JP3539996B2 - 成形加工用高強度アルミニウム合金板の製造法 - Google Patents
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【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、高強度でプレス成形性に優れ、自動車ボディパネル材などに好適な、成形加工用高強度アルミニウム合金板の製造方法、特に熱間圧延の方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車ボディパネル用板材としては、冷延鋼板が用いられてきたが、燃費向上などのために車体を軽量化する必要に応じて、軽量のAl合金板が使用されつつある。この自動車ボディパネル用板材は、一般に鋳塊を熱間圧延、冷間圧延することにより得られ、さらに所望の形状にプレス成形されるため高強度で成形性に優れていることが必要である。したがって、上記板材に使用されるAl合金としても、これら特性を満たすAl−高Mg系合金(例えばMg:4.0〜5.0wt%を含有した5182合金や、同じくMg:5.8〜6.8wt%含有のAA−X5085合金など)が実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】
ところが、Al−Mg系合金は、Mg量が多くなると熱間加工性が悪化し、特に4.5%を越えると、熱間圧延時に耳割れ、表面割れやワニ口割れ、さらには二枚板が発生するようになり、歩留まりが悪いという問題がある。
これに対しては、熱間加工時の圧下率を小さくする方法も考えられる。例えば、通常1パス当り30mm程度の板厚減少で行なっている圧下を、15mm程度の板厚減少で圧下することにより割れの発生を防止しようとするものである。しかし、通常30mmの板厚減少で20パスで行なっていた圧延工程を上記板厚減少で行なうものとすると、同程度の最終圧延厚さにするまでには40パス以上を必要とするため作業能率が著しく低下するという問題がある。
本発明は上記の問題について検討の結果なされたもので、熱間加工時に致命的な割れが発生することがなく、歩留まりよく、しかも作業能率の低下をできるだけ少なくして成形用高強度Al合金板を得ることができる製造方法を提供するものである。
【0004】
【問題を解決するための手段】
そこで、本発明者達は、上述のような観点から、成形加工用高強度Al合金板の製造方法、特に熱間圧延方法について研究を重ね、特定の板厚範囲での圧延の1パス当りの板厚減少を規制することにより、致命的な割れの発生を抑制できることを見い出した。
【0005】
本発明の成形加工用高強度アルミニウム合金板の製造法は、かかる知見に基づいてなされたものであり、具体的には、重量%で、Mg:4.5〜8%、Cu:0.05〜0.4%、Ti:0.005%〜0.10%、Be:0.0001〜0.01%を含有するAl合金鋳塊を、420〜510℃で2〜24時間の一段または二段均質化処理を行った後、450〜510℃の温度で熱間加工を開始し、この圧延に際し、入口板厚が150mm以下で、かつ50mm以上の場合に1パス当りの板厚減少を15mm以下とすることを特徴とする。
【0006】
また、第2の発明は、上記Al合金鋳塊の成分に加え、さらにZn:0.1〜0.6%、Mn:0.05〜0.20%、Cr:0.05〜0.15%、Zr:0.05〜0.15%の1種以上を含有することを特徴とする。
【0007】
本願発明の熱間圧延に際しては、入口板厚が150mmを越える段階、または50mm未満の段階では、上記規制の必要がなく、大きな圧下率で効率よく圧延を行なうことができる。例えば、入口板厚が150mmを越える段階では、初期圧延を除いて20mm以上の板厚減少で行うのが望ましい。そして、50mm未満では30%以上の圧下率で圧延を行なうのが望ましい。これらの圧延によって、最終的には3〜10mm程度の熱間圧延板を得る。その後は、常法により冷間圧延、成形加工を行なう。
【0008】
【作用】
すなわち、本発明によれば、高強度で成形性に優れたAl合金板材を割れの発生を招くことなく良好に熱間圧延を行なうことができ、また、その際の作業能率の低下も最小限に止めることができる。
次に、本願発明における各条件の限定理由を説明するが、先ず本願発明に用いるAl合金鋳塊の合金成分の限定理由について述べる。
【0009】
Mg:4.5〜8%
