JP2648691B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

燃料噴射弁

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JP2648691B2 JP35355992A JP35355992A JP2648691B2 JP 2648691 B2 JP2648691 B2 JP 2648691B2 JP 35355992 A JP35355992 A JP 35355992A JP 35355992 A JP35355992 A JP 35355992A JP 2648691 B2 JP2648691 B2 JP 2648691B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は四輪車、二輪車、等の内
燃機関の燃料噴射装置に用いられる燃料噴射弁に関す
る。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の燃料供給装置として、燃費の
向上、排気ガスの浄化の点より燃料噴射弁を用いた燃料
噴射装置が良く用いられる。第1の従来例として、実公
平4−13417号公報がある。これは、燃料噴孔の下
流側の合流部に、該合流部内と燃料噴射弁先端部の外気
とを連通する外気圧導入孔を設けたものである。又、第
2の従来例として実公昭48−38084号公報があ
る。これは、噴射弁保持器内に構成した外開式噴射弁部
の燃料下流に、該噴射弁部を覆う保護筒を固設し、外開
式噴射弁部を介して噴射弁保持器内の燃料導入孔と連通
する噴霧流通路を保護筒に穿設し、更に噴霧流通路の中
央部に絞り部を設けるとともに絞り部に噴霧流通路を連
通する空気吸入孔を穿設したものである。又、第3の従
来例として特開昭59−77074号公報がある。これ
は、噴射ノズルがノズル放出口から燃焼室内に延びる少
なくとも1個の空気通路の開口につながるエジェクタ取
付部によって包まれ、噴射ノズルから噴射された燃料噴
射は空気通路からの空気を混入させたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来の燃料噴射
弁にあっては、燃料噴射弁から噴射される燃料の微粒化
が充分に行なわれない。まず第1の従来例にあっては、
燃料噴孔によって所定の流量に計量された燃料はアダプ
タ通路としての合流部内に入り各噴射燃料通路に分岐さ
れて吸気管に向けて噴射される。ここで燃料噴孔からの
燃料通路は合流部で通路面積が拡大されることによって
燃料噴孔から噴射される燃料の流速は弱められる。一
方、合流部には外気圧導入孔を設けたことによって外気
圧(空気)が導入されることになるが燃料の流速が弱め
られたことによって燃料と空気との充分なる混合が行な
われるものでなく燃料の微粒化を達成できないものであ
る。
【0004】又、第2の従来例によると、噴射された燃
料に対して空気吸入孔より充分なる空気を供給できるも
のでなく良好な燃料の霧化を行なうことは困難である。
すなわち、気化器の絞り部の如く、絞り部の下流側の噴
霧流通路より負圧をかけた際において絞り部には高い負
圧が発生し、空気吸入孔より空気を絞り部に対して充分
に吸入し得るものであるが、絞り部の上流側の噴霧流通
路より加圧された燃料を噴射した際においては絞り部に
対して噴射圧が作用して絞り部に対して大きな負圧を生
起させることが困難となるもので空気吸入孔より絞り部
内に充分に空気を吸入できない。空気吸入孔より噴射さ
れた燃料が逆に噴出する恐れがある。
【0005】又、第3の従来例によると、燃料通路から
噴射された燃料は、中空室を介してエジェクター通路に
供給されて燃焼室内に供給されるがこの時エジェクター
通路内に横方向空気通路より空気を吸入して燃料と混合
される。然しながらエジェクター通路は単なる絞り通路
であって噴射された燃料が自由に拡散し得ることからエ
ジェクター通路内を流れる噴射燃料の流速を大きく上昇
させることが困難である。これによると、エジェクター
通路の上流側に開口する空気通路に生起する負圧力を大
きく上昇させることは望めないもので、空気通路より充
分なる空気の吸入と、燃料中に空気を混入させて燃料を
良好に微粒化させることが困難である。本従来例にあっ
ては空気通路を流れる空気を高度に圧縮したことによっ
てはじめて燃料と空気との混合が達成できたものであ
る。
【0006】本発明は前記課題に鑑み成されたもので、
燃料噴射弁より噴射される燃料に空気が充分に混合され
て燃料の微粒化の良好な燃料噴射弁を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明になる燃料噴射弁は
前記課題を達成する為に先端に噴射孔が開口し、前記噴
射孔と内部に設けられた弁室とを弁座にて接続する弁体
ハウジングと、弁体ハウジングの後端に連結された本体
ハウジングと、弁体ハウジングの弁室内に軸方向移動自
在に配置され、その先端部に噴射孔内に挿通されるとと
もに噴射孔より突出するニードル部と弁座に着座可能な
る弁部とを有する弁体と、本体ハウジング内にあって弁
体を軸方向に駆動する為のソレノイドと、を備えてなる
燃料噴射弁において、弁体ハウジングの先端面に筒状の
カバーを対向配置し、前記カバーには、一端がカバーの
先端面に開口し、他端が弁体ハウジングの噴射孔に対応
して開口するとともに弁体のニードル部の先端部を挿入
し得る混合気形成孔と、一端が混合気形成孔に開口し、
他端がカバーの先端面又は外周側面に開口する空気吸入
路とを設け、一方、弁体のニードル部に、一端がニード
ル部の先端面に開口し、他端がニードル部の外周側面に
開口する空気通路を形成したものである。
【0008】
【作用】噴射孔より噴射される燃料は、混合気形成孔と
弁体のニードル部の外周との間に形成される環状の間隙
内に噴射される。このとき、前記間隙内を高速なる噴射
燃料が流下することによって間隙内に大なる負圧が生起
する。この負圧によると、空気吸入路より混合気形成孔
