JP2645536C - - Google Patents

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JP2645536C
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、記録材の情報記録面同士を剥離可能に感熱接着することのできる感
熱接着複合シート及びそれを用いた情報記録体に関し、更に、詳しくは、葉書と
同一の郵送料で、より多くの情報を伝達するために用いる感熱接着複合シート及
びそれを用いた情報記録体に関する。 【0002】 【従来技術】 近年、社会保険庁、銀行、証券会社等の請求書及び支払通知書のような個人の
プライバシーに関わる書類の郵送が激増している。このような通知書は、個人の
プライバシーに関わる書類であり、また、宛先人毎に通知内容が異なるため、発
送作業には細心の注意が必要である。 【0003】 そこで、最近においては、宛先人毎のデータをコンピューターによって管理す
ることにより発送作業の省力化を図っている。即ち、コンピューターに入力され
たデーターは、発送時に宛先人毎に連続してプリントアウトされる。このとき、
連続記録用紙の片面には、宛先と通信文が同時に印刷され、これを宛先人毎に切
り離し、宛先だけが外から見えるような窓付の封書に入れて発送している。 【0004】 このようにすることによって、宛先と通信文の不一致を防ぐことができ、また
、宛名書等の作業を省略することができる。しかしながら、封書は葉書に比べて
郵送料が高いことから、最近、内部に情報を隠蔽することのできる様々な葉書が
提案され実用化されている。 【0005】 これ等の提案例としては、例えば、表面に情報を記録することのできる感熱接
着剤層を紙製支持体の片面に形成せしめた封緘葉書がある(実開平1−1483
71号公報)。この封緘葉書は、2つ折りにして葉書サイズとなるもので、感熱
接着剤の表面に情報を記録した後、これを2つ折にして感熱接着剤同士を剥離可
能な接着強度で熱圧着するものである。 【0006】 しかしながら、前述の封緘葉書は、感熱接着剤層の表面、即ち剥離面に情報を
記録するため、他面に記録内容が転写される欠点、及び感熱接着剤層の接着強度
の調整が難しいために、剥がしカールが発生して情報の判読が困難となる等の欠
点がある。 【0007】 そこで、感熱接着剤層同士の剥離を良好なものとするために、熱圧着の温度と
圧力を調整する方法が考えられるが、この方法による剥離性の調整は極めて難し
く、接着不良により自然剥離を起こす欠点があること、及びダイレクトメール等
の、情報記録面の全面がインクで覆われる記録材では感熱接着できず、一体化物
を得ることができないという欠点がある。 【0008】 また、我々は既に、情報記録した2枚の葉書サイズの記録材に情報記録した後
、各記録材の情報記録面同士を再剥離可能に感熱接着することのできる、両面接
着性を有する感熱接着シート及びそれを用いた情報記録体を提案した(特願平2
−245381号公報)が、この感熱接着シートを用いた情報記録体の場合には
、感熱接着シートを、情報記録した2枚の葉書サイズの記録材の情報記録面間に
挟み感熱接着させる時、熱溶融した合成樹脂塗工層が記録体の切り口部からはみ
出し、支持体と合成樹脂塗工層間の剥離界面を樹脂で覆うため開封不良となり易
いこと、及び、高濃度のインクで覆われた記録材表面と合成樹脂塗工層との接着
性が劣るという点で満足できるものではなかった。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】 そこで本発明者等は、上記の欠点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、支持体
の両面に、自然剥離することなく、且つ、容易に剥離可能な、100℃以下の熱
で溶融はみ出しを起こすことのない熱可塑性樹脂層を設けてなる形成物の両面に
、接着性が優れ、且つ、100℃以下の熱で記録材と感熱接着可能な感熱接着剤
層を形成させた感熱接着複合シートを使用することにより、良好な結果を得るこ
とができることを見出し本発明に到達した。 【0010】 従って本発明の第1の目的は、記録情報を破壊することなく、より多くの情報
