JP2646522B2 - 積層フイルム - Google Patents
積層フイルムInfo
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- JP2646522B2 JP2646522B2 JP58050439A JP5043983A JP2646522B2 JP 2646522 B2 JP2646522 B2 JP 2646522B2 JP 58050439 A JP58050439 A JP 58050439A JP 5043983 A JP5043983 A JP 5043983A JP 2646522 B2 JP2646522 B2 JP 2646522B2
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- film
- fluorine
- layer
- acid
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- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
- Magnetic Record Carriers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,表面の平滑性と易滑性が共に優れた積層フ
イルムに関するものである。
イルムに関するものである。
近年,磁気記録媒体ベース,コンデンサーベース,グ
ラフイツクベースおよび包装ベースなどの用途に,プラ
スチツクフイルムの需要が急伸している。それらの用途
では共通して小型軽量化が要望され,同時に,精度が厳
くなつている。このことは,たとえば,磁気記録の分野
では,ビデオレコーダーの小型化・軽量化や、ビデオテ
ープの長時間記録化,高密度記録化という技術革新の志
向となつている。この志向に即して,磁気記録媒体は薄
く,かつ高密度記録する必要があり,それを実現するた
めには,ベースフイルムと磁性層の厚みは共に薄く,か
つ磁性層表面は平滑であることが望ましくなる。ところ
が,磁性層の厚みが薄くなるとベースフイルムの表面状
態は磁性層表面の状態に影響を及ぼす度合が強まる。従
つて磁性層表面を平滑にするにはベースフイルム表面の
平滑性が必要となる。
ラフイツクベースおよび包装ベースなどの用途に,プラ
スチツクフイルムの需要が急伸している。それらの用途
では共通して小型軽量化が要望され,同時に,精度が厳
くなつている。このことは,たとえば,磁気記録の分野
では,ビデオレコーダーの小型化・軽量化や、ビデオテ
ープの長時間記録化,高密度記録化という技術革新の志
向となつている。この志向に即して,磁気記録媒体は薄
く,かつ高密度記録する必要があり,それを実現するた
めには,ベースフイルムと磁性層の厚みは共に薄く,か
つ磁性層表面は平滑であることが望ましくなる。ところ
が,磁性層の厚みが薄くなるとベースフイルムの表面状
態は磁性層表面の状態に影響を及ぼす度合が強まる。従
つて磁性層表面を平滑にするにはベースフイルム表面の
平滑性が必要となる。
一方,磁気記録媒体を製造する際にはベースフイルム
の表面の滑り性が必要となる。このベースフイルムの滑
り性は,磁気記録媒体となした後の使用時の走行性にも
直結する。以上のように,ベースフイルムとしては平滑
性と易滑性が共に優れた表面のものが待望されている
が,元来,平滑性と易滑性は相反関係にあり,両特性を
同時に満足できるフイルムはなかなか見当らない。この
ような非常に平滑で,かつ非常に滑り性の良いフイルム
を得るために従来から種々の検討がなされてきた。たと
えば,微細粒子を添加したフイルムや,易滑表面層と平
滑表面層とからなる複合フイルム,さらに,架橋性シリ
コーンやワツクスを表面塗布した積層フイルムなどが知
られ,磁気テープベースフイルムなどに使用されてい
る。
の表面の滑り性が必要となる。このベースフイルムの滑
り性は,磁気記録媒体となした後の使用時の走行性にも
直結する。以上のように,ベースフイルムとしては平滑
性と易滑性が共に優れた表面のものが待望されている
が,元来,平滑性と易滑性は相反関係にあり,両特性を
同時に満足できるフイルムはなかなか見当らない。この
ような非常に平滑で,かつ非常に滑り性の良いフイルム
を得るために従来から種々の検討がなされてきた。たと
えば,微細粒子を添加したフイルムや,易滑表面層と平
滑表面層とからなる複合フイルム,さらに,架橋性シリ
コーンやワツクスを表面塗布した積層フイルムなどが知
られ,磁気テープベースフイルムなどに使用されてい
る。
しかし,かかる従来のフイルムには,平滑性を満足せ
しめようとすれば易滑性が犠牲になり,逆に易滑性を満
足せしめようとすれば,平滑性が犠牲になるという欠点
がある。また,易滑層と平滑層とからなる複合フイルム
では,製品として巻いた後,易滑層の表面突起が平滑層
側の表面に転写するため,せつかくの平滑層側の平滑性
が損われてしまう欠点が付随する。
しめようとすれば易滑性が犠牲になり,逆に易滑性を満
足せしめようとすれば,平滑性が犠牲になるという欠点
がある。また,易滑層と平滑層とからなる複合フイルム
では,製品として巻いた後,易滑層の表面突起が平滑層
側の表面に転写するため,せつかくの平滑層側の平滑性
が損われてしまう欠点が付随する。
本発明の目的は,上記欠点を解消せしめ,平滑性と易
滑性とが共に優れた積層フイルムを提供すること,加え
て,易滑性の耐久性,耐摩耗性に優れた積層フイルムを
提供するものである。
滑性とが共に優れた積層フイルムを提供すること,加え
て,易滑性の耐久性,耐摩耗性に優れた積層フイルムを
提供するものである。
本発明は上記目的を達成するため,次の構成,すなわ
ち,基体フイルム層の少なくとも片面に,フツ素系化合
物を含む連続層が積層されてなる積層フイルムであり,
フツ素系化合物が積層された側の表面には直径0.05〜5
μの範囲の半円球状突起が1×105〜1×1012個/cm2存
在し、かつその表面粗さ(Ra)が、0.015〜0.005μであ
る積層フイルムを特徴とするものである。
ち,基体フイルム層の少なくとも片面に,フツ素系化合
物を含む連続層が積層されてなる積層フイルムであり,
フツ素系化合物が積層された側の表面には直径0.05〜5
μの範囲の半円球状突起が1×105〜1×1012個/cm2存
在し、かつその表面粗さ(Ra)が、0.015〜0.005μであ
る積層フイルムを特徴とするものである。
本発明における基体フイルムとは,フイルム状をした
ものであれば特に限定されるものではなく熱可塑性樹
脂,熱硬化性樹脂などから広く選択し得る。たとえばポ
リエステル,ポリオレフイン,セルロースアセテート,
ポリ塩化ビニル,ポリイミド,ポリカーボン,ポリイミ
ドアミド,ポリフエニレンスルフイドなどが挙げられ
る。溶融押出製膜が可能という理由からは,熱可塑性樹
脂が好ましい。さらに,フイルムの機械的強度,剛性,
寸法安定性,耐熱性などの物性を総合して良いという理
由からポリエステルが好ましい。ポリエステルは,例え
ば,飽和線状ポリエステルを主体とするものが挙げら
れ,ポリエチレンテレフタレート,ポリエチレン2,6−
ナフタリンジカルボキシレート,ポリエチレン−p−オ
キシベンゾエート,ポリブチレンテレフタレート,ポリ
ヘキシレンテレフタレート,ポリエチレンビス−α,β