内に空気を吸入し、この空気が間隙内を流下する燃料中
に混合される。一方、環状の間隙を流下する噴射燃料は
ニードル部の外周側面にも大きな負圧を生起させる。こ
の負圧によるとニードル部の先端面より空気通路内に空
気を吸入し、この空気がニードル部の外周側面より噴射
される燃料中に混合される。
【0009】
【実施例】以下、本発明になる燃料噴射弁の一実施例を
図1から図4によって説明する。図1は燃料噴射弁を示
す縦断面図、図2は図1のA部の拡大部分断面図、図3
は図2におけるカバーの縦断面図、図4は図3の上部平
面図である。1は、上下方向が開口した略円筒状の本体
ハウジングであり、該本体ハウジングの上端の開口から
はソレノイド2と、コア3が挿入されコア3の上方鍔部
3Aを介して本体ハウジング1の上端を内方へカシメる
ことによってソレノイド2及びコア3を本体ハウジング
1内に保持する。又、前記コア3の軸方向には燃料流路
3Bが貫通して穿設され、上方は開口して、例えば図示
せぬ燃料分配管に接続される。更に、本体ハウジング1
の上端には端子部材4が設けられており、この端子部材
4にはソレノイド2に結線された端子4Aが設けられ
る。本体ハウジング1の下端からは、アーマチュアとし
ての弁保持体5がコア3の端部に対向して配置されると
ともに、弁保持体5に固着された弁体6が挿入され、弁
保持体5の上端とコア3との間にはスプリング7が縮設
される。又、弁体6と弁保持体5との連結部の外周に
は、弁保持体5の抜け止めと弁体6の軸方向移動量を規
制するための弁ストッププレート8が本体ハウジング1
に装着され、更に本体ハウジング1の下方より弁ストッ
ププレート8上に弁体ハウジング9が挿入され、本体ハ
ウジング1の下方端部を弁体ハウジング9の外周に向け
て内方へカシメることによって弁ストッププレート8及
び弁体ハウジング9を本体ハウジング1に固着できる。
弁体ハウジング9の先端(図1において下方端)には、
噴射孔9Aが開口し、弁体ハウジング9内にある弁体6
を摺動自在に保持する弁室9Bと前記噴射孔9Aとは円
錐形状の弁座9Cにて接続される。一方、弁体6の先端
部には、噴射孔9A内に挿通されるとともに噴射孔9A
の開口端(いいかえると弁体ハウジング9の先端面9
D)より突出するニードル部6Aと、弁座9Cに着座す
る弁部6Bとが連続して形成される。以上は従来公知の
燃料噴射弁の構造であって、本発明になる燃料噴射弁は
前記目的達成の為に以下の構造を付加した。
【0010】本発明になる燃料噴射弁によると、弁体ハ
ウジングの先端面に、混合気形成孔と空気吸入路とを備
えたカバーを配置したものであり、図3,図4によって
カバーについて詳細に説明する。10は筒状をなすカバ
ーであり、このカバー10には弁体ハウジング9の外形
部に嵌合される内径部10Aと、弁体ハウジング9の先
端面9D(噴射孔9Aはこの先端面9Dに開口する)に
対向する底部10Bを有する。又、前記底部10Bとカ
バー10の先端面10Cとの間に形成される厚肉部には
混合気形成孔10Dと空気吸入路10Eとが穿設され
る。この混合気形成孔10Dはカバー10の略中心部に
あってその一端がカバー10の先端面10Cに開口し、
他端は底部10Bに開口する。一方、空気吸入路10E
の一端は混合気形成孔10Dに開口し、他端はカバー1
0の先端面10C又はカバー10の外周側面10Fに開
口する。カバー10の先端面10Cに開口される空気吸
入路10Eは図3において、カバー10の軸方向左部分
に示され、カバー10の外周側面10Fに開口される空
気吸入路10Eはカバー10の軸方向右部分に示され
る。この空気吸入路10Eの他端の開口部は適宜設定さ
れるもので且つその数、孔径、も実験等により決定され
る。一方、弁体6のニードル部6Aに、一端がニードル
部の先端面に開口し、他端がニードル部の外周側面に開
口する空気通路を設けたものである。11は、弁体6の
ニードル部6Aに設けられる空気通路であり、この空気
通路11は、空気吸入路11Aと、空気吸出路11Bと
よりなる。空気吸入路11Aは、その一端がニードル部
6Aの先端面6Cに開口し、ニードル部6Aの軸方向上
側へ向けて穿設される。この先端面6Cは、ニードル部
6Aの軸方向に対して略直交する側をいうもので外周を
除く。空気吸出路11Bは、その一端が前記空気吸入路
11Aに開口し、他端がニードル部6Aの外周側面6D
に開口する。而して、空気通路11の一端は空気吸入路
11Aをしてニードル部6Aの先端面6Cに開口し、他
端は空気吸出路11Bをしてニードル部6Aの外周側面
6Dに開口することになる。この弁体6のニードル部6
Aに穿設された空気通路11は図2によく示される。
【0011】前記カバー10は燃料噴射弁に対して以下
の如く組みつけられる。図2によって説明すると、弁体
ハウジング9の先端面9Dよりカバー10の上端開口を
介して内径部10Aを弁体ハウジング9の外周へ嵌入
し、カバー10の底部10Bを弁体ハウジングの先端面
9Dに当接させ、かかる状態においてカバー10の上部
鍔部10Gを囲繞する本体ハウジング1の下端1Aを内
方に向けてカシメ、もって本体ハウジング1に対して弁
体ハウジング9とカバー10とを共に固着できた。かか
る状態にあって、混合気形成孔10Dは、噴射孔9Aに
対応して配置され、さらに弁体6のニードル部6Aの先
端部は混合気形成孔10D内に挿入して配置される。而
して、混合気形成孔10D内には、混合気形成孔10D
の内周とニードル部6Aの外周側面6Dとによって環状
の間隙Sが形成される。さらに、ニードル部6Aの外周
側面6Dに穿設される空気吸出路11Bも混合気形成孔
10D内に開口する。
【0012】次にその作用について説明する。燃料噴射
弁において、ソレノイド2が消磁されている場合、弁体
6は弁保持体5を介してスプリング7のバネ力によって
弁座13に向けて押圧されるので弁体6の弁部6Bが弁
座9Cに当接され、噴射孔9Aより燃料が噴射されな
い。一方、ソレノイド2が励磁されると、弁保持体5は
スプリング7のバネ力に抗してコア3に吸着され、弁体
