JP2953293B2 - 製鋼炉用ガス吹き込み羽口構造体 - Google Patents

製鋼炉用ガス吹き込み羽口構造体

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JP2953293B2 JP1442394A JP1442394A JP2953293B2 JP 2953293 B2 JP2953293 B2 JP 2953293B2 JP 1442394 A JP1442394 A JP 1442394A JP 1442394 A JP1442394 A JP 1442394A JP 2953293 B2 JP2953293 B2 JP 2953293B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄鋼製造プロセスにお
ける製鋼炉のガス吹き込み羽口構造に関し、詳しくは、
羽口レンガとガス供給を行う金属製羽口管との間にセラ
ミックス断熱層を設けた羽口構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の鉄鋼製造プロセスにおいては、製
錬工程で転炉を使用するのが一般的である。転炉方式の
中で多数使用されているのは、底吹転炉あるいは上底吹
機能を持つ複合吹錬転炉である。さらに、炉底部に羽口
を有するVOD炉、スクラップ溶解や二次燃焼などを目
的として炉壁部にも羽口を付加した冶金炉などもある。
【0003】これらの羽口としては、主に金属製の単
管羽口、同じく内管と外管で構成される二重管羽口、
耐火物に多数の細管を設けた集合羽口の3種類などが
使用されている。金属の種類はステンレス鋼の場合が多
い。羽口部分の構造としては、後述する図3に示すよう
に、羽口レンガ内にステンレス鋼製の二重管を直接内挿
したものが一般的である。
【0004】羽口からの吹き込みガス種は、溶銑の脱炭
が目的の時にはO2ガスが選択され、二重管の内管から溶
銑中へ吹き込まれる。この時、羽口を冷却する目的で外
管からLPG等の炭化水素が冷却ガスとして吹き込まれ
る。LPG等の炭化水素は吸熱反応で熱分解し、抜熱能
に優れるからである。このようなLPG冷却は、O2ガス
吹き込み時の金属製羽口管の着火溶損を防止するために
行われる。しかし、同時に羽口管周囲の羽口レンガも冷
却され、熱応力や熱衝撃を受けて損耗する。
【0005】一方、溶鋼の強攪拌による精錬反応の効率
化、脱炭反応の促進を目的とする時は、N2やArガスが選
択される。コスト面からN2ガスの使用が優位であるが、
鋼質に悪影響を与えることからArとともに使い分けられ
ている。このような不活性ガスのみを吹き込む場合で
は、金属製羽口管の着火溶損は起こらないが、LPG吹
き込みの場合と同様に、羽口レンガはガス冷却による抜
熱のため熱応力や熱衝撃を受けて損耗する。
【0006】羽口部分のうち、特に羽口レンガは、築炉
後いったん炉の稼働を開始した後においては、局所的に
も補修が困難な部位であり、羽口レンガの損耗は炉命を
律速する。
【0007】実公昭63−44449 号公報には、O2ガスによ
るステンレス管羽口の着火溶損を防止するためのセラミ
ックス材質の底吹ノズルが示されている。しかし、この
考案はO2吹き込み時の金属製羽口の先行溶損を防止する
ためのものであり、羽口寿命を延長するためには、さら
に羽口レンガの損耗を抑制しなければならない。
【0008】羽口レンガの損耗機構は、次のように説明
される。
【0009】他のレンガ部位では溶損が損耗の主因であ
るのに対して、羽口レンガでは熱スポーリングがその主
因となる。すなわち、羽口レンガでは吹錬中、溶鋼から
の受熱と羽口冷却ガスの抜熱により、羽口レンガ内に極
端な温度勾配が生じ、これによって羽口レンガ内に熱応
力が発生する。しかも、転炉では通常バッチ精錬が行わ
れるので、この熱応力は繰り返し熱衝撃的に発生するこ
とになる。
【0010】この熱応力が、レンガの破壊応力以上に達
するとレンガに亀裂が発生し、繰り返し熱衝撃を受ける
ことで亀裂が進展して、レンガは剥離・損耗(熱スポー
リング損傷)していく。
【0011】底吹転炉においては、当初、羽口レンガの
材質は焼成マグドロレンガであったが、上記の熱スポー
リング損傷が問題となったため耐熱スポーリング性に優
れた耐火物が指向され、 MgO−Cレンガが選定された。
現在では、複合吹錬転炉、底吹転炉のほぼ全ての内張り
材として MgO−Cレンガが使用されている。
