JP2647735B2 - 庫内のエチレン濃度を制御でき且つ一定湿度を保持できる二重室構造の低温貯蔵庫及び低温貯蔵方法 - Google Patents

庫内のエチレン濃度を制御でき且つ一定湿度を保持できる二重室構造の低温貯蔵庫及び低温貯蔵方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は農産物の鮮度保持、あるいは花き類の鮮度保
持又は開花調節又は植物苗、球根の長期貯蔵、開花調
節、球根の休眠打破を行う又は食品の鮮度を保持する低
温貯蔵装置と低温貯蔵方法に関するものである。
本発明は、貯蔵庫内に二重室構造があるように内方の
冷蔵室を設け、その内方の冷蔵室の壁面外側で内方冷蔵
室を収容する外方の空室を形成する外方の包囲体の内壁
面と該内方冷蔵室の外壁面との間に形成された前記の外
方の空室又は空間の内部で冷却風を強制的に循環させる
ことにより、内方の冷蔵室及びそれの内部空気を冷却し
且つ内方の冷蔵室内を無風状態に維持してある冷蔵庫で
あって、しかも内方の冷蔵室の側方壁体の構築材として
ゼオライトを含む緑色凝灰岩のエチレン吸着能を活性化
された岩平板を用い、且つその岩平板の表面には、該表
面を覆って接触している低密度ポリエチレン・フィルム
を着脱可能な支持枠に張って着脱可能な方式で設置して
成る、ガス選択透過性の壁体を少なくとも一部に有する
内方の冷蔵室を有する貯蔵庫において、この内方冷蔵室
中に保持されてエチレン濃度と湿度とを制御された空気
雰囲気内で新鮮な農産物、花き類、植物苗、球根又は食
品類を貯蔵することにより、農産物、花き類の鮮度保持
又は開花調節あるいは植物苗、球根の長期貯蔵、開花調
節、球根の休眠打破を行い得ると共に、食品類の鮮度を
長期に亘り保持することのできる低温貯蔵庫、並びにこ
れらの装置を用いて輸送する事に関する。また、本発明
はこの貯蔵庫を用いる低温貯蔵方法に関する。
〔従来技術と解決すべき課題〕
収穫後の農産物、果実及び野菜類のいわゆる青果物及
び花き類、植物苗、球根等は、保存中にエチレンガスを
発生するものであり、また保存中に或る濃度値より高い
エチレンガスを含む空気雰囲気内に置かれると、老化ホ
ルモンとして作用するエチレンの影響で農産物、花き
類、植物苗、球根等の鮮度の低下が促進され、また生
肉、ハム、ケーキ、めん類の如き食品も水分蒸散による
乾燥及びその他の種々の要因で鮮度の低下が促進するこ
とが知られている。
収穫後の農産物、花き類、植物苗、球根又は食品の貯
蔵には、従来種々の方法が用いられているが、いずれも
完全には満足できるものでない。
例えば、農産物、花き類の貯蔵には、収穫直後にダン
ボールに詰め冷風強制循環式の低温貯蔵庫で予冷する方
法が一般的に知られているが、これは農産物、花き類の
体温を下げ、呼吸量を低く抑え、水分蒸散を抑制し、呼
吸の上昇によるストレスから発生する老化ホルモンのエ
チレンの発生を抑制するのが狙いである。しかし、冷風
を強制循環する為、貯蔵中の農産物、花き類に直接に冷
風が当たることによる品質低下を防止するのに、ダンボ
ール箱に入れるか又はフィルム包装等が不可欠である
が、風による乾燥促進の影響で庫内湿度の低下が避けら
れず、且つ貯蔵中の農産物、花き類から発生する老化ホ
ルモンのエチレンガスが貯蔵庫内の空気を飽和する状態
になるから、農産物、花き類の劣化又は老化が促進する
恐れがある。又、植物苗、例えばカーネーション、菊等
の苗は、苗をビニール袋に入れ、中の空気を抜いた状態
で冷蔵庫で貯蔵するか、もしくはダンボール箱に入れ上
から新聞紙等で乾燥を防止する目的で覆いをして密閉に
近い状態で保存する、いわゆる簡易CA貯蔵の方法が取ら
れているが、この場合に、炭酸ガス濃度がある濃度値よ
り以上に達すると苗の黄変障害を起こしてしまう等の欠
点を有している。更に、球根例えばユリ、フリージア等
の球根の貯蔵は、球根と球根の間に湿したおがくず等を
いれて保存する湿潤貯蔵方式がとられているが、適宜に
おがくずに水分を補充しなくてはならず、また注意すべ
きは、8〜12℃と比較的高い貯蔵温度が要るため、球根
の呼吸作用により酸素の消費と炭酸ガスを放出すること
が避けられないので、通気性のない従来慣用の冷蔵庫で
球根を貯蔵するには特に換気に配慮しなければ炭酸ガス
に由る障害により低温貯蔵効果が劣ることがある。又、
カラー等の球根の保蔵は、通気性や適当な温度(5〜8
℃)と湿度とが要求されるため、高冷地域では地表か
ら、1.5〜2mの地中に埋めて越冬させているが、平野地
域においての掘り上げ球根の越冬は地温が高いため困難
が伴なう。他方、庫内で冷風を強制循環させる方式の低
温貯蔵庫で貯蔵する場合には、活性炭等のエチレン吸着
材をエチレン除去剤として貯蔵庫内に入れた状態で貯蔵
する方法が一部、試みられているが、いずれの方法も、
農産物、花き類、等を満足に貯蔵できる貯蔵日数は3〜
7日程度と僅かであり、長期の貯蔵には適するものでは
ない。
本発明は、上記の諸問題を解決するためになされたも
ので、収穫後の新鮮な農産物、花き類の鮮度保持又は開
花調節あるいは植物苗、球根の長期貯蔵並びに切り花の
開花調節、球根の休眠打破又は食品の鮮度の長期保存を
達成できる貯蔵庫として、実用性の高い二重室構造の低
温貯蔵庫を開発、提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
先に、本発明者の一人は、「収穫後の新鮮な農産物を
収納し且つ内部を密閉状態に保ち得る蓋又は扉を備えた
貯蔵容器又は貯蔵室の壁体の全体又は少なくとも一部
は、ゼオライトを含む多孔質の緑色凝灰岩から切出され
て且つゼオライト結晶水の除去のための焙焼処理により
エチレン吸着能を活性化された厚さ5ミリ〜40ミリの岩
平板の一枚又はこの岩平板の複数枚を平面方向に継ぎ合
せた板状材の片面全体に平均膜厚が15〜25ミクロメート
ルの薄い低密度ポリエチレン・フィルムを密着して成る
ガス選択透過性の複合体板材より構成されてあり、しか
も前記の岩平板に密着させた低密度ポリエチレン・フィ
ルム表面が貯蔵容器、又は貯蔵室の内部空間中の空気雰
囲気に面し且つ前記の岩平板の他方の表面が外方の開放
空気に接してある当該貯蔵容器又は貯蔵室内に新鮮な農
産物を収納させ、貯蔵容器又は貯蔵室を閉め、農産物か
ら発生したエチレンガスを前記の貯蔵容器又は貯蔵室内
の空気雰囲気から前記の複合体板材により吸着して除去
することにより極めて低いエチレン濃度に保持されてあ
るが但し貯蔵容器又は貯蔵室内部から外方への水蒸気の
逸出を防止されてある空気雰囲気中において相対湿度が
80〜95%の範囲内で且つ温度が1〜10℃の範囲内で当該
農産物を貯蔵することを特徴とする農産物の鮮度保持方
法」を発明して特許請求した(特開平2−283239号),
平成1年4月21日出願,発明の名称「農産物の鮮度保持
方法」)。
この先の発明をなしたことの技術的背景は下記の通り
である。すなわち、ゼオライトを含む緑色凝灰岩は、3
〜6オングストロームの極めて小さい無数の細孔を有す
る多孔質のアルミニウムの含水珪酸塩質鉱物で大量且つ
比較的安価に入手できる無機材料であり、種々のガス吸
着能を示すことから、前記のゼオライト含有の緑色凝灰
岩の利用を計ることの研究を行った。その結果、ゼオラ
イトを含む緑色凝灰岩に冷却水を噴射しながら、切り粉
を速やかに除去し、岩の粘着度を下げ摩擦による温度上
昇を抑制しつつ、円盤型ダイヤモンドカッターで切断す
ると、断面が縦長300ミリ程度、横長500ミリ程度の岩ブ
ロックから、亀裂を生ぜずに厚さ5ミリ程度までの比較
的薄手から40ミリ程度の厚手の板材に切出すことができ
ることを見出した。この緑色凝灰岩を縦300ミリ、横500
ミリ以下、厚さ5ミリ〜40ミリの範囲内の平板材状〃に
切断し、この平板材の岩中のゼオライト成分に結合する
ゼオライト結合水、すなわちゼオライト結晶水(沸石水
ともいう)を除去するための加熱による脱水処理すなわ
ち焙焼処理を施すと、例えば好ましくは、550゜〜600℃
の範囲内の温度で60分間加熱する焙焼処理を施すと、沸
石水が除去されて前記の板材は種々のガス、特にエチレ
