식회사 지알로이테크놀로지 | 입자 분산된 마그네슘 합금 가공재의 제조방법 및 이에 의해 제조되는 입자분산된 마그네슘 합금 가공재 |
JP5411924B2 (ja) * | 2011-12-27 | 2014-02-12 | 株式会社神戸製鋼所 | Al−Mg系合金熱延上り板の製造法 |
-
1992
- 1992-03-23 JP JP6435192A patent/JP2648731B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05261405A (ja) | 1993-10-12 |
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