6の弁部6Bが弁座9Cより離反して弁ストッププレー
ト8に当接する迄軸方向に移動することにより弁部6B
と弁座9Cとの間に空隙が形成される。而して燃料流路
3Bより流入する燃料は弁室9Bを介して噴射孔9Aよ
り外部に向けて噴射される。かかる燃料噴射弁からの燃
料噴射時において、以下について特に注目されなければ
ならない。すなわち、噴射孔9Aより正圧力(通常は
2.55kg/cm2 )をもって噴射される燃料は噴射孔
9Aの開口端を通過した後に混合気形成孔10D内に噴
射されて流下するとともに混合気形成孔10Dの開口端
より拡散された噴霧角をもって吸気管(図示せず)に噴
射される。ここで、噴射孔9Aより噴射された燃料は、
混合気形成孔10Dの内周とニードル部6Aの外周側面
6Dとによって形成される環状の間隙S内を通過するこ
とになり、かかる間隙Sを通過する燃料速度の低下が完
全に抑止された。これは、ニードル部6Aと混合気形成
孔10Dとによって微少なる環状の間隙を形成できたこ
とによる。このように環状の間隙S内を速い流速をもっ
た燃料が噴射されて通過することによると、混合気形成
孔10Dの内周面には大きな負圧が発生し、一方カバー
10の先端面10Cあるいはカバー10の外周側面10
Fにあっては吸気管内に臨んでいることよりそれらの部
位において大きな負圧が発生しない。以上によると、空
気吸入路10Eの混合気形成孔10Dへの開口と、カバ
ー10の先端面10Cあるいはカバー10の外周側面1
0Fへの開口との間に大きな圧力差が生じるものであっ
て混合気形成孔10Dに向けて空気流れが生じ、混合気
形成孔10Dに開口する空気吸入路10Eより混合気形
成孔10D内の噴射燃料の外方部分に向けて空気が吸出
される。一方、環状の間隙S内を速い流速をもった燃料
が噴射されて通過することによると、ニードル部6Aの
外周側面6Dには大きな負圧が発生し、一方、ニードル
部6Aの先端面6Cにあっては吸気管内に臨んでいるこ
とより大きな負圧が発生することはない。以上によると
カバー10の空気吸入路10Eから混合気形成孔10D
内に吸出された空気は、環状の間隙S内を通過する速い
流速をもった噴射燃料の外方部分に充分に混合され、一
方、ニードル部6Aの外周側面6Dと先端面6Cとの間
に大きな圧力差が生じることからニードル部6Aに設け
た空気通路11としての空気吸入路11Aから空気吸出
路11Bに向けて空気流れが生じ、空気吸出路11Bよ
りニードル部6Aの外周側面6Dを流れる噴射燃料の内
方部分に対して空気が吸出されて混合され、もって良好
に空気を噴射燃料中に混合できて燃料の微粒化を著しく
向上できたものである。要するに本発明の特徴は、噴射
孔から噴射される燃料の速度を低下させないことと、速
い流速を保有する燃料によって充分なる空気を、カバー
10に設けた空気吸入路10E及びニードル部6Aに設
けた空気吸出路11Bを介して燃料の内方部分及び外方
部分に吸出させるとともに混合させたことにある。更
に、混合気形成孔10Dに空気吸入路10Eを開口した
ことは、噴射孔9Aより噴射された燃料が拡散する前
(拡散の直前)に燃料中に空気を混入できたもので、一
方ニードル部6Aに空気通路11を設けたことは、噴射
孔9Aより噴射された燃料が大きく拡散する前(拡散の
直前)に燃料中に空気を混入できたものである。以上に
よると、以後の燃料の拡散時において、燃料の拡散エネ
ルギーを利用して空気を混合できたもので燃料の微粒化
を効果的に行なうことができたものである。又、従来の
燃料噴射弁にあっても弁体のニードル部を保護する為の
カバー及びニードル部を備えた弁体を有するもので、本
発明にあっては該カバー及び該弁体を利用したもので、
新たな部品を設ける必要がないので、部品点数の増加に
伴うコストの上昇は抑止できるとともに従来使用される
燃料噴射弁との互換性を有し、且つ機関への取りつけの
変更も必要としないもので、その実施は極めて容易なる
ものである。
【0013】又、カバー10に穿設される空気吸入路1
0Eを複数設け、混合気形成孔10Dに対して複数の空
気吸入路10Eを開口させると、混合気形成孔10D内
を流れる噴射燃料の全周囲に渡って均一に空気を混合で
きるもので燃料の微粒化が促進される。又、図5に示さ
れる如く、円形状をなす混合気形成孔10Dの接線方向
に空気吸入路10Eを開口すると、混合気形成孔10D
内へ吸出される空気は混合気形成孔10Dの円周方向に
沿って吸出されるもので、これによると混合気形成孔1
0D内を通過する燃料にスワールを起こすことができる
ものでより一層燃料と空気との混合を促進できるもので
あって更に燃料の微粒化を向上できる。この時空気吸入
路10Eを複数設けることも一層好ましい。
【0014】又、弁体6のニードル部6Aに穿設される
空気通路は必ずしも空気吸入路と空気吸出路との二通路
を必要とするものでなく、図2の一点鎖線に示すごとく
ニードル部6Aの先端面6Cより外周側面6Dに向って
斜め孔の一本孔とすることもできる。更には、ニードル
部6Aに穿設される空気吸出路11Bの開口をニードル
部6Aの外周側面6Dにあって噴射孔9Aの噴射側開口
端部(弁体ハウジングの先端面9D)、の近傍に開口し
たことによると、噴射孔9Aより噴射される極めて高い
噴射燃料の流速をもって空気吸出路11Bより燃料中に
空気を混合できたので燃料の霧化の向上を一層効果的に
行なうことができる。
【0015】次に図6,図7,図8によって第二の実施
例を説明する。第一の実施例とはカバーのみが異なり他
は同一である。20は筒状をなすカバーであり、このカ
バー20には弁体ハウジング9の外形部に嵌合される内
径部20Aと、弁体ハウジング9の先端面9D(噴射孔
9Aはこの先端面9Dに開口する)に対向する底部20
Bを有する。又、前記底部20Bとカバー20の先端面
20Cとの間に形成される厚肉部には混合気形成孔20
Dと空気吸入路20Eとが穿設される。この混合気形成
孔20Dはカバー20の略中心部にあってその一端がカ
バー20の先端面20Cに開口し、他端は底部20Bに
開口する。一方、空気吸入路20Eの一端はカバー20