ンに関する吸着、吸収能が活性化されることが知見され
た。
そこで本発明者の一人は、前記の焙焼処理で活性化さ
れたガス吸着、吸収能を有するゼオライト含有緑色凝灰
岩の厚さ5〜40ミリの岩平板(縦300ミリ×横500ミリ)
の6枚を壁体として用いて板材の端面をエポキシ樹脂系
接着剤で接着して六面体の箱状の容器を組立て作製し
た。この箱状の容器内の空気にエチレンガスを所定濃度
で注入し、容器内のエチレンガスが壁体のゼオライト含
有緑色凝灰岩の平板材により吸着、吸収されることによ
り減少し行く経時的なエチレン濃度変化を観察すると、
前記の容器内の空気のエチレンガス濃度の急速減少が認
められた。但し、その岩平板材の厚さが40ミリを越える
とエチレン濃度の減少率は悪くなる。然るに、この容器
内の空気の相対湿度も同時に急速に減少することも認め
られ、これは壁体をなす緑色越灰岩の岩平板が水蒸気に
ついても高い吸着、吸収能を有することに由ることを知
見した。上記のように作製した箱状の容器の天井壁板を
ガラス板と取代えて接着して密閉された容器を作り、こ
の容器についてもエチレンガス濃度を注入した後に容器
内の空気のエチレン濃度の経時的減少を観察し、また容
器内の空気の相対湿度の経時的減少も観察したけれど
も、その減少の推移は六面体の壁体の全部がゼオライト
含有緑色凝灰岩の板材から構成された前述の容器の場合
と同様であることが認められた。庫内に冷風を吹出して
循環させる方式の市販冷蔵庫内に収納されて低温に維持
された上記の2種の容器の中に夫々に新鮮な葉菜類(例
えばほうれん草)を入れて観察したところ、葉菜類は黄
変しないものの急速なしおれ現象を起すことが観察さ
れ、葉菜が鮮度を保持していると言える状態から遠いこ
とが認められた。このことの原因を調べた結果、葉菜の
しおれ現象は容器内の空気の相対湿度が急速に減少する
ことに起因することを認めた。
従って、本発明者の一人が先の実験の結果として知見
したところによれば、焙焼処理でガス吸着、吸収能を活
性化されたゼオライト含有緑色凝灰岩の岩平板を単に、
壁体として用いて構成された箱状の容器は、これに葉菜
類の如き農産物を収納した場合には、低温に維持された
時でも、農産物から発生されたエチレンガスを容器内の
空気雰囲気から吸着、吸収により除去する性能を示すけ
れども、水蒸気も除去して終うので容器内の空気雰囲気
の相対湿度を急速に減少する結果を招き、この点で低温
でも農産物の長期鮮度保持のための貯蔵容器として余り
有効に機能しないとを見出して、そのような容器内の空
気の相対湿度の急速な減少を防止する手段を工夫しなけ
ればならない技術的課題が残ることを知見した。
しかも、農産物の長期鮮度保持のためには、農産物を
1〜10℃の範囲の低温度で80〜95%の範囲の相対湿度を
示す空気雰囲気内に貯蔵することが必要であると認めら
れた。更に、収穫後の農産物の植物体は常時、酸素呼吸
を継続しているが、鮮度保持のためには酸素呼吸を抑制
することが望ましく、このためには、貯蔵中の農産物を
包囲する空気雰囲気の炭酸ガス濃度が高く且つ酸素濃度
が低いことが望ましいけれども、農産物が無酸素呼吸に
陥ちて腐敗につながるほどに低酸素濃度になってはなら
ないことも認められた。これらの諸々の要件を満たし得
る空気雰囲気を農産物の鮮度保持貯蔵のために簡便に提
供することのできる貯蔵容器の作製には、その貯蔵容器
を構築するための構成用の壁体として、ゼオライトを含
む多孔質の緑色凝灰岩から切出されて焙焼処理によりエ
チレン吸着能を活性化された厚さ5ミリ〜40ミリの岩平
板の片面全体に平均膜厚15〜25ミクロメートルの薄い低
密度ポリエチレン・フィルムを密着して成る複合体板材
が適すること及び種々のガスの選択透過性を示すことを
見出した。このような密着した低密度ポリエチレン・フ
ィルムを有する上記の複合体板材は、それの片側の低密
度ポリエチレン・フィルム層に接して存在するエチレン
含有空気から、エチレンを該ポリエチレン・フィルム層
を透過させながら凝灰岩板層中に吸着して該空気からエ
チレンを除去する能力を有すること及び適度に低い透湿
性、換言すれば高い保湿性を有することが認められ、ま
た凝灰岩岩板層に一旦吸着されたエチレン分は漸時、拡
散により、ポリエチレン・フィルム層の反対側にある凝
灰岩板層に直接に接する開放空気中に放出できることが
認められた。
結局、前記の先の発明において、本発明者の一人が知
見したところによれば、焙焼処理によりエチレン吸着能
を活性化された厚さ5〜40ミリのゼオライトを含む緑色
凝灰岩の板材の表面に15〜25ミクロメートルの薄い低密
度ポリエチレン・フィルムを密着した複合体板材から貯
蔵容器又は貯蔵室を構築することにより、この貯蔵容器
又は貯蔵室に収納された農産物から発生して貯蔵室内の
空気に入ったエチレンガスはポリエチレン・フィルム層
に透入し、ポリエチレン・フィルムを透過したエチレン
ガスが前記岩板層のガス吸着能により速やかに吸収され
遂次に岩板層を透過し、一方ポリエチレン・フィルム層
により、室内の湿度が急速な低下をなしに保持され、適
度な酸素、炭酸ガス及び窒素ガスの選択透過が促進され
ること、そしてこの事が緑色凝灰岩の岩板だけで作った
貯蔵庫及び低密度ポリエチレン・フィルムだけで作った
貯蔵庫と比べて、著しく優れていることが知見されたの
である。
更に、上記の複合体板材で作った貯蔵室を農産物の鮮
度保持に利用する研究を続け、農産物の鮮度保持に良い
温度条件及び湿度条件を調査した結果、上記の貯蔵室内
で1〜10℃の範囲の温度、及び80〜95%の相対湿度に保
持された空気雰囲気中に保存すると、軟弱野菜のホウレ
ン草でも20日以上、スダチなら60日以上、又、花き類、
例えば切り花のカーネーションでも50日以上の長期間に
亘り、収穫直後の状態と実質的に同じ外観及び鮮度を保
持できる事を見い出した。他に、キュウリ、ナス、トマ
ト、ブロッコリー、カボス、モモ、青ウメ、イチゴ、メ
ロン、生シイタケ、レタス、キャベツ、ニンジン等を実
験したが、いずれも素晴らしい結果を見た。これらの知
見に基づき、先の本発明は完成されたのである。
更に、前記の特開平2−283239号に係る先の発明によ
る貯蔵方法に用いられた貯蔵容器又は貯蔵室の実用性を
高めるため且つ用途範囲を拡大するために、本発明者ら
は、更に改良を加える研究を今回行った。その結果、貯
蔵すべき物品の種類に応じて、また貯蔵目的の差異に応
じて、貯蔵室内の空気雰囲気からのエチレンの除去速度
の増加及び(又は)貯蔵室内の空気雰囲気に維持できる
湿度の高低の制御を行い得ることが実用上で重要である
と認められた。そして、それらを行い得るためには、貯
蔵室の壁体を構築する緑色凝灰岩の岩平板とこれに密着
された低密度ポリエチレン・フィルムとからなる複合体
板材におけるポリエチレン・フィルムの膜厚を、15〜25
ミクロメートルの範囲内で、貯蔵すべき物品の種類に応
じて且つ(又は)貯蔵目的の差異に応じて各場合、場合
について適宜に変えて加減できるのが良いとの知見を得
た。
然しながら、上記の先の発明で貯蔵室の壁体の構築材
として用いられる前記の複合体板材における岩平板層と
ポリエチレン・フィルム層との間の密着は、両層の間に
両面接着性テープを格子模様又は斑点模様に配置して接
着を行わせるか、若しくは液状の接着剤での接着によっ
て行われているので、ポリエチレン・フィルム層は岩平
板と一体をなしている。従って、各場合、場合に応じて
ポリエチレン・フィルム層の膜厚を適宜に加減するに
は、岩平板と一緒に全体を取代えざるを得ず、不便であ
る。本発明者らは研究の結果、緑色凝灰岩の岩平板に対
して両面接着性テープ又は接着剤で接着することにより
低密度ポリエチレン・フィルムを密着させなくとも、低
密度ポリエチレン・フィルムを、別個の四角な支持枠に
張って支持してこのように支持枠に支持されたフィルム
を支持枠と共に、前記の岩平板に単に接触した位置で岩
平板の表面全体を覆う状態で設置し且つ岩平板よりなる
貯蔵室壁体に着脱可能式に取付ける時には、エチレンガ
ス等の選択吸着、透過性及び湿分透過防止性の点で先の
