JP2648586B2 - 記録媒体 - Google Patents

記録媒体

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JP2648586B2
JP2648586B2 JP7276051A JP27605195A JP2648586B2 JP 2648586 B2 JP2648586 B2 JP 2648586B2 JP 7276051 A JP7276051 A JP 7276051A JP 27605195 A JP27605195 A JP 27605195A JP 2648586 B2 JP2648586 B2 JP 2648586B2
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淳志 吉沢
秀一 柳沢
由之 角田
文雄 松井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録媒体に関する。
【0002】
【従来技術】従来情報記録板を製造するためにフォトレ
ジストが使用されていた。すなわち表面を研磨したガラ
ス等よりなる原盤を用意し、この原盤を洗浄して冷却す
る(約1時間の工程)。この原盤にフォトレジストを薄
くコートし、ブリベークした後冷却する(約1時間の工
程)。このフォトレジストをコートした原盤に記録すべ
き信号により変調されたレーザビーム等を照射し、信号
を記録する(約1時間乃至2時間の工程)。露光したこ
の原盤を現像し、水洗いし、水切りをしてさらにアフタ
ーベークした後冷却する(約1時間の工程)。これによ
り表面に記録信号に対応したピットが形成された原盤が
得られる。そしてさらにピットが形成された記録表面上
に金属の反射膜をコートする(約45分の工程)。反射
膜がコートされた原盤を検査用再生機にて再生し、ドロ
ップアウト等の検査をする(約1時間乃至2時間の工
程)。この検査に合格した原盤のみが大量にレプリカを
製作するためのスタンパを製造する工程へ回されること
になる。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながらかかる
従来の方法は、信号の記録を開始してから検査を終了す
る迄約4時間乃至5時間を要し、その時間が経過しなけ
れば良品、不良品の区別ができなかった。従って約4時
間乃至5時間を経過して不良品であることが判明した場
合は、再び最初から同じ時間をかけて情報記録板を製造
する必要があり、極めて非能率的であった。
【0004】このことはフォトレジストを記録膜として
使用しているために、信号記録後直ちにあるいは信号記
録時において記録信号を同時に再生する所謂モニターが
できないことに起因している。また信号の記録自体は正
確に行えたとしても、後の現像工程で現像時間等を誤ま
ると、結局は不良品となってしまうばかりでなく、フォ
トレジストが自然光によっても感光してしまうおそれが
あるために、明室でのハンドリングが困難となり、歩留
りが極めて悪いものになる欠点があった。従って自然製
造コストも高かった。
【0005】かかる欠点を考慮してモニターが可能な素
材を記録膜として使用する方法が例えば米国特許第40
97895号に提案されている。これはガラス原盤の上
にアルミニウムの反射膜を形成し、その上に所定の波長
に対して著しい吸収性を有する染料(フルオレセン)よ
りなる記録膜を形成するものである。これにアルゴンレ
ーザを照射すると、この染料はアルゴンレーザの波長に
対して著しい吸収性を有するために昇華しピットが形成
される。ピットが形成された記録膜に、記録時より十分
小さく、染料を昇華させないパワーのアルゴンレーザを
照射すると、ピットが形成され反射膜が露出している部
分においてはレーザビームは反射され、ピットが形成さ
れておらず染料が残っている部分においてはレーザビー
ムは吸収されない(あるいは反射率は十分小さい)の
で、その光量差よりピットの有無従って信号を再生する
ことが可能となる。
【0006】この方法による場合は、モニターもでき、
湿式の現像工程も不要であり、所定の波長に対してのみ
吸収性を有するから、明室においてもハンドリングが可
能となる。しかしながらこの方法は、染料の昇華速度が
遅く、ピットの形状がきれいに整わず、充分なSNを有
する情報記録板を得ることができない欠点があった。
【0007】これを改良した方法が例えば特開昭55−
87595号公報や、1979年11月22日発行の電
子通信学会技術研究報告(CPM79−59)「色素蒸
発記録材料を用いた実時間レーザ記録」に開示されてい
る。すなわちポリエステル、ポリエチレン等の透明なフ
ィルムあるいはアクリル等の基盤上に、エチルレッド、