を葉書に持たせることのできる感熱接着複合シートを提供することにある。 本発明の第2の目的は、シール葉書の破棄、葉書の開封性に優れると共に、剥
がしカールを生ずることなく剥離することができ、より多くの情報を伝達するこ
とのできる、葉書として機能する情報記録体を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】 本発明の上記の諸目的は、情報記録面(Ea、Eb)を有する1又は2以上の
記録材(E)の情報記録面同士を感熱接着するための感熱接着複合シートにおい
て、該感熱接着複合シートが、支持体(A)の両面に、容易に剥離可能ではある
が自然剥離しないように、ビカット軟化温度が45℃以上の熱可塑性樹脂層(B
、B’)を設けてなる形成物の両面に、20重量%未満の無機顔料を含有する、
ガラス転移温度が30〜70℃、若しくはビカット軟化温度が40〜65℃の
成樹脂からなる感熱接着剤層(C、C’)を形成させた5層構成からなる感熱接
着複合シート(D)であって、前記支持体(A)と各熱可塑性樹脂層(B、B’
)との界面の180度剥離強度が、20℃、65%RHの環境下、剥離速度50
0mm/分で10〜150g/50mmであると共に、前記記録材(E)の情報
記録面(Ea、Eb)間に挿入して感熱接着させた時の、前記各感熱接着剤層(
C、C’)と情報記録面(Ea、Eb)との界面の180度剥離強度が、20℃
、65%RHの環境下、剥離速度500mm/分で300g/50mm以上であ
ることを特徴とする感熱接着複合シート及びそれを用いた情報記録体によって達
成された。 【0012】 以下、本発明の感熱接着複合シート及びそれを用いた情報記録体を図面に基づ
いて詳述するが、本発明は、これによって限定されるものではない。 第1図は、本発明の感熱接着複合シートの断面構成図である。 第2図は、第1図の感熱接着複合シートを用いた場合の、本発明の情報記録体
の断面構成図である。 【0013】 図において、符号Aは支持体、B及B’は熱可塑性樹脂層、C及びC’は感熱
接着剤層、Dは本発明の感熱接着複合シート、EはDと共に本発明の記録体を構
成する記録材、Ea及びEbは該記録材の情報記録面を表わす。 本発明における支持体は、透明若しくは不透明な合成樹脂フィルム、又は含浸
紙等の紙とプラスチックとの複合体、或いは染料及び/又は顔料で着色した光吸
収性シート等の材料の中から適宜選択して使用することができる。 【0014】 支持体(A)の両面に設ける熱可塑性樹脂層(B、B’)は、20℃、65%
RHの環境下で、剥離速度500mm/分での180度剥離強度が、支持体(A
)との界面では10〜150g/50mmであると共に、その上に設ける感熱接
着剤層(C、C’)とは剥離せず、該感熱接着剤層(C、C’)と情報記録体と
の界面では300g/50mm以上であることが必要である。 尚、上記剥離強度の測定は、JISZ−0237に準じて行う。 【0015】 上記の熱可塑性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂は、ビカット軟化温度が45℃
以上の、熱可塑性エラストマー、アイオノマー樹脂、低分子量ポリオレフィン樹
脂の中から選択される少なくとも1種の樹脂を使用することが好ましい。 尚、上記のビカット軟化温度は、ASTM D−1525−70に準じて測定
される。 【0016】 また、B、B’の表面に設ける感熱接着剤層(C、C’)に使用する合成樹脂
は、ガラス転移温度が30〜70℃、若しくはビカット軟化温度が40〜65℃ のエチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン/アクリル酸
共重合樹脂、エチレン/アクリル酸エチル共重合樹脂等の中から選択される少な
くとも1種の樹脂を使用することが好ましい。 【0017】 本発明における感熱接着剤層(C、C’)には20重量%未満の範囲で無機
顔料を含有させが、特に3〜15重量%含有させることが好ましい。 上記の如く無機顔料を添加することによって、記録材の間に本発明の感熱接着
複合シートを挟んで記録体を製造する時に、溶融した樹脂が記録材の間からはみ