の底部20Bに開口し、他端はカバー20の先端面20
C又はカバー20の外周側面20Fに開口する。カバー
20の先端面20Cに開口される空気吸入路20Eは図
7において、カバー20の軸方向左部分に示され、カバ
ー20の外周側面20Fに開口される空気吸入路20E
はカバー20の軸方向右部分に示される。一方、弁体6
のニードル部6Aには、第一の実施例と同様なる空気通
路11が穿設されるもので、空気吸入路11Aは一端が
ニードル部6Aの先端面6Cに開口し、空気吸出路11
Bは一端が空気吸入路11Aに開口し、他端がニードル
部6Aの外周側面6Dに開口する。尚、本実施例にあっ
ては空気吸出路11Bはニードル部6Aの軸方向におけ
る横断面において複数穿設された。この空気吸出路11
Bは図6に示される。
【0016】前記カバー20は燃料噴射弁に対して以下
の如く組みつけられる。図6によって説明すると、弁体
ハウジング9の先端面9Dよりカバー20の上端開口を
介して内径部20Aを弁体ハウジング9の外周へ嵌入
し、カバー20の底部20Bを弁体ハウジング9の先端
面9Dに対して間隙Hをもって対向配置し、かかる状態
においてカバー20の上部鍔部20Gを囲繞する本体ハ
ウジング1の下端1Aを内方に向けてカシメ、もって本
体ハウジング1に対して弁体ハウジング9とカバー20
とを共に固着できた。そして弁体ハウジング9の先端面
9Dとカバー20の底部20Bとによって環状の空気室
Fが形成される。かかる状態にあって、混合気形成孔2
0Dは、噴射孔9Aに対応して配置され、さらに弁体6
のニードル部6Aの先端部は空気室F及び混合気形成孔
20D内に挿入して配置される。而して、混合気形成孔
20D内には、混合気形成孔20Dの内周とニードル部
6Aの外周とによって環状の間隙Sが形成される。尚、
前記間隙Hは例えば0.3mm程度のわずかな間隙であ
る。又、前記の如くカバー20を弁体ハウジング9に組
みつけたことによると、空気吸入路20Eの一端は空気
室Fに開口し、他端がカバー20の先端面20C又はカ
バー20の外周側面20Fに開口することになり、一方
ニードル部6Aに設けた空気通路11としての空気吸出
路11Bは空気室F又は環状の間隙Sに開口する。
【0017】次にその作用について説明する。燃料噴射
弁において、ソレノイド2が消磁されている場合、噴射
孔9Aより燃料は噴射されるものでなく、ソレノイド2
が励磁されると、噴射孔9Aより外部に向けて燃料が噴
射される。本実施例になる燃料噴射弁によると、噴射孔
9Aより正圧力(通常は2.55kg/cm2 )をもって
噴射される燃料は噴射孔9Aの開口端を通過した後に空
気室Fを通り、混合気形成孔20D内に噴射されて流下
するとともに混合気形成孔20Dの開口端より拡散され
た噴霧角をもって吸気管(図示せず)に噴射される。こ
こで、噴射孔9Aより噴射された燃料は、空気室Fを通
過したのちに混合気形成孔20Dの内周とニードル部6
Aの外周とによって形成される環状の間隙S内を通過す
ることになり、かかる環状の間隙Sを通過する燃料速度
の低下が完全に抑止された。これは、空気室Fの間隙が
0.03mm程度の極く微少なる間隙であって、且つ噴射
孔9Aの開口に連なっていることと、ニードル部6Aと
混合気形成孔20Dとによって微少なる環状の間隙を形
成できたことによる。このように環状の間隙S内を速い
流速をもった燃料が噴射されて通過することによると、
空気室Fの混合気形成孔20Dへの開口部には大きな負
圧が発生し、この負圧が空気室Fに作用して空気室F内
を負圧状態とし、一方カバー20の先端面20Cあるい
はカバー20の外周側面20Fにあっては吸気管内に臨
んでいることよりそれらの部位において大きな負圧が発
生しない。以上によると、空気室Fと、カバー20の先
端面20C、あるいはカバー20の外周側面20Fへの
開口との間に大きな圧力差が生じるものであって空気吸
入路20E、空気室Fから混合気形成孔20Dに向けて
空気流れが生じ、混合気形成孔20Dの全周に渡って開
口する空気室Fより混合気形成孔20D内に環状にして
均一なる空気が吸出される。そして混合気形成孔20D
内に吸出された環状の空気は環状の間隙S内を通過する
速い流速をもった噴射燃料の外方部分に吸出されて混合
する。一方、環状の間隙S内を速い流速をもった燃料が
噴射されて通過することによると、ニードル部6Aの外
周側面6Dには大きな負圧が発生し、他方、ニードル部
6Aの先端面6Cにあっては吸気管内に臨んでいること
より大きな負圧が発生することはない。以上によるとカ
バー20の空気吸入路20Eから混合気形成孔20D内
に吸出された空気は、環状の間隙S内を通過する速い流
速をもった噴射燃料の外方部分に充分に混合され、一
方、ニードル部6Aの外周側面6Dとニードル部6Aの
先端面6Cとの間に大きな圧力差が生じることからニー
ドル部6Aに設けた空気通路11としての空気吸入路1
1Aから空気吸出路11Bに向けて空気流れが生じ、空
気吸出路11Bよりニードル部6Aの外周側面6Dを流
れる噴射燃料の内方部分に対して空気が吸出されて混合
され、もって良好に空気を噴射燃料中に混合できて燃料
の微粒化を著しく向上できたものである。更に、空気室
Fは噴射孔9Aの開口端に直接的に形成され、空気室F
より混合気形成孔20Dが連設され、一方ニードル部6
Aの空気吸出路11Bは空気室F又は環状の間隙S内に
開口するので噴射孔9Aより噴射された燃料が拡散する
前(拡散する直前)の燃料の外方部分及び内方部分に空
気を混入できたもので、以後の燃料の拡散時において、
燃料の拡散エネルギーを利用して空気を混合できたもの
で燃料の微粒化を効果的に行なうことができたものであ
る。
【0018】次に図9,図10,図11によって第三の
実施例を説明する。第一の実施例とはカバーが異なり他
は同一である。30は筒状をなすカバーであり、このカ
バー30には弁体ハウジング9の外形部に嵌合される内
径部30Aと、弁体ハウジング9の先端面9D(噴射孔
9Aはこの先端面9Dに開口する)に対向する底部30
