JP2648264B2 - 直流電気炉炉底電極 - Google Patents
直流電気炉炉底電極Info
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Description
金属の精錬などに使用される直流電気炉の炉底電極に関
し、特に、その電極棒の周囲における耐火物の耐久性の
改善を提案するものである。
それを保護するMgOを主成分とするマグネシア系スリ
ーブれんがおよびその背面がマグネシアまたはマグネシ
ア・ドロマイトを主成分とする不定形耐火物から構成さ
れている。
る耐火物の損耗要因は、主に熱的およびあるいは構造的
スポーリングで有り、その寿命は、「亀裂発生→溶融金
属の侵入→耐火物の浮上」により決定されている。特
に、電極棒周囲のMgO系スリーブれんがの損傷の程度
が大きく、直流電気炉炉底電極の寿命はその損傷速度に
律速されている。
において、高温の溶融金属との接触、電極棒の局部的な
溶融、炉殻からの電極棒の冷却等による複雑な熱作用に
より、電極棒周囲のスリーブれんがは、極端な温度勾配
を生じやすい条件にあり、これによってもたらされる熱
応力が著大なことに起因している。
傷の軽減、ひいては直流電気炉炉底電極の耐久性向上に
役立つことは明らかである。
電極棒周囲に従来より使用されているマグネシア系スリ
ーブれんがについては、その溶融点が高く且つ低融点ス
ラグに対する溶解度が低いことから耐食性に優れてい
る。
がは、高膨張、高弾性率、低熱伝導率のため、複雑な熱
作用によるれんが内部の熱応力の上昇が大きく、その抵
抗性に劣っており、亀裂を生じやすい。更に、マグネシ
ア系スリーブれんがについては、それ自身の融点が高い
ことにより、低融点スラグなどと接した場合その低融点
成分が耐火物内部深くまで浸透しやすく、それが熱応力
抵抗性を劣化させる。一方、マグネシア系スリーブれん
がの耐スポール性の向上のためには、ドロマイト骨材あ
るいはスピネル骨材等の使用、MgO原料の高純度化、
粒度構成の粗粒化、焼成温度の低温化、ピッチ含浸等が
知られているが、これらの手法では、極めて過酷な熱的
影響を受ける直流電気炉炉底電極において、熱応力緩和
効果は乏しく、直流電気炉炉底電極の耐久性の向上には
寄与しない。
いて、電極棒周囲に耐熱応力性に優れたスリーブれんが
を配し、優れた耐久性を有する直流電気炉炉底電極を提
供することにある。
の本発明の要旨は、 (1)電極棒の周囲に配するスリーブれんが形状が、水
平に分割された直流電気炉炉底電極において、上部(炉
内側)スリーブれんがを黒鉛5〜25重量%を含み、残
部が耐火性骨材からなる炭素含有スリーブれんがとし、
下部(鉄皮側)スリーブれんがを黒鉛10〜35重量%
を含み、残部が耐火性骨材からなる炭素含有スリーブれ
んがとしたことを特徴とする直流電気炉炉底電極であ
る。
んがの問題点の解決を図るべく検討を行った結果、低膨
張、高熱伝導率であり、且つ低弾性化に有効である黒鉛
の活用が直流電気炉炉底電極の電極棒周囲スリーブれん
がにとって、最も効果的であり、不可欠であることを見
出だした。
ががその限られた組成範囲において直流電気炉炉底電極
の電極棒周囲スリーブれんがへ適用した場合、熱応力緩
和に極めて有効に作用し、耐熱応力性に優れることが判
明した。また、本発明の炭素含有スリーブれんがは、そ
の高熱伝導性から、スリーブれんが背面に使用されるマ
グネシアまたはマグネシア・ドロマイトを主成分とする
不定形耐火物の強度発現時間を短縮し、スリーブれんが
の拘束力を速やかに高めると共に、これら不定形耐火物
の寿命延長に寄与することが判った。
リーブれんがについては、上部(炉内側)と下部(鉄皮
側)において、その熱的影響の程度あるいは溶鋼による
侵食作用などから、異なった損耗を呈する場合がある。
本発明では、スリーブれんが形状が、水平に分割された
直流電気炉炉底電極において、黒鉛配合率の異なる炭素
含有スリーブれんがを使用することにより、飛躍的な寿
命延長に寄与することが判った。また、上部(炉内側)
と下部(鉄皮側)について、耐侵食性に優れるMgO系
炭素含有スリーブれんがを上部に、特に耐スポール性に
優れるAl2 O3 系炭素含有スリーブれんがを下部に配
するような異種材質の組み合わせが効果的であることが
判った。
け高純度のものが望ましいが5重量%より少ないと高弾
性率、低熱伝導率のため耐熱応力性に劣り、また、35
%をこえると充填性が極めて低下するため低強度となり
亀裂が生じやすくなる。
gO系及びまたはAl2 O3 系骨材が使用できる。使用
するMgO系及びまたはAl2 O3 系骨材は、電融品、
焼成品などが使用可能であるが、高純度かつ結晶径が大
きいものが望ましい。また、MgO−CaOクリンカ
ー、MgO−ZrO2 、MgO−ZrO2 −SiO2 、