出すことを防止することができるのみならず、本発明の積層シート製造時におけ
る巻取シートの保存性を改善することができる。 【0018】 例えば、感熱接着に必要な温度以上の熱を与えてしまった場合においても、無
機顔料が添加されていれば、接着剤層の溶融粘度が高いので、はみ出しが防止さ
れる。 更に、無機顔料の添加によりブロッキングを防止することができるので、長時
間にわたる巻取シートの保存性を向上させることができる。 【0019】 本発明の情報記録体に使用する記録材(E)は、通常の葉書に使用する紙やコ
ンピューター印刷用紙等の、公知の材料の中から適宜選択して使用することがで
きる。 本発明の情報記録体は、本発明の感熱接着複合シート(D)を記録材(E)の
情報記録面間に挟み、100℃以下の温度で感熱接着して葉書大に一体化せしめ
たものである。 【0020】 また、本発明の情報記録体は、例えば、第2図の如く2枚の葉書大の記録材(
E)の情報記録面同士を貼着せしめて一体化することも、第3図及び第4図の如
く、コンピューターの印刷用紙に一度に3面を同時印刷した記録材(E)をS型
折り又はZ型折りにして、相対向する情報記録面同士を一体化することもできる
。従って、後者の場合には、葉書内部に情報記録面を4面設けることができるの で、より多量の情報量を有する葉書とすることができる。 【0021】 以上、本発明の感熱接着複合シート(D)を葉書に用いる場合について、詳述
したが、本発明の感熱接着複合シート(D)は葉書以外の用途にも使用すること
ができるのは当然である。このような用途例としては、例えば封書に入れる書類
を2つ折にし、その情報記録面間に本発明の感熱接着複合シート(D)を挿入し
て感熱接着すれば、痕跡が残らないように封書を開封しても書類自体に痕跡が残
ることになり、又、外部から封書内の書類内容を透かして見ることもできないの
で、従来の封書による郵送よりも更にプライバシー防止効果に優れたものとする
ことができる。 【0022】 【発明の効果】 以上詳述した如く、本発明の感熱接着複合シートは記録材への感熱接着性に優
れると共に、剥がしカールを発生させることなく剥離することができる上、記録
情報を他面へ転写させることもないので、情報を記録した記録材の記録面同士を
、剥離可能に接着させるのに好適である。また、本発明の記録体は、特にその大
きさを葉書サイズとすることにより、葉書の郵送料金で従来の2倍以上の情報量
を送ることができる上、プライバシー保護に優れた情報伝達手段として有用であ
る。 【0023】 【実施例】 以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定さ
れるものでない。 【0024】 実施例1. 厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム支持体(A)の両面に、
ビカット軟化温度が55℃で、100℃以下の温度では溶融はみ出しを起こすこ
とのない熱可塑性エラストマーからなる熱可塑性樹脂層(B、B’)を10μm
の厚さとなるように形成し、その両面に、90℃で記録材と感熱接着させること のできる、ガラス転移温度が35℃のポリエステル樹脂と無機顔料との固形分比
率を90/10に調整した混合液を、前記熱可塑性樹脂層B、B’の表面に、夫
々10μmの厚さとなるように塗布・乾燥し、感熱接着複合シートを得た。 【0025】 次いで、第3図の如く、コンピューターからの情報を印刷せしめた坪量90g
/m2の記録材の情報記録面(Ea、Eb)同士が当接するように、折線Pで折
り返すと共に折線Oで反対側に折り返し、各相対向する面間に、先に作製した感
熱接着複合シートを挿入し、表面温度が100〜110℃の熱ロール間に通して
感熱接着させた後充分冷却した。 【0026】 上記の如く作製した葉書は、支持体(A)と熱可塑性樹脂層(B、B’)との
界面で自然剥離がないにもかかわらず、剥がしカールを発生させることなく容易
に剥がすことができた。また、記録情報が他面に転写されることもなく、良好に
判読することができた。 次に、この記録体の180度剥離強度を、20℃・65%RHの環境下、50
0mm/分の剥離速度で測定したところ、支持体(A)と熱可塑性樹脂層(B、
