JP2648578B2 - セロハン積層体の製造方法 - Google Patents
セロハン積層体の製造方法Info
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- JP2648578B2 JP2648578B2 JP6269931A JP26993194A JP2648578B2 JP 2648578 B2 JP2648578 B2 JP 2648578B2 JP 6269931 A JP6269931 A JP 6269931A JP 26993194 A JP26993194 A JP 26993194A JP 2648578 B2 JP2648578 B2 JP 2648578B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、セロハン積層体、特
にヒートシール可能なセロハン積層体の製造方法に関す
る。
にヒートシール可能なセロハン積層体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】セロハンは透明性に優れ、静電気を帯び
にくく、引裂き性がよく、適当な剛性があるなどの性質
を有するため、包装材料として広く用いられているが、
耐湿性がないため、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデ
ン、或はそれらの共重合体などを塗布して防湿加工を施
し、防湿セロハンとして市販されている。
にくく、引裂き性がよく、適当な剛性があるなどの性質
を有するため、包装材料として広く用いられているが、
耐湿性がないため、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデ
ン、或はそれらの共重合体などを塗布して防湿加工を施
し、防湿セロハンとして市販されている。
【0003】しかし、これらの塩素系樹脂は、焼却時に
塩素ガスを発生する問題がある。
塩素ガスを発生する問題がある。
【0004】
【発明の課題】また一方、セロハンにポリエチレンを押
出しラミネートしたり(例えば特公平4−62261号
公報)、フィルムを貼り合わせたものもあるが、いずれ
も合成樹脂層が15〜40μmと厚くなり、セロハン自
体の特性である透明性や適当な剛性などを阻害する問題
がある。
出しラミネートしたり(例えば特公平4−62261号
公報)、フィルムを貼り合わせたものもあるが、いずれ
も合成樹脂層が15〜40μmと厚くなり、セロハン自
体の特性である透明性や適当な剛性などを阻害する問題
がある。
【0005】そこで、この発明の課題は、塩素系の樹脂
を用いずに極めて薄い樹脂層をセロハンに形成し、ヒー
トシール性と同時に耐湿性をセロハンに付与することで
ある。
を用いずに極めて薄い樹脂層をセロハンに形成し、ヒー
トシール性と同時に耐湿性をセロハンに付与することで
ある。
【0006】
【課題の解決手段】上記の課題を解決するため、この発
明においては、まずセロハンにアンカーコート層を設
け、このアンカーコート層上に、アイオノマー樹脂をメ
タノールに、又は水とメタノールの容積比が5:5〜
1:9の混合液に溶解させたアイオノマー樹脂溶液を固
形分で2〜30g/m2 塗布した後乾燥させたのであ
る。
明においては、まずセロハンにアンカーコート層を設
け、このアンカーコート層上に、アイオノマー樹脂をメ
タノールに、又は水とメタノールの容積比が5:5〜
1:9の混合液に溶解させたアイオノマー樹脂溶液を固
形分で2〜30g/m2 塗布した後乾燥させたのであ
る。
【0007】
【作用】上記のようにアイオノマー樹脂をメタノール又
はメタノールリッチな混合液に溶解したので、これを塗
布してもセロハンの膨潤をおさえることができる。
はメタノールリッチな混合液に溶解したので、これを塗
布してもセロハンの膨潤をおさえることができる。
【0008】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。
て説明する。
【0009】図1は、この発明の方法によって得られた
セロハン積層体を示す。図示のように、セロハン積層体
1は、基材のセロハン2に、アンカーコート層3を介し
て合成樹脂塗膜4を設けたものである。
セロハン積層体を示す。図示のように、セロハン積層体
1は、基材のセロハン2に、アンカーコート層3を介し
て合成樹脂塗膜4を設けたものである。
【0010】前記セロハン2は、通常の市販品でよく、
厚みは20〜40μm程度である。
厚みは20〜40μm程度である。
【0011】前記アンカーコート層3は、ポリイミン系
樹脂やポリウレタンなどを塗布、乾燥をさせたものであ
って、厚みは0.3〜1μmで充分である。