Mgは本合金の基本成分であって、その添加量が高くなる程、強度及び延性が向上する。その作用を十分に得るためには4.5%以上の添加が必要である。しかし、8%を越えると熱間加工性が著しく低下し、本発明の方法をもってしてもその圧延加工が不可能となる。そこでMg含有量は4.5〜8%に定めた。
Cu:0.05〜0.4%
Cuは強度を向上させる元素であり、とくに成形加工後、塗装焼付けしたときの強度低下を抑制する。しかし、0.05%未満ではその効果が少なく、一方0.40%を越えると冷間加工性が低下し、かつ耐食性も劣化する。そこでCu含有量は0.05〜0.4%に定めた。
【0010】
Ti:0.005%〜0.10%
Tiは鋳造割れの防止と鋳塊の結晶粒の微細化に効果があるが、0.005%未満ではその効果が不十分であり、また、0.10%を越えると巨大な金属間化合物を生じ、延性が低下する。そこでTi含有量は0.005%〜0.10%にと定めた。
Be:0.0001〜0.01%
BeはMg含有量の高い合金において、その鋳造性を向上させる効果を有するが、0.0001%未満ではその効果が不十分で、0.01%を越えるとその毒性が問題となるので、その含有量を0.0001〜0.01%に定めた。
【0011】
Zn:0.1〜0.6%
Mn;0.05〜0.20%
Cr:0.05〜0.15%
Zr:0.05〜0.15%
これらの元素は必要により1種以上含有させるもので、再結晶粒の微細化と強度向上に効果があるが、いずれも下限値未満では効果が少なく、一方、上限値を越えると延性が低下するのでそれぞれ上記範囲に定めた。
【0012】
次に製造条件の限定理由について述べる。
均質化処理:420〜510℃で2〜24時間
この処理は、鋳造時に偏析したMg,Cuを均質にする効果がある。このためには420〜510℃で2〜24時間、好ましくは2〜16時間加熱保持する。加熱温度が420℃未満では均質化の効果が少なく、また510℃を越えると結晶粒の粗大化又は偏析相の共晶融解の可能性がある。また、加熱時間が2時間未満では均質化の効果が少なく、24時間を越えるとその効果が飽和する。したがって、加熱温度および時間を上記に限定した。
なお、特にMg量が高い場合、β相(Mg5Al8)を含む共晶化合物の融点が約450℃となることから、好ましくは420〜450℃未満で一段目の均質化処理を行い、引き続いて450℃以上に昇温して二段目の均質化処理を行う。
【0013】
熱間圧延開始温度:450〜510℃
通常、鋳塊は上述の均質化処理後、一旦室温まで冷却され、その後熱間圧延前に再加熱される。
この均質化処理後の冷却時にAl−Cu−Mg系化合物が粒界に析出し、熱間圧延割れの原因となる。この化合物を再固溶させるには、450℃以上まで再加熱し、熱間圧延を開始する。また、圧延温度が510℃を越えると共晶融解を生じ、割れが起こるので上記範囲に限定する。
【0014】
熱間圧延軽圧下
通常、板厚数百mm程度である本合金鋳塊を、通常圧下で板厚150mmまで圧延すると、板表面部では内部に比べて結晶粒の変形の程度が大きく、β相の析出量も多く、かつ硬度も高くなるなど著しい不均一性が現われてくる。すなわち、圧延に伴って表面部に比較して内部が相対的に強度が弱くなっており、この状態で強圧下を加えると、圧延出口側で働く板厚方向の引張応力により、弱い内部で割れ(ワニ口割れ)が発生し、さらにはその割れの伝播により二枚板となる場合もある。一方、板厚50mm未満では板内部にも圧下が効いて上述の組織、強度等の不均一性が解消されるため、高い圧下率で強圧下を加えても割れは発生しない。 以上より、本発明では、板厚150mm以下、50mm以上での圧延を軽圧下(1パス当りの板厚減少を15mm以下)で行う。
【0015】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明する。
表1に示すNo.1〜3(本発明例)およびNo.4、5(比較例)の組成の合金鋳塊(厚さ508mm、幅1575mm)を常法により作製し、その鋳塊に表2に示す条件で均質化処理および熱間圧延を行い、最終的に5mm厚の熱延板を得た。その結果を表2に併せて示す。