B’)との界面の剥離強度は、40g/50mmであり、記録材と各感熱接着剤
層(C、C’)との界面における剥離強度は、300g/50mm以上であった
。 【0027】 また、作製した葉書1000枚の開封性試験を行った結果、記録材への感熱接
着性が良好であると共に、感熱接着時の熱による接着剤の溶融はみ出しもなく、
開封性も良好であった。 更に、使用済みの感熱接着複合シートの支持体は分別破棄することができるの
でリサイクル使用が可能であること、及び、作製した感熱接着複合シートを巻き
取って40℃の環境下に1カ月間保存した結果、ブロッキングの発生がなく、長
期の保存性に優れることが確認できた。 尚、葉書の全重量は郵便法の規格内であり、郵便葉書として使用できることも
確認された。 【0028】 実施例2. ガラス転移温度が35℃のポリエステル樹脂の代わりに、ビカット軟化温度が
55℃のエチレン/アクリル酸共重合樹脂を感熱接着剤として使用した他は、実
施例1と全く同様にして感熱接着複合シートを得た。作製した葉書は実施例1と
同様であり、葉書としての必要性能を充分備えていた。 【0029】 実施例3. 支持体(A)として、光吸収性を有する黒色顔料を練り込んでなる、厚さ16
μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用した他は、実施例1と全く同
様にして感熱接着複合シートを得た。得られた複合シートを用いて作製した葉書
は、内部が黒色で隠蔽性に優れるものであり、その葉書の透明度を測定したとこ
ろ、透明度は0.1%以下であった。 また、他の性能については、実施例1で得られた葉書の場合と全く同様であっ
た。 【0030】 比較例1. 熱可塑性樹脂として、ビカット軟化温度が43℃の熱可塑性エラストマーを使
用した他は、実施例1と全く同様にして感熱接着複合シートを作製し、記録材と
感熱接着させて葉書を得た。 得られた葉書について、支持体(A)と熱可塑性樹脂層(B、B’)との18
0度剥離強度を20℃、65%RHの環境下、500mm/分の剥離速度で測定
したところ500g/50mm以上であり、葉書を開封する際の剥離力が高いた
め、葉書を開封した時、支持体と熱可塑性樹脂層間での正規な剥離や支持体と熱
可塑性樹脂層間で正規な剥離が起こったサンプルでも、葉書を開封する途中で記
録材の紙層破壊が起こり、葉書の開封性が悪かった。また、正規に剥離した葉書
でも筒状カールとなり、そのままの状態では情報を判読することができなかった
。 【0031】 比較例2. 熱可塑性樹脂として、ビカット軟化温度が50℃のエチレン/アクリル酸エチ
ル共重合樹脂を使用した他は、実施例1と全く同様にして感熱接着複合シートを
作製し、記録材と感熱接着させて葉書を得た。 得られた葉書について、支持体(A)と熱可塑性樹脂層(B、B’)との18
0度剥離強度を20℃、65%RHの環境下、500mm/分の剥離速度で測定
したところ200g/50mm以上であり、葉書を開封する際の剥離力が高いた
め剥がしカールが発生し、そのままの状態では、記録情報を判読することが困難
であった。 【0032】 比較例3. 感熱接着剤層樹脂として、ガラス転移温度が28℃のポリエステル樹脂を使用
した他は、実施例1と全く同様にして感熱接着複合シートを作製し、記録材と感
熱接着させて葉書を得た。この場合には、記録材との感熱接着に際し、感熱接着
剤樹脂が溶融して記録体の切り口部分からはみ出し、溶融樹脂が剥離界面を覆っ
た結果、葉書の開封が不可能であった。また、感熱接着複合シートを巻き取り、
これを40℃の環境下に1ヶ月間保存したところ、ブロッキングが発生したため
に使用することができなかった。 【0033】 比較例4. 感熱接着剤層樹脂として、ビカット軟化温度が38℃のエチレン/アクリル酸
共重合樹脂を使用した他は、実施例1と全く同様にして感熱接着複合シートを作
製し、記録材と感熱接着させて葉書を得た。この場合も比較例3の場合と同様で
あり、記録材との感熱接着に際し、感熱接着剤樹脂が溶融して、記録体の切り口
部分からはみ出し、溶融樹脂が剥離界面を覆った結果、葉書の開封が不可能であ
った。また、感熱接着複合シートを巻き取り、これを40℃の環境下に1ヶ月間