【0012】MgO−Cレンガは、熱伝導性に優れるカー
ボンをMgO に配合することにより、熱衝撃に対する抵抗
性を持たせた複合耐火物である。羽口レンガとして MgO
−Cを用いることによって、羽口の寿命は従来の酸化物
系耐火物に比較して延命された。
【0013】しかし、その寿命は未だ満足できる水準に
達しておらず、さらなる改善のために種々の対策がなさ
れている。そのひとつの方向として熱伝導性を上昇さ
せ、耐熱衝撃性を向上することが指向された。すなわ
ち、 MgO−Cレンガ中のカーボン配合量を増加すること
で熱伝導率を上げ、耐熱衝撃性を向上させる方法であ
る。
【0014】しかし、カーボンの過剰な配合は、カーボ
ンの酸化損失の増加を招き MgO−Cレンガの耐酸化性を
低下させる。さらに、カーボンの酸化により MgO−Cレ
ンガのスラグに対する耐食性も劣化する。したがって、
カーボン配合量は最大でも30%までしか増加できず、根
本的な解決にはなっていない。
【0015】羽口外周部にZrO2を溶射し、羽口レンガの
熱スポーリングの発生を低減した報告がある(鉄と鋼,
vol.70, 1984, S949 参照)。これは、ZrO2溶射層を断
熱層とすることで、羽口レンガ内に発生する温度勾配を
緩和して羽口レンガ内の熱応力を低減させ、熱スポーリ
ングの抑制を図るものである。
【0016】この報告では、断熱された羽口レンガは高
温にはなるが、温度変化は半減し、羽口レンガの損耗速
度が7%低減したとされている。しかし、このような溶
射層を断熱層とする方法では次の点が問題となる。すな
わち、施工可能な溶射層の厚さは、一般に2〜300 μ
m程度であり、断熱層としては充分な効果が得られな
い。形成される溶射層が酸化物であり、耐熱衝撃性に
劣る等である。このため、羽口レンガの寿命を延長する
技術としては未だ不十分である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のガス吹き込み羽口構造体の欠点である羽口レンガ本体
の亀裂発生を防止して損耗を抑制し、羽口寿命を安定的
に延長させることができる羽口部の構造を提供すること
にある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次の製鋼
炉用ガス吹き込み羽口構造体にある。
【0019】(1) 羽口レンガと金属製羽口との間に、実質的にZr
2 からなるセラミック管が内挿されていることを特徴
とする製鋼炉用ガス吹き込み羽口構造体。 (2)羽口レンガと金属製羽口との間に、重量%で、B
N:40%以下を含有し、残部が実質的にZrB 2 から
なるセラミック管が内挿されていることを特徴とする製
鋼炉用ガス吹き込み羽口構造体。 (3)羽口レンガと金属製羽口との間に、重量%で、S
iCおよび/またはB 4 C:10%以下を含有し、残部
が実質的にZrB 2 からなるセラミック管が内挿されて
いることを特徴とする製鋼炉用ガス吹き込み羽口構造
体。 (4)羽口レンガと金属製羽口との間に、重量%で、B
N:40%以下、ならびにSiCおよび/またはB 4
C:10%以下 を含有し、残部が実質的にZrB2から
なるセラミック管が内挿されていることを特徴とする製
鋼炉用ガス吹き込み羽口構造体。
【0020】溶鋼に対する耐食性や耐熱スポーリング性
に特に優れた材質としては、ZrB2質セラミックス、ZrB2
含有耐火物が知られている。本発明者は、これらのセラ
ミックス材について、R″(熱衝撃破壊抵抗係数)を指
標として熱衝撃に対する抵抗性を評価した。この結果、
上記のZrB2含有材を羽口レンガと金属製羽口の間に挿入
することにより、羽口構造体としての寿命を効果的に延
長できること見いだした。
【0021】
【作用】図1は、本発明の羽口構造体の例を示す図であ
る。この例は炉底羽口の場合であり、図1(a) は縦断面
図、図1(b) はA方向から見た羽口構造体のみの平面図
である。
【0022】図示するように、この例の羽口構造体は、
金属製二重管羽口1、ZrB2質セラミックス管2および羽
口レンガ3から構成されており、ZrB2質セラミックス管
2は羽口レンガ3に内挿され、さらにZrB2質セラミック
ス管2に金属製二重管羽口1が内挿されているものであ
る。
【0023】このZrB2 質セラミック管2が、さらに
重量%でBN:40%以下または、SiCおよび/ま
たはB4 C:10%以下を含有し、残部が実質的にZr