表2から明らかなように、本発明方法による板材は、熱間圧延時に割れの発生がなく良好に圧延を行なうことができた。一方、比較法によれば、熱間圧延の際に割れが発生し、使用に耐え得ないものであった。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の成形加工用高強度アルミニウム合金板の製造方法によれば、重量%で、Mg:4.5〜8%、Cu:0.05〜0.4%、Ti:0.005%〜0.10%、Be:0.0001〜0.01%を含有し、残部がAlからなるAl合金鋳塊を、420〜510℃で2〜24時間の一段または二段均質化処理を行った後、450〜510℃の温度で熱間加工を開始し、この圧延に際し、入口板厚が150mmを越える段階では初期圧延を除いて1パス当たりの板厚減少を20mm以上にし、入口板厚が150mm以下で、かつ50mm以上の段階では1パス当りの板厚減少を15mm以下に規制し、入口板厚が50mm未満の段階では30%以上の圧下率とするので、Al合金鋳塊を割れの発生を招くことなく熱間圧延することができ、高強度で成形性の優れたアルミニウム合金板を歩留まりよく、また能率よく製造することができる。
【産業上の利用分野】
この発明は、高強度でプレス成形性に優れ、自動車ボディパネル材などに好適な、成形加工用高強度アルミニウム合金板の製造方法、特に熱間圧延の方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車ボディパネル用板材としては、冷延鋼板が用いられてきたが、燃費向上などのために車体を軽量化する必要に応じて、軽量のAl合金板が使用されつつある。この自動車ボディパネル用板材は、一般に鋳塊を熱間圧延、冷間圧延することにより得られ、さらに所望の形状にプレス成形されるため高強度で成形性に優れていることが必要である。したがって、上記板材に使用されるAl合金としても、これら特性を満たすAl−高Mg系合金(例えばMg:4.0〜5.0wt%を含有した5182合金や、同じくMg:5.8〜6.8wt%含有のAA−X5085合金など)が実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】
ところが、Al−Mg系合金は、Mg量が多くなると熱間加工性が悪化し、特に4.5%を越えると、熱間圧延時に耳割れ、表面割れやワニ口割れ、さらには二枚板が発生するようになり、歩留まりが悪いという問題がある。
これに対しては、熱間加工時の圧下率を小さくする方法も考えられる。例えば、通常1パス当り30mm程度の板厚減少で行なっている圧下を、15mm程度の板厚減少で圧下することにより割れの発生を防止しようとするものである。しかし、通常30mmの板厚減少で20パスで行なっていた圧延工程を上記板厚減少で行なうものとすると、同程度の最終圧延厚さにするまでには40パス以上を必要とするため作業能率が著しく低下するという問題がある。
本発明は上記の問題について検討の結果なされたもので、熱間加工時に致命的な割れが発生することがなく、歩留まりよく、しかも作業能率の低下をできるだけ少なくして成形用高強度Al合金板を得ることができる製造方法を提供するものである。
【0004】
【問題を解決するための手段】
そこで、本発明者達は、上述のような観点から、成形加工用高強度Al合金板の製造方法、特に熱間圧延方法について研究を重ね、特定の板厚範囲での圧延の1パス当りの板厚減少を規制することにより、致命的な割れの発生を抑制できることを見い出した。
【0005】
本発明の成形加工用高強度アルミニウム合金板の製造法は、かかる知見に基づいてなされたものであり、具体的には、重量%で、Mg:4.5〜8%、Cu:0.05〜0.4%、Ti:0.005%〜0.10%、Be:0.0001〜0.01%を含有するAl合金鋳塊を、420〜510℃で2〜24時間の一段または二段均質化処理を行った後、450〜510℃の温度で熱間加工を開始し、この圧延に際し、入口板厚が150mm以下で、かつ50mm以上の場合に1パス当りの板厚減少を15mm以下とすることを特徴とする。
【0006】
また、第2の発明は、上記Al合金鋳塊の成分に加え、さらにZn:0.1〜0.6%、Mn:0.05〜0.20%、Cr:0.05〜0.15%、Zr:0.05〜0.15%の1種以上を含有することを特徴とする。
【0007】
本願発明の熱間圧延に際しては、入口板厚が150mmを越える段階、または50mm未満の段階では、上記規制の必要がなく、大きな圧下率で効率よく圧延を行なうことができる。例えば、入口板厚が150mmを越える段階では、初期圧延を除いて20mm以上の板厚減少で行うのが望ましい。そして、50mm未満では30%以上の圧下率で圧延を行なうのが望ましい。これらの圧延によって、最終的には3〜10mm程度の熱間圧延板を得る。その後は、常法により冷間圧延、成形加工を行なう。
【0008】
【作用】
すなわち、本発明によれば、高強度で成形性に優れたAl合金板材を割れの発生を招くことなく良好に熱間圧延を行なうことができ、また、その際の作業能率の低下も最小限に止めることができる。