Bを有する。又、前記底部30Bとカバー30の先端面
30Cとの間に形成される厚肉部には混合気形成孔30
Dと空気吸出溝30Hと空気吸入路30Eとが穿設され
る。この混合気形成孔30Dはカバー30の略中心部に
あってその一端がカバー30の先端面30Cに開口し、
他端は底部30Bに開口する。一方、空気吸出溝30H
は底部30Bに凹設されるものでその一端は混合気形成
孔30Dに開口する。又空気吸入路30Eはその一端が
空気吸出溝30Hに開口し、他端はカバー30の先端面
30C又はカバー30の外周側面30Fに開口する。カ
バー30の先端面30Cに開口される空気吸入路30E
は図10において、カバー30の軸方向左部分に示さ
れ、カバー30の外周側面30Fに開口される空気吸入
路30Eはカバー30の軸方向右部分に示される。この
空気吸入路30Eの他端の開口部は適宜設定されるもの
で且つその数、孔径、も実験等により決定される。一
方、弁体6のニードル部6Aには第一の実施例と同様な
る空気通路11が穿設されるもので、空気吸出路11A
は一端がニードル部6Aの先端面6Cに開口し、空気吸
出路11Bは一端が空気吸入路11Aに開口し、他端が
ニードル部6Aの外周側面6Dに開口する。尚、本実施
例にあっては空気吸出路11Bはニードル部6Aの軸方
向において多段に設けられた。
【0019】前記カバー30は燃料噴射弁に対して以下
の如く組みつけられる。図9によって説明すると、弁体
ハウジング9の先端面9Dよりカバー30の上端開口を
介して内径部30Aを弁体ハウジング9の外周へ嵌入
し、カバー30の底部30Bを弁体ハウジング9の先端
面9Dに当接させ、かかる状態においてカバー30の上
部鍔部30Gを囲繞する本体ハウジング1の下端1Aを
内方に向けてカシメ、もって本体ハウジング1に対して
弁体ハウジング9とカバー30とを共に固着できた。か
かる状態にあって、混合気形成孔30Dは、噴射孔9A
に対応して配置され、さらに弁体6のニードル部6Aの
先端部は混合気形成孔30D内に挿入して配置される。
而して、混合気形成孔30D内には、混合気形成孔30
Dの内周とニードル部6Aの外周とによって環状の間隙
Sが形成される。一方、空気吸出溝30Hの上方開口は
弁体ハウジング9の先端面9Dによって閉塞されて通路
をなし、この通路の一端は混合気形成孔30Dに開口
し、他端はカバー30の先端面30C又は外周側面30
Fに開口する。又、ニードル部6Aの外周側面6Dに穿
設される空気吸出路11Bは環状の間隙Sに開口され
る。
【0020】その作用について説明すると、噴射孔9A
より噴射される燃料は噴射孔9Aの開口端を通過した後
に混合気形成孔30D内に噴射されて流下するとともに
混合気形成孔30Dの開口端より拡散された噴霧角をも
って吸気管(図示せず)に噴射される。ここで、噴射孔
9Aより噴射された燃料は、混合気形成孔30Dの内周
とニードル部6Aの外周とによって形成される環状の間
隙S内を通過することになり、かかる間隙Sを通過する
燃料速度の低下が完全に抑止された。これは、ニードル
部6Aと混合気形成孔30Dとによって微少なる環状の
間隙を形成できたことによる。このように環状の間隙S
内を速い流速をもった燃料が噴射されて通過することに
よると、混合気形成孔30Dの内周面には大きな負圧が
発生し、一方カバー30の先端面30Cあるいはカバー
30の外周側面30Fにあっては吸気管内に臨んでいる
ことよりそれらの部位において大きな負圧が発生しな
い。以上によると、空気吸出溝30Hの混合気形成孔3
0Dへの開口と、空気吸入路30Eのカバー30の先端
面30Cあるいはカバー30の外周側面30Fへの開口
との間に大きな圧力差が生じるものであって混合気形成
孔30Dに向けて空気流れが生じ、混合気形成孔30D
に開口する空気吸出溝30Hより混合気形成孔30D内
に空気が吸出される。そして混合気形成孔30D内に吸
出された空気は環状の間隙S内を通過する速い流速をも
った噴射燃料の外方部分に充分に混合される。一方、環
状の間隙S内を速い流速をもった燃料が噴射されて通過
することによると、ニードル部6Aの外周側面6Dには
大きな負圧が発生し、他方、ニードル部6Aの先端面6
Cにあっては吸気管内に臨んでいることより大きな負圧
が発生することはない。以上によると、ニードル部6A
の外周側面6Dとニードル部6Aの先端面6Cとの間に
大きな圧力差が生じることからニードル部6Aに設けた
空気通路11としての空気吸入路11Aから空気吸出路
11Bに向けて空気流れが生じ、空気吸出路11Bより
ニードル部6Aの外周側面6Dを流れる噴射燃料の内方
部分に対して空気が吸出されて混合され、もって良好に
空気を噴射燃料中に混合できて燃料の微粒化を著しく向
上できたものである。特に、カバー30の底部30Bに
空気吸出溝30Hを凹設し、弁体ハウジング9の先端面
9Dにカバー30の底部30Dを当接させたことによる
と、空気吸出溝30Hは噴射孔9Aが開口する混合気形
成孔30Dに直接的に開口できるとともにニードル部6
Aの外周側面6Dに開口する空気吸出路11Bも混合気
形成孔30Dの環状の間隙S内に開口させることができ
たので、噴射孔9Aより噴射された燃料が拡散する前
(拡散の直前)に、燃料中の内方及び外方に渡って空気
を混入できたもので、以後の燃料の拡散時において、燃
料の拡散エネルギーを利用して空気を混合できたもので
燃料の微粒化を効果的に行なうことができたものであ
る。
【0021】又、空気吸出溝30Hを複数設け、混合気
形成孔30Dに対して複数の空気吸出溝30Hを開口さ
せると、混合気形成孔30D内を流れる噴射燃料の全周
囲に渡って均一に空気を混合できるもので燃料の微粒化
が促進される。
【0022】又、図12,図13に示される如く、円形
状をなす混合気形成孔30Dの接線方向に空気吸出溝3
0Hを開口すると、混合気形成孔30D内へ吸出される
空気は混合気形成孔30Dの円周方向に沿って吸出され
るもので、これによると混合気形成孔30D内を通過す
る燃料にスワールを起こすことができるもので、より一