2−クロルフエノキシエタン−4,4′−ジカルボキ
シレートなどが代表例である。なお,ホモポリエステル
でもコポリエステルでもよい。さらにポリエステルのう
ちでもポリエチレンテレフタレートは上記フイルム物性
の総合バランスがよいことや,原料が容易に安く入手可
能という理由で,最も好ましい。
ものであれば特に限定されるものではなく熱可塑性樹
脂,熱硬化性樹脂などから広く選択し得る。たとえばポ
リエステル,ポリオレフイン,セルロースアセテート,
ポリ塩化ビニル,ポリイミド,ポリカーボン,ポリイミ
ドアミド,ポリフエニレンスルフイドなどが挙げられ
る。溶融押出製膜が可能という理由からは,熱可塑性樹
脂が好ましい。さらに,フイルムの機械的強度,剛性,
寸法安定性,耐熱性などの物性を総合して良いという理
由からポリエステルが好ましい。ポリエステルは,例え
ば,飽和線状ポリエステルを主体とするものが挙げら
れ,ポリエチレンテレフタレート,ポリエチレン2,6−
ナフタリンジカルボキシレート,ポリエチレン−p−オ
キシベンゾエート,ポリブチレンテレフタレート,ポリ
ヘキシレンテレフタレート,ポリエチレンビス−α,β
2−クロルフエノキシエタン−4,4′−ジカルボキ
シレートなどが代表例である。なお,ホモポリエステル
でもコポリエステルでもよい。さらにポリエステルのう
ちでもポリエチレンテレフタレートは上記フイルム物性
の総合バランスがよいことや,原料が容易に安く入手可
能という理由で,最も好ましい。
なお,必要に応じて2種以上の樹脂の混合,たとえ
ば,ポリエチレテレフタレートにポリブチレンテレフタ
レートを10〜90重量パーセント混合してもよい。また,
基体フイルム層には,平均粒径が10μ,好ましくは5μ
以上の粒子が含まれないことが望ましい。
ば,ポリエチレテレフタレートにポリブチレンテレフタ
レートを10〜90重量パーセント混合してもよい。また,
基体フイルム層には,平均粒径が10μ,好ましくは5μ
以上の粒子が含まれないことが望ましい。
基体フイルムの配向状態は特に限定されず,無配向,
一軸配向,二軸配向のいずれでもよいが,機械的強度や
寸法安定性や剛性の点で2軸配向状態のものが望まし
い。
一軸配向,二軸配向のいずれでもよいが,機械的強度や
寸法安定性や剛性の点で2軸配向状態のものが望まし
い。
基体フイルムの表面粗さ(Ra)は、0.002〜0.050μ,
好ましくは0.003〜0.040μが望ましい。
好ましくは0.003〜0.040μが望ましい。
また,基体フイルムの厚みは,3〜100μ,好ましくは
4〜80μが望ましい。
4〜80μが望ましい。
本発明に用いられるフツ素系化合物は特に限定される
ものではなく,含フツ素オリゴマ,含フツ素ポリマから
選択される。含フツ素オリゴマとしては,フツ素油,テ
トラフルオロエチレンワツクス,含フツ素アルコール,
ペルフルオロアルキルヨージドなどのフルオロオレフイ
ンテロマーや,ペルフルオロポリエーテルやペルフルオ
ロオレフインオリゴマなどが代表例であり,その他,そ
れらの酸塩,ベタイン,エチレンオキシド付加物,エス
テル,シリコーンを化学結合させたものなどが挙げられ
る。また,含フツ素ポリマとしては,ポリテトラフルオ
ロエチレン,ポリヘキサフルオロプロピレン,ポリトリ
クロロフルオロエチレン,ポリ塩化ビニリデン,フツ素
化合物とシロキサン化合物の共重合体などが代表例であ
る。
ものではなく,含フツ素オリゴマ,含フツ素ポリマから
選択される。含フツ素オリゴマとしては,フツ素油,テ
トラフルオロエチレンワツクス,含フツ素アルコール,
ペルフルオロアルキルヨージドなどのフルオロオレフイ
ンテロマーや,ペルフルオロポリエーテルやペルフルオ
ロオレフインオリゴマなどが代表例であり,その他,そ
れらの酸塩,ベタイン,エチレンオキシド付加物,エス
テル,シリコーンを化学結合させたものなどが挙げられ
る。また,含フツ素ポリマとしては,ポリテトラフルオ
ロエチレン,ポリヘキサフルオロプロピレン,ポリトリ
クロロフルオロエチレン,ポリ塩化ビニリデン,フツ素
化合物とシロキサン化合物の共重合体などが代表例であ
る。
上記フツ素系化合物のうち,本発明に好ましいのは,
含フツ素オリゴマである。その理由は,含フツ素オリゴ
マは液状あるいは固体状でも均一微細化しやすいため,
本発明フイルムとなした時のフイルムの平滑性が良くな
り,また,含フツ素ポリマにくらべて,基体フイルムの
樹脂との親和力・接着力を強くできるからである。同じ
く親和力,接着力の点で,含フツ素ポリマのうちでは,
ポリ塩化ビニリデンやポリクロロフルオロエチレンのよ
うな有極性含フツ素ポリマの方が,ポリエトラフルオロ
エチレンのような無極性含フツ素ポリマよりも好まし
い。
含フツ素オリゴマである。その理由は,含フツ素オリゴ
マは液状あるいは固体状でも均一微細化しやすいため,
本発明フイルムとなした時のフイルムの平滑性が良くな
り,また,含フツ素ポリマにくらべて,基体フイルムの
樹脂との親和力・接着力を強くできるからである。同じ
く親和力,接着力の点で,含フツ素ポリマのうちでは,
ポリ塩化ビニリデンやポリクロロフルオロエチレンのよ
うな有極性含フツ素ポリマの方が,ポリエトラフルオロ
エチレンのような無極性含フツ素ポリマよりも好まし
い。
上記含フツ素オリゴマのうちで特に本発明に好ましい
のは,炭素数が1〜30のペルフルオロアルキル基を有す
る単量体もしくは重合体からなるものである。ペルフル
オロアルキル基(−CnF2n+1)の炭素数nの範囲は,1〜3
0,好ましくは3〜30,さらに好ましくは6〜30にする
と,ペルフルオロアルキルの末端−CF3基が整然とフイ
ルム表面に配列され,その結果として,臨界表面張力
(表面自由エネルギー)の低い表面が形成される。ま
た,炭素数nが30を越えると,単量体もしくは重合体と
しての粒子径が大きくなりすぎて積載フイルムとなした
時の連続層側表面の平滑性が損われることがある。ここ
で述べているペルフルオロアルキル基を有する単量体も
しくは重合体は,その分子構造式に,ペルフルオロアル
キル基以外に,カルボキシル基,カルボニル基,アルデ
ヒド基,アミノ基,イミノ基,スルホン基,アクリル
基,メタクリル基などの官能基を一種以上有すること
が,基フイルムとの親和力・接着力を増すためと,積層
する時の分散媒(水や有機溶媒など)への相溶性を高め
るための両方に有利であり,そのことは,本発明フイル
ムの積層界面の接着力を上げ,かつ,積層表面の平滑性
を得る点に有利となる。
のは,炭素数が1〜30のペルフルオロアルキル基を有す
る単量体もしくは重合体からなるものである。ペルフル
オロアルキル基(−CnF2n+1)の炭素数nの範囲は,1〜3
0,好ましくは3〜30,さらに好ましくは6〜30にする
と,ペルフルオロアルキルの末端−CF3基が整然とフイ
ルム表面に配列され,その結果として,臨界表面張力
(表面自由エネルギー)の低い表面が形成される。ま
た,炭素数nが30を越えると,単量体もしくは重合体と
しての粒子径が大きくなりすぎて積載フイルムとなした
時の連続層側表面の平滑性が損われることがある。ここ
で述べているペルフルオロアルキル基を有する単量体も
しくは重合体は,その分子構造式に,ペルフルオロアル
キル基以外に,カルボキシル基,カルボニル基,アルデ
ヒド基,アミノ基,イミノ基,スルホン基,アクリル
基,メタクリル基などの官能基を一種以上有すること
