JP2645286B2 - 投写受像管の面板用ガラスおよびその面板 - Google Patents

投写受像管の面板用ガラスおよびその面板

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JP2645286B2 JP1129995A JP12999589A JP2645286B2 JP 2645286 B2 JP2645286 B2 JP 2645286B2 JP 1129995 A JP1129995 A JP 1129995A JP 12999589 A JP12999589 A JP 12999589A JP 2645286 B2 JP2645286 B2 JP 2645286B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、投写受像管の面板、つまり大きなスクリー
ンに画像を投写するのに用いられるテレビ受像管として
使用するのに適したガラス組成の調製に関する。
(従来の技術) 米国特許第4,734,388号は、ガラスに大きいX線吸収
性を付与するためにSrOおよびBaOと共にZrO2を使用した
ガラス組成に関するかなり広範囲な調査を開示してい
る。しかし、本発明のガラスにおける明確に限定された
組成範囲に入るガラスを開示したものはどこにも見当ら
ない。米国特許第4,277,286号が、本発明のガラスに対
して最も適した開示をしているものと思われる。
投写受像管に用いられる面板は、長年に亘って米国特
許第4,277,286号に記載された範囲の組成を有するガラ
スから商業的に製造されてきた。この特許に開示された
好ましいガラスは、本質的に、重量%で下記の組成から
構成されていた。
SiO2 48−53 K2O 5−6 SrO 3−7 Al2O3 1−2 CeO2 0.4−0.8 BaO 14−16 ZnO 7−11 TiO2 0.5−1.0 CaO+SrO+BaO 18−24 Li2O 1−3 ZrO2 2−7 Li2O+Na2O+K2O 11−16 Na2O 5−7 CaO 0−3 これらのガラスは、X線の優れた吸収性(X線の線吸
収係数は0.6Åにおいて少くとも35-1cm)を示し、高速
電子の衝突による褐変がほとんどなかった。しかし、こ
れらのガラスは1つの望ましくない特徴を示す。つま
り、これらのガラスから作られた面板は目に若干黄色く
見えるのである。可視線スペクトルの青色端における吸
収によって起こるこの黄変は、投写テレビジョンシステ
ムにおいて青色を発色させる際に用いらる電子銃をより
強く作動させる必要を生じさせる。つまり赤色や緑色を
発色させるために電子銃を用いる場合より高い電圧で作
動させなければならない。従って、黄変は美的観点から
だけではなく、受像管の作動の観点からも望ましくな
い。
(発明の目的) 前述の問題点に鑑み、本発明の主たる目的は、米国特
許第4,277,286号のガラスが示す優れたX線吸収性と高
速電子の衝突に起因する褐変に対する耐性とを有し、更
に目に知覚される黄変を実質的に生じさせないガラス組
成を提供することである。
(発明の構成) 米国特許第4,277,286号に開示されているように、陰
極線管の面板として使用するように作られたガラスは必
要な電気的および物理的特性の臨海マトリックスを有す
る必要がある。そこで、前記特許には、面板用ガラスに
必要な以下の5つの特性が示されている。
(1) 350℃で測定した場合のガラスの電気抵抗は少
くとも107Ω・cmでなければならない。
(2) 線熱膨張率(0−300℃)は102×10-7/℃を越
えてはならず、好ましくは95−100×10-7/℃の範囲であ
ること。
(3) ガラスの内部液相線が900℃未満であること。
(4) ガラスの歪点(strainpoint)が500℃を越えな
いこと。
(5) ガラスの軟化点が690℃を越えないこと。
これらの電気的および物理的特性を得るために、前記
特許では基本組成をR2O−RO−ZnO−ZrO2−SiO2系内と
し、それぞれの成分の範囲を極めて狭いものとしている
(ここでR2OはLi2O+Na2O+K2Oを示し、ROはCaO+SrO+
BaOから成る)。また、ガラスがX線に暴露された際の
褐変を抑制するためにCeO2+TiO2の組合せが使用され
た。
本出願人は、組成からTiO2を除くことによって米国特