メチレンブルー、ブリリアントグリーン等の色素増感剤
(染料)と、ニトロセルロース(重合度約80)とをケ
トン系の溶剤に溶かしたものをコートし、当該色素増感
剤が著しい吸収性を有する波長のレーザビームを照射し
て信号を記録するものである。
【0008】この方法は単に染料(色素増感剤)のみで
なく、ニトロセルロースを混合してあるため、その自己
酸化効果により昇華速度が速く、低温(低いパワー)で
の記録が可能であり、ピットの形状が前述した染料のみ
の場合に比べてきれいに整うという利点を有する。しか
しながらこの方法は、前述したフォトレジストを使用と
する場合に較べばピットの形状はまだ充分整えられてい
ないばかりでなく、反応残渣が出て記録面上にゴミ状の
異物として残り、充分なSNを有する情報記録板を製造
することはできなかった。従ってこの方法は実験段階の
域を出ず、商品としての情報記録板を大量に製造するた
めには前述したフォトレジストを使用する方法を採用せ
ざるを得なかった。
【0009】さらにまたニトロセルロースと色素増感剤
とにより情報記録層を形成する場合、800乃至900
nmの波長を有する半導体レーザに対して著しい吸収性
を呈する色素増感剤が見当らず、半導体レーザにより情
報を記録再生することが可能なディスクを実現すること
が困難であった。半導体レーザを使用することができれ
ば、記録再生装置が簡単かる極めて小型化することがで
き、再生は勿論のこと記録も可能な民生用機器を実現す
ることが可能となる。
【0010】特開昭57−11090号公報には、半導
体レーザにより情報記録が可能な色素増感剤として、ベ
ンゼンジチオールニッケル錯体が提案されている。しか
しながら上記公報に開示された技術の範囲で追試を試み
たところ、少くともμmのオーダで高密度に情報を記録
することができる実用可能なディスクを得ることができ
なかった。すなわち高密度に情報を記録するためにはド
ロップアウト等を少くするために情報記録層の整面性が
良好であるべきところ、平滑な平面を有する基板上に情
報記録層を形成した時点において色素増感剤の結晶粒が
折出してしまい、情報記録層が凹凸になってしまうので
あった。そこで色素増感剤のニトロセルロースに対する
混合量を少くすると、結晶粒は少くなるが感度が下がっ
てしまい、充分なC/NあるいはS/Nを得ることはで
きなくなってしまった。
【0011】本発明はかかる状況に鑑みなされたもの
で、C/N、S/Nが良好であり、ドロップアウトが少
く、情報を正確に記録することが可能なディスク及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1に記載の記録媒体は、透明基板と、該透明基
板上に形成され、スパイラル状又は同心円状のガイドト
ラックを有し、アドレスデータが記録されており、記録
光波長に対して光吸収性に優れる有機化合物を含有する
記録層と、該記録層の上に全面に亘って被着された延展
性のよい金属からなり、基板を透過した光エネルギを吸
収した記録層が昇華、溶融又は蒸発することにより変形
される反射膜とを備えたことを特徴とする。請求項1に
記載の記録媒体によれば、記録光を基板の側から照射す
ると、基板を透過した光エネルギにより、記録光波長に
対して光吸収性に優れる有機化合物を含有する記録層
が、昇華、溶融又は蒸発する。すると、記録層の上に被
着されており延展性のよい金属からなる反射膜は、この
昇華、溶融又は蒸発により変形される。従って、情報信
号に対応させて記録光を照射すれば、記録層の昇華、溶
融又は蒸発及び反射膜の変形により、該記録層及び反射
膜に情報を記録できる。特に記録の最中に、反射膜は、
記録層を透過した記録光を反射するので、記録光は記録
層を2度通過することとなり、記録層への光エネルギの
吸収が促進され、同時に、記録層に記録されたアドレス
データに基づいて、情報の正確な位置への記録が可能と
なる。従って、当該記録媒体においては、正確な位置に
C/N及びS/Nの高い情報が記録される。請求項2に
記載の記録媒体は、請求項1に記載の記録媒体におい
て、前記ガイドトラックに、前記記録層の昇華、溶融又
は蒸発及び前記反射膜の変形により情報が記録されるこ
とを特徴とする。請求項2に記載の記録媒体によれば、
ガイドトラックに情報が記録されるので、ガイドトラッ
クに沿って情報を容易に記録及び再生できる。請求項3
に記載の記録媒体は、請求項1に記載の記録媒体におい
て、前記記録層において相隣接するガイドトラックの間
に挟まれた中間部分に、前記記録層の昇華、溶融又は蒸
発及び前記反射膜の変形により情報が記録されることを
特徴とする。請求項3に記載の記録媒体によれば、記録
層の中間部分に情報が記録されるので、記録層を材料原