が,基フイルムとの親和力・接着力を増すためと,積層
する時の分散媒(水や有機溶媒など)への相溶性を高め
るための両方に有利であり,そのことは,本発明フイル
ムの積層界面の接着力を上げ,かつ,積層表面の平滑性
を得る点に有利となる。
本発明では,以上に述べたフツ素系化合物を少なくと
も1種類選択して用いればよいが,2種類以上を適当に組
合せて用いても差支えない。
も1種類選択して用いればよいが,2種類以上を適当に組
合せて用いても差支えない。
本発明のフツ素系化合物を含む連続層とは,上記のフ
ツ素系化合物そのものの層,または,その化合物と次に
述べる高分子固体とが混合された層である。
ツ素系化合物そのものの層,または,その化合物と次に
述べる高分子固体とが混合された層である。
なお,高分子固体を混合すると,本発明フイルムの易
滑性の耐久性,耐摩耗性などが向上するのに役立つ。こ
こで言う「易滑性の耐久性が向上」とは,フイルムを長
時間繰返し金属固定ガイドに走行させて摩擦させた後も
滑り性が悪化(摩擦係数が大きくなる)しないことであ
り,「耐摩耗性が向上」とは,やはりフイルムを長時間
繰返し摩擦させた後も,滑り性を付与させるに用いフツ
素系化合物がフイルムから脱落しにくいということであ
る。
滑性の耐久性,耐摩耗性などが向上するのに役立つ。こ
こで言う「易滑性の耐久性が向上」とは,フイルムを長
時間繰返し金属固定ガイドに走行させて摩擦させた後も
滑り性が悪化(摩擦係数が大きくなる)しないことであ
り,「耐摩耗性が向上」とは,やはりフイルムを長時間
繰返し摩擦させた後も,滑り性を付与させるに用いフツ
素系化合物がフイルムから脱落しにくいということであ
る。
高分子固体の種類は特に限定されないが,フツ素系化
合物とも基体フイルムとも親和力が良い熱可塑性樹脂,
熱硬化性樹脂,反応性樹脂などの中から選ばれ,たとえ
ば,ニカワ,カゼインなどの天然水溶性高分子,ポリビ
ニルアルコール,メチルセルロースおよびセルロース誘
導体,尿素樹脂やメラミン樹脂などの合成水溶性高分
子,ポリエステルエーテルなどの水溶性ポリエステル,
ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレ
ート,ポリアクリル酸エステル,ポリメタクリル酸エス
テルなどのポリエステル,ポリアクリロニトリル,ポリ
アミド,ポリビニルブチラール,ポリフツ化ビニル,ポ
リ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリスチレン,ポ
リ酢酸ビニル,ポリブタジエン,ポリウレタン,ポリク
ロロプレン,フエノール樹脂,アルキツド樹脂,エポキ
シ樹脂,架橋性シリコーン樹脂など,および,以上の共
重合体,および,それらの混合物である。その中でもフ
ツ素化合物および基体フイルムとの親和力の点で,基体
フイルムにポリエステルを用いる場合は,該高分子固体
として,コポリエステルエーテルやエポキシ樹脂が好ま
しい。コポリエステルエーテルは,フイルムとなしたあ
と連続層側表面に磁性層(たとえば,強磁性金属薄膜)
を設ける場合該磁性層と連続層との接着性が向上させる
効果が大きく,また,エポキシ樹脂は滑り性の耐久性を
向上させる効果が大きい。また,コポチエステルエーテ
ルとしては以下の組成のものが有用である。まず,酸成
分としては,芳香族ジカルボン酸および非芳香族カルボ
ン酸およびそれらのエステル形成性誘導体ジカルボン酸
が挙げられ,それらの酸のうちで芳香族ジカルボン酸が
全ジカルボン酸成分に対し60モル%以上占めることが好
ましく,その範囲で数種のジカルボン酸を併用してもよ
い。具体的な酸成分の例は,芳香族ジカルボン酸として
は,テレフタル酸,イソフタル酸,フタル酸,2,5−ジメ
チルテレフタル酸,1,4−ナフタレンジカルボン酸,2,6−
ナフタレンジカルボン酸,ビフエニルジカルボノ酸、1,
2−ビス(フエノキシ)エタン−p,p′−ジカルボン酸お
よびそれらのエステル形成性誘導体ジカルボン酸があ
り,非芳香族ジカルボン酸としては,蓚酸,マロン酸,
コハク酸,グルタール酸,アジピン酸,セバシン酸,1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸,1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体ジカル
ボン酸がある。
合物とも基体フイルムとも親和力が良い熱可塑性樹脂,
熱硬化性樹脂,反応性樹脂などの中から選ばれ,たとえ
ば,ニカワ,カゼインなどの天然水溶性高分子,ポリビ
ニルアルコール,メチルセルロースおよびセルロース誘
導体,尿素樹脂やメラミン樹脂などの合成水溶性高分
子,ポリエステルエーテルなどの水溶性ポリエステル,
ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレ
ート,ポリアクリル酸エステル,ポリメタクリル酸エス
テルなどのポリエステル,ポリアクリロニトリル,ポリ
アミド,ポリビニルブチラール,ポリフツ化ビニル,ポ
リ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリスチレン,ポ
リ酢酸ビニル,ポリブタジエン,ポリウレタン,ポリク
ロロプレン,フエノール樹脂,アルキツド樹脂,エポキ
シ樹脂,架橋性シリコーン樹脂など,および,以上の共
重合体,および,それらの混合物である。その中でもフ
ツ素化合物および基体フイルムとの親和力の点で,基体
フイルムにポリエステルを用いる場合は,該高分子固体
として,コポリエステルエーテルやエポキシ樹脂が好ま
しい。コポリエステルエーテルは,フイルムとなしたあ
と連続層側表面に磁性層(たとえば,強磁性金属薄膜)
を設ける場合該磁性層と連続層との接着性が向上させる
効果が大きく,また,エポキシ樹脂は滑り性の耐久性を
向上させる効果が大きい。また,コポチエステルエーテ
ルとしては以下の組成のものが有用である。まず,酸成
分としては,芳香族ジカルボン酸および非芳香族カルボ
ン酸およびそれらのエステル形成性誘導体ジカルボン酸
が挙げられ,それらの酸のうちで芳香族ジカルボン酸が
全ジカルボン酸成分に対し60モル%以上占めることが好
ましく,その範囲で数種のジカルボン酸を併用してもよ
い。具体的な酸成分の例は,芳香族ジカルボン酸として
は,テレフタル酸,イソフタル酸,フタル酸,2,5−ジメ
チルテレフタル酸,1,4−ナフタレンジカルボン酸,2,6−
ナフタレンジカルボン酸,ビフエニルジカルボノ酸、1,
2−ビス(フエノキシ)エタン−p,p′−ジカルボン酸お
よびそれらのエステル形成性誘導体ジカルボン酸があ
り,非芳香族ジカルボン酸としては,蓚酸,マロン酸,
コハク酸,グルタール酸,アジピン酸,セバシン酸,1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸,1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体ジカル
ボン酸がある。
ここで言うエステル形成性誘導体ジカルボン酸として
は,エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物が
代表であり,たとえば,スルホテレフタル酸,5−スルホ
イソフタル酸,4−スルホフタル酸,4−スルホナフタレン