層燃料と空気との混合を促進できるものであって更に燃
料の微粒化を向上できる。この時空気吸出溝30Hを複
数設けることは一層好ましい。
【0023】次に図14,図15,図16によって第四
の実施例を説明する。第一の実施例とはカバーが異な
る。40は筒状をなすカバーであり、このカバー40に
は弁体ハウジング9の外形部に嵌合される内径部40A
と、弁体ハウジング9の先端面9D(噴射孔9Aはこの
先端面9Dに開口する)に対向する底部40Bを有す
る。底部40Bの中心より上方に向けて円柱部40Pが
突起して形成されるもので、円柱部40Pの上端面40
Rとカバー40の先端面40Cとの間に混合気形成孔4
0Dが穿設される。すなわち、混合気形成孔40Dの一
端はカバー40の先端面40Cに開口し、他端は円柱部
40Pの上端面40Rに開口する。円柱部40Pの上端
面40Rには空気吸出路40Hが凹設されるもので、空
気吸出路40Hの一端は円柱部40Pの外形部40Tに
開口し、他端は混合気形成孔40Dに開口する。円柱部
40Pの外側方にある底部40Bには空気吸入路40E
が開口し、他端はカバー40の先端面40C又は外側周
面40Fに開口する。カバー40の先端面40Cに開口
される空気吸入路40Eは図15においてカバー40の
軸方向左部分に示され、カバー40の外周側面40Fに
開口される空気吸入路40Eはカバー40の軸方向右部
分に示される。この空気吸入路40Eの他端の開口部は
適宜設定されるもので且つその数、孔径、も実験等によ
り決定される。一方、弁体6のニードル部6Aには第一
の実施例と同様なる空気通路11が穿設されるもので、
空気吸入路11Aは一端がニードル部6Aの先端面6C
に開口し、空気吸出路11Bは一端が空気吸入路11A
に開口し、他端がニードル部6Aの外周側面6Dに開口
する。尚、本実施例にあっては空気吸出路11Bはニー
ドル部6Aの軸方向にあって多段に穿設されるとともに
軸方向に直交する横断面において複数穿設された。
【0024】前記カバーは燃料噴射弁に対して以下の如
く組みつけられる。図14によって説明すると、弁体ハ
ウジング9の先端面9Dよりカバー40の上端開口を介
して内径部40Aを弁体ハウジング9の外周へ嵌入し、
カバー40の円柱部40Pの上端面40Rを弁体ハウジ
ング9の先端面9Dに当接させ、かかる状態においてカ
バー40の上部鍔部40Gを囲繞する本体ハウジング1
の下端1Aを内方に向けてカシメ、もって本体ハウジン
グ1に対して弁体ハウジング9とカバー40とを共に固
着できた。かかる状態にあって、混合気形成孔40D
は、噴射孔9Aに連設して配置され、さらに弁体6のニ
ードル部6Aの先端部は混合気形成孔40D内に挿入し
て配置される。又、弁体ハウジング9の先端面9Dとカ
バー40の底部40Bとによって空気室Fが形成され
る。而して、混合気形成孔40D内には、混合気形成孔
40Dの内周とニードル部6Aの外周とによって環状の
間隙Sが形成される。一方、円柱部40Pの上端面40
Rに凹設された空気吸出路40Hの上方開口は弁体ハウ
ジング9の先端面9Dによって閉塞されて通路をなし、
この空気吸出路40Hの一端は混合気形成孔40Dに開
口し、他端は円柱部40Pの外形部40Tに開口して空
気室Fに連絡され、更に空気室Fには空気吸入路40E
が開口する。一方、弁体6のニードル部6Aの外周側面
6Dに穿設された空気吸出路11Bは環状の間隙Sに開
口する。
【0025】その作用について説明すると、噴射孔9A
より噴射される燃料は噴射孔9Aの開口端を通過した後
に混合気形成孔40D内に噴射されて流下するとともに
混合気形成孔40Dの開口端より拡散された噴霧角をも
って吸気管(図示せず)に噴射される。ここで、噴射孔
9Aより噴射された燃料は、混合気形成孔40Dの内周
とニードル部6Aの外周とによって形成される環状の間
隙S内を通過することになり、かかる間隙Sを通過する
燃料速度の低下が完全に抑止された。このように環状の
間隙S内を速い流速をもった燃料が噴射されて通過する
ことによると、混合気形成孔40Dの内周面には大きな
負圧が発生し、一方カバー40の先端面40Cあるいは
カバー40の外周側面40Fにあっては吸気管内に臨ん
でいることよりそれらの部位において大きな負圧が発生
しないもので空気吸入路40Eを介してカバー40の先
端面40Cあるいは外周側面40Fに連絡される空気室
F内の負圧をあげるものでない。以上によると、空気吸
出路40Hの混合気形成孔40Dへの開口と、空気室F
との間に大きな圧力差が生じるものであって混合気形成
孔40Dに開口する空気吸出路40Hより混合気形成孔
40D内に空気が吸出される。そして混合気形成孔40
D内に吸出された空気は環状の間隙S内を通過する速い
流速をもった燃料の外方部分に充分に混合される。一
方、環状の間隙S内を速い流速をもった燃料が噴射され
て通過することによると、ニードル部6Aの外周側面6
Dには大きな負圧が発生し、一方、ニードル部6Aの先
端面6Cにあっては吸気管内に臨んでいることより大き
な負圧が発生することはない。而して、ニードル部6A
の外周側面6Dと先端面6Cとの間に大きな圧力差が生
じることからニードル部6Aに設けた空気通路11とし
ての空気吸入路11Aから空気吸出路11Bに向けて空
気流れが生じ、空気吸出路11Bよりニードル部6Aの
外周側面6Dを流れる噴射燃料の内方部分に対して空気
が吸出されて混合され、もって良好に空気を噴射燃料中
に混合できて燃料の微粒化を著しく向上できたものであ
る。特に、カバー40の底部40Bより円柱部40Pを
上方に向けて突出し、この円柱部40Pの上端面40R
に空気吸出路40Hを凹設し、弁体ハウジング9の先端
面9Dにカバー40の円柱部40Pの上端面40Rを当
接させたことによると、空気吸出路40Hは噴射孔9A
が開口する混合気形成孔に直接的に開口でき、しかもニ
ードル部6Aに設けた空気吸出路11Bを環状の間隙S
に開口できたもので、噴射孔9Aより噴射される極めて
速い速度を有する噴射燃料によって空気が吸出され、さ
らには噴射孔9Aより噴射された燃料が拡散する前(拡
