JP2648176B2 - 制癌剤 - Google Patents

制癌剤

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリプレノールを有効成分とする制癌剤に
関する。
〔従来の技術〕
わが国の癌による死亡者は、これまでの循環器疾患に
よる死亡者数を抜いて死因の第1位となったことが最近
の統計に示されている。その原因については種々の説が
あるものの、治療方法の確率が緊急の課題として求めら
れている。
これまでに癌の治療には、外科療法、放射線療法、温
熱療法のような物理療法および化学療法の諸療法が単独
で或いは組み合わされて試みられている。このうち、外
科療法は主として原発部位の癌を外科的手術によって除
去するものであるが、手術の不可能な臓器の癌や転移が
始まった癌の場合には無力であり、放射線療法は正常細
胞にも大きい傷害を及ぼしがちであってこの療法のみを
単独で実行することは好ましくないものであり、温熱療
法などの物理療法には癌種と癌の部位に制限があってす
べての癌に適用可能なものではない。
癌に対する化学療法は現在癌を制圧するための手段と
して大いに期待されている療法である。この化学療法に
用いられる制癌剤の多くは細胞に対する直接的な傷害性
に基づいて効果を発現するものであるので人体の正常機
能をも損傷し、それによる副作用の結果、例えば免疫機
能の低下、代謝機能の低下、造血機能の低下などの好ま
しくない作用が現われることなどがあり、毒性の少ない
従って副作用のない制癌剤の開発が望まれている。そし
てかかる毒性の少ない制癌剤の開発が精力的に進められ
てはいるものの、いまだ満足すべき薬効を有するものが
見出されていない。
これまでに、比較的短鎖長のポリプレノールが白血病
細胞に対して分化誘導効果を有することが見い出され、
かかる分化誘導効果を利用して白血病細胞を非白血病細
胞へ分化せしめることによるポリプレノールの制癌剤と
しての利用可能性についてはすでに特開昭58−144317号
公報に開示されている。しかしながら、ここに用いられ
るポリプレノールは、イソプレン単位が2〜11個程度の
比較的短鎖長のものであり、しかしてこのポリプレノー
ルを構成するイソプレン単位の立体構造について、シス
型であるかトランス型であるかの区別が記載されていな
いので有効なポリプレノールの立体構造は不明である。
また特開昭60−67424号公報にはポリプレノールリン
酸化合物の癌増殖抑制効果が示されている。そしてここ
に示されている化合物はリン酸エステルの形の化合物で
あってポリプレノール自体についての効果は示されてい
ない。ところで、以下に示すような事実から特定のポリ
プレノールはポリプレノールリン酸と比較した場合、独
自の薬理効果を有することが推定される。
ドリコールは動物界に存在する代表的なポリプレノー
ルであり、このドリコールのリン酸エステルが糖タンパ
ク質糖鎖の生合成系において糖の担体として機能するこ
とはよく知られている。一方、各種の疾患や加令に伴
う、臓器中ドリコールおよびドリコールリン酸の量的変
動が調べられ、多くの場合、ドリコール量の変動はドリ
コールリン酸量の変動よりも大きいことが明らかにされ
てきた。例えば、ヒト肝臓では癌化に伴ってドリコール
含量が減少するが、その減少率は、ドリコールリン酸の
減少率を上回る〔Acta Chemica Scandinavica,B39巻,32
6−328頁(1985)〕。また、ラットの各種臓器では加令
に伴って、ドリコール含量が増加するが、この際のドリ
コール含量の増加率は、ドリコールリン酸含量の増加率
よりもはるかに大きいことが報告されている〔Lipids,2
1巻,353−355頁(1986)〕。さらにこれらの報告とは別
に、ドリコールはドリコールリン酸とは異なった形でモ
デル細胞膜に組み込まれ、膜の構造や流動性を変化させ
ることが明らかにされた〔The Journal of Biological
Chemistry,260巻,2742−2751頁(1985)〕。また、ドリ
コールがモデル細胞膜に組み込まれた場合、特定のカチ
オンに対する透過性が上昇することも報告されている
〔Chemistry and Physics of Lipids.38巻,343−352頁
(1985)〕。従ってドリコールは、その細胞膜との相互
作用を介し、細胞機能に対して、ドリコールリン酸とは
異なる影響を及ぼしているものと推定される。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記したように癌に対する化学療法において制癌効果
を有し、しかも人体に対する毒性の低い制癌剤が求めら
れているが、この目的のためには細胞に対して傷害性を
有しないすなわち細胞毒として働くことのない別異の作
用機序による制癌効果発現物質の開発が求められるとこ
ろである。
一方本発明者は、ポリプレノール化合物を用いた長期
間に亘る基礎研究の結果、ポリプレノール化合物がきわ
めて低毒性であるにも拘わらず、癌細胞膜との相互作用
を介して制癌効果を発揮する可能性を見い出した。その
結果、制癌効果が有効に発揮させるためのポリプレノー
ルの鎖長および立体構造の解明が解決されるべき課題と
してクローズアツプされたのである。
〔問題点を解決するための手段〕
かかる状況のもとで、本発明者はポリプレノール化合
物の制癌効果について鋭意研究の結果、一定範囲の鎖長
よりなるポリプレノールであって特定の立体構造を有す
るものが複数の動物癌に対して制癌剤としてすぐれた効