発明に用いられた前記の複合体板材と実質的に同じであ
る性能が得られることを見出した。しかも、前記ポリエ
チレン・フィルムの膜厚を変えたい時には、支持枠と共
に取外して、別の異なる膜厚をもつポリエチレン・フィ
ルムを張って支持した別の支持枠と交換して配置するこ
とによって、使用ポリエチレン・フィルムの膜厚を貯蔵
目的に応じて加減することが可能になるのである。
更に、貯蔵物品を収容する貯蔵室内の空気雰囲気を迅
速に且つ効率良く所望の低温度まで冷却し且つ所望の低
温度を長期間効率よく維持するためには、該貯蔵室の壁
体の一部分又は複数の部分を伝熱性の良い材料から作
り、そして該貯蔵室の全体を包囲して収容する外方の包
囲体で囲み、しかも該貯蔵室とこれを包囲する該包囲体
との間に、貯蔵室を囲む閉じた空間を残して置き、この
空間中で冷たい冷却用空気を強制的に循環させて内方の
貯蔵室の壁体全部を、従って貯蔵室の全体を貯蔵室の外
側から該冷却用空気で冷却する方式を採ることが良いこ
とを知見した。この冷却方式を採ると、貯蔵物品を収容
する貯蔵室内は無風状態に維持されるので、貯蔵中の物
品に空気の流れが当って物品の乾燥を早められる恐れも
解消できる。以上の本発明者らの諸知見に基づいて、本
発明は完成された。
従って、第1の本発明によると、低温貯蔵すべき物品
を収納することができ且つ室の内部を密閉状態及び無風
状態に保ち得る開閉戸口を備えて且つ伝熱性の良い材料
からなる壁面部分を有する内方の冷蔵室と、この内方の
冷蔵室の有する前記の開閉戸口を共有するか若しくは別
個の開閉戸口を備えるが但し内方の冷蔵室との間に空間
を残して内方の冷蔵室の全体を包囲して収容する保冷断
熱性の材料からなる外方の包囲体と、この外方の包囲体
の内部に取付けられてしかも内方の冷蔵室と外方の包囲
体との間の前記の空間内に配置されて且つ内方の冷蔵室
の全体を該冷蔵室の外側から冷却するための冷却空気を
前記の空間内で循環させる冷気循環装置とを有する2重
室構造の低温冷蔵庫であって、低温貯蔵すべき物品を収
納する内方の冷蔵室を構成する側方の壁体面及び(又
は)天井面及び(又は)床面の少なくとも一部分は伝熱
性の良い材料から作られたものであり、しかも前記の内
方冷蔵室を構成する四側方の四面の壁体のうちの少なく
とも一面の壁体,好ましくは二面又はそれ以上の壁体
は、その又はそれらの壁体の全体又は少なくとも一部分
が、ゼオライトを含む多孔質の緑色凝灰岩から切り出さ
れて且つゼオライト結晶水の除去のための焙焼処理によ
りエチレン吸着能を活性化された厚さ10ミリ〜20ミリの
岩平板の一枚又はこの岩平板の複数枚を平面方向に継ぎ
合わせた板状材からなる平らなパネル状の組立体から作
られたものであり、そして内方の冷蔵室の壁体又はそれ
の部分を作る前記の岩平板からなる平らなパネル状組立
体の表面のうち、前記の内方冷蔵室の内部の無風状態の
空気雰囲気に面する方のパネル状組立体の岩平板表面の
上には、自己支持性の支持枠に張られて支持された平均
膜厚15〜25ミクロメートルの薄い低密度ポリエチレン・
フィルムがパネル状組立体の岩平板表面に接触して岩平
板表面の全体を覆う状態で設置され、さらに該ポリエチ
レン・フィルムを支持する前記の支持枠が内方冷蔵室に
対して着脱可能な固定具により着脱可能に取付けられて
あることを特徴とする、農産物、花き類、植物苗、球根
又は食品を貯蔵するための二重室構造の低温貯蔵庫が提
供される。
本発明で利用できる緑色凝灰岩(グリーン・タフ)の
分布地域は北海道から本州、四国、九州とほぼ全国に及
ぶが、主として東日本に多く、主な産地を上げれば下記
の通りである。(1)北海道・長万部地区、(2)秋田
県、二ッ井地区、八沢木地区、横手地区、板戸地区、
(3)岩手県・雫石地区、(4)宮城県・白石地区、
(5)山形県・板谷地区、(6)福島県・飯坂近郊東野
地区、天栄地区、西会津地区、(7)栃木県・大谷地
区、(8)群馬県・月夜野地区、新治地区、(9)愛知
県・知床半島西南部地区、(10)島根県・石見太田地
区、馬路地区、(11)鹿児島県・郡山地区。この種の緑
色凝灰岩は天然ゼオライトを基本成分とする。
本発明の貯蔵庫においては、用いる緑色凝灰岩の岩平
板の厚さの上限値が20ミリメートル(mm)と限定された
のは、先の発明で該上限値が40mmと設定されたのに比べ
て、主として、貯蔵庫の軽量化を計り且つ岩平板に一旦
吸着されたエチレンが岩平板内を透過して外方の循環す
る冷却空気中に放出される過程を早めるためである。上
限20mmの厚さの岩平板の代りに、使用される岩平板の厚
さを30mmに上げても、本発明の貯蔵庫で奏する貯蔵効果
等は実質的に変らない。
本発明の二重室構造の低温貯蔵庫を更に説明すると、
ゼオライトを含む多孔質の緑色凝灰岩から切り出されて
且つ焙焼処理によりエチレン吸着能を活性化された厚さ
10ミリ〜20ミリの岩平板の一枚又はこの岩平板の複数枚
を平面方向に継ぎ合わせた板状材からなるパネル状組立
体の表面に接触して支持枠で支持されて設置された平均
膜厚15〜25ミクロメートルの薄い低密度ポリエチレン・
フィルムは、それの内向き表面が内方の冷蔵室の内部空
間中の空気雰囲気に面する。前記の岩平板の外向き表面
は内方冷蔵室と外方の包囲体との間の空間中の間を循環
する冷却空気に接しており、内方の冷蔵室に貯蔵中の農
産物、花き類、植物苗、球根又は食品から発生した老化
ホルモンのエチレンガスを該冷蔵室内の空気雰囲気から
前記のポリエチレン・フィルムと岩平板との協力作用に
よるエチレンの吸着、吸収、透過により、冷蔵室の外側
の空間を流れる冷却空気中に除去し、その冷却空気中に
除去されたエチレンガスは、冷却空気の一部と共に排気
管より外方の包囲体外へ適時に排出される事により内方
の冷蔵室中の空気雰囲気が極めて低いエチレン濃度に保
持できる。他方、内方冷蔵室内部の空気の湿度は、設置
された低密度ポリエチレン・フィルムが高いガス透過性
をもつ反面、透湿度が比較的低い特性をもつことに基づ
いて内方冷蔵室内部から外方への水蒸気の逸出を防止す
ることで保持できるから、冷蔵室中の空気雰囲気中の相
対湿度を80〜95%の範囲内で保持できる。
本発明の貯蔵庫において、外方の包囲体で包囲された
内方の冷蔵室は、これを構成する壁体(底面壁、四側方
の立壁体及び天井面壁)のうちの少なくとも一つ又はそ
れの一部分が伝熱性の良い材料、例えばアルミニウム、
アルミニウム合金(例えばジュラルミン合金)又は銅又
は鉄、若しくはステンレススチールの薄板から全体的に
又は部分的に作られたものである。一つの壁体のうちの
大部分を伝熱性の良い材料で作り且つ他の残部を伝熱性
が低いが機械的強度が良い材料で作ることもできる。内
方冷蔵室の天井面壁と側壁のうちの一面又は二面とは、
伝熱性の良い材料、例えばアルミニウム薄板で作り、し
かも内方冷蔵室の側壁の1つと底面壁はステンレススチ
ール板で作るのが好ましく、適当な補強材又は支持材を
組み合わせ得る。内方冷蔵室を構成する伝熱性の良い材
料から作られる壁面を通して該冷蔵室内部の空気から外
部を流れる冷却空気への熱伝導が良く起るから、内方冷
蔵室内部の空気は効率よく冷却されて低温度を維持でき
る。
本発明の貯蔵庫において、内方冷蔵室を構成する壁体
のうち、伝熱性の良い材料からなる壁体で作られたもの
以外の側方壁体は、ゼオライトを含む多孔質の緑色凝灰
岩から切り出されて焙焼処理された岩平板の一枚又は岩
平板の複数枚を平面方向に継ぎ合せた板状材からなる平
らなパネル状の組立体から作られる。当該岩平板の複数
枚を平面方向に継ぎ合わせて板状材にするのには、継ぎ
目になる複数の岩平板の各々の端側面の間を接着剤、例
えばシリコン系接着剤で直接に接着するか、またはその
間に合成樹脂薄片又は鉄の如き金属薄片を間挿材として
介在させてから接着材で接着させることもできる。例え
ば、長方形に切り出された岩平板の複数枚、例えば5〜
6枚をそれらの長手方向の側端面を互いに突き合せて平
らに並列させ、相接するそれらの長手の側端面同志を接
着剤で継ぎ合わせることによって板状材を形成できる。