−2,7−ジカルボン酸,2−スルホ−1,4−ビスヒドロキ
シエトキシベンゼンなどのスルホン酸部分のアルカリ
金属塩などがあり,5−スルホイソフタル酸,スルホテレ
フタル酸のナトリウム塩が好ましく使用される。次に,
グリコール成分としては,脂肪族または脂環族グリコー
ルが挙げられる。具体的なグリコール成分の例は,エチ
レングリコール,1,3−プロパンジオール,1,4−ブタンジ
オール,1,4−シクロヘキサンジオール,1,6−ヘキサンジ
オールなどが好ましいが,それらに,ジエチレングリコ
ール,トリエチレングリコールなどのポリエチレングリ
コール: HO−CH2−CH2 nOH (式中n=2〜140の整数)を1〜60重量%共重合さ
せたものでもよい。
は,エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物が
代表であり,たとえば,スルホテレフタル酸,5−スルホ
イソフタル酸,4−スルホフタル酸,4−スルホナフタレン
−2,7−ジカルボン酸,2−スルホ−1,4−ビスヒドロキ
シエトキシベンゼンなどのスルホン酸部分のアルカリ
金属塩などがあり,5−スルホイソフタル酸,スルホテレ
フタル酸のナトリウム塩が好ましく使用される。次に,
グリコール成分としては,脂肪族または脂環族グリコー
ルが挙げられる。具体的なグリコール成分の例は,エチ
レングリコール,1,3−プロパンジオール,1,4−ブタンジ
オール,1,4−シクロヘキサンジオール,1,6−ヘキサンジ
オールなどが好ましいが,それらに,ジエチレングリコ
ール,トリエチレングリコールなどのポリエチレングリ
コール: HO−CH2−CH2 nOH (式中n=2〜140の整数)を1〜60重量%共重合さ
せたものでもよい。
以上のコポリエステルエーテルのうちで最も親和力の
点で好ましいのは,たとえば酸成分としてテレフタル酸
80〜99mol%と5−スルホイソフタル酸1〜20mol%,グ
リコール成分としてエチレングリコール82〜98mol%と
ジエチレングリコール2〜18mol%からなるものであ
る。
点で好ましいのは,たとえば酸成分としてテレフタル酸
80〜99mol%と5−スルホイソフタル酸1〜20mol%,グ
リコール成分としてエチレングリコール82〜98mol%と
ジエチレングリコール2〜18mol%からなるものであ
る。
以上のような混合組成からなる連続層の組成物に占め
る,フツ素系化合物(A)と高分子固体(B)の混合重
量比率A/Bは,0.005〜5.0,好ましくは0.2〜2.0である。A
/Bが0.005未満,好ましくは0.2未満では,フイルムの連
続層側の表面の易滑性が十分発現せず,一方,A/Bが5.0
好ましくは2.0を越すと,高分子固体がフツ素系化合物
を十分捕捉できないため,フイルムの連続層側の耐摩耗
性が悪くなり,好ましくない。
る,フツ素系化合物(A)と高分子固体(B)の混合重
量比率A/Bは,0.005〜5.0,好ましくは0.2〜2.0である。A
/Bが0.005未満,好ましくは0.2未満では,フイルムの連
続層側の表面の易滑性が十分発現せず,一方,A/Bが5.0
好ましくは2.0を越すと,高分子固体がフツ素系化合物
を十分捕捉できないため,フイルムの連続層側の耐摩耗
性が悪くなり,好ましくない。
本発明積層フイルムにおいては,フツ素系化合物を含
む層は,連続層である必要がある。連続層とは,積層フ
イルムの任意の表面を顕微鏡倍率250倍で光学顕微鏡観
察して,その一視野内において積層フイルムのフツ素化
合物を含む層が連続になつているものである。
む層は,連続層である必要がある。連続層とは,積層フ
イルムの任意の表面を顕微鏡倍率250倍で光学顕微鏡観
察して,その一視野内において積層フイルムのフツ素化
合物を含む層が連続になつているものである。
仮に,連続でなく不連続になつた場合,積層フイルム
の平滑性に全く欠けるものになつてしまう。
の平滑性に全く欠けるものになつてしまう。
本発明積層フイルムにおいては,フツ素系化合物を含
む連続層側の表面粗さ(Ra)は,0.015〜0.005μ,好ま
しくは,0.010〜0.005μであることが必要である。Raが
0.015μ,好ましくは0.010μを越えると該連続層側表面
の平滑性が不足してしまう。一方、Raが0.005μより小
さいと易滑性に欠けてしまう。
む連続層側の表面粗さ(Ra)は,0.015〜0.005μ,好ま
しくは,0.010〜0.005μであることが必要である。Raが
0.015μ,好ましくは0.010μを越えると該連続層側表面
の平滑性が不足してしまう。一方、Raが0.005μより小
さいと易滑性に欠けてしまう。
本発明積層フイルムにおいては,フツ素系化合物を含
む連続層の厚みが0.001〜0.5μ,好ましくは0.01〜0.2
μの時,平滑性と易滑性を両立するという本発明効果が
顕著となる。連続層の厚みが0.001μ、好ましくは0.01
μより薄いと,易滑性が不十分となりやすく,また,易
滑性耐久性も不十分となりやすいので良くない。
む連続層の厚みが0.001〜0.5μ,好ましくは0.01〜0.2
μの時,平滑性と易滑性を両立するという本発明効果が
顕著となる。連続層の厚みが0.001μ、好ましくは0.01
μより薄いと,易滑性が不十分となりやすく,また,易
滑性耐久性も不十分となりやすいので良くない。
一方,連続層の厚みが0.5μ,好ましくは0.2μより厚
いと,フツ素系化合物が連続層表層に配列しにくくなる
結果,やはり,易滑性が不十分になりやすく,また,連
続層の表面が粗くなりやすいので良くない。
いと,フツ素系化合物が連続層表層に配列しにくくなる
結果,やはり,易滑性が不十分になりやすく,また,連
続層の表面が粗くなりやすいので良くない。
本発明積層フイルムにおいては,フツ素系化合物を含
む連続層側表面の臨界表面張力(γc)が35dyne/cm以
下,好ましくは25dyne/cm以下のものが,易滑性が非常
に良い結果となる。該臨界表面張力が35dyne/cm、好ま
しくは25dyne/cmを越えると易滑性が不足する。なお,
該臨界表面張力の下限は特に限定されないが,フツ素系
化合物のフツ素が選択的に連続層表面に配列される状態
の時の値が6dyne/cmと考えられているので,通常,下限
は6dyne/cmである。
む連続層側表面の臨界表面張力(γc)が35dyne/cm以
下,好ましくは25dyne/cm以下のものが,易滑性が非常
に良い結果となる。該臨界表面張力が35dyne/cm、好ま
しくは25dyne/cmを越えると易滑性が不足する。なお,
該臨界表面張力の下限は特に限定されないが,フツ素系
化合物のフツ素が選択的に連続層表面に配列される状態
の時の値が6dyne/cmと考えられているので,通常,下限
は6dyne/cmである。
本発明積載フイルムにおいては,フツ素系化合物を含
む連続層の表層部は,ESCA法による測定値として,フツ
素原子(F)と炭素原子(C)の個数比率(F/C)が,0.
5〜2.0,好ましくは0.7〜1.5であることが望ましい。F/C
が2.0好ましくは1.5より大きいと,易滑性の耐久性や耐
摩耗性および平滑性が好ましくなることがあり,また,F
/Cが0.5,好ましくは0.7より小さいと,易滑性が発現し
なくなることがあり,注意を要する。
む連続層の表層部は,ESCA法による測定値として,フツ
素原子(F)と炭素原子(C)の個数比率(F/C)が,0.