許第4,277,286号開示の好ましいガラス組成から好まし
くない黄変が除去でき、よってガラスの可視透過率がか
なり改善できることを発明した。更に、高速電子にさら
された際のガラスの褐変を防止するために、組成からZn
Oを除外し、必要なX線吸収特性を維持するためにZnOの
替わりに少くともその一部を付加的なSrOで代替する必
要のあることを発明した。陰極線管の面板用に調製され
たガラスが有していなければならない前述も電気的およ
び物理的特性を有するマトリックスを維持することは、
その他の成分の割合を少し変更することによって可能と
なる。
要約すると、実質的に黄変がなく、0.6Åの波長にお
けるX線の線吸収係数が少くとも35-1cmであり、高速電
子にさらされた際に実質的に褐変がなく、350℃におけ
る電気抵抗が少くとも107Ω・cmであり、線熱膨張率
(0−300゜)が102×10-7/℃を越えず好ましくは95−1
00×10-7/℃であり、内部液相線が900℃未満であり、歪
点が500℃を越えず、軟化点が690℃を越えないような、
投写受像管の面板に使用するに極めて適したガラスを、
酸化物基準の重量%で、 Li2O 0.75−3 Li2O+Na2O+K2O 11−16 Na2O 5−7 CaO+SrO+BaO 21.5−26 K2O 5−7 Al2O3 1−2 SrO 7.5−10 ZrO2 2−7 BaO 14−16 CeO2 0.4−0.8 CaO 0−3 SiO2 55−60 から本質的に構成され、PbOおよびその他の容易に還元
される金属酸化物、弗素、ZnO、TiO2、およびMgOを実質
的に含まない組成から調製し得ることを発見した。清澄
剤を使用することが望ましいと思われる場合は、容易に
還元されにくいという理由からAs2O3ではなくてSb2O3
選択する。陰極線管の面板用ガラスに従来から使用され
ている着色剤、すなわちCo3O4,Cr2O3およびNiOを通例の
量で加えることもできるが、投写受像管からの画像を直
接見ることはしないので、着色剤は通常このような受像
管に用いる面板には使用しない。
(実 施 例) 表1は、本発明のパラメータを表わす、酸化物基準の
重量部で表示された種々のガラス組成を示している。個
々の成分の合計が100かあるいは100に極めて近いので、
便宜状表示されたそれぞれの値は重量%と考えてもさし
つかえないであろう。実際のバッチ組成は、酸化物、ま
たは互いに溶融して適切な割合の望ましい酸化物に変換
される他の化合物のどちらかのどんな材料からでも構成
される。
バッチ成分を混合し、互いにボールミル粉砕して均一
な溶融を得る際の助けとして、プラチナるつぼに充填し
た。るつぼにふたをした後、るつぼを約1,500℃で作動
している炉に入れた。時々かくはんしながら約4時間溶
融した後、溶融物を約15分間放置してガラスを清澄し
た。その後、溶融物をスチールモールドに注いで約6″
×6″×0.5″(約15cm×15cm×1.3cm)の寸法を有する
ガラススラブを形成し、これらのスラブを約520℃で作
動するアニーラーに直ちに移した。
前述の説明は実験室用のものだが、表1の組成を従来
の工業用溶融装置およびガラス製造技術を用いてもっと
多量に溶融しガラスを形成することも可能であることに
留意されたい。Sb2O3を清澄剤としてバッチに含めた。
例2における微量のTiO2はバッチ材料中に存在する不
純物である。TiO2は例1にのみ意図的に含ませた。
前述のガラススラブから試料を切り取った。表2はガ
ラス工業における従来の技術を用いて前記の試料につい
て測定された電気的および物理的特性を示している。表
2において、軟化点、アニール点、歪点は℃で表示し、
0−300℃における線熱膨張率は×10-7/℃で、内部液相
線は℃で、350℃における電気抵抗はLog ρで、そして
0.6ÅにおけるX線の線吸収係数はcm-1で表示してあ
る。
可視透過スペクトルを、約6.35mmの厚さを有する例1,
2および3の試料について分光光度測定により測定し
た。例1は、約500nmの波長で吸収が始まり、約450nmで
吸収が極めて顕著となり、スペクトルから約15%の青が
失われて目により知覚される黄変を起した。これとは対
照的に例2および3が示したスペクトルには放射スペク
トルの可視部に亘って実質的に吸収の痕跡がなかった。
表1からわかるように、例1はZnOとTiO2を含み、例
2はZnOを含むが実質的にTiO2を含まず、そして例3はZ