次に、本願発明における各条件の限定理由を説明するが、先ず本願発明に用いるAl合金鋳塊の合金成分の限定理由について述べる。
【0009】
Mg:4.5〜8%
Mgは本合金の基本成分であって、その添加量が高くなる程、強度及び延性が向上する。その作用を十分に得るためには4.5%以上の添加が必要である。しかし、8%を越えると熱間加工性が著しく低下し、本発明の方法をもってしてもその圧延加工が不可能となる。そこでMg含有量は4.5〜8%に定めた。
Cu:0.05〜0.4%
Cuは強度を向上させる元素であり、とくに成形加工後、塗装焼付けしたときの強度低下を抑制する。しかし、0.05%未満ではその効果が少なく、一方0.40%を越えると冷間加工性が低下し、かつ耐食性も劣化する。そこでCu含有量は0.05〜0.4%に定めた。
【0010】
Ti:0.005%〜0.10%
Tiは鋳造割れの防止と鋳塊の結晶粒の微細化に効果があるが、0.005%未満ではその効果が不十分であり、また、0.10%を越えると巨大な金属間化合物を生じ、延性が低下する。そこでTi含有量は0.005%〜0.10%にと定めた。
Be:0.0001〜0.01%
BeはMg含有量の高い合金において、その鋳造性を向上させる効果を有するが、0.0001%未満ではその効果が不十分で、0.01%を越えるとその毒性が問題となるので、その含有量を0.0001〜0.01%に定めた。
【0011】
Zn:0.1〜0.6%
Mn;0.05〜0.20%
Cr:0.05〜0.15%
Zr:0.05〜0.15%
これらの元素は必要により1種以上含有させるもので、再結晶粒の微細化と強度向上に効果があるが、いずれも下限値未満では効果が少なく、一方、上限値を越えると延性が低下するのでそれぞれ上記範囲に定めた。
【0012】
次に製造条件の限定理由について述べる。
均質化処理:420〜510℃で2〜24時間
この処理は、鋳造時に偏析したMg,Cuを均質にする効果がある。このためには420〜510℃で2〜24時間、好ましくは2〜16時間加熱保持する。加熱温度が420℃未満では均質化の効果が少なく、また510℃を越えると結晶粒の粗大化又は偏析相の共晶融解の可能性がある。また、加熱時間が2時間未満では均質化の効果が少なく、24時間を越えるとその効果が飽和する。したがって、加熱温度および時間を上記に限定した。
なお、特にMg量が高い場合、β相(Mg5Al8)を含む共晶化合物の融点が約450℃となることから、好ましくは420〜450℃未満で一段目の均質化処理を行い、引き続いて450℃以上に昇温して二段目の均質化処理を行う。
【0013】
熱間圧延開始温度:450〜510℃
通常、鋳塊は上述の均質化処理後、一旦室温まで冷却され、その後熱間圧延前に再加熱される。
この均質化処理後の冷却時にAl−Cu−Mg系化合物が粒界に析出し、熱間圧延割れの原因となる。この化合物を再固溶させるには、450℃以上まで再加熱し、熱間圧延を開始する。また、圧延温度が510℃を越えると共晶融解を生じ、割れが起こるので上記範囲に限定する。
【0014】
熱間圧延軽圧下
通常、板厚数百mm程度である本合金鋳塊を、通常圧下で板厚150mmまで圧延すると、板表面部では内部に比べて結晶粒の変形の程度が大きく、β相の析出量も多く、かつ硬度も高くなるなど著しい不均一性が現われてくる。すなわち、圧延に伴って表面部に比較して内部が相対的に強度が弱くなっており、この状態で強圧下を加えると、圧延出口側で働く板厚方向の引張応力により、弱い内部で割れ(ワニ口割れ)が発生し、さらにはその割れの伝播により二枚板となる場合もある。一方、板厚50mm未満では板内部にも圧下が効いて上述の組織、強度等の不均一性が解消されるため、高い圧下率で強圧下を加えても割れは発生しない。 以上より、本発明では、板厚150mm以下、50mm以上での圧延を軽圧下(1パス当りの板厚減少を15mm以下)で行う。
【0015】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明する。
表1に示すNo.1〜3(本発明例)およびNo.4、5(比較例)の組成の合金鋳塊(厚さ508mm、幅1575mm)を常法により作製し、その鋳塊に表2に示す条件で均質化処理および熱間圧延を行い、最終的に5mm厚の熱延板を得た。その結果を表2に併せて示す。