このように形成された板状材において、板状材をなす各
岩平板要素の短い方の端側面(接着剤で接着されない方
の端側面)の行列からなる板状材の縦の側端縁の両方に
は、夫々に、断面コの字の樋状の補強枠を縦の位置で嵌
合させて固着するとができ、またそのように嵌合して取
付けた縦の樋状の補強枠の頂部には、岩平板の継ぎ合わ
せ板状材の頂側端面に沿って横に設けた長方形の金属
板、例えばステンレススチール板、あるいは強靭な合成
樹脂板を接合することができ、この横板は、内方冷蔵室
の天井面をなす壁体へ又はその他の場所へ岩平板の継ぎ
合わせ板状体を固定させるための保持部を提供する。
上記のように作製されて樋状の補強枠を側端縁にもつ
又はもたない岩平板の継ぎ合わせ板状材は、これの2枚
又はそれ以上の複数枚を直立の位置で端面の処で突き合
わせて平らに並設し、板状材の各々の突き合せ端面の間
の隙間をシーリング剤又は両面接着性テープで充填して
密着させることによって、当該板状材の複数から組立て
てなるパネル状組立体を作製できる。このパネル状組立
体を以って内方冷蔵室の側壁を構成できる。このパネル
状組立体をなす岩平板の継ぎ合わせ板状材の各々の間に
は、支柱を挿設して支柱に板状材の縦側端面を接合する
こともできる。
本発明の貯蔵庫における内方冷蔵室は、それの側壁の
全部又は一部分の構成材料として、上記のように作製さ
れた岩平板の継ぎ合わせ板状材を含むパネル状組立体を
用い且つその他の側壁残部並びに天井面壁体及び底面壁
の構成材料として伝熱性の良い材料を用いて、慣用の建
築法で隙間のない一つの部屋として構築される。
当然、この内方冷蔵室は、貯蔵すべき物品の搬出入用
に開閉できる開閉戸口を備えるが、この内口は閉鎖時に
は内方冷蔵室内部を密閉できる構造のものである。内方
冷蔵室の開閉戸口は、この内方冷蔵室を包囲して収容す
る外方の包囲体の開閉戸口と共通であるものとするのが
便利であるが、この場合には、内方冷蔵室の開閉戸口と
外方の包囲体の開閉戸口との連絡通路は、内方冷蔵室の
一側壁からフランジ状に突出する延長部により包囲され
た構造をとるように構築するのがよい。これによって、
その連絡通路部は、前記のフランジ状突出延長部により
内方冷蔵室とこれを包囲する外方の包囲体との間に残さ
れている空間、すなわち外方の空室から遮断されるよう
になり、そして前記の空間内を循環する冷却空気の流れ
が内方の冷蔵室の戸口から該冷蔵室内部へ侵入するのを
防ぐ。
しかしながら、外方の包囲体の内部には、冷却空気の
流れの自由な循環を許す範囲で内方冷蔵室を複数個設け
ることも可能であり、この場合には、内方冷蔵室の開閉
戸口は、外方の包囲体の開閉戸口とは別個に独立してい
る構造をとることができる。
本発明の貯蔵庫においては、前記のように設けた内方
冷蔵室の立壁体を構成している岩平板の継ぎ合わせ板状
材からなるパネル状組立体に接して、該冷蔵室内部にお
いて、膜厚10〜20mmの低密度ポリエチレン・フィルムを
張った四角形の支持枠が直立して着脱可能な固定具によ
り脱着可能に設置され、しかも支持枠で張られて支持さ
れたポリエチレン・フィルムは、パネル状組立体をなす
各岩平板の表面に接触して該表面の全体を覆うように配
置される。岩平板の表面の総面積の大きさに応じて、ポ
リエチレン・フィルムを張って支持する支持枠は岩平板
の全表面を覆うように、複数個が設置され得る。また、
前記のポリエチレン・フィルムを支持する支持枠は、縦
桟又は横桟又は縦横の桟をもつ格子型であることができ
る。
内方冷蔵室の四側方の壁体のうち、少なくとも二側方
の壁体の夫々全体が前記の岩平板よりなるパネル状組立
体から構成されるのが好ましい。
また、使用される緑色凝灰岩の岩平板の厚さは10ミリ
〜20ミリの範囲であり、低密度ポリエチレン・フィルム
の平均膜厚が15〜25ミクロメートルの範囲であるのが好
ましい。
更に、内方冷蔵室の壁体の内向き表面の総面積のうち
で、緑色凝灰岩の切出し岩平板よりなるパネル状組立体
の岩平板の表面であって低密度ポリエチレン・フィルム
と接触させられている岩平板の内向き表面が占める合計
面積は、これが接する内方冷蔵室の内部空間の空気雰囲
気中のエチレン濃度を農産物、花き類、植物苗、球根又
は食品の収納時より一日半後には0.1ppm以下に維持する
ようにエチレンを吸着し除去するに足りる面積であり、
内方冷蔵室のその他の壁体部はガス不透過性又は難透過
性の材料から構成されてあることができる。
また、内方冷蔵室の四側方の壁体のうち、少なくとも
二方の壁体の夫々全体が、また所望ならば天井壁体も、
前記の岩平板の継ぎ合わせ板状材からなるパネル状組立
体から構成されることも可能である。
本発明に係る低温貯蔵庫においては、前記の内方冷蔵
室の全体は、この内方冷蔵室の外側に空間即ち外方空室
を残して該冷蔵室を包囲して収容する保冷断熱性の材料
からなる外方の包囲体で包囲される。この包囲体を構成
する壁体は、保冷断熱性でガス不透過性の材料から構成
され、その材料しては、発泡ポリスチン又は発泡ウレタ
ンの如き断熱材の層を所望に応じて積層された合成樹脂
板、コンクリート板、鉄板、鉄合金板、鋼板、アルミ
板、木製板又は樹脂被覆鋼板又は樹脂含浸織布であるこ
とができる。この外方の包囲体は適当な補強材を具える
ことができ、慣用の建造技術で構築できる。この外方の
包囲体は、内方冷蔵室に対して外方容器として働くもの
であり、この外方包囲体と内方冷蔵室との間に残された
空間、すなわち外方空室内には、冷却空気が循環する
が、この冷却空気の循環を可能にしながら、内方冷蔵室
内への貯蔵物品の搬出入を行い得る開閉戸口を備えた構
造を有する。この外方の包囲体には、内方冷蔵室と、こ
れを包囲する外方の包囲体との間の空間から空気を冷蔵
庫の外部へ排出するための開閉弁つき排気管と、本貯蔵
庫の外周の大気から空気を取入れるための開閉弁つき空
気吸入管とを取付けることができる。
内方冷蔵室とこれを包囲する外方の包囲体との間の空
室を流れる冷却空気を冷却して循環させるために、低温
の冷媒が流通する冷却コイル管と冷気循環用ファンとを
含む冷気循環装置が内方冷蔵室とこれを包囲する外方包
囲体との間の外方空室中の適当な位置に配置される。前
記の冷却コイル管は、その中の冷媒を再冷却、再循環す
るために前記の外方包囲体の外側に設置される冷凍機に
連結されるのが好ましい。更に、内方冷蔵室内にも、そ
れの外側の前記の外方空室内にも、それらの底部には、
溜った凝縮水を適時に排出するドレイン管を設けること
ができる。
本発明においては、内方冷蔵室をなす岩平板の継ぎ合
わせ板状材に接する低密度ポリエチレン・フィルム層は
冷蔵室の内部の空気に直接に接する向きで配置されるこ
とが必要である。逆に配置すると、凝灰岩層が直接に接
する冷蔵室内空気から湿気を急速に除去するので、内部
の空気の湿度を好適範囲に維持できず、また凝灰岩層で
吸着されたエチレンが外方のポリエチレン層で抑制され
るから外側の空間中の冷却空気に拡散することが妨害さ
れる。
本発明において、内方冷蔵室の壁体をなす岩平板の表
面に接触して低密度ポリエチレン・フィルムを支持枠で
張って支持しているので、該フィルムは使用用途により
着脱可能な支持方式で設置されていることになり、フィ
ルム交換が所謂カセット式で行い得るので便利である。
また岩平板の複数枚を平面方向に継ぎ合わせるには、継
ぎ目になる複数の板の端側面の間をシリコン接着剤で接
着するのが気密性の面で最も優れる。
以下、本発明の低温貯蔵庫を、添付図面を参照して実
施例について説明する。
第1図には、本発明の二重室構造の低温貯蔵庫の一実
施例がそれの垂直断面図として概略的に且つ図解的に示
してある。
第1図で1は貯蔵すべき物品を収納する内方の冷蔵室
であり、この冷蔵室の互いに向き合う側方の二つの立壁
体の各々は、焙焼処理によりエチレン吸着能を活性化さ
れた緑色凝灰岩の切り出し岩平板2′を接着剤で継ぎ合
せてなる板状体を平らに組立ててなるパネル状組立体2
から構成される。冷蔵室1の底面壁4はステンレススチ
ール板であり、天井面壁3はアルミニウム板である。底
面壁4は、支持用梁材(図示されない)により適当に支