散の直前)に、燃料中に空気を混入できたもので、以後
の燃料の拡散時において、燃料の拡散エネルギーを利用
して空気を混合できたもので燃料の微粒化を効果的に行
なうことができたものである。
【0026】又、空気吸出路40Hを複数設け、混合気
形成孔40Dに対して複数の空気吸出路40Hを開口さ
せると、混合気形成孔40D内を流れる噴射燃料の全周
囲に渡って均一に空気を混合できるもので燃料の微粒化
が促進される。
【0027】又、図17に示される如く、円形状をなす
混合気形成孔40Dの接線方向に空気吸出路40Hを開
口すると、混合気形成孔40D内へ吸出される空気は混
合気形成孔40Dの円周方向に沿って吸出されるもの
で、これによると混合気形成孔40D内を通過する燃料
にスワールを起こすことができるもので、より一層燃料
と空気との混合を促進できるものであって更に燃料の微
粒化を向上できる。この時空気吸出路40Hを複数設け
ることは一層好ましい。
【0028】又、ニードル部6Aの外周側面6Dに穿設
される空気吸出路11Bをニードル部6Aの横断面にお
いて複数設けること、ニードル部6Aの軸方向において
多段に設けること、及びニードル部6Aの横断面におい
て複数で且つニードル部6Aの軸方向において多段に設
けることによると、燃料の微粒化の向上に寄与する。
【0029】
【発明の効果】本発明になる燃料噴射弁によると、カバ
ーに穿設せる混合気形成孔と弁体のニードル部の先端部
によって、噴射孔に連なる環状の間隙をカバーに形成
し、この環状の間隙に向けて空気通路の一端を開口し、
他端をカバーの先端面又は外周側面に開口し、更にニー
ドル弁部には、一端がニードル弁部の外周側面に開口
し、他端がニードル弁部の先端に開口する空気通路を設
けたので、噴射孔から噴射される噴射燃料の燃料速度の
低下を抑止でき、この噴射燃料によって環状の間隙内に
充分なる空気を吸入することができるとともに噴射燃料
の外方部分及び内方部分に空気を良好に混合できたもの
で燃料の微粒化を著しく向上できたものである。又、混
合気形成孔に開口するカバー及びニードル弁部に設けた
空気通路は、環状の間隙内にあって、しかも混合気形成
孔に連なって開口する噴射孔の開口部の近傍に開口でき
るので噴射孔より噴射される燃料速度の極めて速い部分
の燃料の外方部分及び内方部分に空気通路からの空気を
吸入でき、更には環状の間隙内を拡散しつつ流下する燃
料の拡散エネルギーによって燃料を微細にしつつ空気と
良好に混合できたものである。更に、カバーは従来の燃
料噴射弁にあってもニードル部を保護する為に装着され
るもので、本発明にあってはこのカバーに混合気形成
孔、及び空気通路を設け、更にニードル部も従来より備
えるもので、このニードル部に空気通路を設けたもので
新たな部品を必要としないことから製品コストの上昇を
抑止できたものである。又、燃料噴射弁を装着する吸気
管等に何等の変更を必要としない。これは燃料噴射弁の
先端に単にカバーを装着したにすぎないからである。従
って本発明の燃料噴射弁は従来のものと互換性を有し極
めて容易にその実施(装着)を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明になる燃料噴射弁の実施例を示す。
【図1】本発明になる燃料噴射弁の一実施例を示す縦断
面図であって、第一の実施例のカバーが装着された。
【図2】図1のA部の拡大断面図である。
【図3】カバーの第一の実施例を示す縦断面図である。
【図4】図3の上部平面図である。
【図5】カバーの第一の実施例における空気吸入路の他
の例を示す上部平面図である。
【図6】カバー及びニードル弁部の第二の実施例を示す
縦断面図である。
【図7】図6に示されたカバーの縦断面図である。
【図8】図7の上部平面図である。
【図9】カバー及びニードル弁部の第三の実施例を示す
縦断面図である。
【図10】図9に示されたカバーの縦断面図である。
【図11】図10の上部平面図である。
【図12】カバーの第三の実施例の変形例を示す縦断面
図である。
【図13】図12の上部平面図である。
【図14】カバー及びニードル弁部の第四の実施例を示
す縦断面図である。
【図15】図14に示されたカバーの縦断面図である。
【図16】図15の上部平面図である。
【図17】カバーの第四の実施例の変形例を示す上部平
面図である。
【符号の説明】
1 本体ハウジング 6 弁体 6A ニードル部 6B 弁部 6C 先端面 6D 外周側面 9 弁体ハウジング 9A 噴射孔 9D 弁体ハウジングの先端面 10,20,30,40 カバー 10B,20B,30B,40B 底部 10C,20C,30C,40C 先端面 10D,20D,30D,40D 混合気形成孔 10E,20E,30E,40E 空気吸入路 10F,20F,30F,40F 外周面 11 空気通路 11A 空気吸入路 11B 空気吸出路 30H 空気吸出溝 40P 円柱部 40R 上端面 40T 外形部 40H 空気吸出路 S 環状の間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02M 69/04 F02M 69/04 G

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に噴射孔が開口し、前記噴射孔と内
    部に設けられた弁室とを弁座にて接続する弁体ハウジン
    グと、弁体ハウジングの後端に連結された本体ハウジン
    グと、弁体ハウジングの弁室内に軸方向移動自在に配置
    され、その先端部に噴射孔内に挿通されるとともに噴射
    孔より突出するニードル部と弁座に着座可能なる弁部と
    を有する弁体と、本体ハウジング内にあって弁体を軸方
    向に駆動する為のソレノイドと、を備えてなる燃料噴射
    弁において、弁体ハウジングの先端面に筒状のカバーを
    対向配置し、前記カバーには、一端がカバーの先端面に
    開口し、他端が弁体ハウジングの噴射孔に対応して開口
    するとともに弁体のニードル部の先端部を挿入し得る混