nOとTiO2の両方を含んでいなかった。前記のスペクトル
測定の結果は、ガラス組成からTiO2を除去すると可視ス
ペクトルの青色端での透過吸収が防止されることを明確
に示している。
テレビ受像管の面板から切り取った例2および3の試
料について、分光光度測定によって可視透過スペクトル
を測定した。この受像管にはスクリーンを設けず、この
受像管をアルミ化し、中を空にした。この受像管を、従
来の市販された受像管エージングラックで約29.5時間エ
ージングし、蓄積された電子の電荷は1.65クローン/cm2
であった。
例2は、約500nmの波長までのスペクトルの可視部に
亘って15%を越える透過ロスを示し、450nm未満の波長
ではもう少し大きいロスを示した。この試料中では明ら
かな褐変が知覚された。一方、例3は、約450nmの波長
までのスペクトルの可視部に亘って10%未満の透過ロス
を示し、400nmまで波長を小さくするともう少し大きい
ロスを示した。このガラス中には実質的に褐変が見られ
なかった。
前記のスペクトル測定は、電子による褐変に対する良
好な耐性を有するガラスを製造するために、ガラス組成
からZnOを除去することが必要であることを明確に示し
ている。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】PbOおよび他の容易に還元される金属酸化
    物、弗素、ZnO、TiO2、およびMgOを実質的に含まず、黄
    変がなく、0.6Åの波長におけるX線の線吸収係数が少
    くとも35cm-1であり、高速電子にさらされた際の褐変が
    実質的になく、350℃での電気抵抗が少くとも107Ω・cm
    であり、線熱膨張率(0−300℃)が102×10-7/℃を越
    えず、内部液相線が900℃未満であり、歪点が500℃を越
    えず、軟化点が690℃を越えず、酸化物基準の重量%
    で、 Li2O 0.75−3 Li2O+Na2O+K2O 11−16 Na2O 5−7 CaO+SrO+BaO 21.5−26 K2O 5−7 Al2O3 1−2 SrO 7.5−10 ZrO2 2−7 BaO 14−16 CeO2 0.4−0.8 CaO 0−3 SiO2 55−60 から成る、投写受像管の面板用ガラス。
  2. 【請求項2】PbOおよび他の容易に還元される金属酸化
    物、弗素、ZnO、TiO2、およびMgOを実質的に含まず、黄
    変がなく、0.6Åの波長におけるX線の線吸収係数が少
    くとも35cm-1であり、高速電子にさらされた際の褐変が
    実質的になく、350℃での電気抵抗が少くとも107Ω・cm
    であり、線熱膨張率(0−300℃)が102×10-7/℃を越
    えず、内部液相線が900℃未満であり、歪点が500℃を越
    えず、軟化点が690℃を越えず、酸化物基準の重量%
    で、 Li2O 0.75−3 Li2O+Na2O+K2O 11−16 Na2O 5−7 CaO+SrO+BaO 21.5−26 K2O 5−7 Al2O3 1−2 SrO 7.5−10 ZrO2 2−7 BaO 14−16 CeO2 0.4−0.8 CaO 0−3 SiO2 55−60 から構成されるガラスから成る投写受像管の面板。
JP1129995A 1988-08-31 1989-05-23 投写受像管の面板用ガラスおよびその面板 Expired - Lifetime JP2645286B2 (ja)

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US4830990A (en) 1989-05-16
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EP0360965B1 (en) 1995-02-01
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CA1333405C (en) 1994-12-06
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JPH0269333A (ja) 1990-03-08
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