5〜2.0,好ましくは0.7〜1.5であることが望ましい。F/C
が2.0好ましくは1.5より大きいと,易滑性の耐久性や耐
摩耗性および平滑性が好ましくなることがあり,また,F
/Cが0.5,好ましくは0.7より小さいと,易滑性が発現し
なくなることがあり,注意を要する。
なお,本発明積層フイルムにおいては,連続層表面
に,直径0.05〜5μの範囲の半円球状突起が1×105〜
1×1012個/cm2,好ましくは1×107〜1×1010個/cm2形
成されていることが必要である。1×105個/cm2未満で
は易滑性が不足し,1×1012個/cm2を越える場合には粗面
化して平滑性が損なわれる。
に,直径0.05〜5μの範囲の半円球状突起が1×105〜
1×1012個/cm2,好ましくは1×107〜1×1010個/cm2形
成されていることが必要である。1×105個/cm2未満で
は易滑性が不足し,1×1012個/cm2を越える場合には粗面
化して平滑性が損なわれる。
このような突起は塗布するフッ素系化合物によって形
成されているのが好ましく,粒子の添加によって形成さ
れたものでは,磁気テープに用いたときに走行中に粒子
が脱落するなどの問題が発生しやすい。
成されているのが好ましく,粒子の添加によって形成さ
れたものでは,磁気テープに用いたときに走行中に粒子
が脱落するなどの問題が発生しやすい。
このようなフッ素系化合物によって突起を形成するに
は用いる塗剤は水分散体である必要があり,有機溶剤に
溶解したものではこのような突起を形成することができ
ない。さらに,塗布,乾燥後基材フイルムと共に一方向
に延伸が施される場合,より好ましい形態となる。
は用いる塗剤は水分散体である必要があり,有機溶剤に
溶解したものではこのような突起を形成することができ
ない。さらに,塗布,乾燥後基材フイルムと共に一方向
に延伸が施される場合,より好ましい形態となる。
本発明の積層フイルムの少なくとも片面に磁性層を設
け、磁気記録媒体とするのが好ましい。
け、磁気記録媒体とするのが好ましい。
この磁性層とは,周知の磁性層でγ−Fe2O3,Coをドー
プしたγ−Fe2O3,CrO2あるいは強磁性合金といつた粉末
状磁性材料を有機バインダー中に分散させ塗布する方法
によつて形成される磁性層,または,Fe,Co,Niその他強
磁性金属あるいはそれらを含む磁性合金を,たとえば,
真空蒸着,スパツタリング,イオンプレーテイング,電
気メツキ等の方法によつて形成される磁性層のいずれで
あつてもよいが,本発明の効果を有利に発揮せしめて磁
気記録媒体の精度向上を図る点では,後者の磁性層を設
けるのが好ましい。
プしたγ−Fe2O3,CrO2あるいは強磁性合金といつた粉末
状磁性材料を有機バインダー中に分散させ塗布する方法
によつて形成される磁性層,または,Fe,Co,Niその他強
磁性金属あるいはそれらを含む磁性合金を,たとえば,
真空蒸着,スパツタリング,イオンプレーテイング,電
気メツキ等の方法によつて形成される磁性層のいずれで
あつてもよいが,本発明の効果を有利に発揮せしめて磁
気記録媒体の精度向上を図る点では,後者の磁性層を設
けるのが好ましい。
次に,本発明の積層フイルムおよび磁気記録媒体の製
造方法の大要を述べる。ただし,これに限定されるもの
でない。
造方法の大要を述べる。ただし,これに限定されるもの
でない。
(1) 積層フイルムの製造方法: 先ず,本発明の基体フイルムは,たとえば,前述した
熱可塑性樹脂を押出機によつて口金から溶融押出し,シ
ート状にキヤストし,必要に応じて周知の方法で延伸し
て得る。延伸方法は特に限定されるものではないが,た
とえば,同時2軸,タテ−ヨコ,タテ−ヨコ−タテ,ヨ
コ−タテ,2段タテ−ヨコ,2段タテ→ヨコ→タテ,2段タテ
→ヨコ→同時2軸などの延伸により2軸延伸されるのが
望ましい。
熱可塑性樹脂を押出機によつて口金から溶融押出し,シ
ート状にキヤストし,必要に応じて周知の方法で延伸し
て得る。延伸方法は特に限定されるものではないが,た
とえば,同時2軸,タテ−ヨコ,タテ−ヨコ−タテ,ヨ
コ−タテ,2段タテ−ヨコ,2段タテ→ヨコ→タテ,2段タテ
→ヨコ→同時2軸などの延伸により2軸延伸されるのが
望ましい。
次いで,基体フイルムの少なくとも片面に,水に分散
したフツ素系化合物を含む組成物からなる連続層を設け
る。
したフツ素系化合物を含む組成物からなる連続層を設け
る。
連続層を設ける側は,片面のみの場合と両面ともの場
合とがあるが,片面のみの場合には,用途によつてはそ
の反対面も何らかの易滑処理を施さなければならないと
いう必要が生じるので,好ましくは,両面ともに連続層
を設けると,本発明の効果が一層発揮できる。連続層を
設ける方法としては, 基体となる無延伸フイルムに,所定量に調製した前
記組成物の溶液を塗布し,次いで逐次もしくは同時に2
軸延伸し,乾燥せしめる方法。
合とがあるが,片面のみの場合には,用途によつてはそ
の反対面も何らかの易滑処理を施さなければならないと
いう必要が生じるので,好ましくは,両面ともに連続層
を設けると,本発明の効果が一層発揮できる。連続層を
設ける方法としては, 基体となる無延伸フイルムに,所定量に調製した前
記組成物の溶液を塗布し,次いで逐次もしくは同時に2
軸延伸し,乾燥せしめる方法。
基体となる無延伸フイルムを,あらかじめ一方向に
延伸して後,所定量に調製した前記組成物の溶液を塗布
し,次いで,最初の延伸方向と直交の方向に延伸し,乾
燥せしめる方法。
延伸して後,所定量に調製した前記組成物の溶液を塗布
し,次いで,最初の延伸方向と直交の方向に延伸し,乾
燥せしめる方法。
基体となるフイルムをあらかじめ2軸延伸してお
き,次いで所定量に調製した溶液を塗布し,しかる後乾
燥する方法。
き,次いで所定量に調製した溶液を塗布し,しかる後乾
燥する方法。
などが好ましく適用できるが,安定性と生産性の点で
が最も好ましい。これらの方法は一般に基体フイルムの
製膜工程の終了まで(すなわち巻き取りまで)行われる
が,一旦,基体フイルム単膜として巻き取つた後に,塗
布−乾燥の工程を設ける方法でもよい。また,上記,
,の操作は基体操作であり,,,の後に,た
とえば再延伸などのプロセスが加わつてもかまわない。
塗布に処する前記組成物の溶液は,水に分散したものの
形で用いられる。
が最も好ましい。これらの方法は一般に基体フイルムの
製膜工程の終了まで(すなわち巻き取りまで)行われる
が,一旦,基体フイルム単膜として巻き取つた後に,塗
布−乾燥の工程を設ける方法でもよい。また,上記,
,の操作は基体操作であり,,,の後に,た
とえば再延伸などのプロセスが加わつてもかまわない。
塗布に処する前記組成物の溶液は,水に分散したものの
形で用いられる。
塗布方法としては,メータリングバー方式,リバース
方式,エアナイフ方式などの公知の方法を用いることが
できる。なお,該溶液中に少量の界面活性剤(たとえ
ば,ステアリルアルコールなどの高級脂肪族アルコー
ル,ステアリル酸ブチルエステルなどの高級脂肪酸エス
テル,ラウリン酸などの高級脂肪酸,ステアリルアミド
のような高級脂肪族アミド,アクチルアミンのような高
級脂肪族アミン,ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ)
や架橋モノマ(たとえば,シランカツプリング剤)や公
知の接着促進剤を加えることによつて、基体フイルムや
後加工で形成せしめる層との濡れ性・接着性が増す利点
がある。なお,該溶液中には公知の添加剤たとえば帯電
防止剤,熱安定剤,紫外線吸収剤などが本発明の効果を
損わない量で添加されていてもよいことは勿論である。
方式,エアナイフ方式などの公知の方法を用いることが
できる。なお,該溶液中に少量の界面活性剤(たとえ
ば,ステアリルアルコールなどの高級脂肪族アルコー
ル,ステアリル酸ブチルエステルなどの高級脂肪酸エス
テル,ラウリン酸などの高級脂肪酸,ステアリルアミド