液から形成する場合に、材料原液が充填され難いガイド
トラックの底角部を避けて、情報が記録されることとな
る。従って、材料原液の動粘度に起因したドロップアウ
ト等のピット欠陥が生じ難い。請求項4に記載の記録媒
体は、請求項1から3のいずれか一項に記載の記録媒体
において、前記ガイドトラックの形状は、前記透明基板
のスパイラル状又は同心円状の凹凸面により規定されて
いることを特徴とする。請求項4に記載の記録媒体によ
れば、透明基板に、スタンパ等によりスパイラル状又は
同心円状の凹凸面を先ず形成すれば、記録層に、ガイド
トラックを比較的容易に形成することができる。請求項
5に記載の記録媒体は、請求項1から3のいずれか一項
に記載の記録媒体において、前記ガイドトラックの形状
は、前記透明基板と前記記録層との間においてスパイラ
ル状又は同心円状に設けられた合成樹脂層により規定さ
れていることを特徴とする。請求項5に記載の記録媒体
によれば、透明基板に、フォトレジスト等によりスパイ
ラル状又は同心円状の合成樹脂層を先ず形成すれば、記
録層に、ガイドトラックを比較的容易に形成することが
できる。
【0013】
【実施例】以下本発明を図を参照して詳述する。まず色
素増感剤としてベンゼンジチオールニッケル錯体(例え
ば三井東圧社製PA1006)を、またバインダー及び
反応助剤としてニトロセルロースを各々用意する。ニト
ロセルロースは例えばDNRS1/8程度(硝化度1
1.7)のものを用いることができる。ニトロセルロー
スを所定量(例えば溶剤1ccに対して32mgとなる
ように)秤量し、溶剤に混合する。溶剤としては例えば
シクロヘキサノンが好適である。溶剤としてこの他にア
セトン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、メチルセロソルブ、セロソルブ、セロソル
ブアセテート、ジアセトンアルコール、酢酸エチル、エ
チレンジクロライドの10種類を使用してみたが、これ
らを使用した場合においてはいずれも結晶粒が多く出て
しまい実用に供することは困難であった。すなわち色素
増感剤としてベンゼンジチオールニッケル錯体を使用す
る場合においては、その溶剤が極めて重要であることが
判明した。溶剤にニトロセルロースを溶融したものを例
えば40℃にて約4時間振とう(インキュベート)す
る。しかる後例えば0.2μmのフィルタにてフィルト
レーションする。一方ベンゼンジチオールニッケル錯体
を所定量(例えば溶剤1ccに対して32mgとなるよ
うに)秤量、これを前記フィルトレーションした溶液に
混合する(従ってこの場合は溶剤1ccに対して32m
gのニトロセルロースと32mgの色素増感剤とが混合
されたことになる)。この混合液を例えば常温にて約1
時間振とうした後、再び例えば0.2μmのフィルタに
てフィルトレーションする。その結果得られた液体が情
報記録層の原液となる。
【0014】この原液を材料として基板上に情報記録層
を形成するのであるが、基盤としてはガラス又はキャス
トアクリル(例えば志村化研工業社製、日東樹脂社
製)、さらに平滑性が良好であれば塩化ビニール、ポリ
カーボネート等の合成樹脂を用いることができる。情報
記録層に情報を記録した後これを原盤としてレプリカを
製造する場合はガラスが好ましいが、そのまま1枚の完
成したディスクとして使用する場合はキャストアクリル
が軽量なので好ましい。基板の表面は面精度が充分得ら
れるように研磨される必要があるが、充分な面精度が得
られない(例えばアクリルを基盤とした場合はガラスよ
り研精度が劣る)場合は、基板上にスムージング層を所
定厚さだけコートしてもよい。スムージング層としては
例えばノボラック樹脂(具体的には例えば東京応化社製
のポジホトレジストOFPR−2)を1μm程度コート
すれば良い。例えば35cpのOFPR−2を専用シン
ナにて1対1に希釈した溶液を、500r.p.m程度
で回転する基盤上にスピンコートし、60℃で15分間
ベーキングしてシンナを蒸発させ固体化する。この様に
液体状の合成樹脂を塗布した後固化させてスムージング
層としての薄膜を形成することにより、基盤上のキズ、
ゴミ等の影響を少くし、表面を平滑にすることができ
る。
【0015】かかる基盤又は基盤上に形成したスムージ
ング層上に所定厚の銀、アルミニウム等よりなる反射膜
を形成する。反射膜としては例えば銀を400Åの厚さ
にスパッタリングする。この場合アクリル基盤上に銀を
直接スパッタリングするより、スムージング層上に銀を
スパッタリングした方が、充分な膜強度とアンカリング
を得ることができる。
【0016】この反射膜上に情報記録層を形成するに
は、上記原液を例えば0.45μmのフィルタにてフィ