持され且つ台座6の上にのせられる。冷蔵室1の側壁で
あって、前記岩平板2′を含むパネル状組立体で構成さ
れる壁体2以外の、冷蔵室1の互いに向き合う側方の二
つの立壁体(図示されていない)は、ステンレス鋼板で
作られ、そのうちの一つには、貯蔵物品の搬出入用の戸
口(図示されない)が当然設けられてあり、この戸口
は、戸口を囲みながら冷蔵室1から突出するフランジ状
の延長部を介して、冷蔵室1の外方に配置された外方の
包囲体7に設けられた開閉戸口(図示されない)に連結
される。外方の包囲体7は、発泡ポリウレタン断熱材層
を積層されたステンレススチール板又はアルミ板又は鋼
板又は塩化ビニル樹脂被覆の鋼板から作られた箱体であ
る。
冷蔵室1と包囲体7との間には、空間又は空室8が残
されてあり、この中に空気が存在する。この空気は、低
温の冷媒が流通する冷却コイル管9とモーター11で駆動
される空気循環用ファン10とを含む温度制御可能な冷気
循環装置12により冷却されて冷却空気となり、空間8内
を矢印の方向に流れ循環して、冷蔵室1の全体を外側か
ら冷却する。冷却用コイル9は、冷媒を再冷却して再循
環させる外方の冷凍機13に連結される。
包囲体7の適当な個所には、開閉弁つきの空気吸入管
14が挿着され、所望に応じて弁の開閉により空間8中へ
包囲体7の外側から空気を適時に取入れる。また、包囲
体7には、開閉弁つきの排気管15が挿着され、所望に応
じて弁の開閉により空間8からエチレン含有の空気を包
囲体7の外側の大気中へ適時に排気する。
内方冷蔵室1の内部には、岩平板2′を継ぎ合せた板
状材からなるパネル状組立体2に面して且つ岩平板2′
の内向き表面に接触している状態で低密度ポリエチレン
・フィルム5が長方形の格子型の支持枠5Aに張られて支
持された形で配置される。但し、第1図では、図解上か
ら支持枠5Aに支持されたフィルム5はパネル状組立体2
から離れた位置に図示されてあるが実際は両者は接触し
ている。このフィルム5が、それが岩平板と接触する面
と反対側にあるフィルム面で、冷蔵室1の内部の空気雰
囲気に接しており、この空気雰囲気中に貯蔵物品から放
出されたエチレンガス等は、ポリエチレン・フィルム5
の膜層を透過して岩平板2′内に吸着される。他方、室
内の空気雰囲気中の水蒸気はフィルム5の保湿性により
フィルム5を実質上殆んど透過できないから、室内の空
気雰囲気の相対湿度を80〜95%の範囲の値に維持でき
る。
第2図は、第1図に示された本発明の貯蔵庫の実施例
の水平断面が図解的に概略示されてあり、第2図に示さ
れた鎖線A−A′に沿って垂直に切った断面が第1図に
示された断面図に相当する。
第2図にも示されるように、岩平板2′よりなる板状
材を組立ててなるパネル状組立体2に接して、格子型の
支持枠5Aに張られて支持されるポリエチレン・フィルム
5が岩平板表面の全体を覆う状態で配置される。また、
第2図で16はステンレススチール板から作られた冷蔵室
側壁を示し、17をステンレススチール板から作られた別
の冷蔵室側壁である。この側壁17には戸口が設けられて
あり、この戸口から連絡通路18が延びる。冷蔵室1は外
方の包囲体7に対して連絡通路18によって、包囲体7に
設けた戸口の処で連結されてあり、この通路18は、側壁
17からフランジ状に突出する延長部19により包囲され
て、空間8から遮断される。包囲体7の戸口は、開閉式
の扉20を備える。
第3図は、第1図及び第2図に示された内方冷蔵室1
の一側壁を構成している岩平板2′の板状材よりなるパ
ネル状組立体2の拡大された側面図解図であり、空間8
の側から視た時のものである。従って、フィルム5は現
われない。第3図において、岩平板2′の6枚が平らに
並べて接着剤で継ぎ合されてなる板状材は、それの各々
の縦の側縁の所で断面コの字の樋状の補強枠21を嵌合さ
れ補強されてある様子を示す。このような板状材の3組
が補強枠21の端面22で相互に接する状態で平らに組立て
られて、全体としてパネル状組立体2を構成する。端面
22には、両面接着性テープが間挿されて、隙間を詰めら
れている。
第4図は、内方冷蔵室1の一側壁をなす岩板材2′の
板状材よりなるパネル状組立体2の内向きの岩板材表面
(内方冷蔵室1の内部空間の空気に面する側面)に接触
して岩平板表面を覆う状態で設置されたポリエチレン・
フィルム5を支持するための縦横の桟をもつ格子の形の
長方形な支持枠5Aが2組並設される状態を示す斜視図で
ある。この支持枠5Aは、岩平板2′を含むパネル状組立
体2に向き合う方の支持枠表面には、低密度ポリエチレ
ン・フィルム(第1図及び第2図では5で示すが、第4
図には図示されない)が張られた状態で支持枠5Aにより
支持されてある。なお、第4図では、支持枠5Aの2組が
多少離れて図示されてあるが、実際には、互いに相接し
て設置される。また、設置される支持枠の数は、それに
支持されたポリエチレン・フィルムが冷蔵室の側壁をな
す岩平板の表面の全体を覆うように増設される。
更に、本発明者らは、上記の第1の本発明に係る二重
室構造の低温貯蔵庫を使用し、これを、新鮮な農産物、
花き類の鮮度保持に、また植物苗、球根の長期貯蔵と開
花調節に、更に球根の休眠打破、及び食品の鮮度保持に
利用する研究を続けた。そして、農産物、花き類、植物
苗、球根又は食品の保存に良い温度条件及び湿度条件並
びに冷却空気の流量を調査した。その結果、前記の貯蔵
庫の内方冷蔵室内でマイナス3℃〜プラス12℃の範囲の
温度、及び80〜95%の相対湿度で無風状態に保持された
空気雰囲気中に貯蔵品を保存すると、農産物のスダチ、
カボスは80日以上、軟弱野菜のシュンギク、ホウレン
草、ミツバは20日以上、新鮮に保存できること、また花
き類、例えば切り花の中で最も貯蔵が困難とされる花菖
蒲も、開花直前のつぼみ状態で保存する時に、20日以上
の長期に亘り、つぼみ状態のまま保存が可能であること
且つ貯蔵庫から出庫後の開花状態も全く問題ないことが
見出された。又つぼみ状態のカーネーションは60日以上
の長期間に亘り、収穫直後の状態と同じ鮮度が保持で
き、植物苗の菊の挿し芽用苗は60日以上、球根のユリは
長期に亘り貯蔵が可能であって、開花調節、休眠打破に
活用できることも見出された。さらに食品の生肉、めん
類は一週間位はそのままの状態が保持できることも見い
出した。他にも、農産物のトマト、ブロッコリー、イチ
ゴ、モモ、メロン、カキ、ナシ、生シイタケ、そして花
き類のバラ、ユリ、リンドウ、アイリス、グラジオラ
ス、植物苗のカーネーション、球根のフリージア、カラ
ー、そして食品のハム、ケーキ、ワイン等の保存を実験
したが、いずれも素晴らしい保存の成果を見た。これら
の知見に基づいて第2の本発明は完成された。
従って、第2の本発明によると、低温貯蔵すべき物品
を収納することができ且つ室の内部を密閉状態及び無風
状態に保ち得る開閉戸口を備えて且つ伝熱性の良い材料
からなる壁面部分を有する内方の冷蔵室と、この内方の
冷蔵室の有する前記の開閉戸口を共有するか若しくは別
個の開閉戸口を備えるが但し内方の冷蔵室との間に空間
を残して内方の冷蔵室の全体を包囲して収容する保冷断
熱性の材料からなる外方の包囲体と、この外方の包囲体
の内部に取付けられてしかも内方の冷蔵室と外方の包囲
体との間の空間内に配置されて且つ内方の冷蔵室の全体
を該冷蔵室の外側から冷却するための冷却空気を前記の
空間内で循環させる冷気循環装置とを有する2重室構造
の低温冷蔵庫であって、低温貯蔵すべき物品を収納する
内方の冷蔵室を構成する側方の壁体面及び(又は)天井
面及び(又は)床面の少なくとも一部分は伝熱性の良い
材料から作られたものであり、しかも前記の内方冷蔵室
を構成する四側方の四面の壁体のうちの少なくとも一面
の壁体,好ましくは二面又はそれ以上の壁体は、その又
はそれらの壁体の全体又は少なくとも一部分がゼオライ
トを含む多孔質の緑色凝灰岩から切り出されて且つゼオ
ライト結晶水の除去のための焙焼処理によりエチレン吸
着能を活性化された厚さ10ミリ〜20ミリの岩平板の一枚
又はこの岩平板の複数枚を平面方向に継ぎ合わせた板状