樹脂やポリウレタンなどを塗布、乾燥をさせたものであ
って、厚みは0.3〜1μmで充分である。
【0012】前記塗膜4は、アイオノマー樹脂から成
り、膜厚は15μmよりも小さくする。好ましくは10
μm以下である。この樹脂は安全性が高く焼却時に塩素
ガスの発生の恐れもない。また、膜厚が薄いためセロハ
ンの透明性を維持することができ、平滑性が失われず、
カールの発生も少ない。一方、この塗膜4によって防湿
性を高め、ヒートシール性も良好となる。
り、膜厚は15μmよりも小さくする。好ましくは10
μm以下である。この樹脂は安全性が高く焼却時に塩素
ガスの発生の恐れもない。また、膜厚が薄いためセロハ
ンの透明性を維持することができ、平滑性が失われず、
カールの発生も少ない。一方、この塗膜4によって防湿
性を高め、ヒートシール性も良好となる。
【0013】上記のようなセロハン積層体1の製造方法
を説明する。
を説明する。
【0014】まず、基材セロハン2にアンカーコート溶
液をローラで塗布し、乾燥ゾーンを通過させて乾燥し、
アンカーコート層3を形成する。
液をローラで塗布し、乾燥ゾーンを通過させて乾燥し、
アンカーコート層3を形成する。
【0015】次に、上記アンカーコート層3の上面にア
イオノマー樹脂溶液をローラで塗布し、乾燥ゾーンで溶
剤を気化させると同時に乾燥固化させて樹脂薄膜4を形
成した後、コイルに巻き取る。
イオノマー樹脂溶液をローラで塗布し、乾燥ゾーンで溶
剤を気化させると同時に乾燥固化させて樹脂薄膜4を形
成した後、コイルに巻き取る。
【0016】上記アイオノマー樹脂溶液は、アイオノマ
ーを2〜10重量%、メタノールに混入したものである
が、アイオノマー樹脂の水系エマルジョンを用いる場合
には、セロハンの膨潤をおさえるため水とメタノールの
容積比が5:5〜1:9の範囲、即ちメタノールリッチ
になるように調製する。
ーを2〜10重量%、メタノールに混入したものである
が、アイオノマー樹脂の水系エマルジョンを用いる場合
には、セロハンの膨潤をおさえるため水とメタノールの
容積比が5:5〜1:9の範囲、即ちメタノールリッチ
になるように調製する。
【0017】このような溶液を樹脂固形分で2〜30g
/m2 塗布すると、厚さが15μmより小さい塗膜4が
形成される。なお、塗布量は2〜20g/m2 、塗膜4
の厚さは10μm以下が好ましい。
/m2 塗布すると、厚さが15μmより小さい塗膜4が
形成される。なお、塗布量は2〜20g/m2 、塗膜4
の厚さは10μm以下が好ましい。
【0018】以下、この発明の実験例と比較例を挙げ
る。
る。
【0019】〔実験例〕 厚さ20μmのセロハンにポリイミン系樹脂溶液を塗
布、乾燥させて0.5μmの厚さのアンカーコート層を
形成した。
布、乾燥させて0.5μmの厚さのアンカーコート層を
形成した。
【0020】一方、アイオノマー5重量%をメタノール
に混入した溶液をそれぞれ4g/m2 、7g/m2 、1
1g/m2 、16g/m2 の固形分割合で前記アンカー
コート層上に塗布し、乾燥させて約3μm、6μm、1
0μm、14μmのアイオノマー塗膜を有する四種類の
セロハン積層体を用意した。
に混入した溶液をそれぞれ4g/m2 、7g/m2 、1
1g/m2 、16g/m2 の固形分割合で前記アンカー
コート層上に塗布し、乾燥させて約3μm、6μm、1
0μm、14μmのアイオノマー塗膜を有する四種類の
セロハン積層体を用意した。
【0021】〔比較例〕 厚さ20μmのセロハン単体、厚さ20μmのセロハン
に厚さ1μmのポリ塩化ビニル塗膜を設けた防湿セロハ
ン、厚さ20μmのセロハンにポリエチレンの押し出し
によって厚さ20μmのポリエチレン層を形成した従来
のポリセロの三種類を用意した。
に厚さ1μmのポリ塩化ビニル塗膜を設けた防湿セロハ
ン、厚さ20μmのセロハンにポリエチレンの押し出し
によって厚さ20μmのポリエチレン層を形成した従来
のポリセロの三種類を用意した。
【0022】上記実験例及び比較例のフィルムの透明
性、ヒートシール性及び吸湿性を試験した。透明性の単
位ヘイズは、透明度100%を0とする。また、ヒート
シール性は、温度100°C及び150°C、圧力2k
g/cm2 、2秒間の条件でセロハン単体に対してヒー
トシールを行ない、180度剥離試験を行なってその強
さを測定した。単位はg/15mm巾である。吸湿性
は、温度20℃、湿度65%の雰囲気内に100時間放
置したときの吸湿量を測定した。
性、ヒートシール性及び吸湿性を試験した。透明性の単
位ヘイズは、透明度100%を0とする。また、ヒート
シール性は、温度100°C及び150°C、圧力2k
g/cm2 、2秒間の条件でセロハン単体に対してヒー
トシールを行ない、180度剥離試験を行なってその強