のような高級脂肪族アミド,アクチルアミンのような高
級脂肪族アミン,ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ)
や架橋モノマ(たとえば,シランカツプリング剤)や公
知の接着促進剤を加えることによつて、基体フイルムや
後加工で形成せしめる層との濡れ性・接着性が増す利点
がある。なお,該溶液中には公知の添加剤たとえば帯電
防止剤,熱安定剤,紫外線吸収剤などが本発明の効果を
損わない量で添加されていてもよいことは勿論である。
こうして塗布−乾燥をもつてしてできる連続層の厚み
は、溶液中の固型分濃度,塗布方法,製膜工程中のどこ
で塗布するかなどによりコントロールすることが可能で
ある。また,塗布する前に基体フイルムの塗布すべき面
にあらかじめコロナ放電処理などの公知の表面処理を施
しておくことは基体フイルムと該連続層との界面の接着
強度を高めるのに有用である。
は、溶液中の固型分濃度,塗布方法,製膜工程中のどこ
で塗布するかなどによりコントロールすることが可能で
ある。また,塗布する前に基体フイルムの塗布すべき面
にあらかじめコロナ放電処理などの公知の表面処理を施
しておくことは基体フイルムと該連続層との界面の接着
強度を高めるのに有用である。
次いで,得られた積載フイルムは,必要に応じて少な
くとも片面をコロナ放電処理などの公知の表面処理を施
して,後加工時の易接着性付加をしておき,巻き取る。
くとも片面をコロナ放電処理などの公知の表面処理を施
して,後加工時の易接着性付加をしておき,巻き取る。
(2) 磁気記録媒体の製造方法: 上記積層フイルムの少なくとも片面,たとえば磁気テ
ープにするためには片面,磁気デイスクにするには好ま
しくは両面に,既述した磁性層を形成せしめて磁気記録
媒体とする。片面にのみ磁性層を形成させる場合,積層
フイルムがその片面のみが連続層となつているケースで
は,連続層側あるいはその反対側のどちらに磁性層を形
成せしめてもよいが,記憶媒体としての滑り性や電磁変
換特性を総合すれば連続層側に磁性層を形成せしめるの
がより好ましい。最も好ましい組み合せは,両面ともが
連続層である両面積層フイルムの少なくとも片面に磁性
層が設けられる構成のものである。すなわち,磁性層は
連続層を介して設けられるのが最も好ましい。
ープにするためには片面,磁気デイスクにするには好ま
しくは両面に,既述した磁性層を形成せしめて磁気記録
媒体とする。片面にのみ磁性層を形成させる場合,積層
フイルムがその片面のみが連続層となつているケースで
は,連続層側あるいはその反対側のどちらに磁性層を形
成せしめてもよいが,記憶媒体としての滑り性や電磁変
換特性を総合すれば連続層側に磁性層を形成せしめるの
がより好ましい。最も好ましい組み合せは,両面ともが
連続層である両面積層フイルムの少なくとも片面に磁性
層が設けられる構成のものである。すなわち,磁性層は
連続層を介して設けられるのが最も好ましい。
本発明の積層フイルムは,上記したように,フツ素化
合物を含む連続層が積層され,該連続層側表面に特定の
突起形成および表面粗さが特定以下という特徴ゆえ,先
ず平滑性と易滑性が両立するという効果がある。さら
に,本発明積層フイルムは,易滑性の耐久性に優れ,ま
た耐摩耗性に優れるという効果がある。さらに,表面粗
さが小さいので,フイルムの透明性がよい,という効果
もある。さらにロールに巻き上げた時,巻き乱れ・スリ
傷・突起の転写がないという効果がある。
合物を含む連続層が積層され,該連続層側表面に特定の
突起形成および表面粗さが特定以下という特徴ゆえ,先
ず平滑性と易滑性が両立するという効果がある。さら
に,本発明積層フイルムは,易滑性の耐久性に優れ,ま
た耐摩耗性に優れるという効果がある。さらに,表面粗
さが小さいので,フイルムの透明性がよい,という効果
もある。さらにロールに巻き上げた時,巻き乱れ・スリ
傷・突起の転写がないという効果がある。
上記の効果ゆえに,本発明積層フイルムは,磁気テー
プやフロツピーデイスクなどの磁気記録媒体のベースフ
イルム,光学用ベースフイルム,コンデンサー用ベース
フイルム,グラフイツク用ベースフイルム,包装用ベー
スフイルム用に適しており,特に,最近小型軽量化が要
請されているビデオテープレコーダー,磁気記録デイス
ク等の磁気記録媒体ベースや,蒸着タイプ箔巻コンデン
サーベース用としての用途に好適である。さらに,特
に,磁気記録媒体のうちでも,高密度化が要請されてい
る,メタルテープ用や,蒸着またはスパツタリングによ
るテープ用やデイスク用に適しており,さらに最も適し
ているのは,磁性層で薄くて走行性が重視される蒸着テ
ープ用途である。
プやフロツピーデイスクなどの磁気記録媒体のベースフ
イルム,光学用ベースフイルム,コンデンサー用ベース
フイルム,グラフイツク用ベースフイルム,包装用ベー
スフイルム用に適しており,特に,最近小型軽量化が要
請されているビデオテープレコーダー,磁気記録デイス
ク等の磁気記録媒体ベースや,蒸着タイプ箔巻コンデン
サーベース用としての用途に好適である。さらに,特
に,磁気記録媒体のうちでも,高密度化が要請されてい
る,メタルテープ用や,蒸着またはスパツタリングによ
るテープ用やデイスク用に適しており,さらに最も適し
ているのは,磁性層で薄くて走行性が重視される蒸着テ
ープ用途である。
なお,磁気記録媒体とした場合は,本発明フイルムが
平滑性と易滑性が両立しているので,従来公知の磁気記
録媒体に比べて,電磁変換特性と走行性が共に優れてい
るという効果を得ることができる。とりわけ,磁気テー
プとした場合,近年問題となりつつある「高湿度下にお
ける走行性の悪化」がみられないという効果がある。
平滑性と易滑性が両立しているので,従来公知の磁気記
録媒体に比べて,電磁変換特性と走行性が共に優れてい
るという効果を得ることができる。とりわけ,磁気テー
プとした場合,近年問題となりつつある「高湿度下にお
ける走行性の悪化」がみられないという効果がある。
また,本発明積層フイルムの両面ともが連続層の場
合,磁気テープで走行性のために従来必要とされている
バツクコートが不要になるという効果もある。また蒸着
デイスクで磁性面保護のため,従来必要とされているト
ツプコートが不要になるという効果も期待できる。
合,磁気テープで走行性のために従来必要とされている
バツクコートが不要になるという効果もある。また蒸着
デイスクで磁性面保護のため,従来必要とされているト
ツプコートが不要になるという効果も期待できる。
上記の効果を有するので磁気記録媒体は,磁気テー
プ,磁気カード,磁気デイスクとして,電算機,オーデ
イオ,ビデオ,計測用の各用途に用いることができ,特
にビデオ用として用いるのが好ましい。
プ,磁気カード,磁気デイスクとして,電算機,オーデ
イオ,ビデオ,計測用の各用途に用いることができ,特
にビデオ用として用いるのが好ましい。
本発明の各特性値の測定法と効果の評価基準を次にま
とめて示す。
とめて示す。
(1) 連続層の厚みd(μ): 連続層にセロハンテープを貼り,セロハンテープ端部
の連続層をジメチルホルムアミド等の溶剤で溶解除去す
る。次いでセロハンテープはがし,セロハンテープで保
護された面と,溶解除去した面との境界を小板研究所製
ET−10高精度段差測定器により測定し,厚みを求める。
の連続層をジメチルホルムアミド等の溶剤で溶解除去す
る。次いでセロハンテープはがし,セロハンテープで保
護された面と,溶解除去した面との境界を小板研究所製
ET−10高精度段差測定器により測定し,厚みを求める。
上記方法で困難な場合は,日立製作所製透過型電子顕
微鏡HU−12型を用い,積層フイルムの超薄断面切片を観
察し,厚みを求める。
微鏡HU−12型を用い,積層フイルムの超薄断面切片を観
察し,厚みを求める。
(2) 表面粗さ,Ra(μ): 触針式表面粗さ計による測定値を示す(カツトオフ0.