MgO−Al2 O3 などのMgO系耐火性骨材、Al2
O3 −MgO、Al2 O3 90重量%以上のAl2 O3
系耐火性骨材等の適用も可能である。
ダーは、フェノール樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、
尿素樹脂などである。
成物にバインダーを添加し、混練成形後300℃以下で
熱処理された不焼成品のみならず、さらに高温の熱処理
を行うことが可能であり、焼成炭素含有れんがとしても
使用できる。また、ピッチ、樹脂などによる含浸処理も
行うことができる。
は、種々の提案が成されており、その電極棒の形状につ
いてもピン状から500mm径以上の大口径のものまで
多岐に渡っている。また、電極棒を低温に維持し、その
溶融を抑えるために、電極後端部を冷却水などの冷媒で
冷却する方法も提案されている。本発明の炭素含有スリ
ーブれんがについては、極めて耐熱応力性に優れてお
り、スリーブれんが内の温度勾配がより大きく、過酷な
条件となる電極棒の直径が100mm以上でかつ電極後
端部に水冷構造を配した直流電気炉炉底電極構造におい
てより効果を発揮する。
れた直流電気炉炉底電極において、熱的影響とともに、
上部(炉内側)スリーブれんがは溶鋼による侵食作用を
強く受け、下部(鉄皮側)スリーブれんがは鉄皮側冷却
に伴う過酷な温度勾配を生じスポーリング損傷を受け易
いので、異なった黒鉛配合率の炭素含有スリーブれんが
を組み合わせて使用することが有効である。上部(炉内
側)スリーブれんがについては、溶鋼侵食の程度が小さ
い黒鉛5〜25重量%の炭素含有スリーブれんがとし、
下部(鉄皮側)スリーブれんがについてスポーリング損
傷の小さい黒鉛10〜35重量%の炭素含有スリーブれ
んがとする。また、下部(鉄皮側)スリーブれんがは、
更にスポーリング損傷を小さくするため、残部の耐火性
骨材について、膨張係数の小さいAl2 O3 、Al2 O
3 −MgOなどのAl2 O3 系骨材を使用することがで
きる。
リーブれんが及びまたは不定形耐火物で分割する場合、
本発明品を下部に、マグネシア系スリーブれんが及びあ
るいはマグネシアまたはドロマイト系不定形耐火物を上
部に使用することもできる。次に本発明の炉底電極の構
成を図面に従って説明する。
炉の炉底に埋設した炉壁電極の近傍を示す縦断面図であ
る。直流アーク炉の炉底は、パーマレンガ1の内側に不
定形耐火物2をライニングし、外側を鉄皮3で支持した
炉殻をもっている。そして、これらパーマレンガ1、不
定形耐火物2及び鉄皮3を貫通して炉底電極装着用孔4
が形成されている。
に、鉄又は導電性耐火物等より成る棒状電極5を配置す
る。棒状電極5の先端部は、不定形耐火物2の内壁面と
ほぼ同一平面に成形或いは若干炉内に突出し、後端部を
鉄皮3の一部となる支持板3aから突出させる。棒状電
極5が支持板3aから炉外に出る箇所には、絶縁体6が
支持板3aに形成した孔部に装着されており、棒状電極
5に対し支持板3aを絶縁している。棒状電極5の後端
部は、銅等の導電板7に固定され、この導電板7を介し
て給電ケーブル8に接続される。
3aを炉底電極装着用孔4に挿入し取付具9によって鉄
皮3に固定する。そして、棒状電極5の外部にスリーブ
れんが11a,11bを設置した状態でパーマレンガ1
とスリーブれんが11a,11b間に不定形耐火物10
を充填し突き固める。その結果、炉底電極装着用孔4内
に棒状電極5が炉壁を貫通して配置される。スリーブれ
んがは、上部スリーブれんが11a、下部スリーブれん
が11bで構成される。上部スリーブれんが11aとし
てはMgOれんが、もしくは5%〜25%CのMgO−
Cれんがを採用することが望ましい。又、下部スリーブ
れんが11bとしては10%〜35%CのMgO−Cれ
んが若しくは15%〜35%CのAl2 O3 −Cれんが
MgOれんがを採用することが望ましい。形状は通常リ
ング形状であり、高さ方向で、上部、下部合わせて2〜
4段に分割されている。高さ方向の分割については5段
以上の分割も有効である。棒状電極5は、アーク炉に供
給される電力を考慮して、200〜500mmの径のも
のを使用することが好ましい。棒状電極5の径がこの範
囲にあるとき、電気抵抗を高めることなく給電が可能と
なり棒状電極5自体の強度も確保できる。
を一層明らかにする。
す。
成にそれぞれ液状のフェノール系バインダーを適量添加
して混練、成形後、乾燥(90℃×24H)、硬化処理
(250℃×10H)を施してMgO−Cれんがを得
た。実施例5については、さらに、コークス中にて10
00℃の熱処理を行い、その後ピッチ含浸を行った。
シア、電融アルミナを用い、黒鉛としては天然黒鉛を使
用した。
原料組成は黒鉛5〜35重量%の範囲にある。
量が、本発明の請求範囲を逸脱した場合を示す。また、