2からなるセラミック管(以下、ZrB 2 主成分セラ
ミック管といい、実質的にZrB 2 からなるセラミック
管をZrB 2 質セラミック管という)であり、溶鋼に対
する耐食性を有するとともに、金属製二重管羽口1が冷
却されているとき、羽口レンガ3に対する断熱層として
作用する断熱管、すなわち熱衝撃を緩和する構造材料で
ある。羽口は金属製のものであれば、単管や三重以上の
多重管であってもよく、羽口構造体としては同様のもの
となる。金属の材質は、ステンレス鋼、銅および鋳鉄等
から選択できる。
【0024】ZrB2質セラミックス管を上記の組成に限定
した理由は、次のとおりである。
【0025】このセラミックス管それ自体は金属製羽口
と接しているため、この羽口が冷却されているとき、直
接的にしかも繰り返し熱応力や熱衝撃を受けることにな
る。
【0026】したがって、セラミックス管は、熱衝撃破
壊抵抗性が高い材質でなければならない。
【0027】材料の熱衝撃に対する抵抗性を定量的に評
価する手段として熱衝撃破壊抵抗係数R″の適用を考え
ると、R″は下記の(1) 式で表される。
【0028】
【数1】
【0029】ここで、S:破壊強度、μ:ポアッソン
比、K:熱伝導率、E:ヤング率、α:熱膨張係数、
ρ:密度、C:比熱である。
【0030】すなわち、熱衝撃破壊抵抗係数R″は、破
壊強度と熱伝導率の向上、ヤング率と熱膨張係数の低下
によって向上することがわかる。
【0031】(1) 式を用い、市販されている代表的なセ
ラミックスおよびZrB2質セラミックスについて評価した
結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1から、SiC 、Si3N4 等の非酸化物系セ
ラミックスのR″は、MgO 、Al2O3、PSZ(部分安定化ZrO
2) 等の酸化物系セラミックスに比較して一桁またはそ
れ以上高く、これらの非酸化物系セラミックスは熱衝撃
に対する抵抗性に優れていることがわかる。
【0034】しかし、個々の材料物性を検討すれば、Si
C やSi3N4 は溶鋼に対する耐食性が劣ることから、断熱
材や耐熱衝撃材としての適用は困難である。Al2O3 は耐
熱衝撃温度差が低く、また PSZは高温においては安定化
の効果が失われ、強度が著しく低下する。このため、こ
れらも同様に現実的な材料ではない。
【0035】上記の理由で、本発明の羽口構造体におい
て断熱層として用いるセラミックス管の材質のひとつ
を、実質的にZrB2のみからなるものとした。
【0036】このZrB2質セラミックスでは、さらに、Zr
B2にその配合割合として重量%で、40%以下のBNを添
加したものか、または、 B4Cおよび/またはSiC を10
%以下で添加し、ZrB2成分のマトリックス中にこれらが
均一に分散したものが望ましい。
【0037】このBN、または4 Cおよび/またはS
iCを上記の範囲で配合してもよい理由は、次の、
のとおりである。
【0038】BNを添加することにより、ZrB2単独の場
合よりもさらに耐熱スポーリング性が向上する。しか
し、逆にこのBN配合量が40%を超えると、耐熱スポーリ
ング性には優れるが耐食性が低下する欠点が生ずる。
【0039】 SiC、B4C はZrB2の焼結助剤として作用
し、熱間強度を高めるが、 B4Cおよび/またはSiC が10
%を超えると、熱間で使用する際にZrB2成分のマトリッ
クス部にB2O3やSiO2を主成分とする液相が発生し、強度
が低下する。
【0040】ZrB2質セラミックス管は、上記の組成に調
整したZrB2質および残分組成の粉末、または、焼結によ
ってZrB2質および残分組成となりうる原料粉末を調整
し、成形した後、還元雰囲気または不活性雰囲気で焼成
する方法で製造することができる。必要であれば、さら
に緻密化を図るために、焼成方法としてホットプレス、
HIP等の加圧焼結法を適用してもよい。
【0041】羽口レンガの材質は、アルミナ、マグネシ
ア、マグクロ、マグドロ、Al2O3 −Cおよび MgO−C等
の一般的に製鋼炉内張用耐火物として使用されている材
質から選択できる。
【0042】羽口レンガと金属製二重管羽口の寸法は、
従来構造の羽口と同等であってもよいが、ZrB2 質セ
ラミック管、またはZrB 2 主成分セラミック管の長さ
は、それが内挿される羽口レンガの長さと同等であるこ
とが望ましい。しかし、近年の大型炉では、長さ150
0mm近くの長尺レンガを炉底羽口レンガとして使用す