保存したところ、ブロッキングが発生したために使用することができなかった。 【0034】 比較例5. 感熱接着剤層樹脂として、ガラス転移温度が75℃のポリエステル樹脂を使用
した他は、実施例1と全く同様にして感熱接着複合シートを作製し、記録材と感
熱接着させて葉書を得た。この場合には、情報記録面が高濃度のインクで覆われ
ている記録材への感熱接着性が劣り、記録材と感熱接着剤層間及び支持体と熱可
塑性樹脂層間の双方で剥離が同時に起こるために、正常に開封することが容易で
はなかった。 【0035】 比較例6. 感熱接着剤層樹脂として、ビカット軟化温度が66℃のエチレン/アクリル酸
エチル共重合樹脂を使用した他は、実施例1と全く同様にして感熱接着複合シー
トを作製し、記録材と感熱接着させて葉書を得た。この場合も比較例5の場合と
同様であり、情報記録面が高濃度のインクで覆われている記録材への感熱接着性
が劣り、記録材と感熱接着剤層間及び支持体と熱可塑性樹脂層間の双方で剥離が
同時に起こるために、正常な開封ができなかった。 【0036】 比較例7. 感熱接着剤層樹脂として、ガラス転移温度が55℃のアクリル樹脂を使用した
他は、実施例1と全く同様にして感熱接着複合シートを作製し、記録材と感熱接
着させて葉書を得た。この場合も比較例5の場合と同様であり、情報記録面が高
濃度のインクで覆われている記録材への感熱接着性が劣り、記録材と感熱接着剤
層間及び支持体と熱可塑性樹脂層間の双方で剥離が同時に起こるために、正常な
開封ができなかった。 【0037】 比較例8. 感熱接着剤層樹脂として、ビカット軟化温度が58℃のアイオノマー樹脂を使
用した他は、実施例1と全く同様にして感熱接着複合シートを作製し、記録材と
感熱接着させて葉書を得た。この場合も比較例5の場合と同様であり、情報記録
面が高濃度のインクで覆われている記録材への感熱接着性が劣り、記録材と感熱
接着剤層間、及び支持体と熱可塑性樹脂層間の双方で剥離が同時に起こるために 、正常な開封ができなかった。 【0038】 比較例9. 感熱接着剤として、ガラス転移温度が50℃のポリエステル樹脂と無機顔料の
固形分比率を79/21に調整した混合液を使用した他は、実施例1と全く同様
にして感熱接着複合シートを作製し、記録材と感熱接着させて葉書を得た。 この場合には、無機顔料の添加量が多いため、記録材への感熱接着性が悪く、
開封試験により剥がした記録材の印刷表面がやや白く、情報の判読がやや不良で
あった。 実施例1〜3及び比較例1〜9で得た葉書の作製条件の一覧を表1に、また、
それらの評価結果を表2に示す。 【0039】 【表1】 【0040】 【表2】 【0041】 尚、表中の記録材への感熱接着性、情報の判読性、剥がしカール発生度合い、
シートの巻取適性、及び隠蔽性、葉書開封率並びに剥離力は次のようにして評価
した。 記録材への感熱接着性 葉書を開封した時、情報記録した記録材表面と感熱接着剤層との間に入った白
斑点(気泡)の混入度合いを目視により評価した。 ○:白斑点ない △:白斑点が多い ×:白斑点が非常に多い 【0042】情報の判読性 葉書の開封状態そのままで、記録情報の判読の可否を目視により判断した。 ○:判断良好 △:やや判断し難い ×:判読不良 (尚、判読不良は、記録情報の他面への転移、紙層破壊による記録情報の欠落及
びカール、接着不良による影響である。) 【0043】剥がしカール発生度合い 葉書を開封した時に発生したカール度合いを、目視により評価した。 ○:カールがない △:ややカールが強い ×:カールが非常に強い(筒状)シートの保存性 巻取った感熱接着複合シートを40℃の環境下に保存した後、巻取のブロッキ
ング発生度合いを目視により評価した。 ○:ブロッキングなし △:軽度なブロッキング発生がある ×:ブロッキング程度が非常に強い隠蔽性 葉書の透明度を測定した。3%以下であれば実用上問題なし。 【0044】葉書開封率 葉書1000枚について開封性試験を行い、開封率を下記の計算式により算出
した。 開封率(%)={正規に剥がせた葉書枚数/全葉書枚数(1000)}×100剥離力 葉書(n=3)を50mm×140mmの大きさに切り、JIS Z−023