果を有することを見出して本発明を完成したのである。
すなわち、本発明は次の一般式(I) (式中、 はトランス型イソプレン単位を、 はシス型イソプレン単位を、そして はジヒドロイソプレン単位を示し、lは3の整数を、そ
してmは5〜8の整数を示す) で示されるポリプレノールを有効成分として含有する制
癌剤に関する。
上記した一般式(I)で示されるポリプレノール化合
物におけるlおよびmの数によって次に示されるような
化合物が本発明の制癌剤の具体例として挙げられる。
これらのポリプレノール化合物は下記する実施例によ
っても明らかな通り、動物実験において移植癌の増殖を
抑制し、また担癌動物の延命効果を有することが分かっ
た。しかしてこれらのポリプレノールは従来の癌治療に
用いられる制癌剤とは異なり癌細胞に対する直接的な傷
害性をほとんど有しないこともこのポリプレノール制癌
剤のきわめて著しい特色である。
すなわち、上記した一般式で表わされるポリプレノー
ルの毒性はきわめて低く、この化合物のすべてについて
の実験動物のマウスにおける急性毒性試験では、腹腔内
投与時のLD50値が>1g/kgであって、細胞毒としても作
用した従来から知られている制癌剤とはきわ立った対照
をなしている。
以上のことからこの化合物の制癌効果は癌細胞に対す
る細胞毒として発現するものではないことが考えられ、
理論に拘束されることを欲するものではないが、このポ
リプレノール化合物は癌細胞の表面構造を修飾し、この
ことにより担癌宿主による抗腫瘍性免疫の発現を増強
し、もって生体の免疫作用によって癌細胞への攻撃が増
大する結果制癌剤効果が発現すると考えられる。勿論か
かる作用機序は仮説であって別途の作用機序によって制
癌効果を発揮するものであっても良い。
このポリプレノール化合物を制癌剤として用いる場合
は上記したようにこの化合物がきわめて毒性の低いもの
であることから大量に投与することも可能である。また
その投与方法も経口投与の他に皮下注射、静脈内注射の
ような非経口投与も可能である。そして通常の臨床投与
量として成人一日当り経口の場合10〜2000mg、非経口の
場合5〜1000mgの範囲またはそれ以上で用いられる。し
かして癌の種類、症状の程度によっては上記の範囲に限
られることなく更に異なった範囲の投与量で投与するこ
とができる。
このポリプレノール化合物は制癌剤としてこのものを
単独の有効成分とする医薬として用いることが可能であ
るが、その他に公知の制癌剤と併用し又は公知の制癌剤
に配合して用いることもできる。そしてこの公知の制癌
剤と配合して用いる場合には、公知の制癌剤の制癌効果
に加えて、上記したポリプレノール化合物の免疫増強効
果が発揮される結果、互の制癌剤の効果を増強すること
も期待することができる。
以下に本発明を実施例によって更に詳細に説明する。
〔実施例〕
実施例において使用した化合物を以下に示す。
化合物A イソプレン単位が10〜13個のα−ジヒドロポ
リプレノールの混合物 また比較試験のために以下の化合物を用いた。
化合物B α−ジヒドロデカプレノール 化合物C イソプレン単位が9〜12個のポリプレノール
の混合物 化合物D イソプレン単位が15〜12個のドリコール−リ
ン酸二アンモニウム塩の混合物 実施例 1 化合物Aを用いて腹水型肝癌に対する制癌効果を測定
した。
動物:C3H/He 雄マウス(5週令) 癌細胞:肝癌細胞、MH134 実験方法:MH134細胞106個をマウスの腹腔内に移植し
た。オリーブオイルに溶解した化合物Aを、移植後1日
目より21日目まで、連日に腹腔内投与した。癌細胞移植
後のマウスの生存日数を調べた。
化合物Aの投与量と実験動物の生存日数の中間値およ
び延命率(%)は次の表1に示される。
実施例 2 化合物Aを用いて固型肝癌に対する制癌効果を測定し
た。用いた動物と癌細胞は実施例1と同一である。
実験方法:MH134細胞106個をマウスの脇腹皮下に移植し
た。オリーブオイルに溶解した化合物Aを、移植後1日
目より39日目まで、隔日に腹腔内投与した。癌細胞移植
後のマウスの生存日数を調べた。
化合物Aの投与量と実験動物の生存日数の中間値およ
び延命率(%)は次の表2に示される。
実施例 3 化合物Aを用いて固型メラノーマに対する増殖抑制効
果を測定した。比較のために化合物B、CおよびDの効
果も測定した。
動物:C57 BL/6 雄マウス(6週令) 癌細胞:メラノーマ細胞、B16F10 実験方法:B16F10細胞4×105個をマウスの左後肢足蹠に
移植した。オリーブオイルに溶解した化合物A、B、C
またはDを、移植後1日目より27日目まで隔日に腹腔内
投与した。移植後28日目に、移植部位における腫瘍重量
を測定し、各化合物投与群ごとに腫瘍重量の平均値
(a)を算出した。そして対照マウスの腫瘍重量の平均
値(b)との比較から、腫瘍増殖抑制率 を求めた。
化合物A、B、CおよびDの投与量と腫瘍増殖抑制率
(%)は次の表3に示される。
実施例1〜3から、化合物Aは極めて優れた制癌効果
を発揮することが明らかになった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中 はトランス型イソプレン単位、 はシス型イソプレン単位、 はジヒドロイソプレン単位を示し、lは3の整数を、そ
    してmは5〜8の整数を示す) で示されるポリプレノールを含有する制癌剤。
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