ルトレーションをしたもの10ccを反射膜上に滴下
し、基盤を250r.p.mで7秒間回転させてこの液
を全面に塗布させ、さらに600r.p.mで120秒
間回転させる。しかる後例えば60℃で20分間ベーキ
ングして溶剤を蒸発させ、固体化して常温に戻す。
【0017】色素増感剤とバインダーとの混合量並びに
スピンコート回転数を変化させた場合における原液及び
情報記録層の特性は表1の如くになった。
【0018】
【表1】 尚表1において原液の特性は500倍に希釈した場合の
値であり、コート状態の特性は情報記録層の厚さを10
00乃至3000Å程度にした場合の値である。また、
光透過率は波長830nmの半導体レーザに対するもの
であり、数種のサンプルディスクの平均値である。さら
にコート状態における光透過率は情報記録層を一回通過
した場合の値であり、再生時においては後述する如く一
旦情報記録層を通過したレーザ光が反射膜にて反射され
再び情報記録層を通過するから2乗した値となる(80
%であれば64%(=0.82) となる)。
【0019】上記表からも明らかな如く、色素増感剤の
量を増大させるとそれだけ情報記録層に残る残留色素濃
度の値を上げる(コート状態における光透過率を下げ
る)ことができ、従って感度が上る(より高周波の信号
を記録することができる)ようになる。しかしながら増
大させすぎるとノイズの原因となる色素増感剤の結晶粒
が出現してコート状態の表面が悪化する(NGとな
る)。64mg/cc以上とすると良好な(OKとな
る)平面は殆んど得られなかった。またバインダーの量
を増大させると、それだけ情報記録層の膜の均一性が向
上するが、溶液の動粘度が増加し、同一の膜圧を得るた
めにはスピンコート回転数を増大させる必要がある。回
転数を増大させると残留色素濃度が低下してしまうばか
りでなく、結晶粒が出現することにもつながる。
【0020】この様にして形成された情報記録層は、8
00乃至900nmの波長の光に対して透過率が最小と
なり(吸収率が最大となり)、その他の可視光領域の波
長の光に対しては大きな透過率を有することが確認され
た。
【0021】図1はかかる情報記録層を有するディスク
の構造の一実施例を表している。1は1.2mmの厚さ
のキャストアクリルよりなる基盤、2は1μmの厚さに
形成されたホトレジストよりなるスムージング層、3は
300乃至500Åの厚さに形成された銀よりなる反射
膜、4はニトロセルロースとベンゼンジチオールニッケ
ル錯対との混合物よりなる情報記録層、5は略円形の基
盤1の外周と内周とに配置された厚さ0.1mm程度の
スペーサ、6は1.2mmの厚さの透明なキャストアク
リルよりなる保護板、7はスペーサ5により形成された
空気層、8は中心孔である。スペーサ5はその下端部を
基盤1と直接接触するようにしたり、基盤1又は保護板
6と一体成形するようにしてもよい。
【0022】波長が830nmの半導体レーザを記録信
号により直接変調して回転するディスクに保護板6を介
してレーザ光を照射すると、情報記録層4の露光された
部分は昇華、溶融あるいは蒸発し、図2に示す如く記録
情報に対応したピットAが形成される。
【0023】情報記録後同一の半導体レーザより放射さ
れるレーザ光を保護板6を介して情報記録層4上に照射
すると(この時記録時における場合よりレーザ光のパワ
ーを減衰させ、情報記録層4に新たなピットが形成され
ないようにする)、ピットAがある部分においてはレー
ザ光は散乱してしまい、反射膜3にて反射された後補足
される反射光量は少なくない。ピットAがない部分にお
いては情報記録層4にて吸収されるが表面が平滑である
ため散乱されず補足される反射光量は多くなる。従って
反射光量をホトダイオード等により検出することによっ
て記録情報を再生することができる。記録再生装置の構
成は公知のものと同一でよい。
【0024】図2に示す如き構造のディスク(色素増感
剤とバインダーの溶剤に対する混合量は共に32mg/
cc)を線速度1.25m/sで回転させ、固定した周
波数200KHzの短形波信号を、波長830nm、N
A0.5の工学系を使用して記録再生したところ、図3
に示す如き特性を得ることができた。同図において横軸
は記録時における対物レンズより放射されたレーザ光の
ピークパワー(従って平均パワーは示された値の1/
2)、縦軸はそのディスクを再生したと消えられた再生
信号のレベルとC/Nである。ピークパワーで約2mW
(平均パワーで1mW)から信号を記録することができ
た。C/Nはピークパワーが約4mW付近の時最大ピー
クとなる。
【0025】
【表2】 図3における場合と同一のディスクについて記録パワー
と周波数を変化させて得られた結果が表2に示されてい