25mm,測定値4mmでの値。但し,JIS−B−0601による)。
25mm,測定値4mmでの値。但し,JIS−B−0601による)。
(3) 臨界表面張力,γc(dyne/cm): ASTM−D−2578−67T法によつて,20℃,65%雰囲気下
にて測定した。
にて測定した。
(4) ESCA法によるF/C: 国際電気株式会社製のESCAスペクトロメータES−200
型を用い,フツ素1S(F1s)軌道スペクトルを測定し,
各スペクトルの積分強度比を求め,個数比率F/Cに換算
した。
型を用い,フツ素1S(F1s)軌道スペクトルを測定し,
各スペクトルの積分強度比を求め,個数比率F/Cに換算
した。
(5) 表面の半円球状突起の個数,N(個/cm2): 連続層側表面にアルミニウム蒸着し,日本光学製微分
干渉顕微鏡で写真倍率200倍で撮影し,さらに1000倍に
拡大した後,20cm2当りに存在する半円球状の突起の個数
を目視で数え1cm2当りに換算する。数える対象の大きさ
は,点で見えるもの(さらに拡大すると,これが0.05μ
に相当)から,直径5mmまでのものである。
干渉顕微鏡で写真倍率200倍で撮影し,さらに1000倍に
拡大した後,20cm2当りに存在する半円球状の突起の個数
を目視で数え1cm2当りに換算する。数える対象の大きさ
は,点で見えるもの(さらに拡大すると,これが0.05μ
に相当)から,直径5mmまでのものである。
(6) 易滑性,すなわち,μs: ASTM−D−1894−63により,フイルムの連続層側表面
同士の静摩擦係数μsを測つた。滑り性がよいのは,μ
sが1.5以下,好ましくは1.0以下である。
同士の静摩擦係数μsを測つた。滑り性がよいのは,μ
sが1.5以下,好ましくは1.0以下である。
(7) 易滑性の耐久性: テープ状にしたフイルムの連続層側表面を金属(SU
S)固定ガイド(5mmφ)に500回繰返し接触走行させた
後,上記(6)のμsを測定した。走行される折のμs
よりも0.1以内の差であれば耐久性は良く(○),差が
0.1を越えれば耐久性は悪い(×)と評価する。
S)固定ガイド(5mmφ)に500回繰返し接触走行させた
後,上記(6)のμsを測定した。走行される折のμs
よりも0.1以内の差であれば耐久性は良く(○),差が
0.1を越えれば耐久性は悪い(×)と評価する。
(8) 耐摩耗性: テープ状にしたフイルムの連続層側表面を金属(SU
S)固定ガイド(5mmφ)に500回繰返し接触走行させた
後,フイルム上に上に付着したスクラツチ量を観察し,
その数の多少で次のごとく評価した。
S)固定ガイド(5mmφ)に500回繰返し接触走行させた
後,フイルム上に上に付着したスクラツチ量を観察し,
その数の多少で次のごとく評価した。
(9) 高湿度下走行性,μk: 25℃,85%RHの環境下で1/2インチ幅にスリツトされた
フイルムに100gの荷重をかけ,引き取り速度1cm/secで
引張つた時の巻取り時テンシヨンTを求め、次式により
μkを算出した。
フイルムに100gの荷重をかけ,引き取り速度1cm/secで
引張つた時の巻取り時テンシヨンTを求め、次式により
μkを算出した。
磁気テープ用として,μkは0.5以下が好まく,さら
には0.4以下がより好ましい。
には0.4以下がより好ましい。
(10) 磁気テープの走行性: 7000Hzの信号を記録させた試料磁気テープをテープレ
コーダに装填して,走行開始・停止を繰り返しながら10
cm/secの走行速度で走行させ,同時に出力を測定しなが
ら走行時間が100時間になるまで試験した。その間を通
じてテープがガイドローラに貼り付いたりせずにスムー
ズに走行し,かつ,100時間後の出力低下が2.0dB未満の
ものを「走行性良好」とし,それ以外は「走行性不良」
と判定した。
コーダに装填して,走行開始・停止を繰り返しながら10
cm/secの走行速度で走行させ,同時に出力を測定しなが
ら走行時間が100時間になるまで試験した。その間を通
じてテープがガイドローラに貼り付いたりせずにスムー
ズに走行し,かつ,100時間後の出力低下が2.0dB未満の
ものを「走行性良好」とし,それ以外は「走行性不良」
と判定した。
(11) 電磁変換特性: 試料磁気記憶媒体を再生した時の出力信号を一画面分
でみた場合に,出力信号が強く,かつ信号波形がフラツ
トであるものを「良好」,出力信号が弱いか信号波形が
変形しているものを「不良」と判定した。
でみた場合に,出力信号が強く,かつ信号波形がフラツ
トであるものを「良好」,出力信号が弱いか信号波形が
変形しているものを「不良」と判定した。
実施例1 炭素数が9のペルフルオロアルキル基を含有する含フ
ツ素オリゴマエマルジヨン,「アサヒガードAG−710」
(旭硝子株式会社製)を,固型分濃度で2重量%になる
ように水溶液として調製した。
ツ素オリゴマエマルジヨン,「アサヒガードAG−710」
(旭硝子株式会社製)を,固型分濃度で2重量%になる
ように水溶液として調製した。
一方,固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを
290℃で溶融押出し,静電印加しつつ20℃のキヤストド
ラム上にキヤストし,無延伸シートとした後,周速差を
もたせた一対のロール間で90℃で長手方向に3.3倍延伸
した。
290℃で溶融押出し,静電印加しつつ20℃のキヤストド
ラム上にキヤストし,無延伸シートとした後,周速差を
もたせた一対のロール間で90℃で長手方向に3.3倍延伸
した。
この一軸延伸フイルムの片面に170W・分/m2のエネル
ギー量のコロナ放電処理を施し,その面に該フツ素エマ
ルジヨンの調製水溶液をメータリングバーを用いて塗布
した後,テンタ内で両端をクリツプで把持して95℃で幅
方向に3.5倍延伸し,同じくテンタ内で,幅方向に5%
弛緩させつつ210℃で5秒間熱処理して,完全に水分を
除去した。
ギー量のコロナ放電処理を施し,その面に該フツ素エマ
ルジヨンの調製水溶液をメータリングバーを用いて塗布
した後,テンタ内で両端をクリツプで把持して95℃で幅
方向に3.5倍延伸し,同じくテンタ内で,幅方向に5%
弛緩させつつ210℃で5秒間熱処理して,完全に水分を
除去した。
かくして得られた積層フイルムは,光学顕微鏡観察の
結果,塗布した面側の層,すなわち,フツ素系化合物を
含む層が連続層であることを確認した。また,該連続層
の厚みは0.020μであつた。なお,積層フイルムの全厚
みは15μであつた。この積層フイルムの評価結果を第1
表に示した。なお,連続層と反対側の面の表面粗さは0.
0055μであつた。第1表の結果から,該積層フイルム
は,平滑性と易滑性が両立して優れ,かつ,易滑性の耐
久性に優れ,かつ,耐摩耗性が優れ,かつ,高湿度下走
行性に優れていることがわかつた。
結果,塗布した面側の層,すなわち,フツ素系化合物を
含む層が連続層であることを確認した。また,該連続層
の厚みは0.020μであつた。なお,積層フイルムの全厚
みは15μであつた。この積層フイルムの評価結果を第1
表に示した。なお,連続層と反対側の面の表面粗さは0.