る場合もあるため、一体物でこの長さのZrB2 質セラ
ミック管、またはZrB 2 主成分セラミック管を作製す
ると、焼成収縮時のムラ等により反りが生じる可能性が
ある。このため、必要があればZrB2 質セラミック
、またはZrB 2 主成分セラミック管を複数に分割し
て製造し、羽口レンガに内挿する際にこれらをつなぎ合
わせ、MgOキャスタブル等で固定する方法を取っても
よい。ZrB2 質セラミック管、またはZrB 2 主成分
セラミック管の管径については、羽口径により決定すれ
ばよい。
【0043】本発明の羽口構造体は、主に複合吹錬転炉
および底吹転炉などにおいて、溶鋼と直接接触する炉底
羽口部に適用するのが最も効果的であるが、スクラップ
溶解炉またはスクラップ溶解に続いて精錬を行う炉など
において、スラグの影響によるレンガの溶損は比較的少
ないが、繰り返し熱応力や熱衝撃を受ける炉壁部羽口の
構造体としても用いることができる。
【0044】
【実施例】下記の本発明例1〜8および比較例1〜3に
示す成分および焼成条件により、長さ280 mm、外径70m
m、内径20mmの緻密質セラミックス管を作製し、羽口レ
ンガ内に断熱層として内挿し、これらを50トンVOD炉
の炉底羽口に適用し、羽口レンガの損耗を比較する試験
を実施した。
【0045】図2は、本発明例および比較例におけるセ
ラミックス管を内挿した羽口構造体(炉底羽口)と寸法
を示す図である。(a) は縦断面図、(b) はA方向から見
た羽口構造体のみの平面図である。セラミックス管8
は、図1におけるZrB2質セラミックス管2に相当する。
【0046】具体的方法は、底吹き羽口を4個設け、そ
の内の3個の羽口を上記図2の羽口構造体とし、残り1
個の羽口を断熱層を内挿しない従来の羽口(従来例とす
る)とした。羽口レンガにはいずれの羽口構造体におい
ても MgO−C質を用いた。
【0047】羽口はいずれもステンレス鋼製の二重管と
し、内管からの吹き込みガスはO2、外管からの冷却ガス
はLPGを選択した。試験条件を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】本発明例1:ZrB2原料粉末にバインダーと
してポリビニールアルコール(以下、PVAと記す)を
1wt%添加・混錬し、CIP成形後、温度1600℃、圧力
500kg/cm2 の条件でホットプレス法により作製したセラ
ミックス管 本発明例2:ZrB295wt%、BN5wt%を成分とする原料粉
を調整し、PVAを1wt%添加・混錬し、本発明例1と
同条件で作製したセラミックス管 本発明例3:ZrB260wt%、BN40wt%を成分とする原料粉
を調整し、本発明例1と同条件で作製したセラミックス
管 本発明例4:ZrB298wt%、 SiC2wt%を成分とする原料
粉を調整し、CIP成形後、N2雰囲気中1700℃で常圧焼
結して作製したセラミックス管 本発明例5:ZrB290wt%、 SiC10wt%を成分とする原料
粉を調整し、本発明例4と同条件で作製したセラミック
ス管 本発明例6:ZrB298wt%、 B4C2wt%を成分とする原料
粉を調整し、本発明例4と同条件で作製したセラミック
ス管 本発明例7:ZrB290wt%、 B4C10wt%を成分とする原料
粉を調整し、本発明例4と同条件で作製したセラミック
ス管 本発明例8:ZrB290wt%、 SiC5wt%、 B4C5wt%を成
分とする原料粉末を調整し、本発明例4と同条件で作製
したセラミックス管 比較例1:Al2O3粉を所定形状に一軸成形後、CIP成
形を行い、大気雰囲気下1500℃で常圧焼結して作製した
Al2O3セラミックス管 比較例2:安定化材として3 mol%のY2O3を含有するZr
O2を原料粉とし、これを所定形状に成形後、大気雰囲気
下1400℃で焼成して作製した部分安定化ZrO2セラミック
ス管 比較例3:SiC粉を所定形状に一軸成形後、CIP成形
を行い、N2雰囲気中1700℃、圧力500kg/cm2 の条件でホ
ットプレス法により作製した SiCセラミックス管 表3に本発明例1〜8、比較例1〜3のセラミックス管
材の各物性値および比較試験後の羽口レンガの損耗速度
を示す。なお、従来例羽口の損耗速度は1.30〜1.60mm/c
h であった。
【0050】
【表3】
【0051】羽口損耗速度は、本発明例1〜8のセラミ
ックス管を内挿した本発明の羽口構造体とすることによ