る。表2のうち最も右側のコラムは記録トラックのピッ
チを2.3μmとした場合を、またその左側4つのコラ
ムは記録トラックのピッチを4.02μmとした場合
を、各々表している。尚カッコ内の数字は100KHz
における再生信号のレベルを0とした場合のデシベル値
を表している。
【0026】図4は図1に示したディスクにガイドトラ
ックを形成した場合の構造を示している。図1における
場合と対応する部分には同一符号が付してあるのでその
詳述は省略する(以下の図においても同様である)。す
なわち孔8を中心として同心円上又はスパイラル状にガ
イドトラック9がスムージング層2上に形成してある
(従ってこの場合スムージング層2はガイドトラック形
成層としての機能も有する)。ガイドトラック9が形成
されている部分においてはスムージング層2が除去され
ているので情報記録層4は、トラックの中間部分10よ
り厚くなっている。
【0027】ガイドトラック9は基盤1上にスムージン
グ層2として塗布したポジ型レジストにレーザ光を連続
的に照射した後それを現像することにより形成すること
ができる。またガラス基盤にホトレジストを塗布したも
のにレーザ光を照射し、現像してガイドトラックが形成
されたマスター盤を予め用意しておき、基盤1上に紫外
線硬化樹脂よりなるスムージング層2をスピンコートに
て形成し、スムージング層2に上記マスター盤を押圧
し、紫外線を照射してスムージング層2を流体状から固
体状に硬化させることによっても形成することができ
る。あるいはまたガイドトラックが形成されたスタンパ
からインジェクション等により合成樹脂にガイドトラッ
クを転写する等して、基盤1と一体形成することによっ
ても形成することができる。勿論ディスクにガイドトラ
ックを転写するための上記マスター盤あるいはスタンパ
においてもホトレジストに換え本発明に係る上記色素増
感剤とバインダーとの混合物を利用することもできる。
【0028】基盤1上にホトレジストよりなるスムージ
ング層2を形成し、スムージング層2にガイドトラック
9を形成するに際し、基盤1の裏側(スムージング層2
が形成されている面と反対の面)に光をよく吸収するイ
ンク(例えば黒色インク)等により文字あるいは絵等を
描いておくか、あるいは文字。絵等が描かれた紙等を基
盤2の裏側に当てた状態にしておくと、ホトレジスト側
から露光ビームが照射されたとき文字、絵等が描かれて
いる部分における場合よりピットあるいはガイドトラッ
クの幅が細くなり、裏側のインク、紙等を除去して裏側
あるいは表側より見ると、その文字、絵等がスカシを入
れたようになる。この様にピットあるいはガイドトラッ
クの幅を若干変化させても、本来記録再生される信号に
は殆んど影響がない。勿論ガイドトラックを転写するた
めのマスター盤等を作成する時に、その基盤の裏側に同
様の処理を施しておいても、ディスクにガイドトラック
あるいはピットと一緒に上記文字、絵等を転写すること
ができる。従って基板上にホトレジストを塗布し、ガイ
ドトラックを形成することなく直接信号を記録し、現像
してピットを出現させ、それからスタンパを作成し、ス
タンパから大量のレプリカディスの製造するような場合
においても、同様にして文字、絵等を転写することがで
きる。
【0029】尚ディスクには単なるガイドトラックの
他、アドレスデータ等を記録してもよいことはもとより
である。またガイドトラック9が形成されたディスクに
おいては、記録再生のための光学系をガイドトラック9
に追従させることも、また相隣接するガイドトラック9
に狭まれた中間部分10に追従させることも可能である
から、情報信号をガイドトラック9上又は中間部分10
上に記録することができる。バインダーとしてのニトロ
セルロースの混合量にもよるが、情報記録層4を形成す
る原液の動粘度が大きくなると溝として形成されている
ガイドトラック9の底角部に記録材料が充分充填されな
い場所が生じる可能性があるから、かかる場合は中間部
10に情報を記録した方が、ドロップアウト等に対して
有利となる。
【0030】図5はディスクの構造の他の実施例であ
る。この実施例においては、透明な基盤1(保護板6と
考えることもできる)上に情報記録層4が形成され、そ
の上にアルミニウムよりなる反射膜3が形成された1対
のものが、スペーサ5を介してつきあわされている。こ
の実施例においては反射膜3が情報記録層4を介して基
盤1に形成されており、情報記録層4が一種のスムージ
ング層として機能するところから、特別なスムージング
層は省略することができる。また記録再生はディスクの
両面から各々可能である。またこの実施例の場合図6に
示す如く、反射膜3を情報記録層4と共に昇華、溶融あ