7に準じて、20℃、65%RHの環境下、500mm/分の剥離速度で剥離抵 抗を測定し、3枚の平均値を剥離力として表示した。 【0045】 以上の実施例及び比較例の結果は、熱可塑性樹脂層(B、B’)のビカット軟
化温度が45℃以上であり、且つ感熱接着剤層(C、C’)のガラス転移温度が
30〜70℃、若しくはビカット軟化温度が40〜65℃の合成樹脂を使用する
ことにより、シール葉書の破棄性、葉書の開封性及び記録材への感熱接着性に優
れ、且つ剥がしカールを発生することなく剥離することができると共に、記録情
報の他面への転移もない葉書を得ることができることを実証するものである。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の感熱接着複合シートの断面構成図である。 【図2】 本発明の図1の感熱接着複合シートを用いた場合の本発明の情報記録体の断面
構成図である。 【図3】 S型折りにして本発明の記録体を作製することのできる記録材の実施例を示し
た図である。 【図4】 Z型折りにして本発明の記録体を作製することのできる記録材の実施例を示し
た図である。 【図5】 図4の記録材を用いた情報記録体の断面構成図である。 【符号の説明】 A 支持体 B 熱可塑性樹脂層 B’ 熱可塑性樹脂層 C 感熱接着剤層 C’ 感熱接着剤層 D 感熱接着複合シート E 記録材 Ea 情報記録面 Eb 情報記録面

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 情報記録面(Ea、Eb)を有する1又は2以上の記録材(E
    )の情報記録面同士を感熱接着するための感熱接着複合シートにおいて、該感熱
    接着複合シートが、支持体(A)の両面に、容易に剥離可能ではあるが自然剥離
    しないように、ビカット軟化温度が45℃以上の熱可塑性樹脂層(B、B’)を
    設けてなる形成物の両面に、20重量%未満の無機顔料を含有する、ガラス転移
    温度が30〜70℃、若しくはビカット軟化温度が40〜65℃の合成樹脂から
    なる感熱接着剤層(C、C’)を形成させた5層構成からなる感熱接着複合シー
    ト(D)であって、前記支持体(A)と各熱可塑性樹脂層(B、B’)との界面
    の180度剥離強度が、20℃、65%RHの環境下、剥離速度500mm/分
    で10〜150g/50mmであると共に、前記記録材(E)の情報記録面(E
    a、Eb)間に挿入して感熱接着させた時の、前記各感熱接着剤層(C、C’)
    と情報記録面(Ea、Eb)との界面の180度剥離強度が、20℃、65%R
    Hの環境下、剥離速度500mm/分で300g/50mm以上であることを特
    徴とする感熱接着複合シート。 【請求項2】 感熱接着複合シートの支持体(A)が透明もしくは不透明な合
    成樹脂フィルム、紙とプラスチックとの複合体、染料及び/又は顔料で着色した
    光吸収性シートの中から選択される何れかである請求項1に記載の感熱接着複合
    シート。 【請求項3】 熱可塑性樹脂層(B、B’)の樹脂が、熱可塑性エラストマー
    、アイオノマー樹脂、低分子量ポリオレフィン樹脂の中から選択された少なくと
    も1種の樹脂である請求項1又は2に記載の感熱接着複合シート。 【請求項4】 感熱接着剤層(C、C’)の樹脂が、エチレン/酢酸ビニル共
    重合樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン/アクリル酸共重合樹脂、エチレン/ア
    クリル酸エチル共重合樹脂の中から選択された少なくとも1種の樹脂である請求
    項1〜3の何れかに記載の感熱接着複合シート。 【請求項5】 少なくとも2面以上の情報記録面を有する1又は2以上の記 録材(E)の情報記録面(Ea、Eb)間に、請求項1に記載の感熱接着複合シ
    ート(D)を挟み、100℃以下の温度で一体化せしめたことを特徴とする情報
    記録体。 【請求項6】 情報記録体が葉書として郵送し得るものである請求項5に記載
    の情報記録体。

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