って、0.74〜0.80mm/ch まで低減した。
【0052】試験終了後に羽口レンガを回収してその断
面を観察したところ、従来例では稼働面(溶鋼接触面)
から60mm程度のレンガ内部に、稼働面に平行な亀裂の発
生が認められた。
【0053】図3は、従来の羽口構造体の羽口レンガ内
部に生じた亀裂の例を示す図であり、(a) が縦断面図、
(b) がA方向から見た羽口構造体のみの平面図である。
【0054】比較例1、2では、セラミックス管自体に
も亀裂が発生し、稼働面側で一部欠損していた。図4
は、セラミックス管の材質が適正ではない場合の、羽口
構造体の羽口レンガとセラミックス管の内部に生じた亀
裂の例を示す縦断面図であり、(a) が比較例1、(b) が
比較例2の場合である。
【0055】比較例3では、羽口レンガとセラミックス
管に亀裂の発生はなく損耗速度も低減していたが、セラ
ミックス管の稼働面に4〜6mmの酸化層が発生してお
り、一部この部分が溶鋼による侵食を受けていた。
【0056】これに対し、本発明例1〜8では、羽口レ
ンガとセラミックス管の稼働面にはいずれも変質層は認
められず、溶鋼による侵食はほとんど認められなかっ
た。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、ZrB2 質セラミック
、またはZrB 2 主成分セラミック管を羽口レンガと
金属製羽口との間に断熱層として内挿することにより、
熱応力や熱衝撃による羽口レンガの亀裂損傷をなくし、
羽口の損耗を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の羽口構造体の例(炉底羽口)を示す図
である。(a) は縦断面図、(b)はA方向から見た羽口構
造体のみの平面図である。
【図2】本発明例および比較例で用いた羽口構造体(炉
底羽口)を示す図である。(a)は縦断面図、(b) はA方
向から見た羽口構造体のみの平面図である。
【図3】従来例で用いた羽口構造体(炉底羽口)を示す
図である。(a) は縦断面図、(b) はA方向から見た羽口
構造体のみの平面図である。
【図4】比較例で用いた羽口構造体の使用後の状況例を
示す縦断面図である。(a) は比較例1、(b) は比較例2
の場合である。
【符号の説明】
1:金属製二重管羽口、2:ZrB2質セラミックス管、
3:羽口レンガ、4:ウェアレンガ、 5:パーマネ
ントレンガ、 6:鉄皮、7:ステンレス鋼製二重管羽
口、8:セラミックス管
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−263210(JP,A) 特開 昭59−215416(JP,A) 特開 昭63−255315(JP,A) 特開 昭59−50110(JP,A) 工業レアメタル,No.91,pp.24 −27(1986) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21C 5/48 C21C 7/072 F27D 3/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】羽口レンガと金属製羽口との間に、実質的
    にZrB2 からなるセラミック管が内挿されていること
    を特徴とする製鋼炉用ガス吹き込み羽口構造体。
  2. 【請求項2】羽口レンガと金属製羽口との間に、重量%
    で、BN:40%以下を含有し、残部が実質的にZrB
    2 からなるセラミック管が内挿されていることを特徴と
    する製鋼炉用ガス吹き込み羽口構造体。
  3. 【請求項3】羽口レンガと金属製羽口との間に、重量%
    で、SiCおよび/またはB4 C:10%以下を含有
    し、残部が実質的にZrB2 からなるセラミック管が内
    挿されていることを特徴とする製鋼炉用ガス吹き込み羽
    口構造体。
  4. 【請求項4】羽口レンガと金属製羽口との間に、重量%
    で、BN:40%以下、ならびにSiCおよび/または
    4 C:10%以下を含有し、残部が実質的にZrB2
    からなるセラミック管が内挿されていることを特徴とす
    る製鋼炉用ガス吹き込み羽口構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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