JP2645116B2 - 内燃機関の４部複合型オイルコントロールピストンリング組立体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は内燃機関のオイルコントロールピストンリン
グアセンブリ、特に耐摩耗皮膜を備えるかまたは耐摩耗
処理された一対のレールと、レール間に配置された特殊
構造をもつセルフテンションド鋳鉄リングと、ピストン
溝の底部に係合する波形鋼鉄エキスパンダとを含み、シ
リンダ壁に対してレールの支承及び押圧の双方の機能を
果たす複合型オイルコントロールリングに係る。

周面がクロムめっきされた２つの鋼鉄レールリングと
スロット及び適当な周面をもつセルフテンションドリン
グとその背後に配置された波形エキスパンダスプリング
とをもつ複合型オイルコントロールリングは従来から公
知である。

このような複合型オイルコントロールリングは1963年
６月発行のGoetzeカタログ、No.776で発表されて以来、
少なくとも1963年以後ピストンリング業界で公知であ
る。

中間リングは、油掻き取りを助ける以外に、そのボデ
ィに形成されたスロットを介してクランクケースに油を
案内する機能をもち、同時に、対を成すレールのセパレ
ータの機能を果たす。この場合、中間リングに捩れ効果
が存在しないと、中間リングは必要な作用、即ちピスト
ン溝の壁にレール側面をシールする作用を促進すること
ができない。

この作用は、油が燃焼室に漏れ、燃焼室で燃焼するこ
とを阻止するために是非とも必要である。

従って、本発明の１つの目的は、中間リングの捩れ運
動によってレール側面をピストン溝にシールすることで
ある。

本発明の別の目的は、関連部品を適切に潤滑するため
にシリンダ壁の油膜をコントロールすることである。

本発明の上記及びその他の目的及び特徴は添付図面に
示す非限定具体例に基づく以下の記載より明らかであろ
う。

具体例 第１図は本発明の複合型オイルコントロールリングの
中間ツイストリングの構造細部を示す。第１図によれ
ば、シリンダ壁１が、周囲にオイルリング溝４をもつ往
復動ピストン６を内蔵し、複合型オイルコントロールリ
ングは２つの鋼鉄レール２と中間ツイストリング３と波
形エキスパンダ５とを備える。

第２図は第１図のシリンダ壁１に向き合う縁端７とテ
ーパ状周面９と頂面10と底面11と階段状部分12,14と内
面13とスロット８とから成る中間リング３の細部を示
す。

第3A図は側面凹部15をもつエキスパンダの正面図、第
3B図は平面図である。

第4A図及び第4B図は、作動的に正の捩れを伴ってピス
トン溝に配置された本発明の中間ツイストリング３の半
径方向且つ軸方向部分断面図である。

第4A図はレール２の周面が耐摩耗皮膜をもち、第4B図
ではレール２の周面が特殊形状（contoured）の縁端を
もつ。

第5A図及び第5B図は作動的に負の捩れを伴ってピスト
ン溝に配置された本発明の中間ツイストリング３の半径
方向且つ軸方向部分断面図である。

第5A図はレール２の周面が耐摩耗皮膜をもち、第5B図
ではレールの周面が特殊形状の縁端をもつ。

本発明の中間リングは作動中は以下のごとく機能す
る。

エキスパンダ５がレール２をシリンダ壁１に押圧し油
を掻き取る。この油はピストンとシリンダ壁との間の間
隙または中間リング３のスロット８及びエキスパンダの
凹部15（第3A図）とを介してクランクケースに戻る。

中間リング３は、リングがツイストリングとなるよう
な階段状部分12,14をもち、従ってツイストリングは作
動中にレール２がピストン溝４を押圧して側面シールを
強化するような往復運動を行なう。

階段12は中間リング３の上部または下部の側面に形成
され得る。この階段12が上面側10に形成されているとき
は中間リング３の捩れが正であり、第4A図及び第4B図の
矢印で示すようにピストン溝の上部外側コーナーと下部
内側コーナーとのシールが強化される。

階段12がリング３の底面側11に存在するときは前記リ
ング３の捩れが負であり、主として第5A図及び第5B図の
矢印で示すようにピストン溝の底部外側コーナーと上部
内側コーナーとのシールが強化される。内部階段状底部
14も中間リング３による正の捩れを強化する。この階段
状底部14及びテーパ状周面によって中間リング３はシリ
ンダ壁１のオイルコントロールを行ない、ピストン６の
上昇運動中に潤滑作用を行なう油膜がリング３とシリン
ダ壁１との間に維持され下降運動中に油が掻取られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の複合型オイルコントロールリングの半
径方向且つ軸方向部分断面図、第２図は本発明の中間リ
ングの正面図、第3A図及び第3B図は夫々複合型オイルコ
ントロールリングのエキスパンダの正面図及び平面図、
第4A図及び第4B図、第5A図及び第5B図は夫々、正及び逆
の捩れを伴ってピストン溝に作動的に配置されたアセン
ブリの半径方向且つ軸方向部分断面図である。 １……シリンダ壁、２……レール、３……中間リング、
５……エキスパンダ。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−21353（ＪＰ，Ａ) 実開 昭49−78652（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−66138（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−59261（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−142143（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内燃機関のためのピストンのピストン溝
   （４）に配置されたオイルコントロールピストンリング
   組立体であって、 一対の油かきレール（２）と、 該一対の油かきレールの間に配置された中間ツイストリ
   ング（３）と、 ピストン溝の底部に配置され、一対の油かきレールをシ
   リンダー壁に対して押圧する波形エキスパンダー（５）
   とを含み、 該中間ツイストリングが、内面の上部または底部のコー
   ナー又は周囲面の底部コーナーに階段状部分を備え、さ
   らに、クランクケースに油を流すために、上部及び／又
   は下部の側面にスロットを備えており、ピストン溝に対
   して油かきレールの側面シールを行うとともに、シリン
   ダー壁に対して油かき作用を行うピストンリング組立
   体。
2. 【請求項２】中間ツイストリングが鋭角的な縁端のテー
   パ状のバレル面を備えた請求項１に記載のピストンリン
   グ組立体。