0055μであつた。第1表の結果から,該積層フイルム
は,平滑性と易滑性が両立して優れ,かつ,易滑性の耐
久性に優れ,かつ,耐摩耗性が優れ,かつ,高湿度下走
行性に優れていることがわかつた。
実施例2 フツ素系化合物(A)として なる炭素数9のペルフルオロアルキル基を有するものの
水分散体を用い,高分子固体(B)として,次のコポリ
エステルエーテルを用いて混合し,塗布組成物の主成分
とした。
水分散体を用い,高分子固体(B)として,次のコポリ
エステルエーテルを用いて混合し,塗布組成物の主成分
とした。
すなわち,酸成分がテレフタル酸85モル%と5−スル
ホイソフタル酸15モル%からなり,グリコール成分が,
エチレングリコール95モル%とジエチレングリコール5
モル%からなる固有粘度0.57のコポリエステルエーテル
を用いた。
ホイソフタル酸15モル%からなり,グリコール成分が,
エチレングリコール95モル%とジエチレングリコール5
モル%からなる固有粘度0.57のコポリエステルエーテル
を用いた。
高分子固体(B)を85℃熱水に溶解せしめ,固形分濃
度2重量%の水溶液を調整した。この水溶性とフッ素系
化合物(A)を固形分重量比で1/1となるように混合
し,固形分濃度2重量%の塗液を調合した。なおこの塗
液中に対溶液重量で0.05重量%のドデシルベンゼンスル
ホン酸ソーダを添加した。
度2重量%の水溶液を調整した。この水溶性とフッ素系
化合物(A)を固形分重量比で1/1となるように混合
し,固形分濃度2重量%の塗液を調合した。なおこの塗
液中に対溶液重量で0.05重量%のドデシルベンゼンスル
ホン酸ソーダを添加した。
実施例1と同じポリエチレンテレフタレートを実施例
1と同様に一軸延伸した。その一軸延伸フイルムに,上
記水溶液を実施例1と同様に塗布し,続いて,実施例1
と同様に横延伸,熱処理して積層フイルムを得た。この
積層フイルムを光学顕微鏡観察した結果,塗布した面側
の層,すなわち,AとBの混合層が連続層であることを確
認した。また,該連続層の厚みは,0.013μであつた。な
お,積層フイルムの全厚みは15μであつた。この積層フ
イルムの評価結果を第1表に示した。第1表結果から,
該積層フイルムは,平滑性と易滑性が両立して優れ,か
つ,易滑性の耐久性に優れ,かつ,耐摩耗性に優れ,か
つ高湿度下走行性に優れていることがわかつた。
1と同様に一軸延伸した。その一軸延伸フイルムに,上
記水溶液を実施例1と同様に塗布し,続いて,実施例1
と同様に横延伸,熱処理して積層フイルムを得た。この
積層フイルムを光学顕微鏡観察した結果,塗布した面側
の層,すなわち,AとBの混合層が連続層であることを確
認した。また,該連続層の厚みは,0.013μであつた。な
お,積層フイルムの全厚みは15μであつた。この積層フ
イルムの評価結果を第1表に示した。第1表結果から,
該積層フイルムは,平滑性と易滑性が両立して優れ,か
つ,易滑性の耐久性に優れ,かつ,耐摩耗性に優れ,か
つ高湿度下走行性に優れていることがわかつた。
実施例3,4および比較例1,2 フツ素化合物の固型分濃度をそれぞれ0.05,0.5,4,10
各重量%とした以外は,実施例1と同様にして,積層フ
イルムを得た。全ての積層フイルムの塗布層は連続層に
なつていた。上記濃度の順にそれぞれを,比較例1,実施
例3,実施例4,比較例2とし,それら積層フイルムの評価
結果を第2表に示した。第2表から,実施例3,4が平滑
性,易滑性を両立して優らしめることがわかる。比較例
3は易滑性に欠け,比較例4は平滑性に欠けることがわ
かる。
各重量%とした以外は,実施例1と同様にして,積層フ
イルムを得た。全ての積層フイルムの塗布層は連続層に
なつていた。上記濃度の順にそれぞれを,比較例1,実施
例3,実施例4,比較例2とし,それら積層フイルムの評価
結果を第2表に示した。第2表から,実施例3,4が平滑
性,易滑性を両立して優らしめることがわかる。比較例
3は易滑性に欠け,比較例4は平滑性に欠けることがわ
かる。
実施例5 実施例1において,塗布を両面に同時に同一条件で行
なつた以外は,全ての条件を実施例1と同様にして,全
厚み15μの両面積層フイルムを得た。該両面積層フイル
ム断面を光学顕微鏡観察した結果,片面(イ面)も他の
片面(ロ面)の両側層ともが連続層になつていた。それ
ぞれの連続層の厚みは、イ面側が0.021μ,ロ面側が0.0
23μであつた。各面の評価結果を第3表に示した。
なつた以外は,全ての条件を実施例1と同様にして,全
厚み15μの両面積層フイルムを得た。該両面積層フイル
ム断面を光学顕微鏡観察した結果,片面(イ面)も他の
片面(ロ面)の両側層ともが連続層になつていた。それ
ぞれの連続層の厚みは、イ面側が0.021μ,ロ面側が0.0
23μであつた。各面の評価結果を第3表に示した。
第3表の結果から,該両面積層フイルムは,平滑性と
易滑性が両立して優れ,かつ,易滑性の耐久性に優れ,
かつ高湿度下走行性に優れていることがわかる。次い
で,イ面に,磁性層としてCo−Ni合金を、厚さ1000Åに
なるように真空蒸着し,1/2インチ幅にスリツトして所定
の蒸着磁気テープとした。この磁気テープを評価した結
果,磁気テープの走行性と電磁変換特性がともに「良
好」であつた。
易滑性が両立して優れ,かつ,易滑性の耐久性に優れ,
かつ高湿度下走行性に優れていることがわかる。次い
で,イ面に,磁性層としてCo−Ni合金を、厚さ1000Åに
なるように真空蒸着し,1/2インチ幅にスリツトして所定
の蒸着磁気テープとした。この磁気テープを評価した結
果,磁気テープの走行性と電磁変換特性がともに「良
好」であつた。
Claims (1)
- 【請求項1】基体フイルム層の少なくとも片面に、フッ
素系化合物を含む連続層が積層されてなる積層フイルム
であり、フッ素系化合物が積層された側の表面には直径
0.05〜5μの範囲の半円球状粒子が1×105〜1×1012
個/cm2存在し、かつその表面粗さ(Ra)が、0.015〜0.0
05μであることを特徴とする積層フイルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58050439A JP2646522B2 (ja) | 1983-03-28 | 1983-03-28 | 積層フイルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58050439A JP2646522B2 (ja) | 1983-03-28 | 1983-03-28 | 積層フイルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59176330A JPS59176330A (ja) | 1984-10-05 |
JP2646522B2 true JP2646522B2 (ja) | 1997-08-27 |
Family
ID=12858886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58050439A Expired - Lifetime JP2646522B2 (ja) | 1983-03-28 | 1983-03-28 | 積層フイルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2646522B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0755989B2 (ja) * | 1986-05-30 | 1995-06-14 | 東レ株式会社 | 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム |
JPH02279734A (ja) * | 1989-04-19 | 1990-11-15 | Toray Ind Inc | 積層ポリエステルフィルム |
JPH03267178A (ja) * | 1990-03-16 | 1991-11-28 | Hitachi Ltd | 潤滑膜の形成方法及び磁気記録媒体の製造方法 |
DE19936322C2 (de) | 1999-08-02 | 2001-08-09 | Infineon Technologies Ag | Halbleiterbauelement mit kratzfester Beschichtung |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3862860A (en) * | 1973-06-25 | 1975-01-28 | Ball Brothers Res Corp | Method and composition for lubricating and lubricated substrates |
JPS57195321A (en) * | 1981-05-08 | 1982-12-01 | Teijin Ltd | Metallic thin film magnetic recording medium |
JPS59110029A (ja) * | 1982-12-13 | 1984-06-25 | Fuji Photo Film Co Ltd | 磁気記録媒体 |
-
1983
- 1983-03-28 JP JP58050439A patent/JP2646522B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59176330A (ja) | 1984-10-05 |
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