材からなる平らなパネル状の組立体から作られたもので
あり、そして内方の冷蔵室の壁体又はそれの部分を作る
前記の岩平板からなる平らなパネル状組立体の表面のう
ち、前記の内方冷蔵室の内部の無風状態の空気雰囲気に
面する方のパネル状組立体の岩平板表面の上には、自己
支持性の支持枠に張られて支持された平均膜厚15〜25ミ
クロメートルの薄い低密度ポリエチレン・フィルムがパ
ネル状組立体の岩平板表面に接触して岩平板表面の全体
を覆う状態で設置され、さらに該ポリエチレン・フィル
ムを支持する前記の支持枠が内方冷蔵室に対して着脱可
能な固定具により着脱可能に取付けられてなる二重室構
造の低温貯蔵庫を使用し、この低温貯蔵庫の内方冷蔵室
内に収穫後の新鮮な農産物、花き類、植物苗、球根又は
新鮮な食品を収納させ、内方の冷蔵室を閉め、収納され
た農産物、花き類、植物苗、球根又は食品から発生した
エチレンガス及び炭酸ガスを前記内方の冷蔵室内の無風
状態の空気雰囲気から前記ポリエチレン・フィルムを通
して前記の岩平板により吸着することにより除去し、岩
平板に吸着されたガスが内方冷蔵室と外方の包囲体との
間の空間内を循環する冷却空気中に放出されるようにさ
せ、その循環する冷却空気中に放出されたエチレンガス
を含む空気は、外方の包囲体に取付けた排気管より適時
に庫外へ排出されるようにさせ、このことにより、前記
の内方冷蔵室内における極めて低いエチレン濃度に保持
されてあるが但し内方冷蔵室の内部から外方への水蒸気
の逸出を殆んど又は全く防止されてある空気雰囲気中に
て無風状態で該空気雰囲気の相対湿度が80〜95%の範囲
内で且つ温度がマイナス3℃からプラス12℃の範囲内で
当該農産物、花き類、植物苗、球根又は食品を貯蔵する
ことを特徴とする低温貯蔵方法が提供される。
本発明の方法においては、用いた低温貯蔵庫の内方冷
蔵室内の空気雰囲気に対して、農産物、花き類、植物
苗、球根又は食品の付着水分の蒸散により又は水の噴霧
により80〜95%の相対湿度を当初に与えれば、内方冷蔵
室自体が保湿作用を有するから、次後に湿分を補給する
手段を採らなくても、80〜95%の相対湿度を維持でき
る。通常は、農産物、花き類、植物苗、球根又は食品か
らの水分蒸散によるだけで湿度は95%又はそれ以上にす
ぐに上がることが認められる。
但し、貯蔵容器又は貯蔵室への次後の湿分の補給を行
っても差し支えない。
更に、内方冷蔵室内の空気雰囲気の湿度が貯蔵品にと
って過剰である時は、室内に適当な除湿又は吸湿手段を
設けることができる。
次に、第1の本発明の二重室構造の低温貯蔵庫と通常
の市販される強制通風式の冷蔵庫及び恒温高湿冷蔵庫と
の比較をするために、夫々の内部で測定したガス透過度
と湿度の数値を表−1に示す。
但し、試験した本発明の貯蔵庫の内方冷蔵室の側壁を
なすパネル状組立体の要素の岩平板層の厚さは10ミリ、
また使用した低密度ポリエチレン・フィルム層の厚さは
15ミクロメートルのものである。
上記表−1の数値により、本発明の二重室構造の低温
貯蔵庫は、通常の強制通風式の冷蔵庫に比較して、ガス
透過性能並びに保湿性が著しく優れており、さらに恒温
高湿冷蔵庫との比較でも、ガス透過性能が格段優れてい
るのが認められる。これは、本発明において用いる岩平
板材により内方冷蔵室内部の空気の酸素、炭酸ガス及び
窒素ガスが内方冷蔵室の外に選択透過され且つポリエチ
レン・フィルム層を僅かに通る透過水蒸気を岩平板層が
吸着、吸収し、水蒸気の拡散透過を抑制する作用を奏す
ることによりものと推定される。その根拠は、実験前と
実験後では岩板層中の実効水分が若干上昇している事実
から明白である。
更に、上記の試験に用いる3種の貯蔵庫内のエチレン
ガスの除去性能の比較を、エチレン初濃度5ppmで行い、
エチレン濃度が経時的に減少して行く変化をエチレンモ
ニタリング装置で計測した。その計測結果を添付図の第
5図に曲線図として表す。
第5図の曲線から、本発明の二重室構造の低温貯蔵庫
では、内方冷蔵室内の空気のエチレン濃度が36時間経過
後には、0.1ppm以下に低下していることが認められ、通
常の強制通風式の冷蔵庫及び恒温高湿冷蔵庫に比べてエ
チレン除去性能の点で著しく優れていることも認められ
る。
次に実施例について本発明を説明する。
実施例1 添付図面の第1図〜第4図に図解的に示された二重室
構造の貯蔵庫を建造したが、それの内方冷蔵室の側壁二
面は次のように作製した。すなわちゼオライトを含む緑
色凝灰岩(群馬県沼田市月夜野産)を切断して厚さ15ミ
リ、縦280ミリ、横450ミリの平板状態に切り出しこの岩
平板を風乾後に550〜600℃で60分間焙焼処理してエチレ
ン吸着能を活性化した。この焙焼処理された岩平板を、
6枚1組として継ぎ合せて板状材とした。縦1800ミリ、
横450ミリのステンレス補強枠を板状体の側縁に嵌合さ
せた。そのように補強枠をもつ板状材の3組を平らに並
べてパネル状組立体に組立てた。岩平板よりなる前記パ
ネル状組立体で内方冷蔵室の互いに向き合う二つの側壁
の各々を構成させた。これらの二つの側壁をなす各パネ
ル状組立体の岩平板表面に向き合い、該表面に接触する
状態で平均膜厚15μmの低密度ポリエチレン・フィルム
を張って支持する支持枠(縦横の桟をもつ格子形の支持
枠)の2組を着脱可能に設置した。
この際、内方冷蔵室の4方の側壁のうちの二つの側壁
を作る岩平板よりなるパネル状組立体の内向き表面の全
体が、前記の支持枠で支持されたポリエチレン・フィル
ムによって全面的に覆われる状態にできるように、ポリ
エチレン・フィルムを張って支持する支持枠の複数を配
置した。支持枠の固定は着脱式のねじ取付具により行っ
た。岩平板よりなるパネル状組立体から成るもの以外
の、内方冷蔵室の側壁二面はステンレススチール薄板か
ら作り、内方冷蔵室の天井面はアルミニウム板から作
り、底面はステンレススチール板から作った。この内方
冷蔵室の周囲を、空間を残して、発泡ポリウレタン断熱
層をもつ鋼板から作られた外方の包囲体で包囲した。内
方冷蔵室と外方包囲体との間に残された空間内には、温
度制御できる冷気循環装置で冷却された低温の冷却空気
を循環させた。この冷却空気は、内方冷蔵室の外周に沿
って流れて冷却を行った。貯蔵すべき物品の搬出入用の
戸口の扉は、冷蔵室内の貯蔵物品の保存状態を観察する
ためにガラス板製にした。このように作製された本発明
による二重室構造の低温貯蔵庫の内方冷蔵室の中に、ス
ダチ1箱2kg入りを50箱、合計100kgのスダチを収納し、
扉を閉めて内方冷蔵室を閉じた状態に置き、自動温度計
及び湿度計並びにエチレンモニタリング装置のセンサー
を内方冷蔵室内に配置し且つそのエチレン濃度自動記録
装置は貯蔵庫の外側に設置した。スダチからの水分蒸散
で内方冷蔵室の中の空気の湿度は30分位で95%に達し
た。この冷蔵室内の空気雰囲気は本発明の方法に従って
温度2℃、相対湿度95%に保持し、扉面のガラス板を通
してスダチの保存状態を観察した。また比較のため、焙
焼処理された緑色凝灰岩の岩板材を用いるがポリエチレ
ン・フィルムの設置を省略した二重室構造の内方冷蔵室
を有する以外は前記の本発明冷蔵庫と同様の型式で作製
した貯蔵庫(比較例1)、及び通常の強制通風式の冷蔵
庫(比較例2)、並びに市販の恒温高湿冷蔵庫(比較例
3)にスダチを同様に収納させ、そして2℃で、その保
存状態を観察した。
内方冷蔵室の側壁材に緑色凝灰岩の岩板材を用いたが
ポリエチレン・フィルムの設置を省略した比較例1の貯
蔵庫内に保存されたスダチを観察した結果、10日前後で
黄化が始まり、15日目では商品価値が全くない事が明白
であった。
また、比較例2の通常の冷蔵庫内の保存試験のスダチ
は7日前後で黄化が始まり、10日目では商品価値が全く
ない事が明白であった。
さらに、比較例3の恒温高湿冷蔵庫内の保存試験のス
ダチは、30日前後で黄化が始まり、その劣化速度は、比
較例1及び2のスダチに比べて緩やかなものの40日目で
は、商品価値が全くない事が認められた。
これに対し、本発明の貯蔵庫内の保存されたスダチ
は、80日以上たっても黄化は見られず、鮮やかな濃緑色