    合気形成孔と、一端が混合気形成孔に開口し、他端がカ
    バーの先端面又は外周側面に開口する空気吸入路とを設
    け、一方、弁体のニードル部に、一端がニードル部の先
    端面に開口し、他端がニードル部の外周側面に開口する
    空気通路を形成したことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】 先端に噴射孔が開口し、前記噴射孔と内
    部に設けられた弁室とを弁座にて接続する弁体ハウジン
    グと、弁体ハウジングの後端に連結された本体ハウジン
    グと、弁体ハウジングの弁室内に軸方向移動自在に配置
    され、その先端部に噴射孔内に挿通されるとともに弁体
    ハウジングの先端面より突出するニードル部と弁座に着
    座可能なる弁部とを有する弁体と、本体ハウジング内に
    あって弁体を軸方向に駆動する為のソレノイドと、を備
    えてなる燃料噴射弁において、弁体ハウジングの先端面
    に、間隙をもって筒状のカバーを対向配置して空気室を
    形成し、前記カバーには、一端がカバーの先端面に開口
    し、他端が空気室に開口するとともに弁体のニードル部
    の先端部を挿入し得る混合気形成孔と、混合気形成孔の
    外側方にあって、一端がカバーの先端面又は外周側面に
    開口し、他端が空気室に開口する空気吸入路と、を設
    け、一方、弁体のニードル部に、一端がニードル部の先
    端面に開口し、他端がニードル部の外周側面に開口する
    空気通路を形成したことを特徴とする燃料噴射弁。
  3. 【請求項3】 先端に噴射孔が開口し、前記噴射孔と内
    部に設けられた弁室とを弁座にて接続する弁体ハウジン
    グと、弁体ハウジングの後端に連結された本体ハウジン
    グと、弁体ハウジングの弁室内に軸方向移動自在に配置
    され、その先端部に噴射孔内に挿通されるとともに噴射
    孔より突出するニードル部と弁座に着座可能なる弁部と
    を有する弁体と、本体ハウジング内にあって弁体を軸方
    向に駆動する為のソレノイドと、を備えてなる燃料噴射
    弁において、弁体ハウジングの先端面に筒状のカバーの
    底部を当接して配置し、前記カバーには、一端がカバー
    の先端面に開口し、他端が弁体ハウジングの噴射孔に連
    なって底部に開口するとともに弁体のニードル部の先端
    部を挿入し得る混合気形成孔と、カバーの底部に穿設さ
    れて混合気形成孔に開口する空気吸出溝と、混合気形成
    孔の外側方にあって一端がカバーの先端面又は外周側面
    に開口し、他端が空気吸出溝に開口する空気吸入路と、
    を設け、一方、弁体のニードル部に、一端がニードル部
    の先端面に開口し、他端がニードル部の外周側面に開口
    する空気通路を形成したことを特徴とする燃料噴射弁。
  4. 【請求項4】 先端に噴射孔が開口し、前記噴射孔と内
    部に設けられた弁室とを弁座にて接続する弁体ハウジン
    グと、弁体ハウジングの後端に連結された本体ハウジン
    グと、弁体ハウジングの弁室内に軸方向移動自在に配置
    され、その先端部に噴射孔内に挿通されるとともに噴射
    孔より突出するニードル部と弁座に着座可能なる弁部と
    を有する弁体と、本体ハウジング内にあって弁体を軸方
    向に駆動する為のソレノイドと、を備えてなる燃料噴射
    弁において、弁体ハウジングの先端面に対向して配置さ
    れる筒状のカバーに、弁体ハウジングの先端面に臨む底
    部と、カバーの略中心部にあって底部より突出する円柱
    部と、円柱部の中心にあって一端がカバーの先端面に開
    口し、他端が弁体ハウジングの噴射孔に連なって円柱部
    の上端面に開口するとともに弁体のニードル部の先端部
    を挿入し得る混合気形成孔と、円柱部にあって一端が円
    柱部の外形部に開口し、他端が混合気形成孔に開口する
    空気吸出路と、円柱部より外側方の底部にあって一端が
    カバーの先端面又は外周側面に開口し、他端が底部に開
    口する空気吸入路と、を備え、前記カバーの円柱部の上
    端面を弁体ハウジングの先端面に当接することによって
    カバーの底部と弁体ハウジングの先端面とによって空気
    室を形成し、一方、弁体のニードル部に、一端がニード
    ル部の先端面に開口し、他端がニードル部の外周側面に
    開口する空気通路を形成したことを特徴とする燃料噴射
    弁。
  5. 【請求項5】 前記、空気吸入路の一端を混合気形成孔
    の接線方向に開口してなる請求項1記載の燃料噴射弁。
  6. 【請求項6】 前記、空気吸出溝を混合気形成孔の接線
    方向に開口してなる請求項3記載の燃料噴射弁。
  7. 【請求項7】 前記、空気吸出路を混合気形成孔の接線
    方向に開口してなる請求項4記載の燃料噴射弁。
  8. 【請求項8】 前記、ニードル部に設けた空気通路のニ
    ードル部の外周側面への開口を、ニードル部の軸方向に
    多段に開口してなる請求項1又は請求項2又は請求項3
    又は請求項4記載の燃料噴射弁。
  9. 【請求項9】 前記、ニードル部に設けた空気通路のニ
    ードル部の外周側面への開口を、ニードル部の横断面に
    おいて複数開口してなる請求項1又は請求項2又は請求
    項3又は請求項4記載の燃料噴射弁。
  10. 【請求項10】 前記、ニードル部に設けた空気通路の
    ニードル部の外周側面への開口を、ニードル部の横断面
    において複数で、且つニードル部の軸方向に多段に開口
    してなる請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項
    4記載の燃料噴射弁。
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