さを測定した。単位はg/15mm巾である。吸湿性
は、温度20℃、湿度65%の雰囲気内に100時間放
置したときの吸湿量を測定した。
【0023】結果を図2に示す。
【0024】
【効果】この発明によれば、以上のように、アイオノマ
ー樹脂をメタノール又はメタノールリッチな混合液に溶
解し、この溶液をセロハンに塗布するようにしたので、
セロハンを膨潤させることなく、良好なヒートシール
性、特に低温でも使用可能なヒートシール性をセロハン
に付与することができ、かつ防湿性も向上させることが
できる。
ー樹脂をメタノール又はメタノールリッチな混合液に溶
解し、この溶液をセロハンに塗布するようにしたので、
セロハンを膨潤させることなく、良好なヒートシール
性、特に低温でも使用可能なヒートシール性をセロハン
に付与することができ、かつ防湿性も向上させることが
できる。
【0025】従って、この発明によって得られたセロハ
ン積層体は、菓子の個包装や内包装、粉末調味料や粉末
食品の分包、脱臭剤や脱酸素剤の分包、紙幣の帯封な
ど、多くの用途に好適である。
ン積層体は、菓子の個包装や内包装、粉末調味料や粉末
食品の分包、脱臭剤や脱酸素剤の分包、紙幣の帯封な
ど、多くの用途に好適である。
【図1】この発明のセロハン積層体の一例を示す断面図
【図2】実験例及び比較例の試験結果を示す図表
1 セロハン積層体 2 セロハン 3 アンカーコート層 4 アイオノマー樹脂塗膜
Claims (2)
- 【請求項1】 セロハンに、アンカーコート層を設け、
このアンカーコート層上に、アイオノマー樹脂をメタノ
ールに、又は水とメタノールの容積比が5:5〜1:9
の混合液に溶解させたアイオノマー樹脂溶液を固形分で
2〜30g/m2 塗布した後乾燥させることから成るセ
ロハン積層体の製造方法。 - 【請求項2】 前記アイオノマー樹脂を固形分で2〜2
0g/m2 塗布することを特徴とする請求項1記載のセ
ロハン積層体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6269931A JP2648578B2 (ja) | 1994-11-02 | 1994-11-02 | セロハン積層体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6269931A JP2648578B2 (ja) | 1994-11-02 | 1994-11-02 | セロハン積層体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08132561A JPH08132561A (ja) | 1996-05-28 |
JP2648578B2 true JP2648578B2 (ja) | 1997-09-03 |
Family
ID=17479197
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6269931A Expired - Fee Related JP2648578B2 (ja) | 1994-11-02 | 1994-11-02 | セロハン積層体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2648578B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS55152060A (en) * | 1979-05-18 | 1980-11-27 | Mitsui Petrochemical Ind | Preparation of heat sealing film |
JPS56126156A (en) * | 1980-03-10 | 1981-10-02 | Mitsui Petrochemical Ind | Manufacture of laminate having excellent heat sealing property |
JPS57138946A (en) * | 1981-02-20 | 1982-08-27 | Asahi Dow Ltd | Laminate |
-
1994
- 1994-11-02 JP JP6269931A patent/JP2648578B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08132561A (ja) | 1996-05-28 |
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Legal Events
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