のままの状態を保ち収穫当時とほとんど変わらず、当初
の鮮度が保持されていることが認められた。念のため試
食したが収穫当初となんら、香り、風味ともに変化はな
かった。従って本発明の冷蔵庫では、スダチの長期間の
鮮度保持が可能であると確認できた。また、この貯蔵庫
内で80日以上スダチを保存後に、貯蔵庫内の空気のエチ
レン濃度を計測したところ、0.1ppm以下であることが認
められた。
実施例2 実施例1で作製した二重室構造の本発明の低温貯蔵庫
を用いて本発明の方法に従って、内方冷蔵室内の温度5
℃、相対湿度95%の空気雰囲気中において、ダンボール
箱中に立てて入れた状態で収納された50kgのホウレン草
の保存状態を観察した。また比較のため、実施例1で用
いた比較例1の貯蔵庫(比較例4)及び比較例2の通常
の強制通風式の冷蔵庫(比較例5)並びに比較例3の恒
温高湿冷蔵庫(比較例6)においても同様に収納したホ
ウレン草の保存状態を観察した。
比較例4のホウレン草を観察した結果、4日前後で黄
化が進み葉先がしおれ、商品価値が全くない事が明白で
あった。
また、通常の冷蔵庫内の保存試験の比較例5のホウレ
ン草は3日前後で黄化が進み、商品価値が全くなる事が
明白であった。
さらに、恒温高湿冷蔵庫内の保存試験の比較例6のホ
ウレン草についても観察したが、8日前後で黄化が進
み、商品価値がない事が明白であった。
これに対し、本発明の貯蔵庫内に保存されたホウレン
草は、20日以上たっても黄化もなく、色も収穫当時とほ
とんど変わらず、当初の鮮度が保持されている事が明白
であり、念のため試食したが収穫当初とはなんら味覚に
変化はなかった。従って本発明によりホウレン草の長期
間の鮮度保持が可能と確認できた。
実施例3 実施例1で作製した二重室構造の本発明の低温貯蔵庫
を用いて、本発明の方法に従って、内方冷蔵室の温度3
℃、相対湿度95%の空気雰囲気中において、切り花の花
菖蒲(品種は村雲)を開花直前のつぼみ状態で、花の長
さ、100センチに揃え、一束100本にし、10束、合計、10
00本を立てた状態で収納した。そして、花の保存状態を
観察した。また比較のため、実施例1で用いた比較例1
の貯蔵庫(比較例7)及び比較例2の通常の強制通風式
の冷蔵庫(比較例8)並びに比較例3の恒温高湿冷蔵庫
(比較例9)内に同様に収納された花菖蒲についても、
その保存状態を観察した。
比較例7の花菖蒲を観察した結果、2〜3日前後で、
花菖蒲の先端の鞘の部分及び葉面に黄化症状が現われ、
商品価値がない事が明白であった。
また、通常の強制通風式の冷蔵庫内の保存試験の比較
例8の花菖蒲も鞘の部分及び葉面に2〜3日前後で黄化
症状が現われ、商品価値がない事が明白であった。さら
に、恒温高湿冷蔵庫内の保存試験の比較例9の花菖蒲
は、比較例7及び8に対して優れているものの、10日前
後で鞘の部分及び葉面に黄化症状が表れ、商品価値がな
い事が明白であった。
これに対し、本発明の貯蔵庫内に保存された花菖蒲
は、20日以上たっても鞘及び葉面に黄化症状も表れず、
採花当時とほとんど変わらず、当初の状態を保持してい
る事が明白であった。出庫後の開花状態も、当日の朝に
採花したものと比較して、開花状態及び日持ちともに、
ほとんど差が認められなかった。従って本発明により花
菖蒲の長期間の鮮度保持が可能であると確認できた。
実施例4 実施例1で作製した二重室構造の本発明の低温貯蔵庫
を用いて本発明の方法に従って、内方冷蔵室内で温度3
℃、相対湿度95%の空気雰囲気中において、植物苗の挿
し芽用の菊の苗(品種は秀芳の力)を保存した。この菊
の苗は圃場から摘み取り、内方冷蔵室に設けた棚の上の
プラスチック製のマムポットの中に20本づつ入れ、立て
た状態で1万本を内方冷蔵室内に貯蔵した。前記のよう
に収納された苗の保存状態を観察した。また比較のた
め、実施例1で用いた比較例1の貯蔵庫(比較例10)及
び比較例2の通常の強制通風式の冷蔵庫(比較例11)並
びに比較例3の恒温高湿冷蔵庫(比較例12)において
も、同様に収納して、菊の苗の保存状態を観察した。
比較例10の保存試験の菊の苗を観察した結果、葉面か
らの水分蒸散による影響で萎れ現象が顕著に表れ、10〜
12日で挿し芽としては、使用不可能な状態になったこと
が認められた。
また、通常の強制通風式の冷蔵庫内の保存試験の比較
例11の菊の苗は、12〜14日で風による乾燥の影響で萎れ
る現象が顕著に現れ、挿し芽用としては、全く使用不可
能であることが認められた。
さらに、恒温高湿冷蔵庫内の保存試験の比較例12の菊
の苗は、萎れ現象が、比較例10及び11に比べ緩やかなも
のの、20日前後で黄化現象が現れ、挿し芽用としては、
使用不可能であることが認められた。
これに対し、本発明の貯蔵庫内に保存された菊の苗
は、60日以上たっても葉面の萎れもなく、圃場から摘み
取った当初の状態を保持していることが認められた。従
って本発明により菊の苗の長期間の保存が可能である事
を確認する事ができた。
実施例5 実施例1で作製した二重室構造の低温貯蔵庫を用いて
本発明の方法に従って、内方冷蔵室内で温度1℃、相対
湿度90%の空気雰囲気中において、食品のステーキ用の
生の牛肉、1ケ350〜400gを切り身を裸で10ケ収納し、
その保存状態を観察した。また比較のため、実施例1で
用いた比較例1の貯蔵庫(比較例13)及び比較例2の通
常の強制通風式の冷蔵庫(比較例14)並びに比較例3の
恒温高湿冷蔵庫(比較例15)内においても、同様に牛肉
を収納して、1℃での牛肉の保存状態を観察した。
比較例13の保存試験の牛肉を観察した結果、3日目位
で切り身表面が黒く変色し、変質、腐敗が進行している
のが認められる。
また、通常の強制通風式の冷蔵庫内の保存試験の比較
例14の牛肉も、比較例13と同様に3日目ぐらいで表面が
黒く変色し、変質、腐敗が進行しているのが認められ
る。この比較例から、通常の冷蔵庫での生牛肉の保存に
は、フィルムでのラップ包装が必要であると確認でき
た。
さらに、恒温高湿冷蔵庫内の保存試験の比較例15の生
牛肉は、6日目位から表面が黒く変色し、変質、腐敗が
始まっているのが認められる。
これに対し、本発明の貯蔵庫内に保存された裸の生牛
肉は、9日目位から緩やかな速度で変色が始まり、比較
例13及び14並びに15に比べ保存性が優れている事が明白
であり、食品の貯蔵に適している事が確認できた。この
要因は、食品の水分保持が大きく関係しているものと推
測される。実験中に測定した保存中の生牛肉の水分の経
時的な減少率(%)を下記の表−2に示す。
なお、前記の生牛肉と同様に、1℃でのショートケー
キの保存試験を行い、保存中ショートケーキの水分の経
時的な減少率(%)を測定したので、その測定結果も表
−2に併記する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による二重室構造の低温貯蔵庫の一実施
例の垂直断面を図解的に示す概略図であり、第2図は第
1図に示された実施例の装置の水平断面を図解的に示す
概略図である。 第3図は、第1図及び第2図に示された実施例の装置に
おける内方冷蔵室の側壁のうち、岩平板の継き合わせた
板状材よりなるパネル状組立体から作られた側壁の側面
の概略の図解図である。 第4図は、第1図に示された実施例の装置における内方
冷蔵室内に設置されたポリエチレン・フィルムを張って
支持する縦横の桟をもつ格子型の支持枠の拡大した図解
的な斜視図である。 第5図は、本発明の一実施例による低温貯蔵室の内方冷
蔵室における空気のエチレン濃度の経時的な減少を、市
販される通常の冷蔵庫及び恒温高湿冷蔵庫におけるそれ
と比較して示す曲線図である。 第1図〜第4図において、1……内方冷蔵室、2……側
壁をなすパネル状組立体、2′……岩平板、3……内方
冷蔵室の天井壁、4……内方冷蔵室の底面壁、5……ポ
リエチレン・フィルム、5A……ポリエチレン・フィルム
の支持枠、7……外方の包囲体、8……1と7との間の