るいは蒸発させてピットAを形成するようにしてもよく
(この場合反射膜3の厚さは300Å以下とするのがよ
い)。また反射膜3に延展性のよいアルミニウム等の金
属を用い、情報記録層4が昇華、溶融あるいは蒸発する
とき発生する圧力によって反射膜3をバブル状に膨張さ
せるようにしてピットBを形成してもよい。ピットAの
ように形成した方がピットBのように形成した場合より
再生信号のレベルは大となる。
【0031】図7は図5に示したディスクにガイドトラ
ック9を形成した場合の構造を表わしている。この場合
のスムージング層2はスムージング層としての機能とガ
イドトラック形成層としての機能を有していることにな
る。
【0032】
【発明の効果】請求項1に記載の記録媒体によれば、反
射膜により記録層への光エネルギの吸収が促進され、記
録層に記録されたアドレスデータにより情報を正確な位
置に記録できる。この結果、C/N及びS/Nが良好で
あり、ドロップアウトが少なく、情報を正確に記録する
ことが可能な記録媒体を実現できる。請求項2に記載の
記録媒体によれば、ガイドトラックに沿って容易に情報
を記録及び再生できる。請求項3に記載の記録媒体によ
れば、特に、記録層を材料原液から形成する場合に、材
料原液の動粘度に起因したドロップアウト等のピット欠
陥が生じ難くなるので、C/N及びS/Nを向上する上
で有利となる。請求項4及び5に記載の記録媒体によれ
ば、記録層に、ガイドトラックを比較的容易に形成する
ことができ、当該記録媒体を比較的容易に製造し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例のディスク構造を示す断面図で
ある。
【図2】 第1の実施例のディスクのピット形状を示す
断面図である。
【図3】 ディスクの特性を示す特性図である。
【図4】 第2の実施例のディスクの断面図である。
【図5】 第3の実施例のディスクの断面図である。
【図6】 第3の実施例のディスクのピット形状を示す
断面図である。
【図7】 第4の実施例のディスクの断面図である。
【符号の説明】
1…基盤 2…スムージング層 3…反射膜 4…情報記録層 5…スペーサ 6…保護板 7…空気層 8…中心孔 9…ガイドトラック 10…中間部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松井 文雄 埼玉県所沢市花園4丁目2610番地 パイ オニア株式会社所沢工場内 (56)参考文献 特開 昭59−177741(JP,A) 特公 平7−1556(JP,B2)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、 該透明基板上に形成され、スパイラル状又は同心円状の
    ガイドトラックを有し、アドレスデータが記録されてお
    り、記録光波長に対して光吸収性に優れる有機化合物を
    含有する記録層と、 該記録層の上に全面に亘って被着された延展性のよい金
    属からなり、基板を透過した光エネルギを吸収した記録
    層が昇華、溶融又は蒸発することにより変形される反射
    膜とを備えたことを特徴とする記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記ガイドトラックに、前記記録層の昇
    華、溶融又は蒸発及び前記反射膜の変形により情報が記
    録されることを特徴とする請求項1 に記載の記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記記録層において相隣接するガイドト
    ラックの間に挟まれた中間部分に、前記記録層の昇華、
    溶融又は蒸発及び前記反射膜の変形により情報が記録さ
    れることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記ガイドトラックの形状は、前記透明
    基板のスパイラル状又は同心円状の凹凸面により規定さ
    れていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一
    項に記載の記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記ガイドトラックの形状は、前記透明
    基板と前記記録層との間においてスパイラル状又は同心
    円状に設けられた合成樹脂層により規定されていること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の記
    録媒体。
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