比較例15〜17は、焼成MgOれんが、ピッチ含浸焼
成MgOれんが、焼成スピネルれんがである。
よる効果が絶大であり、耐熱応力性に極めてすぐれてい
ることが判る。
比較例の場合、耐熱応力性に劣っている。また、黒鉛を
含有しない焼成MgOれんが、ピッチ含浸焼成MgOれ
んが、焼成スピネルれんがについては、極めて耐熱応力
性に劣っていることが判る。以上より、表1、表2の実
施例に示した炭素含有れんがは、極めて耐熱応力性に優
れている結果が得られた。特に黒鉛粉末10〜35重量
%の範囲で優れており、更に、電融アルミナ骨材の使用
は効果的である。又、耐溶鋼性については、黒鉛粉末5
〜25重量%の範囲が優れている。
性、高熱間強度化などの改善のために、公知のAl,M
g,Ca,Si等の1種または2種以上からなる金属ま
たは合金粉末の使用が可能である。
る炭素含有スリーブれんがを電極棒周囲に配した直流電
気炉炉底電極は、その寿命を大幅に向上させることが可
能となった。
向に極めて大きな温度勾配を生じ、過酷な条件となる電
極棒の直径が100mm以上でかつ電極後端部に水冷構
造を配した直流電気炉炉底構造において、その寿命を飛
躍的に向上させることが可能となった。
が極めて遅く、且つその高熱伝導性により、それと接す
る電極棒に対する電極後端部の冷却効果がより得られる
ことから、電極棒の溶融位置が高いレベルに維持され、
操業安定、電力効率の向上に甚大な効果をもたらした。
は、その高熱伝導性から、スリーブれんが背面に使用さ
れるマグネシアまたはマグネシア・ドロマイトを主成分
とする不定形耐火物の強度発現時間を短縮し、スリーブ
れんがの拘束力を速やかに高めると共に、これら不定形
耐火物の寿命延長を可能にした。
なる使用条件に適合する材質で構成した長寿命のスリー
ブれんがを有する直流アーク炉の炉壁電極を提供する事
で炉壁電極の長寿命化に大幅に貢献する。
炉壁電極を示す縦断面図。
が 11a…上部スリーブれんが 11b…下部スリーブ
れんが
Claims (1)
- 【請求項1】 電極棒の周囲に配するスリーブれんが形
状が、水平に分割された直流電気炉炉底電極において、
上部(炉内側)スリーブれんがを黒鉛5〜25重量%を
含み、残部が耐火性骨材からなる炭素含有スリーブれん
がとし、下部(鉄皮側)スリーブれんがを黒鉛10〜3
5重量%を含み、残部が耐火性骨材からなる炭素含有ス
リーブれんがとしたことを特徴とする直流電気炉炉底電
極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4025279A JP2648264B2 (ja) | 1992-02-12 | 1992-02-12 | 直流電気炉炉底電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4025279A JP2648264B2 (ja) | 1992-02-12 | 1992-02-12 | 直流電気炉炉底電極 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05223458A JPH05223458A (ja) | 1993-08-31 |
JP2648264B2 true JP2648264B2 (ja) | 1997-08-27 |
Family
ID=12161586
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4025279A Expired - Lifetime JP2648264B2 (ja) | 1992-02-12 | 1992-02-12 | 直流電気炉炉底電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2648264B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102177619B1 (ko) * | 2018-07-04 | 2020-11-11 | 주식회사 포스코 | 용강 생산 장치 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0448190A (ja) * | 1990-06-15 | 1992-02-18 | Daido Steel Co Ltd | 直流アーク炉の炉底構造 |
-
1992
- 1992-02-12 JP JP4025279A patent/JP2648264B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05223458A (ja) | 1993-08-31 |
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