空間、12……冷気循環装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−3486(JP,A) 特開 平2−130380(JP,A) 特開 昭62−190068(JP,A) 特開 平2−283239(JP,A) 実開 平2−34980(JP,U)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低温貯蔵すべき物品を収納することができ
    且つ室の内部を密閉状態及び無風状態に保ち得る開閉戸
    口を備えて且つ伝熱性の良い材料からなる壁面部分を有
    する内方の冷蔵室と、この内方の冷蔵室の有する前記の
    開閉戸口を共有するか若しくは別個の開閉戸口を備える
    が但し内方の冷蔵室との間に空間を残して内方の冷蔵室
    の全体を包囲して収容する保冷断熱性の材料からなる外
    方の包囲体と、この外方の包囲体の内部に取付けられて
    しかも内方の冷蔵室と外方の包囲体との間の前記の空間
    内に配置されて且つ内方の冷蔵室の全体を該冷蔵室の外
    側から冷却するための冷却空気を前記の空間内で循環さ
    せる冷気循環装置とを有する2重室構造の低温冷蔵庫で
    あって、低温貯蔵すべき物品を収納する内方の冷蔵室を
    構成する側方の壁体面及び(又は)天井面及び(又は)
    床面の少なくとも一部分は伝熱性の良い材料から作られ
    たものであり、しかも前記の内方冷蔵室を構成する四側
    方の四面の壁体のうちの少なくとも一面の壁体は壁体の
    全体又は少なくとも一部分が、ゼオライトを含む多孔質
    の緑色凝灰岩から切り出されて且つゼオライト結晶水の
    除去のための焙焼処理によりエチレン吸着能を活性化さ
    れた厚さ10ミリ〜20ミリの岩平板の一枚又はこの岩平板
    の複数枚を平面方向に継ぎ合わせた板状材からなる平ら
    なパネル状の組立体から作られたものであり、そして内
    方の冷蔵室の壁体又はそれの部分を作る前記の岩平板か
    らなる平らなパネル状組立体の表面のうち、前記の内方
    冷蔵室の内部の無風状態の空気雰囲気に面する方のパネ
    ル状組立体の岩平板表面の上には、自己支持性の支持枠
    に張られて支持された平均膜厚15〜25ミクロメートルの
    薄い低密度ポリエチレン・フィルムがパネル状組立体の
    岩平板表面に接触して岩平板表面の全体を覆う状態で設
    置され、さらに該ポリエチレン・フィルムを支持する前
    記の支持枠が内方冷蔵室に対して着脱可能な固定具によ
    り着脱可能に取付けられてあることを特徴とする、農産
    物、花き類、植物苗、球根又は食品を貯蔵するための二
    重室構造の低温貯蔵庫。
  2. 【請求項2】内方の冷蔵室の壁体の内向き表面の総面積
    のうちで、緑色凝灰岩の切り出し岩平板よりなるパネル
    状組立体の岩平板の表面であって低密度ポリエチレン・
    フィルムと接触させられている岩平板の内向き表面が占
    める合計面積は、これが接する内方冷蔵室の内部の空気
    雰囲気中のエチレン濃度を農産物、花き類、植物苗、球
    根又は食品の収納時より一日半後には0.1ppm以下に維持
    するようにエチレンを吸着し除去するに足りる面積であ
    り、内方冷蔵室のその他の壁体部分及び外方の包囲体の
    壁体はガス不透過性又は難透過性の材料から構成されて
    ある請求項1に記載の貯蔵庫。
  3. 【請求項3】内方冷蔵室の四側方の壁体のうち、少なく
    とも二側方の壁体の夫々全体が前記の岩平板よりなるパ
    ネル状組立体から構成される請求項1に記載の冷蔵庫。
  4. 【請求項4】内方の冷蔵室と、これを包囲して収容する
    外方の包囲体との間の空間から空気を貯蔵庫外へ排出す
    るための開閉弁つき排気管と、本貯蔵庫の外周の大気か
    ら空気を取入れるための開閉弁つき空気吸入管とを外方
    の包囲体に取付けてある請求項1に記載の冷蔵庫。
  5. 【請求項5】低温貯蔵すべき物品を収納することができ
    且つ室の内部を密閉状態及び無風状態に保ち得る開閉戸
    口を備えて且つ伝熱性の良い材料からなる壁面部分を有
    する内方の冷蔵室と、この内方の冷蔵室の有する前記の
    開閉戸口を共有するか若しくは別個の開閉戸口を備える
    が但し内方の冷蔵室との間に空間を残して内方の冷蔵室
    の全体を包囲して収容する保冷断熱性の材料からなる外
    方の包囲体と、この外方の包囲体の内部に取付けられて
    しかも内方の冷蔵室と外方の包囲体との間の前記の空間
    内に配置されて且つ内方の冷蔵室の全体を該冷蔵室の外
    側から冷却するための冷却空気を前記の空間内で循環さ
    せる冷気循環装置とを有する2重室構造の低温冷蔵庫で
    あって、低温貯蔵すべき物品を収納する内方の冷蔵室を
    構成する側方の壁体面及び(又は)天井面及び(又は)
    床面の少なくとも一部分は伝熱性の良い材料から作られ
    たものであり、しかも前記の内方冷蔵室を構成する四側
    方の四面の壁体のうちの少なくとも一面の壁体は、壁体
    の全体又は少なくとも一部分がゼオライトを含む多孔質
    の緑色凝灰岩から切り出されて且つゼオライト結晶水の
    除去のための焙焼処理によりエチレン吸着能を活性化さ
    れた厚さ10ミリ〜20ミリの岩平板の一枚又はこの岩平板
    の複数枚を平面方向に継ぎ合わせた板状体からなる平ら
    なパネル状の組立体から作られたものであり、そして内
    方の冷蔵庫の壁体又はそれの部分を作る前記の岩平板か
    らなる平らなパネル状組立体の表面のうち、前記の内方
    冷蔵室の内部の無風状態の空気雰囲気に面する方のパネ
    ル状組立体の岩平板表面の上には、自己支持性の支持枠
    に張られて支持された平均膜厚15〜25ミクロメートルの
    薄い低密度ポリエチレン・フィルムがパネル状組立体の
    岩平板表面に接触して岩平板表面の全体を覆う状態で設
    置され、さらに該ポリエチレン・フィルムを支持する前
    記の支持枠が内方冷蔵室に対して着脱可能な固定具によ
    り着脱可能に取付けられてなる二重室構造の低温貯蔵庫
    を使用し、この低温貯蔵庫の内方冷蔵室内に収穫後の新
    鮮な農産物、花き類、植物苗、球根又は新鮮な食品を収
    納させ、内方の冷蔵室を閉め、収納された農産物、花き
    類、植物苗、球根又は食品から発生したエチレンガス及
    び炭酸ガスを前記内方の冷蔵室内の無風状態の空気雰囲
    気から前記ポリエチレン・フィルムを通して前記の岩平
    板により吸着することにより除去し、岩平板に吸着され
    たガスが内方冷蔵室と外方の包囲体との間の空間内を循
    環する冷却空気中に放出されるようにさせ、その循環す
    る冷却空気中に放出されたエチレンガスを含む空気は、
    外方の包囲体に取付けた排気管より適時に庫外へ排出さ
    れるようにさせ、このことにより、前記の内方冷蔵室内
    における極めて低いエチレン濃度に保持されてあるが但
    し内方冷蔵室の内部から外方への水蒸気の逸出を殆んど
    又は全く防止されてある空気雰囲気中にて無風状態で該
    空気雰囲気の相対湿度が80〜95%の範囲内で且つ温度が
    マイナス3℃からプラス12℃の範囲内で当該農産物、花
    き類、植物苗、球根又は食品を貯蔵することを特徴とす
    る低温貯蔵方法。
  6. 【請求項6】貯蔵すべき物品としての農産物は野菜の葉
    菜類、根菜類、果実類であり、花き類は開花直前のつぼ
    み状態又は開花状態の切り花あるいは桜、桃、梅等の花
    木であり、植物苗は菊及びカーネーション等であり、球
    根はユリ、フリージア、カラー等であり、食品類は生
    肉、ハム、ケーキ、めん類、ワイン等である請求項5に
    記載の方法。
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