表2から明らかなように、本発明方法による板材は、熱間圧延時に割れの発生がなく良好に圧延を行なうことができた。一方、比較法によれば、熱間圧延の際に割れが発生し、使用に耐え得ないものであった。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の成形加工用高強度アルミニウム合金板の製造方法によれば、重量%で、Mg:4.5〜8%、Cu:0.05〜0.4%、Ti:0.005%〜0.10%、Be:0.0001〜0.01%を含有し、残部がAlからなるAl合金鋳塊を、420〜510℃で2〜24時間の一段または二段均質化処理を行った後、450〜510℃の温度で熱間加工を開始し、この圧延に際し、入口板厚が150mmを越える段階では初期圧延を除いて1パス当たりの板厚減少を20mm以上にし、入口板厚が150mm以下で、かつ50mm以上の段階では1パス当りの板厚減少を15mm以下に規制し、入口板厚が50mm未満の段階では30%以上の圧下率とするので、Al合金鋳塊を割れの発生を招くことなく熱間圧延することができ、高強度で成形性の優れたアルミニウム合金板を歩留まりよく、また能率よく製造することができる。
Claims (2)
- 重量%で、Mg:4.5〜8%、Cu:0.05〜0.4%、Ti:0.005%〜0.10%、Be:0.0001〜0.01%を含有し、残部がAlからなるAl合金鋳塊を、420〜510℃で2〜24時間の一段または二段均質化処理を行った後、450〜510℃の温度で熱間加工を開始し、この圧延に際し、入口板厚が150mmを越える段階では初期圧延を除いて1パス当たりの板厚減少を20mm以上にし、入口板厚が150mm以下で、かつ50mm以上の段階では1パス当りの板厚減少を15mm以下に規制し、入口板厚が50mm未満の段階では30%以上の圧下率とすることを特徴とする成形加工用高強度アルミニウム合金板の製造法。
- 請求項1記載のAl合金鋳塊の成分に加え、さらにZn:0.1〜0.6%、Mn:0.05〜0.20%、Cr:0.05〜0.15%、Zr:0.05〜0.15%の1種以上を含有することを特徴とする成形加工用高強度アルミニウム合金板の製造法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34579593A JP3539996B2 (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 成形加工用高強度アルミニウム合金板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP34579593A JP3539996B2 (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 成形加工用高強度アルミニウム合金板の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07180009A JPH07180009A (ja) | 1995-07-18 |
JP3539996B2 true JP3539996B2 (ja) | 2004-07-07 |
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ID=18379036
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JP34579593A Expired - Fee Related JP3539996B2 (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 成形加工用高強度アルミニウム合金板の製造法 |
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JP2007070672A (ja) * | 2005-09-06 | 2007-03-22 | Furukawa Sky Kk | 疲労特性に優れたアルミニウム合金厚板の製造方法 |
JP4758941B2 (ja) * | 2007-05-10 | 2011-08-31 | 住友化学株式会社 | アルミニウム合金の製造方法およびその用途 |
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1993
- 1993-12-24 JP JP34579593A patent/JP3539996B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07180009A (ja) | 1995-07-18 |
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